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砂質地山の地震時非線形応答解析

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(1)

砂質地山の地震時非線形応答解析

大根義男

9

四俵正俊ヲ奥村哲夫ヲ小嶋寿麿

Non

LinearResponse A

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OKUMURA and Toshimaro KO

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斜面を有する土質構造物が飽和状態にある場合の地震時における安定性の評価方法は,現在のとこ ろほとんど確立されていない。これは土の動的強度の推定及び評価方法,あるいは解析手法等に関す る種々の問題点が明確化されていないためである。 本研究は,ダムの貯水により飽和した砂質地山をモデルとし,地震日寺における斜面の安定性を評価 する一試法について述べたものである。解析には9 液状化試験によって求めた材料の非線形性が取り 入れられている。そしてヲ安定性を評価する意味から地山の振動性状と液状化の発生過程が明らかに されている。 1. はじめに 新潟地震(1964年)以後地震時における飽和砂質地盤 の液状化に関する研究が国内外を問わず盛んに行なわれ, その発生機構や現象について実験的に多く解明されてき た。また,大型計算機の発達により,波動理論,集中質 量法,有限要素法等を用いた応答解析も可能となり現在 急速な進歩をとげている。 地震持における液状化発生可否の推定は,室内試験か ら得られる非排水動的強度と応答解析結果から求められ る動的せん断応力を直接比較して行なっている。この場 合,対象となる土構造物の破壊は土中の有効応力がゼロ となるいわゆる完全液状化状態,もしくは液状化現象特 有の問げき水圧(または,ひずみ)急増点によって定義 される。しかし,飽和砂質地盤や盛土,特に斜面を有す る場合の地震時の挙動はその断面形状の影響を強く受け, 局部的な破壊,さらには進行性破壊の現象を呈すること が考えられ,上述の完全液状化とか間げき水圧の急増点 に着目した破壊の定義による検討は危険側の結果となる。 従って,この種の地盤や構造物の地震時の安全性を十分 な精度で評価するためには,液状化に至るまでの過程に おける振動性状,応力状態などを時間毎に逐次検討し, この種の破壊現象を詳細に調査する必要があると考えら れしる。 本報告は,ダムの貯水により飽和した砂質地山につい て動的変形特性のひずみ,および応力依存性を取り入れ た非線形振動解析を行ない,液状化に至るまでの地山の 振動性状,応力状態等を調べ地山の地震時の安定性を検 討した結果である。 2. 解析 2・1 解析手法 解析は有限要素法により材料の非線形性を考慮して行 なった。また,運動方程式の解法は逐次積分法により行 なった。 多自由度の振動系の運動方程式は 1自由度の振動系 の場合と同様に式(1)のように現わされる。 [M]{.i (t))

+

[C]{i(t )}十[K]{x(t)}

=

ρ{(t)} (1) ここで, [M]・質量マトリックス [C]:減衰マトリックス [K]:剛性7 トリックス {i},{i},{x} 加速度,速度および変位ベク卜 / レ {ρ(t)} :節点外力ベクトル いま,任意の時刻 tにおける変位成分をい(t)}とする と,Ll

t

秒後の変位および速度は,テーラー展開ヲ台形 積分公式を用いて表わすと式(2)および式(3)のようになるo {x(t+Ll t)}={工(t)

}十{工(t)}Ll t+~

{i(t)}Llt'

+

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i

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t)}十{工(t十Llt)} ( 工(t+dt)}={t(t)}+d f 2 ( 3 )

(2)

276 大根義男。四俵正俊・奥村哲夫・小嶋寿麿 なおラ式(2)において 4次以降の項は無視できるものと 仮定し 3次の項の係数βを導入し2次の項に置き換え ると結局式(2)は, {x(t +.d t )}= {x(t)}

+

{i( t )}.d

t 十~

{i(t )}.dt' +s.dt'[{i(t+.dt)}-{i(t)}] (2)' となる。この式(2)' および式 (3)がいわゆる NewMark の

3

法の基本公式で、ある。ここで,係数βはβ二Ys, ~, %として一般に用いられるが,本解析においては解の安 定性を保つために

3

二況として計算を行なった。 β法の解法は次のように行なう。 式(2)'および式(3)を運動方程式(1)に代入することによ り{i(t十.d

t

)}は I r...l,L1

t

r,,1 , n A ,?rTr

l-l {i(t十.d

t

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I

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[ {P(t+{β(t+..ddt)}-[Cl[t)}-[Cll {i(t)}十

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K

l

[

{工(t)

}サ

t{i(t)}十(士一β).dt'十 時 ( t

)

)

J

J

は) となる。式(4)の右辺はすべて既知な量であることから, 応答加速度{i(t+.dt)},速度{i(t+.dt)},お よ び 変 位 {x(t十.dt)}が得られる。

2

.

