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会計基準の変更が管理会計に与える影響に関する一考察

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1. 問題の所在と研究方法

 経済活動の国際化は貿易や事業活動にとどまらず,金融活動にも大きな広がりを見せてい る。これに対応するため,企業の財務報告に関する会計基準の国際化も進められてきた。日 本では,独自の会計基準から国際的な会計基準へと調和化が進められており,若干の停滞は あるものの近い将来の国際財務報告基準(IFRS)の導入について活発な議論が行われている。 一方で,財務会計におけるこうした変化が,管理会計の分野にどのような影響を及ぼすかに ついては充分に議論されてこなかった。ようやく近年,管理会計における重要な研究課題と して注目され始めたばかりである。  そこで本稿では,会計基準の変更が管理会計に与える影響を考察するために,近年の会計 基準の変更事例に注目し,その変更が管理会計にどのような影響を与えたかを実証的に分析 することを目的とする。具体的には,会計基準変更の一事例として,情報サービス業におけ るソフトウェア受注制作の収益認識基準変更を研究の対象とする。  2007年に公表された企業会計基準第15号「工事契約に関する会計基準」において,ソフト ウェアの受注制作についても工事進行基準によって収益を認識することが原則とされた。(企 業会計基準委員会(2007a, 2007b))。この会計基準の変更によって多くの情報サービス業が 会計基準を適用したが,この適用が管理会計にどのような影響を与えたのだろうか。その実 態を調査することで,会計基準の変更が管理会計に与える影響を考察する一つの試みとした い。  以上のような研究課題を検討するために,本稿では,次のように研究を進める。まず,研 究対象とする会計基準の変更と管理会計への影響について先行研究をレビューする。次いで, 会計基準の変更が管理会計に影響を与えるプロセスをコンティンジェンシーによってモデル 化する。そして,情報サービス業に対して実施したアンケートによる実態調査のデータを用 いてモデルの検証を行い,その解釈と議論につなげたい。最後にまとめと今後の課題を提示 する。

会計基準の変更が管理会計に与える影響に関する一考察

河 路 武 志

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2. 先行研究

2.1 会計基準の変更と管理会計  我が国においては,財務会計の国際化が注目を集めてきた一方で,その管理会計への影響 については議論が不十分であった。近年,研究意義の指摘や研究可能性の提示など,管理会 計領域における会計基準の変更に関する研究課題が示されてきた(辻(2010),上埜(2010), 川野(2010))ものの,これまでの研究成果は限定的であった。  川野は,国際会計基準の適用が管理会計に及ぼす影響について個別の要点ごとに検討を行 っている。工事進行基準の適用については,「工事進行基準は,減損会計以上に見積もりの 要素が多くなるため,見積もりに対する情報が適切かつ迅速に行われないと,損益を大きく 歪める結果となってしまう。また,過度に管理会計制度,特に予算管理制度や業績評価制度 の中で,工事進行基準に基づく利益を追求すると,不適切な見積もりを行って利益を計上す るという不正が行われる誘因となってしまうので,内部統制の強化やリスクマネジメントの 再構築が不可欠になる」(川野(2009) pp.121-122)と指摘している。  他に,個別の会計基準の変更について検討した研究もある。東海林は,税法における減価 償却の変更(原賀(2007))を題材に,減価償却法の変更が管理会計に与える影響について 事業部・事業部長の評価問題を考察した(東海林(2008))。  しかし,これらの研究は概念的な研究であり,実証的な先行研究を見つけることはできな かった。財務会計における会計基準の変更については,多くの実証研究が行われていること と比較しても,管理会計への影響に関しても実証的な研究アプローチをとる必要があろう。

2.2 管理会計の変更

 一方,管理会計がどのように変化していくのかを分析する管理会計チェンジ研究について は,多くの研究が蓄積されてきた。吉田は,管理会計チェンジ研究に関する文献レビューを 行い,構造論的,制度論的,普及論的パースペクティブに分類した(吉田(2003),(2004))。  構造論的パースペクティブとは,管理会計チェンジ,組織内外の要因,組織チェンジ,組 織パフォーマンスを変数として,これら変数間の因果関係を特定しようとする実証的アプロ ーチである。例えば,管理会計手法の変更回数を組織コンテクストで説明を試みた研究(Libby & Waterhouse(1996),Williams & Seaman(2001))などが挙げられる。また,情報システム が管理会計に与える影響を実証的に検証した研究(Granlund & Malmi(2002))もある。  制度論的パースペクティブとは,制度と行為の間には,ルーティンとルールが存在し,コ ード化,規定,再生産,制度化を時系列的に繰り返しながら制度化のプロセスが進行すると 仮定する分析フレームワーク研究である(Burns & Scapens(2000))。個別の事例研究などの 詳細分析には強力な枠組みを提供するが,会計基準の変更のようなイベントに対する管理会

