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略語解説 ADB Asia Development Bank

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略語解説

ADB Asia Development Bank(アジア開発銀行)

AADT Annual Average Daily Traffic(年平均日交通量)

AASHTO American Association of State Highway and Transportation Officials AusAID Australian Agency for International Developent(オーストラリア国際

開発庁)

B/C Benefit Cost Ratio(費用便益費)

BOT Build Operate and Transfer(建設・運用・移管)

CIDA Canadian International Development Agency(カナダ国際開発庁)

DAC Development Co-operation Directorate(開発援助委員会)

DFID UK Development for International Development(英国開発援助庁)

DGH Directrate General of Highways or Bina Marga(

DGLC Directorate General of Land Communications, Part of the MOC DGLT’s Directrate General of Land Communications、

ESAL Equivalent Single Axle Load(等価単軸荷重)

HLR Heavy Loaded Road (基幹的交通網)

IBRD World Bank(世界銀行)

ICR Implementation Copletion Report(プロジェクト実施完了報告書)

IRI Internal Roughness Index(国際ラフネス指数)

IRMS Integrated Road Management System(道路管理システム)

IRR Internal Rate of Return(内部収益率)

JBIC Japan Bank for International Cooperation(国際協力銀行)

NPV Net Present Value(純現在価値)

ODA Official Development Assistant(政府開発援助)

OECD Organization for Economic Co-operation and Development(経済協力 開発機構)

OECF Overseas Economic Cooperation Fund(海外経済協力基金)

PPAR Project Performance Audit Report(プロジェクトパフォーマンス監査報 告書)

REPELITA Rencana Pembangunan Lima Tahun(国家開発5ヵ年計画)

UNESCO United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization(国 際連合教育科学文化機関)

UNDP United Nations Development Programme(国際連合開発計画)

UNIDO United Nations Industrial Development Organization(国際連合工業 開発機関)

(2)

VOC Value of Operation Cost(走行経費減少便益)

VOS Value of Safety(交通事故減少便益)

VOT Value of Time(走行時間短縮便益)

WDI World Development Indicators

(3)

        目      次

序  章 ... 1

第1節  背景と目的...1

第2節  検証方法...2

第3節  先行研究...3

第4節  本論文の構成... 11

第 1 章  インドネシアの道路概要 ... 19

1節  道路と輸送... 19

1.1  道路と輸送... 19

1.2  道路長... 19

1.3  舗装率... 20

2節  GDPと道路... 21

2.1  GDPと道路... 21

2.2  GDPと道路長... 22

2.3  GDPとトラック登録台数... 25

3節  道路の財源... 26

第2章  開発途上国の道路概要 ... 28

1節  道路インフラの役割... 28

2節  道路の歴史... 28

2.1  道路網拡大時代  1960~1970年代... 28

2.2  改善・改良時代  1980年代... 29

2.3  維持管理時代  1990年代以降... 30

3節  道路の新設と維持管理... 31

3.1  新設と維持管理の優先度... 31

3.2  道路維持管理の必要性... 31

4節  途上国の問題点... 32

4.1  過積載車両... 32

4.2  維持管理... 34

5節  開発途上国の道路プロジェクト... 36

第3章  舗装道路と維持管理 ... 37

(4)

1節  舗装道路... 37

1.1  経済耐用年数と耐用期間... 37

1.2  残存期間... 38

1.3  耐用年数曲線... 38

2節  舗装強度... 39

2.1  舗装道路の設計(アスファルト舗装)... 39

2.2  強度計算... 40

2.3  過積載車両と舗装強度... 40

2.4  過積載車両... 41

3節  道路損傷... 42

3.1  損傷形状... 42

3.2  まとめ... 45

4節  維持管理... 45

4.1  概要... 45

4.2  道路管理... 46

4.3  維持作業... 46

4.4  修繕方法... 47

4.5  予防維持管理... 48

5節  感度分析... 48

6節  費用便益評価... 49

6.1  費用便益評価... 49

6.2  主要評価手法... 50

6.3  評価方法... 51

6.4  費用便益... 52

6.5  評価時期... 53

第4章  現状の把握  文献調査 ... 55

1節  目的... 55

2節  前提条件... 55

2.1  対象援助機関の選定... 55

2.2  資料の選定... 55

2.3  事後評価の実施時期... 57

3節  3要因の影響... 59

3.1  過積載車両... 59

3.2  品質欠陥... 64

3.3  維持管理... 68

(5)

4節  文献調査のまとめ... 75

4.1  3要因と効率性... 75

4.2  3要因と持続性... 78

4.3  まとめ... 80

第5章  現状の把握  現地調査 ... 84

1節  目的... 84

2節  前提条件... 84

2.1  対象道路の選定... 84

2.2  調査方法... 84

3節  道路概要... 84

3.1  プロジェクト概要... 84

3.2  運用管理と維持管理... 86

4節  交通量... 89

4.1  交通量... 89

4.2  年平均日交通量... 91

5節  道路現況... 91

5.1  早期道路損傷... 91

5.2  交通量と道路損傷... 93

5.3  道路の損傷... 95

5.4  オーバーレイ工事と修繕工事... 96

6節  過積載車両の実態... 98

6.1  目視調査... 98

6.2  過積載量... 101

6.3  類似プロジェクト... 102

7節  現地調査のまとめ... 105

7.1  過積載... 105

7.2  品質欠陥... 106

7.3  維持管理... 107

7.4  まとめ... 107

第6章  分析1  過積載車両と道路損傷 ...111

1節  過積載車両の実態推定... 111

1.1  過積載車両の推定... 111

1.2  車両の荷重分担... 114

1.3  車両諸元の設定... 114

(6)

1.4  軸重の舗装破壊... 116

2節  過積載車両の削減... 118

2.1  条件の設定... 118

2.2  過積載率と耐用年数... 119

2.3  過積載率と過積載量... 121

2.4  過積載率と修正耐用年数... 122

2.5  過積載車両のまとめ... 123

3節  Package 03の過積載車両の考察... 125

3.1  過積載車両の実態... 125

3.2  過積載車両の推定... 126

3.3  過積載車両と早期損傷... 128

3.4  不確実な要素の推定... 129

3.5  許容過積載率の削減... 137

第7章  分析2  維持管理と道路損傷 ... 139

1節  維持管理の課題... 139

2節  条件の設定... 139

2.1  適切な維持管理... 139

2.2  条件の設定...140

2.3  分析... 140

2.4  維持管理のまとめ... 142

3節  Package 03の維持管理の考察... 143

3.1  維持管理費の配分... 143

3.2  分析... 145

3.3  4つの維持管理... 147

第8章  分析3  先行投資型と後行投資型 ... 150

1節  先行投資型と後行投資型... 150

1.1  ケース1  過積載車両の規制を重視した後行投資型... 150

1.2  ケース2  舗装強度の増強を重視した先行投資型... 152

1.3  ケース1(後行投資型)とケース2(先行投資型)の比較... 155

2節  まとめ... 158

第 9 章  分析4  費用の最小化 ... 161

1節  現在価値への割引... 161

1.1  時間価値の評価... 161

(7)

