台湾の次世代車載コンピュータ
システム産業の現状と展望
はじめに
本報告書は財団法人交流協会が台北市コンピュータ同業協会東京事務所に委託して実 施した平成 17 年度「台湾の次世代車載コンピュータシステム産業の現状と展望」につ いての報告書である。
平成 18 年2月
目 次
第1章 自動車産業の概況……… 1
1−1 世界の自動車産業 ……… 1
1−2 台湾の自動車産業 ……… 3
1−3 中国の自動車産業 ……… 9
1−4 中国を舞台にした台湾、中国、日本メーカーの関係 ………14
第2章 台湾カーエレクトロニクス産業の現状………16
2−1 世界のカーエレクトロニクス産業の市場規模 ………16
2−2 カーエレクトロニクス分野とは ………19
2−3 IT ベンダーがカーエレクトロニクス分野へ転身 ………22
2−4 台湾の主要なカーエレクトロニクス関連企業 ………24
2−5 カーエレクトロニクス分野進出のハードル ………28
2−6 中国のカーエレクトロニクス産業の実力 ………32
第3章 カーエレクトロニクス分野における強み………34
3−1 伝統的な自動車部品メーカーの強み ………34
3−2 新興 IT ベンダーの強み ………42
3−3 組み込みベンダーの強み ………55
3−4 台湾のポジショニングと台湾当局の産業振興政策 ………58
第4章 企業ヒアリングレポート………63
4−1 Supa Tech, Inc. ………63
正翰科技股份有限公司 4−2 d-Media System Co., Ltd. ………69
米迪亞系統科技股份有限公司 4−3 BenQ Corporation ………75
明基電通股份有限公司
4−4 Micro-Star International Co., Ltd. ………82 微星科技股份有限公司
4−5 Sysgration Ltd. ………87 系統電子工業股份有限公司
4−6 IN WIN DEVELOPMENT INC. ………91 迎廣科技股份有限公司
4−7 Axiomtek Co., Ltd. ………95 艾訊股份有限公司
4−8 Kontron Asia Inc. ……… 101 控創科技股份有限公司
4−9 Delta Electronics, Inc. ……… 106 台達電子工業股份有限公司
4−10 Wharton Electronics Co., Ltd. ……… 110 徽昌電子科技有限公司
企業一覧……… 114 参考資料……… 116
第 1 章 自動車産業の概況
1 ー 1 世界の自動車産業
財団法人日本自動車工業会によると、2004 年の世界全体の自動車生産台数は、前年 より 5.6% 増加し、6,395 万 6,000 台と発表されている。そのうち乗用車が 4,410 万台、
バス・トラックが 1,985 万台である。自動車全体の生産台数のうちおよそ 65.7% にあた る 4,206 万台が欧州、米国、日本の三大自動車生産地で生産されている。 これら 3 地域 それぞれの生産台数は欧州が 1,685 万台で全体の 26.36%、北米が 1,470 万台で 22.9%、
日本が 1,051 万台で 16.4% となっている。
主要地域別に増減をみると、北 / 中南米が 2.8% 増、欧州が 4.2% 増、アジア大洋州が 9.0%
増、アフリカ 15.1% 増といずれも増加。生産台数の上位 5 カ国では、1 位が米国の 1,198 万 9,000 台(1.0% 減)、2 位が日本で 1,051 万 2,000 台(2.2% 増)、以下、ドイツ 557 万台(1.1%
増)、中国 507 万 1,000 台(14.1% 増)、フランス 366 万 6,000 台(1.3% 増)となっている。
これら上位 5 カ国で全世界生産の約 60% を占めている。
財団法人日本自動車工業会によると、日本の国内自動車生産台数は 4 年続けて前年実 績を上回った。1,000 万台超も 4 年連続。国内市場は頭打ちだが、北米向けを中心に輸 出が 1.9% 増の 505 万 3,061 台と 4 年連続で拡大したためである。ただし、北米では米メー カーが苦境にあり、業界には貿易摩擦を警戒する声が広がっている。
トラックの生産台数は 1.4% 減ったが、乗用車が 3.4% 増で 13 年ぶりに 900 万台を突 破した。排気量 2 リットル超の普通乗用車と軽乗用車が過去最高だった。
輸出が 500 万台を超えたのは 12 年ぶり。北米向けは 7.4% 増の 185 万 4,438 台で 3 年
【図表 1】 2004 年世界の自動車生産台数 欧州 東欧 /
ロシア 北 米 中南米 日 本 中 国 韓国 インド タ イ 自動車
生産台数 1,685 315 1,470 409 1,051 507 347 151 92 乗用車
生産台数 1,466 271 556 277 872 231 312 117 29 資料出所 : 財団法人日本自動車工業会
(単位:万台)
ぶりに増えた。中南米向けは 2 割近く、中近東とアフリカ向けも 1 割以上伸びた。ただ し、北米向け輸出はピークの 86 年に比べると半分程度で、北米での現地生産がその背 景にある。しかし、トヨタについては、現地生産がないハイブリッド車などの需要が増 えるなどして、2005 年は約 94 万台と 1988 年以来の高水準になった。このため、トヨ タ内部には「北米で一番気になるリスクは貿易摩擦」と警戒感も強い。
同時に発表された 2005 年度上半期(4 〜 9 月)の海外生産台数は、前年同期比 11.2%
増の約 543 万台となり、上半期で初めて国内生産台数である約 519 万台を上回った。
こうした中でアジアの自動車産業は、再び成長の時期を迎えている。日本を除くアジ アの自動車市場は、アジア通貨危機の影響で 1998 年に販売台数は 500 万台割れとなっ たが、その後、中国とインドの市場拡大、ASEAN の需要回復で、2000 年に通貨危機前 の水準を超える 682 万台、 2003 年には初めて 1,000 万台を超えた。
こうした状況の中、世界の自動車メーカーや部品メーカーはアジア事業を急速に拡大 するとともに、アジア拠点を特定車種や部品のグローバル供給拠点として活用する動き を活発化させている。アジア市場は今後も政情安定と高度経済成長が続けば 2010 年頃 に 1,600 万台への成長が見込まれ、世界自動車・部品メーカーのアジア事業展開もさら に加速すると見られている。
現在、欧州、北米、日本の三大拠点の自動車生産および需要は全世界自動車産業の主 導的地位を占めているが、それぞれの地域の市場はすでに成熟しており、飽和状態にあ る。加えて自動車の寿命は技術進歩によってますます長くなる。
自動車産業においてこれまでにない何らかの革命的発展がない限り、販売量の増加は 緩やかになり、中国のような新興市場以外では、購買意欲を刺激するためにより付加価 値の高い車作りが求められる。IT 産業と自動車産業の融合は、人々をまったく新しい 時代へと導き、エレクトロニクス化およびデジタル化技術は、人類と社会に省エネを実 現して高機能カー、エコ・カーの期待を膨らませている。同時にドライバーに、安全で 快適な運転環境をもたらすだけでなく、エンタテインメント性が加わった新しい空間を 提供している。
現在の自動車の 70% 以上の新技術はエレクトロニクステクノロジーがもたらしたも ので、走行コントロールシステムから革新的な安全システム、さらには通信機能や車載 エンタテインメントシステムまで、IT との融合によるこれまでにない新しい移動空間 としての自動車の開発がますます加速していくだろう。
1ー2 台湾の自動車産業