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計の影響を分析することは困難である。

 普及論的パースペクティブとは,Rogerの普及論やAbrahamsonの管理技術の普及と拒否の 理論的パースペクティブに依拠し,外部的影響と模倣の次元から普及を分析する概念的アプ ローチである(Perera et al.(2003), Malmi(1999))。

 これらの先行研究から,制度論的または普及論的パースペクティブは管理会計の継続的な 変容を分析するための研究方法であるのに対し,本稿の研究課題に対しては,構造論的パー スペクティブの研究方法が適用可能であると判断した。

3. モデル

3.1 分析対象  本稿で分析対象とするのは,ソフトウェア受注制作の収益認識基準を規定した企業会計基 準第15号である。本基準では,「工事の進行途上においても,その進捗部分について成果の 確実性が認められる場合には工事進行基準を適用し,この要件を満たさない場合には工事完 成基準を適用する」(第9項)と規定され,その対象範囲を「受注制作のソフトウェアについ ても,前項の工事契約に準じて本会計基準を適用する」(第5項)とソフトウェアの受注制作 についても初めて明記された(企業会計基準委員会(2007a))。従来から建設業では適用さ れてきた長期請負契約に対する工事進行基準による収益認識が,新たに受注制作ソフトウェ アにまで拡張された訳である1。  この会計基準の変更により,情報サービス産業においても収益認識基準として工事進行基 準を適用する必要が生じた。この結果,産業全体では54%,上場企業においては76%の情報 サービス企業が工事進行基準による収益認識を適用するに至った(河路(2011) p.89)。  本稿では,この企業会計基準第15号を分析対象の事例として位置付け,工事進行基準の適 用によって管理会計がどのような影響を受けたのかを考察する。

3.2 分析モデル

 本稿では,会計基準の変更が管理会計に与える影響を分析するための分析モデルとして, 図1のようなモデルを仮定した。このモデルは,組織の有効性は組織コンテクスト・構造・過程, 個人属性といった多元的な環境適合の結果として生じているとする,組織のコンティンジェ ンシーモデルを枠組みとし(野中他(1978) p.14),会計基準の変更をGreenwoodらが言う「降 りかかった衝撃(Jolts)」(Greenwood et al.(2002) p.59)2ととらえて,この環境変化が工事進 85 会計基準の変更が管理会計に与える影響に関する一考察 河路 武志 1 建設業と情報サービス業の長期請負制作については,成果物の有形・無形,仕様変更の頻度が指摘さ れてきた(経済産業省(2005))。

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行基準の適用を通じて管理会計に影響を与えるとする因果関係モデルである。  環境適合に関与する組織要因としては,組織コンテクストと二つの組織内部要因(工事進 行基準の適用動機,工事進行基準適用の適用プロセス)に注目し,それぞれの要因は複数の 変数から構成されている。

組織コンテクスト

企業規模 上場 業務構成

適用動機

外部要因 内部要因

適用プロセス

組織コミュニケーション 業務改革要因 情報システム 要因

会計基準

第 15 号

工事進行基準

の適用

管理会計への影響

プロジェクトマネジメント

予算管理

業績評価

意思決定

図1:分析モデル 3.3 変数

 組織コンテクストの変数としては,先行研究(Libby & Waterhouse(1996), Williams & Seaman(2001))を参考にして,企業規模,株式上場の有無,業務構成を用いた。組織の内 部要因のうち,適用動機の変数としては,普及論的パースペクティブ(Abrahamson(1991), Malmi(1999))に従って,外部からの強制要因(外部要因)と内部からの自発的要因(内部要因) の程度を採用した。また,適用時の取り組みを表す適用プロセスの変数としては,先行研究 (Granlund & Malmi(2002))を参考にして,組織コミュニケーション,業務の改革,そして,

情報システムでの対応を選択した。

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 管理会計への影響を測定する変数としては,管理会計の主要業務である予算管理,業績評 価,意思決定に加えて,ソフトウェア受注制作のプロジェクトマネジメントを規定した。

