欝12巻第1号(1960)
モミジアオイとクサフヨウとの種間雑種(その・山)
(アカ■イ科の種,属間雑種に関する研究 第Ⅱ報)
桑 田 晃
Studies on thei刀terSPeCific recipIOCalhybrids between
ガ戎鮎∫CαぶCOCC去乃β〟∫and月■.〃0∫Cゐ♂〝わ∫(No.1)(Studies oninterspecific andintergeneric
hybridizationin the Malvaceae Ⅱ)
Hikaru KuwADA
(Laboratory of Genetics and Breeding)
(ReceivedJune7,1960)
工 緒 モミジアオイとクサフヨクとの種間椎種に.ついてはSKOVSTED(1944)(24),HEMMING(1950)(8),HENDERSON (1952)(9),香川(1957)(11)および立花(1957b)(26)などの研究があり,交配には成功しているが,その後代の詳 細な報告ほ見られない 筆者は数年来アオイ科の種,属問裡確の研究を行っているが,上記両種の間の正道交雑を行ったのでその結果を報 告する ただし,本報匿おいては,前記の立花(1957b)r26)と同一・の材料について行った結果のみを報告する 本芙騒を施行するに.あたり,相聞の分譲を受けた大阪市立大学附属植物閲立花舌茂氏に対し,また本実験に種々協 力された研究室関係者に対し謝意を表する次第であるい Ⅱ 実 験 材 料 供試材料は1953年に大阪市立大学附属植物園より分譲を受けたモミ汐アオイ(j茄ゐよS‘〟・S COCC壷兜β〝S L・)とクサブ ヨウ(ガ′,肋5Cゐβ〝foS L.)とである.この両種の和名および学名については取客先にて用いているものをそのまゝ 使用するが,この点の詳細については考察のところで触れる Ⅱ 実験方法ならびに結果 実験A Flの育成 (1)実 験 方 法 1953年にはモミ汐アオイとクサフヨクとの間の正逆交配を行い,翌1954年に・はFlおよびPTを,1955年には同じ材 料の2年生を育成した・・かつ1954および1955年には潤び両種の間の正逆交配を行い,それぞれ翌年にはFlを育成し た小交配の方法ならびに栽培管理は他のアオイ科の場合と同様である・・根端の染色体数は酢酸アルコ−ル液で固定 し,離散オルセイン染色による押しつぶし法により観察した (2)実 験 結 果 (工) 着生した所および種子 モミ汐アカ■イとクサフヨクとの間の正逆交配による着新歩合および−廟中の種子数は第1衷に示す如くであるい 自 乗に.おける着新歩合は明らかに,クサブヨクの方がモミ汐アオイより大であるが,この両種の間の正逆交配における 着沸歩合はいずれの年においても,モミ汐アカ■イ×クサフヨクの方が逆交配の場合より大であった−すなわち,自殖2 で宕新歩合が不良の種の方が他殖ではかえって これが良好であった 一顔中の種子数は日照においては,クサフヨ ウの方がモミジアオイより著しく多く,かつク サフヨク×モミジアオイのカが逆交配の場合よ り多かった.しかし母勅のlヨ殖の時の一周中の 種子数に対する,交配により生じた種子数の割 合を比較すると,モミジアオイ×クサフヨクで は母親の百相と殆んど同じであったが,逆交配 では母親の臼殖の半分以下であった モミジアカ■イとクサフヨクとの問の正逆交配 に.より着生した新および種子は第1図に,また その種子の大きさは第2表に示す如くである. 交配により生じたFl種子の大きさは長さ,幅 および厚さともに,それぞれの母親の白殖と殆 んど同じであった. 算2衷 交配に.より塾じた種子の大きさ (調査種子数はいずれも50粒) 香川大学農学部学術報告 欝1未 着飛歩合串よび山朔中の種子数 、
て・ご...こ − −・−‥ − ∴−・・−
種子の大きさ(裾)表丁盲丁扇