財団法人日本自動車工業会の統計によると、2004 年台湾の自動車生産台数は 43 万 0,814 台となっている。そのうち乗用車が 29 万 9,639 台、トラック・バスが 13 万 1,175 台となっている。これは世界全体の生産台数の 1% にも満たない水準である。【図表 2】
一方、中華汽車が発表している最新のデータによると、2005 年台湾市場における自 動車の販売台数は、51 万 4,627 台となっている。そのうち乗用車が 27 万 7,092 台、RV タイプが 17 万 5,038 となっており、ここ数年台湾でも RV タイプが人気を集め、販売台 数を伸ばしている。【図表 3】
しかし、台湾市場はほぼ飽和状態となっており、2006 年の販売台数は 2.6% 減で、50 万 1,000 台との見込み。国内市場では今後大きな伸びは期待できない。
台湾内の販売はここ数年およそ 45 万〜 50 万台前後で推移している。日本の人口が 1 億 2,000 万人強であるのに対して、台湾はおよそ 2,000 万人である。日本では年間およ そ約 600 万台の自動車が売れていることから考えれば、台湾では 100 万台程度の販売台 数があってもおかしくない。
これは、自動車メーカーの規模が小さく、大部分のメーカーが多車種を少量生産して いるため、価格が割高であることが最大の原因であるが、都市部では車の駐車場問題が 深刻で、日頃の保管場所としても、移動先での駐車場所としても、場所探しとコストの 問題が自動車購入を妨げる深刻な要因になっている。
輸入車の比率は 12 〜 15% 前後である。ベンツ、BMW といった高級車に人気が集中 する。こうしたブランド志向は日本人のそれ以上であるかも知れない。徐々に輸入規制 を緩和して自動車の輸入自由化を行っているが、自動車産業と部品産業の育成のために 大幅な規制緩和は行われていない。
生産した自動車は内需が中心である。輸出を前提とした生産ではなく、生産台数と同 数がほぼ台湾内で販売される。1980 年代には乗用車輸出を試みたこともあったが、現 在では自動車の輸出はほとんどない。自動車産業はパソコンやデジタル機器のように、
OEM 生産で製品の輸出基地となることはなかった。1990 年代後半にはアセアン諸国へ の進出も試みられたが、アジア通貨危機の影響で思うように進まなかった。
しかし、ここにきて一躍脚光を浴びているのが中国市場である。市場として、生産拠 点として積極的なアプローチが始められている。
【図表 2】 台湾自動車販売台数および生産台数の推移
年 1998 1999 2000 2002 2003 2004 2005(1 〜 6)
国産車
販売台数 398,576 363,066 356,546 345,211 357,285 422,410 239,388 成長率 4.93% △ 8.91% △ 1.80% 18.50% 3.50% 18.23% 9.78%
占有率 84.08% 85.72% 84.82% 86.54 86.32% 87.22% 87.70%
輸入車
販売台数 75,493 60,474 63,918 53,671 56,629 61,882 33,530 成長率 △ 25.78% △ 19.89% 5.70% △ 4.35 5.51% 9.28% 9.41%
占有率 15.92% 14.28% 15.18% 13.46% 13.68% 12.78% 12.30%
販売台数 合 計
販売台數 474,069 423,540 420,464 398,882 413,914 484,292 272,918 成長率 △ 1.57% △ 10.66% △ 0.73% 14.81% 3.77% 17.00% 9.74%
生 産 台 数 381,103 404,545 350,273 372,872 333,699 386,686 430,814 成長率 4.12% 6.15% △ 13.42% 6.45% 22.82% 15.88% 11.41%
資料出所:台湾交通部および台湾区車輌工業同業公會より
【図表 3】 2005/2006 年台湾自動車市場予想
2005 年 2006 年(予)
タイプ別市場 販売量 販売量 成長率
乗用車市場 277,092 267,300 △ 3.5%
RV 車市場 175,038 171,500 △ 2.0%
商用車市場 52,621 52,200 △ 0.8%
大型車市場 9,876 10,000 1.3%
合計 514,627 501,000 △ 2.6%
資料出所:中華汽車工業股份有限公司(2006 年 1 月)
◇台湾の主要自動車メーカー 1)Yulon(裕隆汽車)
1953 年設立。1957 年からニッサンと技術提携、一貫してニッサンブランドを生産し てきた。1961 年の「国産汽車工業発展弁法」の保護下で台湾における独占的な市場を 作り上げた。台湾当局はさらに海外メーカーの新規参入の禁止、競合輸入車の禁止といっ た措置を執り、Yulon(裕隆汽車) は 1965 年には年間 6,000 台の中で大型車から小型車 まで 14 車種をラインナップする自動車メーカーとなる。
2003 年に裕隆汽車製造と裕隆日産汽車に分割。現在の台湾での生産能力は約 12 万台。
主力車種は SENTRA、TEAMA など。アジア向け車両の R&D センターを持つ。ニッ サンの中国展開の一翼を担い 2006 年には 55 万台、2009 年には 90 万台の中国生産を目 指す。http://www.yulon-motor.com.tw
2)CMC(中華汽車)
1967 年の台湾当局による自動車産業政策の見直しで外国企業の新規参入が認められ たことにより、1969 年設立。翌 1970 年三菱との技術提携、一貫して三菱ブランドの乗 用車と商用車を生産し、現在に至る。主力車種は Lancer。開発センターを持ち、独自 の小型商用車を開発。Varyca を自社ブランドで台湾と中国で販売するほか、中近東や 中南米などへの輸出も行っている。http://www.china-motor.com.tw
3)Kuozui(國瑞汽車)
トヨタ、日野ブランドの乗用車と商用車を生産。2004 年の生産台数は 12 万 7,000 台。
ALTIS(COROLLA)、WISH、CAMRY などが主力機種。GM と提携関係にあった華 同汽車が前身で、1983 年 GM 撤退後、和泰汽車の協力を得て日野と提携。1984 年に和 泰汽車と日野との合弁で國瑞汽車を設立し、1986 年トヨタとの提携によりトヨタの商 用車の生産を開始した。1989 年からは乗用車 CORONA を生産開始、その後車種を増 やしている。デザインハウスも備えた開発センターを設置、東南アジア向け製品開発。
http://www.kuozui.com.tw
4)Ford Lio Ho(福特六和)
前身の六福汽車は 1970 年トヨタとの技術提携により設立。その後、フォードが提携 パートナーとなり、福特六和を設立。これまでフォード車とフォードと提携したマツダ 車を一貫して生産、販売してきた。現在の主力車種は、FOCUS、MONDEO など。人 材を国際的な配置で積極的に活用。http://www.ford.com.tw
5)Taiwan Honda(台灣本田)
1962 年から続いた三陽との提携を解消。2002 年に 100% 子会社となる台湾ホンダ を設立。工場はそれまでスバルが生産を行っていた屏東工場。現在の主力は CR-V、
Accord の 2 車種。http://www.honda-taiwan.com.tw
これらの他に、Ta Ching(大慶汽車)、Prince(太子汽車)Taiwan Isuzu(台灣五十鈴)、
Chin Chun(慶眾)、Formosa(台塑)、San Yang(三陽)などがある。
【図表 4】 台湾主要自動車メーカーの生産台数推移