4. データ

4.1 サンプルデータ  前章の分析モデルを実証的に検証するために,情報サービス業における工事進行基準導入 の実態を明らかにするために著者が実施したサーベイ調査(河路(2011))からサンプルデ ータを得た。この調査は,会計基準第15号の正式適用開始1年度後の実態を把握するタイミ ングで実施された。92社から回答があり,うち50社(54%)が新たに工事進行基準を適用す るようになったとの結果が得られた3。会計基準の変更によって工事進行基準を適用するよう になった50社に対して管理会計にどのような影響が及ぼされたかを尋ねた回答データが,本 稿で分析対象としたサンプルデータである。 表1:調査の概要 調査名称:「請負ソフトウェア制作に対する会計基準の変更に関する研究調査」 調査期間:2010年7月19日から8月2日 調査方法:郵送による調査依頼とWebアンケートサービスによる調査実施 調査対象:情報サービス業の従業員数上位1,475社 4.2 データセットの作成  サーベイ調査から得られたサンプルデータを分析可能なものとするために,変数変換や要 約を行って分析用のデータセットを作成した。表2は,分析用の各変数と,その元となった サーベイ調査の質問項目と回答形式,それに加えられた変換・要約処理の一覧である。 87 会計基準の変更が管理会計に与える影響に関する一考察 河路 武志 3 本調査のうち,調査方法や工事進行基準の適用に関わる分析については,別稿(河路(2011))に詳しい。

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表2:データセットの変数一覧と作成方法 組織 要因 変数 変換・要約(注1) サーベイ調査質問項目 回答形式 ン テ ク ス ト 組 織 oc_size:企業規模 L 売上高 金額(百万円) oc_pub:上場関係 株式上場の有無 上場・親会社上場=1非上場=0 oc_order:業務構成 売上高に占める受注制作比率 5段階回答階級値10,30,50,70,90% 適 用 動 機 mv_pas:外部要因 LS,PC 工事進行基準を適用する理由 ・会計専門家が適用を求めているから ・親会社が適用を求めているから ・取引先が適用を求めているから 5点リッカートスケー ルによって質問項目へ の同意程度を回答 同意しない=1, あまり同意しない=2, どちらとも言えない=3, ある程度同意する=4, 同意する=5 mv_act:内部要因 LS,PC 工事進行基準を適用する理由 ・利害関係者に適切な情報開示をすべきだから ・業務管理・会計管理の点から効果が期待できる から ・比較的容易に適用できる環境が整っていたから 適 用 プ ロ セ ス pr_org:  組織  コミュニケーション LS,PC 適用時に重視した取組 ・経営者の理解獲得 ・ソフトウェア制作部門への啓蒙活動 pr_ope:  業務改革要因 LS,PC 適用時に重視した取組 ・プロジェクトマネジメントの強化 ・請負契約プロセスの制度化 pr_is:  情報システム要因 LS ・情報システムの改編・新規導入適用時に重視した取組 管 理 会 計 の 影 響 sc_pjm: プロジェクトマネ ジメント LS,PC ・プロジェクトマネジメントの対象が拡大した ・プロジェクトマネジメントの精度が向上した ・人件費のプロジェクトへの直接賦課が増加した ・外注費のプロジェクトへの直接賦課が増加した ・プロジェクトマネージャーの権限が強化された ・プロジェクトマネージャーと従業員とのコミュ ニケーションが強化された ・プロジェクトマネジメントのための情報システ ムを改編・導入した sc_budg:予算管理 LS,PC ・予算単位が,部門単位からプロジェクト単位へ と細分化された ・プロジェクト予算が,原価予算から利益予算に 変化した ・予算改定(見直し)の頻度が増加した ・プロジェクトマネージャーと会計・経理部門と のコミュニケーションが強化された ・予算管理のための情報システムを改編・導入した sc_perf:業績評価 LS,PC ・個人単位の業績評価が強化された ・プロジェクトマネージャーの業績評価が強化さ れた ・ソフトウェア制作部門の業績評価が強化された ・プロジェクトマネージャーと人事部門とのコミ ュニケーションが強化された ・業績評価のための情報システムを改編・導入した sc_deci:意思決定 LS,PC ・請負契約時の意思決定において,会計情報が重 視されるようになった ・経営者のプロジェクトポートフォリオ意思決定 において,会計情報が重視されるようになった ・プロジェクトマネージャーと経営者とのコミュ ニケーションが強化された ・意思決定のための情報システムを改編・導入した

sc1:統合変数1 PC 管理会計の影響 sc_pjm, sc_budg, sc_perf, sc_deci (注2)

sc2:統合変数2 PC プロジェクトマネジメントを除く影響 

sc_budg, sc_perf, sc_deci (注2)

