しょう ほう しゃ せん ふく どく ほん がく せい しょう ほう しゃ せん ふく どく ほん がく せい ほう しゃ せん まな
∼放射線について学ぼう∼
（左ひだり）福ふく島しま第だい一いち原げん子しりょく力発はつ電でん所しょ1 号ごう機き （平へい成せい24 年ねん6 月がつ18 日にち 福ふく島しま県けん災さい害がい対たい策さく本ほん部ぶ撮さつ影えい） （右みぎ）福ふく島しま第だい一いち原げん子し力りょく発はつ電でん所しょ4 号ごう機き （平へい成せい24 年ねん6 月がつ14 日にち 福ふく島しま県けん災さい害がい対たい策さく本ほん部ぶ撮さつ影えい）
はじめに
平
へい成
せい23 年
ねん3 月
がつ11 日
にちに起
おきた地
じ震
しんと津
つ波
なみによって、東
とうきょう京
電
でん力
りょくの福
ふく島
しま第
だい一
いち原
げん子
し力
りょく発
はつ電
でん所
しょで事
じ故
こが起
おこりました。そして、風
かぜに乗
のって飛
とんできた放
ほう射
しゃ性
せい物
ぶっ質
しつが
多
おおく降
ふった地
ち域
いきでは、そこに住
すむ人
ひとたちが自
じ分
ぶんの家
いえから避
ひ難
なんしなければなりま
せんでした。事
じ故
この後
あと、建
たて物
ものや地
じ面
めん、木
き々
ぎなどから、できる限
かぎり放
ほう射
しゃ性
せい物
ぶっ質
しつを
取
とり除
のぞく、「除
じょ染
せん」という作
さ業
ぎょうが進
すすめられています。しかし、現
げん在
ざい（平
へい成
せい25 年
ねん12 月
がつ）も、多
おおくの人たちが自
じ分
ぶんの家
いえにもどることができていません。
事
じ故
この後
あと、福
ふく島
しま県
けんから避
ひ難
なんした人
ひとたちが差
さ別
べつを受
うけたり、子
こ供
どもがいじめら
れたりしたこともありました。また、被
ひ害
がいを受
うけた地
ち域
いきでは、検
けん査
さによって
安
あん全
ぜんが確
たしかめられていても、正
せい確
かくな情
じょう報
ほうが行
ゆき届
とどいていないことにより、物
ものが買
かってもらえなくなったり、その地
ち域
いきへの観
かん光
こうきゃく客
が減
へったりする「風
ふう評
ひょう被
ひ害
がい」
も受
うけました。
このように、ひとたび放
ほう射
しゃ性
せい物
ぶっ質
しつをあつかう施
し設
せつで事
じ故
こが起
おこれば、きわ
めて大
おおきな被
ひ害
がいが生
しょうじます。原
げん子
し力
りょくや放
ほう射
しゃ線
せんの利
り用
ようにあたっては、事
じ故
こが発
はっ生
せいする可
か能
のう性
せいを常
つねに考
かんがえ、安
あん全
ぜんの確
かく保
ほに最
さい大
だい限
げんの努
ど力
りょくを払
はらわなくてはなりま
せん。
この副
ふく読
どく本
ほんが、みなさんが放
ほう射
しゃ線
せんのことを知
しる手
て助
だすけになり、また、自
じ分
ぶんの住
すむ場
ば所
しょが事
じ故
こを起
おこした原
げん子
し力
りょく発
はつ電
でん所
しょから遠
とおくても近
ちかくても、ともに社
しゃ会
かいに生
いきる一
いち員
いんとして、この事
じ故
こに向
むき合
あいい、これからどのようにしたらよ
いかを考
かんがえるきっかけになることを願
ねがっています。
（→ p.9） （→ p.7） （→ p.5）放
ほう射
しゃ線
せんについて知
しろう
原
げん子
し力
りょく発
はつ電
でん所
しょの事
じ故
こ1-1 どんな事
じ故
こが起
おきたの？
……… 31-2 どんな被
ひ害
がいがあったの？
……… 4 （１）住じゅう民みんの避ひ難なん… ……… 4 （２）風ふうひょう評被ひ害がいや差さ別べつがあった… ……… 51-3 事
じ故
こから立
たち直
なおるために
……… 6 （１）食た べ物ものは安あん全ぜんなの？… ……… 6 （２）食た べ物ものを調しらべる… ……… 6 （３）空くう気き中ちゅうの放ほう射しゃ線せん量りょうを測はかる… ……… 7 （４）放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつを取とり除のぞく作さ業ぎょう（除じょ染せん）……… 7 （５）未み 来らいへの出しゅっ発ぱつ… ……… 82-1 放
ほう射
しゃ線
せんって、何
なんだろう？
… ……… 9 （１）身みの回まわりの放ほう射しゃ線せん… ……… 9 （２）放ほう射しゃ線せんと放ほう射しゃ線せんを出だすもの… ……… 9 （３）放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつの変へん化か… ……… 102-2 放
ほう射
しゃ線
せんを受
うけると、どうなるの？
……… 11 （１）放ほう射しゃ線せんの影えい響きょうを測はかる単たん位い… ……… 11 （２）自し然ぜんから受うける放ほう射しゃ線せんの量りょう… ……… 12 （３）体からだに受うける放ほう射しゃ線せんの量りょうと健けん康こう… ……… 122-3 放
ほう射
しゃ線
せんから身
みを守
まもるには？
… ……… 13 （１）事じ故このときに身みを守まもるには… ……… 13 （２）事じ故こが起おこったときの心こころ構がまえ… ……… 14はじめに
………1 3 9 もくじ放射線について知ろう
原子力発電所の事故
第
だい2
しょう章
原子力発電所の事故
第
だい1
しょう章
放射線について知ろう
ほう しゃ せん し げん し りょく はつ でん しょ じ こどんな事
じ故
こが起
おきたの？
1-1
げんぱつ じ こ しょう わ ねん ねん せい へい ふくしまだいいち げん し りょくはつでん しょ じ こ 東海村ＪＣＯ臨界事故 （1999（平成 11）年） スリーマイル島原発事故 （1979（昭和 54）年） とう かいむら ジェイシーオーりんかい じ こ しょう わ ねん ねん せい へい げん とう ぱつ じ こ 東海村ＪＣＯ臨界事故 （1999（平成 11）年） スリーマイル島原発事故 （1979（昭和 54）年） 7 チェルノブイリ原発事故 （1986（昭和 61）年） 福島第一原子力発電所事故 （2011（平成 23）年） 異常事象 事 故 レベル 5 レベル 4 レベル 0 レベル げんぱつ じ こ しょう わ ねん ねん せい へい とう かいむら ジェイシーオーりんかい じ こ ふくしまだいいち げん し りょくはつでん しょ じ こ しょう わ ねん ねん せい へい げん とう ぱつ じ こ 平へい成せい23 年ねん 3 月がつ11 日にちの東とう北ほく地ち方ほう太たい平へい洋よう沖おき地じ震しんと、津つ波なみによって、東とう京きょう電でん力りょくの福ふく島しま第だい一いち原げん子しりょく力発はつ電でん 所しょでは原げん子し炉ろを冷ひやすことができなくなり、水すい素そ ガスがたくさん発はっ生せいし、それが爆ばく発はつしてしまいました。 