2

解析断面 解析は東金ダム(千葉県東金町)右岸ブランケット部 砂質地山について図 1に示す標準断面について行なった。 図から知られるように本地山は基盤層, A層およびB層 の3種類の地層から成っている。また,貯水後には図中 の破線で示した位置まで地下水位が上昇するものとし, さらに斜面中央部に余水止を設けるものとした。 日 層 A昌 図 l 標準断面図 2・3 入力地震波 本解析においては十勝沖地震のN-S成分 (1968年, 最大加速度221gal)を図2に示した時間範囲で,時間間 隔.dt =0.04秒として基盤層に与えた。 2 • 4 土質定数 解析を進めるためには土の動時特性,すなわちせん断 弾性係数および減衰比を求めることが必要である。 図1に示したA層およびB層から不撹吉L試料を採取し, 飽和および自然含水比状態の供試体を用いてせん断弾性 ga 1 200 100 TOKACHIOKI (HACHINOHE) 問AY.16,1968 NS component m専肝閉間隔日=00.04sec) 解析に用いた範囲一一」 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 図2 解析に用いた入力加速度波形 係数および減衰比とせん断ひずみの関係を振動三軸試験 機を用いて調べた。 (a) せん断弾性係数 せん断弾性係数(G) は主に応力 (σ~),ひずみ(1')に依存し 実験的に G二 A(1')j(e)σ L m { γ ( 5 ) の関係にあることが知られている。ただし 15~ は有効拘 束圧,

A(

1')およびm(1')はlogG/j( ε)~log 15~ 関係にお ける直線の切片および傾き;またj(e)は,j(θ)ニ(2.17 -e)2/(1+ε)である。 図3はB層から採取した試料の実験より得られたデー タを G~ 1' の関係で整理した結果である。またヲ図 4 お よび図5はA層およびB層の自然含水上七試料のG/j(e)

σ;

関係より求めた式(5)の係数A(1')およびm(1')の 値 を示したものである。図3に示した結果から飽和供試体 のGの値はひずみ量がほぼ3X 10-3以上において自然含 水比の供試体の結果より低い値を示すことが知られる。 また,この傾向はA層の試料の試験結果においても認め られた。このことは ,10-3以上のひずみを飽和供試体に 与えるとダイレイタンシー現象が現れ始め,繰返し載荷 回数の増大,すなわち繰返しせん断応力の進行に伴なっ て過剰間げき水圧が供試体内に発生し供試体が軟弱化す ることによるものと考えられる。また,上記の過程がさ らに進行すれば供試体内の間げき水圧は拘束圧と等しく なり完全に液状化状態となって破壊に至るものと考えら れる。 図6は飽和試料のせん断弾性係数の変化を有効応力の 立場で整理した結果である。即ち ,10サイクル目におけ るせん断ひずみ(1'10),せん断弾性係数(GI0),および残留

間げき水圧(.dUI0)を求め,YI0に対するA(1'), m(1')の

値を図4または図5に示した自然含水比試料の結果より 求め,式(6)より推定した。せん断弾性係数(Gネ)とGI0 を比較した結果である(図中

O

日)。

G*=A(1')j(e)(

σ

;-

L]UIO)m(i) (6) また,液状化試験から求めたせん断弾性係数の債と白

(3)

然含水比供試体の結果を上記と同様の方法で比較し図中 ③留で示した。本図より,いず、れのデータもほぼ45度の 傾きの直線に集中しており,飽和試料の載荷時すなわち 液状化過程におけるせん断弾性係数の変化は式

(

6

)

で示し た有効応力表示により表現し得ることが知られる。 削 減 衰 比 Hardin1)は減衰比(θ)に関する実験式として I H ニ EJσ~-t (7)

1

0

を提案している。ただし, caはひずみ振幅, σ;は 有 効 拘束圧である。式(7)から減衰比についてもせん断弾性係 数と同様にせん断ひずみと拘束圧の影響を強く受けるこ とが知られる。 凹 凹 凹 凹 即 、 。 三 I l l l 白 I l l

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とせん断ひずみの関係

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A

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y

)