資料出所:中国自動車工業会 みずほ総研資料(2004 年 2 月)より引用 国瑞 77,198 83,353 68,707 91,126 105,731 130,053 118,278 中華 99,318 100,302 10,850 93,973 94,807 96,624 75,393 裕隆 67,803 75,117 51,171 56,006 70,234 67,168 54,102 福特六和 51,009 58,258 45,968 60,013 69,065 70,652 66,146 その他 54,945 55,583 35,008 32,581 46,849 66,317 60,176
1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005
(1〜10月)
台湾近年国産車生産量一覧
500,000
400,000
300,000
200,000
100,000
0
◇中国への進出は選択せざるを得ない道
台湾経済は国内市場が小さく、輸出は経済成長を維持するために重要な原動力となっ ている。世界の大手自動車メーカーは中国を生産拠点として、さらに市場として注目し ているが、台湾の自動車産業がこうした国際化の中で「強み」を発揮していくためには、
世界の大手自動車メーカーとの提携が不可欠である。
日欧米の成熟した市場へ直接新規参入することは困難である。系列企業、一次下請 け、二次下請けといったメーカーごとに強い結びつきを持つサプライチェーンを切り崩 すことは容易なことではない。また、カーエレクトロニクス領域へ参入したばかりの台 湾 IT メーカーにとって、煩雑な認証取得のために投資回収に時間がかかり、自動車と いう人の命を運ぶ製品での市場参入は強い覚悟が要るだろう。
さまざまな部品でハイエンド製品は欧米日の大手企業に市場を独占され、ローエンド 製品は中国メーカーにシェアを奪われようとしている。この市場に新たに加わろうとす る台湾メーカーにとって、どこに存在価値を見出すかが重要なポイントである。
台湾企業は AM 市場(After Market)で徐々に知名度を上げた後、OE 市場(Original Equipment)に参入するという手法が試みられてきた。しかし、世界のカートロニクス メーカーが密集する中国市場では、高い品質の輸入ブランド製品と低価格の中国製品と の間で差別化を図ることはたいへん難しい。オリジナリティ溢れた製品でなければ、ま たはブランド力を持っていなければ、AM 市場は難しい。
仮に台湾企業が高品質、低価格の製品を発売できたとしても、広大な中国でディーラー 網を作り上げ、ブランドイメージを確立するためには、たいへんな時間と人手がかかる だろう。一方、OE 市場(Original Equipment)もそう容易な道ではない。大手自動車 メーカーの生産体制に食い込むことためは、「中国」という自動車業界にとって最後の「処 女地」で台湾メーカーの「強み」を最大限発揮しなければならない。
中国は世界で最も大きな成長が期待されている自動車市場である。それは同時に大手 自動車メーカーにとって新しい生産拠点としても重要な土地でもある。台湾企業は中国 と共通の文化と言語を持ち、意思疎通にも有利だ。台湾から地理的にも近いというメリッ トも生かすことができる。台湾企業は大手自動車メーカーと中国当局または中国企業と の間に立ち、調整や統合、管理や運用といった面で重要な役割を果たしていくことがで きる。言葉の問題、共通する風俗習慣を持つ台湾企業にとって恵まれた条件は多い。
中国で台湾企業が持つこうした「強み」を生かして大手自動車メーカーとの間で役割 を演じていけば、世界的な分業体制に加わることができる。これは台湾の自動車メー カー、自動車部品メーカーだけでなく、IT 業界にとっても千載一遇のチャンスである。
政治的要因で難しい立場に置かれている台湾であるが、政治より経済を優先させる中 国の現実路線の下で、現在は大きな障害はない。中台の企業活動が順調に進み、中国経 済が安定した経済が続く限り、台湾と中国との政治的な不安定要素は重要な問題とはな らないだろう。
しかし、長期的にみた場合、中国企業が力を着けてくるという違った意味での局面を 迎えることになる。関係が良好な時、中国は台湾企業を引き入れようとし、関係が悪化 すれば、台湾企業は排除される。こうした不安定要素を秘めている。
現在、台湾企業は中国における「強み」を生かすべく積極的な進出を試みているが、
中国企業が実力を着けてくるのも時間の問題だろう。
「進出が遅れれば遅れるほどビジネスチャンスは減る」ということは台湾企業の経営 者が持つ一致した認識だ。「一歩遅れると、誰と提携するかという選択ではなく、誰と 競争するのかという選択に迫られることになる」と危機感を募らせる。
中国の社会は「人治」の傾向が強い上に、自動車産業のルールが模索段階にあるため、
台湾企業にとっても投資のリスクはかなり大きい。このため中国へ進出すると同時に、
ターゲットとする市場を中国国内だけでなく、欧米、日本、そしてこうした大手自動車 メーカーを経由した形で、東欧、中南米、東南アジアと可能性を模索していく動きが必 要だろう。
1ー3 中国の自動車産業
◇中国の自動車生産台数
財団法人日本自動車工業会によると、2004 年中国の自動車生産台数は 507 万 0,527 台、
前年比 14.1% 増となっている。そのうち乗用車が 231 万 6,262 台、バス・トラックが 275 万 4,265 台である。2005 年における中国の自動車市場は比較的安定した成長を遂げ、
年間で全体の生産台数は前年比 12.55% 増の 570.7 万台と見込まれている。
一方、中国側の発表では 2004 年の生産台数は 550 万台、前年比 23.8% の成長とされて いる。統計の出所は中国汽車工業協会である。中国が WTO に加盟した後、それまで抑 制されていた消費需要が解き放たれ、2002 年と 2003 年に自動車産業は急成長を遂げ、
平均年成長率は 2 桁に達した。2004 年には世界第 4 の規模を持つ自動車生産基地に成 長している。
しかし、自動車の輸出はこれからの課題だ。2004 年中国が輸出した自動車は 40 万台 余りで、輸出額は 8 億 US ドルに満たない。そのうち 27.5 万台は四輪バギー車などの特 殊車両が占め、かつ多くがコンプリートノックダウンである。
◇中国の自動車販売台数
中国汽車工業協会の発表によると 2004 年中国国内の自動車販売台数は 592 万台となっ ている。このうち輸入車は全体の 2.7% にあたる 16 万台、国産自動車の売り上げは 576 万台である。
しかし、このデータが間違いであるという報道がある。新華社はデータの詳細を分析 した結果、計算上のミスがあったと発表、これにより 2004 年の自動車販売台数は 572 万台に修正されている。また、2006 年の中国における自動車販売台数は、約 12% 増の 640 万台前後になると発表された。
中国の自動車販売台数は、2001 年には 237 万 1,000 台で世界第 7 位だったが、2002
【図表 5】中国自動車生産台数の推移 (単位:万台)
年 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 生産台数 145.3 147.5 158.3 162.9 183.0 206.8 234.2 325.1 444.4 550.0
成長率
(%) 7.4 1.5 7.3 2.9 12.5 12.9 13.2 38.8 36.7 23.8 資料出所:中国汽車工業協会、TRI(Topology Research Institute)より
年と 2003 年はそれぞれ前年比 36.99% 増、39% 増の 324 万 8,100 台、451 万 4,900 台で、
