【報 告】
UDC ;624
.
131.
526E]本建築 学 会構 造 系 論 文 報 告 築 第 420 号
・
1991 年2月 Journat of Struct、
Constr、
Engng、
AIJ.
No、
420,
Feb,
,
1991軟
弱
地 盤
に
お
け
る
住 宅
の
不 同沈 下
DIFFERENTIAL
SETTLEMENTS
OF
HOUSES
ON
SOFT
GROUND
田
村
昌 仁
*ハ
4asahito
TAMURA
1This
paper deals with
the differetial settlements of houses on soft ground
.
Throughthe
measurements of
differetial
sett [ements of more than twohundred
houses
on the sQft ground arQu 囗d Suwa Lake,
the effects of N・
value of ground and type of foundation on the settlements areinvestigated
.
The
main conclusions aIe summarized asfollows
:1)If
theN ・
value of gTound is not less than three, the differential settlement hardly exceed 60mm , irrespectlve of type of 〔ound
−
ation
,
「
2}If
theN −
value isless
than three,
the se亡tlemen 巳is
in刊uencedby
the type offoundation
.
In the case where the foundation is the continuous fQotlng, which is not reinforced concrete , the
rate of
houses,
of whichdifferential
se[tlement is more than 60 mm,
is’
37 %
.
On
the other hand,
the rate
is
12%in
the case of pine pilefoundatlon
.
3
)The
inhabitants
arehardly
conscious of thediffrential
settlement of hQuses as long as the settlementdoes
not exceed 60 mm.
Keywercls
:dtYferential
settlement,
house
,
soft greund,
万8’4
勲 めL
は じめ に 近 年の人口 の都 市 集 中 化に伴い,
かつ て は湖 沼などで あっ た軟 弱 地 盤が住 宅の敷 地に な るケー
スが増 加して い る。
これら の地域では,
長 期 的な 圧密沈下や不 同沈下が 生 じやす い の で沈 下 対 策とし て適切 な住宅 用 基 礎 を考え る必 要.
がある。 建 築 物の沈 下お よ び沈 下 対 策につ いては,
これ ま で数 多くの 調 査 研 究が行わ れ て い るがt}−
91,
これ らの研 究の 大 部 分は比 較 的 規 模の大きい鉄 筋コ ン クリー
ト造の建 物 を 対 象と し た もの であり,
住 宅な どの小 規 模 建 築 物の基 礎と 沈下に関する調 査 報 告は少ない1°旧 % 住 宅の 場 合に は, 沈 下 量の大き さ を一
軒一一
軒 詳細に調査 す ること は トラブル を招 きか ね ない し,
沈 下と地 盤,
基 礎の関 係 を 定 量 的に検 討する こと が容 易で な い。
大 規 模 建 築 物の場 合は,
地 震や長 期の圧密 沈 下を除け ば,
大き な障 害 を も た ら す要因 は少ないが,
住 宅等の小 規 模建築物では,
交 通荷 重によ る前面 道 路の振 動 や隣地の 建設に伴 う地 盤変 状が不 同沈下の原因になる場 合が少な く ない。
住宅の沈 下対策基 礎工法に関す る組 織的な調 査 研究と し て は,
佐 賀 県の例が挙げ られ る12】・
131。
有 明海 沿岸に位置す る 佐 賀 平 野や白石 平 野では,
上 層 部の地盤のN
値がO〜3
と極 めて小さい た め,
地 盤 沈 下や不 同沈下が大き く木 造 住宅 で もかなり の被 害が 生 じ て い る。 この た め,
佐 賀 県では 特 定 軟弱地 盤 対 策住 宅 建 設 基準を定め て,
軟 弱 地 盤 対 策 と して の基 礎 工 法 をい くつ か推奨す ることで対 処して い る。 軟 弱 地 盤 地 帯の都 市 化が進 行して いる現状で は,
今 後 佐 賀 県で生 じて い る よ う な 問題が多くの地 域で生じ る と予 想され, 住 宅の沈下対策基 礎工法を合理的に検討す ることが必 要 とな り, こ れ にはま ず 住 宅の沈 下と地 盤や 基 礎の関 係 を明らか に し なければ な ら ない。・
本報告は, 長野県諏訪 湖畔を軟 弱地 盤の一
例と し,
軟 弱地 盤 上の住 宅の沈下に関す る調査結果 を整理 し た も の であ り,
不 同沈下 量 と地 盤,
基 礎の関 係な ど を明らかに してい る。
なお,住 宅の不同 沈下に関す る調査 と し て は,
300戸 以 上の住 宅 を 対 象と し た アンケー
ト調 査や不同沈 下の実 測 調 査 を行っ て い る。
2.
地 盤 状 況2.
1 地 盤概 要 長 野 県 諏 訪湖の南に面 す る.
諏 訪盆 地 は,
中乗構 造 線・
フ ォ ッ サマ グナの交会点に位 置 し,
“
す く も”
と呼ば れ る軟弱な腐植土が厚く堆積し てい る。N
値が 4以 下の 層が5m 以上分 布 す る 範 囲 を軟 弱地 盤 と す れ ば,
諏 訪 盆 地の軟 弱地盤の面 積は ほ ぼ諏 訪 湖の 面積 (ユ4.
2kmZ ) に相 当し,
軟 弱 層の厚さ が 15m 以上に達す る箇 所 も少 な く ないm 。 表一
1に は,
諏 訪地域の上部 層の腐 植土お* 建設 省 建 築 研 究 所 研 究 員
・
工博 Research Engineer,
BuiLding Research lnstitute,
Mlnistry oI Construc・
tien,
Dr.
Eng.
表
一
1 諏 訪 地域の腐植 土,
粘 土・
シル トの土質特性15[ 土 質 腐 植 土 枯 土・
シ ル ト N 値=
1’
o≦ N 〈3”
N 値22D <N く3 N 値 深 7.
o 度 工2.
o (m ) 20』 N値=
20 <N く4N 伍詈
31 く Nく 5 N置=
52 く N く8N 笹均
42 く N〈 a 湿 潤 密 度 7 し(9 /Cロ3) 1.
