香川大学農学部学術報告 第33巻 第1号 33∼43,1981 曲げ部材強度に及ぼす操りの影響について
Ⅰ 半円形片持梁について(1)
三 宮 和 彦EFFECTOFTORS工ONONBENDINGSTRENGTHOFSTRUCTURAL MEMBERS
I Regarding cantileverbeamswithsemicircular’SeCtion(1)
Kazuhiko SANNOMIYAThe purpose of this paperis to study the ef董ects of torsion on the bending strengthofthe
structuralmembers and to try to evaluate the safety of the main framingOf the agricultural
structure.As basic reseaICh for that,董rom the behaviors o董 cantilever beams with thin−Walled
semicircular sections,the shearcenter of whichis oHfrom the center of gravity,inbendingand
torsion,theeffectso董torsiononthestrengthof beams werestudiedInthispapeI,thetheoretical
analysisisfirstlycarriedouttodiscusstheb6haviorsof beamsin bending and torsion,and then
the results of the experimentalstudy are shown。
From thesestudies,the董01lowingcan be mainlyindicated:
1)theremaybealmostnodi董ferencebetweenthetheoreticalyieldingload calculatedbyequation
(15)inthis paperandexperimentalyieldingloads,and experimentalultimateloads maybeabout
from2.3to2.5timesaslargeasthetheoreticalyieldingloadlthereforeinthiscase,uSingequation
(15)employedtotakeaccounto董torsionalstresses,it may beseem thatthesafetyofframingcan
becoveredbytheuseoftheusualfacto工0王safetywhich,forpracticalusage,isusuallyaboutl・7“
2)If wetakenoaccountoftheto工Sionalstresses,theyieldingloadduetobending momentonly
maybeabout6.4timeslargerthanthetheoreticalyieldingload,and sothe experimentalyielding
loads may be so smal1asl/60f the yieldingload due to bending mOment Only,andalsothe
experimentalultimateloads may be so smallasl/30f thelatter′ We take noaccount ofthe
