• 検索結果がありません。

RA宣言.PDF

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "RA宣言.PDF"

Copied!
30
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

生きたマルチカルチュラルコミュニティーへの挑戦

2001 年 7 月

立命館アジア太平洋大学

(2)

∼これは RA とは何かを紹介する活動記録集です∼ AP ハウスは日本で最大規模、日本で初めての国際的な学生寮です。そこで の留学生の生活アシスタントが、我々レジデント・アシスタント(RA)です。 これまでに学内、学外から RA に関する質問が数多く寄せられました。今回は その質問にお答えするため、そして、RA 自身が「RA とは何か」を振り返り、 また今後のマニュアルとして活用できる活動集を作成しました。あえて、AP ハウスの詳細な説明はやめ、RA のみに焦点を絞り作成しました。 まず、最初に明記しておかなければならないのは、RA は特別な存在ではな いということです。AP ハウス設立の第一目的は「留学生が、翌年からの個人 生活をスムーズにスタートできるように、日本の生活を知り、慣れること」で す。AP ハウスは学生の大学生活、日常生活を支える場です。RA は同じ学生の 立場で、留学生をサポートする集団にすぎません。AP ハウス運営の上では、 寮生のリーダー的存在になりますが、それ以外では、APU の学生であり、AP ハウス・寮生の一人なのです。 APU が開学した昨年は AP ハウス運営も前例がなく、困難の連続でした。 それでも、私たちが RA を続けられるのは、寮生である大好きな友人たちのた め、そしてご指導くださる大学のスタッフがいるからだと思います。AP ハウ スをつくるのは RA だけではありません。寮生全員です。数々の衝突も失敗も ありましたが、それをバネにして改善策を考えています。 二年目からは国際学生も RA に仲間入りしています。国内学生、国際学生が 共に協力し合い運営する団体は APU でも RA が初めてです。異文化間交流、 異文化間協力は努力が必要ですが、いつか、AP ハウスを APU 一番の国際交流 ひろばにしていきたいと考えています。そして、寮生が「AP ハウスは楽しか った」「日本での生活が楽しい」といってもらえるように、RA として邁進して いきたいと思っています。

(3)

2000 年春セメスター RA 2000 年秋セメスター RA リーダー 2001 年春セメスター RA サブリーダー 田澤 直也

Resident Assistant(RA)の任務は、AP ハウスにおいて寮生の日常生活 を様々な面でサポートすることです。RA になろうと思ったのは、AP ハウスに 住んで国際学生達と一緒に生活したら、英語もうまくなるだろうし、いろんな言 語も文化も勉強できるかもしれないという、気軽な思いからでした。しかし、昨 春の入学とともに始まった RA としての生活は想像を絶するものでした。RA と しての 1 年間をひとことであらわすとしたら、「とにかく大変。でも楽しかった し、鍛えられました。」ということです。 学生達は、1 年後には AP ハウスを出て別府市内で生活することになります。 世界中から AP ハウスで学ぶことを熱望し集まってくる学生達が、「日本で生き ていくための基礎的な力を養う」のが AP ハウスです。AP ハウスや日本で生活 を送るにあたってのルールを教えること、AP ハウス内行事の企画・実施、日本 語の学習サポート、そして緊急対応などが RA の仕事になります。ほとんどの学 生は入学時点では日本語が話せませんので、言語の違いからくるトラブルも頻発 します。特に、生活習慣の違いからくるトラブルは、時には喧嘩に発展すること もあります。それぞれの国で生まれ、以来続けてきた各人の「常識」を変えるこ とは本当に難しいことです。そんな時は、ヒアリングを丁寧に行い、根気強く指 導していきます。全体に教訓化したほうがいいことは RA ミーティングで報告し、 徹底して議論してきました。

(4)

そして今年 RA2 年目を迎えています。やり残したことがまだまだあると思 い志願しました。1 年目は国内学生ばかりであった RA も、2 年目は国内学生と 国際学生半数ずつになりました。迎える側に各国からの国際学生がいるというの は、それだけで新入生にとっては大きな安心であり、コミュニケーションも円滑 となり、ルールの理解度も断然違います。また、国際学生 RA の場合は、前年度 AP ハウスで生活していた視点から見ることができることも大きなメリットで す。今年は、昨年の反省から必要と思われる課題(ゴミ問題、イベント、広報、 風紀、会計)に即し、グループを編成しました。昨年とは比較にならないほど、 AP ハウスは穏やかです。 RA は、AP ハウスに住む学生達にとって、時には母や父であり、教師であり、 オフィサーであり、管理人であり、そして同じ学生同士である、というようにい くつもの顔を持つことになります。時には激しく言い合うこともありますが、寮 生のなかから協力者がでてきたり、自室の前の伝言板に「ありがとうございまし た」なんてメッセージが書かれていたりすると感激でした。AP ハウスでは、互 いの違いを理解しなくては共に生活していくことは困難なことであり、人間が変 わっていく姿を目の当たりにしてきましたし、その中で自分も変わらざるを得ま せんでした。 24 時間年中無休、逃げられない立場に置かれる RA は、自分を鍛えるのに は最適です。

(5)

400 人以上の寮生と生活していく上でもっとも大切なことです。人と話すことが 好き、人と一緒に考えたり何かをしたりすることが好きでなければ、一緒に生活する ことはできません。また、RA は自分に対しての信頼を寮生に求めるだけでは寮生と は仲良くできません。そのためには心からのコミュニケーションとフェアな人間観察 が欠かせません。寮生との交流においては、必ず相手を信じ、固定されたイメージを 持たないように接する努力をしています。人間同士なので衝突も避けられませんが、 そんな時こそ人を信じることの難しさ、そして大切さを実感させられます。 RA には様々な義務があります。これを守ることができるかどうかは責任感の強さ にかかってきます。RA は特別な存在ではありませんが、AP ハウス運営に関わる以上、 リーダーになることも必要です。難しい対応、決断を迫られることもありますが、RA をしている以上無責任な対処はできません。AP ハウス管理人と、大学と、そして RA の仲間と連絡・報告・相談(ほうれんそう)を繰り返し行い、問題に取り組んでいき ます。 RA としては勝手な行動は許されません。寮生と仲良く楽しく生活するには協調 性が必要です。様々な話、意見を聞き、それぞれの長所を引き出すこと、そしてその 場に合わせ応用できる柔軟性を持つこと、これが幅広く寮生に対応していくための秘 訣なのです。

