規制課題と国際対応
平成22年11月30日
原子力安全・保安院
Ministry of Economy, Trade and Industry
Nuclear and Industrial Safety Agency
目次
Ⅰ.国際協力全般
1. 多国間設計評価プログラム(MDEP)への積極的な参加
・・・・ 3
2. 発電炉の高経年化対策の充実及び国際協力の充実
・・・・ 7
Ⅱ.規制課題に対する国際枠組みの活用
1. シビアアクシデント対応の規制要件化に関する検討
・・・・11
2. リスク情報の活用方策の検討
・・・・13
3. 原子力発電所の建設段階における品質保証の考え方の取り入れ
・・・・15
及び検査制度における品質保証の取入れの拡充
4. 運転経験のフィードバック機能の充実
・・・・17
5. ステークホルダー・コミュニケーションに関する取組
・・・・19
6. 多様な放射性廃棄物の処理・処分に係る状況の進展への対応
・・・・21
7. 原子炉施設の廃止措置計画に係る審査要領の明確化
・・・・23
8. 中間貯蔵規制の進展への対応
・・・・25
9. 核物質防護に関するガイドラインへの対応
・・・・27
1Ⅰ.国際協力全般
1.多国間設計評価プログラム(MDEP)への積極的な参加(1)
(規制課題)
各国の原子力メーカーが提案している新規設計炉に関し、OECD/NEAにおいて多国間設計評価プロ
グラム(MDEP)が設立され、導入を計画している国等の規制当局により、知識の共有化、規格基準や
計装制御、メーカの製造段階における検査等に関する規制上の課題が検討されている。MDEPでの
議論が将来の国際的な安全基準に反映されることも予想されること等から、我が国もより一層積極的
に参加し議論をリードしていくことが望まれる。このため、規制当局だけでなく、メーカー、事業者等の
産業界もMDEPに積極的に参画できる体制を構築することが重要である。
(国際動向) OECD/NEAの動き OECD/NEAが事務局として、現在10カ国が参加して実施。MDEP全体方針を決定する政策グループ、各WGに 技術的な方向付けを行う運営技術委員会、特定設計ワーキンググループ(EPR,AP1000)、特定課題ワーキング グループ(ベンダー検査、規格基準、デジタル計測制御)を設置して、規制の調和を目指して作業しているところ。 IAEAもオブザーバーとして参加している。 2009年9月にはMDEPカンファレンスが開催され、22カ国170名の参加があり、我が国からも規制機関のみならず、 産業界、学協会等が参加した。 (これまでの取組) 我が国は政策グループ、運営技術委員会、特定課題WGに参加。 国内連絡会を設置し、事業者、メーカー等の産業界と情報共有。 (注視すべき国際の動き) 来年6月に開催される予定の第2回MDEPカンファレンス CNRA/WGRNR(原子力規制活用委員会・新規炉規制ワーキンググループ) 31.多国間設計評価プログラム(MDEP)への積極的な参加(2)
- ベンダーインスペクション(製造段階における検査) -
(国際動向) ⅰ)IAEAの動き 本年8月にIAEA主催により、建設監視経験ワークショップを開催したところであり、事業者とベンダーやコントラクター間の契約 書の内容レビュー、技術者減尐問題、下請企業とのコミュニケーションなどについて議論がなされた。 ⅱ)OECD/NEAの動き OECD/NEA/CNRAのシニアタスクグループ(STG)では「事業者によるベンダー監視に係る規制の役割」の基本原則(グリーン ブックレット)を検討している。また、MDEPのベンダーインスペクションWGにおいて、規制者によるベンダー検査、共通品質要 求基準等について議論されている。 (1)ベンダーインスペクション 原子力資機材の輸出入が進展する中で、輸入国の規制機関がメーカーの資機材製造に関する検査(ベンダーイ ンスペクション)を行う場合がある。MDEP においては、参加各国のベンダーインスペクションの実態を調査すると ともに、将来的な検査方法の調和や互恵的な活用の可能性等について検討を行うこととしており、我が国もこれに 参加している。 