(1)日税フォーラム
相続税申告業務をスムースに進めるためのポイント
第1回目:相続発生から相続税申告までのスケジュール
とまずしなければならないこと
2015年5月1日(金)13:30~16:30
株式会社 ファイブスター(川島公認会計士事務所)
酒井 均
(2)目 次
1 相続発生から相続税申告までのスケジュール P 1
2 遺族との最初の面談ですべきこと P 2
3 法定相続人の確定 P 9
4 遺言書の確認 P14
5 相続放棄の確認 P18
6 預金凍結とその対処法 P20
7 相続財産の洗い出し P21
8 相続税申告に必要な資料の提示 P24
9 相続財産に算入される生前贈与財産の確認 P27
10 被相続人が相続した財産に関する相続税申告書の確認 P29
11 被相続人の生前の所得状況の確認 P30
(3)1. 相続発生から相続税申告までのスケジュール
相
続
発
生
葬
儀
・
初
七
日
法
要
相
続
税
の
申
告
・
納
付
四
十
九
日
法
要
所
得
税
の
準
確
定
申
告
10か月以内(相法27①)
相
続
人
の
相
続
放
棄
遺
族
と
の
最
初
の
面
談
遺
族
と
の
最
初
の
面
談
2パターン
相
続
税
申
告
業
務
契
約
▪ 相続人への各種資料請求
▪ 法定相続人状況調査
▪ 相続放棄の確認
▪ 遺言書の有無の確認
▪ 財産・債務の状況の確認
▪ 生前贈与の確認
▪ 被相続人の所得状況の調査
3か月以内(民法915①・938 )
4か月以内(所法125① )
▪ 財産評価
▪ 遺産分割協議
▪ 遺産の名義変更
▪ 相続税の申告書の作成
▪ 相続税の納税方法の検討
(4)2. 遺族との最初の面談ですべきこと
相続税申告業務の報酬見積 業務委任契約
被相続人の財産・債務状況のヒアリング
相続人の状況のヒアリング
相続税申告までのスケジュールの提示
打ち合わせ・ヒアリング事項
被相続人の所得状況のヒアリング
遺言書の有無の確認
名義預金・生前贈与の状況のヒアリング
相続人による遺産分割案の有無の確認
(5)2. 遺族との最初の面談ですべきこと
遺族との打ち合わせ時の基本スタンス
相続税申告業務は全ての相続人に対し公平であることが大前提
一部の相続人のみとのやりとりはトラブルの原因
(6)2. 遺族との最初の面談ですべきこと
相続税申告業務の報酬(その1)
遺産の総額 報酬額
5,000万円未満 200,000円
7,000万円未満 350,000円
1億円未満 600,000円
3億円未満 850,000円
5億円未満 1,100,000円
7億円未満 1,350,000円
10億円未満 1,700,000円
10億円以上 1,800,000円
1億円増すごとに 100,000円を加算
基本報酬額
100,000円
旧税理士報酬規定(2002年3月廃止)(その1)
加算報酬
(税務代理報酬)
(7)2. 遺族との最初の面談ですべきこと
相続税申告業務の報酬(その2)
旧税理士報酬規定(2002年3月廃止)(その2)
共同相続人(納税義務のある受遺者を
含む)が1人増すごとに10%相当額を加
算
財産の評価等の業務が著しく複雑な場合
は、基本報酬額を除き、100%相当額を
現限度として加算が可能
(税務書類作成報酬)
(加算報酬)
税務代理報酬×50%
「遺産の総額」にかかる報酬
財産の評価等の業務
が著しく複雑な場合
(8)2. 遺族との最初の面談ですべきこと
相続税申告業務の報酬(その3)
(物納申請報酬例)
遺産の総額 報酬額
1億円未満 500,000円
5億円未満 700,000円
5億円以上 900,000円
5億円増すごとに 200,000円加算
物納に関する業務が著しく複雑な場合は、30%相
当額を限度として加算することができる。
遺産の総額 報酬額
1億円未満 100,000円
5億円未満 150,000円
5億円以上 200,000円
5億円増すごとに 50,000円加算
(延納申請報酬例)