(注1)L:常用対数変換,LS:リッカートシグマ値変換,PC:主成分分析 (注2)サーベイ調査の回答ではなく,集約された管理会計の個別影響スコア

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 組織コンテクストのうち,oc_size:企業規模は,金額で回答された年間売上高を常用対数 変換(L)した値である。oc_pub:上場関係は,株式上場の有無を示し,回答企業または親 会社が上場していれば1,非上場であれば0をとるダミー変数である。oc_order:業務構成は, 売上高に占めるソフトウェア受注制作の比率であり,10% ~ 90%までの5段階の階級値を値 としている。  組織の内部要因のうち工事進行基準の適用動機の変数は,能動的な三つの質問項目を要約 したmv_act:内部要因と,受動的な三つの質問項目を要約したmv_pas:外部要因の2変数で ある。なお,質問項目への同意の程度を5点リッカートによって回答してもらった質問項目 の値については,回答分布の正規性を仮定したリッカートシグマ値変換(LS)を行っている。 また,複数の質問項目の要約には,Cronbackのαによって項目群の内的整合性を確認した上 で主成分分析を用い,第1主成分の主成分スコアを要約値とした(PC)。以下の各変数につ いても,同様の手続きによって変換・要約を行った。  組織の内部要因のうち工事進行基準の適用プロセスで重視した取り組みについては,pr_ org:組織コミュニケーションとして,経営者の理解獲得とソフトウェア制作部門への啓蒙活 動という組織コミュニケーションの重視の程度を要約した。また,pr_ope:業務改革要因は, 会計基準の変更に対処するためのプロジェクトマネジメントの強化と請負契約プロセスの制 度化という業務改革の重要性を測定している。最後に,pr_is:情報システム要因は,情報シ ステムの改編・新規導入の取り組みについての質問項目のみを要約せずにそのまま用いた。  管理会計への影響を測る四つの個別変数については,それぞれsc_pjm:プロジェクトマネ ジメントへの影響(7質問項目),sc_budg:予算管理への影響(5質問項目),sc_perf:業績 評価への影響(5質問項目),sc_deci:意思決定への影響(4質問項目)に各質問項目を要約 した。さらに,総合的な管理会計への影響を測定するために,四つの影響変数すべてを要約 したsc1:統合変数1と,プロジェクトマネジメントへの影響を除外した三つの影響変数を集 約したsc2:統合変数2の二つの変数を準備した。プロジェクトマネジメントは一方では管理 会計であるが,他方では業務管理の側面もあり,会計基準の変更自体への業務対応の一部と 見ることもできる。原因と結果の自己重複を避けるために,プロジェクトマネジメントを除 外した管理会計への影響を要約した統合変数2を用意したのである。

5. 分析結果

5.1 記述統計の結果  分析用のデータセットの各変数について記述統計を計算したのが表3である。  組織コンテクストの変数のうち,oc_pub:上場関係は0/1のダミー変数である。上場関係企 業が33社と3分の2を占めているが,非上場の企業も17社あった。oc_size:企業規模の平均 89 会計基準の変更が管理会計に与える影響に関する一考察 河路 武志

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は3.784であるので,年間売上高数十億円規模が対数平均でのオーダーであることが分かる。 oc_order:業務構成は,ソフトウェアの受注制作の売上高比率を表しており,33%が平均的 な比率であった。  組織の内部要因の各変数は,いずれも平均が0を上回っており,サーベイ調査の質問項目 に戻して考えると,5点リッカートにおける3(どちらとも言えない)よりも積極的な同意が 平均的には得られていることを意味している。特に,pr_org:組織コミュニケーションとpr_ ope:業務改革要因については比較的高い同意が得られているのに対し,pr_is:情報システ ム要因については同意の程度が低いことが示されている。  一方,会計基準の変更の結果として管理会計がどの程度影響を受けたかを見てみると,す べての変数(sc_*)は平均が負であり,特に,sc_perf:業績評価は相対的に絶対値が大きな 負の値を示している。このことは,平均的には質問項目に対する同意の程度が消極的である ことを示している。 表3a:記述統計(組織コンテクスト) 0 1 記述統計 n 平 均 標本標準偏差 o c_p u b 50 17 33 0.66 0.479 o c_siz e 50 3.784 0.618 o c_o rd e r 49 0.333 0.284 t p 記述統計 n 平 均 標本標準偏差 値 値 有意水準 m v_pa 47 0.671 1.059 4.343 0.000 ** m v_ac t 48 0.685 1.095 4.336 0.000 ** pr_org 49 1.991 1.051 13.265 0.000 ** pr_ope 48 1.419 1.257 7.820 0.000 ** pr_is 49 0.288 0.998 2.022 0.024 * **:1% *:5% +:10%

