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「力学基礎 101 問 」 の 結 果 と 分 析

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11 

e‑Learning  システム HIPLUS 上の

「力学基礎 101 問 」 の 結 果 と 分 析

徐 丙 鉄 ¥ 安 原 理 恵 子 付

Results and Analyses o f  101 b a s i c  problems  i n  mechanics on t h e  e‑Learning System: HIPLUS 

Byon Chol 80 and Rieko YASUHARA * * 

工 学 基 礎 と し て の 物 理 教 育 の 目 標

物理学とは,自然現象の観察に始まり,それに基づく論理的思索と実験を通 して,多様な自然現象を普遍的法則に基づき統一的に理解しようとする試みで あり,そのような態度,文化である。そのような手法,科学的手法,がうまく ゆくことは,これまでの物理学の発展の歴史で実証されている。自然現象は法 則に従って生起することを認識し,そのように現象を理解しようとする態度,

科学的態度,を身につけることこそ最も重要である。

工学の目標は f役 に 立 つ モ ノ や シ ス テ ム を 創 るJことであろう。これからの モノ作りはより複雑化し,さらに環境負荷も考慮せねばならず,益々難しい最 適解を見つける問題になる。従って,工学基礎としての物理学の役割は,既知 の法則を単に学ぶだけでなく,第一に科学的ものの見方の基本トレーニングの 場 と な る こ と で あ る 。 具 体 的 に は , 基 本 法 則 を 基 に 自 然 現 象 を 理 解 す る と は ど ういうことかを過去の成功事例を通して学び,そのような手法が成功すること を知ることを通して科学的態度を養成する。さらに,基本法則から出発し問題 を解析する能力の養い,未知の問題を恨本から考える能力を育成することが目 標となる。

会 近 畿 大 学 工 学 部 情 報 シ ス テ ム 工 学 科

Department of Information and Systems Engineering,  School of Engineering, Kinki University 

H 目立電子サービス

Hitachi Electronics Services 

(2)

そのためには,リアリティを伴った学習が先ず重要で,そうでなければ学生 は数学の文章題のように物理学を学ぶことになりかねない。常に現象と紐付け ながら基本法則の認識を深めてゆく教育的配慮が欠かせない。講義における演 示実験の重要性もその点にある。

多 重 な 学 習 支 援 が 必 要 な 時 代

近年,少子化が進み,難関大学以外では実質上大学全入時代となりつつある。

本学部を含め多くの大学で入試の多様化が進み,理工系であっても物理を履修 せずに入学する学生,物理を履修はしたが受験科目としては選択せずに物理に 対して受験勉強というハードトレーニングの機会を逃した学生,などが結構な 割合で存在するようになった。さらには,論理的な思考に慣れていない,基本 的な計算能力が不足しており,学習習慣もない学生も見受けられるようになっ てきている。このような学生に対して,有効な物理教育を実施するためには一 様な手法だけでは困難で,多様な手段を何重にも組み合わせる必要がある。動 機づけとして講義への演示実験の積極的導入,理解を深め興味を持たせるため に PC シ ミ ュ レ ー シ ョ ン の 活 用 , 理 解 を 深 め る と と も に 確 認 と 定 着 の た め の

e‑Learning

の 活 用 , 様 々 な 学 習 履 歴 を も っ 学 生 に 対 応 し た 教 育 支 援 を 実 施 す るために個別学習支援体制の確立など,多様な方策を多重に組み合わせた教育 学 習 支 援 体 制 を 用 意 す る こ と が 必 要 な 状 況 と な っ て き て い るo

学 習 に お け る 量 の 必 要 性 : 量 の な い 質 は な い , 習 慣 の な い 技 能 は な い 何を学ぶにしても,理解を深めるためには学習量を確保し,学習習慣を身に つける必要がある。殊に物理学の基本法則を理解するには多くの学習量が必要 である。多様な問題を一定量以上経験して,基本法則の含意する内容の認識を 多面的に深めることが物理学の学習には必須である。

今 回 制 作 し た 「 力 学 基 礎 101問jは , 力 学 の 基 礎 の 確 認 と 点 検 ・ 定 着 , そ れ に 学 習 習 慣 の 養 成 を 目 的 と す る

e‑Learning

問 題 集 で あ る 。 制 作 に 当 た っ て は次の点に配慮、した。

1 .現実的時間内で終了可能な学習量とする。終了することで達成感が得られ,

次のやる気を生む。また,量を明示するととで学習目標が明確になる。 (101 題)

2.

