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(1)

平成30年度 高知県教育センター

小中学校教育課程研修(中学校教科)

カリキュラム・マネジメントの

具体的な取組について

赤 沢 早 人

(

奈良教育大学)

(2)

新学習指導要領

完全実施をひかえて

カリキュラム・マネジメント

(3)

カリキュラム・マネジメントの具体的な取組について

Ⅰ カリキュラム・マネジメント総論

1. 新学習指導要領における

カリキュラム・マネジメント

2. カリキュラム・マネジメントの実践

具体的に何をするか?

Ⅱ カリキュラム・マネジメント各論

1.管理職・ベテラン教員による関与

2.主任・主事、ミドルリーダーによる関与

3.教科・学級等担任による関与

3

(4)

Ⅰ カリキュラム・マネジメント総論

1.

新学習指導要領における

(5)

(1)学習指導要領解説 総則編より

「三つの側面」

(6)

(1)学習指導要領解説 総則編より「三つの側面」

教育課程はあらゆる教育活動を支える基盤となるも

のであり,学校運営についても,教育課程に基づく教育

活動をより効果的に実施していく観点から組織運営が

なされなければならない。

カリキュラム・マネジメントは,

学校教育に関わる様々な取組を,教育課程を中心に据

えながら組織的かつ計画的に実施し,教育活動の質

の向上につなげていく

ことであり,本項においては,中

央教育審議会答申の整理を踏まえ次の

三つの側面

ら整理して示している。具体的には,

(7)

(1)学習指導要領解説 総則編より「三つの側面」

・ 児童や学校,地域の実態を適切に把握し,教育の

目的や

目標の実現に必要な教育の内容等

を教科等

横断的な視点で組み立てていくこと,

・ 教育課程の

実施状況を評価してその改善

を図ってい

くこと,

・ 教育課程の実施に必要な

人的又は物的な体制

確保するとともにその改善を図っていくこと

などを通して,教育課程に基づき組織的かつ計画的に

各学校の教育活動の質の向上を図っていくことと定義

している。

(8)

(2)教育課程(≒カリキュラム)とは

(9)

(2)教育課程(≒カリキュラム)とは

学校教育の目的や目標を達成するため

に,教育の内容

を児童(生徒)の心身の発達に応じ,授業時数との関連

において総合的に組織した

各学校の教育計画

・◯◯学科、△△コースのような

教育活動全般のレベル

・食育、キャリア教育のような

特定の教育プログラム

(◯◯教育)のレベル

・運動会・体育大会、音楽会、文化祭、読書週間、遅

刻ゼロ週間のような

期間限定の行事等のレベル

・日々の教科指導、学級指導、生徒指導、進路指導の

ような

日常的な指導のレベル

(10)
(11)

(3)教育課程(≒カリキュラム)の編成

① 「

つけたい力(資質・能力)

」を具体化・焦点化する

一点突破型芋づる主義

② 教職員(個人単位でも分掌単位でも)の相互理解

のもとで(組織的というより)

協働的に

取り組む

③ 年度末に「目に見える

教育成果(成長)

」(≠数値

目標)をあげることを目指す

(12)

教育課程経営とカリキュラム・マネジメント

教育課程

カリキュラム

準拠

法律準拠

legal

objective

目的準拠

策定

組む(編成)

arrange

創る(開発)

develop

性格

common

共通性

original

独自性

運営

administration

管理

management

経営

※次期学習指導要領に関わる公的文書においては、上記の区分が厳密になされ ていない部分もあります。

(13)

Ⅰ カリキュラム・マネジメント総論

2. カリキュラム・マネジメントの実践

(14)

①児童や学校,地域の実態を適切に把握し,教育の

目的や

目標の実現に必要な教育の内容等

を教科

等横断的な視点で組み立てていくこと

→課題、目標、実施:Plan、Do

②教育課程の

実施状況を評価してその改善

を図って

いくこと

→評価・改善:Check、Action

③教育課程の実施に必要な

人的又は物的な体制

確保するとともにその改善を図っていくこと

→組織開発

カリキュラム・マネジメントの三つの側面

(15)
(16)
(17)
(18)

教育課程(カリキュラム)のことだからといっ

て、全て教務主任や教務課に委ねるという

ことではなく…

中央教育審議会答申(平成28年12月)には… 「カリキュラム・マネジメント」の実現に向けては、校長又は園長 を中心としつつ、教科等の縦割りや学年を越えて、学校全体で 取り組んでいくことができるよう、学校の組織や経営の見直しを 図る必要がある。そのためには、管理職のみならず全ての教職 員が「カリキュラム・マネジメント」の必要性を理解し、日々の授 業等についても、教育課程全体の中での位置付けを意識しな がら取り組む必要がある。(23-24ページ)

