表計算ソフト Excel の基礎
1. 簡単な例題による表計算処理
1.1. Excel の画面構成
Excel の操作は、下記のワークシートを使って行う。以下では、Excel2007 を対象としている。1.2. 表計算の基本
(例題) あるコンビニエンスストアの1 週間分の売り上げ金額と来店人数のデータがある。各曜日ごと の一人当たりの消費金額、売上合計、来店人数合計と一人当たり平均売上金額を計算する。 (1)データの入力 まず、文字列を入力するときは、半角/全角キーを押して、日本語入力システムのローマ字漢字 変換モードにしておく。この状態で文字列を入力することができる。 ① 上記の表の上から 2 行分の見出しをワークシートの適当なセルに入力する。ここでは、次 のようにワークシート上に入力するものとする。キーボードから入力した文字列は、太い枠 のセル(セルポインタ)の位置に入力される。セルポインタはマウスでセルをクリックするか、 ↑、↓、←、→キーで上下左右に移動できる。 A1 のセルに表のタイトルの「週間売上表」を入力し、C3 のセルに「売上金額」、D3 のセ ルに「来店人数」、E3 のセルに「一人当たりの売上金額」の文字列を入力する。個々の文 字列をタイプした後はEnter キーを押す(以下、同様とする)。 ← 行 セル セル番地:D4 ← 列 ワークシートタブ ↓ リボン Office ボタン ↑ セルポインタ② 次に、B4~B9 のセルに「月曜日」~「日曜日」の曜日を入力する。 一つ一つ曜日を入力しても良いが、曜日のように連続している場合には、下記のように簡単 に入力することができる。B4 のセルに「月曜日」と入力したあと、B4 のセル枠の右下に マウスポインタを置きそのままB10 のセルまでドラッグし、ボタンを離す。 そうすると、連続した曜日が各セルに入力される(オートフィル機能という)。 曜日の後の行のセルB11 には、「合計/平均」と入力しておく。 ③ 文字列の入力の後は、数値を入力する。数値は、半角でも全角でも良い。数値をタイプし、 Enter キーを押す(半角文字の数値になる)。
(2)計算処理 ④「一人当たりの売上金額」を求める 「一人当たりの売上金額」は「売上金額÷来店人数」で求められる。まず月曜日の「一人当 たりの売上金額」の計算結果を表示させるE4 のセルに「=C4/D4」と入力する(/は割り算 の÷を意味する)。式の先頭のセル番地には、必ず「=」をつける約束である。 月曜日の計算結果がE4 に表示される。 (参考) 式の入力にはつぎのような別の方法もある。まず、セルE4 にセルポインタを置いて、「=」 とタイプし、セルC4 をクリックする。その後に「/」をタイプし、セル D4 をクリックし てからEnter キーを押す。 ⑤ 各曜日の「一人当たりの売上金額」を求める ④と同様に、火曜日から日曜日までの計算式をE5 から E10 まで入力しても良いがもっと容 易にすべての計算式を入力することができる。 その方法は、セルE4 の式を E5 から E10 までコピーする方法である。まず、E4 のセル枠 の右下 にマウスポインタを置き、そのまま E10 までドラッグしてボタンを 離す。E5 から E10 までコピーされて計算結果が表示される(式中のセル番号は自動的に変 更される)。
⑥ 「1 週間の売上合計」と「来店人数合計」を求める 売上金額の合計であるから、セルC11 に「=C4+C5+C6+C7+C8+C9+C10」と入力すれば良 いのであるが、もっと多くのデータの合計を求める場合には多くの文字を入力しなければな らない。このような合計計算を行うには総和を求めるアイコンボタン「∑オートSUM」を 使って次のようにする。 セルC11 にセルポインタを置いて、∑のアイコンをクリックすると、C11 に数式 =SUM(C4:C10)が表示される(コロン:は計算対象の範囲を示す記号 )。そこで、Enter キーを 押すと、セルC11 内に「1 週間の売上合計」が求まる。 「来店人数合計」も、セルD11 にセルポインタを置いて、同様な操作をすればよい。
