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Academic year: 2021

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(1)

1 第1 問 着眼 Ⅰ アは,二酸化炭素の構造や分子間力に関する基本的な問題。イ~エは状態図と二酸化炭素の状態変化に 関する問題。イはグラフを読む問題。ウはグラフから読んだ値をもとに計算する問題。エは,二酸化炭素 がすべて気体と仮定して求めた計算式をもとにグラフを図に描き,値を求める問題。オは,気体の溶解度 と気体の状態方程式を組み合わせた計算問題。計算を丁寧に行うことがポイントである。 Ⅱ 酢酸の電離,酢酸と酢酸塩の緩衝液,および酢酸塩のpH に関する問題。弱酸の電離度と電離定数の関 係および弱酸の水溶液のpH の求め方は,基本として知っておくべきである。また,緩衝液の pH は,計 算はそれほど困難ではないが,原理を理解しておく必要がある。加水分解定数と電離定数の関係,弱酸の 共役塩基の加水分解における電離と電離定数の関係やpH などが問われており,出題率の比較的高い問題 の一つである。 解答 Ⅰ ア a;ファンデルワールス b;二 c;180 d;分子量 イ 昇華する温度;-79℃ CO2の液体が生成する最低の圧力;5.1×105Pa ウ 1.3g エ すべて昇華するときの温度;-70℃ 0℃になったときの圧力;2.8×105Pa オ CO2気体の物質量をn気体とすると,気体の状態方程式より P×0.75=n気体×8.3×103×2.73×102 n気体= 0.75P 8.3×103×2.73×102=3.30×10-7P〔mol〕 水0.25L に溶けている CO2の物質量をn溶液とすると,ヘンリーの法則より n溶液=0.080× P 1.0×105×0.25=2.0×10-7P〔mol〕 これらの合計が,CO2の全物質量であるから n気体+n溶液=5.30×10-7P= 2.7 44〔mol〕 P=44×5.30×102.7 -7=1.15×105〔Pa〕 n溶液=2.0×10-7×1.15×105=2.3×10-2〔mol〕 答 水に溶け込んだ CO2の物質量;2.3×10-2mol,容器内の圧力;1.2×105Pa Ⅱ カ e;1-c2 f; cKa

キ pH=-log10[H+]=-log10 cKa=-12log10(0.10×2.7×10-5)=2.785 答 2.8 ク CH3COOH は 0.10〔mol・L-1〕×1.0〔L〕=0.10〔mol〕,加えた NaOH は

0.10〔mol・L-1〕×0.50〔L〕=0.050〔mol〕であった。

よって,残ったCH3COOH は 0.10-0.050=0.050〔mol〕で,生じた CH3COO-は0.050〔mol〕で ある。

(2)

2 溶液C の体積を 1.0+0.50=1.5〔L〕とすると,Ka=[CH3COO -][H+] [CH3COOH] より [H+]=[CH3COOH] [CH3COO-]×Ka= 0.050 1.5 0.050 1.5 ×2.7×10-5=2.7×10-5〔mol・L-1 pH=-log10(2.7×10-5)=5-log102.7=4.57 答 4.6 ケ 前問クより,CH3COOH と CH3COONa はそれぞれ 0.050mol,加えた NaOH は

1.0〔mol・L-1〕×0.010〔L〕=0.010〔mol〕であった。 ここで,CH3COOH と NaOH は次のように反応する。

CH3COOH + NaOH → CH3COO- + Na+ + H2O 反応前 0.050 0.010 0.050 0.050 大量 変化量 -0.010 -0.010 +0.010 +0.010 +0.010 反応後 0.040 0 0.060 0.060 大量 〔mol〕 溶液D を加えた溶液 C の体積を 1.5+0.010=1.51〔L〕とすると [H+]=[CH3COOH] [CH3COO-]×Ka= 0.040 1.51 0.060 1.51 ×2.7×10-52×2.7 3 ×10-5〔mol・L-1〕

pH=-log10(2×2.73 ×10-5)=5-log102-log102.7+log103=4.75 答 4.8 コ 加水分解定数をKhとすると Kh=[CH3COOH][OH -] [CH3COO-] = [CH3COOH][OH-] [CH3COO-] × [H+] [H+]Kw Ka 加水分解する前の CH3COO-のモル濃度をc〔mol・L-1〕,加水分解の進行度をとすると Kh= (c) 2 c(1-)= c2 1-≒c2( <<1 とする) = Kh c 平衡時のOH-のモル濃度は[OH]=c〔mol・L-1〕で表され,K h=KKw aだから [OH-]=c Kh ccKw Ka [H+]= Kw [OH-]KcKKa w= KaKw c 生じた酢酸ナトリウムの物質量は,酢酸または水酸化ナトリウムの物質量と同じなので c=0.10×1.02.0 =5.0×10-2 1 2.0×101〔mol・L-1〕 pH=-log10 KacKw=-2log1 10(2.7×10-5×1.0×10-14×2.0×101) =-12×(-18+log102.7+log102)=9-0.43+0.302 =8.635 答 8.6

(3)