交 配 組 合 せ モミジアオイ×クサフヨウ クサフヨク×モミジアオイ モ ミ ジアオ イ の自殖 ク サ フ ヨク の 自 殉 5.5 27 52 2る 5’† 24 5日1 25 nU 4 nU 5 5 2 5 2 モミジアオイとクサフヨウとの間の正逆交配に より得られたFl種子の発芽歩合は第3衷に示す 如くである・クサフヨクの発芽歩合ほ比較的良好 第5表 Fi秤子の発芽歩合 第1医lモミジアカ■イとクサフヨクとの正逆父配により生 じた萌および種子 上;モミジアオイ×クサフヨク(左;モミジアオイ, 右;クサフヨク,中:着生した新および種子) 下:クサフヨク×モミジアオイ(左;クサフヨク, 右:モミジアオイ,中‥着生した動および種子) 交 配 組 合 せ 48 15占 80 占4 24 72 2占 49 4 20 Z, 4 モミジアオイ×クサフヨウ クサフヨウ×モミジアオイ モ ミ ジアオイ の日和 ク サ フ ヨク の 目 j相 50..0 52 9 52..5 7るd で約77%であり,モミ汐アオイのそれは約33%であるが,両種の正逆交配により得られたFl称子の発芽歩合はいず れも約50%を示し,両秤の交配組合せの方向に.よる差異は認められなかった. なお交配龍よる着動歩合と母覿の日射の時の一顧・いの積字数に対する交配に.より生じたFl種子数の割合とFl種子 の発芽歩合との#緒もって交雑成功歩合とすると,モミジアオイ×クサフヨクの方が逆交難の場合よりも梢々著しく 高かった, (Ⅱ) 花粉管の伸長 モミジアオイとクサフヨクとの間の正逆交配における花粉管の伸長状況を,両親の目飛の場合と比較検討すると第 4表に示す如くである“自推では,クサフヨクの方がモミジアオイより梢々少し早いようであるが,この両種の正逆 交配では,モミ汐アオイ×クサフヨクの方が逆交配より梢々少し早いようであった..この事実よりすれば,花粉管の 伸長の早いことと着節歩合の高いこととは関連があるように思われる雰12巻第1号(1960) (Ⅱ) Fl植物の生育 モミ汐アオイとクサフヨクとの問の正逆交雑 によるFl植物の生育状況を両親とともに,生 育時期別に比校すると常2図に示す如くであ るなおFlおよびPlの植物体は第3図に示す 如くである 草丈については,Plの1年生および2年生 では,モミ汐アオイは7月より8,9および10 第4衷 花粉管の伸長 花柱の長さに対する割合  ̄ ̄ ̄【
㌻五首古寺T忘姦丁毒針
%−% †さ % %一号畠 月と.なる把したがって草丈は高くなるが,クサフヨクは1年生では8月迄は著しく高くなるが,以後は殆んど伸長を (茎の太さ) (禁教) (節数) (分枝数) (葦大) ./ / / 一−一・「 ・一「 / /′ / /′ / /J…・一・●㌦ /ぎ 個50 枚 ヽ_____ 40 C鵜 ヽ0000 80 nJ l
/\ //\\ 160 1・10 120 100 80 60 40 20 0 −・・才一ー・丁十− 07 8 9 10 )7 8 9 10 〉 7 8 9 10
調査月日(各月中旬) 仝左 仝左 第2図 FlおよびPlの珪育 :モミジアオイPl生育1年目 ●.“●00●−:クサフヨウPl生育1年目 −−−・:モミジアオイPl生育2年目 _.−_:クサフヨクPl生育2年目 _−−−−;モミジアオイ×クサブヨクFl接育1年目 ご仙:クサフヨク×モミジアオイFl生育1年日 ¢ :Fl生育2年目 第3図 両親およびFlの植物体 上左:モミジアオイ 上右:クサワヨク その他:Flのいろいろ 停止し,2年生では7月迄に始んど仲良し,以後は伸長を停止した Flは正逆雑種ともに,7,8,9およぴ10月 となるにしたがって草丈は仲良し,その傾向ほモミジアオイのPlによく類似するが,その程度はこれにおよばなか香川大学農学部学術報琶 った‖ Flの2年生(この場合はクサブヨウ×モミジアオイFlのみ,以下同様)では8月において僅かに約10cク花であ って,以後枯死した 茎の太さに.ついては,Plの1年接ではモミジアオイはクサフヨクと殆んど同じであり,7,8および9月となる に.したが.って増加の傾向を示し,10月は9月と.変らなかった..2年生ではモミジアオイは1年生より太く,太りカは 1年生と同じような傾向を示したが,クサフヨウは7月迄に太くなり,以後は太くならなかった一・Flは正逆交雑と もに,茎の太さは類似し,7,8,9および10月となるにしたがって増加の傾向を示し,≡しかも両親より細かった Flの2年生では,茎の太さは8月では僅かに約Oh2cmであったけ 英数については,Plの1年生では両種と.