とせん断ひずみの関係 (B層) 本実験より得られた A層および B層の減衰比の値を図 7および図 8に示した。両図より,減衰比はせん断ひず みの影響を最も強く受けることか知られる。また,飽和 試料の減衰比は自然含水比試料の結果と比較して幾分低 い値となっている。しかしながら,両試料の結果を全般 的に見た場合, 1威衰比は主にひずみに依存し他の要因, 300 験 験 実 実 る 験 る 験 め 実 め 実 求 化 求 化 を 状 を 状 G 液 G 液 O @ 白 幽 層 層 A B " 10 rく10 目, G 克也

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7

減衰比とせん断ひずみの関係

(A

層) i l l -' b d i l l 醐 印 刷

(4)

278 大根義男・四俵正俊・奥村哲夫・小嶋寿麿 すなわち,拘束圧,載荷回数ヲ飽和度の影響はあまりな いようである。 なお,本試料のせん断弾性係数および減衰比の結果の 詳細は文献2)に示しである。 2

5 解析手11贋 以下に示す順序に従って解析を行なった。 1 )図1に示した断面を 86節点137要素に分割する。 なお,余水吐を設けた事による周辺地山への影響を調べ るために余水吐の基礎およびその周辺を他より幾分細か く分割した。 II) 初期応力を求めるために表 Iに示した土質定数 (現場試験および室丙三軸試験結果)を用いて静的な有 限要素解析を行なう。 III) II) により得られた初期応力を基に

t

ニOにお けるせん断弾性係数(G)を図4または図5の結果および式 (5)を用いて推定する。この場合ヲせん断ひずみyはγ二 10-6とし

y=10-

6におけるせん断弾性係数の{直は

y=

10-6に対する

G

/

G

o (

G

o

:

y=10-

6でのせん断弾性係数ヲ G:任意のせん断ひずみに対するせん断弾性係数)を1.0 とすると7二

1

0

-

4においては

G/G

。と

0

.

8

5

となる既往の 実験結果により推定した。

N

)

運動方程式,式

(

1

)

[

C

]

マトリックス

[

C

]

=

[M]+

[

K

]

(

8

)

の 定 数 ム お よ び

5

を以下に示す数値実験により決定す る。 s[K]の[K]はせん断弾性係数のひずみ依存性により時 間毎に変化する。従って [K]の変化しないひずみ範囲 (y=10-6)で解析断面に自由振動

(

1

0

g

a

l

のパルス)を与 え減衰比 (θ)との関係を求めた。この結果 aとθと の聞には特別な相関は認められなかった。従って本解析 においては丘二1.0として行なった。一方,

s

について は,図

1

0

に示すような関係となった。従って任意の時間 (任意のせん断ひずみ)における

3

の値は図 9および図

1

0

の結果を用いて決定した。なお,図

9

の結果は

A

B

層の平均値である。

V)

地震波(時間間隔.dt

=0. 0

4

s

e

c

)

を図

1

の基盤に 与え,式(1)を解くことにより第1ステップ(.dt ,)の段階 における応答加速度および応答変位(ε.dt 1 )を求める。 そして{σ}二[D]{ε},((σ}は応力ベクトルヲ [D]は弾性 マトリックス, (c)はひずみベクトル〕で現わされる応カ ひずみ関係から主応力仇およびのを求める。さらに, 振動時のせん断応力(rd)を図11に示した方法により求 める(応力比 rd/的の算出)。 Vl)第2ステップ(.dt2)におけるせん断弾性係数の値 (G.dt2)を第 Iステップにおける応答変位(ε.dt,)を用 いて図4または図5(載荷回数泊二30回の値)および式

(

6

)

の関係により推定する(有効応力法)。この場合,振 動により発生した間げき水圧の推定は次のようにして行 なう。 まず,図 1の各層より採取した試料の液状化試験を行 ない図12および図13の関係を求める。(両図は振動三軸 試験機より求めた A層の結果を代表的に示したものであ る。なおヲ今回の解析においてはA膚, B層の結果がほ とんど同じであったため簡便的にA層の結果を使用した) これらの結果はせん断応力が正弦的に変化する場合のも 表 l 物 性 { 直

[1{kg/cm')

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の関係 Td 動的せん断応カ ら !仇 t = 0における主応力 ιι (f;d" 任意の時期jにおける 主応力 『 図 11 動的せん断応カの定義

(5)