3 解説 Ⅰ ア a 分子間に働く力を総称して分子間力という。分子間力には,すべて の分子の間に働く弱いファンデルワールス力と,水,アンモニア,フッ 化水素などにみられる比較的強い水素結合がある。二酸化炭素の分子間 にはたらく力はファンデルワールス力である。 b 二酸化炭素は O=C=O という構造の分子で,C 原子と O 原子の間は 二重結合で結ばれている。 c 二酸化炭素 O=C=O では,3 個の原子が直線上に並んでいる。したがっ て結合角は180°である。 d ファンデルワールス力は,原子核のまわりの電子が偏って存在すること によって電荷も偏ることにより生じるが,電子の数が多い方が電荷の偏 りも大きくなる。一般に,分子量が大きい分子には電子が多く含まれて いるので,分子間力も大きくなる傾向がある。 イ 図1-2 で,CO2固体と気体の間の曲線において,圧力が1.0×105Pa になるとき,温度は-79℃である。 ウ 圧力が 1.0×105Pa,体積が 0.50L,温度が-79℃(1.94×102K), CO2の分子量が44 であるから,PV=w MRTより,気体の二酸化炭素の質 量w は次のようになる。 w=PVMRT =1.0×105×0.50×44 8.3×103×1.94×102= 22 16.1=1.36〔g〕 したがって,容器A 内のドライアイスの質量は 2.7-1.36=1.34〔g〕 エ ドライアイス2.7g の物質量 n は n=2.744〔mol〕,体積は 0.50L であ るので,PV=nRT が常に成り立つとしたとき,圧力は次式で表せる。 P=nRTV = 2.7 44×8.3×103T 0.50 = 2.7×8.3 22 ×103T〔Pa〕 たとえば,グラフ左端の-84℃(1.89×102K)のときの圧力は ←任意の 2 点の温度における圧力 を求めれば,直線が引ける。これ ら以外の点でもよい。

(4)

4 P=2.7×8.322 ×103×1.89×102 =42.322 ×105=1.92×105〔Pa〕 また,グラフ右端の-30℃(2.43×102K)のときの圧力は P=2.7×8.322 ×103×2.43×102 =54.422 ×105=2.47×105〔Pa〕 この2 点を結ぶ直線は PV=nRT を満たす直線で,蒸気圧曲線(昇華 圧曲線)との交点の温度は,グラフより-70℃とわかる。 -84℃のとき,この直線は飽和蒸気圧を超えているので,超えた分は 気体として存在する。温度が上がると,飽和蒸気圧が上がり,-70℃で はすべて昇華して気体になる。 オ CO2は,一部が気体中,一部が水溶液中に存在している。 1)気体中の二酸化炭素 気体の状態方程式が成立するので,CO2気体の物質量をn気体とする と P×0.75=n気体×8.3×103×2.73×102 n気体= 0.75P 8.3×103×2.73×102=3.30×10-7P〔mol〕 2)水溶液中の二酸化炭素 一方,CO2は水との間で溶解平衡が成立している。水0.25L に溶け ているCO2の物質量をn溶液とすると,ヘンリーの法則より n溶液=0.080× P 1.0×105×0.25=2.0×10-7P〔mol〕 3)すべての二酸化炭素 CO2の全物質量は2.744 molで,これは1)と 2)の物質量の合計である。

(5)

5 n気体+n溶液=5.30×10-7P= 2.7 44〔mol〕 容器内の圧力は P=44×5.30×102.7 -7=1.15×105〔Pa〕 よって,水に溶け込んだCO2の物質量は n溶液=2.0×10-7×1.15×105=2.3×10-2〔mol〕 Ⅱ カ 酢酸の電離定数をKa,モル濃度をc〔mol・L-1〕,電離度をとすると, 電離の前後のモル濃度の関係は次のようになる。 CH3COOH ⇄ CH3COO- + H+ 電離前 c 変化量 -c +c +c 平衡時 c(1-) c c この電離平衡における化学平衡の法則(質量作用の法則)より Ka= [CH3COO-][H+] [CH3COOH] となるので,平衡時の各濃度の値を代入すると Ka= (c) 2 c(1-)= c2 1-………(e) と書くことができる。さらに電離度が1 に比べて十分に小さいときは, 1-≒1 と近似できるので,(e)式は次のように近似することができる。 Ka≒c2 または = Kc a 平衡時のH+のモル濃度は,[H]=c〔mol・L-1〕で表されるので [H+]=c Ka ccKa………(f) キ (f)式を用いて,濃度が 0.10mol・L-1の酢酸水溶液の pH を求めると, 酢酸の電離定数Ka=2.7×10-5mol・L-1より pH=-log10[H+]=-log10 cKa =-12log10(0.10×2.7×10-5)=3-12log102.7=3-0.432 =2.785 ク 酢酸CH3COOH と酢酸塩(CH3COO-を含む)を混合した水溶液中で も,次の式は成立している。 Ka=[CH3COO -][H+] [CH3COOH] これを[H+]について解くと [H+]=[CH3COOH] [CH3COO-]×Ka となる。 混合前のCH3COOH の物質量は

(6)