(19)

(4)校内ポジションと期待される「振る舞い」

(説明) 管理職・ ベテラン 主任・主事、 ミドルリーダー 教科・ 学級等担任 運営の マネジ メント つけたい力を実現する ために子どもに働きか ける PDCA、授業改善、アクティ ブ・ラーニング、ICT活用、 教科等横断 価値 付ける 選択する 決定する 準備する 指導する 成長の マネジ メント 子どもにつけたい力を 具体化する 資質・能力、子ども理解、 ルーブリック 俯瞰する 外部に 説明する つなぐ 子どもを 変える 協働の マネジ メント 関係者が力を合わせる 校内研修・研究、チーム学 校、社会に開かれた教育 課程 組織を つくる 文化を つくる 同志を つくる カリキュラム・マネジメントの実践 = 3種類の職能 × 3種類の任務

(20)
(21)
(22)
(23)

1. 管理職・ベテラン教員による関与

(1)

価値づける

(運営のマネジメント)

→学校経営計画(グランドデザイン、学校ビ

ジョン等)の策定と運用

(2)

俯瞰する・外部に説明する

(成長のマネジメント)

→学校教育目標

(とそれを具体化した年度重点目

標)

にもとづく学校評価・授業評価の実施

(3)

組織をつくる(協働のマネジメント)

→「良循環サイクルの集団的展開」…「文化」

が育つ「ハコ」を創る!

(24)

1. 管理職・ベテラン教員による関与

(1)

価値づける

(運営のマネジメント)

①学校の教育活動(教科、道徳、特別活動、総合)の重点計画 を、当該年度の重点目標に沿って具体化しているか? cf 何のための授業改善?何のための各種行事?何のため の体験学習? ②教育活動の計画(狭義の教育課程)と生徒指導・進路指導の 計画と研修・研究の計画の三者がリンクするように指導・助言 を行っているか? ③教育行政や地域・家庭の資源(リソース)が十分に活用される ように教職員への指導・助言を行っているか? ④学校の教育活動の実施に際して、重点目標に沿って教職員を 方向付けているか?

(25)

1. 管理職・ベテラン教員による関与

(2)

俯瞰する・外部に説明する

(成長のマネジメント)

①学校教育目標を当該校の児童生徒の実態や教育課題に即して 設定しているか? ②学校教育目標を各担任が授業や行事等を計画・実施する際の 具体的なイメージを喚起するものとして表現できているか? cf 「元気な子」を育むための授業の工夫? ③年度重点目標を十分に焦点化しているか?(「あれもこれも」⇔ 「あれかこれか」) ④年度重点目標に即して当該年度の各種教育活動・経営活動を 適切に計画しているか? cf 平成30年度の重点目標と同年度の運動会・体育大会 の目標(ねらい)との整合性? ⑤重点目標が実現したかどうかを見取るための検証軸として評価 指標(ルーブリック)等を明確に設定しているか?

(26)

1. 管理職・ベテラン教員による関与

(3)

組織をつくる(協働のマネジメント)

出典)佐古秀一「学校の織特 性と学校づくりの組織論」佐古 秀一・曽余田浩史・武井敦史 『学校づくりの組織論』学文堂、 2011年、142ページ。 …組織開発の基本モデルの第2は,上のようなサイク ル(引用者注:右図の教師A、B、Cそれぞれの教育活 動改善サイクル)を学校の協働的なプロセス(相互作 用)のなかで展開していくことである。これによって,個 業化のデメリットを縮減し,教員レベルでの自律的な 教育活動の改善と,子どもの実態と実践の事実に関 する認識(すなわち教育の事実)をふまえた学校の教 育意思生成を徐々に進め,それをもとにした実践改善 を実現することを想定している(学校組織レベルの内発 的改善)。すなわち,その学校の教育に関する実態の 認識,課題の生成,実践の変革に関する,教員間での 知識,経験などの交流と共有化を図り,これによって, 教員レベルでの自律的な教育活動と学校の組織化を 両立させていくことをねらいとしている。(佐古秀一「学 校の内発的改善力を支援する学校組織開発の基本モ デルと方法論―― 学校組織の特性をふまえた組織 開発の理論と実践――」『鳴門教育大学研究紀要』 25、2010年、133ページ。 良循環サイクル

(27)
(28)

2.主任・主事、ミドルリーダーによる関与

(1)

選択し・決定する

(運営のマネジメント)

→実現をめざす学校教育目標(教育目標・経

営目標)に沿ったカリキュラムの選択と実施

(2)

