平成 28 年度診療報酬改定
外来後発医薬品使用体制加算
≪1、点数・告示≫ F100 処方料 注 11 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医 療機関において投薬を行った場合には、外来後発医薬品使用体制加算として、当該基準に係る区分に 従い、1処方につき次に掲げる点数をそれぞれ加算する。 イ 外来後発医薬品使用体制加算1 4点 ロ 外来後発医薬品使用体制加算2 3点 ≪2、点数・通知≫ (13) 「注 11」に規定する外来後発医薬品使用体制加算は、後発医薬品の品質、安全性、安定供給体制 等の情報を収集・評価し、その結果を踏まえ後発医薬品の採用を決定する体制が整備されている保険 医療機関を評価したものであり、診療所においてのみ算定する。 (14) 外来後発医薬品使用体制加算は、当該保険医療機関において調剤した後発医薬品のある先発医薬 品及び後発医薬品を合算した規格単位数量に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が 60%以上又 は 70%以上であるとともに、外来において後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用を積極的に行っ ている旨を当該保険医療機関の見やすい場所に掲示している保険医療機関において、1処方につき3 点又は4点を所定点数に加算する。 ≪3、施設基準・告示≫ 四 外来後発医薬品使用体制加算の施設基準 (1) 外来後発医薬品使用体制加算1の施設基準 イ 保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則(昭和三十二年厚生省令第十六号。以下「薬担規則」という。) 第七条の二に規定する後発医薬品(以下単に「後発医薬品」という。)の使用を促進するための体制が 整備されている診療所であること。 ロ 当該保険医療機関において調剤した後発医薬品のある薬担規則第七条の二に規定する新医薬品(以 下「先発医薬品」という。)及び後発医薬品を合算した薬剤の使用薬剤の薬価(薬価基準)(平成二十 年厚生労働省告示第六十号)別表に規定する規格単位ごとに数えた数量(以下「規格単位数量」とい う。)に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が七割以上であること。 ハ 当該保険医療機関において調剤した薬剤の規格単位数量に占める後発医薬品のある先発医薬品及び 後発医薬品を合算した規格単位数量の割合が五割以上であること。 ニ 後発医薬品の使用に積極的に取り組んでいる旨を当該保険医療機関の見やすい場所に掲示している こと。 (2) 外来後発医薬品使用体制加算2の施設基準 イ 後発医薬品の使用を促進するための体制が整備されている診療所であること。 ロ 当該保険医療機関において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品を合算した規格単 位数量に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が六割以上であること。 ハ 当該保険医療機関において調剤した薬剤の規格単位数量に占める後発医薬品のある先発医薬品及びニ 後発医薬品の使用に積極的に取り組んでいる旨を当該保険医療機関の見やすい場所に掲示している こと。 ≪4、施設基準・通知≫ 第 36 の3 外来後発医薬品使用体制加算 1 外来後発医薬品使用体制加算に関する施設基準 (1) 診療所であって、薬剤部門又は薬剤師が後発医薬品の品質、安全性、安定供給体制等の情報を収 集・評価し、その結果を踏まえ後発医薬品の採用を決定する体制が整備されていること。 (2) 当該保険医療機関において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品について、当該 薬剤を合算した使用薬剤の薬価(薬価基準)別表に規定する規格単位ごとに数えた数量(以下「規格 単位数量」という。)に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が、外来後発医薬品使用体制加算1に あっては 70%以上、外来後発医薬品使用体制加算2にあっては 60%以上 70%未満であること。 (3) 当該保険医療機関において調剤した薬剤((4)に掲げる医薬品を除く。)の規格単位数量に占める 後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品を合算した規格単位数量の割合が 50%以上であること。 (4) 後発医薬品の規格単位数量の割合を算出する際に除外する医薬品 ① 経腸成分栄養剤 エレンタール配合内用剤、エレンタール P 乳幼児用配合内用剤、エンシュア・リキッド、エンシュア・ H、ツインライン NF 配合経腸用液、ラコール NF 配合経腸用液、エネーボ配合経腸用液及びラコール NF 配合経腸用半固形剤 ② 特殊ミルク製剤 フェニルアラニン除去ミルク配合散「雪印」及びロイシン・イソロイシン・破倫除去ミルク配合散「雪 印」 ③ 生薬(薬効分類番号 510) ④ 漢方製剤(薬効分類番号 520) ⑤ その他の生薬及び漢方処方に基づく医薬品(薬効分類番号 590) (5) 後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用に積極的に取り組んでいる旨を当該保険医療機関の受 付及び支払窓口の見やすい場所に掲示していること。 2 届出に関する事項 外来後発医薬品使用体制加算の施設基準に係る届出は、別添2の様式 38 の3を用いること。
≪5、参考≫ ◆平成 28 年度診療報酬改定『Q&A』(その 1) 2016/3/5 日本医師会 〔F100 注 11 外来後発医薬品使用体制加算〕 Q.外来後発医薬品使用体制加算は、薬剤師がいない診療所でも算定できるか? A.薬剤部門に薬剤師の配置は必須ではない。医師等が配置(兼務も可能)されている場合も、後発医 薬品の品質、安全性、安定供給体制等の情報を収集・評価し、その結果を踏まえ後発医薬品の採用を 決定する体制が整備等されていれば算定できる。 ◆様式 38 の3「2.後発医薬品の使用を促進するための体制の整備」 「後発医薬品の品質、安全性、安定供給体制等の情報を入手・評価する手順」欄 「滋賀県後発医薬品採用マニュアル」6ページ「後発医薬品の採用手順と本採用マニュアルの利用例」 等をご参照の上、各医療機関内における後発医薬品の採用・評価手順を記載する必要があります。 http://www.pref.shiga.lg.jp/e/imuyakumu/generic/files/100330manual.pdf 本件は届出事項に関することであり、各医療機関において行われている状況を記す 必要があります。院内掲示における文例とは異なり、他医療機関と一律の文章を記 すことは虚偽の内容とも受け止められかねません。この点に十分ご留意ください! 「委員会を設置していない。医薬品メーカー情報等により後発医薬品の有無を確認。導入候補医薬品 選定の後、採用品目の選定を行う。院内承認を経て購入した後、院内にて使用。使用後、定期的に当該 使用医薬品の評価を行う。」 「委員会を設置していない。院長が、医薬品メーカー等が提供する医薬品情報に基づき、安全性、供 給体制、品質を確認し、薬剤を評価・選定を行っている。」――等の文面が考えられます。 様式38 の3[記載上の注意]―「1」―「後発医薬品の採用について検討を行う委員会等」につい ては、病院などの医療施設で設置される「薬事委員会」と同等の役割を担う院内体制を尋ねていると解 されます(医薬品の採用または採用中止、すでに採用している医薬品の医学的・薬学的評価、および適 正使用の勧告など、薬事全般の検討を院内でどのように行っているのかの概要)。その概要を記す文書 の添付について、 委員会を設置していない場合、特に添付の必要はないことから、「委員会は設置して いない」旨の明記が求められます(近畿厚生局指導監査課に確認)。
◆様式 38 の3 ・カットオフ値 = 「後発医薬品あり先発医薬品+後発医薬品」の規格単位数量 「全医薬品」の規格単位数量 ・後発医薬品の割合 = 「後発医薬品」の規格単位数量 「後発医薬品あり先発医薬品+後発医薬品」の規格単位数量 ○薬価基準点数早見表(平成 28 年4 月版)の記号と後発医薬品の数量シ ェアも合わせてご参照下さい。 ◆規格単位数量とは? 規格単位数量とは,薬価基準に規定 する規格単位ごとに数えた数量のこ と。 ◎規格単位と規格単位数量の例 規格単位 服用方法 数量 規格単位数量 錠剤の場合 1 錠 3錠分3 14 日分 42 散剤の場合1 1g 6g分3 14 日分 84 散剤の場合2 10g 6g分3 14 日分 8.4 点眼の場合1 1ml 5ml 2本 10 点眼の場合2 1 瓶 5ml 2瓶 2