問題は数分以内で回答できる程度の難易度とする。

e‑Learning

は深く考 え る 問 題 に は 不 向 き で あ る 。 一 方 や さ し い 問 題 で も よく配慮すれば物理 的認識を深めることができる。

3.物理が自然科学であることを認識し,イメージしながら考える習慣を養い

(3)

e ‑ L e a r n i n g

システム

HIPLUS

上の「力学基礎

1 0 1

J

の結果と分析

1 3  

現象に法則が紐付けられるように,日常に題材をとった問題を制作する。リ アリティのある問題を制作する。

4.力学の基礎を 13の学習項目に分割し,各学習項目に複数の問題を収集・

制作する。これにより学生は理解が不足している学習項目を認識し,そこを 重点的に白学できる。一方,教員は学生が苦手な項目や間違いやすい問題を 知り,授業改善に活かせる。なお,問題には連番を付けて索引とする。

5 .   e ‑Leaning

の機能を活かし,各分野からランダムに選択し,力学分野の最 終確認にも活用できる問題集とする。ランダムに出題されるので,暗記に頼 ることが難しく,学生は繰り返し学習理解度の点検に活用できる。

6.講義に連動して,事前点検,事後確認にも活用できるようにする。

物理的認識を深めるリアリティのある演習問題とは

演習問題には配慮が求められる。多様な学習履雌を持つ学生集団を対象とす る場合には,基礎学力の定着と確認を目的とする演習問題が先ず必要となる。

また,数学の文章題としか思えないような問題では,実験科学としての物理学 の素養を養うことは難しい。具体的に現象をイメージできる問題,問題を解く ことにより物理的認識が深まるような問題, しかも単純な問題を多数用意し,

学生自らが物理的認識の深まりを自己確認できることが望まれる。

例えば,力のモーメントに関する問題では,次のような問題がリアリティあ り,物理的認識を深める。

0 7 7  

走 っ て い る 自 動 車 は , ブ レ ー キ を か け る と フ ロ ン ト は 下 が る か 上がるか。(ヒント:力のモーメントを考えよ。)

O

下がる(正解)

O

上がる

O

どちらともいえない

このようなリアリティのある問題を多数経験することで,自然現象を基本法 則に従って解釈しようとする科学的態度が養われる。

e ‑ L e a r n i n g   r

力学基礎

1 0 1

問」の実施

今回,近畿大学工学部の

e ‑ L e a r n i n g

システム

HIPLUS

上に「力学基礎101 問」を制作した。学習項目は13に分割した。それぞれの項目と項目毎の問題 数を表 1に示す。

(4)

' E

皿 田 園 田 園 田 園 田 園 田 園 圃 圃 血 血 盟 副 量 圃 圃 園 田 画 調 理

5 2 d 曾関空 5 使鵠舎 99 明

i

041  '川

底の土に"か1':立コている人に鋤く 2つのカ,重力と底からの垂直効力 は作用・反作用といえるか.

Oいえる Oいえ恕い Oどちらともいえ包い

'1

1.1

l e 1 e

ィヨヤト

図1 : r力 学 基 礎 101問 」 の 学 習 画 面

この教材を 2007年 度 前 期 に 機 械 工 学 科 1年 の 必 修 科 目 「 物 理 学 1J で活用した。

講 義 は1年 生 を2ク ラ ス に 分 け て 実 施 し て い る 。 前 期 講 義 全15回中,第 12回 目 の 講 義 を コ ン ビ ュ ー タ 教 室 で 実 施 し , HIPLUS  の 利 用 法 を 説 明 し た 後 , 力 学101問 の 中 か

学 習 項 名 問 題 数

01加 速 度 7 

02加 速 度 と 変 位 6 

03自由落下

1 1  

04自 由 落 下 ・ 応 用 4  05運 動 の 法 則 ・ 基 礎 13  06運動の法員iJ:計算 10  07仕 事 と エ ネ ル ギ ー

1 1  

08力 積 10 

09力 の モ ー メ ン ト 7 

10放 物 運 動 4 

1 1

等 速 円 運 動 5 

12単 振 動 5 

13単 振 動 : 数 理 8  表1 : r力 学 基 礎101問』

学習項目 ら未学習の r08力 積J,r 09力 の モ ー メ ン トJを 除 い た 項 目 を 各 自 時 間 の 許 す 限り o‑Loarningするように指示した。

ま た , 学 生 に は 理 解 度 の 自 己 点 検 と し て o‑Loarningを 利 用 す る こ と , 間 違 っ た 問 題 は 問 題 番 号 を メ モ し , 後

F ニ

F孟ごお工ZZZL予= 一一一一一一一一一ーで 日再確認するようにと指示した。 lj九ヰおお'W'~竺夕立主二一円樫ヨ:む ま た 期 末 試 験 で はF こ か ら 類 題

1 . . . . . .