1.2  割引率の設定... 161

2節  現在価値への変換... 163

2.1  割引率... 163

2.2  計算式... 163

2.3  分析... 163

3節  Package 03の現在価値の考察... 166

3.1  条件の設定...166

3.2  分析... 166

4節  まとめ... 179

第10章  結論 ... 180

参考文献 ... 184

付録資料 ... 189

付録資料1  計算書...189

付録資料1-1  過積載車両の実態推定... 189

付録資料1-2  過積載車両の過積載率と過積載量... 190

付録資料1-3  不確実性(ケース1)... 191

付録資料1-4  不確実性(ケース2)... 200

付録資料1-5  先行投資型と後行投資型の効率... 208

付録資料1-6  現在価値への変換  (総括)... 214

付録資料1-7  現在価値への変換  (内訳)... 215

付録資料1-8  Package 03(外資調達)... 219

付録資料1-9  Package 03... 220

付録資料1-10  Package 03 (計画時)... 222

付録資料2  写真集...223

(8)

     

図および表一覧

表 1  インドネシアのIRI値(平坦性)基準... 45

表 2  道路管理... 46

表 3  主要な評価手法... 51

表 4  事後評価報告書... 56

表 5  プロジェクトの完成と事後評価... 59

表 6  コンサルタントの品質... 65

表 7  コントラクターの品質... 66

表 8  コントラクターの品質管理能力... 67

表 9  維持管理体制... 70

表 10  維持管理予算... 72

表 11  維持管理予算の配分... 75

表 12  過積載車両... 77

表 13  持続性の特徴... 79

表 14  経済性と持続性... 83

表 15  年間日常維持管理費... 88

表 16  交通量... 90

表 17  年平均日交通量... 91

表 18  オーバーレイ工事と修繕工事... 96

表 19  Package 03 改良工事と維持費用... 97

表 20  類似プロジェクト... 103

表 21  第5章のまとめ... 109

表 22  過積載率と車両比率... 113

表 23  軸重設計指針... 114

表 24  設計対象車両諸元... 115

表 25  車両重量と軸重分担... 116

表 26  過積載車両の実態推定... 117

表 27  過積載率と耐用年数... 120

表 28  過積載率とESAL(65%時)... 121

表 29  過積載率と過積載量... 122

表 30  過積載率と修正耐用年数... 123

表 31  過積載率と過積載車両率(ケース1)... 132

表 32  過積載率と耐用年数(ケース1)... 132

表 33  過積載率と過積載車両率(ケース2)... 135

(9)

表 34  過積載率と過積載車両率(ケース2)上側10%... 136

表 35  過積載車両を考慮した維持管理費... 141

表 36  維持管理費、オーバーレイ工事費、修繕費... 144

表 37  必要予算と配分予算... 147

表 38  ケース1  投資と維持管理... 152

表 39  追加投資とESAL ... 153

表 40  ケース2  投資と維持管理... 155

表 41  過積載率と費用... 156

表 42  過積載率と耐用年数と効率性... 158

表 43  過積載率と現在価値... 164

表 44  過積載率105%時の現在価値... 165

表 45  設計対象車両の現在価値(内訳)... 167

表 46  設計対象車両の現在価値... 167

表 47  Package 03の現在価値... 170

表 48  Package 03(外資調達)の現在価値... 173

表 49  外資調達  類似プロジェクト... 175

表 50  Package 03(計画時)の現在価値... 176

(10)

図 1  道路の分類... 20

図 2  道路の舗装... 21

図 3  GDPと道路長... 22

図 4  GDPと全道路長... 23

図 5  GDPと国道長... 24

図 6  GDPと州道長... 24

図 7  GDPとその他道路長... 25

図 8  GDPとトラック登録台数... 25

図 9  道路予算の配分... 26

図 10  道路財源の調達... 27

図 11  経済耐用年数と耐用年数... 39

図 12  道路損傷形状... 43

図 13  評価概要... 52

図 14  費用と便益... 53

図 15  経済性評価の時期... 54

図 16  プロジェクト評価... 57

図 17  過積載車両の変遷... 60

図 18  過積載車両(JBIC)... 63

図 19  過積載車両(アジ銀)... 63

図 20  国道・州道の維持管理体制... 70

図 21  地方道の維持管理体制... 71

図 22  維持管理予算の配分(JBIC)... 74

図 23  交通量... 90

図 24  道路の早期損傷... 93

図 25  年平均交通量とIRI(平坦性) ... 94

図 26  クラック長および面積... 96

図 27  過積載率と車両比率... 113

図 28  過積載率... 118

図 29  過積載率の形状設定... 119

図 30  過積載率と耐用年数... 120

図 31  過積載率と過積載量... 122

図 32  過積載率と耐用年数と過積載量... 124

図 33  Package 03  の過積載車両... 128

図 34  不確実性(ケース1)の形状設定... 131

図 35  過積載率と過積載車両率(ケース1)... 131

(11)

図 36  不確実要素と耐用年数(ケース1) ... 133

図 37  不確実性(ケース2)の形状設定... 134

図 38  過積載率と過積載車両率(ケース2)... 134

図 39  過積載率と耐用年数(ケース2)... 136

図 40  許容過積載率と耐用年数と過積載率... 138

図 41  過積載率と耐用年数と維持管理費... 142

図 42  Package 03  維持管理費... 145

図 43  四つの維持管理費... 148

図 44  ケース1  後行投資型... 151

図 45  ケース2  先行投資型... 154

図 46  過積載率と耐用年数と費用... 156

図 47  過積載率と耐用年数と効率性... 157

図 48  過積載率と現在価値... 164

図 49  過積載率105%時の現在価値... 166

図 50  設計対象車両の設定... 167

図 51  設計対象車両の現在価値... 168

図 52  Package 03の設定... 170

図 53  Package 03の現在価値... 171

図 54  Package 03(外部調達)の現在価値... 174

図 55  Package 03(計画時)の設定... 176

図 56  Package 03(計画時)の現在価値... 177

図 57  3資料の比較... 178

(12)

序  章 

第 1 節  背景と目的

開発途上国の経済発展を実現するためには、当該国の経済政策の基本として経済の効率 性を追求し、且つ公平な分配を追求することである。その中で公共事業の投資の価値を維 持することは開発途上国にとって重要な政策課題である。

開発途上国の道路は、陸上輸送の 85%あるいはそれ以上を道路輸送に依存するもっとも 基本的かつ普遍的なインフラである。開発途上国の経済成長の基盤として多大な貢献を果 たす必要不可欠なものである。しかし現在、多くの道路が過積載車両の走行の容認あるい は黙認および道路財源の不足による不適切な維持管理によって、耐用年数(10 年前後)の 半ばに到達する前に破損し、道路資産による輸送サービス効果が十分に発揮されない事態 に陥っている。

中村は、道路の顕在化する効果について、供用開始後数年間は、道路の供用から発生す る直接効果が期待できる。そして5~10年の間は効果が波及して生産や消費にも影響を与え て道路交通以外の経済社会の多くの場面でも効果が観測されるようになる1、と述べている が、道路の早期損傷は道路資産による輸送サービスに甚大な損失を及ぼすことはもちろん、