s c _pjm s c _budg s c _perf s c _dec i s c 1 s c 2

48 47 49 49 47 47 -0.305 -0.448 -1.733 -0.040 -2.118 -1.902 1.937 1.666 1.700 1.531 3.009 2.486 1.092 1.843 7.137 0.185 4.825 5.245 0.140 0.036 0.000 0.427 0.000 0.000 記述統計 n 平 均 標本標準偏差 値 値 有意水準 * ** ** ** t p **:1% *:5% + :10% 表3b:記述統計(組織内部要因) 0 1 記述統計 n 平 均 標本標準偏差 o c_p u b 50 17 33 0.66 0.479 o c_siz e 50 3.784 0.618 o c_o rd e r 49 0.333 0.284 t p 記述統計 n 平 均 標本標準偏差 値 値 有意水準 m v_pa 47 0.671 1.059 4.343 0.000 ** m v_ac t 48 0.685 1.095 4.336 0.000 ** pr_org 49 1.991 1.051 13.265 0.000 ** pr_ope 48 1.419 1.257 7.820 0.000 ** pr_is 49 0.288 0.998 2.022 0.024 * **:1% *:5% +:10%

s c _pjm s c _budg s c _perf s c _dec i s c 1 s c 2

48 47 49 49 47 47 -0.305 -0.448 -1.733 -0.040 -2.118 -1.902 1.937 1.666 1.700 1.531 3.009 2.486 1.092 1.843 7.137 0.185 4.825 5.245 0.140 0.036 0.000 0.427 0.000 0.000 記述統計 n 平 均 標本標準偏差 値 値 有意水準 * ** ** ** t p **:1% *:5% + :10%

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表3c:記述統計(管理会計への影響) 0 1 記述統計 n 平 均 標本標準偏差 o c_p u b 50 17 33 0.66 0.479 o c_siz e 50 3.784 0.618 o c_o rd e r 49 0.333 0.284 t p 記述統計 n 平 均 標本標準偏差 値 値 有意水準 m v_pa 47 0.671 1.059 4.343 0.000 ** m v_ac t 48 0.685 1.095 4.336 0.000 ** pr_org 49 1.991 1.051 13.265 0.000 ** pr_ope 48 1.419 1.257 7.820 0.000 ** pr_is 49 0.288 0.998 2.022 0.024 * **:1% *:5% +:10%

