BulletinofFacultyofEducation,NagasakiUniversity:Curriculum andTeachingNQ40(2003)57‑64
「あた りまえ」に気づ く家庭科の授業の試み
一家族のために作る調理の工夫を通 して一
後藤 ヨシ子* 溝田 梨華*
(平成14年10月31日受理)
A Tr i a lTe a c hi ngWhi c hTa ke sNo t i c eof 輔 A Ma t t e rofCo ur s e 乃
i nHomeEc onomi c sEduc a t i o na tEl e me nt a r yS c hool
Yo s hi koGOTO書 , R i kaHAMADA*
(ReceivedOctotkr31,2002)
はじめに
平成11年発行の学習指導要領の改訂で大 きく変わった点の1つ として、「被服
」
「食物」「家族の生活 と住居」 という
「3
領域」か ら「8
つの内容」(表1
)に整理統合 されたこと があげられる。それは、これまでの3
領域 よりも、複数の内容の関連を図った授業の構成 を意図 していると考える。そ もそ も家庭科は、「家事裁縫科」 として始 まった。その当時は、 自分で作 らな くては 手に入 らない時代であった。 しか し現代は高度経済成長 をとげ、物は豊かに、そ して生活 も便利 になっている。 子 どもたちが家事 を手伝わない と生活で きない ということは少ない。
さらに少子化 も伴って子 どもたちは家事 を手伝 うことよりも、塾や習い事で忙 しい 日々を 送ってお り、生活体験の乏 しきも指摘 されている。
・家庭科で学べる重要な要素の一つ として、児童が 「あた りまえ」 と思っていた家庭生活 を営んでい くための 日常的な活動に大事な価値があることに気づ くことが必要であるので はないか と考える。 今 日、生活経験の乏 しい子 どもたちにとっては、 日々の生活は当然の ように繰 り返 されているため、あた りまえの もの として見過 ごしがちである。 生活には、
家族の思いや時間、金銭 などの要素が関わっていることは、気づ きに くいことではないだ ろうか。
そこで、今回は家族のために作 る調理の工夫を通 して、 これ らの要素 に気づかせ、家族 に支えられている自分に気づ き、また今 まで家族にしてもらっていたことが、 自分 にもで き るという家族を支えられる自分に気づき、家族を思いや り ・家族のために実践 しようとする 態度に結びつける授業、児童が 「あたりまえ」と思っていることは、実はあた りまえではな いことに気づき、生活を工夫 しようとする実践的な態度を育む授業を試みることにした。
*長崎大学教 育学部家政教 育講座
58 長崎大学教育学部紀要 教科教育 NQ40(2003)
表1 3領域 か ら8
つの内容へ
1989(平成元)年発行
A
被服 B食物C
家族 の生活 と住居1999(平成11)年発行
家庭生活 と家族 衣服へ の関心
生活 に役 立つ ものの製作 食事へ の関心
簡単 な調理 住 まい方へ の関心
物や金銭の使い方 と買い物 家庭生活 の工夫
Ⅰ.
「あた りまえに気づ く」授業 とはそれでは、児童が 「あた りまえ
」
に気づ く授業 とは、 どの ような授業 なのであろうか。日々の生活の中で 「あた りまえ」 と思 っていることが、実は 「あた りまえではない」とい うことに気づ くことだ と考 える。 この ことをここでは 「あた りまえ」 に気づ く授業 と考 え るこ とに した。
そ して 「あた りまえ
」
に気づ く授業 は、「家庭生活 に即 した実践 ・体験 を通 して」 気づ くことではないか と考 えた。また、学習指導要領の 「家庭科 の 目 標」 によると、最終的な 目標 は 「生活
を工夫 しようとす る実践的な態度 を育 てる」 ことである。 この生活 を工夫 し ようとす る気持 ちの中心 は、家族の存 在がある。 したが って、生活 を工夫 し
ようとす ることは、家族 にとって、家 庭 を快適 に楽 しく生活で きる場 に しよ
うとす ることだ と考 える。 児童 に、そ のような意欲 を育てるには、「衣
」
「食」「住
」
が相互 に関連 しあいその中心 に 家族 を思いやる授業 を構成す ることが 必要である と考えた (図1)。衣
住
図 1.家族 を中心 と した衣食住 家庭生活の関わ り 以上の ことか ら、
①家族 を中心 に、衣食住 、家庭生活が互 いに関連 しあ う授業 を構成することによ り、
② 「あた りまえ」 と思 っていたことに大事 な価値 が あるこ とに気 づ く授 業 を構 成 した (図2)0
後藤 ・溝田
:
「あたりまえ」に気づ く家庭科の授業の試み(∋家族を中心に、衣食住 ・家庭生活が互いに関連 しあう授業
家族の存在、家庭生活を支える様々な要素に気づ く
②あた りまえに気づ く授業
59
図
2.