(6)

人を思いやる心が強ければ強いほど、寮生との絆は深まります。優しく、時には厳 しく生活しながら、相互理解を深めていくことを心がけています。 RA は常に公平な立場で寮生に接しなければなりません。寮生、大学、管理人と のコミュニケーションや連絡、報告は正確に行う義務があります。何が一番大切なの かを考える時にも、バランス感覚がなければ判断できないのです。 何事もあきらめずにより良い方向へ導くためのプラス思考と粘り強さは RA 活動 に必要です。そのためにあらゆるチャンスと可能性を活かそうとする姿勢を常に持と うと努力しています。日常生活から成長できる意識と環境作りが出来れば、AP ハウ スで充実した生活をおくることができることまちがいなしです。

(7)

RA は執行部(リーダーズ)の下に 5 つのグループを置き、AP ハウス業務を分担 しています。この 5 グループの相互協力による総合運営によって AP ハウス運営自治 を行っています。

風紀

騒音、モラル、飲酒、迷惑行為 対応 文化的背景による価値観の違いが現れる点です。あらゆる解釈がありますが、各個 人の文化的・宗教的背景を考慮しながら基本的には日本の基準で対応していくことが 多くなります。厳しくするだけでは楽しくないので、日本の生活習慣・マナーを学ぶ キャンペーンを実施したり、張り紙などで呼びかけていくことを考えます。 RA は安全確保と AP ハウスの現状認識のために毎晩巡回を行っています。AP ハ ウス内に何か問題が起きたら正確な情報を入手し、解決策を考えます。この分野の対 応は非常に難しくセンシティブなものです。 たとえば ・ 宗教的行事なのか文化的行事なのか判断できない 「AP ハウス内で宗教的自由はどこまであるの?」 ・ 楽しいはずのバースデーパーティー…隣人にとっては迷惑そのもの 「寮生の権利や自由…何が優先? 誰が優遇されるべき?」 ・ 音楽は思いっきり楽しみたい…人によっては音楽、人によっては騒音 「静かな寮? それとも楽しい生活?」

(8)

・ あれ? 女子専用フロアーに男性の姿が… 「あの子にとっては彼氏だけど、私はなんだか落ち着かない…」 ・ この匂いなんとかしてくれ! 「祖国のスパイスを使った料理を作っちゃいけないの?」 ・ 悪戯電話が鳴り止まない!ものがなくなった! 「事件事故はどう対応するの?」 ・ ○○の国の人はどうも嫌い… 「人種差別や男女差別をどうなくす?」 ・ あの子、いつもルールを守らないよ 「どんなペナルティーを与えるべき?」

美化

衛生管理・大掃除・ゴミ分別 400 人以上の共同生活では衛生管理を徹底しなければいけません。だから、美化 問題はRAにとって最大の課題と言っても過言ではありません。RAはキッチン掃除 当番表を作成し、各フロアーで実施しています。また、年に 2 回は必ず大掃除を実施 しています。 ゴミの分別も国際学生にとっては難しい生活習慣です。自国にゴミの分別の習慣が なかったり自国と分別方法が違い戸惑ったりする寮生が多いからでしょう。すべてを 理解してもらうには時間が必要です。あせらずゆっくり伝えていきます。 たとえば ・ 掃除当番を守らない人がいる… 「なんで掃除当番シフトを無視するの?罰則は加えるべきなの?」 ・ ゴミ集積所の燃えるゴミと燃えないゴミ分別がむちゃくちゃ 「別府市の清掃局がら苦情がきたけど、だれが掃除したらいいの?」 ・ 自分は汚してないんだから大掃除には参加しない 「共同責任の意識はどうすれば生まれるの?」 ・ リサイクルボックスにゴミがたまる… 「リサイクル意識を高めるには?」

(9)

イベント

RA 主催イベント企画運営 キャンパス敷地内にある AP ハウスにはこれといって楽しむ施設はありません。 そこで、寮生が楽しめるイベントを RA が企画したり、寮生に協力を求めて実施 したりしています。AP ハウス寮生が家族になれるようなハウス運営にはイベン ト企画が欠かせません。 たとえば ・過去にはこんなイベントが… 歓迎パーティー、ダンスパーティー、スポーツ大会、バザー、 カウントダウンパーティー、世界紅白歌合戦、などなど ・今後はこんなイベントを… ハイキング、温泉ツアー、ディベート、ワークショップ、勉強会、 各国料理大会、フライデーナイト企画(音楽の夕べなど)

管理

会計 AP ハウスではフロアー費(1人月額200円)を集めて、キッチン用品を揃 えています。主にその会計や物品管理を担当します。寮生への報告、物品チェッ クや注文などで忙しい部門でもあります。 たとえば ・バザーで得た収益で何を買おうか? ・ゴミ袋がもうない…買い出しに行かなきゃ ・フロアー費が高いって苦情がくるんだけど…

広報

AP ハウス新聞発行・ホームページ作成 AP ハウス寮生の同士の交流を深めるため、AP ハウス新聞を発行しています。 まだ、過去に2回しか発行できていませんが、AP ハウス寮生の活躍や寮の情報 を活字にして伝えていきたいと思っています。また、ホームページを作成して、 寮生へ AP ハウス情報をアップデートで知らせていきたいと思っています。 たとえば ・陸上部女子の活躍や今後のイベント情報を知らせたい

(10)

(RA 執行部)リーダーズ

RA 組織運営 RA にはリーダー1名、サブリーダー2名がいます。この3人が集まってリー ダーズと呼ばれています。リーダーズは AP ハウスだけではなく、RA の運営も 主に考えています。AP ハウス全体の正確な情報を把握しなければなりません。 その情報を中心にミーティングでの議題をリーダーズが決定していきます。RA の 相談を聞き、アドバイスすることも大切な役割のひとつです。リーダーズは管理 人と RA、大学と RA との架け橋となります。 たとえば ・RA の仲間が自信をなくしている ・定例 RA ミーティングの運営はどうしよう ・AP ハウス寮生の動向について大学に連絡しなくちゃ

管理チーム

風紀チーム

リーダーズ 美化チーム

イベントチーム

広報チーム

(11)