0〜
1」 L1〜
1.
8 Tso 橸ハ
E〕
懐 靼 1{o It 上 段は 代衷 僅、
脚 :下 段は分 布 範 囲であるe 地 層は、
図一
2の Ap パ 断面であ 69゜°
:・
b 沖騒 層 餓 网曁 毘虚燈 口 均 耶 三 紀 層 Ol匡]
・土・
・
…龝
・ 肱鬮
・国
駄・
・
…驪
眇’
、。
∵・
:跳 ど一
部 加 匿国
・ … 颱 … 恥 勵麗
欄・
’
・
°
、
∵ ノ 水平 1hm 図一
1 諏 訪 地域の推 定 地層断 面図】Sl 写真一
1 諏 訪 警 察 署 (建 物の浮き上がりは最 大165cm ) 写 真一
2 諏 訪公設 地 方 卸 売 市場 (正 面 階 段は浮き上が りのた め 設 置 ) よ び粘 土・
シ ル ト層の土質 特 性を 示 して おりISI,
地表か ら深さ 10m までN
値が1以 下の地 域 も 多い。 な お,
深 度20m ま で の上 部層の ほ と ん どは沖 積 層であり,
地 表 か ら7m 前 後まで は正規圧密土,
10m 以 深 は過圧密土 で ある15 )。一
部 加 筆 」=
d 」 2X回 図一
2 諏 訪地 域に おける 1978〜
1985年17 】の地 盤の累積沈下 鮭 〔mm ) 図一1
に は,
諏 訪 盆地の推 定 地 層 断 面 図 (図一
2の A−
A’
断 面 )を示 して お り,
深 度20m
ま での上 部層に一
部 砂層 が 存在 し て いるこ と が 分か る。
地表か ら20m まで の腐植 土お よ び粘 土の圧密 係 数Cv は, 3×101cm/day
程 度15) なので,
圧 密 度Us
。,
Ug
。に相 当する日数は,
層 厚 10m の 両 面排 水条件 と す る と そ れ ぞ れ 164 日,
706Elとな る。
な お,
諏 訪 地 域の 積 雪 量は58cm
(1cm
に つ き2
kg
/m: )で ある。
こ の よ う な軟 弱地 盤において は,
住宅な どの小 規 模建 築 物だ けで な く,
支 持 杭を採 用し た 比較的 規 模の大きい 建物におい て も沈 下によ る障害が数多く認め ら れ る16)。
写 真一
ユ,
写 真一
2に は,
こ こ 十 数年の間に ユ m 以 上の 地 盤 沈 下が生じ た諏 訪 警 察 署と諏 訪 公 設 地 方 卸 売 市 場の 建 物 外 観 を示してい る が,
杭の抜け上 がり による被 害が 著しい。
2.
2 地 盤 沈 下 諏 訪 地 域の地 盤の沈 下 現 象は明 治以 来注 圓さ れ て き た が,
戦 後に おい て も諏 訪 湖の水 位 低 下,
地下 水・
温泉 等 の汲み上げ, 盛 土な ど に よ り増 大し てい る。
沈下量の大 き さで は毎 年全国 ユ0
位 以 内で, 1987年 度に は年 間 4 cm 全国第 4位,
1988年に は年間 3.
9cm 金国第 5位を 記 録し てい る。
図一
3
に は, ユ978−
1985年の地 盤の累 積 沈 下 量 を 示すLTI。
ユ978年 以 前の 沈 下は,
諏 訪 湖の水 位 低下の ため,
図一
3に示すように諏 訪 湖に接す る部 分を 中 心と して同心 円状に広がっ て い たが18 ),
最 近で は図一
2
に示す ように局 所 的に数 個 所で生じてい る。
こ の原 因の ひとつ に温泉 事 業 等に よる地下水の過剰 揚 水が挙げ ら れ るIY ) 。 温泉事 業のた めの揚 水量 は 図一4
に 示す よ うに年々増加し,
こ の 10年間で約 2倍と なっ て い る。
な お,
こ の 揚水量 は,
諏訪 市 全 域 を対 象と し た も の で あ る:°〕。
現 在で は 温泉 統 合に よっ て地 下 数 百メー
トル か ら揚 湯さ れ
,
浅い温 泉 井が次 第に消 滅して い るの で 地 盤 沈 下が激 化す る ことは な いが,
こ の影 響 は 無視で き な い と思わ れ る。 ま た,
地 盤 沈 下の一.
因と して,
人口や建 物の増 加とい っ た都 市 化に よる荷重増 加も考え ら れ る。 沈 下は,
腐植 土一
部加筆 一 2km 図一
3 諏 訪 地 域に おける 亅969〜
]977年ls) の地 盤の累 積 沈 下 量 (mrn ) 12000 :ooeo 12000 ±oooe ハ 魚 e°° ° e°°°(
\ ,。。。 、 。 。。 一 こ二 寮蓑 4 。 。os 畑 姻 ゜ 嘸2°°° 2000 e o lg7S I980 1982 1984 1986 1988 年 度 (西暦 年 ) 図一
4 温泉事 業のた めの揚 水 量20 ) 図中の致 宇 は、
1975〜
19&8年 上 諏 訪 駅し
●
の人口 変 化 を 示 す。
カッコ内 の数値は、
1卯5年 度 人囗 に対 する人ロ変 化の割 合である。 (+増 加、一
減少 )一
42 (−
26累 諏 訪湖一
343 ‘−
14器一
744−
.
♂
2 黠ノ
十 乳44 争34男 十 且 十166 +4男》 (+16器) 十680.