家庭科の 目標 と本研究 とのつなが りⅡ.
方 法児童 は、題材名 「調理の くふ う
」
の学習 を通 して、 じゃがい もと魚や肉の加工品につい て学んで きている。 今 回はその最後の時間である 「家庭での実践計画 を立てる」の内容で 授業 を構成 した。つ ま り今 回の調理の中心 にあるのは 「家族のために」作 ることである。家族 に食べて もらうことを想定 した計画であるため、よ り実生活 に即 した実践が期待で き る。 児童 にとって 「あた りまえ」の ように思っていた 「家族
」
「時間」
「金銭」
「空 間」 といった要素 に、必ず しも 「あた りまえではない」 ことに気づ くことがで きるように、教師 がプリン トの実践計画表 を作成 し、家庭生活 を構成 している様 々な要素 によ り気づいて も
らえるように工夫 した。
1
本時の題材名 「家庭 での実践計画 を立て よう」 2
本時の題材設定の理由児童 は、 これ までに じゃがい もと魚や肉の加工食品の よさや栄養的な特徴 、また卵料理 や野菜の調理、 ご飯 と味噌汁 などの調理 を行 ってお り、前時には じゃがい もと魚や肉の加 工品を使 った調理実習 を行い、これ らの調理 に関す る知議や技能 を身につけて きている。
さらに、実習 を通 して 自分の作 った ものを誰かに食べて もらいたい ・喜 んで もらいたい と い う気持 ちを持 っている。 そ こで、今 回は児童が家庭での実践のための準備や計画 につい て、学ぶ機会 を設定 した。
家庭 で食事 を作 る ときは、栄養のバ ランスや調理の手順 だけではな く、家族が集 まる時 間や決 まった食事の時間な どにあわせて、料理が出来上がるように考 えなくてはならない。
60 長崎大学教育学部紀要 教科教育 Ph40(2003)
そのためには、家族 の年齢 や人数分 を考 えて作 る量や食材 の準備 (買い物 )は どうすれば よいか、調理 にかか る時間 を踏 まえていつ作 り始めれば よいのか な どを計画的 に考 える必 要がある。
本時では、 じゃがい もと魚や肉の加工 品 を使 った料理 を、家族 のために作 る計画 を立て ることによ り、実践計画 とは具体 的に どの ようなこと考 えれば よいのかがわか り、家族 の 好み と栄養 のバ ランスの取 れた献立 を考 え させ た。そ して、だれ とどの ような ときに料理 を作 るのか、家族 に喜 んで もらうために どの ような工夫 をすればよいかを考えることによっ て家庭 での実践意欲 を高めることに した。
授業場所 長崎大学教育学部附属小学校 家庭科室
授業対象 長崎大学教育学部附属小学校
6
年1
組3 9
名 (男子1 8
名 女子2 1
名) 実施 日時 平成1 3
年1 2
月1
1日 (火 )3
校 時 (1 0:4 0‑l l:2 5)
3
本時の 目標これ まで に身につ けた知識や技能 を生か して、家 族 の好 みや楽 し く食べ るため の工 夫 を取 り入れた、 じゃがい もと魚や肉の加工 品を使 った料理の実践計画 を立てることがで き る。
(プリン ト)
後藤 ・溝田 :「あた りまえ」 に気づ く家庭科 の授業 の試 み
4
展 開 (1
時間)61
区分 指導内容 児童の活動 教師の手立て 教材 .教具 時間
導
入 ○前時までの確 ・前時までの学習を振り返る。・家族のために、じゃがいもと魚や肉の加IE計画を立てることを知る.El][]を使った調理 ・前時までのポイシ 卜をおさえ 文字カー ド 4分 認
〇本時の目標 一本時の学習を知らせる○る。 まとめの表
展
開.○実践計画を立・実践計画の項てるo ・実践計画の項目を考えること ・実践計画の項目を児童に発表 文字カー ドプリン ト 2(6)(62分0)
目を考えるo
・テーマを決め により、実践計画の見通 しを させ、その後項目の説明をす
持つ○ る。
・どのようなときに実践するの *机間指導・栄養のバランスは、教科書に る〇