我が国においては、燃料体検査を除き、規制当局が直接メーカーの製造段階の検査を行う制度とはしていない が、MDEP の検討への適切な対応と国際協調の観点から、ベンダーインスペクションを含め製造段階の品質保証 の確認のあり方について検討することが適当である。 (これまでの取組) OECD/NEAの多国間設計評価プログラム(MDEP)の政策グループ、特定課題WG、運営技術委員会などに参画しており、ベンダ ーインスペクションWGでは、今後の共同検査等の運営方針を共有(平成22年5月)。 発電炉規制検討チームを立ち上げ、検討を開始。 (今後注視すべき国際の動き) IAEA安全基準委員会(NUSSC) CNRAシニアタスクグループ(事業者による契約者の監督に係る規制者の役割)、WGRNR(新規炉規制WG) 41.多国間設計評価プログラム(MDEP)への積極的な参加(3)
- 原子力機器コードの国際調和 -
(2)原子力機器コードの国際調和
原子力機器部品の国際調達が加速するにつれて、ベンダー、事業者が機器の安全を相
互に確認するため、適合性を判断する上で、分かりやすい規格基準の調和が重要度を増
してきている。このため、安全上重要な機器の仕様の調和を図るとともに違いを認識するこ
とが重要となっている。
(国際動向)
ⅰ)OECD/NEAの動き
MDEP活動の一環として、原子力機器のコードの国際的ハーモナイゼーションに関して
議論が行われている。原子力機器に関するコードは、米国ASMEコードを中心として、仏
国AFCEN(RCCMコード)、日本JSMEコード、韓国KEPICコード、カナダのコード、及びロ
シアのコードがあるが、原子力産業のグローバライゼーションに応じてこれらのコードの
国際的ハーモナイゼーションできれば有益。
我が国としても、JSMEコードは本質的にASMEコードなどと同等であるが、さらなるハー
モナイゼーションができれば望ましいとの立場から、これらの検討に協力している。
(これまでの取組)
日本、米国、仏国、韓国等のクラス1容器、配管、ポンプ、弁に関するコードの比較を行い、技術的な
相違点の評価を実施。現在、クラス2機器の比較を実施中
MDEP規格基準WGで行った規格基準の比較結果を踏まえ、日本機械学会において、その成果を
学協会規格に反映させる体制を検討している。
5(3)ディジタル計測制御の規制調和
計測制御系のディジタル化については、既存炉のリプレイスに加え、新型炉EPR, AP1000な
どの各国の新規設計プラントでも導入されつつあるが、各国の規制機関によるディジタル安
全保護系の審査知見が十分に無く、事業者による運転経験も尐ないことから、各国の規制
経験を共有しつつ、安全に係る共通見解をまとめることが重要であり、海外の規制機関が積
極的に協力体制を構築しつつある分野。
(これまでの取組) 本分野での先進性を踏まえ、我が国としてもIAEA安全基準委員会やMDEPディジタルI&CWG等の技術会合への参加 や二国間での意見交換を通じて、V&V(検証及び妥当性確認)などにおける我が国の十分な運転経験や規制経験を 有している分野については、積極的に国際貢献している。 各国で検討が進んでいる分野については、我が国へのフィードバックを図っていくこととする。 ⅰ)IAEAの動き 現在、IAEA安全基準委員会において、IAEA安全基準として「原子力発電所の計測制御システム設計」として安全ガイドが作成されて いる。米国からはIAEAに対し、新興国に対するより詳細なガイドを整備するよう要請がなされている。 ⅱ)OECD/NEAの動き MDEP活動の一環として、ディジタルI&C規制の国際的ハーモナイゼーションに関して議論が行われている。 この中では参加規制機 関のpracticeの共通見解を策定するのみならず、IAEA/IEC/IEEEといった標準制定機関(SDOs:Standard Development Organizations)のハーモナイゼーションの加速をも視野に入れた勧告を行っている。特にIEC/IEEEは調和に向けた協力を行っており、 既に策定している両者の規格においてもその共通化を目指している。 また、ディジタルI&Cのソフトウェアの信頼性に関する誤差伝播や共通原因故障などの基礎研究は、ハルデンプロジェクトを実施し、参 加国にガイダンスを提供している。 ⅲ)二国間の取組 日米規制情報交換会合の枠組みを活用し、ディジタル計測制御系の安全審査を議題としてテレビ会議を実施。1.多国間設計評価プログラム(MDEP)への積極的な参加(4)