聞 叫 内 向 、 明 唱 す る と 出O F… 仁 二 ご ご 工 」

'‑‑ ,‑‑1"‑.-'1)):"l~糊同開団 主接持品主稲川崎IIII',lFl?~tUõ" JU"‑t'己二 " ー ]

を 数 題 出 題 す る と ア ナ ウ ン ス し

l m z f o L 1

tth 12品 目 { 亘 弓 亜 日

た 。 な お , こ の 日 の 受 講 者 は Aク ラス 66名, Bクラス 63名 の 合 計 129名であった。

e‑LearningシステムHIPLUSとは 近 畿 大 学 工 学 部 で は , メ デ ィ ア セ ン タ ー 建 設 時 にo‑Loarningシ ス テ ム と し てHIPLUS(目立)が導 入され, 2005年 10月 よ り 稼 動 し

<<""憶宵包';1.;);.

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ている。同時に300ユ ー ザ ー が 利 恒 一 一

剛同制uw.usrrY so側)olOFtllGJttRlHG H"ACAMPUS l/I畿"寧ヱ写湖底.与やン'1¥ス

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・セ持ュ1}7'ィセミナー咽聞瞳 2αlIi!121(

・[修正]f国llllむのリンク先走修正しまし 2α121 JR..R.・内副,Cowri.lht但)1997..2004. Hit田 川EleetroniolSe6I.Co.L1d

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図2 : H I PLUS for近 大 工 の ト ッ プ 画 面

(5)

e‑LearningシステムHIPLUS上の「力学基礎101問

J

の結果と分析 15 

用 で き , ユ ー ザ ー

I D

は 情 報 教 育 セ ン タ ー の も の に 統 合 さ れ て い る 。

現 在 (2007年9月6日 ) ま で に 登 録 さ れ て い る 教 材 数505個 , そ の 内 削 除 さ れ ず に 登 録 さ れ 続 け て い る 教 材 数 は364個 ( 本 番 モ ー ド :347個 、 確 認 モ ー

ド:17個 ) で あ る 。 登 録 さ れ た 科 目 は208科 目 , そ の 内 で 削 除 さ れ ず に 登 録 さ れ て い る も の は 85科 目 ( 本 番 モ ー ド :48科 目 , 確 認 モ ー ド :37科 目 ) で あ る 。 ま た , こ れ ら の 科 目 で 学 習 状 態 に あ る 人 数 は1931人 ( 登 録 数 :866人, 参 加 数 1065人:重複受講含)である。

『力学基礎101J学 習 項 目 別 利 用 状 況

HIPLUSの 「 学 習 管 理 J機 能 を 活 用 し 学 習 状 況 管 理 」 の 中 か ら 「 教 材 別 学 習 状 況 J を 利 用 す る と , 学 習 項 目 別 の 利 用 状 況 デ ー タ が 取 得 で き る 。

こ れ に よ る と , 学 生 は 平 均 と し て l問当たり l分程度で回答し,約1/4の 学 生 が 全 学 習 項 目 を 終 了 し 1学 生 の ト ー タ ル の 学 習 時 間 は 平 均 1時間23分 で あった。

l問 当 り の 回 答 時 間 は f04̲自由落下:応用Jが最も長く 2分 43秒であっ た 。 こ れ は 計 算 が 必 要 な こ と と 問 題 の 物 理 的 状 況 を 理 解 す る の に 時 間 を 要 し た のであろうと思われる。

題 総 利 用 時 間 平 均 利 用 時 間 1問当たり 学習項目 数 利 用 者 数 hh:mm:ss  mm. ss の 回 答 時 間 01加 速 度 7  128  14:41:42  06:53  00:59  02加速度と変位 6  122  21:18:41  10:29  01:45  03自由落下 11  118  20:07:45  10: 14  00:56  04自 由 落 下 応 用 4  109  19:42:24  10:51  02:43  05運 動 の 法 則 基 礎 13  91  9:58:01  06:34  00:30  06運 動 方 程 式 計 算 10  73  11:0842 0910 00:55  07仕事とエネルギー 11  59  6:57:04  07:04  00:39  10時放物運動 4  39  510:04 07:57  01:59  11等 速 円 運 動 5  38  2:10:21  03:26  00:41  12単 振 動 5  38  3:44:01  05:54  01: 11  13単 振 動 数 理 8  34  2:37:09  0437 00:35  合 計 84  849  117:35:54  1 :23:09  00:59  表2f力 学101問j学 習 時 間