もに7,8,および9月となるにしたが/つて増加し,10月にほ減少した しかして7月を除いては、モミジアオイの方がクサフヨウより菓数は多か/.,た・Plの2年生でほ・モミジアオイの柴数 は7,8および9月には増減しないが,クサフヨクの基数は7月より8月になると減少し,9月には減少しなかっ た.Flの1年生では,正逆雑種ともに英数の増減の傾向はよく顆似し,7月より8月迄は増加し,9月より10月に は減少した.Flの2年生では8月においては約7小3放であった. 節数については,Plの1年生では生育の時期の経過にともなって節数は増加した・この時はモミジアオイの方が クサフヨウより多かった.Plの2年生ほ両種ともによく類似し,7,8,9および10月となるに・したがって増加し た.Flの節数は正逆雑種ともに.よく類似し,いずれも生育の経過とともに節数は増加するが,親よりは少なかった Flの2年生では節数は8。3であった 分枝数については,Plの1年生ではモミジアオイとクサブヨクとの数は略々等しく,ともに7月より8月迄は急 に増加し,以後は増加しなかったPlの2年生では分枝数はクサフヨクのカがモミジアオイより多く,ともに7, 8および9月となるにしたがって増加した“Flの分枝数は正逆雑種ともに殆んど同じで,7,8,9および10月とな るにしたがって梢々増加の傾向を示したが両耕より少なかったFlの2年生は8月では0であった 以上の如くFlはPlに比し,生育は極めて召弱にして,早ければ発芽直後に,またおそくと.も生育男2年目には全 個体が枯死したその間,開花は勿論,着督すらみることは出来なかった (Ⅳ) 染 色 体 数 FlおよぴPlの根端における染色体は第4図に示す如くであって,いずれも2n=38であった“FlのPMCの概察 は出来なかったがPlに.ついては,いずれも正常に行われ,19Ⅱが観察された 東4図 Flおよび両親のRT の染色体(15×114) 左 方.c∂CC■去乃β〟1S(2n=38) 中 Fl(2n=38) 右 ガ.肋sCカβ〝foS (2n=38) 、−\−/ 実験B 接木によるF1の育成 (1)実 験 方 法
1955,1956および1957の各年に,モミクアズ・イとクサフヨウとの問の正逆交配を行って得たFl種子をそれぞれ翌
年の1956,1957およぴ1958年に播種し,得たるFlの幼植物を別のPlを台木として接木を行った・・ 接木は1956年には割按と寄接とを行ったが,剖接のカが操作が簡単で,しかも活告が良好であったので,1957およ び1958年は割按のみを行ったその方法はまず,Plを播種(4月22日前後)して,数日後にF−を播種(5月6日前 後)し,Flが約5乃到0叫こ仲良した時に接木を行った(6月4日乃至18日)・・その後の密理は厳重にし,活着した と思われる頓(接木後7乃至10日)に5寸鉢に移植し,後尺鉢に定植した・第12巻第1号(1960) (2)実 験 結 果 (Ⅰ) 接木の種類と個体数 1956,1957および1958年の接木による実験碇果は第5衣に示す如くである 1956年の正逆交雑のFlの接木の鉢植 数は合計16個体であって,モミジアカ・イに似た個体からクサフヨクに似た個体迄あったい これらはいずれもその年の 第5表 接木の種類と個体数(195る,1957,1958) Cはモミジアイを,Mはクサフヨクを衣まっす 分子は接穂を,分母は台木を示す.. # 印の所で三段に分けてあるのは上より195占,1957,1958年の成紡を示す 場印のない梱は1958年の成績を示す うらには着野,開花,結実に.至らず,地上部は枯死し,翌年は地下部,したがって台木から萌芽した.枯死の仕方は 柴面、 とくに葉脈,葉柄から黄変し,つづいて−赤褐変し,その後,薬縁から黒褐色に.なって枯れた.なお交配組合せ のらがい,また台木の種類のちがいによって」形質の発現に差異が生じたか否かについては本実験の範囲内では不明 であるが,恐らくないものと思われる.