つなぐ

(成長のマネジメント)

→当該校における各種目標の整理、構造化、

重点化、共通理解

(3)

文化をつくる

(協働のマネジメント)

→文化的リーダーシップと「プールの渦」モデル

(29)

2.主任・主事、ミドルリーダーによる関与

(1)

選択し・決定する

(運営のマネジメント)

①当該年度の教育目標・経営目標(=重点目標)の実現をめざし て重点的に取り組む教育活動(カリキュラム、学校・学年・教科 単位でのもの)を十分絞り込んでいるか? ②重点的に取り組む教育活動(カリキュラム)を中核にして、関連 する取組や内容を位置付けられているか(各教科、道徳、総合、 特別活動、生徒指導、進路指導、人権教育…)? ③重点目標に沿って、学年・教科・学級等で実行される教育活 動(カリキュラム)の方向付けを行っているか?

(30)

2.主任・主事、ミドルリーダーによる関与

(2)

つなぐ

(成長のマネジメント)

①当該校の教育実態・課題や経営実態・課題を具体的に整理 し、校内で共通理解をはかっているか? ②当該校の学校教育目標や年度重点目標を教育課題や経営 課題の解決という観点から説明することができるか? ③当該校で設定されている各種の教育目標(学年・学期目標・ 月間・週目標等、生徒指導・進路指導・各行事等の目標 …)について、「メンテナンス(M)」の観点と「パフォーマンス (P)」の観点との区別がつけられているか?

(31)

2.主任・主事、ミドルリーダーによる関与

(2)

つなぐ

(成長のマネジメント)

④当該年度の重点目標が実現したかどうかを見取る評価指標 (ルーブリック)を運用するための具体的な評価方法(アン ケート等)を考案し、校内で共通理解をはかっているか? ⑤設定された評価指標(ルーブリック)・評価方法に沿って、適 切な時期に重点目標の実現の見取りを行っているか? ⑥教育活動(カリキュラム)の実施を通じた重点目標の実現(子 どもや先生が変わってきた実感)の状況について、校内で共 通理解をはかっているか?

(32)

2.主任・主事、ミドルリーダーによる関与

(3)

文化をつくる

(協働のマネジメント)

→文化的リーダーシップと「プールの渦」モデル

グループや小集団の中で自由な雰囲気や風土(す なわち文化)を形成しながら、成員の学習を促進し、 日常における分掌ごとの役割や年齢による先輩後輩関 係などにとらわれることなく、さまざまな意見を出し合い、 新たなアイディアや知識の創出を優先する中で、リー ダー的役割を発揮する。伝統的な集団(同質な集団) を維持しようとすることは、組織の行き詰まりを招来する。 異質なものをまぜることで、同質の中身が初めて自覚 され、比較対象により、新しいものを創ることや、組織 を変えることが可能となる。伝統は常に革新しながら保 持されてきたのである。 出典)文部科学省 マネジメント研修カリキュラム等開発会議『学校組織マネジメントこれか らの校長・教頭等のために』2004年。 カリキュラムのための リーダーシップ

(33)

2.主任・主事、ミドルリーダーによる関与

(3)

文化をつくる

(協働のマネジメント)

→文化的リーダーシップと「プールの渦」モデル

入場行進モデル プールの渦モデル

(34)
(35)

3.教科・学級等担任による関与

(1)

準備し、指導する

(運営のマネジメント)

→学級経営・教科経営(授業運営)・行事等

運営:実際に子どもを育てる取組

(2)

子どもを変える

(成長のマネジメント)

→「めざす成長の姿」としての重点教育目標

の具体化と実現

(3)

同志をつくる

(協働のマネジメント)

→同僚性、メンバーシップ、フォローシップ、コ

ミュニケーション、関係者との信頼構築

(36)

3.教科・学級等担任による関与

(1)

準備し、指導する

(運営のマネジメント)

①日々の学級経営・教科経営等において、「めざす成長の姿」 に沿って計画、準備、指導できているか? ②「めざす成長の姿」を実現するために、各学級・教科等で重 点的に取り組む教育活動(カリキュラム)を絞り込んでいる か? ③学校・学年等で決定された重点的に取り組む教育活動(カリ キュラム)を中核にして、各学級・教科での関連する取組や 内容を位置付けられているか? ④とりわけ教科指導の「単元」のレベルで、「めざす成長の姿」 を具体化できているか?(「単元目標」や「評価規準」がど こかからの「コピペ」にとどまっていないか?)