torsionalstressesfrequentlyinthecaseofthemain framing design of the agriculturalstructure,
butinsuchacase,Care muStbetakenbecause thereissucha possibility,aSthe safety ofhaming
cannot becovered by the use o土the usualfactor of sa董ety・
本研究の目的は曲げ部材強度に及ぼす優りの影呼を調べ,農業用大型施設構造物胃組主柄の安全性の評価に資する ことにある.そのための基礎的研究として,稚内の半円形片持梁(せん断中心と謹尤、が離れた部材)に曲げと同時に携 りを作用させ,生ずる梁の挙動から,梁の強度に及ぼす摂りの影響を探った.文中,最初に梁の挙動につき理論的解 析を加え,次いで実験的研究成果を示したい その結果,1)文中の(15)式から界出した理論降伏荷重は,実験降伏荷 重とほぼ合い,実験崩壊荷重は理論降伏荷重の2.3∼2.5倍ある.従ってこの場合振り応力を考慮した(15)式を用いる と,通常の安全率1.7程度で実用上支障のない程度の安全性は保たれること.2)振り応力を無視すると,曲げ降伏荷 重は理論降伏荷藍の約6.4倍となり,実験降伏荷藍は曲げ降伏荷壷の塊程度,実験崩壊荷重でもその%程度の強度し かないことになる,以上のことをふまえると,農業用構造物主構設計の場合,一般に振り作用を額祝することが多い が,無視した場合には通常の安全率程度では安全性をカバー出来ない恐れがあり注意を要すること,等を指摘した. ま え が き 虚業用大型施設構造物の主構は層組構造をなすものが多く,それを構成す−る部材は薄肉開断面材である.部材には
香川大学農学部学術報告 第33巻 滞1号(1981) 34 厳密には曲げ,せん断カ,軸カの他に必ず振りが作用すると考えられる.一方薄肉開断面部材は振りに対して弱いと 云われながら,設計の場合涙り作用を無視することが多く,安全性の面からみて問題を含むものと思われる..このよ うな観点から本研究は骨組構造の安全性を評価するための基礎的研究として,曲げと摂りを受ける薄肉開断面部材の 強度について理論的並びに.実験的研究を行ない,その結果曲げ部材強度に及ぼす摂りの影響を探らんとするものであ る.本報普では実用断面に拘ることなくせん断中心が重心と最も離れた薄肉開断面として半円形梁をとらえ,これに 片持梁形式で曲げと同時に擦りを作用させ,生ずる梁の挙動から曲げ強度に及ぼす換り応力の影響を調べれ なお本 研究についてほ†蓮の梁実験を実施中であり,これはその中間報告である. 理 論 解 析 1.基本式 薄肉開断面部材の微小長さdzに,Figい1に示すように両端に曲げモーメント爪右,〟ガ+d凡才ゎ せん断カⅤ” V.γ+dV”集中振りモーメント几れが作用する場合(1)を考える. 図申せん断カは.γ一之軸に平行な面内でせん断中心軸(ぶ′−・∫)に∴作用 し,振りモーメントは∫′・−∫軸まわりに作用するものとする.また 座標軸.方,.γは壷心Cを通る断面の主軸,g軸は重心軸とする. いま外力によるたわみ変形は微小で且つ断面形は変らないと仮定す ると,1次弾性解析となり重ね合せの法則が適用出来る. 1)断■面応力 i)曲げモ・−メント朗㌧による軸方向応力ヶβ (1) Mx Vy l吋+dVy
Fig.1.Beamwith thin−Walled open
section ′ ヶβ= ii)曲げせん断応力でβ 部材の微小要素tdsdzの釣合いを考えると d(・丁β)ねkご−d(Jβ)才ゐ 所が
d(グβ”ゐ=dg