(9)2. 遺族との最初の面談ですべきこと
相続税申告業務の契約書サンプル(その1)
業務委任契約書
委任者の代表□□□□(以下、甲という。)は、被相
続人 ○○○○(平成×年×月×日死亡)に係る相続
(以下、本件相続という。)に関し、受任者△△△△税
理士事務所(以下、乙という。)に対し業務を委任し、
次のとおり契約を締結した。
(委任業務の範囲)
第1条 甲が乙に委任する業務は、本件相続に係る相
続税の税務代理、税務相談、税務書類の作成と
する。
(報酬の額及び支払方法)
第2条 前条に関する報酬額は 金 ○○○円(消費税
込)とする。
2 甲は、前項に定める報酬額のうち、着手金
○○○円(消費税込)を契約時に、残額○○○
円を業務完了後×日後以内に、乙指定の銀行
口座に支払う。
3 第1項の金額には、弁護士、司法書士、不動
産鑑定士の費用、税務調査の立会に関わる報
酬、交通費等の実費は含まれていない。これら
の費用が発生した場合は、乙は甲に対し別途請
求する。
(情報、資料の提供及び秘密の保持)
第3条 甲は業務遂行に必要な情報及び資料を乙
に提供しな ければならない。
2 乙は業務上知り得た秘密を正当な理由なく
して他に漏洩してはならない。
(責任の範囲)
第4条 乙は、前条により甲が提示した情報及び資
料の範囲内に限り、第1条の業務の責任を負う。
(契約の解除)
第5条 甲の責に帰すべき理由により第1条の業務
の処理が不能となった場合及び甲の自己の都
合により契約を解除する場合は、第2条第1項
に定める報酬、同条第3項に定める費用の金
額を乙に支払わなければならない。
(特約事項)
第6条 本件相続の相続税の納税方法が延納又は
物納となった場合には、報酬につき、乙は甲に
対し事前に別途見積書を提示の上、協議の上
決定する。
印
紙
(10)2. 遺族との最初の面談ですべきこと
相続税申告業務の契約書サンプル(その2)
本契約を証するに当たり、本契約書2通を作成し、
甲乙各々記名押印の上、各自1通を保管する。
平成×年×月×日
被相続人 ○○○○
委任者の代表(甲) 被相続人の相続人代表
(住所)
(氏名) □□□□ 印
受任者(乙)
(住所)
(名称) △△△△税理士事務所
税理士 △△△△ 印
(11)3. 法定相続人の確定
民法上の相続人(その1)
相
続
人
の
範
囲
配偶者(法令上の婚姻関係にあった者に限る)(民法890)
第1順位 子またはその代襲者、再代襲者(被相続人の直系卑属に限る)
(民法887)
第2順位 直系尊属(被相続人と血のつながりが最も近い者に限る)
(民法889)
第3順位 兄弟姉妹またはその代襲者
(民法889)
< 相続人になれない者>
・ 欠格事由に該当する者(民法891)。
・ 被相続人の家裁への請求により排除された者(民法892・893)
※ 上記の場合、その者の子が代襲相続人(民法887③)
(12)3. 法定相続人の確定
民法上の相続人(その2)
被相続人A
前配偶者B(×)
子D(○) 子E(○)
配偶者C(○)
事
例
1
再婚
離婚
同居
被相続人A
前配偶者B(×)
子D(○)
配偶者C(○)
事
例
2
再婚
離婚
子E(○)
同居
連子
養子
被相続人A
B(×)
非嫡出子D(○) 子E(○)
配偶者C(○)
事
例
3
婚姻有
婚姻無
同居
認知
注:○・・・相続人になる ×・・・相続人とならない
(13)3. 法定相続人の確定
民法上の相続人(その3)
被相続人A
子D(○)
配偶者C(○)
事
例
4
事
例
5
注:○・・・相続人になる ×・・・相続人とならない
胎児E(○)
胎児は相続について既に生まれ
たものとみなす(民法886①)。
相続税法では、相続税申告書の
提出時までに出生した場合、相
続人として取扱う(相基通15-3)。
被相続人A
子D(死去)
配偶者C(死去)
子E(死去)
父M(死去)
兄弟Y(○)
兄弟X(○)
母N(死去)
(14)3. 法定相続人の確定
法定相続人と相続税申告業務