府医保険医療課に対して、①使用状況を示す割合(70%、60%等)は、1 カ月単位で見るのか? そ れとも、3 カ月トータルで判断すればよいのか? ②使用状況を示す割合に変動があった場合、届出直 しをする必要があるのか?――との問い合わせを多数いただいております。 まず、厚労省疑義解釈(平成 20 年 3 月 28 日)での調剤点数「後発医薬品調剤体制加算」に関する質 疑応答(問2・3)は以下のとおりです。 (問2)後発医薬品調剤体制加算に係る届出書添付書類(様式 85)において、届出時の直近3か月 間の実績として、後発医薬品の調剤率を1か月ごとに記載することとされているが、後発医薬品の 調剤率が 30%を下回る月が1月でもある場合には、後発医薬品調剤体制加算は算定できないのか。 (答) 届出時の直近3か月のうち、後発医薬品の調剤率が 30%を下回る月がある場合でも、直近 3か月間の合計で後発医薬品の調剤率が 30%以上である場合には算定できる。 (問3)後発医薬品調剤体制加算の届出を行った場合は、毎月、直近3か月間の後発医薬品の調剤 率が 30%以上であることを確認し、届出を行う必要があるのか。 (答) 届出を行った薬局において、毎月、直近3か月間の後発医薬品の調剤率が 30%以上である か否かを確認する必要があるが、当該基準を満たしている限り、改めて届出を行う必要はない。な お、直近3か月間の後発医薬品の調剤率が 30%を下回った場合には、速やかに変更の届出を行うこ と。また、当該変更の届出を行った後に、再度、直近3か月間の後発医薬品の調剤率が 30%以上と なり、後発医薬品調剤体制加算を算定しようとする場合には、改めて後発医薬品調剤体制加算の届 出を行うこと。 次に、近畿厚生局指導監査課に確認したところ、「外来後発医薬品使用体制加算」についても同様の取り 扱いとのことでした。 具体的に、平成 20 年「後発医薬品調剤体制加算」の疑義解釈にあてはめると以下のとおりです。 --- 届出時の直近 3 ヶ月のうち、後発医薬品の使用率が 70(60)%を下回る月がある場合でも、直近 3 か 月間の合計で後発医薬品の使用率が 70(60)%以上である場合には算定できる。 届出を行った医療機関において、毎月、直近 3 か月間の後発医薬品の使用率が 70(60)%以上である か否かを確認する必要があるが、当該基準を満たしている限り、改めて届出を行う必要はない。なお、 直近 3 か月間の後発医薬品の使用率が 70(60)%を下回った場合には、速やかに変更の届出を行うこ と。また、当該変更の届出を行った後に、再度、直近 3 か月間の後発医薬品の使用率が 70(60)%以上 となり、外来後発医薬品使用体制加算を算定しようとする場合には、改めて外来後発医薬品使用体制加 算の届出を行うこと。 --- 加えて、使用率が 70%超から仮に 65%になった場合、「外来後発医薬品使用体制加算1」の要件を満た さなくなったため、(1)「加算1」の辞退届を提出、(2)「外来後発医薬品使用体制加算2」届出を新た にしなければ、当該点数(加算2)を算定することはできませんのでご留意ください(近畿厚生局指導 監査課に確認)。
様式 38 の3 設問3.の表題を「医薬品の採用使用状況」と訂正する通知が発出されています。しか し、近畿厚生局ホームページ掲載のダウンロード様式は「医薬品の採用状況」のまま(4月6日正午時 点)となっております(後日、変更されると思われます)。 ◆届出の送付先(郵送) 近畿厚生局指導監査課 〒540-0011 大阪市中央区農人橋 1-1-22 大江ビル 8 階(電話 06-4791-7316) ・(別添2+様式 38 の3+添付書類)×正副2部セット ・4 月 1 日から算定を行うためには、4 月 14 日(木)必着
別添2
特掲診療料の施設基準等に係る届出書
保険医療機関コード 届 出 番 号 (外 後 発 使 ) 第 号 連絡先 担 当 者 氏 名: 電 話 番 号: (届出事項)[ 外来後発医薬品使用体制加算 ]
の施設基準に係る届出 (検索番号) □ 当該届出を行う前6月間において当該届出に係る事項に関し、不正又は不当な届出(法 令の規定に基づくものに限る。)を行ったことがないこと。 □ 当該届出を行う前6月間において療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労 働大臣が定める掲示事項等第三に規定する基準に違反したことがなく、かつ現に違反して いないこと。 □ 当該届出を行う前6月間において、健康保険法第78条第1項及び高齢者の医療の確保に 関する法律第72条第1項の規定に基づく検査等の結果、診療内容又は診療報酬の請求に関 し、不正又は不当な行為が認められたことがないこと。 □ 当該届出を行う時点において、厚生労働大臣の定める入院患者数の基準及び医師等の員 数の基準並びに入院基本料の算定方法に規定する入院患者数の基準に該当する保険医療機 関又は医師等の員数の基準に該当する保険医療機関でないこと。 標記について、上記基準のすべてに適合しているので、別添の様式を添えて届出します。 平成 年 月 日 保険医療機関の所在地 及び名称 開設者名 印 近畿厚生局長 殿 備考1 [ ]欄には、該当する施設基準の名称を記入すること。 2 □には、適合する場合「レ」を記入すること。 3 届出書は、正副2通提出のこと。様式 38 の3