(6)

『力学基礎 101J正解率の低い学習項目

HIPLUSの 「 学 習 管 理 」 機 能 か ら 「 問 題 分 析Jの 「 分 野 別 分 析 」 機 能 を 利 用 す る と 学 習 項 目 別 , 問 題 別 の 正 答 率 の 分 析 デ ー タ を 取 得 で き る ( 表3。)

これによると,最も正解率が低い学習項目は r04自由落下:応用」で50%

であった。次いで r12単振動J (54%), r06運動の法則:計算J (57%), r05  運動の法則:基礎J (58%)の順である。特に r05運動の法則:基礎」の正答 率が低いのは意外であった。

一 方 , 正 解 率 の 最 も 高 い 学 習 項 目 は rOl加 速 度 」 で 86%であった。次い で r02加 速 度 と 変 位J (70%), r11等 速 円 運 動J (68%)の順である。

学生は,速度・加速度・変位・等速円運動の定型的でシンプルな問題はでき るが,基本法則を}Cに 運 動 を 考 え る と い う 力 学 的 思 考 の 手 順 が 身 に つ い て い な いのではないか。力学とは,要約すると「運動法則に基づいて物体の運動を解 析するJことに尽きる。この点を講義で徹底する必要がある。

高校での力学は,運動といえば等加速度運動がほとんどで,問題も定型化し ているから問題のパターン毎に公式を適用する能力を身につけようとする。こ れは受験には効果的かもしれないが,力学の学習としては筋が悪い。力学では いつも運動方程式から考えをスタートするのが本筋である。

学習項目 解 答 件 数 未 解 答 件 数 合計 正解件数

01加速度 1102  49  1151 

02加速度と変位 893  69  962 

03自由落下 1684  114  1798 

04自 由 落 下 応 用 465  41  506  05運 動 の 法 則 基 礎 1412  82  1494  06運動の法則・計算 699  69  768  07仕事とエネルギー 592  40  632 

08力積 34  4  38 

09力のモーメント 33  5  38  10放 物 運 動 205  17  222  11等速円運動 232  21  253  12単 振 動 240  33  273  13単 振 動 数 理 283  43  326  表3 : r力学101問J学 習 項 目 別 正 答 率

受 講 者 :129名, Aクラス (66名), Bクラス (63名) 総 解 答 件 数 :7874件 , 総 未 解 答 件 数 :587件

987  670  1177  253  870  439  410  22  24  131  171  148  219 

正解率(%) 86  70  65  50  58  57  65  58  63  59  68  54  67 

(7)

e ‑ L e a r n i n g

システム

HIPLUS

上の「力学基礎

1 0 1

間」の結果と分析

1 7  

『力学基礎

1 0 1 J

学生が間違えやすい問題

問題別の正答率データから,特に正答率の低い問題を分析しよう。

(1) 

051 正 答 率:23%)

スカイダイバーが空高く飛んでいる飛行機から空中ヘジャンプした。

ス力イダイパーが空気中を落下するとき,加速度の大きさは増すか,

減少するか。

O

増す

O

減る(正解)

O

変わらない

速度の増加と共に空気抵抗が大きくなると,リアリティを持って考えられな いのであろうか。または,現実は無視し,教科書の空気抵抗は無視する場合の 議論が頭に染み付いて,現実的に考えることができないのかもしれない。考え が現象と紐付いていない。

(2) 

031 正 答 率:26%)

空の手を壁にぶつけてもそれほど怪我をしないが,

重い荷物を持って手をぶつけると怪我をするのはなぜか。

ニュートンの法則のどれが働いていると考えられるか。

O

運動の第

1

法則:慣性の法則(正解)

O

運動の第2法員IJ:運動方程式

O

運動の第3法則:作用・反作用の法則

この問題は正解に任意性がある。出題の意図は,質量は慣性の大きさを表す ことを理解し,重い荷物を持った手の方が慣性は大きいので,壁にぶつけても 容易には静止せず結局強くぶつけてしまうと考え,

r

第l法則:慣性の法則J を正解とした。後日学生から次のような質問があった。「運動方程式から考え て 質 量 の 大 き な 物 体 は 力 を 加 え て も 小 さ な 加 速 度 し か 生 じ な い の で 運 動 は ほ とんど変化せず,結局強くぶつけてしまうのではないか。Jそれも正解である と説明した。このような定性的な議論を講義でも取上げ,学生と一緒に議論す るのは効果的であろう。この問題に関しては, c‑Lcarning後,必ず講義で取