6 0.10〔mol・L-1〕×1.0〔L〕=0.10〔mol〕 NaOH の物質量は 0.10〔mol・L-1〕×0.50〔L〕=0.050〔mol〕 である。混合すると,両者は反応して次のようになる。ただし,大量に 存在する水の物質量はほとんど変化がないので,省略してある。 CH3COOH + NaOH → CH3COO- + Na+ + H2O

反応前 0.10 0.050 変化量 -0.050 -0.050 +0.050 +0.050 反応後 0.050 0 0.050 0.050 〔mol〕 このとき,体積は,混合によるわずかな変化を無視すれば 1.0+0.50=1.5〔L〕 である。したがって,CH3COOH と CH3COO-のモル濃度は [CH3COOH]=[CH3COO-]=0.0501.5 〔mol・L-1〕 となるので [H+]=[CH3COOH] [CH3COO-]×Ka = 0.050 1.5 0.050 1.5 ×2.7×10-5 =2.7×10-5〔mol・L-1 pH=-log10(2.7×10-5) =5-log102.7=5-0.43=4.57 ケ 前問クより,1500mL(1.5L)の溶液 C に含まれていた CH3COOH とCH3COO-の物質量は,それぞれ0.050mol である。また,ここで加 えたNaOH の物質量は 1.0〔mol・L-1〕×0.010〔L〕=0.010〔mol〕 である。混合すると,CH3COOH と NaOH は次のように反応する。 CH3COOH + NaOH → CH3COO- + Na+ + H2O

反応前 0.050 0.010 0.050 0.050 大量 変化量 -0.010 -0.010 +0.010 +0.010 +0.010 反応後 0.040 0 0.060 0.060 大量〔mol〕 混合後の体積は 1.5+0.010=1.51〔L〕 であるので,[H+]は [H+]=[CH3COOH] [CH3COO-]×Ka = 0.040 1.51 0.060 1.51 ×2.7×10-52×2.7 3 ×10-5〔mol・L-1〕 ←水のモル濃度は, 100018 ≒55.6〔mol・L-1 である。 ←体積はV〔L〕としてもよい。 ←ここでも,体積はV〔L〕として もよい。

(7)

7 pH=-log10(2×2.73 ×10-5)

=5-log102-log102.7+log103=5-0.30-0.43+0.48 =4.75

コ 溶液A に含まれていた CH3COOH の物質量は 0.10mol で,溶液 B に 含まれていたNaOH の物質量も 0.10mol であるから,これらはちょう ど中和して0.10mol の CH3COONa(すなわち,CH3COO-)を生じる。 体積が1.0+1.0=2.0〔L〕であるので,この CH3COO-のモル濃度は 0.10 2.0=5.0×10-2〔mol・L-1〕 である。このとき,中和が完了しているので,溶液は中性になるはずで ある。ところが,酢酸は弱酸であるので,そのイオンである CH3COO- は塩基としてはたらき,一部が水と反応してOH-を生じる。これを塩の 加水分解という。 CH3COO-+H2O ⇄ CH3COOH+OH- 中和点におけるCH3COONa のモル濃度(すなわち,加水分解する前 のCH3COO-のモル濃度)をc〔mol・L-1〕,加水分解の進行度をとす ると,反応の前後で次のようなモル濃度の関係になる。ただし,大量に 存在する水の濃度は,ほとんど変化がないので省略してある。 CH3COO- + H2O ⇄ CH3COOH + OH- 加水分解前 c 変化量 -c +c +c 平衡時 c(1-) c c〔mol・L-1 この加水分解の平衡状態における化学平衡の法則より,加水分解の平 衡定数をKhとすると,Khは一定で Kh= [CH3COOH][OH-] [CH3COO-] となる。この式の分母と分子それぞれに[H+]をかけると Kh= [CH3COOH][OH-] [CH3COO-] × [H+] [H+] [CH[CH3COOH] 3COO-][H+]×[H +][OH]=1 KKw= Kw Ka となり,Khを Kaと Kwで表すことができる。ここで,Kwは水のイオン 積,Kaは酢酸の電離定数で Kw=[H+][OH-]=1.0×10-14〔mol2・L-2〕 Ka=2.7×10-5〔mol・L-1〕 である。 一方,加水分解の平衡時の各濃度を,酢酸ナトリウムの濃度 c〔mol・ L-1〕と加水分解の進行度で表すと,化学平衡の法則より Kh= (c) 2 c(1-)= c2 1- と書くことができる。加水分解の進行度が1 に比べて十分に小さいとき

(8)

8 は,1-≒1 と近似できるので,この式は次のように近似することがで きる。 Kh≒c2 または ≒ Kc h 平衡時のOH-のモル濃度は[OH]=c〔mol・L-1〕で表されるので [OH-]=c Kh ccKh となる。ここで,Kh=KKw aだから [OH-]= cK h= cKKw a である。これと水のイオン積から,[H+]を表すと [H+]= Kw [OH-]KcKKa w= KaKw c となる。 c は,はじめの酢酸ナトリウムの濃度で,c=5.0×10-2 1 2.0×101 〔mol・L-1〕であった。これと,Kw=1.0×10-14〔mol2・L-2〕および Ka=2.7×10-5〔mol・L-1〕を用いてpH を求めると pH=-log10 Kac Kw =-12log10(2.7×10-5×1.0×10-14×2.0×101) =-12(-18+log102.7+log102)=9- 0.43+0.30 2 =8.635 ←酢酸の加水分解の進行度は十分 小さいため,この近似ができる。