- ディジタル計測制御系の規制の調和 -
62.発電炉の高経年化対策の充実及び国際協力の推進
(規制課題) 【発電炉の高経年化対策の充実】 平成21 年からの新たな検査制度においては、プラントの長期供用に伴う経年劣化の特徴を把握して、これに的確 に対応したプラントの保全活動を行うため、運転開始後30 年以降10 年毎に高経年化技術評価に基づく10 年間の長 期保守管理方針を保安規定の中に位置付け、国が審査の上、認可することとなった。また、長期保守管理方針を踏 まえた具体的な保全計画についても定期検査毎に国が事前に確認すること等の監視強化が図られたところである。 新しい検査制度の下、保安院は、事業者による高経年化対策の確実な実施を確認する必要がある。また、敦賀1 号機をはじめ運転開始後40 年を迎えるプラントも現れる状況において、高経年化技術評価の充実を図ることが必要 であり、特に、高経年化対策のための技術情報基盤の整備を目的とした安全研究の成果を安全規制基準、ガイドラ イン、民間規格等に適切に反映することが重要である。 【高経年化対策に係る国際協力の推進】 国際的にも増加が見込まれる長期供用プラントを的確に管理していくため、各国が高経年化対策に係る情報交換 を積極的に行い、安全規制に的確に反映していくことが重要である。現在、OECD/NEA において、日本からの特別拠出金(Voluntary Contribution)による「長期供用プラントにおける経 年劣化管理に対する規制の高度化に関する推奨事例整備プロジェクト」が進められ、国際的な技術情報のデーター ベース化等に取り組んでいる。 今後とも、OECD/NEA、IAEA などを通じた情報の発信、収集、共有をはじめ、高経年化対策に関する国際協力、国 際貢献を積極的かつ主体的にリードしていくことが重要である。 (国際動向) ⅰ)IAEAの取組 IAEA安全基準では、安全要件として「原子力発電所の安全運転」NS-R-2改訂版が整備され、その下位文書として安全ガイドNS-G-2.12「原子力発電所の経年劣化管理」を整備し、現在NUSSCにおいて「定期安全レビュー」(DS426現NS-G-2.10)に長期運転対応 などについて追記がなされているところ。 安全ガイドNS-G-2.12を支援する技術図書として、国際的に合意された経年劣化管理プログラムを取りまとめたInternational
GALL(International Generic Ageing Lessons Learned Report)を策定するためのEBP(Extra Budgetary Program)を立
(国際動向)
ⅱ)OECD/NEAの取組
2006年から2010年の4年間、我が国主導で特別拠出金プロジェクトとして、SCAPプロジェクト(SCC and Cable Ageing Project)を実施
したところであり、応力腐食割れとケーブル経年劣化に係るデータベースの作成、推奨実務を抽出し、本年5月に本プロジェクトの 結果を普及するべく、ワークショップを東京で開催、6月のCSNI会合(原子力施設安全委員会)に報告したところ。 また、本年6月のCNRAにおいて、長期運転(LTO)の安全規制原則(グリーンブック)を作成するため、タスクグループが設置され、9 月上旬に第1回会合が開催されたところ。策定したグリーンブックについては、 2011年6月の国際フォーラム、同年12月のCNRA 会合において報告予定。 ⅲ)二国間の取組 日米会合の枠組みを活用し、定期安全レビュー(PSR)を含めた高経年化対策に係るテレビ会議を実施。 日仏会合の枠組みを活用し、高経年化対策に係る規制情報交換を実施。 (これまでの取組) 【高経年化対策に係る国際協力の推進】 • 「原子力発電所の高経年化対策に関するOECD/NEA応力腐食割れ及びケーブル経年劣化プロジェクト(SCAP)」ワークショップを東 京で開催(平成22年5月)し、SCAPで構築したデータベースを継続しプラントの設計に反映していくことなどが確認された。 • 本年6月のCNRAにおいて、我が国が提案した「長期運転(LTO)の安全規制に係るプロジェクト」が合意され、 9月の第1回 タスク グループでグリーンブックの章立て、分担を決定。グリーンブック策定に向けプロジェクトを推進していく方針。 (注視すべき国際動向) • IAEA安全基準委員会(NUSSC) • NEA/CNRA(長期運転に係るタスクグループ) • CSNI/WGIAGE(原子力施設安全委員会/機器健全性及び高経年化対策WG) • 国際共同研究プロジェクト(配管損傷データベース(OPDE)、経年劣化管理に係る国際フォーラム(IFRAM)) • 日米規制情報交換会合、日仏規制情報交換会合
• IAEA I-GALL(International Generic Aging Lessons Learned)
2.発電炉の高経年化対策の充実及び国際協力の推進(続き)
Ⅱ.個別課題に対する国際枠組みの活用
1.シビアアクシデント対応の規制要件化に関する検討
(規制課題) 我が国は、シビアアクシデント(SA)対応の取扱に関し、潜在的リスクを一層低減するための事業者の自主的対応 としてアクシデントマネジメント(AM)の整備を推奨し、全ての発電炉においてAM 策が整備された。また、これと並行 して、SA 対応に関する安全研究が精力的に行われてきた。国際的なSA 対応の規制上の取扱は様々であるが、一 部の国では新規設計炉に対しSA 対応を規制上の要件とするなど規制への反映が進展する傾向にある。 こうした国際動向を踏まえ、SA 対応の安全規制における取扱に関し、規制制度の中の位置付けや法令上の取扱 等について検討することが適当である。 (国際動向) ⅰ)IAEAの取組 IAEA安全基準では安全要件「原子力発電所の安全:設計」(DS414)を改訂中であり、新設炉に対し、シビアアクシ デント対応に係る具体的な設計上の要求事項をより明確に定めることや、事故分類と定義について、設計基準事 故(Design Basis Accident)、拡張設計事象(Design Extension Condition)の設計への考慮などについて議論が行 われている。 安全ガイドでは、「原子力発電所の構築物、系統及び機器の安全クラス分類」(DS367)が作成されているところで あり、上記のDS414に対応して安全上のクラス分類を規定する。また、既設炉については「原子力発電所のシビア アクシデントマネジメント計画」(NS-G-2.15)が策定されており、アクシデントマネジメントプログラムの作成と実施 に関する推奨事項が提示されている。 また、「原子力発電所の原子炉格納容器系の設計」(NS-G-1.10)において、格納容器のシビアアクシデント対処設 計の要件及び新設炉・既設炉のアクシデントマネジメントの指針が提示されている。 国際原子力安全グループ(INSAG)では、「新規発電炉の深層防護」において、プラント初期設計、設計基準を超え た状態などについて深層防護レベルを、「原子力発電所の基本安全原則」において新規炉の安全目標の文書をま とめている。 2011年4月にIAEAにおいて安全目標の技術会合が開催される。 11(国際動向) ⅱ)OECD/NEAの取組 MDEP/STC(運営技術委員会)の中で安全目標サブグループの議論をはじめ、NEA/CNRA/WGRNR(新規炉規制 WG)において議論されている。 シビアアクシデントの現象解析については、CSNI/GAMA事故解析・管理ワーキンググループで議論が行われてお り、安全研究では、溶融炉心とコンクリートの相互作用(MCCI-2)、水蒸気爆発試験(SERENA-2)、 使用済燃料 ピット内燃料損傷試験(SFP)、格納容器内熱流動試験(SETH-2)、アクシデントマネジメント試験(ROSA)などの国 際共同研究なども実施されている。 安全目標については、CSNI/WGRISK(リスク評価ワーキンググループ)の確率論的リスク基準と安全目標のタスク が設置され、各国の確率論的安全目標について調査を行い、2009年末に報告書が取りまとめられた。炉心損傷 頻度(CDF)、格納容器破損頻度(CFF)などを整理している。 ⅲ)WENRA(西欧原子力規制者連合)の取組 西欧原子力規制者連合(WENRA)の原子炉調和グループ(RHWG)は、新規発電炉の達成すべき安全目標を提案 している。WENRAは、2010年6月までに安全目標を始めとする本文書の内容についてパブリックコメントを募集して おり、WENRAでは、最終的に文書を承認する前に受け取った意見を集約し、2010年中の承認を目指す。