1957年のモミジアオイ×クサフヨクFlをモミ汐アオイPlに.接木して活着した2個体は次の如くである.No巾1で
は葉色は全体緑であるが梢々あせていて,赤味がなく,柴型はクオフヨクに.近い茎は縁で赤味がなく,草丈は約40 ∽で分枝は1本である‖ 7月中旬頃より集録から式褐変し,後次第に菓は枯れ始め,10月21仁lに.は全部落葉した1. No.2では下方に.着生した菓は葉脈,集線,葉柄ともに梢々赤味をおびているが,先端部に着生した柴では全体が緑 である共型はクサフヨクに近い∴茎の色は主茎の中頃に淡い赤味があり,他は緑である.草丈は約50cm,分枝数は7本である‖ 7月中旬頃に下方より徐々に.枯れ,10月21E一には健全柴は見られなかった−.
1958年の実験ではFlの接木による影響をみ.るために,Flそのまゝと,FlをPlに接いだ区およびPlそのまゝと,PlをPlに.接いだ区とを設けた・.これらの使用全個体の生育状況の詳細は第6表に示す如くである‖ Plのモミジア
第る衷 接穂の特性(1958) C,Mは第5衷と同じ オイは3個ともに,葉型は巣状であり,葉色は淡赤褐色で,茎の色はいずれも淡褐色であったが,Plのクサフヨク は3個体ともに比較的よく揃っていて,茎色,葉色ともに禄で,集型は楕円であ ったい またPlのモミジアオイをPl のモミジアオイあるいはPlのクサフヨクに接いだ場合でも接穂のPlのモミジアオイは接木しなかった場合と殆んど香川大学農学部学術報薯 変らなかったまたPlのクサブヨクの場合でも,同様に接木した場合でも,接木しなかった場合と殆んど同じであ った. つぎに正逆交雑のFlをPlに按木した場合と接木しなかった場合との比較,また台木の種類ならびに交雑の方向に よる差異などを考慮しながらFl竜:\比較検討すると次の如くである.交配組合せの方l乱 台木の種類ならびに接木そ のものゝ影響は殆んど見られず,Flはいずれも茎色は淡褐より緑迄,菜色は淡赤褐色より緑迄,葉型は深欠刻,豊 状,心臓および楕円であつた.またPlの場合は健全其のなくなる日は11月以降セあったが,Flの場合は早ければ9 月下旬に,おそくても10月下旬には健全柴はなくなったり しかして9月15日において軋 Plでは大部分の柴が健全 であったが,Flでは賞変しない健全菓はどく少なく,大部分が黄変したル なおFlの昔丈,茎の太さおよび節数は Plと殆んど同じ位のもあったが,Plより聾丈は低く茎の太さは細く,また節数は少ない個体が見られたn Flの分 枝数はPlと殆んど同じであった… Ⅳ 考 察 モミジアカーイとクサブヨクとについての従来の主な研究結果は祭7表に示す如くである.和名については,ガ. C¢“f乃♂捉5を村越(1944,1955) (1819)牧野(1952),(1¢),香川 (1957)(11)および立花(1957a, b)(2526)がモミ.ジアカ・イと称し ている。ガい助5Cお扉錮を立花 (1957a,b)(2526)がクサフヨ クと仮称しているが,香川(19 57)(11)は学名のみを記滅し, 和名には触れていない.村越 (1944,ユ955)(1819),牧野 (1952)(川)に.はガ肋SCゐ♂〝foぶ についての記載は見られない なお大井(1953)(20),原(1954) (7)の図鑑には両種についての記 職は見られなし、 学名については,モミジアオ イをHEMMING(1950)(8) HENDERSON(1952)(9)および 香川(1957)(11)が乱用“わ柁Ⅵ としているが,その他の研究者 は〃.coccわ粥Ⅶ・S WALI.とし いる.クサフヨウを ガ\爪血9Cカβα≠0ざ,L.の代りに 香川(1957)(11)が〟沼0−SCゐαfα を,SKOVS用D(1941)(23)が ガ..