・献立を決め、 ・じゃがいもと加工品を含めたか考えて書く〇 プリン トのプリン トの(テーマ)21
盛り付け図を 1食分の献立を考え、盛り付 載っている6つの基礎食GEl群 プリン トの(こんだて)3 描くo け図を描くo の表を参考に考えさせるo
・材料と分量を ・じゃがいもと加工品を使った ・机間指導では、計画tt無理が
考えるLo
・作り方を考える〇
・.材料の準備に ・・作り方を考えて書くo.家庭にあるものを使うのか、料理の材料と分量を考えて書くo ・これまでの卵料理や、野菜の調理などの学習を通 して、ないかを見る。 .身 プリン トのプリン トの((材料と分量)作b方)45
ついて考える〇
一工夫するとこ .ないものはどうするのかなど・家庭での実践計画を考える中を考えて書く〇 ような指導をする○につけた知義や技能を生かす プリン トの(材料の準備)6
ろを考え申o で、工夫するところを考えて書くo (工夫するところ)
ま と
め ○家庭での買践 ・テ‑マ、献立、工夫するとこ ・テーマ、献立、工夫するとこ 文字力「 ド 15分
Ⅲ.
結 果今回の、家族のために作 る料理の実践計画は、食物 と家族が関連 した、児童の家族への 気持 ちや、そ こか ら生 まれて くる工夫がみ られた。 まさに家庭生活 に即 した実践 ・体験 を 通 してあた りまえに思 っていることに気づ く授業の設定であった。
本授業の前 にとったァンケ‑ トでは、「あなたはふだん家庭 で料理 を しますか
。 」
とい う62 長崎大学教育学部紀要 教科教育 rh40(2003)
問いに対 して料理 したことがある児童は、男子
4 5%
、女子9 5%
と圧倒的に女子が多かった。また、「どんな料理 をしますか。」 という問いに対 しては、学校の調理実習で作 ったことの ある 「卵料理」が多 く、他にも 「野菜妙め
」
「ごはん ・みそ汁」 という回答 もみ られた。「家族のためにできるようにな りたいことはどんなことですか」 という質問 に対 して、料 理 と答えていた児童が25.6%と最 も多 く、さらに、「家族 といて楽 しいのはどんな時です か。」 という問いに対 しては、「食事中 ・食後」 と答えている児童が多 く、食事 は家族 との 団撃のひとときとして大事な時間であることがわかる。
家庭で実践するための計画 を立てる段階であった本授業では、実践計画表のテーマに、
「妹の じゃがい も嫌いをな くそう作戦
」
「お母 さんが疲れているときに作 る」
「家族が元気 になるような料理を作 る」
など、家族 に対する児童の思いが見 られた。そ して 「栄養たっぷ りの料理
」
「おい しい料理」
「家族一人一人の好みに合わせて具 をかえ る」 というように、家族に作 ってあげたい という児童の工夫や意欲が よく表れて、いた。さ らに、ランチ ョンマ ッ トを敷 くなどの演出を考えている児童 もお り、食事 を家族 との楽 し いひとときにしたいという気持ちが よく表れていた。また、家庭での実践後の児童の感想 には、「お母 さんがあた りまえの ように作 っている 食事ですが とて も大変だということがわかった。」 と述べている児童や、「料理の ときに時 間がかかって しまったので もう少 し早 く作 りたい。」 と述べている児童 もあ り、家庭 での 実践 を通 して、「あた りまえ
」
と思っていた食事 を作 る大変 さと楽 しさ、家族 におい しい といって食べて もらえた喜び、限 られた時間内に作 る必要性などに気づ く有意義な機会で あった。そ して、「家族が喜んで くれた」
「おい しい といって くれたので うれ しか った」「また作 ってあげたい
」
「今度はここを工夫 してみたい」など、児童の実践意欲 を高めるこ とにつながる家族の反応がのべ られていた。(表2)しか し、今回の
1
授業の中で児童が計画を立てるには内容が多す ぎた とい う反省点があ る。た とえば、実践計画表の 「材料の準備」では、① 自分で買いに行 った ②家族に買っ て きて もらった ③家にあった などの項 目に○をつけさせるなど、家庭での実践報告 と いう形で記入 させるようにし、授業では、「献立」