それが民間部門の経済活動を萎縮させ、経済活動や経済成長を減速させる要因として跳ね 返ることになるのである。

本論文の目的は、道路資産が最小の投資で最大の効率を産出することである。道路は供 用開始後に適切な運用管理および維持管理が行われると、資源の浪費が抑制され、道路資 産による輸送サービスが大幅に向上する。しかし開発途上国の道路は早期に損傷し、耐用 年数に到達する前に破損する。この道路の早期損傷について、資源の効率的な活用という 視点から考察し、数量的に明らかにする。

本論文は以下に示す二つによって代表される。従来の多くの研究は、主として過積載車 両と道路損傷、維持管理と道路損傷のように、これらの要因が道路損傷に及ぼす影響につ いて単独に考察したものが主流である。しかし本論文の最も強調したい点は、過積載車両 の走行と不適切な維持管理が相乗的に道路の早期損傷に影響を及ぼすものと考え、道路資 産の保全の視点から過積載車両と維持管理と道路損傷の関係について総合的に分析する。

さらにその結果を用いて費用の最小化、つまり資源の効率的な活用の視点から過積載車両 と維持管理と道路損傷の関係について分析するという、これまでの研究とは全く異なる二 つの視点から道路の早期損傷について考察するものである。

一つ目の特徴は、過積載車両の走行と不適切な維持管理と道路損傷の3つの関係を総合 的に捉え、道路資産の保全の視点から道路の早期損傷を分析し、数量化することである。

開発途上国の道路の特徴は、供用開始後、過積載車両の走行や不適切な維持管理によっ

1 中村英夫『道路投資の社会経済評価』東洋経済新報社, 1997, p61

(13)

て耐用年数の半ばに到達する前に破損し、改良、改善、修繕工事が行われることである。

つまり計画段階に予測した耐用年数曲線のなかに二つの耐用年数曲線があることを意味し、

投資に見合う効率が発揮されないまま道路は破損する状態に陥るのである。

この過積載車両の走行と不適切な維持管理による道路の早期損傷は、開発途上国に共通 する課題である。にも関わらず過積載車両と維持管理と道路損傷の関係が数量的に明らか にされているわけではない。ここでは過積載車両と維持管理と道路損傷の関係について、

道路資産の形成と保全という視点から、その実態を包括的に捉え、数量的に明らかにする ものである。

つぎに、その結果を用い、道路の早期損傷の改善策を考察する。道路の早期損傷の根幹 には、道路の計画、設計、建設、運用管理、維持管理を管轄する各関係機関が独自に設定 した基準によって道路資産の形成と保全が行われている。しかし、道路の利用者を含めて 運用管理および維持管理を管轄する各関係機関が一体となって連携し、調和の取れた道路 資産の形成と保全が行われると、資源の浪費が改善され、道路資産の供用性が格段に向上 すると考える。

二つ目の特徴は、上記一つ目の結果を用いて、過積載車両の走行と不適切な維持管理と 道路損傷の関係について、費用の最小化、つまり資源の効率的な活用の視点から道路の早 期損傷を分析し、数量化することである。

運用管理および維持管理が一体として調和が取れた運営が行われたとしても、資源の活 用の視点から効率的とはいえない場合がある。道路プロジェクトが完成してもプロジェク トの全てが完成したという意味ではない。道路は供用開始後数十年という極めて長い懐胎 期間にわたって運用管理および維持管理などの費用が発生する。現在と将来の異なる時点 に発生する全ての費用を、時間に関して割り引いて現在価値に変換して評価する必要があ る。

政府が管轄する道路などの公共施設は、多くの場合、競争の脅威に晒されることがない。

そのため過大な資源を浪費し、効率性を追及する思考にかける傾向がある。資源の浪費を 是正させるために、従来の枠組みを超えた視点から資源の効率的な活用を数量的に明らか にするものである。

第2節  検証方法

本論文の検証方法は、インドネシアの道路プロジェクトの文献調査および現地調査を実 施し、道路の早期損傷の「3要因」といわれる過積載車両、不適切な維持管理、品質欠陥 について現状を把握し、課題を抽出する。文献調査は 3 主要援助機関である国際協力銀行

(以下  JBICと略す)、アジア開発銀行(以下  アジ銀と略す)、世界銀行(以下  世銀と 略す)によって公表された18プロジェクトの事後評価報告書とする。現地調査はJBICが 援助した幹線道路補強事業(Ⅱ)(IP-466)のうち、Package 03工区とする。

つぎに、上記文献調査および現地調査によって抽出された課題について、公表された資

(14)

料を基に抽出した課題について推定し、過積載車両と維持管理と道路損傷の関係について、

その実態を包括的に捉え、数量的に明らかにする。さらにその結果を用いて費用の最小化、

つまり資源の効率的な活用の視点から、過積載車両と維持管理と道路損傷の関係について 数量的に明らかにするものである。

第3節  先行研究

運輸政策の主要目標は、経済の必要性に合致する水準、質および地理的分布の運輸サー ビスを、最小の費用で最大の効果を供給することである。道路などの公共施設の資源の効 率的な活用について、足立・森脇は、如何なる価値の実現を目的とするのであれ、資源消費 を伴わない公共政策などありえはしない。そして、そうである以上、最小の資源消費で最 大の効果を達成することが政策設計者には常に要求されるのである2

田中は、公共政策の遂行には、費用と便益が比較検討されるプロセスを組み込まなけれ ば、われわれの社会が有する有限な資源が浪費されたり大きな資源配分の歪みが生ずるこ とになる可能性が存在する3。島田は、公共政策は、財政的な制約があるため、目的を達成 するために有効な方法を発明し、最低限の投資を心がけ、できるだけ資源を効率的に活用 しなければならない4、とのべているように、公共プロジェクトもいえども政策段階におけ る資源の効率的な活用、つまり最小の費用で最大の効果を達成することは重要なことであ る。

道路などの公共投資の効率的な活用について、Stiglitzは、最小の投資で最大の効率の産 出について、電力供給を例として次のように述べている。小さい地域に一つづつ複数の発 電機を設置するよりも、ある程度大きな地域に一括して電力を供給する方が、費用が小さ くなる。さらに一つの特定の地方に電力を供給する場合は長い送電線を設置するより発電 機を一つだけ設置する方がより効率的である5

バウム・トルバートは、既存のインフラや設備のより効率的な活用を図る。これは一定 の費用で既存設備から得られる産出を最大にすること。また、特定の輸送需要に応えるた めに施設利用費用を最小にすること6、と設備の効率的な活用に言及している。運輸インフ ラについて、Baum & Tolbertは既存の道路はもっと効率的に利用しなければならない。効 率的とは与えられた費用あるいは最小の費用で最大の輸送需要効果を産出しなければなら ない7、と述べているが、これらに共通する目的は公共投資は最小の費用で整備され、効率 的に活用し、施設から得られる産出が最大になるように、資源の効率的な活用を図るとい う考え方である。