⑦ 「1 週間分の一人当たりの売上金額」を求める 表計算の最後は、「一人当たりの売上金額」の平均を求める。表計算ソフトにはいろいろな 計算を行うのに便利な関数というものが用意されている。この場合の計算は、平均を求める ことであるが、そのための関数「AVERAGE」を使うとよい。その入力方法は以下のように する。求める平均はセルE4 からセル E10 の数値の平均である。セル E11 にセルポインタ をおいて、∑のアイコンの右にある▼をクリックするとプルダウンメニューが表示されるの で「平均(A)」を選択する。「=AVERAGE(E4:E10)」と入力される( :は計算対象の範囲を 示す記号 )。Enter キーを押すと、結果が E11 に表示される。 ※正確にはE11=C11/D11 を計算すべきである。ここでは、AVERAGE 関数を導入するた めに正確さを一部犠牲にしている。
1.3. 編集操作
作成したワークシートを編集する方法を説明する。 (1)列幅の調節 上記の例で、見出しの「一人当たりの売上金額」の文字列がセルからはみ出ているので、この ような場合、列の幅を調節することが必要になる。このような場合には、幅を広げたい列の番 号とその右の列番号との境目にマウスポインタを置いて、マウスをダブルクリックするとその 列の文字長に合わせて列幅が調節される。もっと、広く幅を広げたいときには、そこでマウス を右にドラッグすることで任意の列幅に変更することができる。 (2)列や行の挿入/削除 表を作成している時に、データの列や行を追加したり削除したりすることがある。その時には 次のようにする。 ① 列の挿入(追加) 挿入したい列の列番号をクリックして、その列の範囲指定をする。 右ボタンを押してクイックメニューを表示させ、「挿入」を選択する。 指定した列のところに空白の列が挿入される。 なお、複数の列を挿入したいときは、その列数だけ範囲指定をすればよい。 ② 列の削除 列の削除は、挿入のときと同様に、削除したい列の範囲指定をする。 右ボタンを押してクイックメニューを表示させ、「削除」を選択すると、指定した列の削除 ができる。 行の挿入と削除も、列の挿入と削除と同じように行うことができる。 行の場合の範囲指定は、行番号をクリックすることによって可能である。 【練習】 D 列に下記の「仕入金額」のデータを追加し、仕入金額の合計を求める。 仕入金額 月曜日 92548 火曜日 78530 水曜日 72000 木曜日 98700 金曜日 134780 土曜日 114750 日曜日 352800 これまでの結果は、次表のようになる(列F の幅によって小数点以下の数値は異なる)。(3)ワークシートに名前をつける ワークシートには、シートの下に、ワークシートタブというものがついている。第1 週の週間 売上表のワークシートには「Sheet1」という表示があるが、それはワークシートにつけられた 仮の名前である。 この名前を「第1 週」という名前にするには、ワークシートタブをダブルクリックすると、 「Sheet1」が反転文字になるので、そこに「第 1 週」と入力すればよい。 (4)新規ワークシートの作成 今まで作成してきたワークシートに追加して新しいワークシートを利用したいときがある。(上 記の例では、別の週の売上データを作成したいという場合などが相当する。) このように、新しいワークシートを追加したい場合にはワークシートタブの別のタブをクリッ クする。 あるいは、ワークシートタブの右端にあるアイコン(下図参照)をクリックする。そうすると、 新しいワークシートが画面上に表示され、利用できるようになる。 (5)ワークシートの切り替え いくつかのワークシートを利用しているときにワークシートを切り替えることができる。 ワ ークシートの切り替えは、切り替えたいワークシートタブをクリックすればよい。 (6)データの複写 同じワークシート内でのデータの複写や、ワークシート間のデータの複写はつぎのようにする。 ① 複写元のセルにセルポインタを置くか、複写元のセルの範囲指定を行う
②リボンにある を選択する ③ 複写先のセルにセルポインタを移動してから、 を選択する。 ④ 指定されたデータが複写される (7)データの移動 データの移動についても操作の手順は、複写の場合とほぼ同様である。移動の場合は②の部分 を とし続いて③を行えばよい。 なお、(6)、(7)のデータの複写や移動などの操作は、マウスの右ボタンをクリックして表示され るクイックメニューからもできる。 【練習】新しいワークシート「第2 週」を作成し、ワークシート「第 1 週」の表データを複写 する 【練習】第2 週のワークシートの表データ中の数値を適当に変更して、第 2 週の週間売上表を 完成させる。
1.4. ファイルの保存