1.シビアアクシデント対応の規制要件化に関する検討(続き)
(これまでの取組) 保安院とJNESとでシビアアクシデント対応に関する勉強会を開催し、国際動向、技術動向等について整理。 年度内を目途に、原子力安全・保安部会における検討体制を整備する予定。また、必要に応じ、関連する指針の 取扱等について原子力安全委員会との意見交換を実施。 (注視すべき国際の動き) •IAEA安全基準委員会、DS414タスクグループ会合、安全目標技術会合 •NEA/CNRA/WGRNR •MDEP運営技術委員会(STC) •WENRA/RHWG 122.リスク情報の活用方策の検討
(規制課題)
確率論的安全評価については、評価手法の不確実さに対する考慮が必要であるなどリスク情報の
活用に当たって留意すべき点も多いが、リスク情報の活用により、相対的に重要性の高い事項に重
点的に対策を講じるといったメリハリのきいた科学合理性の高い安全確保対策及び安全規制の推進
が期待される。米国においては、運転中保全(オンラインメンテナンス)や供用期間中試験等をはじめ
幅広く安全規制にリスク情報が活用されている。
安全性又は規制の実効性の向上の観点から、諸外国の最新事例も参考にしつつ、リスク情報の活
用方策について更なる検討を行うことが適当である。
(国際動向)
ⅰ)IAEAの取組
IAEA安全基準では、安全要件としてGSR-Part4「施設と活動における安全評価」が整備され、深層
防護、決定論的評価と確率論的評価の双方の実施及び施設と活動のリスクに応じた対応などが定
められている。また、安全ガイドでは、SSG-3「原子炉に対するレベル1PSAの開発と適用」及び
SSG-4「原子炉に対するレベル2PSAの開発と適用」が作成されており、定格出力時及び停止時の
評価に必要な技術的特性に関する手引きと推奨事項及びその適用事例を提示し、規制活動に対
応したPSAの標準的枠組み及び文書体系について作成されたものであり、PSAの手順と必須要素
に重点を置いている。
現在、「リスク情報を活用した意思決定」の技術図書(Tec-Doc)を作成中であり、原子炉の設計及
び運転、廃止措置において決定論と確率論の両者からの知見を活用し、両者を組み合わせて利用
するとともに、どのように意思決定に活用するかを定めることとしている。
また、現在INSAG-25で「意思決定における統合的リスク情報活用」文書が作成されており、出版が
準備されている。
13ⅱ)OECD/NEAの取組
CSNI/WGRISK(リスク情報活用WG)において、リスクの規制への活用について情報交換が実施
されており、これまで「安全目標と確率論的リスク基準レポート」、「低出力及び停止時のPSA」及
び「原子力発電所のPSAにおけるディジタルシステムの信頼性評価」に関する報告書や提言をま
とめている。現在、各国でのPSAの開発と利用状況に関する調査、ディジタル安全保護系の信頼
性に関する検討、新設炉及び新型炉の開発におけるPSAの利用、PSAに係る技術伝承に関する
調査等を行っている。
また、国際共同研究では、OECD/NEAでRISMETプロジェクト(リスク情報活用供用期間中検査)
が実施され、リスク情報を活用した配管の供用期間中検査のベンチマーク作成などが行われて
いる。
(これまでの取組)
リスク情報活用検討会を平成22年9月に再開し、保安院、JNES、電気事業者、日本原子力技術協
会、日本原子力学会などの「リスク情報」活用に関する取組状況を確認し、原子力安全規制への
「リスク情報」活用の実施計画の見直し等を行う。
平成22年10月に開催した原子力安全規制情報会議でリスク情報を活用した原子力安全規制につ