d(Jrβ”ヒー画 積分すると,[Tβ]0=0なる故 丁扉=−−抜∼三・砂 iii)振りモ・−メント〟之によるせん断応力 (2) a)St.Venantの振りに.よるせん断応力TsY St”Venantの摂りによって生ずるせん断応力は,薄膜近似理論(2)を用いると板厚縁で最大(板厚方向に 変化)となり,最大値は (丁5y)max==G紳′ ここで凡才∫γ=G敢¢′ Ms,:St”Venantの振りモーメント ガ7:断面摂り定数 G:せん断弾性係数 ¢′:(秒/ゐ,¢は振り角 b)反り振りによるせん断応力一rⅣ 断面の反りを拘束した結果生ずるせん断応力は,坂摩方向に変化しないと考えると 丁〝オ=一旦∫。¢〝 ここで∫0=‡三の〝独 (3) (4) (5)QFj 三宮和彦:曲げ部材強度に及ばす振りの影響 折描鵡一叫 :l・−ト∴ ∫心:反り1次モーメント 伽〝:単位反り 月:部材断面帯 叫:振り中心に関する反り po:せん断中心∫(.ズ。,.γ。)から,断面中心線上の任意点Q(・%−,ツ) の接線に至る距離 iv)反り拘束による軸方向応力Jlγ J.γ=且どw=βα,‘¢〝 ここでどw=誓=机′−¢〝叫 机′=覧∼:叫≠ゐ eⅣ:反り拘束により生ずる部材単位長のひずみ
Ⅳ0′:砦,机は断面全体のg軸方向移動藍
(6) 従って曲げモ・−メント〟ゎ せん断カⅤ”戻りモ−メソト 凡才zが作用する場合の合成応力は (1),(6)式よりJ=十‰¢〝
・(7) (2),(3),(5)式より 丁=一瓢砂十鋤′−一半 (8) 2)振りの釣合式 部材の反りが拘束を受ける場合,振りモーメントMzはSt.Venantの振りモl−メントMsY と反り挟りモ1−メ ント〝〝の和で表わされる.〟,γは(4)式で与えてあるが,ルれ・についてはTⅣヂによるせん断中心軸まわりの振り モ・−メソトであるから 肌=!:T・Ⅳれゐ=一弘¢〝 ここで′山=‡…拗∫ ん:反り2次モ・−メソト 従って 几すヱ=GÅ■7¢′一βん¢〝上式で九2=笠とおくと,別の釣合式ほ次式で表わされる・
¢〝−瑚′=一 (9) この式は変数gに関する定数係数3階線形非同次常微分方程式であるから,解を求めるために演算子法(8)を用いる と,補助方程式はβ2一入2ヱ)=0で,∂=0,入,一入となり 余函数¢。は ¢。=Cl十C2♂入g十e3♂一入ヱ また特殊解如は 如=あ(一叢)=貼去豆(一叢))=去(姦)=裟 従って(9)式の−・般解¢は香川大学農学部学術報告 第33巻 第1号(1981) ¢=Cl十C2β恒C8♂両+遊覧 =el十(e2+e3)cosb入Z+(e2−e抽nb入Z+遊芸 =Cl・C2COSh入Z+C8Sinh入Z・遊芸 36 (10) ここでCl,C2,C8は積分定数であり,摂りを受ける部材の境界条件によって決まる侶である,.いま部材が摂りに 対し,1端固定,他端自由とすると境界条件は Z=0で¢=¢′=0 Zニ0で¢〝=0 このとき(10)式の積分定数Cl,C2,C3は次式の如くになる.
Cl=一ta血エ
C2=姦ta血エ C8=−・㌫ 従ってこの境界条件での(9)式の解(特解)(4)は次式となる叫¢=[入ZRSi血Z・tanhLL(coshLZ−1)]
¢のZに関する導函数は拠=卜C。Sh入Z+tanhLLsinh入Z
凡才g卓越L=”SinhLZ−トtanh九Lc。Sh入Z
凡才之 _i:些e=_C。ShLZ+tanhLLsinh入Z
ルタz 2.数値計算Figい2に示すような薄肉の半円形片持梁の自由端外縁に,垂直荷重Qを
載荷するものとする.梁の寸法はFig.7 に示す試験染矢測寸法を用いて, エ=90cm(エ:曲げモーメントの腕の良さ),㌢■=6.82cm(γ−:断面の中心線 の半径),才=0.35cm(才:断面の厚さ)とする1)断面内叫ぶ山,机∼三抽ねの変化
折猫蘭−α0=け2(芸▲−β一些㌘)ここでひ0=む十恥%十γ0ズ「卜光0ク1−ズ・0.γ=γ・2[β一旦(卜COSβ)]
