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第1部 今後の文化芸術政策の基本方針

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Academic year: 2021

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基本方針 1

創造の場と機会を充実し、都市としての個性を創出し、世界に発信しま

(行動に向けた考え方) 文化芸術分野を中心に、創造的な活動によって生まれた新しい価値を世界に向けて常に 発信する、躍動感と個性にあふれる都市を形成し、横浜のブランドを確立します。そのた めに、芸術創造を支える仕組みをつくります。

1 世界への継続的発信の仕組みづくり

【横浜トリエンナーレの開催】 日本最大規模の国際現代美術展である横浜トリエンナーレでは、次代を担うアーティストに 作品を広く発表する機会を提供するとともに、内外のネットワークを拡げて、横浜から先端的 な文化芸術を発信します。 また、準備段階から市民との協働を進めるなど、街と一体となったイベントとして展開し、 都市としての発信性を高めます。 【国際的文化事業の連続的開催】 文化芸術の「現在」を知ることのできる先進的な事業が途切れることなく継続的に行われる よう、「横浜トリエンナーレ」「横浜ダンスコレクション・R」など既存事業の開催年や開催時 期などの工夫を図るとともに、発信力の高い新たな国際的文化事業の実施を検討します。 【横浜文化芸術プロモーション】 横浜が文化芸術の集積地となることを目指して、国内外に積極的にプロモーションを図りま す。また、インターネットなどのIT技術を活用して、活躍するアーティストや先駆的な作品 などに世界中からアクセスできる情報提供システムの充実などを図ります。 さらに、ストリートミュージシャンなども対象にして、文化施設だけでなく、街がアーティ ストのショーケースのような場となることを目指します。 〔主な取り組み〕 ・「横浜トリエンナーレ」の開催 ・「横浜ダンスコレクション・R」の展開 ・「芸術文化プロモーション推進事業」の展開 ・「芸術創造活動推進事業」の展開 〔関連する取り組み〕 ・開港 150 周年記念事業(横浜プロモーション推進事業本部) ・横浜観光プロモーション強化事業(同上) ・文化芸術に関する情報提供システムの改善・充実

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2 芸術創造の仕組みづくり

【発表と評価の機会創出】 フェスティバルなどの国際的文化事業の中で、芸術家やアーティストが自らの創作活動を発 表し、的確な評価を受けて、世界でより大きなチャンスを獲得できる環境を整えます。横浜で 活動することが、マーケットでの作品流通や公演機会の拡大につながるよう、継続的な芸術創 造と発信の仕組みを構築します。 【アーティストへの支援】 作品の制作・発表場所の紹介、助成・補助制度の情報提供など、アーティストが横浜での創 作活動がしやすくなるよう、様々な相談を行う支援システムの構築に取り組みます。 【新たな創作活動の機会の創出】 アーティストが新たな創作の刺激を得る機会として、その制作過程に様々な市民が参画する などの取組みを進めます。また、既存のジャンルではとらえられない活動や障害の有無、年齢 の違いなどを超える創作活動などにも積極的な支援を行います。 【NPO等の支援】 STスポット横浜や「BankART1929」等をはじめ、アーティストの創造活動をプロデュース するNPOや市民団体を積極的に支援していきます。 ※ BankART1929 とは NPOによる文化芸術創造の実験プログラムであり、横浜都心部にある歴史的建造物である旧第一銀行と、 日本郵船倉庫を活用してさまざまな文化芸術に関するプログラムが展開されている。 【横浜市芸術文化振興財団の活用】 世界に通用する文化芸術の創造・発信拠点となるための推進体制を強化します。そのための 具体的な事業を展開し、また、民との協働体制を構築する専門機関として、財団法人横浜市芸 術文化振興財団を位置づけます。 〔主な取り組み〕 ・文化芸術創造発信拠点の整備 ・「横浜トリエンナーレ」の開催 ・「横浜ダンスコレクション・R」の展開 ・「芸術創造活動推進事業」の実施 ・新たなコンペティションの検討 ・「アーツ・コミッション事業」の展開 ・アーティスト交流事業の推進

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映画、音楽、演劇、文芸、写真、漫画、アニメーション、ゲーム、図形、色彩、動作、映像など、知的財産 そのものを生産する産業。他産業と比べ非常に高い波及効果をもたらす可能性があるといわれる。