作成したワークシートファイルの保存は、次のように操作する。 ① USB メモリーをセットする ② Office ボタンを押し、「名前を付けて保存(A)」を選択 ③ 保存先のドライブとディレクトリを指定する。 ④ 「ファイル名(N):」のボックスにファイル名を入力し、「保存」ボタンをクリックする。 この例題の場合は、例えば「週間売上表」と入力する。 【練習】上記の操作で、USB メモリー内にファイルを保存する。1.5. ファイルの印刷
作成したワークシートを印刷するには、次のようにする。ここでは、プリンタの設定やページ のレイアウト設定は、既存のままで行うことにする。① 印刷の前に、どのように印刷されるかを画面で確認したいときには、Office ボタンを押し、 その中の「印刷(P)」→「印刷プレビュー(V)」を選択すると、画面上に印刷イメージが表 示される。拡大、縮小はアイコンを選択して自由に変更できる。 ② プレビューしたら、プリンタ型のアイコンをクリックする。再度、ダイアログボックスが 表示されるのでOK ボタンをクリックする。 ③ 印刷を開始する。 なお、印刷プレビューをせずに、直接印刷をする場合は、「印刷(P)」を選択クリックすればよ い。 【練習】作成したワークシートを上記の操作で印刷する。
1.6. 表処理の終了
ワークシートの処理を終了するときは、Office ボタンを押し、「閉じる(C)」を選択する。また は、タイトルバーの閉じるボタン × をクリックする。実 習
Ⅰ.以下の成績表を完成させよ。ここで、最高点の計算は、関数MAX を、最低点の計算は関 数MIN を使うとよい。 Ⅱ.下記の表は、ある選挙のときの得票データである。表を完成させよ。ここで、得票率=得 票数÷得票数合計である。セルC4 には「=B4/$B$9」と入力して、それを下側4セルに 成績表 出席番号 氏 名 英語 国語 数学 合計点 平均点 1 芥川 龍助 80 90 50 2 阿部 工房 95 80 90 3 有島 竹朗 65 65 70 4 有吉 沢子 85 85 100 5 石川 順 70 80 70 26 水上 努 55 75 45 27 宮沢 健二 80 80 50 28 29 30 平均点 最高点 最低点 …… 中略 ……コピーするとよい。$B$9 は絶対セル番地といって、コピーしても常にセル B9 を指定す るものである。絶対セル番地を指定するときは、該当セルを押し、F4 キーを押すとよい。
2. 報告書(資料)の作成
作成したワークシートをより見やすく、分かり易くするために、タイトル文字を大きくしたり、 表の枠に罫線を引いたりなどのワークシートの装飾や、グラフを添付したりして報告書に掲載 するデータ(資料)を作成することが多い。 以下、そのような処理を行う。2.1. ワークシートの装飾
ワークシートの装飾では、全体の書式を決めることや、罫線を引いたり、文字のフォントやサ イズを決めたり、数値の編集等を行う。 一般に書式を決めるには、あらかじめ用意されているリボンの中にあるアイコンを利用すると よい。あるいはマウスの右ボタンをクリックし、クイックメニューから「セルの書式設定」を 選択する方法で可能となる。 (1)罫線の追加 ワークシートをそのまま印刷しても、表の枠は印刷されず、文字と数値だけになる。 表の枠と して罫線を引きたいときは次のようにする。 ① まず、表全体を範囲指定する(タイトルは除く)。 ② リボン中の の▼をクリックして「格子(A)」を選択する。 A B C 1 得票表 2 3 候補者名 得票数 得票率 4 伊藤博文 23521 5 板垣退助 98561 6 大久保利通 8562 7 西郷隆盛 41253 8 井上薫 12790 9 合計③ 罫線が引かれる。
④ 同様にして手順②で「外枠太線(T)」を選び、罫線を引く。その結果、以下のような表が 得られる。
※上の手順②で罫線メニューからパターンを選ぶことによって、様々な罫線を引くことができ る。
(2)文字サイズの変更 全体的にタイトルの文字が小さくなったので、文字のサイズやフォントを変えることにする。 ① セルポインタをタイトルが入力されているセル(A1)に置く。 ② リボンの中の の▼をクリックして文字のサイズ(ポイ ント数)を選ぶ。ここでは、20 ポイントにする。 ③ 必要ならばタイトルの位置を動かす。 (3)表示形式の設定 表中の「一人当たりの売上金額」の数値は小数点以下が長いので見にくくなる。そこで、デー タを表示する形式を変更することにする。また、「売上金額」と「仕入金額」の数値は、先頭 に「¥」記号をつけ、3 桁ごとのカンマを挿入することにする。 ① 「一人当たりの売上金額」の値のセルを範囲指定する。 ② を選択する。数値の前に¥記号、3 桁ごとにカンマ「,」がつ けられる。 ③ を2 回クリックして、小数点以下 2 桁まで表示させる。 ④ 次に、「売上金額」の値のセルを範囲指定する。手順②と同じ処理をする。 ⑤ 「仕入金額」についても、④と同様な操作を行えばよい。 ここまでの操作で、ワークシートは次表のように表示される。