(8)

上げ議論するとよい。

( 3) 

019 (正答率:28%)

物 体 が 自 由 落 下 を 開 始 し て か ら 1秒 間 の 平 均 の 速 さ は 何 m/s か。

2.45 

4.9 (正解)

9.8 

19.8 

こ の 問 題 は 意 外 に も で き な い 。 多 く の 学 生 が 9.8と答える。学生に聞いてみ ると,初速 0,1秒 後 の 速 さ が 9.8 

m / s

を 足 し て , 経 過 時 間 I秒で害IJり,答 えは 9.8

m / s

だ と い う 。 こ れ は , 次 兄 の 上 で も お か し な 考 え 方 で あ る が , 多 く の 学 生 が 陥 り や す い 誤 り の よ う だ 。 リ ア リ テ ィ を 持 っ て 考 え れ ば , 平 均 の 速 さはOと9.8の 中 間 と 直 感 で き る の に , 理 解 の 不 完 全 な 時 間 平 均 の 公 式 に 誤 っ て当てはめているo 講 義 で 注 意 が 必 要 で あ るo

(4)  I 

041  (正答率:30%)

床の上に静かに立っている人に働く2つの力,重力と床から の垂直抗力,は作用・反作用といえるか。

Oいえる

O

いえない(正解)

O

どちらともいえない

作 用 ・ 反 作 用 の 法 則 に お い て 最 初 に 理 解 す る 必 要 が あ る の は ,

r

力は全て 2 物 体 聞 で 作 用 す る J (力は2体 力 で あ る ) と い う 認 識 で あ る 。 重 力 と 床 か ら の 垂直抗力は,大きさは等しく向きは逆であるが,作用・反作用の関係ではない。

事 実 , 床 が な く て も 重 力 は 作 用 す る が , 垂 直 抗 力 は 働 か な い 。

全 て の 力 は2体 力 で あ る こ と を 認 識 す る こ と で , 遠 心 力 や コ リ オ リ の 力 が2 体 力 で は な く , 見 か け の 力 で あ る こ と を 認 識 で き る 。 そ し て , こ れ ら が 「 見 か け の 力 」 と 呼 ば れ る 理 由 も 納 得 で き る 。 こ れ は 力 学 学 習 上 の 重 要 な ポ イ ン ト の

1つである。

(9)

e ‑ L e a r n i n g

システム

HIPLUS

上の「力学基礎

1 0 1

問jの結果と分析

1 9  

f力 学 基 礎 101J新 入 生 と 再 履 修 者 と の 比 較

学 習 項 目 別 の 正 答 率 を 新 入 生 と 再 履 修 者 で 比 較 す る と , 再 履 修 者 は r05運 動 法 則 : 基 礎J

06運 動 法 則 : 計 算J

07仕 事 と エ ネ ル ギ ーJな ど の 項 目 で 少 し 低 く , 一 方 経 験 が プ ラ ス し た の か r08力 積Ji 

1 1

等 速 円 運 動J

1 2

単 振 動j で高い。

基 礎 項 目 の 理 解 度 が 低 い こ と が 再 履 修 者 の 特 徴 で , そ の た め に 再 履 修 す る 結 果になったのかもしれない。

!

ゴ ? z a z 副

11等速円運動 04自由落下:応用

05運動の法則:基礎

06運動の法貝1):計 算

図3 再 履 修 者 の 特 徴

e‑Learning

活 用 上 の 問 題

講 義 課 目 でc‑Lcarningの 活 用 す る 場 合 に 問 題 に な る の が , 学 生 に シ ス テ ム の 利 用 法 の 解 説 を ど う す る か で あ る 。 学 生 に と っ て 親 切 な の は 講 義 時 に PC教 室 を 利 用 し て , 解 説 し な が ら c‑Lcarningの 受 講 登 録 と 学 習 を 実 施 す る こ と で あろうが, PC 教 室 が 都 合 よ く 空 い て い る こ と は ほ と ん ど な い 。 今 回 は , 補 講 と し て 土 曜 日 に 実 施 し た が , こ の 最 初 の 関 門 を ど の よ う に ク リ ア す る か を 考 え