(9)

9 第2 問 着眼 Ⅰ 前半は,酸化数が+2 と+1 の銅の化合物の反応に関する問題で,後半はその応用にあたる銅イオンの 定量で,銅(Ⅱ)イオンとヨウ化カリウムの反応とヨウ素滴定を用いる計算問題。酸化数の変化から酸化 還元の反応式をつくること,ヨウ素滴定の計算問題が解けるかがポイント。 Ⅱ ハロゲンの単体や化合物の性質,製法,利用法などに関する総合問題。基本的な問題が多いが,最後の 水の定量に関する問題は,高校では学習しない内容である。これは,記述をよく読んで与えられた情報と 基本的な知識を組み合わせて解くタイプで,思考力が求められる問題である。 解答 Ⅰ ア 2CuSO4+4KI→2CuI+I2+2K2SO4 イ CuO ウ A に含まれる物質;酸化銅(Ⅱ)と酸化銅(Ⅰ) 理由;高温では酸化銅(Ⅱ)が徐々に分解し,酸化銅(Ⅰ)に変化していくから。(34 字) エ 酸化力のある硝酸は,未反応のヨウ化物イオンやヨウ化銅(Ⅰ)を酸化するから。(37 字) オ 実験4 の結果より,ヨウ素(分子量 254)の物質量を n〔mol〕とすると 0.1159.0254×n24.0 n=1.20×10-3〔mol〕 答 1.2×10-3mol カ 反応式 2CuO+4KI+4H+→2CuI+4K+I

2+2H2O の係数の比より,CuO(式量 79.5)の物質量と 質量はそれぞれ 1.20×10-3×2=2.40×10-3〔mol〕 79.5×2.40×10-3=0.1908〔g〕 である。 一方,Cu2O(式量 143)の質量と物質量はそれぞれ 0.30-0.1908=0.109〔g〕 0.109 143 =7.622×10-4〔mol〕 である。 したがって,Cu 原子(原子量 63.5)の質量の合計は 63.5×(2.40×10-3+2×7.622×10-4) =63.5×3.924×10-3 =0.2491〔g〕 であるから,Cu の含有率は 0.2491 0.30 ×100=83.0〔%〕 答 83 % Ⅱ キ F2>O2>I2>S ク 分子間で水素結合を形成し,会合しているから。(22 字) ケ 2F2+2H2O→4HF+O2

(10)

10 コ 反応式;MnO2+4HCl→MnCl2+2H2O+Cl2 精製装置;水を入れた洗気びんで塩化水素を除き,次に濃硫酸を入れた洗気びんで水を除く。 捕集装置(捕集方法);集気びんなどにより,下方置換法で捕集する。 サ 二重結合の数をn とすると,直鎖の炭化水素の分子式は C20H42-2nと表せる。 また,C20H42-2n282-2n,Br2=159.8 で,付加した Br2の質量は33.3-10.0=23.3〔g〕である。 反応式はC20H42-2nnBr2→C20H42-2nBr2nとなるので 10.0 282-2n×n= 23.3 159.8〔mol〕 n=3.995 答 4 シ 電子1mol で生じる I2は12molで,これはI2が反応した水の物質量と同じである。したがって,含まれ ていた水(分子量18)の質量は 0.100×120 9.65×104 × 1 2×18.0=1.119×10-3〔g〕 また,エタノール10.0mL の質量は 0.789〔g・mL-1〕×10.0〔mL〕=7.89〔g〕 よって,含水率は 1.119×107.89 -3×100=1.418×10-2〔%〕 答 1.4×10-2%

(11)

11 解説 Ⅰ ア 硫酸銅(Ⅱ)水溶液にヨウ化カリウム KI 水溶液を加えると,ヨウ化銅 (Ⅰ)CuI とヨウ素 I2が生じる。このとき,2 価の銅イオン Cu2+は電 子e-を受けとって,1 価の銅イオン Cuになる。 Cu2++e→Cu………(1) Cu+は,ヨウ化カリウムのヨウ化物イオンIの一部とヨウ化銅(Ⅰ) の白色の沈殿をつくる。 Cu++I→CuI………(2) 一方,別のヨウ化カリウムのI-は,電子を失って単体のヨウ素になる。 この反応は酸化反応である。 I-1 2I2+e-………(3) 2×((1)式+(2)式+(3)式)より, 次の反応式が得られる。