そして、原げん子し炉ろの中なかに閉とじこめておかなければならない放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつが外そとに飛とび出だし、福ふく島しま県けんをはじめと する東ひがし日に本ほんの広ひろい地ち域いきに飛とび散ちりました。 ・飛と び出だ した後あと、風かぜに乗の って飛と ばされ、地じ 面めんに落お ちた放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつ 下したの図ず は、福ふく島しま第だい一いち原げん子し 力りょく発はつ電でん所しょから飛とび出だ した「セシウム（セシウム 134 とセシウム 137）」と いう放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつが、風かぜに乗の って飛とばされ、どのあたりにどれくらい落おちたのかを色いろのちがいで表あらわしたも のです。 （出しゅっ典てん）「①北ほっ海かい道どうの航こう空くう機きモニタリングの測そく定てい結けっ果か、およ び②東ひがし日に本ほん全ぜん域いきの航こう空くう機きモニタリングの結けっ果かの天てん然ねん核かく種しゅの 影 えい 響 きょう を詳しょう細さいに考こう慮りょした改かい訂ていについて」（平へい成せい24 年ねん7 月がつ27 日にち 文 もん 部ぶ科か学がく省しょう）より一いち部ぶ改かい変へん 地じ面めんに落お ちた放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつ（セシウム）の量りょう（平へい成せい24 年ねん5 月がつ） 300 万以上 1 万以下 ∼ 300 万 ∼ 100 万 ∼ 60 万 ∼ 30 万 ∼ 10 万 ∼ 6 万 ∼ 3 万 100 万 60 万 30 万 10 万 6 万 3 万 1 万 測定結果が得られていない範囲 背景地図：電子国土 セシウム 134 とセシウム 137 が 1 平方メートル あたりに降り積もった量の合計（ベクレル） （平成 24 年 5 月 31 日の値に換算） 凡例 へい へいせい ねん がつ あたい かんさん はん まん まん まん まん まん まん まん まん まん まん まん まん まん まん まん いじょう まん そくていけっ か え はいけい ち ず でん し こく ど はん い い か れい ふり つ りょう ごうけい ほう 福ふく島しま第だい一いち原げん子し 力りょく発はつ電でん所しょ事じ 故こ と 過か去このおもな原げん子し力りょく施し設せつの事じ 故こ の深しん刻こく度ど （出しゅっ典てん）放ほう射しゃ線せんによる健けん康こう影えい響きょう等とうに関かんする統とう一いつ的てきな 基き礎そ資しりょう料 平へいせい成24 年ねん度ど版ばん ver.2012001 より作さく成せい （→ p.9）放射線について知ろう
原子力発電所の事故
第
だい2
しょう章
原子力発電所の事故
第
だい1
しょう章
放射線について知ろう
ほう しゃ せん し げん し りょく はつ でん しょ じ こどんな被
ひ害
がいがあったの？
1-2
いいたてむら かわまたまち みなみ そう ま し かつら お むら た むら し なみ え まち かわうちむら なら は まち おおくままち ふた ば まち とみおかまち き かんこんなんく いき 帰還困難区域 居住制限区域 避難指示解除準備区域 きょじゅうせいげん く いき ひなん し じ かいじょじゅん び く いき ※カッコ内の日付は区域見直しの施行日ない ひ づけ く いきみなお し こう び 凡例はん れい 福島第一 原子力発電所 福島第ニ 原子力発電所 ふくしまだい げん し りょくはつでん しょ いち ふくしまだい げん し りょくはつでん しょ に おおくままち ふた ば まち とみおかまち かつら お むら た むら し なみ え まち かわうちむら なら は まち いいたてむら かわまたまち みなみ そう ま し（１）住
じゅう民
みんの避
ひ難
なん 原げ ん子しりょく力発は つ電で ん所し ょの事じ故こ 事じ故この後あと、周しゅう辺へんに住すむ人ひとたちの健けん康こうと安あん全ぜんを守まもる ため、国くには避ひ難なん指し示じ区く域いきなどを決きめて、立たち入いり禁きん止しの 場ば所しょをつくったり、避ひ難なんするように指し示じを出だしたり しました。 避ひ 難なん指し 示じ 区く 域いきなどから避ひ 難なんした人ひとの数かずは、平へい成せい 25 年ねん8 月がつで約やく 8 万まん1 千せん人にんとなっています。福ふく島しま 県けんの人じん口こうは震しん災さい前まえは約やく 202 万まん人にんでしたが、平へい成せい25 年ねん8 月がつには約やく195 万まん人にんになりました。 住じゅう民みんの中なかには、仕し事ごとや学がっ校こうの都つ合ごうで家か族ぞくが離はなれ離ばな れに生せい活かつしなければならない人ひとや、家か族ぞくの結むすびつき がゆらいでしまった人ひと、仕し事ごとを失うしなった人ひと、放ほう射しゃ線せんな どの健けん康こうへの影えい響きょうに不ふ安あんを感かんじている人ひとなどがたく さんいます。なかには、心こころの病びょう気きにかかった人ひともい ます。こうした人ひと々びとが受うけた、体からだと心こころの苦く痛つうは計はかり 知しれません。 避ひ 難なん指し 示じ 区く 域いきの概がい念ねん図ず ・新あたらしい場ば 所しょで始はじまった授じゅ業ぎょう 福ふく島しま県けんでは、震しん災さいのために多おおくの子こ 供どもたちが、それまで住す んでいた場ば所しょとはちがう、別べつの学がっ校こうに通かよっ ています。 福ふく島しま県けん双ふた葉ば 郡ぐんの浪なみ江え 町ちょう立りつ浪なみ江えしょう小学がっ校こうは、原げん子し 力りょく発はつ電でん所しょの事じ故このため休きゅう校こうになっていましたが、平へい成せい 23 年ねんの第だい 2 学がっ期きから、福ふく島しま県けん二に本ほん松まつ市し内ないの、以い前ぜんは下しも川かわ崎さき小しょう学がっ校こうがあった場ば所しょに移うつって授じゅ業ぎょうを始はじめま した。 （左ひだり、中なか）福ふく島しま県けん二にほん本松まつ市しに移うつった浪なみ江え小しょう学がっ校こう （右みぎ）移うつった先さきの教きょう室しつで、授じゅ業ぎょうを受うける小しょう学がく生せい たち （出しゅっ典てん）経けい済ざい産さんぎょう業省しょうウェブサイト「東ひがし日に本ほん大だい震しん災さい 関かん連れんじょう情報ほう」 平 へい 成 せい 25 年ねん8 月がつ8 日か時じ点てん（出しゅっ典てん）風ふうひょう評被ひ害がいに関かんする消しょう費ひ者しゃ意い識しきの 実 じっ 態たいちょう調査さ（第だい2 回かい）（消しょう費ひ者しゃ庁ちょう） （※ 1）被ひ災さい地ちを中ちゅう心しんとした東とう北ほく: 岩 いわ 手て県けん、宮みや城ぎ県けん、福ふく島しま県けん （※ 2）東とう北ほく全ぜん域いき: 青 あお 森もり県けん、岩いわ手て県けん、宮みや城ぎ県けん、秋あき田た県けん、山やま形がた県けん、 福 ふく 島しま県けん （※ 3）北きた関かん東とう: 茨 いばら 城き県けん、栃とち木ぎ県けん、群ぐん馬ま県けん （※ 4）東ひがし日に本ほん全ぜん域いき: 青 あお 森もり県けん、岩いわ手て県けん、宮みや城ぎ県けん、秋あき田た県けん、山やま形がた県けん、 福 ふく 島しま県けん、茨いばら城き県けん、栃とち木ぎ県けん、群ぐん馬ま県けん、埼さい玉たま県けん、 千ち葉ば県けん、東とう京きょう都と、神か奈な川がわ県けん、山やま梨なし県けん、長なが野の 県 けん 、新にい潟がた県けん、静しず岡おか県けん 原げ ん子し力りょく発は つ電で ん所し ょの事じ故こ 60％ 80％ 100％ 0％ 20％ 40％ 19.4 17.9 14.9 13.0 6.6 5.5 8.1 7.1 4.1 2.7 1.7 1.4 H25 年 2 月 （N＝5176） H25 年 8 月 （N＝5176） ねん がつ ねん がつ
（2）風
ふう評
ひょう被
ひ害
がいや差
さ別
べつがあった
実じっ際さいの被ひ害がいばかりでなく、「原げん子しりょく力発はつ電でん所しょの事じ 故こによる影えい響きょうを受う けたにちがいない」という思おもい込こみ から生しょうじる「風ふう評ひょう」によっても、農のう業ぎょうや漁ぎょ業ぎょう、観かん光こう業ぎょうなどに大おおきな被ひ害がいがありました。風ふう評ひょう被ひ害がいにつ いてのアンケート調ちょう査さでは、「食しょく品ひんを買かうことをためらう産さん地ちを次つぎの中なかから選えらんでください」という問と いに対たいして、下したのグラフのような結けっ果かが出でました。 放ほう射しゃ線せんを受うけたことが原げん因いんで、その人ひとが放ほう射しゃ線せんを出だすというような、いわれのないまちがった考かんがえや 差さ別べつもおこりました。 万まん一いち、放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつが体からだの表ひょう面めんについたとしても、シャワーをあびたり、着きていたものを洗せんたくしたり すれば、洗あらい流ながすことができます。また、放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつによって体からだの表ひょう面めんがよごれていないことを検けん査さで 確たしかめれば、ほかの人ひとに影えい響きょうを及およぼすことはありません。 「放ほう射しゃ線せん被ひ ばくについての風ふう評ひょう被ひ 害がいに関かんする緊きん急きゅうメッセージ」の一いち部ぶ をしょうかいします （出しゅっ典てん）「放ほう射しゃ線せん被ひばくについての風ふうひょう評被ひ害がいに関かんする緊きん急きゅうメッセージ」（平へい成せい23 年ねん4 月がつ21 日にち 法ほう務むしょう省人じん権けん擁よう護ご局きょく）より作さく成せい 原げん発ぱつ事じ故このあった福ふく島しま県けんからの避ひ難なん者しゃがホテルで宿しゅく泊はくを拒きょ否ひされたり、小しょう学がく生せいが避ひ難なん先さきの小しょう学がっ校こうでいじ めにあったりしたとされております。 根こん拠きょのない思おもい込こみや偏へん見けんで差さ別べつすることは人じん権けん侵しん害がいにつながります。 震しん災さいにあった人ひとが、避ひ難なん先さきで差さ別べつを受うけたら、どんな気き持もちになるでしょうか。 全ぜん国こくの原げん子しりょく力発はつ電でん所しょが運うん転てんを止とめたことにともない、会かい社しゃや家か庭ていで電でん気きを使つかう量りょうを減へらさなければならなくな りました。そのため、みんなが節せつ電でんのことを考かんがえるようになりました。 国くにのエネルギー政せい策さくをめぐる様さま々ざまな課か題だいに関かんして、社しゃ会かい全ぜん体たいで議ぎ論ろんが行おこなわれるようになりました。 原げん子し 力りょく発はつ電でん所しょの事じ故こは、社しゃ会かいや暮くらしにも変へん化かをあたえました。 （→ p.9） 福 ふく 島 しま 県 けん 被 ひ 災 さい 地 ち を 中 ちゅう 心 しん とした 東 とう 北 ほく （※１） 東 とう 北 ほく 全 ぜん 域 いき （※２） 北 きた 関 かん 東 とう （※３） 東 ひがし 日 に 本 ほん 全 ぜん 域 いき （※４） その 他 た食品群 基準値（ベクレル Bq/kg） 一般食品 100 乳児用食品 50 牛乳 50 飲料水 10 いっ ぱんしょくひん にゅう じ ようしょくひん ぎゅうにゅう いんりょうすい 米 野菜 果実 茶 原乳 牛肉 豚肉、鶏肉、卵 その他の畜産物 きのこ・山菜類（※2） 水産物（※3） 品目ひん 検査点数 超過点数基準値 超過割合 こめ や さい げん にく にく にく にゅう ぎゅう か ぶた とり さんぶつ ちく さい るい さん さんぶつ すい ほか たまご ちゃ じつ もく ひん ぐん しょく けん き ちょう か てん すう じゅん ち き じゅん ち さ てん すう ちょう か わり あい 28 0 0 0 0 0 0 193 249 0.0003% 0 % 0 % 0 % 0 % 0 % 0 % 3.1% 1.7% 1,068 万 14,713 3,745 424 1,398 130,386 1,065 6,250 14,599 食たべ物ものは、おもに作つくってからお店みせに出だす前まえに検けん査さが行おこなわれています。また、もっ と安あん心しんして食たべられるように、測そく定てい器きを使つかって学がっ校こうきゅう給食しょくの材ざい料りょうを検けん査さしているとこ ろもあります。 検けん査さの結けっ果かは県けんや市し町ちょう村そんのホームページなどに発はっ表ぴょうされていて、だれでも見みることができます。 （左ひだり、中なか）給きゅう食しょくに使つかうもの と同おなじ食しょく材ざいを、検けん査さ用ように刻きざ んで調しらべています（福ふく島しま県けん 提てい供きょう） （右）学がっ校こうきゅう給食しょくを食たべる南みなみ相そう馬ま市しの小しょう学がく生せい（福ふく島しま県けん提てい供きょう） 原げ ん子し力りょく発は つ電で ん所し ょの事じ故こ