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2

応力比と液状化までの回数の関係

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0.01 0,1 1,0 N 1 Nt N 任意の回数 九完全液状化回数 図13

u

/

前とN/N,の関係A層) のであり不規則な振動にはそのまま適用できない。従っ て,図 14に示す不規則なせん断応力波においてピークか らピークまでの値をおさえ,その値がれであればむが 正弦的に作用した時(同図(C)参照)の液状化までの繰返 し回数N3を図11より求める。そしてこの場合は振幅r3 の波が

y

z

回作用したものとみなし,この時点、で発生する 間隙水圧L1U3を図

1

2

によって推定する。 以上の方法により得られた GJt,の値を用いて第 2ス テップの地震波を基盤に与え,上述と同様の方法により 逐次計算を進める。(非線形性の考慮) なお,計算に当つては本学に設置されている

IBM370

/138を使用した。 3 解析結果 3

1 応答加速度分布 得られた応答加速度(水平成分)を図 16および図 17に 示した。(図

1

5

参照)両図の結果より以下の事が知られ る。 T -_ T1 N , f ¥J, Hョ d) ト1. 図14 (イ)基盤層の応答加速度はほぼ似かよった波形(周期) および値を示している。また振動周期も非常に低い値を 示している。さらに,入力加速度の最大値が

2

2

1g

a

l

で あるのに対し基盤層では約

1

0

0g

a

l

でありほぼ1/

2

の債 となっている。これらの原因は基盤層の剛性が非常に高 い

(A

層,

B

層の値の約

1

0

倍),解析断面の両端が固定さ れていることなどによるものと考えられる。 (ロ)基盤より上方に向うに従って応答加速度の値は除 々に増加する傾向にあり,斜面上においては約400~500

g

a

l

の値となっている。 3

2 変形性状 最大入力加速度の l 周期(時間 t=3.60~3.96秒) に 対する斜面内の各点、における応答変位を図 18に示した。 図から,水平方向の変形量は基盤層において非常に小さ し上方に向うに従って増大しており応答加速度の場合 と同様な傾向を示している。この最大値は 7cm程度で、あ る。なお,基盤層の応答加速度が非常に小さいことと応 答変位が小さいという関係はリーゾナブルな結果である と考えられる。また,斜面付近において鉛直方向の変位 も認められる。 図18の結果と比較する意味で,地下水位を考えない場 合の解析を行なった。図19にこの結果を示したが,飽和 地山の場合と似かよった変位性状となっている。

(6)

280 大根義男・四俵正俊。奥村哲夫・小嶋寿麿

加嘘度 余 水 吐 / " EDI10.;

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堤 体 " 一 一 @ 町一三司令 一一 →~' 叩 円 》 】 aNo.133基盤 図15 g

l 200 1日O 制10口 問 。 仁コ 平=ミ 対 日 迫 10日 10口 1,0 2,0

( s e C ) │ l ; ム 4 3,0 経過時間 (t) 図16 応答加速度(余水吐下部)

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100 5,0 2 ,0 3,0 4,0 (sec) 5,0 経 過 時 間 (t) 図 17 応答加速度

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図19 変形図(地下水位のない場合)

(7)

3

3 応力分布 入力加速度の最大値付近(時間

t

=3.60~4.16秒)に おける斜面内の応力分布(最大主応力および最小主応力) を図

2

0

および図

2

1

に示した。図

2

0

は地山が飽和した場合, 図

2

1

はそうでない場合の結果である。荷ケースの応力分 布の相違はほとんどなしまた斜面付近において引張現 象の発生する領域が両図において認められる。 3

4 振動時の間げき水圧 地下水位以下の飽和領域においては地震波の入力によ って問げき水圧が発生する。間げき水圧の変化を間げき 水圧比 (UR/

σ

0

,UR:発生間げき水圧,

σ

o

.初期拘束圧) ' _ _ 20,,, 図

2

0

主応力図(地下水位を考えた場合) 図

2

1

主応力図(地下水位のない場合) を用いて図

2

2

に示した。図は最大加速度が入力した後の 結果を示しているが,入力外力の進行とともに問げき水 圧比の値は増加の傾向を示している。特に,問げき水圧 の発生の進行すなわち,液状化状態は余水吐下部あたり から除々に周辺に進行するようである。また,間げき水 圧比の最大値はほぽ

0

.

2

0

であることから,砂層の液状化 に対する抵抗力はまだ十分発揮されており,完全な液状 化状態には到達していないことが知られる。 図

2

3

は余水吐下部

(

N

o

.