2Cu2++4I→2CuI+I 2 両辺に2SO42-と4K+を補うと 2CuSO4+4KI→2CuI+I2+2K2SO4 イ 銅の酸化物のうち,酸化銅(Ⅱ)CuO は比較的低温で安定であるが, 酸化銅(Ⅰ)Cu2O はより高温で安定である。空気中で単体の銅 Cu を 加熱すると,空気中の酸素O2により酸化されてCuO が生じる。 2Cu+O2→2CuO 温度T1で酸化が始まり,すべてのCu が CuO になると,温度 T2にな るまではそれ以上の反応は起こらない。 ウ 前問イで生じたCuO をさらに高温(T2)にすると,CuO が分解して, Cu2O が生じる。 4CuO→2Cu2O+O2 このため,温度がT2になると質量が徐々に減少していく。固体A では CuO と Cu2O が共存している。 「高温では酸化銅(Ⅱ)が徐々に分解し,酸化銅(Ⅰ)に変化してい く」と考えると,固体A に含まれる物質は,「酸化銅(Ⅱ)と酸化銅(Ⅰ)」 である。 エ 実験1 より,固体の酸化銅(Ⅱ)に十分な量のヨウ化カリウム水溶液 を加え,さらに酸性にすると,酸化銅(Ⅱ)は白色のヨウ化銅(Ⅰ)に 変化し,ヨウ素 I2が生じる。I2はデンプン水溶液を加えると紫色になる ことで確認できる。 この反応式は次のようにしてつくることができる。

CuO が電子を受けとって(還元されて)Cu+になる。このとき,CuO に含まれていたO 原子は水溶液中では H2O になると考えると,左辺に 2 個のH+が必要であることがわかる。

CuO+2H++e→Cu+H

2O

生じたCu+は直ちに過剰なIと反応してCuI の白色沈殿になる。 CuO+I-+2H+e→CuI+H

2O………(4) ←酸化銅(Ⅱ)は黒色,酸化銅(Ⅰ) は赤色である。 ←I-は酸化数-1 から 0 まで酸化さ れた。 ←Cu2+は酸化数+2 から+1 まで 還元された。

(12)

12 一方,KI は還元剤としてもはたらき,I-の一部は電子を失ってI 2にな る((3)式)。 2×((3)式+(4)式)より 2CuO+4I-+4H→2CuI+I 2+2H2O となる。両辺に4K+を補うと

2CuO+4KI+4H+→2CuI+4K+I

2+2H2O………(5) この反応には,4H+が必要なために酸を加える必要がある。ところが 塩酸の代わりに酸化力がある硝酸を使うと,ヨウ化物イオンやヨウ化銅 (Ⅰ)を酸化してしまうので,正しく定量することができない。 オ ヨウ素I2は酸化剤,チオ硫酸ナトリウムNa2S2O3は還元剤として,そ れぞれ次のようにはたらく。 I2+2e-→2I-………(6) 2S2O32-→S4O62-+2e-………(7) (6)式+(7)式より,次の反応式が得られる。 2S2O32-+I2→S4O62-+2I-………(8) (8)式から,チオ硫酸ナトリウム水溶液でヨウ素を定量することができ る。実際の滴定では,チオ硫酸ナトリウム水溶液の正確な濃度を,高純 度のヨウ素で滴定して求めておく必要がある。しかし,ここでは実験 4 で,滴定に用いるチオ硫酸ナトリウム水溶液とヨウ素の量的な関係を求 めているので,これを用いることにする。求めるヨウ素の物質量を n 〔mol〕とすると,I2=254 より 0.10mol・L-1 NaI2の質量 2S2O3水溶液の体積= 0.115 9.0 =254×n24.0 n=24.0×0.1159.0×254 =1.20×10-3〔mol〕 【別解】チオ硫酸ナトリウムの物質量は 0.10×100024.0=2.4×10-3〔mol〕 である。(8)式の係数の比より,ヨウ素の物質量は 2.4×10-3×1 2=1.2×10-3〔mol〕

カ 前問オより,I2は1.20×10-3mol である。生じる I2の物質量からCuO の物質量を求めると,(5)式の係数の比より 1.20×10-3×2=2.40×10-3〔mol〕 である。したがってその質量は,CuO=79.5 より 79.5×2.40×10-3=0.1908〔g〕 0.30g の固体 A に含まれるもう一つの成分の Cu2O(式量 143)の質 量は 0.30-0.1908=0.109〔g〕 であり,物質量は ←高純度のヨウ素は,昇華法で容易 に得ることができる。 ←本問では,固体A について,次の ように考えるとよい。

(13)

13 0.109

143 =7.622×10-4〔mol〕

となる。1mol の CuO には Cu 原子が 1mol,1mol の Cu2O には Cu 原子が2mol 含まれているので,Cu 原子(原子量 63.5)の質量の合計 は 63.5×(2.40×10-3+2×7.622×10-4) =63.5×3.924×10-3=0.2491〔g〕 であるから,固体A に含まれる Cu の含有率は 0.24910.30 ×100=83.0〔%〕 Ⅱ キ フッ素 F2が水を酸化すると,酸素O2を生じる(ケを参照)。 2F2+2H2O→4HF+O2 (F2>O2) 酸素O2がヨウ化水素HI などを酸化すると,ヨウ素 I2を生じる。 O2+4HI→2H2O+2I2 (O2>I2)