いて、今後の取組や国民の理解を深めるために留意すべき事項等に関し、有識者を交えた議論を
展開。
(注視すべき国際の動き)
•IAEA安全基準委員会(NUSSC)
•IAEA安全目標技術会合
•日米規制情報交換会合
2.リスク情報の活用方策の検討(続き)
143.原子力発電所の安全審査制度の品質保証の考え方の取入れ
及び検査制度における品質保証の取入れの拡充
(規制課題)
【安全審査制度における品質保証の考え方の取入れ等】
発電炉の設計段階における安全規制では、ハード面の安全確保対策の審査がほとんど
であり、設計に関する事業者の品質保証活動については、安全審査の申請書に添付され
た品質保証に関する説明書の確認等が行われているものの、本格的な品質保証の考え
方の取入れには至っていない。
従って、設計段階の規制に関し、外部専門機関の活用による規制の実効性の向上の観
点も含め、事業者の品質保証活動を確認する手法について検討することが適当である。ま
た、これと併せ、変更手続の範囲の考え方など審査制度の充実に向けて取り組むべき点
について検討することも有益である。
【検査制度における品質保証の取入れの拡充】
発電炉の検査制度については、運転段階における過去の重大な事故・事案の経験から、
事業者のマネジメントの健全性に係る事故・事案の再発を防止するため、施設や設備の
ハード面に加え事業者の保安活動の手順を確認する品質保証の考え方が順次導入され
てきた。
他方、「燃料体検査」や「使用前検査」など建設・製造段階における検査については、依
然として規制当局によるハード面の確認が中心となっていることから、これらの検査制度に
おける品質保証の考え方の取入れについて検討することが適当である。
15(国際動向) ⅰ)IAEAの動き IAEA安全基準では、安全要件としてGS-R-3「施設及び活動のためのマネジメントシステム」、その下位文書で は、安全ガイドGS-G-3.1「施設及び活動のためのマネジメントシステムの適用」、安全ガイドGS-G-3.5「原子炉 等施設のマネジメントシステム」において、組織マネジメント、安全文化、品質管理などが規定されているところ。 新ガイドとして「原子力発電所の建設ガイド」の作成を検討しており、原子力発電所の建設段階に特化したマネ ジメント、品質管理について定めることとしており、NUSSCでDPP(基準作成計画)が承認について議論されたとこ ろ。また、INSAG(原子力安全グループ)でも「リーダーシップとマネジメント」の文書の作成が計画されている。 ⅱ)OECD/NEAの動き CNRA/WGRNR(原子力規制活動委員会/新規炉規制WG)においても、サイト選定から運転開始に至るまでの各 国規制プラクティス、建設経験データベース構築について意見交換を行っているところ。 CSNI/WGHOF(原子力施設安全委員会/人的組織的要因WG)は「新しい原子力発電プラントの運転前フェーズ での組織要因」として、運転前の段階における設計中、建設中、試運転中の人的組織的要因に関する各国の要 求事項の共通点や相違点を明らかにする試みを行っており、規制のソフト面を幅広くカバーしていく上で注力が 必要である。 (これまでの取組) 原子力安全・保安院内で検討を開始。 (注視すべき国際の動き) •IAEA安全基準委員会(NUSSC) •CNRA/WGRNR(新規炉規制)の建設段階におけるトラブル事例抽出 •CSNI/WGHOF(人的・組織的因子) •MDEP/ベンダー検査WG
3.原子力発電所の安全審査制度の品質保証の考え方の取入れ
及び検査制度における品質保証の取入れの拡充(続き)
164.運転経験のフィードバック機能の充実
(規制課題)
一部諸外国においては、事故・トラブル等の運転経験を整理分析し安全規制に反映(フィードバック)
する活動を行う「クリアリングハウス」の整備が進められている。我が国においても、法令に基づき報告
された事故・トラブルの原因と対策を取りまとめ必要に応じ水平展開を図るほか、JNES の協力を得て諸
外国の事故・トラブル等に関する規制情報を収集分析し、我が国の規制活動への反映を行っている。