2003 年にはドイツを超えて第 3 位に浮上した。
2004 年の中国自動車業界は「冬の時代」が続いた。生産台数では世界第 4 の規模に 達したが、実際のところは景気が低迷していた。数年に及ぶ業績の伸びで、大手各社は 次々と生産拡張を計画したが、中国当局の経済過熱防止策や金融引締め策などの影響を 受け、自動車販売の伸びは鈍化した。2004 年は中国自動車市場にとってターニングポ イントとなった。
中国汽車工業協会の統計によると、2004 年中国自動車大手 15 社のうち、売上高が前 年を上回ったのは 9 社のみで、残り 6 社は下回った。増益はわずか 5 社で、残りの 10 社は減益となった。各社は年初に立てた生産販売目標を達成するため、激しい価格競争 を展開した。
その結果、販売台数は継続的に伸び、500 万台の大台を突破。商用車を含めた市場規 模は 507 万 1,000 台となり、市場規模は米国、日本に次ぐ世界で 3 番目にまで成長した。
参考までに日本の自動車販売台数は、2003 年 582 万 8,000 台、2004 年 585 万 3,000 台、
2005 年 585 万 1,000 台と、ここ数年大きな増減もなく推移している。
2 年連続の高度成長から一転して 2004 年は販売低迷となり、自動車メーカーは厳し い環境を経験することになったが、自動車メーカーと消費者は徐々に成熟して理性を取
【図表 6】地域別自動車生産台数の推移 (単位:万台)
国
2001 年 2002 年 2003 年 2004 年
順 位 生産量 占有率
順 位 生産量 占有率
順 位 生産量 占有率
順 位 生産量 占有率
米国 1 1,142.5 20.29% 1 1,227.5 20.86% 1 1,211.5 19.97% 1 1,198.9 18.68%
日本 2 977.7 17.36% 2 1,025.8 17.4% 2 1,051.2 17.33% 2 1,028.6 16.03%
ドイツ 3 569.2 10.11% 3 546.9 9.29% 3 550.7 9.08% 3 557.0 8.68%
中国 8 234.2 4.06% 5 325.1 5.53% 4 444.4 7.33% 4 550.0 8.57%
フランス 4 362.8 6.44% 4 369.3 6.28% 5 366.6 6.04% 5 362.0 5.64%
韓国 5 294.6 5.23% 6 314.8 5.35% 6 317.8 5.24% 6 346.9 5.41%
スペイン 6 285.0 5.06% 7 285.5 4.85% 7 301.1 4.96% 7 303.0 4.72%
全世界 5,630.5 5,884 6,066.3 6,416.5
資料出所:中国汽車工業協会、TRI(Topology Research Institute)より
り戻し、需給バランスを調整し始めている。中長期的には、中国の自動車市場にはここ 数年に見られたような急成長が再び訪れることはなく、比較的落ち着いた成長が続くと いう見方が強い。
2004 年における日本の自動車保有台数は 7,470 万台だったが、中国は 2005 年でも 3,000 万台前後とみられており、依然としてその差は大きい。人口 1,000 人当たりの自動車保 有率は中国が 8 台で、米国の 940 台や西欧の 600 台近くに比べると、世界平均に遠く及 ばない。中国経済は依然急成長を遂げているため、自動車市場に大きな成長の余地があ り、競争と融合の中で安定かつ理性的な成長を遂げるだろうと予測する。
乗用車についてみると、中国の乗用車市場は 2002 年に 100 万台を超え、わずか 1 年で 倍増、2003 年には 200 万台に大きく伸ばしている。100 万台規模というのは 1960 年代 中頃の日本に相当する台数であるが、日本が 100 万台から 200 万台に乗せるのに 4 〜 5 年の年月を要したのに対して、中国ではわずか 1 年で急成長を遂げている。2005 年の 乗用車市場は、281 万台と推計され、2010 年には 582 万台と予想される。
中国はこのまま順調に成長が続けば、2006 年には販売台数が 600 万台を超える見込 みとなる。日本を抜き世界第 2 位の市場となることが確実視されている。
また、日本の場合、新車の販売台数とは別に 800 万台の中古車市場がある。2004 年に は新車と合わせると 1,380 万台の市場規模と見られているが、中国の中古車市場はおよ そ 200 万台。こちらの市場も今後拡大が予想される。
◇中国は世界の三大乗用車生産基地に
中国には低廉で良質な労働力があるため、海外大手自動車メーカーが次々と中国に生 産拠点を設置している。モルガン・スタンレーの資料によると、中国自動車業界の作業 員 1 人当たりの時給は 3US ドルであるのに対して、米国の作業員時給は 32.04US ドル となっている。この金額には福利厚生、医療保険、失業保険が含まれる。仮に、物流コ スト、関税などを考慮しても、中国製の部品は米国より 20 〜 40% 調達コストが安いこ とになる。
一方、自動車の輸出は、中国税関の統計によると 2004 年中国が輸出した自動車は 40 万台余りで、輸出額は 8 億 US ドルに満たない。そのうち 27 万 5,000 台は四輪バギー車 などの特殊車両が占め、その上多くがコンプリートノックダウン(CKD)だった。
世界では数千万台の自動車が貿易されていることからみれば、中国の輸出率は極めて 低い。中国が世界の自動車輸出国になれない原因として、第一に設計と品質が国際基準 に達していない、第二に整備された販路とサービス体系がない、第三に中国ブランドの
知名度が低い、第四に海外との合弁事業が海外戦略において制限を受けているなどが挙 げられる。
現在、輸出を試みている自動車メーカーとして奇瑞汽車、吉利汽車 がある。奇瑞汽 車では 2007 年から米国市場向けに 5 車種を発売し、販売台数 200 万台を目指すと発表 している。奇利グループは 2004 年 5,200 台を輸出しているが、10 年以内に輸出比率を 60% 以上に引き上げることを計画している。
一方、本田技研工業株式会社、本田技研工業(中国)投資有限公司、広汽グループ、
東風汽車グループがそれぞれ 55%、10%、25%、10% ずつ出資している本田汽車(中国)
有限公司は、2005 年 6 月すでに乗用車「JAZZ」150 台を欧州へ輸出しており、これは 外資系自動車メーカーによる自動車輸出の幕開けとなった。2005 年通年で輸出 1 万台 達成を目指した。
国内市場に海外市場が加わり、中国の自動車生産台数、そして国内市場の動向は目が 離せない。中国自動車メーカーが単独で輸出を伸ばし、国内で純国産車が高いシェアを 得ることは当面ないだろう。しかし、中国が自動車の市場として、また生産拠点として、
欧・米・日の大手自動車メーカーとどのような関係を築いていくのか今後の動向に注目 したい。
【図表 7】 中国主要自動車メーカーの生産台数
資料出所 : 中国自動車工業会 みずほ総研資料より引用 第一汽車
上海汽車 東風汽車 長安汽車 北京汽車
2001年 407,495 448,946 265,407 230,241 136,538
2002年 565,493 610,157 415,714 307,578 180,531
2003年 854,358 782,016 469,208 410,700 336,700
2004年 1,007,500
848,500 523,300 579,500 531,000
第一汽車 上海汽車 東風汽車 長安汽車 北京汽車
1,200,000
1,000,000
800,000
600,000
400,000
200,000
0
【図表 8】 中国・日本の主要自動車メーカー提携関係