2 足立幸男・森脇俊雄『公共政策学』(株)ミネルヴァ書房, 2003, p10

3 田中廣滋『費用便益の経済学的分析』中央大学出版部、2003、p4

4 宮本憲一『公共政策のすすめ-現代的公共性とはなにか-』株式会社有斐閣, 1998, p105

5 Joseph E. Stiglitz ‘economics of the Public Sector’ Second Edition, New York W.W. Norton, 1988, p47

6 W.B.バウム & S.M. トルバート『途上国の経済開発』細見卓監修,東洋経済新報社, 1988, p338

7 Warren C. Baum & Stokes M. Tolbert, Investing in Development -Lessons of World Bank Experience-, Oxford University Press, 1985, p249

(15)

しかし、一般的に、道路のように政府が管轄する公共財は、資源の有効利用という点で 非効率的であるといわれている。足立・森脇は公共財の非効率性について、最小の資源で 最大の効果を達成することに政府はしばしば失敗することがある8、と指摘しているように、

開発途上国の道路のような公共財は、資源の非効率的な活用が問題になることが多い。島 田は、開発途上国では資本不足という不利な条件のもとで資源の効率的な活用という問題 の投資基準を探り出そうとする試みが議論されている9、と公共財の効率性の向上について 言及している。しかし、開発途上国の道路が耐用年数の半分に到達する前に破損するとい う現実を指摘しているが、改善策とその期待される成果について具体的に言及している資 料はほとんどない。

道路は社会資本のなかでももっとも基本的かつ普遍的なインフラであり、開発途上国の 経済成長の基盤として多大な貢献を果たす必要不可欠な施設である。経済協力開発機構(以 下  OECDと略す)は、開発途上国では陸上輸送の85%あるいはそれ以上を道路輸送に依 存し、他の輸送機関に比較して道路輸送サービスの需要は成長している10。Baum & Tolbert は経済成長と社会開発は適当な輸送手段なしには達成できない11、と言及しているが、道路 は人、物が移動することによって経済活動が活発化し、経済開発や経済成長に多大な貢献 をし、そして莫大な社会的利益をもたらすものと考えられている。より良い投資選択とよ り高い運転効率の実現によって、国内貯蓄率を高めることが可能になり、且つ貧困削減に 貢献するのである。

不適切な道路資産の保全は不平等と非効率をもたらす。道路の運用管理と維持管理を管 轄する各関係機関が協働し、調和の取れた資産の保全が可能になると、資源の浪費が抑制 され12、公共投資の効率を大幅に向上させ、開発途上国に莫大な利益をもたらすのである。

開発途上国の道路は1960年代から1970年代にかけて道路網拡大に多額な費用と労力が投 資された。

しかし、道路建設の速度に運用管理体制や維持管理財源が追従できず、多くの道路が交 通網としての機能を失った。その状況をHarral & Faizは、1980年代に道路は損傷し、1990 年代に道路は破壊する13、と述べている。

さらに、1990年代になると車両の重量化、大型化による軸重の増大や過積載車両の走行 が道路の早期損傷に拍車をかける結果を招き、完成した多くの道路が計画時に予測した耐 用年数に到達する前にその供用性を失う事態が発生した。この過積載車両14による道路の早 期損傷は、開発途上国の道路輸送に甚大な損失となって跳ね返った。Sadeghi & Fathaliは、

8 足立幸男・森脇俊雄『公共政策学』(株)ミネルヴァ書房, 2003, p10

9 島田千秋『公共財供給の経済分析』多賀出版株式会社, 1998, p105

10 OECD, Road Maintenance management System in Development Countries Road transport Research,

11 W.C. バウム & S.M. トルバート, 『途上国の経済開発』細見卓監修, 東洋経済新報社, 1988, p329

12 足立幸男『公共経済学とは何か』ミネルヴァ書房, 2009, p48

13 Clell Harral & Asif Faiz, Road Dererioration in Developing Countries, 1988, p5

14 筆者は、車両の軸重が設計対象車両の軸重より大きいもの全てを過積載車両と総称した

(16)

開発途上国における過積載車両の激増が道路の供用性を著しく低下させ、修繕工事および 復旧工事に多額な費用が必要になった15、と過積載車両による道路の早期損傷とその復旧費 の関係について述べている。

開発途上国における道路の早期損傷の主要因が過積載車両の走行であることについて、

Duncan & Lumain は16、アジ銀の道路プロジェクト事後評価報告書には「成功」と総合評 価された道路プロジェクトにも過積載車両による道路損傷が存在したことに言及している。

同様に JBIC が実施した道路プロジェクトのレビュー調査報告書には、これまでに完成し

た道路・橋梁事業のうち、全体の1/4に問題が発生した。なかでも路面の損傷が最も多く、

過積載車両や施工品質欠陥が要因として考えられる17。また、Sadeghi & Fathali は、開発 途上国は過積載車両の増加が道路の早期損傷を拡大させた18、と指摘しているように、いく つかある道路の損傷要因の中でも過積載車両は早期損傷の主要因であるといえる。

過積載車両と道路損傷の関係について、開発途上国の道路プロジェクトの事後評価報告 書を参照すると、アジ銀のべトナムの国道1号線工事は、供用開始直後から路面の10~20%

に亘ってクラックが発生した。過積載車両の走行あるいは品質欠陥の単独あるいは複合要 因が考えられる19、と事後評価調査時点にすでに路面が損傷した様子について述べている。

JBICのタイの有料道路工事は供用開始直後から路面の破損が表面化した。違法な過積載 車両がもたらしたものと思料される20。同様にフィリピンの首都圏および地方道路事業は、

超過積載車両と交通量の増加によって路面に損傷が発生した。その要因分析のために舗装 損傷調査会が設立された21、と開発途上国の道路プロジェクトでは過積載車両の走行あるい は品質欠陥が道路の早期損傷と深い関係にあることに言及している。

過積載車両の実態がより具体的に数値によって表示されているものとしては、アジ銀の バングラデシュの道路改良工事が、過積載車両率は 80%に達し、過積載率は設計対象車両 に対して2.0~2.5倍に達した22、と数値で表示している。インドネシアでもGreenwood &

Henning が、過積載車両率は65%に達し、過積載率は30~100%になった23、と述べてい

る。

同様に、Neil McCullochは、インドネシアにおける過積載車両の調査結果から、過積載 車両率は50%以上、平均過積載率は45%になる24。Dasgupta は、重車両の30~100%が

15 J. M. Sadeghi & M. Fathali, “Deterioration Analysis of Flexible Pavements under Overloading Vehicle,” Journal of Transportation Engineering, 11.2007, p625

16 Tyrrell Duncan & Renato Lumain, Learning from Successful Road Projects, ADB, 2006, p7

17 国際協力銀行(JBIC) 『セクターレベルレビュー報告書  道路セクター 最終報告書』2003, p34

18 J. M. Sadeghi & M. Fathali, “Deterioration Analysis of Flexible Pavements under Overweight  Vehicle,” Journal of Transportation Engineering, 11.2007, p625

19 Asian Development Bank, Road Improvement Project, (Loan 1272-VIE[SF]), 2004, p9

20 国際協力銀行(JBIC)『有料道路3路線建設事業』事後評価報告書, 2001, p8

21 国際協力銀行(JBIC)『首都圏および地方道路事業』事後評価報告書, 1998, p230

22 Asian Development Bank, Road Overlay and Improvement Project, (Loan 1287-Ban[SF]), 2004, p17

23 Ian Greenwood & Theuns Henning, Introducing Performance based Maintenance contracts to Indonesia Framework Document, Opus international Consultants Limited, 2006, p13(Opus)