桝0SC・カβ捉ねS SrLAGERを 弟7表 研究者ならびに記載の一頃表 ガルわ5C加Ⅶね・S,L 研 究 者 l茸“cocc去紹β〟S,WALT 多年生草本,全株無毛, 某掌状探裂,5∼10董eet, 花ⅠOSe仙工ed 多年生草本一 秋毛または 綿毛,集卵形金縁5′〉8 feet,花1ight−rOSe BAIIEY(′24) 2n=57′∼50 ⅨESSELER(′52〉 2n=57′、ノ50 DAVIE(/55) n=19(20) LoNGLEY(/55) れニ19(20) 2n=58 SKOVSTED(′55) DARLINGT・ON &JANAKI (′45) HEMMING(/50) 2n=58 ノJ√(l(亡J肌・(7 HENDERSON(′52) 月■小 COCC査紹βα モミジアオイ,多年生 本,無毛,錨白緑色 1∼27ル,5∼・5探裂 牧野(′52)
葦
雑種,園芸種 l北米,カナダ原産 PLESCIi(′54) Il1柚」冊‥∵、一一し辛;二」−∵
】 使用している. 香川(′57) モミジアオイ ガ..cOCC去〝gα 性状については,モミジアオ イについてはBAILEY(1924)(2) と村越(19i1,1955)(1819) 牧野(1952)(16)および立花(19 57a,b)(25叫の記蔵があり, 月‘… ∽0.ざCカαfα モミジアオイ,多年生草 本,2n=58,:柁色亦と 桃緋 ガCocC古形βα∫,WALT クサフヨク(仮 2n=58(?), 木 肌 立花(′57a,b) 〝 (′58)第12巻罪1号(1960) いずれもよく類似しているが,PLESCIi(1954)(21),はこれは雑種で,園芸種であると記載しているルクサフヨクに ついてはBAILEY(1924)(2),立花(1957b)(26)の記城がある.しかして水夫験に使用の両種はいずれもこれらの記 載とよく類似してこいる 染色体数紅ついてはモミジアオイでは,KESSELER(1932)く12),DAVIE(1983)(6)の2n=37∼50を除いては,い ずれもSKOVSTED(1935)(22),DARLINGrON&JANAKI(1945)(4)およびDARLINGTON&WYLIE(1955)(5)の示す 如く2n=38であり,クサフヨクではLoNGLEY(1933)(15),SKOVSTED(1935,1941)(2223)および立花(1957b)(26) の示す如く,n=19(20)と2n=38である、.本実験の材料は両種ともにn=19,2n=38であった. 本実験は1953年より開始し,各年におけるモミジアオイとクサフヨクとの正逆雑種の育成個体数は必ずしも多くは ないが,接木によらないFlの育成だけでも,3カ年に.わたり扱った個体の総数はモミジアオイ×クサフヨクFlで66 個体,逆雑種で304個体に達した..しかるに1個体も開花は勿論,着蕾もみなかったい すなわらFlは著しい雑種弱勢 を示し,早ければ発芽時に,あるいは発芽後に,またおそくと.も生育2年目に.は仝個体が枯死した. またこの正逆交雑のFlを両親に接木することによりFlを・育成する実験においても,やはり3カ年にわたって行っ たが,1個体も着蕾開花結実する個体を得ることは出来なかった.