ヨウ素I2が,硫化水素H2S などを酸化すると硫黄 S を生じる。 I2+H2S→2HI+S (I2>S) 以上の結果より,酸化力の強さは次のとおりである。 F2>O2>I2>S ク 第2 周期の N,O,F は陰性が強く原子半径が小さい原子で,水素原 子H と結合した分子は,通常のファンデルワールス力よりも強い結合を 生じる。このような結合を水素結合といい,NH3,H2O,HF などに見ら れる。このためフッ化水素HF は,H2F2のようにいくつかの分子が水素 結合により会合している(常温では2 分子が会合しているものが多い)。 このため,他のハロゲン化水素に比べてフッ化水素の沸点は著しく高い。 ケ 酸化力が非常に強いフッ素は,水を酸化して酸素にする。 2F2+2H2O→4HF+O2 コ 化学反応式は MnO2+4HCl→MnCl2+2H2O+Cl2 である。このとき,濃塩酸から揮発した気体の塩化水素 HCl や水 H2O(水 蒸気)が,反応で発生した塩素Cl2に混入する。 これらを除くにはまず水を通して,水に非常によく溶ける塩化水素を 吸収させる。これだけでは水蒸気は除けないので,この後,濃硫酸を通 して水蒸気を吸収させる。このためには,洗気びんという装置が用いら れる。 ←フッ化水素は下図のように 2 分 子が会合し,二量体を形成しやす い。

(14)

14 また,塩素が空気より重いことから,集気びんを用いて下方置換法で 捕集する。水上置換法では,ふたたび水蒸気が混入してしまう。 サ 二重結合の数をn とすると,直鎖の炭化水素の分子式と分子量は次の ようになる。 C20H42-2n282-2n よって,10.0g のこの炭化水素の物質量は, 10.0 282-2nmolである。 炭化水素に臭素が付加する化学反応式は, C20H42-2nnBr2→C20H42-2nBr2n である。付加した Br2(分子量 159.8)の質量は,臭素が付加した化合 物と臭素が付加する前の炭化水素の質量の差で 33.3-10.0=23.3〔g〕 である。 よって,炭化水素と付加した臭素の物質量の関係より 10.0 282-2n×n= 23.3 159.8〔mol〕 となる。これを解いて n=3.995 シ 二酸化硫黄を含むメタノールを加えた溶液に,適当な塩基を加え,水 を含む試料を入れておく。この溶液にヨウ素を加えると,水と定量的に 反応してヨウ化物イオンI-に変わることが知られている((9)式)。

I2+SO2+CH3OH+H2O→2HI+HSO4CH3………(9) このため,水がある限りI2は直ちに反応して,すべてI-になってしま う。 この溶液を電気分解すると,陽極で,I-が酸化されてI 2が生じる。 2I-→I 2+2e-………(10) すると,直ちに(9)式の反応が起こって,I2は水と反応して消費される ため,溶液にI2は残らない。ところが,水がすべて消費されてしまうと, (9)式の反応が起こらず,I2が残るので溶液がヨウ素(正確には I3-)独 特の褐色になる。ここまで流れた電子の物質量は,電流と時間から求め ることができるので,(9)式と(10)式から,試料に含まれていた水の量を 定量することができる。 水がなくなるまでに流れた電子の物質量は (電流I〔A〕)×(時間t〔s〕) (ファラデー定数F〔C・mol-1〕)= 0.100×120 9.65×104 で求められる。(10)式より,電子の物質量の12の I2が生じ,これが(9)式 により同じ物質量の水と反応するので,含まれていた水(分子量18.0) の質量は 0.100×120 9.65×104 × 1 2×18.0=1.119×10-3〔g〕 ←同温・同圧では,気体の密度は分 子量に比例する。 Cl2の分子量は71,空気の平均分 子量は29 である。 ←この方法をカール・フィッシャー 法という。 ←1C=1A・s であるから,ファラ デーの法則から電子の物質量を 求める。

(15)

15 購入したエタノール10.0mL は,密度が 0.789g・mL-1であるから, 質量は 0.789×10.0=7.89〔g〕 である。よって,含水率は 1.119×107.89 -3×100=1.418×10-2〔%〕

(16)

16 第3 問 着眼 Ⅰ アルコールの脱水によるアルケンの生成反応と,炭素原子間の二重結合を過マンガン酸カリウム酸性溶 液で酸化開裂させる反応に関する問題。これらの反応の応用として,アルコール,カルボン酸,ケトンな どの構造決定ができるようにすることが大切である。過マンガン酸カリウムの不完全な酸化反応に関する 計算問題も出題されている。 Ⅱ アゾ化合物とそれに類似した構造をもつ化合物を題材にした問題である。キ,クは基本的な問題,ケも 収率に関する平易な問題である。コはジアゾ化における副反応であるジアゾニウム塩の分解反応の反応式 に関する問題。サは,アゾ化合物の還元的分解と生成物のアセチル化の問題である。シの実験報告書に関 する留意事項は見慣れない出題形式だが,落としてはならない問題である。 解答 Ⅰ ア CH2=CH-(CH2)2-CH3 CH3-CH=CH-CH2-CH3

イ CH3-(CH2)2-COOH CH3-CH2-COOH CH3-COOH ウ 過マンガン酸カリウム1mol が酸化剤としてはたらくときに必要な電子は

3×0.25+5×0.75=4.5〔mol〕

過マンガン酸カリウムの質量をw〔g〕とすると,受けとる電子は w

158×4.5〔mol〕

一方アルケン1mol は,3mol の酸素原子を受けとるので,失う電子の物質量は 6mol である。したがっ て,27.3g のアルケンが失う電子の物質量は 27.3182×6〔mol〕 よって 158w ×4.5=27.3182×6 w=6×27.3×1584.5×182 =31.6〔g〕 答 32g エ 混合物をエーテルに溶かし,水酸化ナトリウム水溶液を加えて,分液漏斗でエーテル層と水層に分ける。 エーテル層からエーテルを蒸発させるとケトンが得られる。一方,水層に塩酸を加えた後,エーテルで抽 出し,エーテルを蒸発させるとカルボン酸が得られる。 オ カ