AP ハウスの総合管理運営責任者である大学と共に、AP ハウスのフロアー自治 を実践していくことも RA の大きな役割であり責任であります。そのために RA は 3 種類のミーティングの企画運営を行っています。 RA のみで行うミーティングです。RA 同士の連絡・報告・具体的な問題対処や今後 の予定について話し合う場所です。このミーティングを通して RA 同士の絆を深めて いきます。RA ミーティングは必要に応じて開かれるので時には夜中に招集なんてこ ともあります。 RA、大学(スチューデントオフィス)、AP ハウス管理人と 3 者が揃って毎週行っ ています。お互いの連絡と報告が主ですが、3 者の立場から AP ハウスの様々な問題 や課題について議論し解決策を考える大切なミーティングです。 月に 1 回、フロアー(各棟各階単位)で集まり、大学からの連絡や AP ハウスの問 題について話し合う場所です。寮生の意見を聞き、より良い運営につなげるために RA がもっとも活躍しなければならないミーティングです。寮生は全員参加しなければな りません。 ☆ フロアーミーティングを充実させるためには、「寮生の声を運営に反映」させなけ ればなりません! ・ まず、フロアーミーティングの日時や議題を寮生に連絡します。 ・ 議題について寮生の意見を聞きます。 ・ フロアーからの意見を RA ミーティングで発表し、他のフロアーから出た意見と ともに検討し、RA としての提案事項をまとめます。 ・ RA ミーティングでの決議事項を寮生に知らせます。 → (成果)この方法でインターネットルーム利用方法などの決定を行いました。 ☆ 事件事故やルール違反者への対応についてもディスカッションを行い。、各自の認 識と責任感を高める努力をしています。

(12)

RA は担当フロアーの様子を毎日記録しています。それが業務日誌です。安全確 認やキッチンの状態、寮生とのコミュニケーションなど、その日に行なったこと全 てを記録します。その日誌から RA が綴ったコメントを少し紹介します。 (2000 年度業務日誌より抜粋) 「今日も私がフロアーのゴミを片づけた。毎日私が片付けることが、果たしてみんな のためなのか?」 「○○という少し先輩の留学生を中心にしっかりとキッチン掃除をしてくれました。」 「共有スペースだからそこでしゃべったりするのはいいことだしコミュニケーション をとるのはいいことですが、どこまで騒いで良いのでしょうか。また、注意したり 彼らに伝えたりするのにはどうしたらいいのでしょうか。」 「アイロンが紛失している。誰に聞いても、持っていない、と言う。」 「朝食後、片付けず、一日中シンクにおいている学生がいる。張り紙をするのはレベ ルが低いので見かける寮生に言っている。なくなっていたシャワールームの籠が今 日ひとつ見つかった。深夜、窓をあけ音楽を大音量でかけながら熟睡している寮生 がいた。本人には明日注意する。」 「不燃ゴミを可燃ゴミ袋に入れようとしていたのを発見。一から説明し直した。」 「共有スペースでの飲酒は禁止であるが、○○国の人たちにとっては今日は特別の日 ということだったので、普段はしてはいけないということを伝えた上で飲酒を許可 した。」 「体調不良者はいないようだ。ホームシックに関してもほとんどないといっていい。」 「掃除当番はよくやってくれた。」 「夜の11 時すぎ、コンロの火がついたままだった。」 「シャワールームで髪を切った子がいた。」 「夜中に雪が降って積もってきたので留学生がガレージではしゃいでいた。」 「大掃除中に、もう終わり?、もう帰ってもいいの?などと無責任に言う寮生がいて ショックでした。」 「今日の掃除当番の○○がきれいにしてくれたようでキッチンはピカピカだった。と ても気持ちが良いキッチンだと思った。」

(13)

「今日のカウントダウンパーティーは最高だった。すべてが成功した。寮生も後片付け を手伝ってくれた。これぞ 21 世紀の AP ハウス未来像と言わんばかりにすばらしか った。」 (2001 年度業務日誌より抜粋) 「ゴミ分別がわからないと寮生が聞きにきてくれて、一緒にした。」 「○○から、隣がうるさい、と苦情の電話があった。該当部屋に電話したら、ごめん 静かにします、と言ってくれた。」 「昨日RA 全員でゴミ集積所の掃除をしたばかりなのに、もう回収されていなかった シールの付いたゴミ袋が4∼5個あった。」 「フロアーミーティングの出席率が徐々に悪くなっている。対処法を考える必要があ るだろう。」 「ゴールデンウィークになったせいで夜遅くまでうるさいことが多い。まあ寮生同士 が仲良くなってきた証でもあるから少し多めに見ようと思う。」 「○○君が部屋の中に閉じこもって元気がありません。気になります。」 「キッチンでの飲酒を発見した以外は問題なしですね。ゴミの分別が慣れてきたのか 段々と良くなってきています。」 「注意しても聞いてくれない寮生にはどう対応したらいいですか?」 「フロアーミーティングが終わった途端にみんながフロアーのゴミをゴミ集積所に持 っていった。ミーティングの効果あり。」 「今期のAP ハウスは休日でも本当にうるさくならないです。ほんの一部、音楽の大 きな部屋があったり、廊下で話をしていたりとその程度です。」 「本当に今期の寮生は静かなような気がします。色々な面でいい意味でも悪い意味で も。」 「○○さん、相変わらず殻に閉じこもったまま。」 「寮生同士の不和を全く聞かないが、そろそろ起きそうで、ふと不安になった。」 「最近キッチン掃除をしっかりしていないような気がする。ただ少し寮生同士にまか せて口出しを減らそうと思う。」 「○○さんが悪戯電話に困っている。」 「AP ハウスイベントのサッカー大会が喧嘩のようになってしまった。寮生が楽しめる ように企画したのに…しっかり反省し次のイベントにいかそう。」

(14)