事
じ故
こから立
たち直
なおるために
1-3
（１）食
たべ物
ものは安
あん全
ぜんなの？
原げん子しりょく力発はつ電でん所しょの事じ故この後あと、厚こう生せい労ろう働どう省しょうは、食しょく品ひんにふくまれていても健けん康こうにさしつかえがないと考かんがえら れる、放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつの量りょうを決きめました。そして、それ以い上じょうの放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつをふくむ食しょく品ひんが出で回まわることのない ように、厳きびしく見み守まもっています。 食品群 基準値（ベクレル Bq/kg） 一般食品 100 乳児用食品 50 牛乳 50 飲料水 10 いっ ぱんしょくひん にゅうじ ようしょくひん ぎゅうにゅう いんりょうすい 米 野菜 果実 茶 原乳 牛肉 豚肉、鶏肉、卵 その他の畜産物 きのこ・山菜類（※2） 水産物（※3） 品目ひん 検査点数 超過点数基準値 超過割合 こめ や さい げん にく にく にく にゅう ぎゅう か ぶた とり さんぶつ ちく さい るい さん さんぶつ すい ほか たまご ちゃ じつ もく ひん ぐん しょく けん き ちょう か てん すう じゅん ち き じゅん ち さ てん すう ちょう か わり あい 28 0 0 0 0 0 0 193 249 0.0003% 0 % 0 % 0 % 0 % 0 % 0 % 3.1% 1.7% 1,068 万 14,713 3,745 424 1,398 130,386 1,065 6,250 14,599 食しょく品ひん中ちゅうの放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつに関かんする基き 準じゅん値ち （放ほう射しゃ性せいセシウム）（２）食
たべ物
ものを調
しらべる
地ち 方ほう自じ治ち 体たいは、原げん子しりょく力発はつ電でん所しょの事じ故こ で被ひ害がいにあっ た地ち域いきで作つくられたり、加か 工こうされたりした食しょく品ひんの安あん全ぜんを 確たしかめるため、お店みせに出だ す前まえに検けん査さをしています。福ふく 島しま県けんでは、県けん内ないで作つくられたすべての米こめを調しらべています。 自じ治ち体たい（※１）における食しょく品ひん等とうの検けん査さ結けっ果か（平へい成せい25 年ねん度ど） 学がっ校こう給きゅう食しょくの安あん全ぜん ※いずれの食しょく品ひん群ぐんも放ほう射しゃせい性ストロンチウム、プルトニウムなどをふくめて基き準じゅん値ちを設せっ定ていしています ※１ 「検けん査さ計けい画かく、出しゅっ荷か制せい限げん等とうの品ひん目もく・区く域いきの設せってい定・解かい除じょの考かんがえ方かた」 で検けん査さ対たい象しょうとなっている自じ治ち体たい（17 都と県けん）を集しゅう計けい（水すい産さん物ぶつのみ 全ぜん国こくを集しゅう計けい）。 ※ 2 超ちょう過かするものは、栽さい培ばいされているもの以い外がいの、野や生せいきのこや野や 生せいの山さん菜さい類るいで多おおいことが分わかっています。 ※ 3 水すい産さん庁ちょうのデータによる集しゅう計けい。平へい成せい23 年ねん度どの 17.2%から減げんしょう少傾けい 向こうにあり、超ちょう過かするもののほとんどは、海うみの底そこにくらす海かい産さん魚ぎょ や天てん然ねんの淡たん水すい魚ぎょということが分わかっています。原げ ん子し力りょく発は つ電で ん所し ょの事じ故こ
（３）空
くう気
き中
ちゅうの放
ほう射
しゃ線
せん量
りょうを測
はかる
下したの図ず は、地じ 面めんから 1 メートルの高たかさのところの放ほう射しゃ線せんの量りょう（線せん量りょう）の移うつり変か わりを、飛ひ 行こう機き を 使つかって測はかったものです。時じ間かんとともに少すこしずつ減へっていることが分わかります。しかし、いまだに線せん量りょうの 高たかい地ち 域いきは残のこっています。 （出しゅっ典てん）原げん子しりょく力規き制せい庁ちょう「東とうきょう京電でんりょく力福ふく島しま第だい一いち原げん子しりょく力発はつ電でん所しょ事じ故こから 2 年ねん間かんの航こう空くう機きモニタリングの線せん量りょうの推すい移い について」（平へい成せい25 年ねん6 月がつ5 日か）より作さく成せい そく てい ち そく てい ち そく てい ち そく てい ち そく てい ち そく てい ち そく てい ち そく てい ち そく てい ち そくていけっ か はん い え 測定結果が得られて いない範囲 ＜測定値 ＜測定値≦19.0 ＜測定値≦9.5 ＜測定値≦3.8 ＜測定値≦1.9 ＜測定値≦1.0 ＜測定値≦0.5 ＜測定値≦0.2 測定値≦0.1 19.0 9.5 3.8 1.9 1.0 0.5 0.2 0.1 凡 はん 例れい 地ちひょう表面めんから 1 メートル の高たかさの空くう間かん線せんりょう量率りつ（マ イクロシーベルト／時じ） * 本ほんマップには自し然ぜんの中なかにも とからあった放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつに よる空くう間かん線せんりょう量率りつがふくまれ ています。 ※ 実じっ線せんで囲かこまれた白しろ色いろの領りょう 域 いき は積せき雪せつ等とうのあった箇か所しょ（４）放
ほう射
しゃ性
せい物
ぶっ質
しつを取
とり除
のぞく作
さ業
ぎょう（除
じょ染
せん）
事じ 故こ によって空くう気き中ちゅうに飛とび出だした放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつが、雨あめや雪ゆきによって地ち上じょうに落おち、建たて物ものや土つち、草くさや木きなど についていました。国くには福ふく島しま県けんや市しちょう町村そんと協きょう力りょくし、それらの放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつを取と り除のぞく除じょ染せん作さ 業ぎょうを行おこなって います。 福ふく島しま県けんでの学がっ校こうの除じょ染せん 学がっ校こうの中なかにも、場ば所しょによっては放ほう射しゃ線せんの量りょうの多おおいところがあります。そこで、学がっ校こうのすみずみまで、放ほう射しゃ線せんの量りょうを くわしく調しらべたり、専せん門もん家かに協きょう力りょくしてもらったりしながら、除じょ染せんを行おこなっています。 福ふく島しま県けん伊だ達て市しで学がっ校こうを除じょ染せんしている様よう子す アスファルトの表ひょう面めんを取とり除のぞいています 建たて物ものをみがき、表ひょう面めんを 除じょ染せんしています プールの底そこの除じょ染せんを しています 福 ふく 島 しま 第 だい 一 いち 原 げん 子しりょく力発はつ電でん所しょ 福 ふく 島 しま 第 だい 一 いち 原 げん 子しりょく力発はつ電でん所しょ 福 ふく 島 しま 第 だい 一 いち 原 げん 子しりょく力発はつ電でん所しょ （→ p.10） 事じ故こ 7ヶ月げつ後ご （2011.11.05） 事 じ 故こ1年ねん3ヶ月げつ後ご （2012.06.28） 事 じ 故こ2 年ねん後ご※ （2013.03.11）原げ ん子し力りょく発は つ電で ん所し ょの事じ故こ