6

5

)

の水圧比,動的せん断応力

(

r

d

)

および応答加速度を時間に対して示したものである。 図に示した結果をみると,

t

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から

3

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秒までの間に 明仁王立~ L

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2

3

余水吐下部

(

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3

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)

の応答加速度 動的および問げき水圧比の経時変化

(8)

大根義男・四俵正俊・奥村哲夫@小嶋寿麿 図25は入力加速度がほぼ最大の時刻における応力比の 応答値を示したものである。図に示した結果より,余水 吐 の 下 部 が 他 の 部 分 と 比 較 し て 大 き し そ の 値 は 平 均 的 に 0.3~0 .4の範囲となっている。 図

2

6

は動的せん断応力として

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B.

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e

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の提案した等 価せん断応力(td=0.65rd)を用いて計算した結果であ 282 a F e ‘ . 4 v , , -F I r -ト l o t -F 0 8 6 1 D O 00¥

0.4 0.2 陀力よじ〔百/:r, ) Ll一」詮2髭姿慈露盤望書 c c白G.l 0.20.30.; I~~ 下水位 E 考;t. E 粛告) o I o 1.0 2.0 3.0 4.0 (sec)".V , 5.0 1.0 r 0.8ト . '" ・ ・ . 0.6ト ・ ・ . . 圃 . 司 ・ . . ' ・ 。 J '.・・ ・ "'-0.4 .1I ...."-"0 回 目 l 0.2 I j由τポイ立なし)

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-2.0 3.0 4.0 (sec) 経過時間 (t) G 任意の時刻において式(6)より求めたせん断弾性係数 Gc :y=lxlO'oに対するせん断弾性係数 5.0 1.0 0 0 最大入力加速度付近の応カ比分布 図25 肝 心 百 / 引 「寸 Im

Pぢ菜察務重量 l古= 0GS X石 川x) 等価せん断応力より求めた応力比分布 図

2

6

おいて平均的な応答加速度および動的せん断応力(rd) が100galおよびO.lkg/cm'程度であるが間げき水圧比に 何の変化もない。これは2

5項 VI)に示した振動過程 における間げき水圧上昇の導入方法において応力比(rd /品)が0.20以下においてはNe二∞(図12)として解析 を行なったことによるものである。この計算仮定の妥当 性については実験と照らし合せて再検討している。 この計算例で、は地下水の存在によってある程度の液状 化が起っているが,応答加速度,応答変位および動的応 力に地下水の有無による大きな相違が現われる程のもの ではなし'0 (図

1

6

)

2

4

の縦軸は振動中の剛性の変化を G/Go{G:式(6)より推定した各時刻のせん断弾性係数, Go :

t

=

0におけるせん断弾性係数}で表わしこれを経 過時間に対し示したものである。地下水を考えた場合に は低下したせん断弾性係数の回復が相対的に少ないとい う傾向が表われている。 せん断弾性係数の時間変化 図

2

4

。ー---'!i刷l 図28 。 』 CRFの定義 CRFの分布 _"¥';:;' -、、}'(~〆 ベぜん/ 図27 0, σ五 4 安定性に対する検討 地震時の安定性を検討する場合 I )飽和部分に対しては,その材料の非排水動的強度 (応力比)と振動時に発生した動的応力との比較 II)地山材料の動的強度と振動時に発生した動的応力 との比較 III)振動により発生したひずみ量の検討 N)地山斜面のスライデングに対する検討等による判 定の方法が考えられる。そして,これらの判定によって 得られた結果を総合的に判断しその安定性を検討する方 法が考えられる。 ここで、は,上記 I)~III) の方法により解析断面の安 定性を調べた。

(9)

-

5x10 1 xl 0-l ね の υ -X 5 ( ト、 r岳1xl 0一 匂 恥

塩 川0-; へ と が 1 xl 0-5 5xl 0-6 z o o -X 1 (sec) 1.0 3.0 4.0 5.00 1.0 経過時間 (sec) 経過時間 5.0 図29 せん断ひずみの経時変化 る。すなわち,地震時に発生した動的せん断応力の最大 値 (rdmax)の約65%が振動中に平均的に作用するものと 仮定し,各要素毎に等価せん断応力を求め,応力比を計 算する。図25に示した結果と同様に,本結果においても 応力比の大きな値を示す個所が余水吐下部付近に集中し ていることが知られる。液状化試検結果によると(図