24 Neil McCulloch, In Indonesia: Keeping Trucks Moving, The Asia Foundation,4.23, 2008

(17)

過積載車両であり、過積載量は道路設計対象軸重8tに対し、実際の積載量は12t以上に なった25、と述べているように、インドネシアでは過積載車両率および過積載率が、ともに

平均50%程度であることが推測される。

開発途上国における過積載車両の実態を代表するような中国のAnhui幹線道路の過積載 車両調査について紹介する。Anhui幹線道路は供用開始後 2~3年の間に道路の早期損傷が 表面化し、その要因を追求するために過積載車両調査を実施した。その結果、大型車両の うち過積載車両が占める割合は50%以上に達し、過積載率はすべての車両が50%を超過し た。そして過積載率は設計対象車両に対して2.9~3.6倍に達した。多くの開発途上国では過

積載率が50%を超えているものと推測される。

次に、過積載車両と道路損傷の関係について、Oh et al.は道路調査の結果から、過積載車 両の損傷力は設計対象車両に比較して2倍以上になる26、と過積載車両の軸重と道路損傷の 関係について述べている。Chatti & Lyles は、車両の軸重とその配列が疲労クラック、わ だち掘れ、平坦性などの過積載車両と損傷形状について27。また、アジ銀は過積載車両は全 交通量に比較すると少ないが、道路の早期損傷に及ぼす影響は逆に大きくなる28、と過積載 車両が道路損傷に及ぼす影響について述べている。車両が道路の早期損傷に及ぼす影響は 軸重の大きさに関係するが、たとえば乗用車とトラックを比較すると、道路の早期損傷に 及ぼす影響度は、1,000対1程度になる。つまり乗用車1,000台の走行とトラック1台の走 行が道路損傷に及ぼす影響がほぼ等しいのである。この関係を利用して乗用車の台数を無 視して軸重の大きなトラックだけを交通量の対象として設計する手法もある。

過積載車両の走行について、Sadeghi & Fathali 29、およびMartin30 は、高速道路にお ける過積載車両と道路の早期損傷の関係について言及している。佐藤ほかは、車両の大型 化、重量化が道路の早期損傷を増大させる要因となった31、と述べているように、経済の国 際化に伴って大型車および重量車の出現と、日々進化し多様化するそれらの車両の軸重増 大が舗装強度の設計をより複雑にしている。

25 Ani Dasgupta consisting of Michel Kerf, David Hawes, & andre Bald, INDONESIA Averting an Infrastructure Crisis, World Bank, 2004, p181

26 Jeongho Oh. E. G. Fernando R. L. Lytton, “Evaluation of Damage Potential for Pavemnts due to Overweight Truck Traffic,” Journal of Transportation Engineering, 5.2007, p308

27 Hassan K. Salama, Karim Chatti, & Richard W. Lyles “Effect of Heavy Multiple Axle Trucks on Flexible Pavement Damage Using In-Service Pavement Performance Data,” Journal of Transportation Engineering , 10.2006, p763

28 Asian Development Bank, Paving the Way to Poverty Reduction through Better Roads, 2001, p18

29 J. M. Sadeghi & M. Fathali, “Deterioration Analysis of Flexible Pavements under Overweight Vehicles,” Journal of Transportation Engineering , 2007, p625

30 Tim C. Martin, “Estimating Heavy Vehicle Road wear Costs for Bituminous-Surfaced Arterial Roads,” Journal of Transportation Engineering , 3/4.2002, p103

31 佐藤信彦・小坂寛巳・奥平真誠 『舗装の維持管理』(株)建設図書, 1992, p27

(18)

過積載車両の改善策に注目すると、Wen et alは過積載車両の規制強化と舗装強度の増強 について提言している32。 Sadeghi & Fathaliも同様に、過積載車両の規制強化、舗装強度 の増強、バイパス道路の建設などについて提言している。また、Dasguptaは、インドネシ アにおける改善提案について、過積載車両の削減あるいは排除は効果的な規制強化を実施 することである33、と過積載車両の規制強化について述べている。

これらの改善提案について異論があるわけではない。しかし、実際に実施段階になると その実効性に以下のような課題がある。

過積載車両の規制強化による改善提案について、過積載車両の走行は長年に亘って行政 機関と道路利用者によって看過されてきた悪しき商慣行であり、培ってきた既得権を規制 強化によって放棄させることは容易ではない。現実には容易ではないと理解しながらも、

改善提案として規制強化を強調せざるをえないところが開発途上国にとっての共通した悩 みである。この点についてWen et al.は素直に、過積載車両の規制強化は長期にわたって提 言されてきたが、実施の段階になると多くの難問に直面するであろう34、と述べている。

一方舗装強度の増強による改善提案について、Jeongho は、舗装強度の増強によって過 積載車両の走行を容認あるいは黙認し、維持管理費の増加を防止すべきである35、と提言し ている。しかしそれも完璧とはいえない。世銀は舗装強度を増強した事例としてフィリピ ンの道路プロジェクトを紹介している。過積載車両の走行によって道路に早期損傷が発生 したため、過積載車両の軸重13.5tに対応したい舗装強度に増強した。しかし道路損傷は一 向に改善されなかった36、と報告している。その理由は軸重13.5tの車両が新たに製造され、

新たに製造された車両が過積載車両として道路の早期損傷をもたらすというイタチごっこ が続いたためである。

さらにSundoは、同プロジェクトの現地調査結果から大型車両の50%が過積載車両であ

り、舗装強度を軸重 13.5t に変更した法律(RA8794)が過積載車両の排除のために必ずしも 機能しておらず、早急に別の措置を講ずる必要がある37、と法律の実効性と道路の運用管理 の難しさについて述べている。

なお、舗装強度の増強は初期の建設段階に追加投資が必要になる。インドネシアの北回 廊幹線道路の維持管理コンサルタントは、追加投資について過積載率が 30%増加する、追

32 Hang Wen, LI Xu-hong, JU Peng, & HE Jie “Site Survey and Analysis of Highway Trucks Overloading Atatus Quo in Anhui,” Journal of the Eastern Asia Society for Transportation Studies, Vol. 6, 2004, p1791, p1801

33 Ani Dasgupta and consisting of Michel Kerf. David Hawes, & Andre Bald, Indonesia Averting an Infrastructure Crisis: a Framework for Policy and Action, 2004, p172

34 Hang Wen, LI Xu-hong, JU Peng, & HE Jie, “Site Survey and Analysis of Highway Trucks Overloading Atatus Quo in Anhui,” Journal of the Eastern Asia Society for Transportation Studies, Vol. 6, 2004, p1801

35 Jeongho Oh, E. G. Fernando, & R. L. Lytton, “Evaluation of Damage Potential for Pavements due to Overweight Truck Traffic,” Journal of Transportation Engineering , 5.2007, p308

36 World Bank, Philippine: Meeting Infra, World Bank, 2005, p159

37 Marloe B. Sundo, The Impact of Truck Overloading on Pavement Life as Influenced by the Enforcement of Republic Act 8794, 計画・交通研究会  会報, 2008-7, p3.