今後は、法令報告ではないトラブル案件等も含め、体系的に整理分析し知見を抽出するといった運転
経験のフィードバック機能の一層の充実強化が求められる。
(国際動向)IAEAがOECD/NEAと共同で運用している国際事象評価尺度(INES)、事象報告システム(IRS)、
NEWSなどの事象・トラブル情報システムについて、各国との情報共有ネットワークシステムを構築し
ており、我が国からもINESナショナルオフィサー会合、IRSナショナルコーディネーター会合にも参加
し、情報提供・共有しているところ。
IAEA安全基準では、安全要件NS-R-2「原子力発電所の安全運転」、安全ガイドNS-G-2.11「原子力
施設における事象からの経験のフィードバックシステム」を整備しており、事象スクリーニング、事象ト
レンド解析、フィードバックプロセスなどを定めている。IAEA安全基準の継続的な改善のためには加
盟各国における安全基準の使用経験を収集、分析、反映することが重要との視点から、新たに体系
的に経験集約システムを策定中。
INSAGでは、INSAG-20において、「運転経験のフィードバックに関する国際システムの改善」が発
行されており、国内外の事象・教訓のフィードバックシステムについて言及されているところ。
17(これまでの取組)
法令報告ではないトラブル案件や軽微な不適合事象に関する情報を効果的に収集・整
理・分析する方法及び体制について検討中。
年度内を目途に、運転経験のフィードバック機能(クリアリングハウス機能)の充実を具体
化し当該機能を継続的に発揮するためのシステムを構築。
(注視すべき国際の動き)
・IAEA安全基準委員会
・NEA/CNRA/WGOE(原子力規制活動委員会/運転経験ワーキンググループ)
ⅱ)OECD/NEAの動き
CNRA/WGOE(原子力規制活動委員会/運転経験ワーキンググループ)において、スウェーデン・フォ
ルスマーク発電所の外部電源喪失事故のフォローアップ、事象トレンド分析、予備部品の不適合事象、
模倣品・不正品対策、潤滑油不適合事象、非常用デーゼル発電機故障、変圧器故障、制御棒駆動機
構故障、配管の水素爆発リスクなどの各国共通の特定課題の規制手法へのフィードバックについて
議論がなされており、我が国も参加している。
2011年6月に運転経験の規制検査へのフィードバックを主たるテーマとしてWGOEワークショップが
フィンランドで開催される予定であり、グループに分けて議論を行い、結果を全体討議で総括する。
国際共同研究プロジェクトでは、OPDE(配管損傷事例), ICDE(共通要因故障)、 FIRE(火災事象)、
COMPSIS(計算機システム)、SCAP(応力腐食割れ、ケーブル経年劣化)などのデータベースプロ
ジェクトを実施中。
4.運転経験のフィードバック機能の充実(続き)
5.ステークホルダー・コミュニケーションに関する取組
(規制課題)
規制プロセスの透明化、効率化を図り、重複や非効率な規制を排除するとともに、より実効的
かつ効果的な安全規制を実施する観点から、被規制者たる事業者、メーカ等と対話をより密に
していくことが重要となっている。IRRS報告書でも、「率直でオープンな産業界との関係の情勢の
継続」が求められるなど国際的な観点からは、必ずしも十分ではないと評価されている。また、
原子力プラント立地地域住民などを含め、規制当局による住民説明会等が頻繁に開催されるな
ど、安全規制プロセスにおける双方向の対話がより重要視されるようになっている。
(国際動向)
ⅰ)IAEAの取組
IAEA安全基準委員会において、基準草案作成段階において、各国のステークホルダー
からも意見を求めることが議論されており、各個別安全基準委員会の付託事項(TOR)に
国内産業界代表やステークホルダーの参画についても記述されるなど、安全基準の作成
にあたり、ステークホルダーの積極的な関与を意識した記述としている。
また、INSAG-20で「ステークホルダーの原子力問題への参画」に係る文書を取りまとめ
たところ。
19(これまでの取組)
本年7月、11月に規制機関と産業界の代表とが意見交換を行うべく、原子力安全規制ラ