総括 2001 年 7 月 13・14 日 RA はセメスター末に、活動を振り返る総括をしています。これは一セメスター通 しての活動を正式に記録に残し、次からの運営をより円滑に行うための大切な反省で す。フロアー、個人、グループなど RA 活動の全てを振り返ります。最新の活動内容 を一部、この冊子の中でも報告します。 入寮について (主な入居期間 2001 年 3 月 25 日∼3 月 28 日) ピックアップシステムの確立 初めて、正式に新入生のピックアップを受け付けるボランティア部隊を設置。 1) 福岡、大分空港に待機する旅行会社に、到着した新入生の確認とバス停、JR 駅 への誘導を依頼。 2) 確認の連絡を受けたら、ピックアップ責任者(村上、辻本、寮外生より下益田) が、事前に募集していたボランティアに、ピックアップ指令を出す。ボランテ ィアには、バスチケットかタクシーチケットを渡した。詳細なリストを作り、 確認済みのピックアップ依頼には責任者で割り振りを行った。 ※ ピックアップは鉄輪・古市の両バス停、深夜など特別なものは別府駅まで。 ※ 荷物が多い時は、大学職員による手助け、タクシーの手段を取った。 ピックアップ反省  初めての学生ピックアップ制度は大成功!! タクシーチケットで間違いが生じたため、次回からは管理と認識のために専用リスト を作成する。 ロビー待機 ・ RA は午前 9 時から午前 0 時まで、3 時間 3∼4 人ずつのシフトを作り、ロビーで 待機。 ・ 新寮生は到着後、管理人室にて入寮手続き。この時 RA1∼3名は、コピーなど、 管理人の手伝いをする。 ・ 誘導と居室説明は、基本的に、新寮生のフロア―の RA が行う。 ※ 居室の説明事項は RA でチェックリストを作った。

(15)

・ 主に、スージン、ヨンジェ、ボランティアのキム・ヨンチャン、ヒョン・ダインが 対応。 他の RA は荷物運びと誘導、管理人室での手伝いをした。 ※荷物はロビーの壁側に寄せ、動きやすく、運びやすく並べた。 ・ バスで韓国人寮生が到着後、ミーティンググループと入寮手続きグループに分けた。 ミーティンググループは AP ハウスルールブックを用いて、韓国語で説明をすすめ た。両方を終えた寮生をフロア―ごとに集め、2∼3回にわけて、誘導と居室説明 を行った。 ・ 保護者も、言葉や荷物運びなどを手伝ってくださった。 ・ 食堂の営業時間を延長してもらい、その放送を流した。 寮生の確認 ・ 入寮期間中は、毎日 RA ミーティングを実施。各フロア―の担当 RA が入寮者や人 数などを報告し、サブリーダー(田澤)が入居情報をまとめて記録をとる。ピック アップ責任者も、確認・報告をする。 入寮中の寮生とのコミュニケーション  昨年、「入寮中から入学式まですることがなく退屈だ。友達を作る場所が欲しい」と いう意見が寮生からでたので、RA がイベントを企画した。 ◇千羽鶴 寮生同士、寮生と RA が友達になれるように、ロビーで折り鶴を作った。目標の 3,000 羽を越え、AP ハウス・ウェルカムパーティーで紹介、その後老人ホームにプ レゼントした。 ◇AP ハウスウェルカムパーティー APU の学生も参加可能にし、パフォーマンスやゲーム、ダンスなどをしてたのしんだ。 RA も「明日があるさ」でパフォーマンスと事故紹介をし、大好評だった。 入寮に関する反省・その他 ・ 知らない間に担当フロア―に入寮していた寮生が数人いた。 →RA 同士の詳細な連絡、報告を欠かさない。 ・ 大人数での入寮の対応中に、それ以外の入寮者が手続きを終え、RA が十分な説明 を行うことができないことがあった。荷物の紛失、間違いもあった。 ・ 書類管理の徹底 巡回 (これまでの課題) ・ RA 巡回報告の不足 ・ RA 巡回の必要性と意義の見直し (巡回の実施方法)前セメスターから引き続きパートナーを固定し、午後 11 時前後

(16)

から 1 グループずつ毎日巡回した。昨年と同じ巡回日誌を使用。 (巡回によって発見される問題点) 火の後始末ができていない・節電ができない(特にシャワールーム)・共同スペース での飲酒・包丁の出しっ放し・衛星管理の悪さ・騒音全般・段ボールなどの荷物を廊 下に放置・ハウス内をキックボードで移動 (巡回中の対応)問題を見つけたら、その場で注意、記録。 フロア―の RA に報告。 (巡回の問題・今後の改善点と案) ・ 毎日行ってはいるものの、状態把握ができない。 ・ これまでの提出用日誌に加え、RA 記録用にノートをつくるのはどうか。 ・ 注意書きが必要ならば、ポストイットを準備し、巡回で持ち歩く。 ・ 倉庫の物品チェックは始動するのか? → どのように? ・ 個人で巡回の視点が違うので、パートナーの固定は避けたほうがいいのでは? キッチン・ゴミ分別 (これまでの課題)掃除当番が浸透していなかったため、ゴミ分別などがうまくいか ないこと。掃除当番が回らない。ゴミステーションが汚く、RA が掃除しなければな らない。 (対策)分別の説明・ゴミ袋にフロアーナンバー記入を徹底・RA が掃除当番に声を かけて掃除させる、手伝う・当番カレンダーや韓国人寮生には、韓国語の分別の張り 紙を配布・ゴミステーション掃除を実施 (結果)ゴミ分別 → やや改善したが、まだ、理解できていない。 キッチンの状態 → 自発的に掃除する寮生が増え、昨セメスターよりもきれいに 保たれるようになった。 ゴミステーション → 清掃局から苦情が何度も来た。掃除は数名の寮生と RA で行い、ほとんど協力がなかった。」 (今後の課題)ゴミステーション掃除をどのように行うか。 事件・事故・安全管理 (これまでの課題) パーティーによる騒音 ・ 日常生活の騒音に関して、どの段階で注意すればよいかの基準設定

(17)