(19)

加投資は 30%必要になると試算しているが、初期投資に追加投資を加算すると効率性(経 済性)が極端に低下する可能性がある。このように開発途上国の道路は過積載車両の走行 に関する課題が明らかにされ、主として二つの改善提案が考えられるが、その効果がなか なか現れてこないというジレンマがある。

米国では、例えば、テキサス州のBrownsville港からMexicoまでの限定された区間では、

舗装強度を増強して大型車の運搬効率を高める手法を採用している。しかしその場合は、

利用者によって過積載量が確約され、さらに追加建設費および追加維持管理費を負担する 制度が確立されているのである。このように道路が適正に管理された状態にあると、輸送 効率の向上という視点から行政と利用者双方の同意のもとに過積載車両を容認し、輸送効 率を向上させる手法が考えられる。

インドネシアで、過積載車両の削減あるいは排除の効果が発現されない理由として、過 積載車両の規制強化の実効性と車両検査所の脆弱性が指摘されている。McCulloch は、イ ンドネシアの車両検査所の実情について次のように述べている。車両検査所ではほんの一 部のトラックだけが検査を受け、過積載量が 50%を超過しているにも拘わらず、過積載量

の20%に対して合法的な罰金が科せられる。他の多くのトラックは車両検査所に到着して

も、規則に従って検査を受けず、罰金も払わず、積荷を降ろすこともしない。担当官は記 録を改竄し、非合法な賄賂を受け取って過積載車両の通過を許可するのである38

つまり車両検査所は過積載車両の通過を規制することが重要な任務でありながら、むし ろ過積載車両の通過を奨励するような状況が続いており、車両検査所としての機能を果た していない。また車両検査所には、過積載車両の検査資料が保管されているが、その資料 の信憑性にも問題がある。

過積載車両の走行について、アジ銀 は道路の早期損傷の主要因である過積載車両は開発 途上国にとって慢性的な問題である39、と指摘しているように、過積載車両の問題は開発途 上国が成長過程において避けて通れない関門であり、道路資産の保全に携わる関係機関が 協働して道路損傷を最小限に抑え、道路の効率性を高めることが今後の課題である。

次に、維持管理の重要性に注目すると、河相は、初期投資より維持管理費用がプロジェ クトの経済性を左右することがある40、と不適切な維持管理が道路の供用性を劣化させ、プ ロジェクトの効果及び効率に甚大な損失をもたらす点について言及している。Burningham

& Stankevichは、道路の維持管理はよく検討された計画書に従って実施されるべきであり、

道路が改善されれば莫大な利益をもたらす41。また藤原は、特に適切かつ時宣に適った維持

38 The Asia Foundation, The Cost of Moving Goods Road Transportation, Regulations and Charges in Indonesia, The Asia Foundation, 2008.4, p40

39 Asian Development Bank, Sector Synthesis of Postevaluation Findings in the Roads and Road Transport Sector, 1996, p15

40 河相全次郎『海外交通プロジェクトの評価』鹿島出版社,1986, p139

41 Sally burningham & Natalya Stankevich, “Why road maintenance is important and how to get it done,” TRANSPORT NOTES TRN-4, World Bank,6.2005, p1

(20)

管理を実施することが重要である42、と維持管理の重要性について言及している。

しかし、開発途上国では特に予算不足による不適切な維持管理が指摘されている。道路 プロジェクトの事後評価報告書を参照すると、アジ銀のベトナムの道路改良工事は維持管 理の配分額が必要額の1/3程度であり、同様にインドネシアの第10道路改良工事も1/3程 度である。JBICのインドネシアの幹線道路補強事業および南スマトラ道路修復事業も配分 額は必要額の1/3程度であり、適切な維持管理のための必要額が配分されていない。

国家財政が緊迫している状況から判断すると、今後満足な維持管理予算が配分される可 能性は低く、損傷部分が補修されないまま、放置される状態が続いている。

不適切な維持管理によって破損した道路の復旧費について、Harral & Faiz は43、世銀が 支援した道路の現況調査から、適切かつ時宣に適った維持管理が実施された場合に比較し て3~5 倍の費用が必要になった。 Heggieは、不適切な維持管理が将来の維持管理費の増 加になった。15 年間適切な維持管理が行われた道路の維持管理費は$60,000 であったが、

不適切な維持管理が行われ、放置された道路の復旧費用には$200,000が必要になった。換 言すると、10~20年の間に必要な復旧費は通常の3倍以上になった44、と述べている。道路 の損傷部分はそのまま放置すると、その後の車両の走行によって損傷部分は急速に拡大化 し、かつ重症化する。そして復旧に多額な投資が必要になるが、多くの開発途上国の道路 は概してこの傾向にある。

さらにBurningham & Stankevichは、不適切な維持管理が行われ、道路の供用性が低下 すると車両の運転コストが増加し、直接的あるいは間接的な利益の損失につながる。特に 開発途上国では財源確保が維持管理の品質に影響を及ぼす45、と維持管理の重要性と必要な 財源確保について言及している。同様にHarral & Faiz は、不適切な維持管理が行われる 主要因として予算不足を指摘し、道路新設に比較して維持管理の優先度が低いことも維持 管理費の不足に影響している46、と維持管理の予算不足とその予算確保の困難さについて言 及している。

開発途上国の維持管理に必要な財源調達と予算確保の難しさを最も顕著に表している事 例として、アジ銀は支援プロジェクトそのものが修繕工事であることを指摘している47。ま た、維持管理費の予算確保を改善するために、アジ銀は1990年代に開発途上国との契約書 に開発途上国が維持管理財源の確保を確約する契約条項を追加したが、最も遵守されない 契約条項の一つであったと指摘しているように開発途上国にとって維持管理財源の確保は

42 藤原武『道路維持修繕  ハンドブック』鹿島出版会1976, p15

43 Clell Harral & Asif Faiz, Road Deterioration in Developing Countories, World Bank, 1988, p6

44 Ian G. Heggie & Piers Vickers, Commercial Management and Financing of Roads, World Bank, 1998, p12

45 Sally Burningham & Natalya Stankevich, “Why road maintenance is important and how to get it done,” Transport Note TRN-4 , World Bank, 6.2005, p1

46 Clell Harral & Asif Faiz, Road Deterioration in Developing Countories, World Bank, 1988, p6

47 Asian Development Bank, Project performance Audit Report on the Tenth and Eleventh Road Project in Indonesia, Manila, 2002, p16

(21)

容易ではない。

適切な維持管理を行うために必要な費用について、Vassallo & Izquerdo は初期投資の 2~3%48。 Andreski et al.も同様に初期投資の2~3%49。アジ銀は年間投資額の3%50、と 適切な維持管理費を2~3%程度と考えている。もちろん個々のプロジェクトによっていくら かの差異はある。その点について藤原は、この適切な維持管理費について、地形、地象、

気象などの条件、あるいは新設工事と既存道路修繕工事等、道路の性格、道路の存在する 地域の状況や供用後の経年数によっても異なる51、と指摘している。一般的には3%程度が 適切な維持管理費であると考えられている。