基本方針 2

魅力ある都市空間の形成と創造的産業の集積を図り、都市の活力を高め

ます

(行動に向けた考え方) 開港以来の資源である港や歴史的建造物などを生かして、芸術家やアーティスト、クリ エーターの創造力を刺激する、魅力ある都市空間を形成し、多様な文化芸術活動を活性化 するとともに、コンテンツ、エンターテイメント、デザイン産業など創造的産業が集積す る都市を目指します。 ※ コンテンツ産業とは

1 創造都心の形成

【(仮称)ナショナルアートパーク構想】 開港都市としての歴史・文化、港の風景などの資源や文化芸術活動の持つ創造性を活かし、 都心臨海部が世界に誇れる魅力的な空間となるよう、国際的な観光交流拠点や創造的な産業の 拠点づくりを進めます。ここで展開される活気あふれる活動や美しい都市景観の魅力に惹かれ て、市民をはじめ国内外から多くの観光客やビジネス客が訪れるような都市づくりを進めます。 【創造界隈(クリエイティブ・コア)の形成】 馬車道や日本大通りを文化芸術関係の創造的な産業が集積する創造界隈(クリエイティブ・ コア)とする事業を展開するとともに、映像コンテンツ産業の誘致・育成によって映像文化都 市の形成を図ります。 具体的には、都心部の歴史的建造物、倉庫、空きオフィス等をスタジオやアトリエ、ギャラ リーなどに転用し、活用の促進を図ります。同時に、関連する事業者の集積を促すとともに、 アーティスト等が創作、発表、滞在(居住)しやすい街を形成します。 また、アーティスト等の活動上の相談に応じたり、地元との連携などを支援するなど、創造 的な人材が横浜に長く定着できる環境づくりを進めます。 さらに、文化施設等にアーティストが一定期間滞在して創作活動を行う、レジデントアーテ ィストの仕組みを導入するなど、横浜が継続的な創造の拠点となっていく仕掛け作りを行いま す。 【創造都心づくりの推進に向けた組織】 創造都心づくりを推進するため、民間の公益的推進組織の設立を検討します。そこでは、倉 庫や空きオフィス等の転用など創造的な環境の整備や創造的産業の誘致、アーティスト等の活 動支援などを行います。 〔主な取り組み〕 ・創造都市推進のための機構整備 ・象の鼻・山下ふ頭の整備等 〔関連する取り組み〕 ・象の鼻地区・大さん橋基部の再整備(港湾局) ・歴史的建築物等活用実験事業(都市整備局) ・東横線跡地の整備(同上)

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2 映像文化都市づくり

【創造的産業のクラスター形成】 文化芸術との相互関連性が高く、今後の成長産業でもある創造的産業、特に、コンテンツ産 業、デザイン産業などについて、支援制度を充実させ、裾野を支える周辺産業や大学・専門学 校など教育機関をも含めた重層的な機能集積の形成を促進し、産業クラスターを形成します。 ※ 産業クラスターとは 関連のある産業や事業がお互いに結びつき、協力し合うことにより、新たな相乗効果を生みだし、新しい産 業形態を創造することをいいます。産業クラスターの主な目的は、地域の特色を活かし、中央依存型経済から の脱却を図り、経済的に自立した地域を目指すことにあります。 【映像文化都市づくり】 デジタルコンテンツ系のフェスティバルの開催や横浜フィルムコミッションや横浜学生映 画祭の支援、横浜情報文化センターの開設などの取組みを基盤として、映像系コンテンツ産業、 エンターテイメント産業などの集積の形成を図ります。 東京藝術大学大学院映像研究科の誘致など人材育成機関の支援、登竜門的事業やビジネスマ ッチングの機会創出などを行い、次代を担う人材の育成・支援を図ります。 産業誘致だけではなく、都市づくりとして映像産業の振興に取組み、アジアやEUとの連携 も視野に、横浜が映像制作、発信、交流の拠点となることを目指します。 〔主な取り組み〕 ・創造的産業等の創出・集積誘導 ・映像文化都市づくりの推進 ・映像系教育機関の誘致 ・エンターテインメント施設の立地促進 ・「横浜学生映画祭」への支援 〔関連する取り組み〕 ・横浜型知的財産戦略推進事業(経済局) ・企業誘致促進助成事業(同上) ・関内・山下地区小規模IT事業者集積推進事業(同上) ・横浜フィルムコミッション(横浜プロモーション推進事業本部) ・創業・ベンチャー支援事業(同上) ・横浜ベンチャープロモーション事業(同上)