規模などの様子をみて対応。うるさいものは全て注意に行くこと、RA からだけで はなく、寮生同士も呼びかけがしやすいような雰囲気作りを心がける ・ 地震が多かった → 特に対処はしていないが、地震後にキッチンで火のチェック をした。今後は地震に対してのマニュアルを作る必要がある。 ・ コンロの火の後始末ができていない → 管理人巡回による記録を寮生に掲示で 知らせ呼びかけた。コンロの周りを清潔に保ち、燃えやすいものを周辺に置かない ように指導。 ・ 自動販売機にいたずら → 呼びかけの徹底。現場を発見した場合は厳しく指導。 (今後の課題) ・ 試験前や宿題に終われ、ストレスがたまる時期に事件が起きる傾向がある。イベン トの定期化で、楽しく魅力的な企画を考えていく必要がある。 ・ キャンペーン活動などで、一方的な注意ではなく、素直に理解してもらえるような 工夫をもっとすべき。 フロアーミーティング (これまでの課題)意見交換の場にし、寮生の意見を吸い上げる・出席率の低下を食 い止める・フロアー費回収(200 円)を円滑に行う (今セメスターミーティング状況) 3∼5月は新入生の紹介やインターネットルー ム・ルール設定の議題で、高い出席率であったが、6・7月は連絡伝達に留まってし まったため、有意義なディスカッションができず、出席する寮生が少なかった。 (今後の課題) ・ 寮生の意見を吸い上げることにもっと着目していく。 ・ 統一したレジュメを配り、細かい注意事項は個人で読むだけにし、重要な議題や寮 生からでた話題を大きく取り上げて進行させる有意義な方法をとる。 ・ “フロアーミーティング”の名前を変えて楽しく集まることのできる名前にした方 が良いのでは? RA 同士のコミュニケーション RA ミーティングが少なすぎたため、RA 個人の悩みを全員で話し合うことがほとん どできなかった。今セメスターのこの反省により、RA ミーティングは昨年のように 定期化するべきである。 互いに協力を求めて上手く連係をとることができ部分もあった。 全てを 2 言語で進行させるのは時間のかかる RA のミーティングにおいては不可能だ が、レジュメや通訳の時間を設けて、要領よくミーティングを進めていくようにした い。

(18)

フロアー反省・感想 ・ 問題がほとんどなく、仲良く生活できた。AP ハウスは素晴らしい。楽しいです。 ありがとうと言ってもらえたときはとっても嬉しかった。 ・ 物がなくなったり、掲示物が捨てられたり・・・もっと楽しいフロアーにしたい。 でも、親切な人、仲のいい人もたくさんいるので私自身が支えられることも多々あ った。 ・ 大きな問題もなく、フロアーの寮生が親切でとても感謝している。パートナーとの コミュニケーションもよくとれた。 ・ フロア‐ミーティングをもっと楽しく進行させ、おしゃべりなどで盛り上げること ができなかった。 ・ ゴミ当番が上手くまわらず、大変だった。集団生活という点で、寮生の意識を上げ ていきたい。

(19)

(2000 年春セメスターRA・秋セメスター RA サブリーダー) 安 道幹 1年間の RA 生活を通して思うことは、相手を助けることよりも、こちらが学んだ ことのほうが多かったということかな。本当にいろんなことを学んだよ。RA として、 そしてサブリーダーとして自分ができることは何なのか。留学生との摩擦もあった。 気持ちを伝えたいのに言葉がわからず、めっちゃ歯がゆい思いをしたこともあったな。 RA や SO との会議でも本当にいろんなこと学んだよ。自分の意見を伝える難しさ、 会議をまとめる難しさ、本当に勉強になった。(SO の守末さんには本当に多くのこと を教えてもらいました、バランス感覚を持つこと、腹が立っても怒らず冷静になる大 切さ、うまくいかない人がいるからってあきらめないこと、数え上げるとキリがな い!!) 生活レベルでまったく文化の違う留学生と接するというのはどういうことなのか。 そこには自分にとって信じられない習慣が存在していたり、なかなか分かり合えない 人間関係があった。しかしどんなにつらくても体当たりでぶつかることの大切さを学 んだ。そこには必ず人として分かり合える瞬間があり、それが人間関係の原点である ことを学べたことが RA を通して学んだ一番大きなことだ。 (2000 年春・秋セメスターRA) 黒川 あかね 私が一年間 RA を経験し、得たものは言葉に言い表せないほど大きなものである。 RA になるまではひとつ屋根の下での留学生との共同生活への期待と不安で満ち溢れ ていたが、実際楽しいことばかりではなかった。前期は1フロアーに4人いた RA も 後期では私1人で1フロアーを任されることになり、正直、はじめは不安とプレッシ ャーで一杯だった。生まれて初めての留学生35人に対して日本人は私1人という状 態の中で、私は彼らに何ができるだろうか。そればかりが常に頭をよぎった。しかし、 初めてのフロアーパーティーで私の拙い英語での説明にもかかわらず、留学生のみん なが楽しく「しあわせなら手をたたこう」を輪になって、歌って踊ってくれたときは 涙が溢れた。たとえ国や言語、宗教などが違っても、相手への自分の一生懸命な気持 ちがあれば、必ずその思いは届くということをあの時改めて実感した。私にとっての あの感動と喜びは一生の宝物だ。

(20)

(2000 年春・秋セメスター RA) 下益田 和花 私にとってRAとは等身大の自分を映し出す鏡だったように思える。私たちRAは、 今自分達が何を考え、行動しなければならないのかということを常に考えなければな らなかった。RAという仕事をしていく上で、RAの仲間達や職員の皆さん、留学生 と何度も衝突した。しかし、その衝突や自分の中での葛藤があったからこそ、お互い 成長できたのだと思う。留学生との交流、異文化理解といったきれい事だけではなか ったが、あの時にしかできなかった経験ができた。そして、「信頼」を築くということ がどんなに大変かということもAPハウスでの生活から学ぶことができた。相手への 思いやりの大切さや、その他にもたくさんのことをRAという仕事を通じて勉強でき た。一年間APハウスで過ごせたことは、私にとってとても大きな財産になったよう に思える。 (2000 年春・秋セメスター、2001 年 春セメスター RA) 道家 麻衣子 私が RA になったのは、人と人との心のつながりを大切にしたいと思ったからで す。私が一番はじめに壁にぶちあたったのが「RA とはなんだろう」ということでし た。RA は全く意味のないものだと寮生から言われた時は大変ショックでした。ゴミ そうじもしてどんなに辛くても寮生の前だけではいつも明るくいよう!と思って頑張 っていたので裏切られたような気がしました。友達と RA って、人生って…といろん なことを話しました。 私の人生のなかで大切な物はやっぱり家族です。どんなにケンカしてもどんなに 傷ついても帰って温かく迎えてくれるのは家族でした。遠い国から日本に来て毎日な いている寮生を見て、助けてあげたい、支えてあげたい、そういう気持ちは家族に通 じるものではないでしょうか。別に何か恩返しを望んで RA をするのではなく、ただ いつか大人になった時、「一緒に泣いてくれた人がいたなあ…一緒に笑ってくれた人

(21)