(37)

3.教科・学級等担任による関与

(2)

子どもを変える

(成長のマネジメント)

①学級に関する目標(=学級経営でめざす子どもの成長の姿) は「メンテナンス(M)」だけでなく「パフォーマンス(P)」の観点 も含めて適切に設定できているか? ②教科に関する目標(=授業でめざす子どもの成長の姿)は「知 識・技能の習得」(知識)だけにとどまらず、「思考力・判断 力・表現力等の育成」(能力)および「学びに向かう力・人間 性等の涵養」(態度)の視点も含めて適切に設定できている か? ③学級指導や教科指導で「めざす成長の姿」について、当該校 の学校教育目標および重点目標との関連を明確に説明する ことができるか?

(38)

3.教科・学級等担任による関与

(2)

子どもを変える

(成長のマネジメント)

④学年や学級・クラスごとに、関連する教員間で「めざす成長の 姿」を共通理解できているか? ⑤「めざす成長の姿」の実現状況を具体的に見取り、子どもに 適切にフィードバックしているか?

(39)

3.教科・学級等担任による関与

(3)

同志をつくる

(協働のマネジメント)

同僚性(collegiality)とは?

(40)
(41)
(42)
(43)
(44)
(45)
(46)
(47)
(48)
(49)

めざす姿にむけて! 達成するために、これだけは! 低 学 年 「通じ合い」 ①はっきりと話す。相手を見て聞く。②進んで 話す。反応して聞く。③話し合う楽しさを味わう。 ①話し方、聞き方の型を示して活用する。(1学期掲示) 日常的に習慣づける。 ②全員が話す機会を意図的に設け、どの子も成功経験を積む。 ③話す楽しさが味わえる課題設定を行う。 中 学 年 「響き合い」 ①自分の考えをしっかりともつ。 ②自分の考 えと比べて聞く。③友達の考えを取り入れる。 ④話し合う楽しさを味わう。 ①話し方、聞き方の型を、子どもとのやりとりを通して決め、活 用する。(1学期掲示) ②全員が話す機会を意図的に設け、どの子も成功経験を積む。 ③切り返しやゆさぶりを通して、深い話し合いを導く。 ④話し合った後、考えが変わったり新しい考えになったりしたこ とを取りあげ、そのよさを伝えていく。 ⑤話す楽しさが味わえる課題設定を行う。 高 学 年 「創り合い」 ①考えの根拠をもつ。②新たな考えを友達と、 または自分で創りだす。③よりよい解決策を創 りだす。④話し合うよさを味わう。 ①話し方、聞き方の型を、子どもとのやりとりを通して決め、活 用する。(1学期掲示) ②切り返しやゆさぶりを通して、深い話し合いを導く。 ③考えの根拠を示せるようにする。 ④話し合った後の変容に目を向け、そのよさを伝える。 ⑤話し合うよさを実感できる課題設定を行う。

(50)
(51)

積極的な行動 自己決定力 自己を方向づけるもの 自己表現 好奇心

6月 2.25 2.75 2.25 2.25 2

10月 3.5 3.25 3.25 4 3.5

(52)
(53)

教職員みんなで進める

カリキュラム・マネジメント!

めざす子どもの「姿」(教育目標)の

実現に向けて…

一人で…

同僚とともに!

学校ぐるみで!!!

(54)

📖 参考文献

・赤沢早人「カリキュラム・マネジメントによる授業改善」『授業づくりネットワー ク』No,29、2018年。 ・赤沢早人「カリキュラム・マネジメント」田中耕治編著『新しい教職課程講座 第6巻 教育課程・教育評価』ミネルヴァ書房、2018年。 ・赤沢早人「各学校におけるカリキュラム・マネジメントの実施に向けて」『月刊プ リンシパル』2018年1月号、2017年。 ・赤沢早人「カリキュラム・マネジメントの『第一歩』」ぎょうせい編『新教育課程 ライブラリⅡ Vol.9 移行措置期の学校づくりを考える』ぎょうせい、2017年 ・赤沢早人「学校におけるカリキュラム・マネジメント」西岡加名恵編著『教職教 養講座4 教育課程』協同出版、2017年。 ・赤沢早人「『カリキュラム・マネジメント』で学校を変える」吉冨芳正編著『次代 を創る「資質・能力」を育む学校づくり 第1巻 「社会に開かれた教育課程」 と新しい学校づくり』ぎょうせい、2017年。 ・田村知子他編『カリキュラムマネジメント・ハンドブック』ぎょうせい、2016年。 ・村川雅弘ほか編著『「カリマネ」で学校はここまで変わる! 続・学びを起こす 授業改革』ぎょうせい、2013年。

(55)

各学校で「カリキュラムの実践」が

豊かに花開きますように!

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