广
十55 (+50箔} 十743 (+6ユ瓢) 十22 +4笥 十68 十266 ( +6瓢)’
(+6駕) N (+22 十650 十454 十107 (+10窪) (+112男) (+22瓢)1
」==
辷==
」==
te 」2km 図一
5 諏 訪 地 域の人口の増減 な どの軟 弱 層が厚く堆 積し た地 点で多 発して い る が,
こ のよ う な軟弱地 盤に お い て住 宅が建て ら れ る よ うに なっ たの は,
ご く最近の こ とである。
図一
5に は,
1975年 以 降の諏 訪 地 域の人口 の変 化 状 況 を 示 す。
図一
5と図一
2 に不 し た 地 盤沈 下の状 況を比 較す ると,
都 市 化が進み人 口が増加 した地区で は一・
般に沈 下が大きい よ うで あ り, 都 市 化に よる荷 重 増 加 も1978年 以 降の地 盤 沈 下の一
因 といえる。
3,
住 宅の不 同 沈 下・ ・
3.
1 調 査方法 住 宅の 不1
司 沈下に 関す る実態調査 は,
1988年か ら1990
年に か けて行っ た。 調査 し た戸 数は全 部で 300戸 以 上で あ る が,
不 同沈下 量につ い て は,
調 査 地 点の地盤 特 性が把 握で き た 226戸の 測 定結 果を 整 理し て い る。
建 物の 95 %以 上は, 建築面Ptt
70〜IOO
■ 2 の 木 造1,
2階 建であり,
を れ以 外は鉄 骨お よび鉄 筋コ ン ク リー
ト造で ある。
調 査は諏 訪 市 全 域にわ た り,
市 街地 や農 村 部を問 わず 対 象 とし た。
地 盤が軟 弱な地域だ けでな く地 盤が比 較 的 良 好な地 域 も比 較の た めに調 査を行っ て い る。
不 同 沈下 の測 定は,
図76 の よ うに水 管 を 用 いて行っ た。
2− 3m
間 隔で基 礎 天 端な ど建 設 時にほ ぼ水 平と考え られ る部 分に水 を満た し た ビニー
ル管を あて,
そ の間の水 位 差を測 定し,
こ れ を 不 同 沈 下 量 と し た。
こ の 場合,
基 礎 部 分の施 工 精 度に問 題が あ る が, 諏 訪地域の 20戸の新 築 住 宅 〔竣工は ユ989年 度 以 降 ) を対 象と して 同様な方 法で不 同 沈 下量 を測 定し た とこ ろ,
不同沈下 量 と して l cm 未 満の場 合がユ7例 (う ち1]例は 5mm 未 満)で残 り3
例も2cm
未 満であっ た。 こ の ため,
1cm 前 後の不 同沈 下量では施工誤差の範 囲 内と考え ら れ,
建 築 後に生 じた不 同 沈 下とみな すこと ができ ないが,
これを超え る 部分 にっ い ては一
応 建築 後に生じ た不 同 沈 下と考えるこ と がで き る。
また,
こ の調査に先 立ち水 管の か わ りに レ ベ ルを用い て不 同 沈 下 を測 定し たが, レベ ルを 用いた場 合と水 管の場 合で は ほと ん ど変わ ら ない。
レベ ル に よ る 調査は,
住宅 が密 集 し た市 街 地で は困難であ り 調 査に要 す る時 間も長く な るの で,
後 述の不 同 沈 下の測 定 結果 は,
すべ て水管によ る値を用い て いる。 な お,
不 同 沈 下は,
図一
6に示し た住 宅の傾 斜 角と 最大 不同 沈下量の 2っ で 咽 ト 鋸 匝 隆 測定 間 隔 図一
6 不1
司 沈下の 測定方 法一
155
一
表すことに し た
、
不 同 沈 下の測 定は, 住 宅の長辺 お よび 短 辺で行っ てお り,
そ れ らの う ちの最 大 値 を傾 斜 角お よ び最 大 不 同 沈 下 量 (以 下,
単に不 同 沈 下 量とい う )とし た。 建 物の不 同 沈 下を表す指 標と して は,
こ こ で取り上 げ た傾 斜 角や不 同 沈 下 量の他に相 対変位 量や変 形 角が あ り, 布 基 礎に生じる亀 裂などの障 害は一
般に相 対 変形 量 や変 形 角と密 接な関 係にあると考えら れ てい る。しか し, 調査 し た住 宅の中に は,
そ の平 面 形 状が複 雑な場 合が 多 い の で,
平 面 形 状が矩 形な建 物と比べて相 対 変 位 量 や 変 形 角を求めに くい問題 が あ る。 ま た,
今 回の調 査で は,
測点の間隔 が 2〜
3m であり短辺 や長辺の長 さに比較す る と 測点数が少な く,
不 同沈下の測点の位 置も 亀裂が生 じ ている位置と 必ずし も一
致し てい ない。
し た がっ て,
相 対 変 位 量や変 形 角は,
不 同 沈 下 量や傾 斜 角に比 較して 平面形状, 測 点の位 置, 測 定 間 隔の影 響 を受け や す く, その精 度 が 十 分で ない と考え ら れ る。
また, 住 宅の 場合 には,
居住 者 が 常に住 宅の機 能 的・
視 覚 的な変化 を察知 でき る状態に ある の で, 不同沈 下障害を考え る う えでは 亀裂の発 生とい っ た構造的障 害の他,
住宅の傾きに対す るいわば機能 的・
視 覚 的な障 害 意 識 (例えば,
床に置い た ボー
ル が ころが る, 扉に隙 間が生 じる とい っ た 日常生 活で感じ る よ う なこと)も重 要と思われ る。
住 宅の全 体 的な傾 きの程 度 を表 すに は,
相 対 変 形 量や変 形 角 よりむ し ろ傾 斜 角,
不 同 沈 下 量の方が適し て い る。
以上の点を 考 慮して,
こ こで は不 同沈 下 量と傾 斜 角で不 同 沈 下の状 表一
2 諏 訪 地 域の住 宅 用 基 礎の種 類 窃 基 瑾 布 基 礎 幅 邑50闢,
立 ち 上 げ 郎分の幅1〜0開
程 度。
絵 筋 径 はD−
LO、
閥 隔 附O闢程 度。
松 抗基礎 末口123朋
程 度の松 材壱、
長さ3■
.