（５）未
み来
らいへの出
しゅっ発
ぱつ 東ひがし日に 本ほん大だい震しん災さいの後あと、国こく内ないはもちろんのこと世せ界かい各かく地ちから、多おおくのはげましや、たくさんの物ぶっ資し が寄よ せられました。福ふく島しま県けんでも、地ち域いきの新あたらしい出しゅっ発ぱつに向むけて、様さま々ざまな取とり組くみが進すすめられています。その中なかには、 中 ちゅう 学がく生せいや高こう校こう生せいが中ちゅう心しんとなっているものもあります。 福島県の高校生の言葉 福島県の子供たちに 再生可能エネルギーの研究と開発 ふくしま けん こう こう せい こと ば ふくしま しま こ ども さいせい か のう けんきゅう かいはつ 福ふく島しまに生うまれて、福ふく島しまで育そだって、福ふく島しまで働はたらいて、福ふく島しまで 結けっ婚こんして、福ふく島しまで子こ供どもを産うんで、福ふく島しまで子こ供どもを育そだてて、福ふく 島しまで孫まごを見みて、福ふく島しまでひ孫まごを見みて、福ふく島しまで最さい期ごを過すごす。 それが私わたしの夢ゆめなのです。あなたが福ふく島しまを大だい好すきになれば幸しあわ せです。 小ちいさな小ちいさな一いっ歩ぽでもいいから、勇ゆう気きを出だしてふみ出だそ う。おれたちには支ささえてくれる仲なか間まがたくさんいる。共ともに 手てを取とり合あい、今いまを精せいいっぱい生いきて、すてきな未み来らいを必かなら ずつくるんだ。 第だい35 回かい全ぜん国こく高こう等とう学がっこう校総そう合ごう文ぶん化か祭さい（ふくしま総そう文ぶん） 総そう合ごう開かい会かい式しき構こう成せい劇げき（平へい成せい23 年ねん8 月がつ） 事じ 故この後あと、福ふく島しま県けんの子こ供どもたちは大おおきな不ふ 安あんを感かん じながら、毎まい日にちを過す ごしています。そこで、国くにや 全ぜん国こくの自じ治ち 体たいをはじめ、教きょう育いく・研けんきゅう究機き関かん、民みん間かんの 団だん体たい、会かい社しゃなどが協きょうりょく力して、福ふく島しま県けんの子こ供どもたちを 応おう援えんする活かつ動どうが進すすめられています。 国くには、福ふく島しま県けん楢なら葉は町まちの沖おき合あい、約やく20 キロメートル のところに、実じっ際さいに使つかうことになれば世せ界かい初はつとなる、 大おお型がたの洋よう上じょう風ふう力りょく発はつ電でん施し設せつ（風ふう車しゃ）をつくりました。 そのほか、日に本ほん国こく内ないや海かい外がいの機き関かんが協きょう力りょくして、太たい 陽よう光こうや地ち熱ねつなどを利り 用ようした、再さい生せい可か能のうエ ネルギーの研けん究きゅうと開かい 発はつを進すすめています。 「スポーツこころのプロジェクト笑え顔がおの教きょう室しつ」 で笑え顔がおを見みせる、元もとマラソン選せん手しゅの有あり森もり裕ゆう子こさ んと小しょう学がく生せいたち 海うみの上うえで、大おお型がた風ふう車しゃに よって発はつ電でんする研けん究きゅうを 進すすめています。 （経けい済ざい産さん業ぎょう省しょう提てい供きょう） 原げん子し力りょく発はつ電でん所しょの事じ故こについて学まなんだことを話はなし合あってみよう。 現げん在ざいも将しょう来らいも豊ゆたかでよりよい社しゃ会かいをつくるために、日に本ほんの資し源げんやエネルギーをどのように使つかい、環かん境きょうをどの ように守まもっていけばよいのか考かんがえてみよう。放射線について知ろう
原子力発電所の事故
第
だい2
しょう章
原子力発電所の事故
第
だい1
しょう章
放射線について知ろう
ほう しゃ せん し げん し りょく はつ でん しょ じ こ放
ほう射
しゃ線
せんって、何
なんだろう？
2-1
（１）身
みの回
まわりの放
ほう射
しゃ線
せん 放ほう射しゃ線せんは、宇う宙ちゅうから降ふ り注そそいだり、地じ面めん、空くう気き、そして食たべ物ものからも出でたりしています。また、私わたした ちの家いえや学がっ校こうなどの建たて物ものからも出で ています。目めに見みえていなくても、私わたしたちは今いまも昔むかしも放ほう射しゃ線せんがある中なか で暮く らしています。 宇宙から 地面から 空気から 食べ物から う ちゅう 宇宙から 地面から 空気から 食べ物から う ちゅう 宇宙から 地面から 空気から 食べ物から う ちゅう 宇宙から 地面から 空気から 食べ物から う ちゅう（２）放
ほう射
しゃ線
せんと放
ほう射
しゃ線
せんを出
だすもの
放ほう射しゃ線せんには、植しょく物ぶつや岩がん石せきなど自し然ぜんから出で ているものが あります。放ほう射しゃ線せんを出だ すものを「放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつ」といい、 いろいろな種しゅ類るいがあることが分わかっています。原げん子し力りょく発はつ 電でん所しょの事じ故こで外そとに飛とび出だしたものも、人ひとがつくり出だ した 放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつでした。放ほう射しゃ線せんを出だ す能のう力りょくを「放ほう射しゃ能のう」とい います。 放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつを電でん球きゅうにたとえると、放ほう射しゃ線せんは光ひかりにたとえられます。 また、エックス線せんという種しゅ類るいの放ほう射しゃ線せんで人じん体たいや物ものの内ない部ぶを撮さつ影えいする装そう置ちなど、人ひとがつくった機き械かいなど から出でているものがあります 宇う 宙ちゅうから 宇う 宙ちゅうは、 今いまか ら お よ そ 137 億おく年ねん前まえに生うまれたと考かんが えられています。宇う宙ちゅうには、 最さい初しょからたくさんの放ほう射しゃ線せん があり、今いまもつねに地ち球きゅうに 降ふり注そそいでいます。これを 宇う宙ちゅう線せんといいます。 