▪ 遺産分割協議の成立(民法907①)
▪ 遺産の名義変更(相続人代表口座の創設を含む)
▪ 遺産に係る基礎控除(相法15)
▪ 相続税の総額(相法16)
▪ 配偶者の税額軽減(相法19の2)
など
民法で規定する相続人
=法定相続人
相続税申告の大前提項目
法定相続人の確定
▪ 遺族からのヒアリング
▪ 被相続人の出生時からの戸籍謄本などの確認
→ 弁護士・税理士・司法書士などは職権により交付
の請求が可能
(15)3. 法定相続人の確定
未成年者・外国居住者・行方不明者・認知症・障害者がいる場合
未成年者
▪ 遺産分割協議・相続税の申告は法定代理人(父または母=親権者)が行う。
▪ 未成年者と親権者の利益が相反する場合は、家庭裁判所への特別代理人
の選任の請求が必要(民法826)。
▪ 特別代理人の選任をしないまま親権者が未成年者を代理して行った行為は
無権代理行為となる(民法113)。
外国居住者
▪ 居住国の日本領事館等より署名・拇印(または印鑑)の証明書を取得。
▪ 小規模宅地等の特例・配偶者の税額軽減の適用には、遺産分割協議書の
写しに印鑑証明書の原本を添付する必要あり(相法19の2③・相規1の6③・
措法69の4⑥・措規23の2⑦)。
▪ 相続税の申告・納税は、納税管理人を選定する必要あり(通則法117)。
行方不明者
▪ 行方不明者の生死が7年間以上不明の場合、利害関係者の家庭裁判所へ
の申し立てにより、一定の条件下で死亡したとみなされる(民法30・31)。
▪ 他の相続人が家庭裁判所に財産管理人の選任を請求。
認知症
▪ 家庭裁判所に後見開始の審判を申し立て、成年後見人を選任(民法843)。
▪ 成年後見人が遺産分割協議に参加し、相続税の申告書に署名押印。
▪ 成年後見人の選任には、医師等による成年後見用の診断書が必要。
障害者
▪ 障害者控除「60,000円(特別障害者 120,000)円×85歳に達するまでの年
数」の税額控除(相法19の4)
▪ 障害者手帳のコピーが必要
(16)4. 遺言書の確認
遺言書の種類
▪ 公証役場の公証人によって遺言書を作成(民法969)
▪ 証人が2人以上必要(民法969)
<証人になれない者(民法974)>
・ 未成年者
・ 遺言者の推定相続人、受遺者ならびにその配偶者・直系血族
・ 公証人の配偶者、4親等以内の親族、書記および使用人
▪ 家庭裁判所の検認は不要(民法1004②)
▪ 公正証書遺言作成手数料5,000円~500,000円以上
▪ 遺言者が全文を自筆で遺言書を作成(民法968)
▪ 証人は不要
▪ 家庭裁判所の検認が必要(民法1004①)
自筆証書
遺言
公正証書
遺言
秘密証書
遺言
▪ 遺言者が遺言書を作成し、公証人がその存在のみを証明(民法970)
▪ 公正証書遺言と同様の証人が2人以上必要(民法970)
▪ 家庭裁判所の検認が必要(民法1004①)
▪ 秘密証書遺言の手数料は定額11,000円
(17)4. 遺言書の確認
遺言書の種類別のメリット・デメリット
▪ 作成が簡単
▪ 遺言内容の秘匿性が保てる
▪ 手続にコストがかからない
▪ 改ざん・紛失のリスク
▪ 無効になる可能性あり
▪ 改ざん・紛失のリスクなし
▪ 無効になる可能性なし
▪ 手続が煩雑
▪ 遺言内容を秘密にできない
▪ 手続にコストがかかる
▪ 遺言内容の秘匿性が保てる
▪ 改ざんのリスクなし
▪ 手続が煩雑
▪ 無効になる可能性あり
自筆証書遺言
公正証書遺言
秘密証書遺言
メリット デメリット
(18)4. 遺言書の確認
遺言の執行(民法1004~1021)
遺言書の家庭裁判所への検認の申し立て
家庭裁判所による遺言書の検認
遺言執行者の指定あり 遺言執行者の指定なし
公正証書遺言では不要
承 諾 拒 否 遺言執行者の選任
承 諾 拒 否
遺言の執行
相続人への通知
(19)4. 遺言書の確認
遺言書の存在の確認
適正な遺言書
▪ 遺産分割における最優先事項
▪ 相続人全員の同意がない限り、遺言内容に従った遺産分
割が行われる
相続税申告の大前提項目