聞 隔L8凾
程 度で常 水 面 下に汀ち 込 む ものゆ
瓲耐 力51ね2 程 度 以 下 イ カ ダ 基 礎 建 物一
隅全面 に末口L20蜘
程度の松 材を、
約300開
間 隔で 井 桁 伏 に 連 結 配 置し た も の。
地耐 力肌/.
2 程 配 以 下 べ夕 基 礎 建 物一
階 全 面 を 床 版 で 形 成し、
床 版厚さ約120■翫 鉄 筋 径は 卩一
鱒、
聞 隔250■.程度。
地 耐 力31 /・2圏 度 以 下 そ の他の 基 礎 玉石、
束 石、
畉 平 石 積ろ、
衷 層 改 良 等の基 曖p 写真一3
松 杭基礎 写 真一4
イカダ基 礎 態 を表 すことに し た。 ただ し,
各 測 点の 相 対 的な変 位 状 況は構 造 的な不 同 沈 下 障 害を考え るうえで重要な ので,
不 同沈下パ ター
ンと して図一
9に後述す る。
1軒の 家 魘の 不 同 沈 下 測 定に要し た時 間は約30分で あ る。 この他,
居 住者を対象と し て不 同 沈 下や 周 辺 の 環 境な どに関す るア ンケー
ト調 査を行っ てい る。
3.
2 調 査 結 果 (1) 基 礎の種 類 表一
2に は,
諏 訪市にお ける住 宅 用 基 礎の種 類を示す。
こ の 地 域の 特徴と しては,
間 伐材と して の松 丸太を利用 す る松杭基 礎 と イ カダ基 礎が挙げ ら れ る。
写真一3
, 写 真一
4 に は, 松 杭 基 礎とイカダ基 礎の概 要 を示す。
そ の 他の 基 礎と して は, 40cm ×40 cm で厚 さ数cm の鉄 平 石 を 厚さ50cm 程 度, 基 礎 下 全 面に わ たっ て敷 き詰め る表 層 改 良 的な基 礎 も見ら れる。
各 基 礎の適 用 条 件 (地 盤, 構 造など)は明 確で な いが, 地 盤 が軟 弱で地耐 力が 3t/m1 程 度 以 下の場 合に イカダ 基 礎,
松 杭 基 礎,
べ 夕 基 礎 を採 用 する例が多いよ うである。
な お, 松 杭 基 礎,
イカ ダ基 礎, ベ タ基 礎の ほ と ん どは有 筋の布 基 礎お よ び ベ タ基 礎で あ る。
表一3
に は,300
戸 以 上の住 宅 を 対 象 とし て実 施 し た 現 地調査 をも とに, 基 礎工 法の種類と建 築年度の関係を 示す。 調 査にあた っ て は,
特 定の地 域に偏 らな い よ う諏 訪 市 全 域を対 象と し た。
な お,
有 筋の布 基 礎にっ い ては,
鉄 筋の存 在を確 認し て い るが,
無筋の布基礎には鉄 筋の 有 無が明 確でない ケー
ス も含ま れ てい る。 ユ965
年まで は,
通常の布 基 礎や束石・
玉石 など を用い た独 立 基 礎が ほと ん どで、
イ カダ基 礎や松 杭 基 礎とい っ た伝 統 的工法 が わ ずか に認め られ る程 度で ある。
しか し, 1965 年以 降では,
上 記の工 法に加え て, ベ タ基 礎の採 用が増 加し て い る。
また,
1975年 以 降で は,
約 3割の 住 宅が通常 の布基 礎 以 上の な ん らか の対策工法 (ベ タ基 礎 , 松 杭 基 礎,
イカダ基 礎)を採用し てい ること が分か る。 表 中に は,
住宅 基 礎 とN
値の 関係 も 示 し て お り,
松 杭 基 礎,
イカダ基 礎,
ベ タ基 礎において はN
値が 3未 満の軟 弱 表一
3 住宅基礎と建築 年度 薀 礎 の 梱 類 建 藻 年 度 (西 暦 ) 無 筋 布薀礎 有 筋 布匹礎 松 院 基礎 イ カダ 基 礎《
タ 基 礎 その他 の基 礎 合 計〜
ユ95452 211 0oo ooo ooo o2713 1233 1955
〜
四 64Lgl1 862 110 021 0oo o5 ε 33 3 且9簡〜
四746725 2L82 363 L43 153 12 : 09 2 [9マ5噌
L3845 5L6 372 51 匙〜 L4 二〇 55 ‘ 1 ユ3H 221 1 亘15 墨985噌
四5773 2289 754 LL ↓ o75 2 】 o 塵 5 0 小 計 隻5 46 82 71 22537323 上 段 は 住 宅 の 鎗 数 (N値 が 不 明 ti も の を含む )。
下 段 左はN伍く3の場 合g
下段EはN四 ≧3の 場 含。
(単 位:糠 )18 16 14 12 麟 1e 衄 銅 駆 2日 19 e 圀無筋布 圜
・
有筋布 閣 松杭.
圀 イカダ 圜ベタ 圜 その他0
〜
2/IDOO 2、
4〆且OOO 4〜
6/leOO fiA・
10!100010 /IOeO以上 傾斜角 (a)N 値が 3 未満の場 含 O〜
2ノ且0002〜
4/10004〜
5/10006〜
10/1000 10/1000以 上 傾料 角 (b)N 値が3以 上の場 合 図一
ア.