∽=i三頑=円β−ま(卜COSβ)] y Fig.2.Cantileverbeamwith thin−Wal1ed semiciIC− ular section 伽ガル2=;−β−Acosβ 好 また,5“=‡三伽,l才ゐ=呵号(万一βト讐]
ざひ/灼=(汀−β)一旦sinβ 7r また,.γル=COSβ ∼三〆ゐル2才=Sinβ (a) (a)∼(d)式を試験梁の断面(β=0∼汀)について計辞し,図示すればFig\3の如くになる・三宮和彦:曲げ部材強度甚及ぼす摂りの影響 3‘/ Figt”3.Variationsofa〝,S仰,.yand∼三.ytds 2)¢′,¢〝,¢”の変化 試験梁の材質はSTK41(SS41相当材)であるから,Tablelに示す引張試験結果を用い,ポアソン比y=0・24と すると G 1  ̄ 百煎i盲苛=0・403 従って (e) tanh入エ=0.986
ここで,入エ=l′鷺・エ=2・47
茸7==0・31cm4 ん=∼:山”触=わ′5(宗一・芝)ニ165cm6 エ=90cm (e)式の値を(12),(13),(14)式の右辺に代入すると,梁の 長さ方向に対応する¢′,¢〝,¢〝の変化が分る.これを図示 すればFig=4の如くになる. Fig4.Variations of4・′,¢”and4・W 3)合成軸方向応力α i)曲げモ・−メント〟方による軸方向応力♂β 〟rはZ=0で最大となり (凡才ガ)max=−Qエ (1)式より ・∴一 ・−・− 方r8オここで′∬=5:.γ触=ぢろ
=− 空挺164エ=−164cosβ 0 γ (り ii)反り拘束による軸方向応力♂〝 ¢〝はZ=0で最大(Fig4参照)となり,(13)式から (¢りmax入βん =tanh2.47=0.986 凡才z 仲〝)max=9・1聾=4154嘉一ここで 〟z=(ズ・1+】∬・。1)¢=姐
クr ム=0.032′7■5香川大学農学部学術報告 節33巻 鐸1号(1981) 38 入=0.027 これを(6)式に代入すると JⅣ=払ね(¢〝)max=4154 ∴客=41瑠=4154(号−β・−・讐) (g) 従って(f),(g)式からZ=0における合成軸方向応力♂・は次 式で表わされる. 晋=−164cosβ十4154(喜一β一等β) (b) (董),(g),(h)式をZ=0の全断面(β=0∼汀)にわたって 図示すればFig。5の如くになる. この図から分かるように,♂の最大値はZ=0断面でβ=0 (0Ⅰ方)の位慣に生ずる.こ.の位置ではCOSβ=1となるから Fig,2の点0でのグは J=♂β十♂≠=ニー・1昭+4154鰻二裂=10嘩 ?・ヱ またβ=0の位置ではJβ とJ〝は異符号であり,ケ,rが断面 の厚さ方向に変化しないと仮定すると,(グ)maxはJβの絶対 値の最小の所,すなわち内側縁端で生ずることになり次式で 表わされる.
Fig.5.Distributions o董0・B,0・w and
(Jβ十J〝) (ぴ)max=−164 γ2 …(15) なお外側縁端でほ J=10 4)合成せん断応力で i)St.Venantのせん断応力Tsv ¢′はFig4よりZ=エの位田で最大となることが分る.(12)式にZ=エ,入エ=2.47を代入すると (¢′)max==0・832意 これを(3)式に代入すると (丁ゞγ)爪aX=G渕・832晶=3埠 (i) ii)曲別こよるせん断応力丁β 曲別こ伴なうせん断カは材軸に沿って一成であるから,(2)式にⅤγ=¢,ム=汀7■3f/2を代入すると 丁〆=一品i:砂
軸3より!三〆ゐはβ=号で最大となることが分り,断面内のこの位椚は
‡三・炒勲cosβ・tTd紳2才 この値を上式に代入すると一rβの最大値は (丁β)max=一 iii)反り掠りによるせん断応力γ.r ¢〝の最大値ほFig.4から分るようにZ=0の位間で生ずる.(14)式にZ=0を代入すると (j)39 三宮和彦:曲げ部材強度に及ぼす戻りの影響 〟g (¢”)max=一言訂 これを(5)式に代入すると 丁Ⅳ=77・ なお Z=エでは ¢〝=−0・168 ・ 丁Ⅳ=13癌