遺言者の存在の確認
▪ 遺族からのヒアリング
▪ 自宅内
▪ 金融機関の貸金庫
▪ 公証人役場
▪ 弁護士など第三者への信託
▪ 信託銀行への遺言信託
(20)5. 相続放棄の確認
相続放棄
相続を放棄する者
相続の開始を知った時から
3か月以内に家庭裁判所に
申述(民法915①・938)
相続人ではなくなる
(民法939)
▪ 被相続人の全ての財産・権利を放棄
▪ 被相続人の全ての債務の承継義務がなくなる
▪ 相続放棄者の代襲相続は不可
▪ 相続放棄の撤回は不可(民法919①)
相続放棄者
相続分の変更が生じる
相続税法 ▪ 遺産に係る基礎控除額算定上では相続放棄者は法定相続人にカウントされる(相法15②)
▪ 相続税の総額の算定上では相続放棄者は相続人とみなされる(相法16)
(21)5. 相続放棄の確認
限定承認
限定承認とは? 相続人が相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の
債務などを承継する(民法922)
▪ 共同相続人全員が共同で限定承認する必要あり(民法923)
▪ 相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所への申述が必要
(民法915①・924)
▪ 相続財産目録の作成・相続財産管理人の選任などが必要(民法924・926など)
煩雑な事務処理が必要なため、弁護士・司法書士に依頼するのが一般的
相続税法
所得税法
▪ 取得した財産とその金額を限度とした債務を承継するため、相続人には相続税は課税され
ない
▪ 限定承認による相続があった場合、譲渡所得等の基因となる資産については、被相続人が
相続人にその相続開始の時にその資産を時価で譲渡したものとみなして、譲渡所得等の所
得税が課税される(所法59①)
(22)6. 預金凍結とその対処法
預金凍結
被相続人の死亡 金融機関 預金
凍結 引出不可
引落不可
通知
公共料金など定期的な引落は支払口座変更
▪ 相続財産であるため、相続人全員の合意による遺産分割協議書により
解約手続をし、相続人に分配
▪ 一部の相続人による勝手な引出などを防ぐためにも預金凍結は必要
被相続人
の預金
相続人全員の合意による「相続人代表口座」の創設の検討
(23)7. 相続財産の洗い出し
被相続人の財産・債務状況のヒアリング(その1)
財
産
現金・預貯金 金融機関別・預金種類別(当座・普通・定期)
他人名義の預貯金の有無 海外預金の有無 現金の有無
不動産 用途別(自宅・別荘・事業用・賃貸用など)
所在地の確認 土地・建物・附属設備の所有者の確認
株式・債券 自社株式・上場株式・非上場株式・公社債
金融機関などからの預り証・株券などの有無の確認
金融商品 投資信託・金銭信託・組合投資・REIT・海外投資など
金融機関などからの証券・投資報告書などの有無の確認
ゴルフ会員権 ゴルフ場別 形態別(株式形態・プレー権形態など)
証券の有無の確認 預託金の返還義務の確認
生命保険金 保険金額・受取人の確認 保険証券の有無の確認
勤務状況の確認 退職金支払有無の確認
金銭債権
趣味の物
売掛金・受取手形・事業用貸付金・個人貸付金など
会計帳簿・金銭消費貸借契約書・借用書などの有無の確認
車両・書画・骨董・貴金属類など
趣味のヒアリングと取得時の領収書などの有無の確認
死亡退職金
(24)7. 相続財産の洗い出し
被相続人の財産・債務状況のヒアリング(その2)
債
務
金銭債務 買掛金・支払手形・未払金(税金・その他)など
会計帳簿の有無の確認
金融機関借入金 金融機関別
金銭消費貸借契約書・返済予定表などの有無の確認
個人借入金 親族・取引先・友人など
金銭消費貸借契約書・借用書などの有無の確認
財産・債務の整合性の確認
葬儀費用 領収書などの有無の確認
遺族からの財産・債務の情報
◆被相続人の過去の次の書類
・所得税の確定申告書
・贈与税の申告書
・給与所得の源泉徴収票
・特定口座の年間取引報告書
・配当金受領書 など