◇中国主要自動車メーカー
第一汽車(長春) http://www.faw.com 東風汽車(湖北) http://www.dfmc.com.cn 上海汽車(上海) http://www.saicgroup.com 長安汽車(長安) http://www.changan.com.cn 北京汽車(北京) http://www.beijingcar.com.cn 吉利汽車(浙江) http://www.geely.com 奇瑞汽車(安徽) http://www.chery.cn
東南汽車(福建) http://www.soueast-motor.com
上海 大衆
合弁
凡例 生産
委託
上海 通用
長安 鈴木
四川豊田 長春一汽豊越
天津一汽 豊田
一汽驕車 一汽海南
湖南長豊 天津第二
広州豊田 一汽
大衆
合弁 解消
(天津汽車)
長安汽車
北京汽車
その他 広州汽車 第一汽車
東風汽車
上海汽車
VW PSA GM
日系 米系 欧州系
スズキ ホンダ トヨタ 日産 Ford マツダ DCX
旧CH DCX 三菱 現代現代 旧MB
神龍 東風汽車
有限公司
鄭州日産 長安 福特
北京 吉普 ベンツ
合弁 北京
現代 北京 現代 悦達 起亜 悦達 起亜 東風本田
(武漢)
本田汽車
(中国)
広州本田
北京 吉普 昌河 東南
鈴木
出所:各種資料よりみずほコーポレート銀行産業調査部作成
1ー4 中国を舞台にした台湾、中国、日本メーカーの関係
台湾自動車産業は長年にわたって技術導入先からのさまざまな制約を受け、当局によ る強力な指導も得られなかったため、台湾自動車メーカーの世界での知名度は高くない。
しかし、アジアでのビジネス展開が注目される中、中国においては重要な役割を演じて いる。一橋大学の関満博教授は、自動車分野における日本、台湾、中国の動向を、「日・
中・台自動車メーカーの不思議な関係」と述べている。
◇中華汽車と三菱
1995 年、台湾の中華汽車は福建省汽車工業グループと合弁で東南汽車を設立した。
東南汽車の資本金は 1 億 3,800 万 US ドル。福建省汽車公司と中華汽車がそれぞれ 50%
ずつを出資している。中華汽車は台湾最大手の裕隆汽車グループ企業であるが、中華汽 車は三菱自動車との関係が深く、台湾では一貫して三菱ブランドの乗用車と商用車を生 産してきた。中華汽車は軽商用車ベースのフリーカ(富利峠)を「中華汽車」ブランド で台湾と中国で販売するほか、中近東や中南米に輸出している。
合弁会社の立ち上げに際しては、台湾から 30 社の部品メーカーを連れて福州の東南汽 車城(工業団地)に進出した。また、中国市場を開拓するため、東南汽車は 7,000 万人 民元(およそ 9 億 8,000 万円)を投じて東南技術研究開発センターも設置している。
三菱自動車は中国市場に対して積極的に投資を進めているが、2004 年 12 月には三菱 自動車は東南汽車への出資の意向を表明。これは中華汽車の仲立ちによるもので、中華 汽車は持ち株比率 50% のうち一定数を三菱自動車に売却。東南汽車は三菱自動車の技 術供与を受けて、ワゴンのデリカ(得利峠)や SUV のフリーカ(富利峠)、小型セダ ンのランサー(菱帥)などを自社ブランドで生産、販売している。もし、提携関係が深 まれば、今後これらの車には「中華汽車」ではなく、「三菱」のロゴが付くことになる。
日本の自動車メーカーが中国進出のため台湾の自動車メーカーをパートナーとする事例 である。
◇裕隆汽車と日産
裕隆グループは 2003 年、エンジニアリング、マーケティングおよび販売を担当する 裕隆日産と、日産ブランド車の OEM 生産を行う裕隆汽車製造の 2 社に再編。裕隆日産 は日産自動車が 40%、裕隆が 50% 出資する合弁会社で、日産とのパートナーシップが 強化された。特に日産の中国やアジア事業を後ろから支えるのが再編の主たる目的で、
台湾が日産のアジア展開の重要な拠点になる。
一方、裕隆汽車は中国で東風汽車、広州京安雲豹汽車と共同で風神汽車を設立し、そ こに日産が技術提供で加わるという形で、中国製ブルーバードを生産している。しかし、
その後の日産と東風汽車の包括的な提携により、裕隆汽車は風神汽車の過半数の株式を 持っていなかったこともあり、日産と東風汽車の合弁事業に組込まれてしまい、裕隆汽 車は日産と東風汽車の合弁事業をサポートする立場になった。中国を舞台にした提携関 係は実に複雑である。
また、裕隆汽車はグループ企業である中華汽車との結びつきが強い東南汽車に対して も積極的に資本参加している。こうした中国でのビジネス展開の中で、台湾メーカーと しての強みをどう発揮するか、今後も各社の取り組みに注目したい。
◇福特六和とフォード
福特六和が育成した人材は中国福特(フォード)、江鈴汽車、長安福特などで要職に 就き、多くの台湾部品メーカーとの橋渡しになっている。フォードグループの一員であ る福特六和の傘下の協力工場は、すでに 89 社のサプライヤーがフォードの Q1 認証を 通過しており、台湾製の部品を中国で採用する道を開いた。また、福特六和は米国本社 のカーエレクトロニクス関連製品の調達にも目を向け、台湾のカーエレクトロニクス メーカーを積極的に売り込んでいく方針だ。
フォードはここ 4 年間、世界各地で厳しい競争に曝され、市場での地位は低下している。
しかし、福特六和は台湾市場で成長を続け、フォードの世界戦略の中でも台湾、そして 台湾経由での中国が重要な位置付けになってきた。フォードでは台湾の優秀な人材をア ジア各地の拠点に送り出し、グループ内での有効な人材活用、グローバルな配置に積極 的に取り組んでいる。
第 2 章 台湾のカーエレクトロニクス産業の現状
2ー1 世界のカーエレクトロニクス産業の市場規模
「オフィスからリビングへ、リビングからモバイルへ、そしてポケットへ、最後はド ライバーがターゲットのデジタル機器」、台湾ではこのようなキャッチコピーをあちこ ちで耳にする。カーエレクトロニクスが自動車産業と電子産業を投合し、IT 業界を牽 引する原動力になることは疑う余地がない。電子産業の協力があってこそ自動車の性能 を飛躍的に高めることができ、自動車産業の市場があってこそ電子産業の明日の活路が 見出せるわけである。
技術が日進月歩の勢いで進歩する時代において、自動車はすでに単なる機械製品では なく、ハイテク部品で構成されたテクノロジーの結集だといえる。カーエレクトロニク スは、自動車、電子、通信、半導体、オプトエレクトロニクスなどの技術を統合したシ ステム製品であり、センサー、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、ドライバー、
パワーサプライ、受動電子部品、ワイヤーハーネス、ディスプレイなどさまざまな分野 の部品とその先端技術がキーとなる。コアテクノロジーをベースに、技術を競い合う場 となり、先端テクノジーとアイディアの実験の場でもある。
台湾の民間シンクタンク TRI(Topology Research Institute)によると、2004 年の 世界におけるカーエレクトロニクス関連製品の市場規模は、およそ 1,224 億 6,100US ド ルと言われている。これはノートブックパソコンの市場規模のおよそ 2 倍、半導体市場 規模と比較してもおよそ 55.7% に相当する規模となる。半導体市場の伸び率が鈍化する 一方で、カーエレクトロニクス市場は毎年 100 億 US ドル前後の伸びが予測されている。
【図表 9】
さらに、市場規模は 2008 年には 1,634 億 US ドルに拡大し、2010 年には自動車に搭 載されるカーエレクトロニクス製品が自動車価格の 35% を占めることになると予測さ れている。