「材料 と分量」
「作 り方」
のみ を考 えさ せるなど、4 5
分 という時間に適合 した授業計画を立てる必要があった と考える。つまり教師は授業を構成する際に、児童が 「あた りまえ」 と見過 ごしていた要素に気づ くよう、最 も効果的な授業の展開を考えることが大切である。 本授業のように、家族のた めに調理 を工夫することか ら、家族か ら喜ばれることによって、あた りまえであることが とて も重要であるということを、実践前 に考えさせるよりも、実践後に実感 として気づか せることがで きた。 したがって、日常的に 「あた りまえ」 と思っていたことに気づかせる 授業は、より実践的 ・体験的な活動 を伴 うことの重要 さがある。 家庭は文化の伝承の場で ある。家庭生活の中で 日常的な繰 り返 しのあた りまえが家庭の味や家庭の文化 をつ くり伝 承 しているという大事な意味を同時に認識 してお きたい と考える。
表2.児童の家での料理における実践計画 と感想 (9例 )
テーマ こんだて 工夫するところ 作った感哲 お家の人の感 想
A お母 さんが仕事で ポテ ト&加工品 ドリア、 ドリアのなかみを栄養た お母さんが、あたり前のように作っている食 ドリアもとても紛 ゞこもっていておい しかつたのですが、それ以 忙 しい と きに作 サラダ つぶ りにするo 事ですけれども、とても大変だつていうこと 上に、私は忙 しくて使わない様 な食許やランチ ョンマ ッ トを出 し る!! が分か りました.味では負けるので、演出でがんばりました○ て、ステキな演出でとても雰囲気ある食 草でしたo
B 寒い時 ごほん、おみそ汁 チ「ズの量を多 くするo は じめて作 るときよりも上手にできたので 簡単で、ボリュームがあっておい しかつたですoあともう少 し工夫 ベーコンポテ トのチ」ズ ベーコンもo よかつたですoチーズも多 くすればおいしく して、野菜を入れたり、グラタン風にすれば、また、おい しいもの
焼 き . なったのでよかつたですo ができるのではないかと思います○また、これか らも作って下さいo
C 妹のジャガイモざ戟らいをな くそう作 野菜コロッケ、チャーハンパー ト2 妹 の きらい な物 をいれるo
D 気が向いたらつ く ごほん、おみそ汁、 味付けに気をつけよう あんまりおいしくなかったけど、今度 またや 初めてにしては、まあまあの出来だったo る○
味 を良 くするo 肉 じゃが、卵焼き、 つてみたいと思った○ じゃがいもをもう少 し大 きめに切ったほうが良いo
E おなかがすいた時 フルーツサラダパン、 見た目をかわい く、 ハム巻 きポテ トサラダ を作 るときに苦労 し 思つたより上手にできました.フルーツサラダバンは、‑1軌 こ生.ク のおやつ ハム聴き (ポテ トサラダ) おい しそうに !栄養のことも考えるo たOでも上手にできたo テ トサラダはとてもおい しかつたですoリームをはさむともつとおいしかつたかもしれませんoハム巻きポ F おい しい じ<.がい ごほん、おみそ汁、 いためた後にレンジを便 学校で作ったときよりもうまくで きたと思 家族で「緒に食 べましたo子 どもが作って くれた料理だったので、
もー機 を作ってよ ナスと トマ トのチーズ焼 うo い、お母さん達も喜んで くれたのでよかつた 会話も自然 とはずみ、とても楽 しいひと時を過ごせましたo
ろ こん で も らおう!! き です!! また、作ってネ !!ごちそうさま、おい しからたよo
G じゃがいもを便 つ ごほん、おみそ汁、 バ ラ ンス よ く栄養 をと こんだての料理を作るとき、けっこう時間が 献 立を決める段 管から、あれこれ考えていた様子で、詞 艶をしてい たおい しい料理を ベーコンポテ トのチーズ るo かかってしまったので、今度からはすばや く る時には、段取り良く、丁寧に料理に取 り組んでいましたoその様 作 って、家族に喜 焼 き、 や りたいですOでも、家族はおいしいといつ 子から、本当にこの子は家庭科が好きなんだ...と感 じるものがあ んでもらうo フルーツヨーグル ト て くれたのでよかつたですo り、味のほうも大変おい しくいただきましたo