s c _pjm s c _budg s c _perf s c _dec i s c 1 s c 2

48 47 49 49 47 47 -0.305 -0.448 -1.733 -0.040 -2.118 -1.902 1.937 1.666 1.700 1.531 3.009 2.486 1.092 1.843 7.137 0.185 4.825 5.245 0.140 0.036 0.000 0.427 0.000 0.000 記述統計 n 平 均 標本標準偏差 値 値 有意水準 * ** ** ** t p **:1% *:5% + :10% 5.2 相関分析の結果 表4:相関行列 相関分析 oc_pub o c_ p u b o c_ s ize o c_ o rd e r m v_ p a m v_ a ct p r_ o rg p r_ o p e p r_ is s c1 s c2 s c_ p jm s c_ b u d g s c_ p e rf s c_ d e ci **:1% *:5% + :10% 1 .0 0 0 .5 1 -0 .1 0 0 .4 5 -0 .2 7 0 .1 1 -0 .2 1 0 .0 3 0 .0 0 0 .0 5 -0 .0 8 0 .1 0 -0 .0 8 0 .0 2 * * * * + oc_s ize 1 .0 0 -0 .0 3 0 .1 4 -0 .1 0 0 .1 2 -0 .1 8 0 .3 0 -0 .0 7 -0 .0 8 -0 .0 6 0 .0 4 -0 .2 3 -0 .0 5 * + oc_order 1 .0 0 0 .0 5 -0 .0 6 0 .2 9 0 .1 3 0 .4 5 -0 .0 6 -0 .0 8 -0 .0 1 -0 .0 6 -0 .0 9 -0 .0 5 * * * m v_pa 1 .0 0 -0 .1 8 0 .1 1 0 .1 9 -0 .0 1 0 .1 0 0 .1 2 0 .0 4 0 .0 4 0 .1 5 0 .1 2 m v_act 0 .4 4 0 .3 5 1 .0 0 0 .1 3 0 .0 3 -0 .1 4 0 .4 6 0 .4 5 0 .4 1 0 .3 6 * * * * * * * * * * pr_org 1 .0 0 0 .4 7 0 .3 9 0 .2 3 0 .2 4 0 .1 9 * * * * 0 .2 2 0 .1 0 0 .3 1 * pr_ope 1 .0 0 0 .3 4 * 0 .4 0 * * 0 .3 4 * 0 .4 5 * * 0 .3 2 * 0 .2 7 + 0 .3 3 * pr_is 1 .0 0 0 .1 1 0 .0 9 0 .1 2 0 .2 4 + -0 .0 3 0 .0 3 s c1 1 .0 0 0 .9 7 * * 0 .9 1 * * 0 .8 8 * * 0 .8 7 * * 0 .8 0 * * s c2 1 .0 0 0 .8 0 * * 0 .8 9 * * 0 .8 9 * * 0 .8 4 * *  次いで二つの変数間の相関を計算した相関行列を表4に示す。管理会計への影響を表す変 数間の相関については省略した。  oc_pubは,oc_sizeと mv_pa:外部要因の間に有意な正の相関がある一方で,mv_act:内部 要因とは負の相関が示唆された。適用プロセスの3変数(pr_org,ope,is))の間にはそれぞ れ一定程度の相関が見られた。  組織の諸要因と管理会計への影響の相関を見ると,能動的な基準の適用動機を意味する mv_act:内部要因は,すべての影響変数との間に有意な正の相関があった。同様に,適用プ ロセスのうちpr_ope:業務改革要因も,すべての影響変数との間に正の相関が示された。 5.3 重回帰分析の結果  最後に,分析モデルの全体的な関係を分析するために,管理会計への影響を表す各変数を 従属変数とし,組織の要因を示す諸変数を独立変数とする重回帰分析を行った。 91 会計基準の変更が管理会計に与える影響に関する一考察 河路 武志

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表5:重回帰分析の要約 oc _pub oc _s iz e oc _order m v_pa m v_ac t pr_org pr_ope pr_is sc1 0.226 0.496 0.426 F tes t 9.358 adjR 0.363 **:1% *:5% + :10% 2 sc2 + 0.276 * ** 0.503 ** ** 0.358 ** ** 7.999 ** 0.323 sc_p jm sc_b u d g sc_p e rf sc_d e ci 0.270 * 0.439 ** 0.448 ** 0.412 ** 0.327 * 0.330 * 0.267 + 0.234 + 0.229 + 0.246 + 5.973 ** 5.428 ** 5.581 ** 5.918 ** 0.181 0.287 0.176 0.186 重回帰分析  表5は,管理会計への影響を表す各変数を説明する回帰式のうち,自由度調整済み決定係 数が最大であった回帰式を影響変数ごとに示した要約表である4。例えば2列目は,sc1:統合 変数1を従属変数とする回帰式のうち最もあてはまりの良い回帰式は,

    sc1 = 0.226 oc_pub + 0.496 mv_act + 0.426 pr_ope

であり,F値=9.358,自由度調整済み決定係数adjR2=0.363であることが示されている。  もう一つの統合変数であるsc2:統合変数2も,sc1とほぼ同じ結果を示しており,プロジ ェクトマネジメントの影響は限定的であった。ただし,sc1と比べてsc2のpr_opeの係数が減 少していることから,プロジェクトマネジメントにおける業務改革が,管理会計のプロセス としてのプロジェクトマネジメントに一定程度影響していることが示されている。  個別の四つの影響変数を説明する回帰式を見ると,統合変数の回帰式では採用されていた oc_pub:上場関係が採用されていないものが多く,逆に,適用プロセスの3変数がチラホラ 採用されている回帰式になっている。これらのうち,sc_budg:予算管理の回帰式が最も高い 決定係数を示しており,採用された係数も統合変数に類似している。  説明変数ごとに見ると,mv_act:内部要因による能動的な基準適用は,すべての回帰式に 有意な変数として採用されている。また,pr_ope:業務改革も多くの回帰式に採用されてい る一方で,pr_org:組織コミュニケーションは意思決定の回帰式に,pr_is:情報システムは プロジェクトマネジメント,予算管理の回帰式に一定の関与が示唆された。他方,oc_size: 規模やoc_order:業務構成といった組織コンテクストの変数は,どの回帰式でも有意ではな かった。 4 回帰式の独立変数の選択は,変数増減法で探索した。

