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H・リューベル著『中東の石油危機と西欧のエネル ギー供給』(書評)

著者 松村 清二郎

権利 Copyrights 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア

経済研究所 / Institute of Developing

Economies, Japan External Trade Organization (IDE‑JETRO) http://www.ide.go.jp

雑誌名 アジア経済

巻 5

号 7

ページ 80‑81

発行年 1964‑07

出版者 アジア経済研究所

URL http://doi.org/10.20561/00052249

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てその大栄を中東からの輸入に依 1下しい、る内ヨーロソパ

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こりした県斗事態 J立,治 l に jl_iq ,エド•!ギー;/;,要が II ざましヤ伸びを示しているにもかかわらず,ほ坐ん坐': l  油資iU:,を持心

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油埋蔵量の大手が偏在している二と,などの事情から生 じたとL、え上ヲ。今後かかイ〉中長石油川川、・;を1.t

らすような危機の影響度は,最近の北アフリカの石油開 発左、世界'.J.カー!|丁場の供給過剰j傾向たどかんみて かなり減ってはいるものの,西欧の石油供給に重大な影 響を怜;ます'J;態が1%0年代lこ中東に再1亡Lないという保 証はまったく存在しなレのである。

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】いても一つの脅威となるミと,第 2に政治的紛糾の際 L、ずれの中東i寝泊11qにつL、ても子i'J'!H的主主i斉行動(econト, mically rational  behavior)を期待しえないこと,:

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こうした基本的見解をもっ著者リューペルは,もし西 欧の工−;,−. .Jレギー供給の維持が重要な政策

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察のーっとし て受けいれられるとすれば,将来ふたたひ・起こるかもし れなL·'I• 東の石油危機とそれに関連すど〉諸問題を検討す べき必要悪性があろうとし,本書をまとめたのである。な おこの研究はアメリカの RANDCorporationの研究7

ログラムの一環としてなされたものでもある。

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さて本書の内容についてであるが,全体は3部6章に 泣かれ丈いるu 第1郊では士ず第l:,きにおいて, 1950{Jc 代に起こったこつの危機すなわちイラン石油国有化事件

とスェガ紛争の経過概要が記され,それに対応してな主 れた石油の生産・輸送などの動きについて詳細な数字が 挙げ

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斗台化事件の場合, イランの原 油生産・精製加工高はそれぞれ対前年比96%および95日心 減とLう著い、低務乞示したが,こうした下構分は主と して近隣中東産油諮問での緊急照応と丙半球かんの晋己

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去 の若干ー増でカパーしえた。一方スエズ紛争の際は,スエ ズ運河の閉鎖とIP Cパイフラfシの爆破iこより,その ストップ期間はイラン固有化の時よりずっと短かったに もかかわらず、その影響すると二九大であったt すたわ ち1955年の西欧への原油輸入額の89%は中東生産に依存 してγぐこのが,翌,

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ーのスヱガ紛争はヨーロァパ\の石油 の直接流入分の3分の2をカットする効果をもったから であるハかかる不足分は,主として西、

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三球かC》の緊怠/1¥ 荷士将(石油の矯産とストッケのくいつぶし)と,タンカ ーの111:界的民慌の一内編成とで捕われた(ケン力ーがケー プ,,,]りでピストン輸送を試みたのは周知のとおり)η 士 のような緊,,'.;,(対策によりけ凶 i攻以内1・精製品11 1',前総a結;上 閉鎖期間中平均で約%下が》た程!をで〈い

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二めろこそが できた,その意味では当初

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こよりもスヱズ 紛争の影響皮は比較的小きかった正いえ上うが,それは 冬期なるがゆえにガソリン需要が低かったことなどの事 情も幸いしていたといえよろの

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81 

参照

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43 Clell Harral &amp; Asif Faiz, Road Deterioration in Developing Countories, World Bank, 1988, p6. 44

Graduate School of Global Information and Telecommunication Studies, Waseda

小著『ポスト社会主義の政治経済学』 [盛田 2010] の発刊からほどなく,同じテーマを扱っ

した IC チップ ︵一章︶

Hudaygul yHal ykov 農業相 AnanmuhametAt ayev 文化相 Or azgel dyAydogdi yev 国防相 Bat yrSar j ayev 経済財政相 Or azmutBegmyr adov 教育相 AbatRi zayeva

(http://www .bignam.org/Publications/BIG_Assessment_report_08b.pdf, retrieved 13 August 2010)④ Hanlon, Joseph, Armando Barrientos and David Hulme [2010] Just Give Money to the Poor:

JHICC と UMC は、 2016 年に、 DRAM 製造技術の開発に関する契約を締結した 7 。 UMC が、同社の台南科学工業園区内の拠点で JHICC 向けに 32

しかし,中国における国家と社会 (注2) の乖離 を指摘した前記の研究に加え,近年の日本思想 史研究の領域では,国家と区別された「社会の 発見」という大正時代の思想析出状況 [飯田 1997