傾 斜角と地 盤の N 値,
基 礎の腫 類 表一
4 不同沈下量と建 築 年 度 腿 築 年 度 (西歴 》 不同 沈 下 童 SD門
略
(●
■
}〜
四5‘ 工955晴
四54 且略5噌
四孤 1975噌
匚i醐 四55}
1朋7 合計 閥く3 鬧≧3H く3 匣≧3H く3 阿≧3 阿くS 厠≧3 ”く3 押≧3 0鮨
20ZO貯
‘040噌
5050鮨
100100 以上 25432 45310 35242 56卩
310 8 9 監o ? a L4 9 2 1 0 L 匚 L5 7 8 3 211 亘 2 2 0 33220 92000 8L7L3529LO 合 計 3032 δ3802 聖 226 (単位:腺 》 な地 盤で用い られるケー
スが多い こと が分か るQ (2) 住 宅の 不 同 沈 下と建 築 年 度の 関 係 表一
4に は,
住 宅の不 同 沈 下 量と建 築 年 度の関 係 を示 す。
不同 沈 下量の 大き さ は,
40mm 以 下と小 さ い割 合 が全 体の 67% である が,
60mm を 超え る割 合 も17 % と多い。 不 同 沈 下の大きさと建 築 年 度の関 係で み ると,
古い住宅 ほ ど不 同沈下量 が大きいよ うであるが,
1975〜
1984年に 建て ら れ た 比較 的 新しい住宅で も60mm を超 える不 同 沈 下が生 じ た場 合は全 体の16
%に達し てい る。
古い住 宅で不 同 沈 下が大きい場 合の ほ と ん どは, 束石 な どの い わ ば 独 立 基 礎の場合であ り,
こ れ ら の基 礎を除い た場 合に は,
不 同 沈 下量の大き さ と建 築 年 度の相 関 性は 見ら九な かっ た。
表中に 示 し た 地 盤 のN
値と建 築 年 度 の 関係 か ら み る と,
最近で はN
値が 3未 満の軟 弱な地 域に住 宅を建 設す る ケー
ス が相 対 的に増 加し て い るよ う な ので,
新しい住 宅で も不 同 沈 下が大き く なっ た もの と 18 16 14 12 鹹 1e 8 22.
4日 詛 $ a 13 圀無筋布 圜有筋布 圀松杭 圏 イ カダ 圜ベタ 團その他 O〜
20 20−
v4e 40〜
SO SO〜
100 100 以 上 不 同沈 下量 (nm> (e)N値 が3未 潤 の場合 6 0〜
2D 20〜
40 4e−−
6e SO−−
100 100以上 不同沈 下 量 (nm ) (b)N徳 が3以 上の場 合 図一
8 最 大 不 同 沈 下 量と地 盤の 1V値,
基 礎の種 類 考え ら れ る。
(3
) 住 宅の不同沈下 と地 盤のNi
直の関 係 図一
7,
図一8
に は,
住 宅の傾 斜 角お よび不 同 沈下 量 と 地 盤のN
値,
基 礎の種 類の関 係 を 示す。
地 盤の N 値は,
3未 満の場 合と3以 上の場 合の 2つ に大 別した。
こ のN
値の大き さ は,
諏 訪 地 方 地 盤 図お よ び地 元工務 店や地 盤 調 査 会 社か ら の ヒ ア リング結 果など を参 考に し て求めた もの で,
地 表か ら7m 前 後の平 均1
>値と し だ姐 Bl 。 不 同沈下に及ぼ す基礎の種 類の影 響につ いて は,
次 節 で ゆずる ことに し,
こ こ で は まず不同沈 下と地 盤の N 値の関 係を述べ るこ とに す るe 図中に アンダー
ラインを 付 けて示し た住 宅の棟 数 (各 基 礎の合 計 }と地 盤の N 値の 関係に おいて,
地盤の N 値が 3未 満の 場合は,
N 値が3以 上の場 合 と 比 較して,
傾 斜 角と不 同 沈 下 量の い ずれも大き く不 同 沈 下が生じ や すい こと が分か る。 図一
8 (a)に示 し た1V
値が3
未 満の 場合で は,
40 mm を 超 え る不同 沈 下が生じ た割 合は全体の約 半数で あ り,60mm
を超える ケー
スも29 % とか な り高い。一
方 , 図一
8 (b
)の N 値が 3以上の場 合に は,
不 同 沈 下 量が 40mm を 超え るケー
ス は全体の 】2% であり,
60 mm を 超え る ケー
スは わずか3
%で あ る。 し た がっ て,
住宅の 不同 沈下量の大 き さ は,
地 盤 の N 値と密接 な関係に あ り,t
> 値 が3
未満の場 合には,
通 常の 木 造 住宅において も,
か な りの不 同沈下が 生 じ る こと が分かっ た。
一
157
一
(4 ) 住 宅の不同 沈 下と基 礎の関係 住 宅の 不 同 沈 下の状況は
,
地 盤のN
値だ けでな く基 礎の種 類によっ て も異なる。
図一
7, 図一8
に示 し た傾 斜 角お よび不 同沈 下 量 と基 礎の種 類の関 係に注 目す る と,
N
値が 3未 満で は無 筋の布 基 礎が最 も不同沈下が生 じ や すい こと が 分 か る。
図一8
(a)の N 値が 3米 満の場 合,
60mm 以 上の不 同沈下が生じ た割 合は,
無 筋の布基 礎で37
%,
鉄 筋入 り の布基 礎で25
%,
松 杭基礎で12
%, イカダ基 礎で33
%,
ベ タ基 礎で 21% になっ てい る。
し た がっ て,
松 杭基 礎 やベ タ基 礎は, 対 策工 を施し てい ない無 筋の 布 基 礎に比 較す る と不 同 沈 下 量 を軽 減す る効 果が あ る とい え る。
しか し,
これらの対 策工の効 果とい っ て も十 分で な く, N 値が 3未 満の地 域で不 同 沈 下 対 策を確 実に実 施 する ために は,
松 杭やベ タ基 礎を超える効 果 を有する対 策.