(17)

17 Ⅱ キ 結合の極性が打ち消し合わないシス形の方が,分子の極性が大きい。(31 字) ク 6 通り ケ 69 % コ サ シ (1),(4)

(18)

18 解説 Ⅰ ア 1)1 位の H 原子と 2 位のヒドロキシ基がとれた場合は,次のようになる。 2)2 位のヒドロキシ基と 3 位の H 原子がとれた場合は,次のようになる。 イ 過マンガン酸カリウムの酸性水溶液でアルケンを切断すると,アルキ ル基の結合している数や位置によって,生じる化合物が異なる。 ・二酸化炭素が発生して,ケトンができる場合は,次のようになる。 ・カルボン酸とケトンが生じる場合は,次のようになる。 前問アで生じた 1)1-ペンテンと 2)2-ペンテンについて,過マンガン酸 カリウムの酸性水溶液で切断(酸化開裂)した場合を考えてみる。 1)1-ペンテンを,反応 2 により酸化開裂した場合は,次のようになる。 2)2-ペンテンを,反応 2 により酸化開裂した場合は,次のようになる。 二酸化炭素は有機化合物ではないので,答は次の三つである。 CH3-(CH2)2-COOH CH3-COOH CH3-CH2-COOH ウ (3)式の反応が起こったとき,過マンガン酸イオン 1mol あたり,5mol

の電子が必要である。

MnO4-+5e-+8H+→Mn2++4H2O………(3) また,(4)式の反応が起こったとき,過マンガン酸イオン 1mol あたり,

3mol の電子が必要である。

MnO4-+3e-+4H+→MnO2+2H2O………(4) ここでは,25%が(4)式で反応し,残りの 75%が(3)式で反応するので, 過マンガン酸カリウム 1mol が酸化剤としてはたらくときに必要な電子 は ←アルコールを濃硫酸で脱水する と,多くの場合,二重結合の位置 が変化するが,ここではこのよう な変化は起こらないものと仮定 してある。 ←ここでは立体異性体は考えない が,便宜上,2-ペンテンはシス形 で表してある。

(19)

19 3×0.25+5×0.75=4.5〔mol〕 である。 一方,アルケンC13H26を反応2 により酸化開裂すると,カルボン酸と ケトンが生じる。このとき,アルケンC13H26は,酸素原子を3 個受けとっ ている。 酸素原子(酸化数 2)1 個は,電子 2 個に相当するので,このアルケ ン1mol を酸化開裂するとき,電子 6 個が失われる。 アルケンC13H26(分子量182)の物質量から電子の物質量を求めると 27.3182×6〔mol〕 となる。過マンガン酸カリウムKMnO4(式量158)の質量を w〔g〕と すると,これが受けとる電子の物質量は 158w ×4.5〔mol〕 となる。両者は等しいので 158w ×4.5=27.3182×6 w=6×27.3×1584.5×182 =31.6〔g〕 エ 中性のケトンは,水にはほとんど溶けないが,ジエチルエーテル(エー テル)にはよく溶ける。一方,カルボン酸は水には溶けにくいが,水酸 化ナトリウム水溶液を加えるとカルボン酸塩となって水に溶けるように なる。この塩は塩酸で酸性にすると,酸の形となって遊離するので,こ れをエーテルで抽出する。ケトンもカルボン酸も,エーテル抽出した後 は,蒸発皿などでエーテルだけを蒸発させる。 オ C7H16O の分子式をもつ第三級アルコールと,それを脱水(反応 1)し て生じるアルケン,および酸化開裂(反応 2)で生じる物質を示す。な お,構造式はH 原子を省略して骨格だけで示す。 ←ここでも立体異性体は考えない が,便宜上シス形で表してある。 ←ケトンやカルボン酸は,分子量が 大きくなると,水に溶けにくくな る。しかし,カルボン酸は塩基を 加えると塩になって,水に溶けや すくなる。

(20)

20 二酸化炭素は有機化合物ではないので,これを除いて考えると,ケト ンのみが生じるのは,5a と 4a で,残りはカルボン酸が混入する。 ←-OH が結合した C 原子の右側 のC 原子には,H 原子がないの で水は脱離できない。

(21)