一方、ノートブックパソコンの生産者側からの統計を見ると、2005 年台湾ベンダー のノートブックパソコンの生産台数は 4,898 万台、生産額は 303 億 2,500 万ドルとなっ ている。カーエレクトロニクス市場は台湾ベンダーのノートブックパソコン生産額のお よそ 4.4 倍の規模ということになる。
現在、ノートブックパソコンは台湾 IT ベンダーにとってドル箱的な製品のひとつで、
生産量は引き続き堅調な伸びを示しているが、生産量の伸びに対して生産額の伸び率が 低くなってきており、収益率という面では今後厳しいビジネスを強いられることが予想 される。【図表 10】
同様にその他の製品においても市場価格の値下がり、クライアントからのコストダウ ンの要求による収益率の低下という大きな問題に直面しており、カーエレクトロニクス 分野への進出は台湾 IT ベンダーにとって生き残りをかけた新たな挑戦ということもで きる。
【図表 9】 2003 年〜 2006 年世界のカーエレクトロニクス市場規模 (単位:100USドル)
2003 年 2004 年 2005 年 2006 年 カーエレクトロニクス市場 113,134 122,461 134,125 144,640
ノートブックパソコン市場規模 53,538 60,510 66,561 75,919
半導体市場規模 178,240 219,880 253,570 240,200
資料出所:TRI(Topology Research Institute)産業専題報告 2005 年 12 月より引用(2005 年、2006 年は予想値)
2000 2002 2004 2006 2008
92,703
108,313
122,461
144,640
163,456 180,000
160,000 140,000 120,000 100,000 80,000
世界自動車電子市場規模の予測
資料出所:Strategy Analytics:工業技術研究院IEK-ITIS計画(2005年3月)
百万米ドル
年間 6,000 万台という自動車生産台数は、巨大な市場を形成している。AutoFacts の データでは 1 台の新車に使用される電子製品は、2004 年で 1,518US ドルであるが、今後、
年平均 4.4% の伸びが予想され、2008 年には 1 台の車で 1,882US ドルになるとの予測。
伸び率こそ大きな数値ではないが、確実に成長が期待される市場であることは疑いない。
また、電子製品が自動車生産コストに占める割合が拡大し、積極的な見方をすると自動 車生産コストの 40%、つまり 5,000US ドル近くに達するだろうと予測する専門家もいる。
【図表 10】 2005 年台湾主要ハードウエア製品の生産量および生産額
(単位:1,000 台 /1,000 個、100 万 US ドル)
製品名 2004 年 生産量
2005 年
生産量(e) 成 長 率 2004 年 生産額
2005 年
生産額(e) 成 長 率 Notebook PC 33,406 48,977 46.6% 21,831 30,325 38.9%
Desktop PC 34,651 38,651 12.6% 9,404 10,109 7.5%
Motherboard 107,987 113,067 5.1% 6,228 6,253 0.4%
Server 2,108 2,466 16.9% 1,837 2,075 13.1%
CRT Monitor 35,329 24,421 − 30.9% 3,493 2,548 − 27.0%
LCD Monitor 45,693 73,327 60.5% 14,402 19,497 35.4%
CD/DVD/RW 105,835 110,557 4.7% 3,544 3,427 − 3.3%
DSC 21,204 32,104 51.4% 1,972 2,777 40.8%
資料出所 : 台湾 MIC(財団法人資訊工業策進會)、2005 年 11 月
【図表 11】 世界の自動車生産台数と新車に搭載される電子製品のコスト
2004 年 2005 年 2006 年 2007 年 2008 年
世界自動車生産台数(100 万台) 60.21 61.71 63.76 66.21 67.79
新車に搭載される電子製品のコスト(US ドル) 1,518 1,652 1,750 1,820 1,882 資料出所:AutoFacts(2005 年第 2 四半期)、MRI(2005 年 8 月)より引用
2ー2 カーエレクトロニクス分野とは
エンジン制御やブレーキ制御など車の性能と安全に根幹からかかわる部品から、エア バッグ、衝突防止システム、振動吸収材料などドライバーや歩行者に対するダメージを 最小限に抑えるもの、さらにバークセンサーやレーンキープシステム、居眠り防止シス テム、タイヤ圧力センサーなど、危険が近づいてくる場合の警告を適時にドライバーに 伝えるための部品など、車にはさまざまな電子部品が使われている。
また、ナイトビジョン、可変配光型ヘッドライト、後方確認モニターなど、安全に対 して一歩踏み込んだシステムもすでに実用化されているが、現在、最も注目されている のは車載エンタテインメントシステムだろう。デジタル家電の延長線上に車があり、ド ライバーや同乗者がオフィスやリビングと同じようにデジタル機器を使える環境が車に 持ち込まれようとしている。
また、時代のニーズに対応して従来の自動車部品もより進化し、自動変速機、次世代 の ABS、IC キー、全方位型エアバック、電動椅子、次世代のヘッドライトコントロー ルシステム、LED ライト、ナビシステムやオーディオビデオ、そして通信機能を高め た次世代カー PC など、新しい製品が次々と登場してくるだろう。
カーエレクロニクスとは、かなり広い範囲を指す言葉だが、ここではまず電子制御シ ステム、車載電子装置、電子部品の 3 つの分野に分類してみる。さらに、電子制御シス テムには、パワートレイン制御、シャーシ制御、ボディ制御の 3 つの領域について、車 載電子装置もインフォメーションシステムと車載エンタテインメントシステムの 2 つの 領域について説明を加える。
1)電子制御システム
エレクトロニクス・コントロールシステムの基本構成は、センサーと電子制御装置
(ECU)、アクチュエーターなどのモジュールからなり、車載のメカニカル系システムを 結合し、ケーブルあるいは無線によりデータのやり取りを行う。ゆえに「メカトロニッ ク」と呼ばれ、自動車性能に直接影響する。電子制御装置とパワートレイン制御、シャー シ制御、ボディ制御の 3 つのサブシステムを融合し、各システムの性能によってさらに さまざまなモジュールや電子デバイスが使われている。
①パワートレイン制御装置
パワートレイン制御装置には、エンジン制御、電子スロットル制御、クルーズコン トロールおよびオルタネーターが含まれる。これは自動車にとっては人間の心臓と同
じように最も重要なもので、ハイテクノロジー、高付加価値型の車両技術の核心をな す技術であるとともに、駆動性、安全性、快適性などの性能を発揮する鍵をにぎる基 本要素でもある。エレクトロニクス・テクノロジーの応用によって、資源エネルギー の消費を減らし、環境汚染の減少を実現しながら自動車の駆動性、快適性を向上させ ることができる。
②シャーシ制御
駆動系を自動車の心臓とするならば、シャーシ制御は自動車の中枢神経にたとえる ことができよう。シャーシ制御内のサスペンション制御、ブレーキ制御(ABS)、ス テアリング制御の 3 システムによって、路面状況、乗客の快適性、ドライバーにとっ ての操縦性および加速性へ対応している。エレクトロニクスの応用技術は車両走行時 の安定性を向上するだけでなく、ドライバーをある一定の条件下にて、全てをコント ロールすることができる。
③ボディ制御
ボディ制御内の電子設備は主に安全性、盗難防止性および快適便宜性をつかさどる。