◆被相続人が相続人時の相続税申告書
整合性
その他債務 相続発生後に支払った医療費・税金・社会保険などの確認
(25)7. 相続財産の洗い出し
不動産の根抵当権の設定の確認
根抵当権の設定がされている
不動産の所有者が死亡
後継債務者を定める合意
(債権者・相続人)の登記
死亡の日から6か月以内
(民法398の8)
債権が確定し、根抵当権が普通抵当権になる
合意の登記をしなかった場合
根抵当権による新たな借入ができない
不動産の登記簿謄本の
根 抵 当 権 設 定 の 確 認
今 後 の 借 入 の 確 認
被相続人の死亡の日から6か
月以内の合意の登記の検討
対
策
(26)8. 相続税申告に必要な資料の提示
相続税申告のために一般的に必要となる資料(その1)
▪ 出生時から死亡時までの戸籍謄本(相続開始日より10日経過以後発行)
▪ 住民票の除票
▪ 過去3~5年分(以上)の所得税の確定申告書
▪ 被相続人が相続人であった際の相続税申告書
▪ 被相続人が受贈者であった場合の贈与税申告書
▪ 老人ホームの入居関係書類
▪ 全員の戸籍謄本(相続開始日より10日経過以後発行)
▪ 全員の住民票
▪ 全員の印鑑証明書
▪ 障害者がいる場合は障害者手帳のコピー
▪ 相続発生日時点の残高証明書(金融機関発行)
▪ (相続発生日前3年以上前からの)通帳のコピー
▪ 固定資産税納税通知書
▪ 固定資産税評価証明書
▪ 登記簿謄本(全部事項証明書)
▪ 地積測量図・公図
▪ 住宅地図
▪ 賃貸借契約書(貸家・貸地がある場合)
被相続人関連
相続人関連
不動産所在の市区町村
不動産所在の法務局
不動産
預貯金
(27)8. 相続税申告に必要な資料の提示
相続税申告のために一般的に必要となる資料(その2)
▪ 相続発生日時点の残高証明書(金融機関などが発行)
▪ 非上場株式の場合
▪ 会社登記簿謄本
▪ 直近3期分の税務申告書・決算書・勘定内訳書・法人事業概況説明書
▪ 直近の月次決算書(試算表でも可)
▪ 保有する不動産に関し上記不動産と同様の資料
▪ 会員権の証券
▪ 生命保険金の支払通知書
▪ 死亡退職金の支払額が判明する資料(支払元会社からの通知書)
▪ 個人事業主の場合は相続発生の年の年初から発生時点までの帳簿書類
▪ 個人的な貸付がある場合は金銭消費貸借契約書・借用証
▪ 車検証
▪ 取得価額の判明する資料
▪ 相続日発生時点の残高証明書(金融機関発行)
▪ 個人的な借入がある場合は金銭消費貸借契約書・借用証
▪ 相続開始後支払った医療費・税金・社会保険料などの領収書
株式・債券
ゴルフ会員権
金銭債権
生命保険金
死亡退職金
車両
金銭債務
その他債務
(28)8. 相続税申告に必要な資料の提示
相続税申告のために一般的に必要となる資料(その3)
▪ 領収書(ない場合はメモなど金額が判明する資料)
▪ 過去3年分(以上)の被相続人が贈与者である贈与税申告書
▪ 被相続人が贈与者である相続時精算課税制度を選択した贈与税申告書
葬儀費用
贈与関連
(29)9. 相続財産に算入される生前贈与財産の確認
相続開始前3年以内の贈与
被相続人 財
産
被相続人より相続
または遺贈により
財産を取得した者
相続開始前3年以内
贈与
被相続人の相続時
の相続税の課税価
格に算入(相法19)
▪ 贈与時の価額で算入(相基通19-1)
▪ 贈与税の基礎控除額110万円(措法70の2の2①)以下の贈与でも算入
▪ 相続が発生した年の贈与も対象(相基通19-2)
▪ 贈与による贈与税額は相続税額から控除
※ 次の価額は相続税の課税価格に算入されない(相法19①②)(措法70の2③)
1 直系尊属からの住宅取得資金の贈与で贈与税の課税価格に算入されなかった部分(措法70の2)
2 贈与税の配偶者控除で配偶者控除額に相当する金額(相法21の6)
相続開始前
3年以内の贈与
▪ 遺族からのヒアリング
▪ 贈与税の申告書
▪ 相続発生日より3年前からの通帳のコピー
(30)9. 相続財産に算入される生前贈与財産の確認