(4)表示位置の設定 表中の文字列の位置を右詰め、左詰め、中央揃えなど表示位置を変えることができる。ここで は、曜日と見出しの各文字列を中央に表示させることにする。 ① 曜日の各セルを範囲指定する。 ② さらに、Ctrl キーを押しながら、見出し項目のセルをドラッグして範囲指定する。 ③ リボンの中の をクリックする。 ④ 文字列が中央に表示される。 以上の操作の結果、ワークシートは次のようになる。
2.2. グラフの作成
作成した表のデータを用いてグラフを作成する。作成できるグラフには、折れ線グラフ、棒グ ラフ、円グラフ、3 次元グラフなどが用意されているので目的に応じたグラフを描画させるこ とができる。 以下、「週間売上表」の例題を基にして説明する。 (1) グラフの描画 グラフを描画するには、グラフウィザードの指示にしたがって作成すると作成し易い。 ①データの範囲をマウスでドラッグして指定する。(例:表の網掛け部分) ②「挿入タブ」→「縦棒」→「2D 縦棒」を選択する。③グラフがアクティブな状態で、 「レイアウトタブ」→「グラフタイトル」→「グラフの上」を選択する。タイトルを「週 間売上表」と記入する。 ④「レイアウトタブ」→「凡例」→「凡例を下に配置」を選択する。 ⑤「レイアウトタブ」→「軸ラベル」→「主横軸ラベル」→「軸ラベルを軸の下に配置」を 選択する。軸ラベルを「曜日」と記入する。 ⑤「レイアウトタブ」→「軸ラベル」→「主縦軸ラベル」→「軸ラベルを垂直に配置」を選 択する。軸ラベルを「金額」と記入する。 ⑥グラフが表の下に描画される。
(2) グラフの種類の変更 グラフの種類を変更することもできる。 ① グラフエリアにマウスポインタを置き、右ボタンをクリック。クイックメニューを表示さ せる。「グラフの種類の変更」を選択する。 ② 変更したいグラフの種類を選び、クリックする。 ③ 指定したグラフに変更される。 ここでは、棒グラフを折れ線グラフに変更した例を示す。 (3) グラフ要素の変更 グラフの大きさや、グラフのタイトル、横軸・縦軸の名前の表示などのグラフ要素を変更する ときには、次のようにする。 ・グラフのタイトルを変更する。 タイトルをクリックし、枠の中に「売上推移グラフ」と入力する。 ・グラフのサイズの変更と移動
グラフの外枠をクリックすると、四隅に小さな■(ハンドルという)が表示される。(グラ フが選択された状態) このハンドルをドラッグするとグラフのサイズを変更することができる。 また、グラフそのものをドラッグすると、グラフの位置を移動することができる。 ・グラフの削除 グラフを削除するときは、そのグラフを選択し、Delete キーを押せばよい。 これまでの操作結果をまとめると下記のようになる。 「週間売上表」の作成結果
2.3. 表データの並べ替え
上記の表のデータは、月曜日から日曜日までの曜日順に並んでいる。このデータの並びを例え ば「来店人数」の多いものから少ないものの順に並べ替えるようなことも可能である。このよ うに、データの並べ替えをすることをソート(整列)という。 ソートの操作は次のようにする。 ①並べ替えたいデータの全体の範囲を指定する。 ②「データ」タブを選択し、「並べ替え」をクリックする。 「並べ替え」ダイアログボックスが表示される。 ③最優先されるキー、並べ替えの基準にする項目(ソートキーという)とソート順序を指定 する。(「レベルの追加」ボタンを押せば、第2キー以下のキーを指定できる。) ④入力後、OKボタンをクリックする。 ソート順序には、次の2通りがある。 昇順:英字の場合は、AからZの順。数値の場合は、小さい値から大きい値の順に並べる。漢 字等の文字列の場合は、あらかじめ決められた並び方の方法に従って並べられる。 降順:英字の場合は、ZからAの順。数値の場合は、大きい値から小さい値の順に並べる。漢 字等の文字列の場合は、あらかじめ決められた並び方の方法に従って並べられる。 以上の操作によって、例題の表中のデータを「来店人数」の降順に並べ替えをする。データの 並びを変更すると、グラフも自動的に変わることに注目すること。これまでの操作で、報告書用データ作成の基本的なことが習得できたので、あとはこれらの基 本操作を応用していけばよい。