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基本方針 3

文化芸術における市民との協働を推進し、新たな地域社会を形成します

(行動に向けた考え方) 市民の文化芸術活動は、地域社会と文化芸術を結びつける活動や様々な社会サービスに まで拡がりを見せており、公共的な性格を持つようになってきています。このような市民 やNPOとアーティストとの協働を支援し、文化芸術を介して新たな地域社会を形成して いきます。

1 文化芸術と社会とをつなぐ市民活動への支援

【NPO等の支援・育成】 既存の文化芸術団体に加え、文化芸術活動と社会をつなぐNPO等の活動が活発になってき ています。これらの団体による、既成の価値観にとらわれない自由な活動が拡がっていくよう に、文化施設の運営や文化芸術事業など、専門機関が担っていた活動領域を開放するとともに、 それらを担う人材を育てていきます。 【市民協働の推進】 事業の企画・実施や地域の文化施設運営において、市民の参画を積極的に進めるとともに、 多様な市民活動団体やNPO等との協働を進めます。 【中間支援機能の充実】 文化芸術と社会をつなぐ活動を広げるため、STスポット横浜や「BankART1929」など中間 支援機能を担うNPO等を支援するとともに、財団法人横浜市芸術文化振興財団を活用しなが ら、情報提供や相談・助言、アートマネジメントや専門技術などの人材育成やノウハウの提供 などを行う中間支援機能を充実します。 ※ 中間支援機能とは 市民活動団体と行政とを媒介(「中間」)する機能であって、一方で市民活動団体に対して、市民活動相互の 連携や情報交換、情報やスキル、ノウハウの提供などの機能を持ち、他方で行政に対しては、市民活動全体の 立場を踏まえて政策提言を行なうなど、行政と市民社会との媒介役を務める機能を言います。 〔主な取り組み〕 ・「創造都市交流事業」の展開 ・NPOなど中間支援機能の充実 ・横浜アート LIVE など市民が中心となる事業の推進 ・(財)横浜市芸術文化振興財団によるNPOなど中間支援機能の充実 〔関連する取り組み〕 ・協働推進事業(市民協働推進事業本部) ・協働事業提案制度モデル事業(同上) ・区版市民活動支援センター整備・運営事業(同上) ・市民活動支援人材バンク事業(同上) ・市民活動推進ファンド(同上) ・区での自主企画事業(「称名寺薪能事業」等)(各区)

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2 文化芸術による地域社会の再生

【文化芸術を介したコミュニティ活動の支援】 鑑賞事業のほか、ワークショップや講座の開催など様々な手法を取り入れて、地域での文化 芸術活動を支援し、コミュニティの形成や地域での活動場所を求める団塊の世代など、市民か らのニーズに応えていきます。 【アウトリーチの展開】 地域のさまざまな施設や場に出向き、身近な鑑賞の場などを作ることによって、ふだん文化 芸術に接する機会の少ない人たちへの積極的な働きかけを行うとともに、文化施設に出向くこ とに困難がともなう高齢者や障害者などに対しても、文化芸術活動に親しみ、持てる創造性を 発揮できる機会を設けます。 ※ アウトリーチとは 言葉としては、手を伸ばすこと、地域への奉仕援助活動、公的機関などの出張サービスといった意味ですが、 文化領域では、文化施設から学校や地域に出向いて普及啓発活動を行うこと、これまで文化に触れる機会が少 ない層を文化に触れさせる取り組みなどを意味します。 【コミュニティにおける新たな社会サービスの開発】 アーティストの参画などによる学校教育との連携、教育や福祉、医療分野での応用、文化芸 術を介したコミュニティ意識の醸成など、さまざまな社会的課題の解決に文化芸術の力を活用 し、その可能性を広げていきます。 〔主な取り組み〕 ・多様なアウトリーチプログラムの開発・実施 ・学校や地域への専門家派遣事業の展開 ・区民公募企画事業の展開 〔関連する取り組み〕 ・地域まちづくり推進事業(都市整備局) ・身近なまちのルールづくりの推進(同上) ・チャレンジコミュニティビジネス支援事業 (横浜プロモーション推進事業本部) ・区での自主企画事業(「地域文化推進事業」等)(各区)