(2000 年春・秋セメスター、2001 年 春セメスター RA) 倉田 野依 AP ハウスでの生活は、住人以外の人間(特に一般の日本人学生)から見れば、 非日常的なもののように感じられるかもしれない。約50カ国からやってきたさまざ まな学生があの屋根の下で共に生活しているのであるから。しかし、RA として1年 以上 AP ハウスで生活をしていて思うのは、紛れもなくそこでの生活が我々の日常で あるということだ。確かに、文化的な相違が原因となる問題も多々生まれてはいるが、 それ以上にゴミの問題やら、キッチンの掃除やら、騒音の問題やらと、普通の生活に かかわる、または、近所づきあいのルールにかかわるような問題の対処に追われてい ることが RA の仕事の大部分であるともいえる。そうした、寮生の起こす問題に日常 的に関わっていくことは、決して楽ではない。だが、多くの留学生と近い立場で過ご すことにより生まれる、ちょっとした非日常が貴重なものであるからこそ、私は RA としての活動を続けているともいえるのだろう。

(22)

(2000 年春・秋セメスター、2001 年 春セメスター RA) 谷出 順子 確かに高校までは、自分の周りの人間が日本語しか話さない、または話せない人々 ばかりであった。しかし、ここ APU に来て RA として AP ハウスで生活する中で、 どちらかと言えば私の場合、英語を話す機会が比較的多く、日本語以上に英語で会話 し、一日の大半をほぼ英語を話すのみで過ごす日が多い。自分でいうのもおかしな話 だが、私にとって英語は日本語以上に、話していて心地よい。高校時代に、1年間ニ ュージーランドで留学していたが、なぜだかその当時このように感じたことはなかっ たように思う。確かに、どこで英語を学んだといえば、ニュージーランドであるが、 ここ AP ハウスで生活して初めて、英語に親しみを覚え始めた。  AP ハウスに住み始めた当初、自分の英語力のなさには何度もがっかりしていたも のだ。留学生で、日本語の全く話せない子がいても、うまく英語が話せず、内容がき ちんと彼もしくは彼女に伝わらず、頭を抱えていた。ある日、寮生の一人(英語しか 話せない)を病院へ連れて行ったときも、彼はいったいどこが悪いのかよく理解でき ず、病院の医者と辞書を片手に症状の通訳をしたのをおぼえている。  APU では主に、英語、日本語が話されているが、個人的に私は、各国からの留学生 が母語でキャンパス内を話して歩いているのを見かけるのが好きである。私は、入学 当初、50数カ国語すべての言語をマスターしたいなど、大意を抱いていたものだ。 今現在、私は、中国語、ヒンディー語などを必死にまなんでいるが、それら、二つを 学ぶだけでも、骨を折っている。しかし、言語を学ぶ楽しみを一度味わえば、かなり 癖になるものだ。まだ第二言語である英語すら、満足に話せないのに、第三、第四言 語にまで手を伸ばしてしまう。この楽しみ面白さは、RA として留学生と共に生活し ていく上で知ったものであると感じている。 (2000 年秋セメスター RA) 土屋 麻里子 ゴミの問題が大変でした。当番を忘れたり、ゴミ分別が完全にできないことが多く

(23)

こともあります。一方、RA が注意ばかりしていたら、寮生にとってAPハウス生活は おもしろくないものになってしまいます。自分がRAでいる時と、そうでない普通の 友達でいる時とを区別する必要があると思いました。 (2000 年春・秋セメスター RA) 梅坪 和音 RA はえらくなんかない。頭の中はみんなと一緒だし、生活の仕方だって一緒だ。 寮生が RA に対して「友達」という感覚を持ってくれれば、お互いを受け入れやすい、 これが私の考えでした。 RA を辞める時、フロアの子たちがパーティーをしてくれて プレゼントまでくれ ました。ただ一緒に生活してるという感覚でしかなかった私は 一体彼らに何ができた のか考えさせられました。RA という名がなかったら、このパーティーもなかっただ ろうと思いました。でも私は実際 RA として彼らと生活していたのであり彼らが感謝 の意で企画してくれたのだから、きっと何らかの形で役に立てたのだろうと思いまし た。 「早く寮を出たい、RA を辞めたい…」多くの RA が一度は思ったことだと思いま す。 でもきっとみんな、退寮するときは少し寂しかったはずです。それは私たちが AP ハウスという所で形にはならない何か大きなものを得たからだと思います。あん な貴重な棲家は他にないし、もう一生住むチャンスもないでしょう。いい経験させて もらいました。 (2000 年春・秋セメスター RA) 田中 奈津子 後半から私は RA として自分のフロアーのキッチンを中心に仕事をした。ゴミ当番 表や、掃除当番表を毎月作って、それを配り、できていない当番の人に声をかけた。 でも結局やらない人はいくら声をかけてもしないし、やってくれる人は自分の当番で なくてもしてくれる。私がキッチンで、たまって分別されていないゴミを縛って持っ ていこうとすると、気づいて手伝ってくれる寮生もいれば、気づいていないかのよう に素通りする寮生もいた。それはインターナショナルだとか異文化だからとかは問題 ではない。ただ人間として相手のことを考えることができるかどうかだと思う。 後半からキッチンを中心に RA の仕事をしたといったが、その理由も自分のフロア のキッチンはできるだけきれいにしておきたかったからだ。キッチンが汚いと RA の 力量が足りないように見られているみたいで嫌だった。でも、今思い出すとそれは間

(24)

違っていたと思う。よくよく考えると、気づかない振りをして手伝ってくれなかった 寮生やいくら声をかけてもゴミを捨てにいってくれなかった寮生と私の間に信頼関係 はなかったのだ。もっとその寮生と話をして密接に付き合っていたらきっと手伝って くれたし、ゴミだって捨てにいったと思う。もう最後のほうになると「あの寮生はゴ ミを捨てにいってくれない」とあきらめて、自分でゴミを捨てに行った。結局それで キッチンはきれいになり、はたから見れば RA の仕事をしていることになる。でも本 当の RA の力量というのは寮生を信頼し信頼されることだと思う。キッチンがきれい になるということはその結果であって、そこを私は間違っていたと思う。だからもっ と自分のフロアーの全寮生を信頼し、信頼されるように努力すればよかったなぁと今 は思う。 (2000 年春・秋セメスター、2001 年 春セメスター RA) 竹林 誠悟 私がこの 1 年間 RA を通じて心がけてきた、そして 1 番大切にしてきた事は「いか に AP ハウスを楽しむか、楽しませるか!?」という事である。「楽しむ」「楽しませる」 という事は簡単なようにみえて、実は非常に難しい。私が RA として1年間活動して出 した答えは以下の通りだ。 1、 常にアンテナを張り巡らせ、寮生の精神的・生活的状況を把握する 2、 自分から積極的にコミュニケーションしていく 3、 イベントを企画運営する事で AP ハウスを盛り上げる 4、 まず自分が AP ハウスで生活する事を楽しむ このように私が考えた理由として(1)については AP ハウスに RA 以外の寮生は 全員が留学生で、初めて日本にくる学生も多いので、精神的に疲れていないか、カルチ ャーショックは大丈夫か、生活の面でも何か不自由な事はないかなど、私達はこういっ た寮生の現状について把握しておく必要があると考える。その為、私たちは常にアン テナを張りめぐらせておく必要がある。  しかし、このようにある程度のことを把握しておくには日々の(2)の寮生とのコ ミュニケーションが非常に大切なカギを握る。いつも話をしている寮生とはもちろん、 そうでない学生とも積極的にコミュニケーションをしていくことを試みた。もちろん、