1

2

)

, 7パルスに対する完全液状化発生の応力比の値は0.3以 上である。一方,振動による応力比の応答債は,余水吐 下部のその大きな値を示す個所でほぼ0.1~0.3 の範囲に あることから,液状化に対して(完全液状化)おおむね 安全であるものと判断される。 なお,堤体部は粘性土であること,締め固めが十分さ れること等により液状化は発生しないものとしている。 地山の安定性を強度的に調べた結果が図27である。す なわち,図20に示した応力分布に着目すれば,各要素で の応力状態と動的な非排水強度(液状化過程のStress. Pathから求められる破壊線)との比較が考えられる。 今,図 28に示すような CRFなる量を定義すれば,この 値は現在ある応力状態がどの程度破壊線に近づいたかを 示すものであり, CRF孟lならば塑性平衡状態を意味す るものである。 図29はせん断ひずみ(,)の応答値の対数を時間に対し て示した結果である。図より,振動の進行に伴なってひ ずみが増大していることがうかがわれる。また,基盤層 以外の位置におけるひずみ量は10-3以上の値を示し,弾 塑性および破壊域に達している。さらに,基盤層以外の 位置のひずみの発生傾向は,振動初期において急激に増 大しており基盤層と全く異なった傾向を示しているよう に見える。なお,せん断ひずみが整流されたような振動 波形を示すのはせん断ひずみの方向を固定せずに最大せ ん断ひずみ(正)の値をプロットしたからである。 以上,地山の安定に関し若干の検討を加えたが,今回 の解析において用いた間げき水圧の導入法は試みの段階 であり,まだ液状化に対して詳細な検討を加えるに至つ ていない。

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284 大根義男・四俵正俊・奥村哲夫・小嶋寿麿 3 0 1 X 5 ( No. 133 ) 3 0 1 X 1 5x10匂 ( 手、

-

-

1 xl 0匂 ぐ

5xlO 痘 ヘ ミ ギ 1 x 1 0 5x106 1 x1 0 1.0 2.0 3.0 4.0 経過時間 (sec) ( sec) 5.0 0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 図29せん断ひずみの経時変化 経過時間 5. 結語 本研究で用いた非線型振動解析法の問題点のうち主な 事項は以下の2項目である。 1 )本研究に用いた有効応力法では間げき水圧の発生 はせん断応力がある値を越えて始めて生じるがこの点の 妥当性を検討していきたい。 II) 上の動的強度をより詳細に求め破壊の定義を明確 にし地山の全体的な破壊を検討する必要がある。 また,本解析より以下の事項が明らかとなった。 1 )余水吐のように剛性の非常に異なった構造物を地 盤上に設けた場合,その近傍において液状化の進行が促 進されるようである。 II) 振動により発生するひずみな,今回のような斜面 を有する断面においては振動初期において急激に増大す る。 参考文献 (1) Hardin, B.O. Dynamic Versus Static Shear Modulus for Dry Sand, Materials Research and Standards, ASTM, 232-235, 1965. (2)奥村哲夫,大根義男:乱されていない砂の動的変形特 性に関する実験的研究,愛知工業大学研究報告, Nu13, 251-259

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(11)

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ω

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1975 (12)石原研市:土質動力学の基礎,鹿島出版社 (13)大根義男,建部英博,村瀬祐司:フィルダムの地震時 の応答ならびに安定性に関する研究,愛知工業大学研 究報告, Nn13, 231-239, 1978回 似)奥村哲夫,大根義男:不撹乱砂質土の液状化特性に関 する実験的研究,愛知工業大学研究報告, N日13,241 -249, 1978. ( 1日大根義男,四俵正俊,村瀬祐司,小嶋寿麿:砂地盤の 非線形振動解析ヲ土木学会中部支部研究発表会, 1979, 投稿中. (16)四俵正俊,建部英博,大根義男・動的間隙水圧を考慮 したアースダムの振動解析ョ第33回土木学会年次学術 講演会, 509-510, 1978. (17)奥村哲夫,大根義男:不撹乱砂質土の動的変形特性, 第33回土木学会年次学術講演会, 132-133, 1978園 側奥村哲夫,大根義男 粘性土の動的変形特性について, 第13回土質工学研究発、表会, 553-556, 1978. ( 1日)大根義男,村瀬祐司:フィルタゃムの地震時安定解析に 関する一考察,第13回土質工学研究発表会, 1017-10 20, 1978.

参照

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