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新進のアーティストを発掘し、その創造的活動を支援するとともに、文化芸術を支える 幅広い人材の育成に取り組みます。また、様々な手法を活用して、将来の横浜を担う子ど もの創造性を育む環境を整えます。

基本方針 4

創造の担い手づくりに投資します

(行動に向けた考え方)

1 アーティスト・クリエーターが集まる創造環境整備

【新進芸術家の発掘・支援】 今後活躍が期待される新進のアーティストに対して、「横浜トリエンナーレ」「横浜ダンス コレクション・R」などのフェスティバルやコンペティション、各施設での事業などの中で、 創作や発表の機会を積極的に設け、プロフェッショナルとして自立するための支援を行います。 また、創造的で先駆的な活動に対する助成制度や顕彰制度を充実させます。 【レジデントアーティスト制度の導入】 横浜みなとみらいホールや横浜能楽堂などの専門施設等において、アーティストや芸術集団 が一定期間滞在し、そこを拠点として創作活動を行う仕組みを導入し、充実させます。レジデ ントアーティストは、施設や都市空間を活用してさまざまな創造活動を行うとともに、市民と ワークショップなどを開催し、市民の創造活動への参画を図ります。 【人材の育成】 文化芸術をはじめ、創造的な活動を担う人材を横浜から育てるために、アーティストの養成 だけでなく、アートマネジメントなど幅広い領域の大学・大学院や専門学校等の教育育成機関 を誘致するとともに、各施設でインターンシップの受け入れや市民プロデューサーの育成など を進めます。また、学生を対象とした制作機会の創出やコンペティションの開催、顕彰などを 行います。さらに、学校教育において文化芸術を一貫して学べるコースの創設も検討していき ます。 〔主な取り組み〕 ・「芸術創造活動推進事業」の展開 ・「創造的芸術文化活動支援事業」の推進 ・「創造都市交流事業」の展開

・「Just Composed in Yokohama ~現代作曲家シリーズ~」 ・「横浜市招待国際ピアノ演奏会」 ・「今日の作家展」 ・「横浜文化賞・文化芸術奨励賞」 ・文化施設におけるレジデントアーティスト事業の展開 ・「映像文化都市づくり」の推進 ・文化施設におけるアートマネジメント・インターンシップの導入 ・市民プロデューサーの育成 ・「アーツ・コミッション事業」の展開 〔関連する取り組み〕 ・市民活動支援人材バンク事業(市民協働推進事業本部)

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2 創造性を育む機会の創出

【創造性育成事業の地域展開】 多様な文化芸術を受け入れ評価していく力、創造性を発揮して表現していく力を育むために、 地域文化施設から専門的施設までの各文化施設で、基礎的な鑑賞事業やワークショップなどの 事業を充実させるとともに、身近な地域や施設に出向いて、アウトリーチ事業に取り組みます。 【学校等における子どもの創造体験の創出】 横浜の文化芸術の未来に対する投資として、プロのアーティストやNPOなどの協力を得な がら、子どもたちが創造の体験ができる機会を文化施設のみならず、学校や地域の施設など 様々な場で実施します。 同時に、教師を対象としたプログラムの開発、導入を行います。 〔主な取り組み〕 ・学校や地域への専門家派遣事業の展開 ・教師を対象としたワークショップ ・多様なアウトリーチプログラムの開発・実施 ・「子どものための JAZZ 教育事業」の実施 ・「みんなのオーケストラ ~神奈川フィル楽器ワークショップ~」 ・「子どものアトリエ事業」の充実 ・教育プログラムの実施 〔関連する取り組み〕 ・みんなで育てるハマの子ども推進事業(教育委員会) ・心の教育ふれあいコンサート事業(同上) ・区での自主企画事業(「児童文化ワークショップ事業」等)(各区)

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基本方針 5

魅力ある地域資源等を活かした文化基盤を整備します

(行動に向けた方針) 歴史的建造物や倉庫などを再生、転用し、アーティストなどの活動場所となる自由な創 造空間を整備します。 また、開港以来の進取の精神にあふれる人材や、横浜を拠点に長く活動を続ける団体と も連携し、新たな文化芸術活動の基盤を創っていきます。 既存の文化施設について、施設機能を十分に発揮できるよう運営方法の見直しを検討す るとともに、IT技術の活用や交通機関との連携などを進めます。