エアバッグ、車両衝突防止システム、疲労監視システム、バックセンサー / モニター、
パーキングセンサー、ナイトビジョンシステム、タイヤ圧モニタリングシステム、照 明システム、自動ワイパーシステム等、どれもドライブ安全性の概念から設計された ものである。
さらに、ドライバーと同乗者の快適性、便宜性を向上させるものとして、キーレス エントリー、イモビライザー、アラームなどは自動車盗難防止性能を向上させるもの である。エレクトリカル・ミラー、パワーウィンド、電動ドア、電動シート、エアー コンディションシステムなどがある。
2)車載電子装置
①インフォメーションシステム
車載電子装置は自動車の環境下単独で使用が可能な電子装置である。自動車の運行 には直接影響を及ぼさないが、ドライバーの運転に便宜をもたらし、ドライバーに運 転状況を知らせるインフォメーションシステムと位置付けされる。
これはドライバーに車両状況、運転状況といった情報を伝えるもので、車内の搭乗 者と外部との連絡の橋渡しの役割を果たし、再び車内が外界と遮断された空間に戻る ことはない。加えてドライバーはトリップコンピュータとエレクトリック・ダッシュ ボードを通して車両の最新状態を把握することができる。
②車載エンタテインメントシステム
マルチメディアシステムは音楽や映像でドライバーや同乗者のドライブ時間を楽し いものにしてくれる。ナビゲーションシステムは、正確な目的地までの経路を確認や 情報の検索に役立ち、車載通信システムに今では運転席にいながら車外とのコミュニ ケーションを可能にした。
3C とは、コンピューティング(Computing)、コミュニケーション(Communication)、
コンシューマーエレクトロニクス(Consumer Electronics)を指す言葉であるが、こ うした 3C 製品が徐々に車の中に入り込んでくる傾向にあり、今では第 4 の C、つま りカーエレクトロニクス(Car Consumer Electronics)を加えた 4C が業界のトレン ドとなっている。
3)電子部品
エレクトロニクス・コントロールシステムとエレクトロニクス・デバイスとがあり、
センサー、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、ドライバー、パワーサプライ、
ワイヤーハーネス、コネクタ、ディスプレイ、受動電子部品といった部品が挙げられる。
ここで詳細な分類は省略する。
2ー3 IT ベンダーがカーエレクトロニクス分野へ転身
IT ベンダーはパソコンやデジタル機器の低価格化のためコスト競争を余儀なくされ、
収益率の低いビジネスに悩まされている。液晶テレビなど一部の製品を除いてパソコン やデジカメ、携帯電話などデジタル機器の多くは、市場が飽和状態になりつつあり、今 後もますます厳しいビジネスを強いられている。その液晶テレビにも低価格化の波はす でに押し寄せており、最終的には各社とも値下げ競争となることも時間の問題だろう。
ドル箱製品であり続けるためには、常に新しい付加価値の創造と技術革新が要求される。
業界全体が薄利多売の時代に入っている。
こうした IT ベンダーが注目しているのが、カーエレクトロニクス分野である。世界 の自動車生産台数は伸びが鈍化しているが、カーエレクトロニクスの成長力を軽視する ことはできない。これまで培ってきた IT 分野での技術と経験の蓄積を生かして、新た なビジネスチャンスをカーエレクトロニクス分野に見出そうとしている。自動車産業は 世界最大規模の産業である。生き残りをかけて、新たな活路を見出すため IT ベンダー がいっせいに動き始めた。
自動車は単なる交通手段としての機能だけではなく、ユーザーによって安全性や快適 性がより重視される時代になり、さらには娯楽性の高いデジタル設備の搭載も進み、よ り一層カーエレクトロニクス製品の重要性が増している。DVD やデジタルオーディオ プレーヤーなど、IT ベンダーが得意とするデジタル機器が少しずつ車載分野へ拡がり、
マーケットが加熱しつつある。コンシューマーエレクトロニクス製品の製造大国である 台湾にとっては、自動車分野への市場参入は大きなビジネスチャンスとなる。
将来、自動車部品のほとんどがエレクトロニクスに依存するようになる。自動車メー カーは車体だけを設計し、IBM や HP がそれぞれ自動車制御のコンピュータやボディコ ントロールモジュールを供給するといった時代が来るかも知れない。
自動車は 1 万種類以上の部品から組み立てられる。世界の大手自動車メーカーは、い ずれもこうした部品のサプライヤーなしには存在し得ない。コスト削減のため自動車部 品の外注率を引き上げ、自動車部品メーカーに対する依存度は拡大している。
特に、米国の自動車メーカーは深刻なコストダウンの圧力に直面しており、安くて優 秀な部品サプライヤーの必要性に迫られている。米国の労働コストは非常に高く、これ が米国自動車メーカーにとって極めて大きなプレッシャーとなっている。最も直接的な 方法としては、生産拠点を中国や他のアジア各国へ移してコストダウンを図ることであ る。実際、世界規模の自動車部品サプライチェーンが再編成される中、大手自動車メー
カーは半導体、液晶、IT 産業で急成長を遂げているアジア太平洋地区へ、調達の重点 を移行しようとしている。
これは台湾メーカーにとって、カーエレクトロニクス市場に参入する好機と言って もいいだろう。「コンパックがパソコンの製造を台湾メーカーに外注するようになった 1990 年代初めの頃の状況に似ている」と言う専門家もいる。今後、パソコン同様に電 子部品、デジタル機器を中心に台湾に対する OEM/ODM の注文が増えることが予想さ れる。
もちろん、パソコンと自動車部品とでは採用の基準、メーカーの認証などまったく条 件が違うが、台湾 IT ベンダーにとっては新しい分野へ挑戦する機会を与えられたこと になる。「台湾メーカーは製造分野で豊富な経験を持ち、中国に工場を設置する企業も 多い。中国進出を狙う自動車メーカーと提携し、コストダウンに協力しながら、自動車 メーカーの経験と技術を学び、自社の業務を迅速に軌道に乗せる道を選択することがで きる」と言う業界関係者もいる。
2ー4 台湾の主要なカーエレクトロニクス関連企業
台湾のカーエレクトロニクスは決して新しい領域とはいえない。その歴史は 20 数 年前に遡ることができる。USI(環隆)、Liteon automotive(敦揚)、Tung Thih(同 致)は 1979 年からカーエレクトロニクス領域へ参入している。さらに E-Lead(怡利)、
Mobiletron(車王電子)なども十数年の経歴を積んでいる。
しかし、台湾のほとんどのカーエレクトロニクスメーカーが中小企業であり、強大な 産業規模に達していない。資金、技術、販路、人材などの核心リソースが海外大手に比 べて劣っており、「小エビが鯨に立ち向かっていくようなものだ」と評する専門家もいる。
規模の大きさから言えば、Foxconn(鴻海)、Delta(台達)に及ばない。ブランド力と いう点から言えば Acer(宏碁)、BenQ(明基)や ASUS(華碩)のほうが上だ。
一方、中小の部品メーカーであっても、単なる部品生産の発注先から開発パートナー に格上げされている企業もある。しかし、そうした企業の大部分がギア、プレス製品、
照明など、IT とは距離があるどちらかというとローテクの分野である。台湾部品メー カーはカーエレクトロニクス領域への参入を始めたばかりで、長い歴史を持ち自動車 メーカーとともに歩んできた欧米や日本の部品メーカーとは背景が異なり、明らかに遅 れをとっている。中には国際的な品質水準に達し、その生産力が評価されている企業も あるが、トータルな設計能力や研究開発の分野ではまだまだ日米欧との差は大きい。さ らに、エンジン、ブレーキ、シャーシなど動力システムや制御システムは人の安全に係 わる重要な部分であり、こうした分野への進出にはまだまだ乗り越えなければならない ハードルは多い。