(25)

るので、ハウスの魅力をつくっていくのにもよいと考える。 (4)のまず自分が AP ハウスを楽しむということについては、やはり自分自身が楽 しくなければ寮生のみんなもついてこない。遊びにおいても、仕事においても自分自 身で楽しみ方を見つけることが非常に大切であると思う。 このように私は 1 年間 RA を通じて様々なことを学び、発見し、経験した。これか らも引き続き RA をしていくので AP ハウスの発展に、自分自身の成長に全力で尽く していきたい。 (2000 年春・秋セメスター RA) 西田 雄一 今振り返れば、あの時は非常に短いものであった。今まで、日本人に囲まれて生活 してきた私にとって、突然 30 カ国以上から来た留学生たちに囲まれた生活するのは、 本当に不思議なできごとのように感じられた。初めの頃、英語があまりできなくて、 それでもよく私のところに来てくれる人がいて、紙とペンと辞書を使いながら一生懸 命コミュニケーションしていたことを思い出す。それから友達も次第に増えてきて、 数カ国の人が集まってマレーダンスをすることもよくあった。もちろん楽しいことば かりではなく、大変なこともあった。騒音・喫煙・飲酒・部外者の内泊など、いくつ もの問題に直面した。国際学生にごみの出し方を教えても、なかなか綺麗にならなく、 RA が掃除することも度々あった。でも、そんな時に手伝いに来てくれた数人の国際 学生が私たちを支えていてくれた。そして、何よりも RA 全員でこれらの問題に立ち 向かってきたことを誇りに思います。この夢のような体験は、必ずや私達の将来で役 に立つものと思います。

(26)

APU 学生部長(AP ハウス長) 木村 一信 2000 年 3 月に愛知県の犬山市において、全国私立大学連盟の学生部・部課長会 議が開かれました。早稲田や慶応、立命や同志社といった日本の有数の大学が参加し ているこの会議は、毎年、全国規模の会を開いて、今の日本の大学が抱える学生に関 わる問題が論議されます。 初めて参加した APU(私と今村次長が出席)は、各分科会において注目の的とい うか、質問攻めにあうといった経験をいたしました。その主なものは全学生の半数が 留学生(国際学生)といったシステムをどのように日々運営していっているのですか、 という点に集中しました。各大学は全構成員の一割にも満たない留学生の対処のこと で四苦八苦しているのが実状で、その中で APU はどういった「ノウ・ハウ」をもっ ているのか教えてほしいという声が多かったのです。 とりわけ、AP ハウスの運営のことが話題にあがりました。私は「RA」制度のこ とを詳しく説明しました。具体的には 2000 年度の RA が、新入生でありながら同学 年、同年齢(あるいは年上)の国際学生の生活上のサポートをすることの困難を紹介 しましたが、一方で多くのトラブルと共に、いかにそれらが RA 一人一人の成長につ ながっていったかについて話しをしました。他の大学の教職員の多くがこの RA 制度 に関心を持ち、とりわけ RA の人たちと直接に会って話を聞いてみたいという気持ち を持ったようでした。 RA のみなさんは日頃は地味で目立たない仕事(勉強)をしていることでしょう。 しかし、それは必ず人々の、とりわけ大学関係者の注目をひく仕事なのだという自信 を持って進んでいって下さい。RA のみなさんの日々の努力には心から感謝しており ます。 APU 学生部次長

(27)

その自らへの問いかけに、挑んでいった彼らのあまりに長い苦闘の半年に、RAに 関するすべての課題が凝縮されている。APUという大学自体が、常にフロンティア でありつづけなければならない使命を背負っているが、RAもまた日々生起する「問 題解決」という洪水にさらされながら葛藤を乗り越え、APハウスの記念すべき第一 歩の歩みを大きく進めた。第 1 期RA達に心から敬意と感謝の拍手を送りたいと思う。 さて、我々は、この秋にすでに第 4 期のRA集団を形成しようとしている。第4期 のRAは、第 1 期から第3期までのRAが中心となって築いてきたAPハウスの歴史 の上にたって、今度は「APハウス2」という巨大なテーマに挑戦しなければならな い。 ふたつのAPハウスは、国際学生のキャンパスライフの揺りかごとしての役割を担 いつつ、国内学生、交換留学生、国際学生の交流拠点としての飛躍が求められている。 いいかえれば、これからのAPハウスは、国際学生が、APU人としてのありかた、 日本で生活する市民としてのありかたを学ぶ場であるとともに、キャンパスを構成す る様々な学生達が、ともに学び交流しながら成長し、生涯にわたる友情と連帯を育む 場でなければならない。 キャンパスにそそぐ風は、常にAPハウスから吹いているのである。 APU スチューデントオフィス課長 川口 潔

「RA ほど大変なものはない!?」「いや、RA こそは最も APU らしい!」「異文化

を理解することや国際交流の最前線!」…RA について考える時、いろいろな表現が できます。 世界50を越える国と地域から APU に集う新入生を AP ハウスに迎える訳ですか ら、「異文化交流」とか「国際理解」などと言うきれい事では済まないこともあるかと 思います。正課授業やクラブやサークルといった課外活動などの目的や役割が明確な 場面では、問題が起きることはあまりありません。しかし、生活の場である AP ハウ スでは少し状況が異なります。予想もできないような「マルチ・プロブレム」がいつ、 どのような時に起きるとも限りません。でも、だからこそ「面白い」と考えて下さい。 RA の皆さんが対応するトラブルシューティングの経験が、これからの地球化時代の 人と人との関係、国や地域どうしの関係を考える上でとてつもなく大きな財産になる と思います。 さらに大事なことは、AP ハウスとしての目標を掲げることです。どんな AP ハウ スにしたいのか、自分たちの住むフロアーをどのようにしたいのかなど積極的で建設 的な目標を考えてみて下さい。それを常に AP ハウスの運営や活動の指針にすれば、 きっと、皆が快適に思える AP ハウスにできるはずです。 RA の皆さんの AP ハウスでの奮闘に心より期待しています!