(k),(1)式の5ひはFig3からβ=0の位苗で最大となることが分り,その値は
(5ひ)max=0い052γ8才 この値を(k),(1)式に代入し,断面内におけるTⅣの最大値を求めると Z=0の断面では (T〝)max=埠 (k) (1) Z=エの断面では (丁〝)max=壊 梁の断面に働く合成せん断応力は,i)∼iii)に示したせん断応力を重ね合せればよいい ここでは曲げせん断応力丁β は材軸に沿って一足であるから,実の長さ方向に.対応する合成せん断応力の変化はFig4 から判断出来るハすなわ ち合成せん断応力が大で注目すべき所はZ=00rエの位置であり,梁の中間は考慮する必要がないと思われる. 注目すべき位眉でのせん断応力を整理してみると次の如くになる小 Trニ す 10 5 0 −5 −10 −15 −20 Z=0では T,,=0 //へヽ (丁β)max==− (断面内のβ=号の位置) (断面内のβ=言0写の位置) \ / (一rⅣ)max=4喀 \ 方/2 //3オ4 \ \’−′■ / ァ√ゝ、−、′ノ 布+れv / z=エでは / (丁Sγ)max=38壊 (丁β)ma‘=一堵 (丁Ⅳ)max=壊 (断面内何れの位置でも同じ) (断面内のβ=号の位即 (断面内のβ=言0Ⅰ宕の醗) 上式から判断されるように,Z=0の断面での各せん断応 力は,Z=エ断面のそれに比べフトーダーが 小さく問題とならな い.またZ=エでは断面内で(一rβ)川=1【と(丁Ⅳ)ma.の生ずる位 Fig6.Distributions o董 TB,Tw and(丁β+丁Ⅳ) 置が異なる..従って(丁β十Tw)maxを求めるために,βに対応する(Tβ+Tw)の変化を図示すればFig6の如くに なる 従ってZ=エ断面のβ=完0Ⅰ驚の位帯で最大合成せん断応力が生じ,その値は (T)max=(丁ざγ)max+(丁β+丁〝)max
=3+=38
(16) 5)強度の支配 梁の強度を支配する応力は,(15)式で示した合成軸方向応力(J)maxか(16)式の合成せん断応力(丁)maxの何れか である∴Tablelの引張試験結果から降伏応力ケ.,は与えられるが,これに対応する降伏せん断応力T.γは不明であ香川大学農学部学術報告 第33巻 節1号(1981) 40 る.このためいまVon Misesの判定条件式を用い TJ,=グッ/1/宮’=2275kg/cm2 とすると (15)式より ∴Q=171(1くg) (グ)m8X=10鳩ニ3940 (16)式より (T)m;箋X=387箆=2275 ∴Q=273鶴) 上式は(T)maxがTJ†に到達する以師こ,既に(α)maxがJJ・に達することを示す.このことからこの梁の場合,強度 を支配する応力は合成軸方向応力であると判断される. 実 験 内 容 1.試験梁 試験潔は苗肉銅管せ,‘落穂線を避けて断面を軸方向に沿い平版して作成したものである. a)寸法 梁の断面は等厚の判】j形で,その、」てムはFig.7 に示す如くである.なお架ほ片持梁形式とするためにい繍は剛な る端仮に矧勾耐震され,端磯ほ閻定雄(H形灘)のt如こボルトで緊姑される. g 00(mm)
Fig.7.Dimension of test bearns・
も)材質 一般構造用鋼管材STK41で,その機械的性償はTablelに示す如くである. 2.実験方法 a)載荷方法 Fig.8,Fig.9 に示すように片持禁圧l由端切半‡−川鍼郭酢に1点・鉱荷し,梁の断面に曲げと同時に絞りを作用させ た.叔荷濫当っては削三【三ジャッキ先力淋こブルービングリングを取り付け,それにより称重の大きさを読み取った. Fig.8.Test seLup.