道路の供用性を示す指標として維持管理費の支出があるが、開発途上国の維持管理費は 適切な維持管理費に比較して少ない。開発途上国の維持管理費について、Heggie & Vickers は、配分額は要求額あるいは所要額の 50%に満たない52、と指摘している。これは初期投

資額の1~1.5%程度である。予算不足によって不適切な維持管理が行われ、道路損傷部分が

拡大化し、重症化に拍車がかかるのである。開発途上国における維持管理の予算不足は各 国に共通する問題であり、道路損傷が拡大する主要因と言われている。

次に、過積載車両を考慮した適切な維持管理費について考える。上記適切な維持管理費 3%は、設計対象車両を対象とした道路の維持管理費である。したがって過積載車両を対象 とした維持管理費は含まれていない。過積載車両は規制強化によって削減あるいは排除す ることを前提条件としているのである。

過積載車両を考慮した維持管理費は、適切な維持管理費(3%)に過積載車両による道路損 傷部分の維持管理費を加算する必要がある。この加算した維持管理費から配分額を減じた 部分が未補修のまま翌日に持ち越されることになるのである。多くの開発途上国の維持管 理はこのような状況にあり、道路の供用性は急速に低下する傾向にある。

今日まで道路損傷の主要因である過積載車両および維持管理に関する多くの研究が行わ れ、その成果が公表されているが、その多くは、過積載車両と道路損傷、維持管理と道路 損傷などの関係に注目したものである。また道路損傷を縮減するための多くの改善提案が あるが、その成果はなかなか発現しない。

成果がなかなか発現しない理由の一つとして、道路資産の形成および保全に関する各関 係機関が一体となって協働していない場合がある。設計者は設計対象車両を対象として舗 装強度を決定しているが、運用管理者は独自の基準を設定し、過積載車両の走行を容認あ るいは黙認する。また、維持管理者は過積載車両の走行を無視した不適切な維持管理が行

48 Jose M. Vassallo & Rafael Izquerdo, “Modeling Road ‘Maintrnance Management and Financing,”

Journal of Transportation Engineering , 11/12.2002

49 Adam Andreski, Subhash Seth & Wendy walker, How a Road agency Can Transform Force Account Road Maintenance to Contracting, World Bank, TP-11 6.2006, p8

50 ア ジ ア 開 発 銀 行(ADB), Sector Synthesis of Postevaluation Findings in the Roads and Road Transport Sector, 1996, p15

51 藤原武、『道路維持修繕  ハンドブック』鹿島出版社, 1976, p15

52 Ian G. Heggie & Piers Vickers, Commercial Management and Financing of Roads, World Bank, 1998, p22

(22)

われる、というように計画、設計、建設、運用管理、維持管理を担当する各関係機関が独 自に設定した基準によって道路資産の形成と保全が行われているのである。その結果、多 くの道路が供用開始後、耐用年数の半分に到達する前に供用性を失い、本来なら必要とし ない改修工事あるいは修繕工事などが行われることになる。

筆者は、道路の利用者を含めて計画、設計、建設、運用管理、維持管理を担当する各関 係機関が一体となった調和の取れた道路資産の保全が行われれば道路資産の効率性は格段 に向上すると考えている。そのためには、過積載車両と道路損傷、維持管理と道路損傷と いうような従来の多くの研究とは異なり、資源の効率的な活用の視点から過積載車両と維 持管理と道路損傷を包括して一体とした道路資産の保全が必要であると考えている。

最後に、筆者の論文がプロジェクトの効率性評価に用いる費用便益分析のなかで費用に 固執する理由について。道路プロジェクトは懐胎期間が長い。完成後30年程度の長期間に わたって便益と費用が発生するが、その間に開発途上国の特徴である過積載車両の走行と 維持管理財源の不足による不適切な維持管理によって、計画段階に予測した耐用年数の半 ばに到達する前に道路が破損すると、便益の前提条件が根幹から崩壊することになる。す なわち費用が便益を生む鍵を握っているのである。ここに筆者が費用に固執する理由があ る。

第4節  本論文の構成

本論文は、10章によって構成されている。その特徴は、第1章および第2章はインドネ シアおよび開発途上国の道路を概観した。第3章は舗装道路と維持管理について概観した。

第4章で文献調査、第5章で現地調査を実施し、現状を把握し、課題を抽出した。第6章 から第 9 章までは、文献調査および現地調査で抽出した課題、および事後評価報告書の最 も重要な部分といわれる教訓・提言欄から抽出した課題について考察した。第 6 章では公 表された資料を用いて過積載車両の実態を推定した。さらにその結果を用いて、過積載率 と道路の耐用年数の関係について分析結果を数量化した。第7章では、第 6章の分析結果 を用いて、過積載車両と耐用年数と維持管理の関係について分析結果を数量化した。この ように前章の分析結果を用いて、次章の基準として分析を継続するという一貫した流れが 第6章から第9章まで続いている。

第1章  インドネシアの道路概要

インドネシアの道路を概観した。道路は経済活動を支援する重要な経済・社会基盤整備 インフラである。インドネシアにおける道路輸送の依存度は 90%、圧倒的に道路輸送に依 存する比率が高く、道路輸送はインドネシアにとって経済成長の推進力である。これまで にも多国間や二国間援助制度を活用して、産業基盤整備に努めてきたが、大陸国と違って、

島嶼国であるインドネシアの産業基盤整備には、多額な資金と時間を要するため、その整 備状況は十分とはいえない。

また、1997年にはアジア金融危機がインドネシアを直撃し、2000年半ばまで経済が停滞

(23)

する時期が続いたが、その後の回復基調に伴って道路予算も大幅に増加した。2004年に発 足したユドヨノ政権は、道路インフラを含む産業基盤整備の近代化を加速させ、それをテ コに外資の大幅な誘致こそが、インドネシア経済の健全、且つ恒常的な成長を持続させる ための最も有効な手段である53、と政府の方針を明らかにした。

第2章  開発途上国の道路概要

開発途上国の道路を概観した。世銀、アジ銀等の国際機関および先進諸国の、いわゆる

「政府開発援助(ODA)」によって、開発途上国における開発プロジェクトが、本格的に始 動したのは1960 年代であった。従来、40 年近くの歴史を経て、開発援助は質量ともに飛 躍的に向上・増大するに至った54。この開発途上国の道路網の発展を時系列で概観すると、

道路網の拡大時代、改善・改良時代、維持管理時代の三つの時代に大別される。

①道路網拡大時代

多くの開発途上国は援助機関の支援によって道路網の拡大に邁進したが、それも長くは 続かなかった。道路網の拡大は当該国の関係機関の管理能力や財源能力の限界を遙かに凌 ぐ速度で進められたのである。多くの開発途上国は新設された道路が、供用開始後に定期 的に維持管理を継続する必要があるという道路資産の保全に関する基本的な知識を持ち合 わせていなかった。

②改善・改良時代

経済の国際化は車両の多様化、重量化、大型化への移行を加速させ、車両の軸重はしば しば舗装の強度を超過する現象が発生し、多くの道路がその機能を失った。また、法律の 不備、強制執行権の不行為、車両検査所施設の不備、そして運転者や利用者のモラルなど が過積載車両の横行を助長させたといわれている。③維持管理時代