1 歴史的資源等の活用・転用

【歴史や文化を活かす】 みなとみらい 21 地区から山下ふ頭を中心とした都心臨海部において、その最大の魅力であ る開港都市としての歴史・文化や港などの資源を活かしながら、文化芸術活動を積極的に誘導 し、創造的産業の育成や観光資源の発掘を行うことによって、都市の活性化を図ります。 【歴史的建造物を活かす】 平成 16 年3月から旧第一銀行及び旧富士銀行の歴史的建造物を活用して、NPOによる文 化芸術創造の実験プログラム「BankART1929」を進め、平成 17 年 1 月からは日本郵船倉庫を 改修して「BankART Studio NYK」として実験的活用を図っています。また、平成 17 年度には 東京藝術大学大学院映像研究科が旧富士銀行などを利用し開校しました。 旧関東財務局などの歴史的建造物を活用して、今後もこのような取り組みを拡大・展開して いきます。 【倉庫や空きオフィスの活用】 倉庫や空きオフィスなどについて、助成制度の創設などによって、文化芸術活動や映像制作 活動の場への転用を促進します。 【横浜を根拠地とする文化芸術団体等との連携】 新たなアーティストを発掘・育成する機能を持つインフラとして、歴史的にも重要な役割を 果たしてきた文化芸術団体等との連携を強化していきます。 〔主な取り組み〕 ・「都心部歴史的建造物等文化芸術活用事業」の推進 ・「クリエイティブ・コア事業」の推進 ・「映像文化施設整備」<東京藝術大学大学院> ・「映像コンテンツ企業等立地促進助成制度」の推進 ・「クリエーター等立地促進助成制度」の推進 ・倉庫等の創造的活用への転用

・「BankART1929」「BankART Studio NYK」事業 ・文化団体との連携

〔関連する取り組み〕 ・東横線跡地整備事業(都市整備局)

・象の鼻地区・大さん橋基部の再整備(港湾局) ・旧川合玉堂別邸及び園庭緑地保全活用事業(金沢区)

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2 新たな文化基盤の整備と既存資源の活用

【新たな文化施設整備と遊休・余裕施設などの活用】 今後の文化基盤として、特に創造プロセスを支える制作・練習施設、稽古場などを充実させ ていきます。 また、既存文化施設の改修や地域にある官民の遊休・余裕施設などの改修・転用などにより、 市民に身近な創造活動の場を確保していきます。 【既存文化施設の見直し】 既存の文化施設について、施設機能や立地の持つ可能性を最大限に発揮できるように、開館 時間や利用期間など運営方法の改善を図るとともに、必要な改修による機能の変更なども検討 します。あわせて、市民がより文化芸術に親しむことのできるよう、施設の多角的な活用を検 討します。 また、各施設が新たな文化芸術を生む基盤となるよう、相互の連携を強化します。 横浜美術館、横浜みなとみらいホールなどの専門施設や市民文化ホール、区民文化センター などの地域文化施設といった施設体系の見直しについても検討していきます。 【都市空間の活用】 道路・公園などの公共空間や港など魅力ある都市空間を文化芸術活動の場や拠点として利活 用するために、必要な規制緩和や調整を図ります。 【IT技術の活用】 インターネットなどのIT技術を、物的な空間や時間を超えて、多くの人たちに文化芸術の 果実を届ける手段として、また、横浜から内外に向けて新たな価値を発信する基盤として活用 します。 【交通機関との連携】 文化芸術をより市民に身近なものとするために、交通機関の協力を得ながら、各文化施設へ のアクセス性と循環性を高めていきます。 〔主な取り組み〕 ・「クリエイティブ・コア事業」の推進 ・区民文化センター等の整備 ・「アーツコミッション事業」の展開 ・「芸術文化プロモーション事業」の展開 ・文化団体との連携 〔関連する取り組み〕 ・日本大通りでのオープンカフェ等の設置による文化的な活用