大だい地ち から 46 億おく年ねんほど前まえにできた地ち 球 きゅう の大だい地ちにも、岩がん石せきの中なかな どに、ほんの少すこし放ほう射しゃ性せい物ぶっ 質しつがふくまれています。そ の放ほう射しゃ線せんの量りょうは、岩がん石せきの種しゅ 類るいや地ち域いきによってちがいが あります。 空くう気き から 空くう気きにふくまれているの は、おもにラドンという放ほう 射しゃ性せい物ぶっ質しつで す。 ラ ド ン は、 大だい地ちから飛とび出だしたガスで、 岩がん石せきばかりでなく、コンク リートのかべなどからも少すこ しですが出でています。 食た べ物ものから 食たべ物ものにふくまれるカリ ウムは、体からだに欠かかせない栄えい 養よう素そとして、野や菜さいなどを食た べることで体からだに取とりこまれ ています。カリウムにはほ んのわずかですが、カリウ ム 40 という放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつがふ くまれています。 放射性物質 放射能 放射線 電球 光を出す能力 光 でん ほう しゃ せい ほう しゃ のう ほう しゃ せん ぶっ しつ きゅう ひかり ひかり だ のう りょく放射線について知ろう
原子力発電所の事故
第
だい2
しょう章
原子力発電所の事故
第
だい1
しょう章
放射線について知ろう
ほう しゃ せん し げん し りょく はつ でん しょ じ こ 放ほ う射し ゃ線せ んについて知しろう（３）放
ほう射
しゃ性
せい物
ぶっ質
しつの変
へん化
か 放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつは、放ほう射しゃ線せんを出だして別べつのものに変かわる性せい質しつを持もっています。 もとの放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつは、放ほう射しゃ線せんを出だしながら、決きまった長ながさの時じ間かんがたつと、放ほう射しゃ線せんを出だ す量りょうが半はん分ぶんに 減へります。さらに同おなじ長ながさの時じ間かんがたつと、そのまた半はん分ぶんに出だ す量りょうが減へります。この、半はん分ぶんになるまで の時じ間かんを「半はん減げん期き 」といいます。その時じ間かんは、放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつの種しゅ類るいによって大おおきくちがいます。例たとえば、 事じ故こ で広ひろく散ち らばった放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつには、セシウム 137 のように、半はん減げん期きがとても長ながい（30 年ねん）もの があるため、除じょ染せんなどの作さ業ぎょうで取とり除のぞかなければなりません。 下したのグラフは、放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつが時じ 間かんとともに減へっていく様よう子すを表あらわしたものです。 半はん減げん期き 半はん減げん期き 半はん減げん期き 半はん減げん期き 時じ間かん 放ほう射しゃ能のうの強つよさ 1 2 1 1 4 1 8 セシウム137 30年ねん 60年ねん 90年ねん 120年ねん セシウム134 2.1年ねん 4.2年ねん 6.3年ねん 8.4年ねん ヨウ素そ131 8日にち 16日にち 24日にち 32日にち 放ほう射しゃ能のうが減へ っていくようす 放ほう射しゃ線せんを出だして変かわった ｢ 別べつのもの｣。 ここでは、「別べつなもの」は放ほう射しゃ線せんを出だ さないものとします。 もとの放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつ 放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつの変へん化か （出しゅっ典てん）放ほう射しゃ線せんによる健けんこう康影えいきょう響等とうに関かんする統とう一いつ的てきな基き礎そ資し料りょう 平へい成せい24 年ねん度ど版ばん ver.2012001 及および サイエンスウィンドウ「放ほう射しゃ線せんってなあ に？」（科か学がく技ぎじゅつ術振しん興こう機き構こう）より作さく成せい放ほ う射し ゃ線せ んについて知しろう
放
ほう射
しゃ線
せんを受
うけると、どうなるの？
2-2
放ほう射しゃ線せんの利り用ようが広ひろまる中なか、たくさんの放ほう射しゃ線せんを受うけて、やけどを負おうなどの事じ 故こが起おきたことがあり ます。また、昭しょう和わ 20 年ねん（1945 年ねん）8 月がつには広ひろ島しまと長なが崎さきに原げん子し 爆ばく弾だん（原げん爆ばく）が落おとされ、多おおくの人ひと々びと が放ほう射しゃ線せんの影えい響きょうを受うけています。 こうした、放ほう射しゃ線せんの影えい響きょうを受うけた人ひと々びとの調ちょう査さが続つづけられてきました。しかし、放ほう射しゃ線せんが人ひとの健けん康こうにお よぼす悪わるい影えい響きょうについては、まだ科か 学がく的てきに十じゅう分ぶんには分わかっていません。（１）放
ほう射
しゃ線
せんの影
えい響
きょうを測
はかる単
たん位
い 長ながさや重おもさには、それぞれ大おおきさを表あらわす単たん位いがあります。長ながさはメートルやセンチメートル、重おもさは キログラムやグラムなどです。 放ほう射しゃ線せんは、どのくらいの量りょうを受うけると人じん体たいにどのような影えい響きょうがあるか、ある単たん位いを使つかって表あらわすことが できます。その単たん位いは、シーベルトといい、シーベルトの前まえにミリをつけたミリシーベルトや、マイク ロをつけたマイクロシーベルトを使つかって表あらわしています。 長ながさを表あらわす単たん位い の ｢1 メートル＝ 1000 ミリメートル｣ と同おなじで、1 シーベルトは 1000 ミリシー ベルトです。 マイクロは、ミリより小ちいさいときに使つかい、1 ミリシーベルトは 1000 マイクロシーベルトとなります。 1メートル＝１００センチメートル＝１０００ミリメートル 1センチメートル 1センチメートル 1ミリメートル 拡大 1シーベルト＝１００0ミリシーベルト 1ミリシーベルト＝１００0マイクロシーベルト 1マイクロシーベルト 1ミリシーベルト かく だい放ほ う射し ゃ線せ んについて知しろう
（２）自
し然
ぜんから受
うける放
ほう射
しゃ線
せんの量