41 三富和彦:曲げ部材強動こ及ぼす摂りの影響 も)試験梁の端条件 試験梁の1端に溶接された端板は剛なるIi形鋼のフランジ面にボルトで緊結されている.従って試験梁の瑞灸件は 1端は反り自由,他端は.ガ軸(強軸)まわりの曲げ及び∫軸まわりの挟りに対し,概ね固定支持(Z=0でぴ=ぴ′ =0,¢=¢′=0,ぴ,¢:垂直たわみ,較り殉)を満足しているものと考えられる. e)測定方法 垂直変位〝ほ梁の両端及び中央点常つき,ダイヤルゲージを剛、て測定した・振り角¢の測定は,設置した鉛直
枠を基準として半円形断面の始点,終点の水平変位を測定し,その差を利用して振り角¢に換節する方法をとっ
た一.測定触酌まZ=42cmの断面である.また断面応力測定に用いた盃ゲージの貼付鋸削まFig7に示す如くであ る. 実 験 結 果 1.引張試験試験梁より切り取って作成した引張試験片はJIS12号Bである,これらの試験片につき実施した引張試験結果を
まとめてTablelに,また応力ー歪曲線をFig.10に示す.この図から判断されるように,SLTK41材ではSS41材 のようには降伏応力J,が明瞭に出ない.表中のJyは0.2%の残留歪を生ずる応力をもってそれと判定したもので あるTablel.Results of Coupon Test
■U O ■U nV ・・・・・・・・・・・・・・・−;N0l ■リ ーU
D れY 〇 一U ▲U nリ ーU ■8 ∧リ ︻■ O t■
’■ ︳′■ ▲・‘ ll l ︵一∈︸\ぎ︶︰−こめ▲・1−・ … l00¢ t500 評80 25川 3椚 川0 1仰 l… 5… 5帥○
Fig.10.Stress−StraincurVeS(STK41)・
2.梁の曲げ振り試験 a)断面の軸方向歪分布 合成軸方向応力が最大となるZ=0断面について,曲げと振りの迎鉱モーメントが大となるにつれて断面外側の歪 分布が変化する様子を,Fig11に示す\この図から判断されるように・速成モ・−メソトが作用すると盃分布は複雑香川大学農学部学術報皆 第33巻 第1号(1981) 42 となるが,Fig5 に示した合成応力の分布によく対応していることが分る.また中立軸は低応力の段階では移動し ないが,合成応力の増大に伴ない若干の移動がみられるようである. 6(×10▼も) −4000’−2000 0 2000 4000 ′′ ノノ ー:Q= /
/ノ/ノ′ / / レ// // ノノ ー・・−・Q− ′/ !、ミこここ㌦ ノ/・・・ク勇 −・‖‥−:Q= !\、 、’−\..\ . T . −
0099ton(Mx三0089t・・m, Mz=0009t・・m) Mzニ0018t・m) −0210ton(Mx=0189t・m, 0337ton(Mx==0304t”m,Mz=0029t・m) −4000 −2000 0 2000 4000 Fighll.Distribution oflongitudinalstrains, b)振り角¢ 実の中央付近の断面(Z=42cmの断面)について,摂りモーメントの増大に伴ない振り角¢の発達する様子を Fig12に示す.図中に(11)式より算灘した理論振り角を合せ示してある.この図から判断されるように,振りモー メントが小なる段階では測定値は理論値に近似するが,振りモ・−メントが大になるにつれて両者の相連が目立っ.こ こで梁の断面にほ振りモーメント 凡才g と曲げモ・鵬メント 凡才が達成して作用しているが,ルオの軸方向の変化に基づ くせん断カがせん断巾心軸を通る場合には,財は振り角¢の発達に理論上ほ寄ちしない. Eq(1−1) 3 2 / / u TestBeam(CTB・・1)レ。 革
u estB u eam(C 卯 7B・・1) 1 0 0 0 0 0 0 ︵⊆エ︶z芸1 10 20 30 40 50 60 70 −一一 Ⅴ(mm) Fig.13.Load vs,deflection 005 01 015 0.2 025 03 035 04 ・ 、− ¢(Radian) Fig.12.Torsionalmoment vstorsionalangle., c)たわみ変形Ⅴ 兜の自由嬬のたわみぴが,荷領の増加と共に発達する様子をFig13に示す.図中に掠りを全ぐ無視した曲げモ ーメントのみによる計界たわみを,比較のため合せ示してある. d)降伏荷重と崩壊荷重 Tablelの引張試験紙果を用いて,Jγ/βを降伏盃eyと考え,試験梁で合成軸方向応力Jが最大となるZ=0 断面の円弧内側縁端の盃が,e一γに等しくなるときの荷重をもって染の実験降伏荷重Q.;∫♪と判定し,梁の最大耐荷重Table2.Ratios of ExperimentalValues to TheoreticalValues