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■ 推進体制の強化

1 政策立案・執行機能等の強化

(1) 中期的方針を推進するための体制のあり方 文化芸術都市創造事業本部は、2 年間の時限付プロジェクト型組織であり、中期的方針が示 す「文化芸術創造都市・横浜」の実現のためには、引き続き、都市政策の一環としての文化芸 術政策を推進する行政組織が必要です。 新たな行政組織の構築にあたっては、事業本部の取り組みの成果も踏まえ、まちづくりやシ ティセールス等との連携、効率的・効果的な施策推進を図る視点から、あるべき体制を検討し ていきます。 また、地域の総合行政機関である区役所とも連携し、関連施策を推進することを検討します。 (2) 財団法人横浜市芸術文化振興財団の活動の方向性 財団法人横浜市芸術文化振興財団は、3つの基本的な活動を担う組織とします。 ① 本市の文化芸術政策の立案を支援する専門機関としての活動 基礎的なデータや情報の収集、蓄積、分析を行い、新たな政策目標に対応する事業手法 の研究開発に基づいて、政策提案や政策支援を行うシンクタンク的機能を担います。 ② 横浜を拠点とする総合的な芸術振興組織としての活動 個別施設を超えて、既存ジャンルを横断する総合的な芸術振興を担う「総合アーツセン ター」としての役割を担います。世界に通じる個性ある芸術の創造と発信に取り組むとと もに、多様なアウトリーチプログラムを開発し、その推進を図ります。さらに、新たな活 力があふれる横浜づくりのための創造都心づくりや創造的産業の創出など「文化芸術創造 都市・横浜」の実現に取り組みます。 ※ 総合アーツセンターとは これまで横浜美術館や横浜みなとみらいホールといった「施設」を中心にそれぞれの専門である美術や音 楽などの振興を行ってきましたが、今後の施策の推進にあたって、「施設」にとらわれず、また特定ジャンル を限定しない総合的な視点から文化芸術の創造に取り組む組織を、総合アーツセンターと称しています。 ③ 全市的な視点に立った地域文化振興を行う活動 全市的な視点から区役所との連携を図り、区民文化センターなど拠点を持たない区への 支援も行います。 また、文化芸術と地域社会をつなぐ市民やNPOなどに対する情報提供や人材育成など の中間支援機能を担います。

2 民との協働体制の拡充

(1) 文化団体等との協働 鑑賞や発表の場などが必ずしも十分とはいえない活動環境の中で、従来からさまざまな市民 や文化団体が、県や民間などの文化施設も利用しながら、横浜市とともに文化芸術活動を行っ てきました。

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その蓄積は、文化芸術のすそ野を拡大し横浜から新しい文化芸術を発信するとともに、地域 文化施設から専門施設まで多様な文化施設の整備や財団法人横浜市芸術文化振興財団の設立 などという形に結実して、横浜の文化芸術の礎になっています。 これらの成果は、民との協働体制の基盤となるものであり、今後もさまざまな機会を通じて、 協働の関係を築いていきます。 (2) 中間支援機能の強化による多様な民の力の育成 新しい文化芸術領域では、まだまだ民の力が十分に育っているとは言い難い状況にあります。 アートNPOをはじめとする文化芸術と市民をつなぐ非営利組織が、より活発に活動できるよ うな環境づくりが必要です。このために、アートNPO等の活動領域の拡大に努めるとともに、 財団法人横浜市芸術文化振興財団を中心に中間支援機能を強化していきます。 (3) 事業における積極的な民の力の活用 文化芸術創造の実験プログラムである「BankART1929」等の成果を踏まえながら、創造活動 支援などの事業を積極的に民に委ねていきます。また、区民文化センター等、文化施設の指定 管理者制度に基づく管理運営について、チャンスを広げていきます。 中間支援機能の強化と事業における積極的な民の活用、さらには人材育成への取組みにより、 相乗的に民の力を高めていくことができる仕組みを構築します。 (4) 文化芸術創造都市形成のための共通の基盤の構築 「文化芸術創造都市・横浜」の実現に向かっては、市民・NPO、企業、財団、市などが協 働して各施策や事業を推進していかなければなりません。これらさまざまな関係者との調整や 連携を図るため、共通の基盤(プラットフォーム)が必要です。 従来は、異なる分野として接点がなかった領域同士、例えば文化芸術と産業などが出会い、 革新的な提案や予期しない相乗効果が発揮されていくことが期待されます。 将来的には、このような調整・連携のための組織が、行政の持つ道路占用許可や助成事業の 選定をはじめ、事業に関わる許認可権の一部を代行するなど、自立的に活動する組織としてい くことも想定されます。

参照

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