H 栄養のバランスを ごほん、ツナサラダ 6種類全部の栄養を入れ 学校で作ったときよりも、おい しくで きた 少 し時間はかか りましたが、とてもおい しくできていましたoチ‑
考えよう ! ベーコンポテ トのチーズ て作ろうo (と思う)〇時間がかかって しまったので、 ズ焼きは、ホットサンドの具にしてもおい しいだろうなあと思いま
焼 き、 もう少 し早 く作 りたいです○ した○
Ⅰ 休みに家族におい ベーコンポテ トのチーズ 見た目をよく○ ベーコンポテ トのチーズ焼 きは、見た目もよ 材料の買出 しから手伝ってもらって、夕飯の献立に一品加えるこ しい料理を作 って 焼 き、 バランスよく、おい しく くできた し、前作つた時よりおい しくできた とができてあ りがたかつたですo
上げよう!! サン ドイッチ ので、よかつたですoサンドイッチもいろん しか し、ベーコンポテ トのチーズ焼 きは、ちょっと味が うすかっ な種類の具を入れて、とてもおいしかつたで たので、チーズの他に何か別の調味杵を加えたほうが、よかつた すoだけど、卵や トマ トも入れたら、もつと のではo又、じゃがいもをむ くのが少 し手間取って しまいました
薄離・菊田⁚「針T;D仙i」8;沖正人灘蘭学o)薄淋e)異や
64 長崎大学教育学部紀要 教科教育 恥40(2003)
Ⅳ.
まとめ家族 に喜んで もらえる、 じゃがい もと加工品を使 った料理の実践 を通 して、児童は 「あ た りまえ
」
と思 っていたことは必ず しもあた りまえでないことに気づ くことの重要 さを考 えることをね らい とした。そ してそれ らの気づ きは 「生活 を工夫 しようとする実践的な態 度」 につながると考えた。これまでに学習 した調理の知識や技能をいか して、児童 は家庭 で どんなときに作 るか (テーマ)、栄養のバ ランスを考 え (献立)、家族の人数によって作 る量 を見積 もり (材料 と分量)、調理 にかかる時間 (作 り方 )や材料の準備 、 そ して常 に 家族 に喜 んで もらうために 「工夫するところ」 を考 えさせた。実践 を通 して、あた りまえ のように考えていた食事 も作 る大変 さや楽 しさの実感、妹の じゃがい も嫌いをな くすため の献立や味付 けを考えるなど、家族 に対する気持 ちや思い、そ して家族か ら喜ばれ、また 作 りたい とい う児童の実践意欲の高 ま りがみ られた。今 日、子 どもたちの生活経験の少 なさを考える時、これか らの家庭科が果たす役割は大 きい と思 える。 しか し、今年度 より実施 された学校過 5日制の導入 による授業時間の削減 などか ら、実践的 ・体験的な活動 を取 り入れた授業 を設定することは時間的に難 しくなっ てきた。
しか し、家庭 は大事 な文化の伝承の場である。 家族のために工夫 し、家族のためにで き る喜びや大変 さを、今後 も実践的 ・体験的活動 を重視 し、少 ない時間数の中で、より効果 的に、児童が 「あた りまえ」 と思 っていることに気づ き、よ りよい生活 を目指 して創造で
きる家庭科の授業 を大事 に してい きたい と考える。
文 献
1)文部省 :小学校学習指導要領解説 家庭編 1999
2)日本家庭科教育学会 :家庭科教育50年一新たな軌跡に向けて一 建吊社 2000 3)柳 昌子、甲斐純子 :家庭科授業の創造一家政科 と連携 して一 建吊社 1995 4)森岡清美、望月嵩 :新 しい家族社会学 培風館 1983
5)町田万里子 :共につ くる家庭科授業一 日分が変わる ・まわ りも変わる一 不味堂出版 2001 6)家庭科教育研究者連盟 :小学校教育実践選書 家庭科の授業 あゆみ出版 1981
7)文部省 :小学校家庭科指導資料 新 しい学力観に立つ家庭科授業の工夫 東洋館出版社 1995 8)橋本都 :新学習指導要領を生か した家庭科の授業 小学館 2001