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6. 解釈と議論

6.1 記述統計  管理会計への影響変数(sc_*)は,すべて平均が負の値であった。このことは,管理会計 への影響に関する質問項目に対して,平均的には「どちらとも言えない」よりも消極的な「あ まりそう思わない」に寄った回答をしていることを示している。つまり,会計基準の変更は 平均的には管理会計にあまり影響を及ぼしていない,と解釈することができる。特に,sc_ perf:業績評価の影響変数が低い平均値をとっていることは,管理会計の中でも業績評価へ の影響は極めて限定的であると解釈することができる。  制度論的解釈によれば,会計基準の変更という外部環境の変化はすぐに管理会計への影響 として現れる訳ではなく(Burns & Scapens(2000)),タイムラグをともなう場合が予想され る可能性(Malmi(1999))が指摘できる。また,特に業績評価への影響が小さいのは,日本 における業績評価の特質(内山( 2007))すなわち,客観性の低さや個別業績の不採用とい った要因を想定することができよう。 6.2 管理会計への影響  統合変数sc1,sc2いずれの回帰式についても,モデルには一定程度説明力があり,適用動 機としての内部要因(mv_act)と会計基準適用に伴う業務改革の取組みが影響していること が示された。このことを解釈すると,会計基準の変更に受動的に従う場合には対応的取組み となり管理会計にはほとんど影響を及ぼさないが,会計基準の変更を組織改革のトリガーと して能動的に業務改革に取り組む場合には,管理会計に対しても一定の影響が及ぼされると いうシナリオが想定できる。  sc_budg:予算管理の回帰式においてoc_pub:上場関係が影響を及ぼしていたことは,上場 企業に求められる四半期決算の影響として解釈可能である。すなわち,工事進行基準による 収益計上のためには精緻な進捗度管理が必要となり(石橋(2009) p.78),四半期決算を求め られる上場企業において特に予算改訂頻度が増加したことが予算管理への影響要因として反 映している可能性が指摘できるのである。  sc_deci:意思決定の回帰式においてpr_org:組織コミュニケーションが一定の影響を示し ていたことは,会計基準の変更について組織構成員とコミュニケーションを図ることが,有 効な意思決定に必要であるとの認識として解釈できる。例えば,従来の工事完成基準と新し い工事進行基準による収益認識との差異を理解しないまま意思決定が行われれば,適切な意 思決定は期待できないはずで,基準変更の適用プロセスとして組織コミュニケーションが活 発に行われるほど意思決定の進め方にも影響が及ぶはずである。  なお,pr_is:情報システム要因の影響が二つの回帰式で採用されたが,有意性は低く,本 93 会計基準の変更が管理会計に与える影響に関する一考察 河路 武志

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稿のコンテクストにおける解釈は避けることとする。 6.3 研究の貢献と限界  本研究は,会計基準の国際化に対して研究の蓄積が不足している管理会計領域において, 会計基準の変更が管理会計にどのような影響を及ぼすかを実証的に研究し,その組織要因を 分析する一事例を提供したという点で,学術的に一定の貢献を果たしている。また,情報サ ービス業における工事進行基準の適用を事例として,管理会計に関する対応指針を適用する ことができたとすれば,実務的にも有用な結果が得られているのではないだろうか。  しかし,研究の限界も多く存在している。研究の枠組みとしては,ソフトウェア受注制作 の請負契約という特定の会計基準,情報サービス業という特定の業種を事例とした研究であ り,国際的な会計基準の全面適用といった包括的な議論とは概念レベルが異なった考察であ るため,本研究の結果を一般化した議論へと拡張することは困難である。  また,研究方法においても,モデルとデータの両面で限界がある。分析モデルは構造論的 パースペクティブであり,組織のコンティンジェンシーとしてモデル構築するにあたっての 管理会計としての理論背景が十分であるとは言えない。データについても,50というサンプ ル数の少なさ,サーベイ調査による主観的データである点,5点リッカート法の回答をどの ようにデータ化するか等の統計処理の留意点は指摘しなくてはならない。