その間に扱った個体数はモミジアオイ×クサフヨ クFlで25個体,逆雑種で31個休であった 従来,種,属間交雑のFlの形態,生帝には色々の場合があり,生育が旺盛な例は比較的多く,KRISTOF柑RSSON (1926)(18)のル払∼ぴα,BR川GER(1928)(8Jの〃玩仇わα乃α,香川(1944)(10)および桑田(1947)(14)のA∂βJ椚05Cカ〝.S およびWEILrNG(1955)く28)のCucurbitaなどの各種問雑種濫見られるが,逆に生酌唱弱または悸性の例は O AKERMAN(1921)(1)のEpilobiullLおよびMALLOCH&MALLOCH(1924)(17)のNicotianaなどに見られる しかしてFlの生育の貧弱な原胚lとしては,両親の遺伝子の相互作用による場合,生育に関する半致死的な遺伝子 の存在による場合または父親のゲノムと・母親のプラズマとの合体に基づいて生ずる生理的不均衡などが考えられる しかして本実験の場合のFlの生育は既述の通りであるが,本実験材料と取り寄せ先を異にする場合のモミ汐アオイ とクサフヨクとの種間雑種では,逆に生育旺盛なFlが得られ,しかもその後代も育成されている.したがって,水 実験におけるFlの雑種弱勢の原因は生育に慨する半致死的な退伝芋の存在によるものと考えられるが,詳細は後に ゆずる Ⅴ 摘 要 (1)モミジアオイとクサブヨクとの種間雑種の研究を行った (2)着蘭歩合は白殖では不良の着朔を示す・モミ汐アカ■fを母親とする場合の方が,白殖では良好な着朔を示すクサフ ヨクを母親とする場合より良好であつた (3)交雑による一助中の種子数はクオフヨク×、モミジアオイの方が逆交刺ほり多かった.しかし前者の交雑では母親 の臼殖より種子数は少ないが,後者の交雑では僧親の白殖と種子数は変らなかった (4j Fl種子の大きさは母親の自殖と大差なく,発芽歩合は約50%であった (5)花粉管の伸長はモミジアオイ×クサフヨクの方が逆交配より梢々早かったが,自殖ではクサブヨクの方がモミジ アオイより早かった。すなわち花粉管の仲島の早い交配組合せの方が石動歩合も高かった. (6)両親および正逆交維のFlの染色体数はいずれも2n=38であった。 (7)Flほ雑種弱勢を示し,早ければ発芽時に,おそくても生育2年日には全個休が枯死した.またFlをPlに接木 するも満足な生育は見られなかった (8)Flの雑種弱勢の原因は生育に関する半致死的遺伝子の存在によるものと思われる (本研究の要旨は昭和銅年10月31日,11月1日,岐阜帝においてl附かれた日本籍傾学会秋期大会,第16回講演会に おいて発表した..講故要旨は育雑9(4),1959に掲載) Ⅵ 引 用 文 献 O (〉
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R 畠 s u m 畠
(1)StudiesweIemadeontheinterspecificreciprocalhybridsbetween H”COCCineu5and H・Moscheuios
(2)Theset%of podswashigherinthecross whencoccineuswasmother plant showingpoor set%in
selfingthaninthecrosswhenMoseheutoswas motherplantshowinggoodset%inselfing
(3)ThenumbeIOfseedsperpodobtainedincrossingwaslargerinMoISCんeutoIS X coccineus thanin the
【eCiprocalcross,butjntheformercrossitwassrna11er thanthatofthe selfedmotherandinthelatter
oneit was equalcomparedwith the selfed mother(4)ThesizeofFISeedsobtainedinthereciprocalcrossesbetweencoccineusandMoscheutoswassimilar
to that of the selfed mother and the germination%of FISeeds was ca 50%