(10)

る必要がある。

多 く の 科 目 でc‑Lcarningの 活 用 が 進 め ば , 学 生 も 馴 染 み , ど の c‑Lcarning 教 材 を や る か を 指 示 す る だ け で , 戸 惑 う こ と も な く 利 用 で き る よ う に な り , こ の 問 題 も 自 然 と 解 消 す る で あ ろ う 。 そ う い う 意 味 で は , 多 く の 科 目 で , 学 生 の 学 習 プ ロ セ ス の 中 に c‑Lcarningが組み込まれる必要がある。

まとめと展望

力 学 分 野 の 基 礎 の 確 認 と 点 検 ・ 定 着 を 目 的 と す る , リ ア リ テ ィ の あ る c‑Lcarning問 題 集 「 力 学 基 礎 101問Jを 制 作 し , 講 義 で の 活 用 を 始 め た 。 c‑Lcarningシステムの活用により,学習項目別の理解度が数値データ化され,

学 生 に と っ て 何 が 分 か り 難 い の か , 教 員 は 講 義 で は ど こ を 強 調 す る 必 要 が あ る の か , な ど 授 業 改 善 の 具 体 的 な 手 が か り が 得 ら れ こ と が 分 か っ た 。 さ ら に , こ のc‑Lcarning問 題 集 を 活 用 し 続 け れ ば , 授 業 改 善 の 効 果 を 正 答 率 の 推 移 で 教 員は把握できる。

References 

1 )徐 丙 鉄 「 演 示 実 験 を 含 む 一 般 物 理 学 の 講 義 」 近 畿 大 学 工 学 部 紀 要36, pp.1321 (2006)  ) 私 立 大 学 情 報 教 育 協 会 「 大 学 教 育 へ の 提 言

フ ァ カ ル テ ィ ・ デ ベ ロ ッ プ メ ン ト と IT活用J (2006)  3 )徐 丙 鉄 rJava物理シミュレーションと物理学副読本, Flashと

e‑LearningJ  JUCE Journal Vol.12, No.3, pp.1416 (2004)  4 )徐 丙 鉄 「 基 礎 学 力 支 援 プ ロ グ ラ ム 」 大 学 の 物 理 教 育20032,pp.3538

(2003) 

(11)

e‑LearningシステムHIPLUS上の「力学基礎101問」の結果と分析 21 

HIPLUS教 材 制 作Tips

1 ) 教 材 フ ォ ル ダ を 講 義 に 連 動 さ せ る 工 夫

l学 期 :15回 の 講 義 と 連 動 し たe‑Learning教 材 を 制 作 し 管 理 す る に は , ロ ー カ ル の 教 材 フ ォ ル ダ 構 成 を , 年 度 一 一 科 目 一 一 一 各 回 の 講 義 , と す る と 管 理 し易く,次年度への更新も容易である。また, HIPLUSで の 教 材 表 示 順 序 が 辞 書式で昇順であるので,各国の講義に対応する教材フォルダ名は, f02一等加速 度 運 動 Jの よ う に フ ォ ー マ ッ ト を 決 め る と 講 義 回 順 に 表 示 さ れ , そ の 回 で の 講 義内容も分かる。

ま た , サ ー バ ー 側 の 教 材 フ ォ ル ダ は 本 学 の 運 用 設 定 で は 学 科 フ ォ ノ レ ダ J 一一「教員フォルダ」一一「各教科」 の 構 成 で あ る の で , 複 数 年 に 渡 っ て 科 目 を 開 講 し 教 材 を 更 新 し 続 け る 場 合 に は , 各 教 科 フ ォ ル ダ 名 に 年 度 情 報 を 付 加 す ると管理しやすい。

2

3

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均 遭 択 鮒 一 覧 盤翠豆習陸盟国

│  担 豊ωー初ト

図4 ロ ー カ ル の フ ォ ル ダ 構 成 図5 サ ー バ 側 の 教 材 フ ォ ル ダ

2) e‑Learn i ng科目名

講 義 と 連 携 す る e‑Learning科 目 名 は 講 義 名 , 開 講 年 度 , 対 象 学 科 , 担 当 教 員が分かるように付与する。以下の形式を推奨する。

教 員 名 「 講 義 科 目 名 J 対 象 学 科 学 年 ( 開 講 年 度 前/後期:曜日 時限) 伊ij:徐 「 基 礎 物 理 学 J情 報l年 (2007前 : 木3) 

参照

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