7. まとめと今後の課題

 本稿では,会計基準の変更が管理会計に及ぼす影響を考察する一つの試みとして,情報サ ービス業における工事進行基準の適用を事例として実証研究を行った。結果として,平均的 には会計基準の変更は管理会計にそれほど影響を及ぼすわけでないことが示された。しかし, 会計基準の適用が,内部要因による能動的な動機によるものであり,業務改革を伴って実施 されれば,管理会計に一定の影響を及ぼすことが観察された。  近い将来に予想される国際的な会計基準の適用に関して,本稿の知見をそのまま援用する ことは困難であり,理論的な管理会計への影響モデルの構築や幅広いデータを用いた実証分 析が今後の課題である。 (成蹊大学経済学部教授) 参考文献 石橋 健司(2009)「受注制作ソフトウェア取引の会計処理の課題とその対応」『ProVISION (IBM)』63,pp.78-84。

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補遺 サーベイ調査の質問項目

5 Q5. 証券取引所への上場についてお答え下さい ● 上場している上場していない Q6. 親会社の有無と,その証券取引所への上場についてお答え下さい ● 親会社が有り,上場している親会社が有るが,上場していない親会社は無い Q9. 直近の決算における売上高をお答え下さい [     ](百万円) Q10. 売上高全体に占める請負ソフトウェア制作の比率をお答え下さい ● 20%未満20 ~ 3940 ~ 6160 ~ 7980%以上 Q12. 工事進行基準を適用する理由について,以下それぞれ同意の程度をお答え下さい。(工 事進行基準適用の場合に回答) ◎5点リッカートにて同意の程度を回答 (同意しない,あまり同意しない,どちらとも言えない,ある程度同意する,同意する) ♢ 利害関係者に適切な情報開示をすべきだから ♢ 会計専門家が適用を求めているから ♢ 親会社が適用を求めているから ♢ 取引先が適用を求めているから ♢ 業務管理・会計管理の点から効果が期待できるから ♢ 比較的容易に適用できる環境が整っていたから Q20. 工事進行基準の適用を導入するために,以下それぞれの取組をどの程度重視したかお答 えください ◎5点リッカートにて同意の程度を回答 (重視しなかった,あまり重視しなかった,どちらとも言えない,ある程度重視した,重視 97 会計基準の変更が管理会計に与える影響に関する一考察 河路 武志 5 本稿で利用した質問項目のみを記載。他の質問項目については別稿(河路(2011))を参照されたい。

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した) ♢ 経営者の理解獲得 ♢ ソフトウェア制作部門への啓蒙活動 ♢ 情報システムの改編・新規導入 ♢ プロジェクトマネジメントの強化 ♢ 請負契約プロセスの制度化 Q21. プロジェクトマネジメントへの影響 ◎5点リッカートにて同意の程度を回答 (同意しない,あまり同意しない,どちらとも言えない,ある程度同意する,同意する) ♢ プロジェクトマネジメントの対象が拡大した ♢ プロジェクトマネジメントの精度が向上した ♢ 人件費のプロジェクトへの直接賦課が増加した ♢ 外注費のプロジェクトへの直接賦課が増加した ♢ プロジェクトマネージャーの権限が強化された ♢ プロジェクトマネージャーと従業員とのコミュニケーションが強化された ♢ プロジェクトマネジメントのための情報システムを改編・導入した Q22. 予算管理への影響 ◎5点リッカートにて同意の程度を回答 (同意しない,あまり同意しない,どちらとも言えない,ある程度同意する,同意する) ♢ 予算単位が,部門単位からプロジェクト単位へと細分化された ♢ プロジェクト予算が,原価予算から利益予算に変化した ♢ 予算改定(見直し)の頻度が増加した ♢ プロジェクトマネージャーと会計・経理部門とのコミュニケーションが強化された ♢ 予算管理のための情報システムを改編・導入した Q23. 業績評価への影響 ◎5点リッカートにて同意の程度を回答 (同意しない,あまり同意しない,どちらとも言えない,ある程度同意する,同意する) ♢ 個人単位の業績評価が強化された ♢ プロジェクトマネージャーの業績評価が強化された ♢ ソフトウェア制作部門の業績評価が強化された ♢ プロジェクトマネージャーと人事部門とのコミュニケーションが強化された ♢ 業績評価のための情報システムを改編・導入した

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Q24. 意思決定への影響 ◎5点リッカートにて同意の程度を回答 (同意しない,あまり同意しない,どちらとも言えない,ある程度同意する,同意する) ♢ 請負契約時の意思決定において,会計情報が重視されるようになった ♢ 経営者のプロジェクトポートフォリオ意思決定において,会計情報が重視されるよう になった ♢ プロジェクトマネージャーと経営者とのコミュニケーションが強化された ♢ 意思決定のための情報システムを改編・導入した 99 会計基準の変更が管理会計に与える影響に関する一考察 河路 武志

参照

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