りょう 日に本ほんでは、宇う宙ちゅうや地じ面めんなどの自し然ぜん、食た べ物ものから 1 年ねん間かんに受うけている放ほう射しゃ線せんの量りょうは、一ひとり人当あたり約やく2.1 ミリシーベルトです。ただし、これには、原げん子しりょく力発はつ電でん所しょの事じ 故こによって増ふ えた放ほう射しゃ線せんの量りょうはふくまれ ていません。 宇宙から 地面から 空気から 食べ物から う ちゅう 宇宙から 地面から 空気から 食べ物から う ちゅう 宇宙から 地面から 空気から 食べ物から う ちゅう 宇宙から 地面から 空気から 食べ物から う ちゅう 宇う宙ちゅうから 約やく0.3 ミリシーベルト 地じ面めんから 約やく0.3 ミリシーベルト 空くう気きから 約やく0.5 ミリシーベルト 食たべ物ものから 約やく1.0 ミリシーベルト （出しゅっ典てん）新しん版ぱん 生せい活かつ環かん境きょう放ほう射しゃ線せん（国こく民みん線せんりょう量の算さん定てい）より作さく成せい（３）体
からだに受
うける放
ほう射
しゃ線
せんの量
りょうと健
けん康
こう 私わたしたちは、自し然ぜんの中なかにもとからあった放ほう射しゃ線せんや、病びょう院いんのエックス線せん（レントゲン）撮さつ影えいなどによって 受うける放ほう射しゃ線せんの量りょうで、健けん康こう的てきな暮くらしができなくなるようなことを心しん配ぱいする必ひつ要ようはありません。しかし、 原げん子しりょく力発はつ電でん所しょの事じ故こによって健けん康こうへの影えい響きょうがあるのではないかと、多おおくの人ひとが不ふ安あんを感かんじています。 これまでの研けん究きゅうや調ちょう査さでは、たくさんの放ほう射しゃ線せんを受うけると、やけどをしたり、がんなどの病びょう気きになっ たりすることが確たしかめられています。しかし、一いち度どに 100 ミリシーベルト以い下かの低ひくい放ほう射しゃ線せんを人じん体たいが受う けた場ば合あい、放ほう射しゃ線せんだけを原げん因いんとして、がんなどの病びょう気きになるかどうかについては、様さま々ざまな意い見けんがあり、はっ きりとした結けつ論ろんは出で ていません。 また、放ほう射しゃ線せんを受うけた人ひとの子し孫そんに、 放ほう射しゃ線せんの影えい響きょうが伝つたわるという確たしか な証しょう拠こも得えられていません。 今こん後ご、低ひくい放ほう射しゃ線せんの人じん体たいへの影えい 響 きょう についても、安あん全ぜんのために研けんきゅう究 を進すすめ、できるだけ早はやく、科か学がく的てき に解と き明あかすことが必ひつ要ようです。が んなどの病びょう気きは、いろいろな原げん因いん が重かさなって起お こることもあります。 ですから、大おとな人はもちろんのこと、 これから長ながく生い きる子こ供どもたちは、 放ほう射しゃ線せんを受うける量りょうをできるだけ少すく なくすることが大たい切せつです。 mSv 0.01 0.1 100 10 110
mSv 10 × 1 回かい 2.1 × 50 年ねん105
mSv 0.2 × 10 回かい2.0
mSv 0.1 × 25 回かい2.5
mSv119.5
mSv
50年ねんで合ごう計けい C シー T ティー の精せい密みつ検けん査さ 1回かいで10mSv（検けん査さ内ない容ようで異ことなる） 40歳さいくらいで、精せい密みつ検けん査さを受うけるかも。 飛ひ行こう機きで移い動どう 東とうきょう京ーニューヨークの往おう復ふくで0.2mSv 海 かい 外 がい 旅りょ行こうは、大おと人なになってから10回かいくらい行いきたいな。 定てい期き健けん診しんのエックス線せん 1回かいで0.1mSv 25歳さいから25年ねん間かん、会かい社しゃにはいったら定てい期き健けん診しんを毎まい年とし1回かい受うけるはず。 自し然ぜんからの放ほう射しゃ線せん 1年ねんで2.1mSv 50年ねん住すんだ町まちの自し然ぜん放ほう射しゃ線せんの量りょうは、日に本ほんの平へい均きん値ちと同おなじだった。 環 かん 境 きょう から 1.1 mSv（年ねん間かん） 食 しょく 品 ひん から 1.0 mSv（年ねん間かん） 合 ごう 計 けい 2.1 mSv（年ねん間かん） 日に本ほんの平へい均きん値ち 放ほう射しゃ線せんの量りょうを計けい算さんしてみよう たとえば生うまれてから50年ねん間かんの被ひばくは？ 被 ひ ば く の 量 りょう 平 へい 成 せい 23年ねんの東とうきょう京電でんりょく力福ふく島しまだい第一いち原げん子しりょく力発はつ電でん所しょの 事じ故こによる影えい響きょうは数すう値ちにふくまれていません。 （mSv：ミリシーベルト） （出しゅっ典てん）サイエンスウィンドウ「放ほう射しゃ線せんってなあに？」（科か学がく技ぎじゅつ術振しん興こう機き構こう）より作さく成せい放
ほう射
しゃ線
せんから身
みを守
まもるには？
2-3
放ほ う射し ゃ線せ んについて知しろう（１）事
じ故
このときに身
みを守
まもるには
原げん子し 力りょく発はつ電でん所しょや放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつをあつかう施し設せつなどの事じ 故こ により、放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつが風かぜに乗のって飛と んでくる と、放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつから出でる放ほう射しゃ線せんを、体からだの外そとからと、体からだの中なかから受うけることがあります。 放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつを体からだの外そとから受う ける量りょうを少すくなくするための方ほう法ほうは三みっつあります。一ひとつは放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつからは なれること、もう一ひとつは放ほう射しゃ線せんを通とおしにくい建たて物ものの中なかに入はいること、そして三みっつ目め は放ほう射しゃ線せんを受うける時じ間かん を短みじかくすることです。建たて物ものの中なかに入はいったときは、放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつが建たて物ものの中なかに入はいらないように、ドアや窓まどを 閉しめ、外そとから空くう気き を取と りこむエアコンなどの使し用ようをひかえるなどの対たい策さくをとることが大たい切せつです。また、 長ながそでの服ふくを着きることで、放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつが体からだに付つかないようにすることができます。