工 が必 要にな る と思わ れ る。 イ カ ダ基 礎につ い ては,
不 同 沈 下 対策と して の効 果 が あ まり期 待でき ない とい う調査結果と なっ た。
た だ し, イカダ基 礎とい っ て も最近で は,
掘 削 時の水 処理 や残 土 処 理が困 難な た め,
住宅の基 礎 下 全 面を常 水 面まで掘削 して イカ ダ を組み,
かつ表土 を良 質土 に置 換す る よ う な 本 格 的な仕 様は少な く,
布 基礎直下部分の み に松材を組 む簡 易な“
胴 梁 形 式”
を採 用するケー
スが多く なっ て い る。 この た め,
浮 力によ る荷 重 軽 減やイカダに よ る荷重 分散効 果が 十 分 発揮できず,
不 同沈下 量 が対 策工 を施し て い ない無 筋の布 基 礎と大差な い結果 に なっ た と考え ら れ る。
一
方,
N 値が 3以 上で あれ ば,
基 礎の種 類を問わ ず 傾 斜 角,
不 同 沈 下量 と もに か な り小さ く,
不同沈 下量 が 40mm 以 下に なる ケー
ス は87% で あ る。
し た がっ て,
N
値が3
以 上の場 合に は,
木 造住宅で あ れば特に不 同 沈 下 対 策を要し な いと思わ れ る。 (5) 住宅の不 同 沈 下パ ター
ンと 建 設 前の敷 地 利 用 状 況 これ までは,
住 宅の不 同 沈 下 状 況を傾 斜 角と不 「司沈 下 量の 2つ で表し て き たが,
各 測 点の相 対 的な変 形 も不 同 沈 下に よる障 害を考え るうえで重 要で あ る。 図一
9に は,
不 同 沈 下の状 況を 2つ パ ター
ン に分 類し 圀 無筋布 嚼有筋 布 閣 松杭 圀イ カダ 圜ベタ 囲その他 田 衵 闘 髯 4日 銅 畑 ケー
ス1 ケー
ス2 図一
9 不 同 沈 下パ ター
ンと基 礎の種 類 ク た結 果 を 示す。
ケー
ス 1は,4/1000 以 上の変 形 角をもっ て布基 礎が下に 凸ま た は上に凸に折れ て い る場 合で あ る。
ケー
ス 2は,
変 形 角 4〆1000 未 満の場 合であ る。 ケー
ス 1の場 合では,
不 同 沈 下 量が大き くて も傾斜角で は小 さく な る場 合が ある。
ケー
ス 2の場 合は,
傾 斜角 や 不 同 沈 下 量が大きい場 合 も ありうる。 な お,
こ こ でい う変形 角は,
住 宅の平 面 形 状が複 雑で長 辺や 短辺が一・
直線で な い場 合 も一
直線と仮 定し て求め た もの であ る。 文献21
)に よ ると, 不 同 沈 下 障 害と変 形 角の関 係に おい て, 布 基 礎な どに 亀 裂が生 じる限 界は変 形 角3
/ 1000, 壁・
タ イル に亀裂な ど が 生 じ る限界は変形 角 5/ 1000 となっ て い る。 し た がっ て,
亀 裂な どの沈 下障害 は4/1000 前 後の変 形 角で生 じ や すいと考え ら れ,
こ こ で は変 形 角4/1000 を もっ て不 同 沈 下パ ター
ンを 区別す る指 標と し た。 事 実,
ケー
ス 1の 合 計49棟の う ち39棟 で布 基礎や外壁の亀裂が認め られ,
変 形 角 4/1000 以 上 では 亀 裂 な どの構 造 的 障害が生じ や すい と思わ れ る。
住宅の場合に は, 測 定 し た各辺の長さが10m 前 後と 短いた め,
ケー
ス1
の よ うに中 折れ となる割 合は少な い と 思 わ れ る が,
無筋の布 基 礎の場 合に は 30%に達し て い る。 その他の基 礎の場合も, 束石, 玉石な ど の独 立 基 礎が含ま れ てい るので,
中折れにな る割 合 が24% と大 きい。一
方,
対 策工 (松杭 基 礎,
イ カダ基 礎,
ベ タ基 礎 ) を施し た場 合や有筋の布基 礎の場合に は, ケー
ス 1のよ うにな る割 合が それぞれ ll%,
15% となっ て お り,
こ れ らの基 礎で は中 折れ防 止の役 割が あるとい え る。
’
表一
5に は,
住宅の不 同 沈 下 量 と 建 設 前の 敷 地 利 用状 況の関 係を示すe 不同沈下 と建 設 前の敷 地利用状況の 関 係 を考え るうえで は,
盛 土 高さ や盛 土の放 置 期 間の 影 響 を考 慮する必 要が あ る。
建 設 前’
の敷 地が田 や畑の場合に は, 地 盤 面 と道 路 面 との位 置 関 係に もよ るが, 通常1m
前 後の盛 土がな さ れ て お り,
放 置 期 間は まち ま ちで数か 月の場合もあ る。一
方,
以 前 住 宅で あっ た場合に は盛 土 を し ない場 合も少な く ない。
表一5
で は建 設 前の敷 地利 用状況 を単に田,
畑,
住 宅と区 別してい る が,
この違い は盛 土 状況の相違 とみること も可 能 で あ ろ う。
た だ し,
表一
5 不同沈 下 壁と建 設前の敷地 利 用状 況 建 設 前 の 敷 埴 利 用 状況 不 同 沈 下 置 So門RKl ロの 田 畑 住 宅 その他 舎 計 Hく3 闢≧3 畤く3 闘≧3 凹く3 闘≧3H く3H ≧3 0〜
20ZO〜
4040}
6060〜
100100 以 上 3 91315 7 375 且 o 33120710101211 4 3 0 2420 2 1 0 ll123 20100 55522725 且o 合 計 63 L8 77 11169 (単 位:棟 〉く 肥 4日 細 2臼 皿 圀 不 同沈 下 圜不 同沈 下 鰡不 明 怠 嵐 あり 意 識 せ ず O
〜
20 20〜
40 40〜
60 SO〜
100 恥00以 上 不同 沈 下量 (1 :) 図一
10 不 同 沈’
トと居住者 意 識 盛 土 高さ や その放 置 期間 が明ら か で ない場 合が多い の で,
こ こで は,
敷 地利用
状況 を 田・
住宅な どで大 別 して 不 同 沈 下量 と建 設 前の敷 地利用の一
般 的な傾 向を み るこ とに し た。
表一
5よ り,
以 前に田で あっ た場 合に は,
60 mra を超 える 不 同沈下が生じてい る割 合が 37% と大きく非常に 不 同 沈 下し や すい ことが分か る。一
方,
建て替えなどの よ うに以 前か ら住 宅の あっ た場 合に は,
不 同 沈 下が 60 mm を超え る割 合.