相続時精算課税制度による贈与
被相続人 財
産 贈与 子
被相続人の相続時
の相続税の課税価
格に算入(相法21の
14)
▪ 贈与時の価額で算入(相法21の15①)
▪ 贈与による贈与税額は相続税額から控除(相法21の15③)
相続時精算課税
制度による贈与
▪ 遺族からのヒアリング
▪ 相続時精算課税制度による贈与税の申告書
※ 次の価額は相続税の課税価格に算入されない(相法21の15①)(措法70の2③)
直系尊属からの住宅取得資金の贈与で贈与税の課税価格に算入されなかった部分(措法70の2)
相続時精算課
税制度(相法
21の9)の適
用を選択
(31)10. 被相続人が相続した財産に関する相続税申告書の確認
相続税申告書間の整合性
被相続人が相続した財産
に関する相続税申告書
被相続人の相続時の
相続税申告書
被相続人の過去の
所得税の確定申告書
被相続人が贈与者である
贈与税の申告書
整合性
被相続人が相続した財産に関する申告書
相続財産に算入されている財産
被相続人の相続時の相続財産のリストアップ
相続財産となっていない
整合性の確認例
▪ 遺族へのヒアリング
▪ 被相続人の過去の所得税の確定申告書上で譲渡所得として申告されているか。
▪ 被相続人が贈与者である贈与税の申告書上で贈与財産となっているか。
▪ 不動産であれば登記簿謄本上で名義が変更されているか。
▪ 上場株式であれば金融機関などの特定口座で譲渡されているか。
被相続人が受贈者である
贈与税の申告書
(32)11. 被相続人の生前の所得状況の確認
所得税の準確定申告
1
月
1
日
3
月
15
日
12
月
31
日
相続発生
相続人は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月を経過した日の前日までに、被相続人の相続
発生日の属する年の1月1日から相続発生日までの期間の所得税の確定申告書の提出・納付をしなければなら
ない(所法125①)。
相続発生
前年の所得税の確定申告書の提出・納付が未了
3
月
15
日
1
月
1
日
12
月
31
日
相続人は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月を経過した日の前日までに、被相続人の次の
期間の所得税の確定申告書の提出・納付をしなければならない(所法124①125①)。
▪ 相続発生日の属する年の前年
▪ 相続発生日の属する年の1月1日から相続発生日
上記の所得税の確定申告書は、原則として相続人全員の連署による一の書面にて行う(所令263②)。
ただし、他の相続人の氏名を付記して各相続人別に提出することも可能。この場合は、確定申告書を提出した
相続人は、遅滞なく、他の相続人に対し、確定申告書の記載事項の要領を通知する(所令263②③)。
(33)11. 被相続人の生前の所得状況の確認
相続人が青色申告を行う場合
相続人が被相続人の
事業を承継した場合
新たに青色申告承認
申請書を提出
被相続人の青色・白色の区分 青色申告承認申請書の提出期限
白色
事業承継した日がその年の1月15日まで その年の3月15日
事業承継した日がその年の1月16日以後 事業承継した日から2か月以内
青色
死亡の日がその年の1月1日から8月31日 死亡の日から4か月以内
死亡の日がその年の9月1日から10月31日 その年の12月31日
死亡の日がその年の11月1日から12月31日 その年の翌年の2月15日まで
<相続人が事業を承継した場合の青色承認申請書の提出期限(所法144・所基通144-1)>
(国税庁HP参照)
(34)11. 被相続人の生前の所得状況の確認
純損失の金額の繰戻し
被相続人の死亡した年の所得税の
確定申告書上で発生した純損失
事業を承継した相続人
には引き継げない
被相続人が死亡いた日の前年・前々年の所得税の確定申告書が青色の場合
相続人は、被相続人の死亡した日の前年・前々年の所得税の繰戻し還付請求をする
ことができる(所法141)