1997年のアジア金融危機によって多くの国は財政破綻に陥り、道路などの社会基盤整備 予算が大幅に削減された。その結果各地で損傷した道路が顕在化し、補修されないまま放 置される状態に陥った。

第3章  舗装道路と維持管理

舗装道路と維持管理について概観する。舗装強度、耐用年数、道路損傷、維持管理、主 要評価手法等、分析ツールに関する一般的な考えを整理した。

第4章  現状の把握  文献調査

JBIC、アジ銀、世銀が支援したインドネシアの 18 道路プロジェクトの事後評価報告書

(JBIC:8、アジ銀:5、世銀:5)について、文献調査を実施して現状を把握し、課題 を抽出した。その結果、道路の早期損傷の主要因は、過積載車両の走行と不適切な維持管 理(特に予算不足による)によることを明らかにした。また多くの道路が計画時に予想し た耐用年数に到達する前に破損する状況にあることを明らかにした。維持管理は、予算不

53 世界経済情報サービス(ワイス)『ARCレポート(インドネシア)』2005.12, p121

54 松野正・矢口哲雄『開発プロジェクトの評価、−公共事業の経済 社会分析手法―』築地書館株式会社, 1999, p135

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足による不適切な維持管理に集約される。予算配分額は要求額あるいは所要額の1/2~1/5と 少ない。なお、品質欠陥に関する指摘は少ない。

また、効率性評価と持続性評価の間に乖離が存在することも明らかにした。効率性評価 には、交通量の「量」は考慮されているが、交通量の「質」つまり過積載車両の走行によ る道路損傷の影響が便益の損失として考慮されていない。一方、持続性評価には、過積載 車両の走行によって道路は耐用年数に到達する前に破損する。

次に、事後評価報告書の最も重要な部分であり、将来のプロジェクトの改善にフィード バックするための教訓・提言欄には、過積載車両について二つの改善提言、①過積載車両の 規制強化、②舗装強度の増強が示されているが、具体的な改善方法について言及していな い。

第5章  現状の把握  現地調査

第4章、文献調査の結果を踏まえ、JBIC が支援した幹線道路補強事業(Ⅱ)(IP-466)の うち、Package 03工区を選択し、完成後5.5年が経過した2008年4月末から5月初旬に かけて現地調査を実施して現状を把握し、課題を抽出した。Package 03工区を選択した主 たる理由は、(1)JBICが支援した直近の道路プロジェクトである、(2)基幹的交通網に 属する幹線道路で大型車両が走行する、(3)使用開始後に道路の早期損傷が発生した、(4)

事後評価調査が実施されていない、などである。

道路の早期損傷の主要因は、文献調査と同様に過積載車両の走行と不適切な維持管理に よることを明らかにした。道路は供用開始直後から路面にクラックが発現した。そして計 画段階に予測した耐用年数12年の半ばに到達しない、完成後 5.5年目の2008年に全長の 2/3に亘って本来なら必要としない修繕工事が行われた。

また文献調査と最も異なる部分は道路が「許容過積載率」によって運用管理されている ことである。「許容過積載率」とは、積載量が車両毎に認可された最大積載量を超過しても

「許容過積載率」までは罰金を科すだけの上限値を示している。多くの車両が「許容過積 載率」を目標に積載量を調節しているが、この「許容過積載率」が道路の早期損傷に拍車 をかけた。

第6章  分析1  過積載車両と道路損傷

第4章および第5章では、過積載車両が道路損傷の主要因であることを明らかにした。

ここでは、過積載車両つまり交通量の「質」について、公表された資料を用いて過積載車 両の実態を推定した。さらにその結果を用いて過積載率と道路の耐用年数の関係について 分析結果を数量化した。その結果、過積載車両が道路損傷に及ぼす影響は、設計対象車両

(10t軸重)に比較して3.5倍になることを明らかにした。

分析は以下に従って行われた。

1  過積載車両の実態推定

公表されたごく限られたある程度信頼性が高い資料を基に過積載車両の実態を推定した。

2  過積載車両の削減

(25)

  運用管理を管轄する運輸省は過積載車両の段階的な削減を提案しているが、ここでは段 階的な削減を念頭において、過積載率を変数として過積載率と耐用年数の関係を分析した。

3  Package 03の考察

Package 03は供用開始後、5.5年目に修繕工事が行われた。これは計画段階に予測した

耐用年数12年の半ばに到達しない時点であり、序章で述べたように予測した耐用年数曲線 の中に二つの耐用年数曲線があることになる。

供用開始後5.5年目は、計画段階に予測した耐用年数の前半の2/3期間に該当する。耐用 年数の最初の2/3期間について、Harral & Faiz.は、道路は改良あるいは修繕してから5~8 年間は一般に良好な状態に維持することが可能である55、と述べているように、この期間は 道路損傷が徐々に進行するため、維持管理に多くの労力を必要としない時期に該当する。

やはり、道路の早期損傷の主要因は過積載車両による影響が大きいことを明らかにした。

第7章  分析2  維持管理と道路損傷

4章、5章の不適切な維持管理は道路損傷の主要因であるという課題を受けて、上記第6 章の過積載率と耐用年数の結果を用いて、過積載率と耐用年数と維持管理の関係について 分析結果を数量化した。その結果、過積載車両を対象とした維持管理費は設計対象車両を 対象とした維持管理費に比較して3.5倍多く必要になることを明らかにした。

さらにその結果を用いてPackage 03と道路損傷について考察し、4つの異なる数値があ ることを明らかにした。①Package 03の配分額(要求額あるいは所要額の1/2~1/5)、②設 計対象車両を考慮した適切な標準値(3%)、③過積載車両を考慮した維持管理費(10.74%)、

④Package 03に投資された維持管理費(20%)である。

特に、④Package 03に投資された維持管理費(20%)は、供用開始後から6年目までの 日常維持管理、オーバーレイ工事、修理工事に投資された費用を、経過年度で除した年平 均維持管理費になる。過積載車両を考慮した維持管理費10.74%の2倍の費用が投資された ことになるが、この差異は、予算不足によって適切かつ時宣に適った維持管理が実施され ず、本日補修すべきところを翌日に持ち越したために損傷部分が拡大化あるいは重症化し た部分、および存在が確認されていながら、その要因が特定できない品質欠陥による損傷 部分が含まれていると考える。

第8章  分析3  先行投資型と後行投資型

道路の早期損傷に関する二つの改善提言、①過積載車両の規制強化、②舗装強度の増強 について、第7章の過積載率と道路の耐用年数と維持管理の結果を用いて、二つのケース についてその効果を比較分析した。

ケース1の特徴は過積載車両の規制強化によって過積載車両が減少することを前提とし、

維持管理に投資の比重をおいた後行投資型である。一方、ケース2の特徴は過積載車両の 走行を容認あるいは黙認し、過積載車両に適した舗装強度の増強を前提とする舗装強度の 増強に投資の比重をおいた先行投資型である。

55 Clell Harral and Asif Faiz, Road Dererioration in Developing Countries, World Bank, 1988, p6

参照

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