また、万まん一いち服ふくや体からだに 付ついても放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつは洗あらい流ながすことができます。 体からだの中なかから放ほう射しゃ線せんを受うけることから身みを守まもるには、体からだの中なかに放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつが入はいらないようにマスクをし たり、食たべ物ものや水みずにふくまれる「事じ故こによる放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつの量りょう」をできるだけ少すくなくするように気きをつけ たりするなど、対たい策さくをとることが大たい切せつです。体からだに入はいった放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつは時じ間かんがたてば少すくなくなりますが、 洗あらい流ながすようには簡かん単たんに取とりのぞけないため、注ちゅう意いする必ひつ要ようがあります。 なお、体からだの外そとから放ほう射しゃ線せんを受うけたことを原げん因いんとして、人ひとが放ほう射しゃ線せんを出だすようになることはありません し、かぜのように人ひとから人ひとにうつることもありません。 放射線から身を守る方法ほう しゃ せん み まも ほう ほう 放射性物質から身を守る方法ほう しゃ せい ぶっ しつ み まも ほう ほう ほうしゃ せん う じ かん みじか ③放射線を受ける時間を短くする たて もの なか はい ②コンクリートなどの建物の中に入る もく ぞう ほう ほう しゃ せん とお せい しつ （木造よりコンクリート の方が放射線を通しにく い性質があります） ほう しゃ せいぶっ しつ ①放射性物質から はなれる くう き ちょくせつ くち す 空気を直接吸いこまない （マスクやハンカチで口を おおいます） ほう じ こ しゃ せい ぶっ しつ りょう き た もの 食べ物にふくまれる 「事故による放射性 物質の量」に気をつける （例えば、安全性が確認 できない野生のものは食 べないようにする。野菜 はよく洗って食べる。） たと あん や あら た せい や さい たと ぜん せい かくにん放ほ う射し ゃ線せ んについて知しろう
（２）事
じ故
こが起
おこったときの心
こころ構
がまえ
放ほう射しゃ線せんを使つかっている施し設せつで事じ 故こ が起おこり、施し設せつの周まわりへの影えい響きょうが心しん配ぱいされるときには、市しや町まちや村むら、 あるいは県けんや国くにから避ひ難なんなどの指し示じが出だ され、この指し示じに基もとづいて、学がっ校こうから子こ供どもたちや保ほ護ご者しゃに指し示じ が伝つたえられることがあります。 その際さい、うわさなどにまどわされず、落おち着ついて行こう動どうすることが大たい切せつです。事じ 故こ 後ごの様よう子すに応おうじて、 指し示じの内ない容ようも変かわってくるので注ちゅう意いが必ひつ要ようです。 また、時じ間かんがたてば放ほう射しゃ性せい物ぶっ質しつは地じ面めんに落おちるなどして、空くう気き中ちゅうにふくまれる量りょうが少すくなくなっていき、 エアコンなどを使つかうことができるようになります。 このように、事じ故この影えい響きょうがおさまってくれば、とらなければならない対たい策さくも減へっていきます。 たい なん なん ひ ひ ほう しゃせい ぶっしつ み まも たい いえ し てい たて もの いえ し てい たて もの はな べつ ば しょ うつ なか はい ひ ひ たい ひ ひ なん ちゅう い てん退避・避難するときの注意点
退避と避難は、どちらも放射性物質から身を守ることであり、｢退避｣は家や指定された建物の中に入ること、｢避 難｣は家や指定された建物などからも離れて別の場所に移ることです。退 避
たい ひ避 難
ひ なん正確な
情報を基に
行動する
せい かく じょう ほう こう どう もと ●一斉放送、広報車、 ラジオ、防災無線など ●食器にふたをしたり ラップをかけたりする ●避難場所へは 徒歩で ●持ち物は 少なく ●ガスや電気を 消す ●戸じまりを しっかりする ●となり近所に も知らせる ●木造家屋より 放射線が通り ぬけにくいコ ンクリートの 建物への退避 指示が行われ ることもある ●外から帰ってきた ら顔や手を洗う ●ドアや窓を閉める いっ せい ほう そう こう ぼう さい む せん ほう しゃ ●エアコン（ 外から の空気を取りこむ もの）や換気扇の 使用をひかえる まど そと よう くう かん しょっ もく そと かえ かお て あら でん け と き ひ なん と ほ も すく し きん じょ もの ば しょ ぞう か おく ほう しゃ たて もの し じ おこな たい ひ せん とお き き せん し き と し～さらに自じ 分ぶんで調しらべてみよう ～参さん考こう Wウェブeb サイト～ （平へい成せい25 年ねん12 月がつ現げん在ざい） この副ふく読どく本ほんの作さく成せいにあたってご協きょう力りょくいただいた方かた々がた（五ごじゅう十音おん順じゅん） （職しょく名めいは平へい成せい25 年ねん12 月がつ末まつ日じつ現げん在ざい） 神田 玲子 独立行政法人放射線医学総合研究所放射線防護研究センター上席研究員 小林 一人 東京都立戸山高等学校教諭／日本理化学協会 田村 正弘 足立区立千寿小学校長／全国小学校理科研究協議会 中野 英水 板橋区立赤塚第二中学校教諭／全国中学校社会科教育研究会 牧野 崇 豊島区立池袋中学校主幹教諭／全国中学校理科教育研究会 宮澤 達也 東京都立町田高等学校主任教諭／全国地理教育研究会 室伏きみ子 国立大学法人お茶の水女子大学ヒューマンウェルフェアサイエンス研究教育寄附研究部門教授 諸岡 浩 西東京市立谷戸第二小学校長／全国連合小学校長会 文部科学省においては、次の者が本副読本の編集に当たりました。 塩見みづ枝 初等中等教育局教育課程課長 清原 洋一 初等中等教育局視学官 中尾 敏朗 初等中等教育局視学官 村山 哲哉 初等中等教育局教育課程課教科調査官 後藤 顕一 初等中等教育局教育課程課教科調査官 田代 直幸 初等中等教育局教育課程課教科調査官 谷口 哲也 初等中等教育局教育課程課教科調査官 平田 容章 初等中等教育局教育課程課専門官 写真提供・協力 経済産業省、環境省、文化庁、福島県災害対策本部、福島県教育委員会、伊達市教育委員会、浪江町教育委員会、エル グランツ株式会社、一般財団法人大阪科学技術センター、独立行政法人科学技術振興機構、株式会社浜島書店（最新理 科便覧）、独立行政法人放射線医学総合研究所