しかし、これらの伝統的な自動車部品メーカーと新興の IT ベンダーとが協力し、新 しい市場に挑むことは大いに意義があることである。半導体、液晶、デジタル機器といっ た分野での設計、マーケティング、製品開発、製造、販売のノウハウ、成熟した IT ベンダー のサプライチェーンの活用、垂直統合を通じて相補効果を上げ、海外の基幹部品に対す る依存度を減らすことができれば、より一層の生産規模を拡大することができる。これ は台湾半導体メーカーにとっても海外大手と直接対決を回避し、国内ベンダーに市場を 求めることができる大きなメリットともなる。
それでは、台湾メーカーがグローバルなビジネス展開を進める大手自動車メーカーの サプライチェーンに食い込んでいくためにはどうしたらいいか。第一に、IT ベンダー が持っている電子部品のサプライチェーンを積極的に活用すること、そして IT と自動 車部品の融合に活路を見出し、ユーザーが求めている製品をひとつひとつ製品化してい
くこと、さらに柔軟かつ迅速な経営判断によるスピードを生かした経営も強みのひとつ になるだろう。
カーエレクトロニクス製品の開発は、市場ニーズ、ターゲットとする顧客の位置付 け、法令規制、価格などの要素に応じた対応が要求される。TRI(Topology Research Institute)の分析によれば、台湾の自動車部品メーカーは、短中期的には 4 つの分野で 台湾企業の強みを発揮できるという。ひとつはタイヤ圧力モニターシステム、次にイメー ジセンサー分野、さらに可変配光型ヘッドライト、そして最後に車載エンタテインメン トシステム、以上の 4 つの分野である。
それぞれ大きな成長が見込まれる製品分野である。タイヤ圧力モニターやイメージセ ンサーは、マイクロコントローラのセンサーと専用 IC の設計技術が鍵となる。現在の ところ中国市場には競合相手がなく、中国に進出する台湾企業が強みを発揮しやすい分 野である。また、ライトに関しては可変配光型ヘッドライトだけでなく、ブレーキランプ、
ウィンカー、それに車内の照明も今後は LED を採用する車種が増え、国際的な LED の 供給地としての強みを発揮できる。
車載エンタテインメントシステムは、台湾 IT ベンダーの強みが発揮できる分野であ るが、この分野でも具体的にさらに 4 つの製品が注目されている。ひとつはカーナビシ ステム、次にカーオーディオ、さらに車載ディスプレイ、そして最後にカー PC である。
カーナビの分野で台湾が強いのは GPS モジュールを組み込んだ PDA 型のナビである。
急成長をしている分野であるが、参入する企業も多く、製品が陳腐化するとすぐにシェ アを奪われる競争が厳しい製品でもある。カーオーディオはアップルの iPod の動向が 鍵。車載ディスプレイは、DVD プレーヤーとの一体型、デジタル TV やゲーム機能を 備えるコンビネーションモデルに発展していく。
そして、最終的にはカーナビ、オーディオ、映像すべての機能を統合するカー PC と なる。また、通信機能も強化され、車内の LAN フレームから各部の作動を無線によっ てコントロールしたり、外部との通信機能では駐車場やレストラン情報や渋滞位置情報 の取得、ビジネス文書やメールの受発信、TV 会議や車の中か家の中がモニタリングで きるなど、さまざまな機能が加わっていくだろう。
台湾では、IT とエンターテイメントを結びつけた「infotainment」という言葉も使わ れ始めた。台湾ベンダーが得意とする領域であり、こうした強みを生かして新しい市場 への参入が試みられている。
こうした動きを背景に、台湾 IT ベンダーや伝統的な自動車部品メーカーの中には、
事業部の投合や新設の動きが活発になってきている。すでに大手ベンダーの中には、自
動車部品事業部とエレクトロニクス事業部を統合したり、カーエレクトロニクス事業部 を新たに新設する企業が増えてきている。
Delta(台達)は世界的に有名な電源のメーカーであるが、2005 年 12 月にカーエレク トロニクス事業部とデジタルホーム事業部を統合。IN WIN(迎廣)は PC のケースや パワーサプライメーカーであるが、2003 年 IA 事業部を新設。Sysgration(系統電子)
は 2003 年に社外から新しい董事長を招いて OED(Opt electric Division) 事業部を設立。
BenQ(明基)は 2003 年にカーエレクトロニクス事業部を設立し、デジタル家電と自動 車に関するロードマップを作り始めた。
カーエレクトロニクス製品の開発に実績がある IT ベンダーは、「現在、台湾のトレン ドはカーエレクトロニクスだ。Foxconn(鴻海)のように OEM 能力の強みを生かして 自動車部品分野へ参入してくる企業があるが、研究開発における経験、自動車部品の認 証に関する経験はまだまだ浅い。しかし、我々には単なる OEM ビジネスではなく、自 動車部品とデジタル家電の両方を手がけてきた研究開発のノウハウの蓄積がある。これ をより一層の強みとして生かしていくためにも、ふたつの事業部を統合した」とコメン トする。
ここでどんな分野にどんな企業が進出しているのかを簡単にまとめて見よう。
タイヤ圧センサーの領域には、USI(環隆)、Liteon Automotive(敦揚)、Whetron(徽 昌電子)、APM(亞太優勢)、GreenPoinnt(緑点科技)など。起動モーター領域へは、
Shihlin(士林電機)、Mobiletron(車王電子)などが進出している。
センサー、マイクロコントロール IC、コネクタ、ビームなどの領域へは、Cyntec(乾 坤科技)、Holtek(盛群半導体)、AnTec(安泰電業)など。ディスプレイパネルには、
AU Optronics(友達)や Chi-Mei(奇美)など台湾パネル大手も進出。自動車用モニター については、Action(憶声)、Bcom(公信)、Chisam(騏正光電)などが生産を始めている。
ヘ ッ ド ラ イ ト は、Prokia( 大 億 )、TYC( 堤 維 西 ) な ど、LED ラ ン プ と 関 連 製 品 に つ い て は 枚 挙 の 暇 が な い ほ ど 多 く、Everlight( 億 光 )、USI( 環 隆 )、Arima Optoelectronics( 華 上 )、Vpec( 全 新 )、Tyntek( 鼎 元 )、Unity( 東 貝 )、Liteon Automotive(敦揚)、United Epitaxy(国聯光電)など LED 産業の川上から川下まで の企業が含まれる。
次に、GPS の領域には、Garmin(台湾航電)、Mitac(神達)、Teamsharp(天下航太)、
Quanta(広達)、Liteon Technology(光宝)、d-media(米迪亞)、IN WIN(迎廣)な ど参入企業が多い。
車載エンターテイメント機器には、BenQ(明基)、ASUS(華碩)、MSI(微星電子)、
Liteon IT(建興)、Quanta Storage(広明)など。
IC 設計領域では、Via(威盛)が最近新たにマルチメディア民生 IC 事業部(MCE)
を設立し、自動車用プロセッサ SoC 市場の開拓を始めた。
IT 産業がカーエレクトロニクス産業に参入する方法は他社を買収合併するか、自社 でカーエレクトロニクス部門を設置するかのふたつの動きがある。Hon-Hai(鴻海)や UMC(聯電)などの大手電子部品メーカーは買収合併を通じて参入し、Quanta(広達)、
Asustek(華碩)、Acer(宏碁)などは自らカーエレクトロニクス部門を立ち上げている。