1。00
三宮和彦:曲げ邪材強度に及ぼす振りの影響 43 を崩壊荷三巨Q完∫♪とした.(15)式の(♂)maxを伊ブとおいて凱l=ノた荷琵 を理論憐伏ポ膵Q三.ん,一方振りを全く無視したときの梁の降伏荷き荘をQプ とすると,これらの他に対する実験強度の増分はTable2 の如くになる. また梁の崩壊後の様子をFig.14に示す. 考 察 異に曲げモ…メントと振りモーノメントが達成して作用すると,梁の挙動 は可成り複雑な様子を差する.断面の歪分和こついては,Fig・11に示し たように2曲率となるが,これはFig.5 の(J′,−l一恥)の分布によく対応 していることが分る.断面の涙り角¢については,Fig.12から判断され るように低応力でほ測定値と靴論瀾はよく合うが,応力が大となると両者 Fig.14.Co11apsed testbeam. の相違が着るしくなる.この矧圭はしてほ,理論値¢の算出に弾性係数 Eを比例限界以上の領域にも適才∧l=ノていること,また採りモーメント財gはiプ売り変形以前の状態で考え腕の長さを 不変としていること,などが影漕したものと思われる.たわみ鼻についてほ,梁の断面応力の分布が2曲率となり応 力が中立軸からの距離濫比例することばない.従って曲げによる押倒淵1線の微分方程式ほ成り立たず,たわみ量の理 論値は求め難い.然しながらFig,13から判断されるように,曲げと掛′〕が達成して作用すると,曲げのみ作用す る場合に比べ梁のたわみは梯めて著るしく発達することが分る. また梁の強度並びに絞りの影響については,Table2 から判断されるように,実験降伏荷重ほ(15)式より算出し た理論憐伏荷重にほぼ近似し,実験崩壊職堰では理論降伏荷重を2,3∼2.5倍」こまわる結果となっている.このことか ら鋼構造の場合一般に1.7程度の安全率を見込むから,振りを考慮した(15)式を用いれば実用上支障のない程度の安 全性は保たれると考えられる.然しながら振り応力を全く無視した場合には,降伏荷重(払子1092kg)は(15)式か らの理論憐伏荷重(¢j.カ=171kg)を約6・4倍上まわる.このとき実験憧伏荷重は降伏荷重(ぁの%程度,実験崩壊 荷或でもその%程度の強度しか持たないことになる.このことから曲げ部材強度に及ぼす絞り応力の影響が予想外に 大きいことが分る.以上のことをふまえると,施設構造物設計の場合一般にあきり作用を無根することが多いが,無視 した場合にほ通常の安全率程度でほカバー出来ないことも起り得るのではないかと推測はれ,この点安全性の面から みて充分留意すべきことと思われる. む す び 本研究では異に働らく速成モーメントの比率が〟z/〟芸1/10の場合で,試験望も2体のみの結果の報告であるが, 曲げ部材強度に及ぼす掠りの影智と理論式の適用について成る程皮具体的に示し得たと思う.なお理論解析でせん断 カが変形に及ぼす影磯」丁粁の板厚方向への変化等は無視し,数値群折で降伏盃ら声り/且が成り立つとしたが,こ れらの点については今後更に検討を加えていきたい. 木研究に当って蔓;】本銅管大阪営業所中本栄次氏に御協力を戴いたことを記し,ここに謝意を表する.また本研究は 昭和55年度文部省科′学研光一躁補助金により行われたものであることを付記する. 参 考 文 献 (l)伸威粧,加藤勉:主∧lま一材の煉屈,22,東大出版会 (3)城:・㌫三:応用数学解析,124∧−126,養賢堂(1965). (4)GALAMBOS,T,V.(福本,西野訳):銅構造 部朝−と骨糸11,56=・57,丸さ蕉(1970). (1981年5月30F:!受理) (1959), (2)TIMOSHENKO,S.P.and GOODIER,J.N Theory of Elasticity,2nd Editioll,268−u272, New York,McGrawp^rHill(i951).