21 カ 二重結合を一つもつ炭化水素B に反応 2(酸化開裂)の操作をすると, 1 種類のケトンが得られた。これをケトン c とする。ケトン c のカルボ ニル基を還元して得られるアルコールは第二級アルコールである。これ をアルコールd とする。アルコール d に反応 1(脱水)の操作をすると, 二重結合を一つもった物質e が得られた。物質 e に反応 2(酸化開裂) の操作をすると,ナイロン 66 の原料のジカルボン酸が得られた。これ は,アジピン酸HOOC-(CH2)4-COOH である。 物質e は,酸化開裂してジカルボン酸になるのだから,環状の不飽和 炭化水素で,アジピン酸と炭素原子の数が同じ(6 個)で枝分かれのな いシクロヘキセンとわかる。 脱水してシクロヘキセンになるアルコールd は,環状のシクロヘキサ ノールである。 カルボニル基を還元して第二級アルコールのシクロヘキサノールにな るケトンc は,環状のシクロヘキサノンである。 二重結合を一つもつ炭化水素 B は,KMnO4で酸化開裂(反応 2)し て,1 種類のケトン c を生じるので,二重結合の両側は対称的に同じ構 造をもっているもの(候補 1)か,一つがケトンになり,もう一つが二 酸化炭素になる構造=CH2をもっているもの(候補2)である。 ←H2C=CH-(CH2)4-CH=CH2 も考えられるが,この場合,アル コールd は HO-(CH2)8-OH となる。さらに,これに対応する c は HOOC-(CH2)6-COOH となる。しかし,これではc がケ トンという条件に反するため,不 適である。

(22)

22 Ⅱ キ アゾベンゼンには,主として二つの C-N 間の結合に大きな極性があ る。この二つの極性は,trans-アゾベンゼンでは,方向が 180°異なるの で,打ち消し合って全体としては無極性分子になる。これに対して, cis-アゾベンゼンでは,この二つの極性はベクトル的に合成することができ, 全体として極性が大きい分子になる。 ク アゾベンゼンの塩素二置換体のうち,二つの塩素原子がそれぞれ異な るベンゼン環上にあるものは,トランス形からシス形に変化させると塩 素原子間の距離は変化してしまうので,いずれも該当しない。結局,二 つの塩素原子がともに同じベンゼン環上にある6 種類だけが,トランス 形からシス形に変化しても,塩素原子間の距離が変化しない。 ケ (7)式より,スルファニル酸 1mol と 2-ナフトール 1mol から,オレン ジⅡが1mol 合成される。 スルファニル酸(分子量173.1)3.98g の物質量は 3.98 173.1=2.299×10-2〔mol〕 である。一方,2-ナフトール(分子量 144.0)2.88g の物質量は 2.88 144.0=2.00×10-2〔mol〕 である。したがって,理論上,生じるオレンジⅡは 2.00×10-2mol で ある。 ←-N=N-C6H5を,-R として表 してある。

(23)

23 得られたオレンジⅡ(分子量350.1)の物質量は 4.83 350.1=1.379×10-2〔mol〕 である。よって 収率=実際に得られたオレンジⅡの物質量理論上得られるオレンジⅡの物質量×100 =1.379×10-2 2.00×10-2 =68.95〔%〕 コ (7)式を詳しく説明すると次のようになる。 まず,スルファニル酸をジアゾ化する前に,塩酸に溶けにくいスルファ ニル酸を,塩基性の炭酸ナトリウム水溶液に溶かす。 このスルファニル酸のナトリウム塩の溶液に,通常のジアゾ化とは逆 に亜硝酸ナトリウムを先に加えておき,氷を加えて冷やしておいた濃塩 酸を加えていく。この結果,アミノ基はジアゾ化される。 一方,2-ナフトールは水酸化ナトリウム水溶液に溶かしておく。この とき,2-ナフトールはナトリウム塩になっている。 スルファニル酸のジアゾニウム塩と2-ナフトールのナトリウム塩をジ アゾカップリングさせるとオレンジⅡが生じる。 ←たとえばアニリンのジアゾ化の ときは,先に過剰の塩酸を加えて 塩酸塩にしておき,氷で冷却しな がら亜硝酸ナトリウム水溶液を 加える。スルファニル酸は酸性な ので,これとは逆に,塩基性にし て水に溶かしておく必要がある。 ←ナトリウム-2-ナフトキシド

(24)

24 ジアゾ化したときに生じる中間生成物のジアゾニウム塩は,一般的に 不安定で,氷で冷却しないと,次のように窒素を発生しながら分解する。 サ オレンジⅡのアゾ基-N=N-を Na2S2O4で還元的に分解すると,ス ルファニル酸のナトリウム塩(スルファニル酸ナトリウム)と化合物 C が生じる。アゾ基の窒素の一部はスルファニル酸ナトリウムのアミノ基 になっているので,化合物C にもアミノ基が生じていることが推定でき る。 この化合物C に大量の無水酢酸を反応させると,-NH2と-OH がア セチル化され,化合物D が生じる。化合物 D は酢酸のアミドであって, かつ酢酸のエステルである。 シ (1) 実験の信頼性は,他人が行っても再現性が確認できることで証明で きる。報告書に薬品の質量を記載するとき,実際に用いた質量を書き 換えたものは,虚偽の報告ということになる。よって誤り。 (4) 実験では必ず誤差が生じるので,理論値を超えることもあり得る。 このような場合,実験をやり直すか,なぜそのような結果になったの かを説明するのが正しい報告である。よって誤り。 ←Na2S2O4は亜二チオン酸ナトリ ウムといい,強い還元剤である。 ←塩酸酸性になっているので,スル ホ基はナトリウム塩の形にはし ていない。

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