(28)

APU スチューデントオフィス 寮担当 守末 恵 寮担当職員として RA と日々向き合えたことは、大学職員としてだけではなく私自 身にとっても大きな収穫でした。AP ハウスがスタートしたばかりの時は、寮運営そ して寮生指導のどこまでを RA に担わせるべきか、と自問自答を繰り返していました。 私自身の RA 指導方針がこんな形でぐらついていたのですから、RA もさぞかし心細 かったことでしょう。彼らからの反発も納得がいく分、悩みました。 RA という任務は 24 時間、逃げも隠れもできないものです。「寮生指導」も基本 的には問題ある学生を「注意」するわけですから楽しいはずがありません。時には彼 らの大学への報告が寮生の進退問題にも影響を与えることもあります。ゴミなどの生 活指導を健気にこなしながら、一方では事件事故対応という局面にも確固たる自信を もって行動しなければならないのです。RA という仕事はやる気がなければかったる くてやってられない、責任感が強すぎると周りと衝突する、優しすぎると傷つく…そ んな辛い仕事であることは間違いありません。しかし結局は「人のために何かしたい」 という意思を持った健気で優しい学生が RA になるものですから、大概の RA の肩は コチコチになってしまうのです。 そんな彼らの頑張りや悩んでいる姿を見つめながら、一つの考えが私の中で育ち始 めていました。「RA という任務は寮運営のためにあるよりもまず先に、RA 自身の経 験や成長のためにあるべきだ。RA がそれぞれ個人で考えながら挑戦していけばいい。 結果として寮運営や寮生指導がうまくいかなくてもいい。結局は RA も大学生の自主 活動の一環なのだからそれを応援して見守っていくのが私にできる最大のことなので はないか。」こう考えるようになって、寮担当としての私の焦りは消え去り、初めて RA とまともに向き合えるようになりました。 今や AP ハウスという寮も RA の存在なくしては考えられなくなっています。ずい ぶんと強くたくましく、そして相変わらず優しい RA 集団として成長したものだ、と 嬉しく思います。AP ハウスの発展は RA の成長とともにあるといっても過言ではな いでしょう。

(29)

なぁ。”というのが素直な感想である。 とにもかくにも、AP ハウスの運営が“奇跡的”にうまくいっているのも、R.A. の功績によるものが大きく、われわれ管理人も感謝していると共に、“こちらも努力し なきゃ。”と思わせられる事しきりである。とはいえ、あまり褒めすぎても良くないの で、これからの希望も込め、私の思う“R.A.の在るべき姿”を書き、苦言を呈してお こう。言われた事を淡々とこなすのなら、機械でもできると思う。人として任用され ているのなら、自分から仕事を探し、動けるようになって欲しい。“仕事は有能な人の ところに集まる、憂うのではなく喜べ。”という言葉もあり、信用される人間というも のは、どうしても忙しくなってしまうものである。寮生から信用され、自然と仕事が 集まって来る R.A.になってもらいたい。“困った時は管理人室に来てくれれば、出来る だけの手伝いはするからさ。”

(30)

2000 年度春セメスターRA 道家麻衣子、小又あや、渡辺曜子、黒木まゆみ、米内山仁、瀬古聡史、竹林誠悟、 佐々木宏、西田雄一、張世然、田坂昌平、日向寺正敏、安道幹、下益田和花、 谷出順子、冨安ななみ、倉田野依、村上舞、鍵谷依子、田中奈津子、松尾百合子、 高橋義和、坂谷内健、和田知尋、田澤直也、八代直樹、久保元宏、田川晋世、 梅坪和音、中川詩葉、橋本真美、黒川あかね、吉川千晴、矢野理恵、柳淑花(35 名) 2000 年度秋セメスターRA 田澤直也(リーダー)、村上舞(サブリーダー)、安道幹(サブリーダー)、西田雄一、 谷出順子、竹林誠悟、倉田野依、橋本真美、黒川あかね、下益田和花、田中奈津子、 吉川千晴、梅坪和音、黒木まゆみ、道家麻衣子、土屋麻里子(16 名) 2001 年度春セメスターRA Wu Shiow Roei(リーダー)、田澤直也(サブリーダ)、村上舞(サブリーダー)、 倉田野依、竹林誠悟、辻本文香、橋本真美、深澤彰、谷出順子、松本育恵、道家麻 衣子、藤田とし子、Mazhar Abdul Hamid, Choi Yong Jae, Wilbur Juria Gadicho, Nunnapa Poosuwan, Lee Su Jin, Ei Set Set Poe, Setiawan Rifky, Abhinav Thapliyal, Edy Santoso, Uniyal Sarita, Shradha Chowdhury

(23 名)

『RA 宣言』編集:村上舞(RA)

参照

関連したドキュメント

 私は,2 ,3 ,5 ,1 ,4 の順で手をつけたいと思った。私には立体図形を脳内で描くことが難

町の中心にある「田中 さん家」は、自分の家 のように、料理をした り、畑を作ったり、時 にはのんびり寝てみた

参加者は自分が HLAB で感じたことをアラムナイに ぶつけたり、アラムナイは自分の体験を参加者に語っ たりと、両者にとって自分の

私たちは、私たちの先人たちにより幾世代 にわたって、受け継ぎ、伝え残されてきた伝

私たちは主に 2019

絶えざる技術革新と急激に進んだ流通革命は、私たちの生活の利便性

自然言語というのは、生得 な文法 があるということです。 生まれつき に、人 に わっている 力を って乳幼児が獲得できる言語だという え です。 語の それ自 も、 から

真竹は約 120 年ごとに一斉に花を咲かせ、枯れてしまう そうです。昭和 40 年代にこの開花があり、必要な量の竹