は 5% とか な り小さ い。 また,
表 中 に示し た地 盤の N 値と敷地利 用 状 況の関 係に注 目する と,
以 前 住 宅で あっ た場合には,
N 値が 3以 上とな る ケー
スが 田 や 畑の 場 合 よ り多い よ うで あ る。
し た がっ て,
以 前 住 宅であっ た場 合には,
地 盤 が 比較 的良好で上載 荷 重に よ る地 盤の圧密沈 下が終了し て い るこ とに加え て,
田や畑の よ うに盛 土の影 響を考慮 す る 必要 性も少ない の で,
建 設 後の不 同 沈 下 も少ないと考え ら れ る。 (6) 住 宅の不 同 沈 下と居 住 者 意 識 図一
]0に はt 不 同沈下に関す る居 住 者 意 識につ い て の調 査 結 果を示す。 この調 査は,
不 同 沈 下を 測定す る際,
居 住者 に ])建 物 概 要 (建 築 面 積,
構 造な ど),
2)地 盤 概 要 (敷 地利用状況,
周 辺 環境,
盛土高さ,
前 面 道 路か らの距 離など ),
3)不 同 沈 下 (不 同 沈 下の有 無・
進 行 状 況,
不 同沈 下 障 害な ど)につ い て ヒ ア リングし た もの で あ る。
図一
ユ0で は,
不 同沈下量の大き さ が40mm まで は,
不 同 沈 下 を 意 識す る割 合が14
% に対 して,
不 同 沈 下 を 意 識し な い割 合が 75% と大き く なっ て い る。 し た がっ て, 不 同 沈 下 量が 40mm 以 下で はほ と ん ど不 同 沈 下 を 感じない とい え る。一
方,
不 同 沈 下 量が 60mm を超え ると,
不同 沈 下を意 識す る割 合が77 %に対し て,
不 「司 沈 下 を意 識 しな い割 合が ユ3% と な り,
居 住 者の 大 部 分 が不 同 沈下を意 識して いるこ と が分か る。4.
不 同 沈 下 対 策工法の効果と 不 同沈下 量 不同沈下によ る住 宅の被 害と して は, 外 壁, 布 基 礎, 土間コ ン ク リー
トな どの亀 裂や建 具の開 閉 不 良な ど が見不 同沈下 皿 (跏) 圀臼臼
一
2四 圜ae−
4ca 閣4e’
6ee 國働 1田 鬮leG一
躙 1冊 159 14臼 堀 四 韆 四 田 49 四 有 無 有 無 有 無 布 基 礎の亀裂 外 壁の亀 裂 建具の開閉不艮 不 同 沈 下によ る 構 造 的 な障害 例 図
一
11 不 同 沈 下と障 害 られ た。 図一
ユ1に は,
不 同 沈 下 量と外 観上確 認で き た 布 基 礎や外 壁の亀 裂お よ び建 具の 開 閉 不 良の関 係 を 示 す。
こ の 図よ り,
布 基 礎に亀 裂が発 生する割 合は不 同 沈 下 量が40mm を超え る と次 第に増 加して い るこ と が分 か る。 し か し,
外 壁の亀裂や建具の開 閉不良 と不 同沈下 量の関 係は 必ずし も明確に はで き な かっ た。
これ は,
今 回 調 査し た住 宅の構造や部材が 同一
でな く, サ イ ディン グ壁の よ う な 場合に は外 壁の亀 裂を確 認しに くい こ と や 建具の開 閉 不良は不 同沈下だけで な く上 部 構 造の変 形に よっ て も生じ る た め で あ ろ う。
ま た,
亀 裂などの外 観 上 の構 造li
$害Zi )は, 不 同 沈 下 量 よりも変形 角に密 接に関 係 し て い る の で,
図一
9に示し た不 同 沈 下パ ター
ンを考 慮 する必 要 も ある と考え られ る。
例え ば,
ベ タ基 礎を採 用 して不 同 沈 下 量がユ00mm を超え る住 宅では,
居 住 老.
が 不 同 沈 下による機 能・
視 覚・
心 理 面の障 害を強く認 識し て い る もの の, 外 観 上は亀 裂の発 生 といっ た構 造 障 害が 見られ な か っ た。
全 体 的に み ると不 同 沈 下 量が大きい ほ ど障 害が大きい とい え るが,
外 観上の障 害の程 度を不 「司 沈 下 量の大 き さに直 接 関係づ けること は難しい の で,
不 同 沈 下量の大き さで対 策工 法の効果を検討 す るこ とに し た。
こ こ で問 題になる の は, 対策工法に よる目標 をどこ に 設 定す るか とい う点で ある。
図一
8の結 呆よ り,
どの基 礎の場 合で も不 同沈 下が ユOO mm を超え る場 合があり確 実とい え る もの は な い。
し か し,
不 同 沈 下が 60mm を 超える割 合で考え ると,
松 杭 基 礎 やベ タ基 礎では不 同 沈 下 対 策とし て の効 果が一
応 認められた。
図一
9に示し た 不 同 沈下パ ター
ンを考 慮する と, 松 杭 基 礎,
ベ タ基 礎,
イカダ基 礎の対 策 工 を採 用 し た住 宅では,
布 基 礎が中 折 れ にな る ケー
スが少な く,
対 策 工 法 として の効 果が よ り 明瞭と な る。
また,
図一
10の意 識 調 査の結 果で は,
不 同 沈 下 量が 60【nm 以 下で あ る と不 同 沈 下を意 識す る割 合が少ない が,
不 同沈下量 が 60mm を 超 え る と居住 者の 大 部 分 が 不 同沈下を意 識し始めている。 不 同 沈下 を意 識す るこ と は,
亀裂の発生とい っ た外 観 上の構 造 障 害の他,
機 能・
一 159一
視 覚
・
心 理 面の障 害を な ん らか の形で意 識してい ること で も あ り, 不同沈 下が60mm
を超え る と被 害も大きい と 考え られ る。
したがっ て,一
応60mm の不 同 沈 下 量 をもっ て対 策工 法の効 果をみ る目安と考え る ことが で き る。
た だし,
こ の こと は,
不 同 沈 下 量を60mm 以 下に する ためには,
松 杭やベ タ基 礎 程 度の対 策工法では不 十 分であり,
さ ら に効果が期 待できる工法が 必要な こ と を 示すもの で も あ る。5.
ま と め 本 報 告は,
軟 弱地盤にお け る住宅用 基 礎の あ り方を考 え る た め の第一
段 階の も の と して,
諏 訪 湖周 辺 の住宅の 不 同沈下と基礎,
地 盤に関す る調査結果 を整理 した もの である。 主な結 果は,
以 下の と お りで あ る。 1) 住 宅の不 同 沈 下 量と建 築 年 度の関 係でみ る と,
必 ず しも古い住宅ほ ど 不 同沈’
下 量 が大き く は ない。
2) 地 盤のN
値が3以 上の 場合,
傾 斜角で 6/1000 以 上, 不同 沈 下 量 で60 mm を超え るケー
ス は極めて 少な い。
3) 地 盤の N 値が 3未 満の 場 合,
60 mm を超え る不 同 沈 下が生 じた割 合は,
無 筋の布 基 礎で37
%,
鉄 筋入 り の布 基 礎で25
%,
松 杭基礎で12
%,
イ カダ基礎で33
%,
ベ タ基 礎で 21 %であっ た。 4) 住 宅の不 同 沈 下パ ター
ンを 図一9
に示 す2
つ に分 類 する と,
無 筋の布 基 礎では ケー
ス 1の よ うに変 形 角4/1 000以 上と な る場 合が多く,
全 体の 30% に達し て い る。
一
方 , 対 策 工 (松 杭 基 礎,
ベ タ基 礎,
イカ ダ基 礎 ) を採 用し た住 宅で は,
その割 合がll% と小 さい。
5 )住 宅の不 同 沈 下 量と建 設 前の敷地利 用 状 況の関 係に お い て,
以 前に田であっ た場 合に は60mm を超え る不 同 沈 下が 生 じ た割 合は37
% であっ た が,
建て替え な ど の よ うに以 前 か ら 住宅で あっ た 場合に は 5% と か な り 小さい。6
} 住 宅の不 同 沈 下 量の 大き さ が 40mm 以 下の場 合に は,
居住 者の 多く は不 同 沈下を意 識し ないが,
不同沈下 量が 60mm を超え ると居 住 者の大 部 分が不 同 沈 下 を意 識す る。
なお, 今回の調査で は,
不 同 沈下と土 質の関 係を単にN
値で の み評 価し た。
土 質は,N 値の み で は判 断で きず, 土性や時代 区分 など を考慮し な け ればな ら ないが,
今回 の調査
結 果と比 較 でき る よ う な他の土性 での デー
タ が不 足して いるの で,
こ こ で は土質の指標と して現地の デー
タ が豊 富なN
値 を取り上 げた。
将 来 的に は,
土 性や時 代 区分は も ち ろん,
住 宅 用の土 質 定 数と し て最 近 用い ら れ て い る ス ウェー
デン試 験の測 定結 果を利用 し た分 析が 必 要と思わ れ る。 また,
実 態 調 査を行っ た住 宅の ほ と ん ど が木造で あり,
鉄 筋コン ク リー
ト造 や 鉄 骨 造の住 宅の不 同 沈下 状況につ いて は不 明で ある。 さら に,
調査し た住宅の 戸数が少な く, 松 杭 基 礎,
イカ ダ基 礎,
ベ タ基 礎 以 外の 対 策工の 効 果や不 同 沈 下量 と被害の関 係な どにつ い て も不 明 な 点 が 残 さ れて いる。
最 近,
不 同 沈 下 対 策と して の住 宅 用の 基esz2
)・
zs ) が数多く開 発 され てい る こ とを 考 慮すると, こ れ らの新しい 対 策工法の効 果 を松 杭 基 礎やベ タ基 礎などの 在 来工法と比 較し,
よ り確 実な不 同沈 下 対 策工法 を考え ること も必 要と思わ れ る。
今 後は,
木 造 以 外の住 宅の不 同 沈 下の実 態 調 査 を継 続 する と ともに,
モ ニ ター
住 宅 や 載 荷 実 験による各 種 対 策二L
法の効 果の検 証や相 互 比 較 を 実施し てい く予 定で ある。
謝 辞 不 同 沈 下の 調 査に あた っ て は,
長 野 県,
(財 )長 野 県 住 宅 建 築セ ンター
, 諏 訪市, 長野県 建 築 士 会 諏 訪支部,
長 野 県建設 労働組 合 連 合 諏 訪 支 部の協 力 を得た。
ま た, デー
タ整理 などにおい て は,
国 士 館 大 学 土 木 工 学 科 柴 田 研究室の高坂英登 君と山 田晋 也 君の協 力を得た。
記し て,
感 謝の意 を表します。 参考 文献 1) 横 尾 義 貫,
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