ウンドテーブルを開催し、また、本年10月に原子力安全規制情報会議を開催したところ。
(注視すべき国際の動き)
•米国NRC規制情報会合(RIC)
•IAEA安全基準作成プロセスに係るステークホルダー関与
•CNRA/WGPC(原子力規制活動委員会/公衆伝達ワーキンググループ)
•2012年CNRA/WGPCワークショップ
ⅱ)OECD/NEAの取組
2007年5月に規制活動の透明性に係るワークショップを東京で開催し、規制機関と公衆、メディア
との透明性ある関係が強調された。
2009年9月に開催されたMDEPカンファレンスでは、規制機関、電気事業者、ベンダー、学協会な
どが参加して議論を行ったところ。
CNRA/WGPC(原子力規制活動委員会/公衆伝達ワーキンググループ)において、規制の透明性
向上、地元住民とのコミュニケーション、公衆意識調査、危機時のコミュニケーションのガイドライン
を作成中。今後の対応として、メディアとの関係、ITの活用、国際事象評価尺度(INES)の活用、
規制内部コミュニケーションの在り方などについて新規タスクを検討することとしており、国際的な
ステークホルダー関与を検討していく。2012年にWGPCワークショップを韓国で開催する予定。
ハルデン原子炉プロジェクトでは、基礎研究として、特に廃炉に関するステークホルダーとのコミュ
ニケーション改善のための最適事例を調査し、加盟機関の活動を支援する手法を開発している。
5.ステークホルダー・コミュニケーションに関する取組(続き)
206.多様な放射性廃棄物の処理・処分に係る状況の進展への対応
(規制課題)
多様な放射性廃棄物の処理・処分に係る制度整備等への取組については、現在、下記5件における現状の課題を 踏まえた制度の整備が必要となっている。 ・地層処分の立地段階における調査結果の妥当性レビュー、判断指標の整備 ・余裕深度処分・トレンチ処分に係る安全審査の準備 ・ウランクリアランス制度化 ・研究施設等廃棄物に係る課題を踏まえた対応 ・新たな形状・性状のクリアランス物への対応(国際動向)
ⅰ)IAEAの取組 IAEA廃棄物安全基準委員会(WASSC)では、放射性廃棄物処分等に係る安全基準の改訂が行われており、平成22年には、 SSR-5「放射性廃棄物処分」の安全要件が策定され、「放射性廃棄物の地層処分施設」 (DS334) 、「放射性廃棄物処分の浅 地中処分施設」 (DS356) 、「放射性廃棄物処分のためのセーフティケースと安全評価」 (DS355) 、「放射性廃棄物処分施設 のモニタリングとサーベイランス」 (DS357)の安全指針を整備中。SSR-5、DS334では、地層処分の立地段階における調査や 規制当局の責任が、DS355は事業者が作成するセーフティケースに対する規制レビューが盛り込まれている。また、IAEAで は、2009年度から「地層処分の安全性の実証に関わる国際プロジェクト(GEOSAF)」を実施し、「セーフティケース」の実践的 な活用方法が検討され、各国の経験共有が行われている。また、中レベル廃棄物の処分については、安全指針の策定の是 非について検討が行われている。クリアランスについては、2004年8月に策定されたRS-G-1.7「規制除外、規制免除及びクリ アランスの概念の適用」を策定。 アジア地域における放射性廃棄物に関する安全基盤の整備について、ANSN(アジア原子力安全ネットワーク)のもとで RWMTG(放射性廃棄物管理トピカルグループ)における取り組みを実施。加盟国の合同条約批准の促進活動も実施。 ⅱ)OECD/NEAの取組 RWMC(放射性廃棄物管理委員会)の規制者フォーラム(RF)において、長寿命廃棄物や高レベル放射性廃棄物に関する規 制のあり方についての検討を実施。特に、長期の評価期間の考え方や処分場の最適化、規制機関での研究のあり方等につ いて議論を実施。また、RWMCでは、可逆性・回収可能性 (R&R)や、長期記録の保存等について議論を実施中。 ⅲ)二国間の取組 日米会合の枠組みを活用し、廃棄物処分に係る専門家会合を実施するとともに、日仏会合において、返還低レベル廃棄物 (CSD-C)や、立地段階における規制の関与について意見交換。 21(これまでの取組) 【多様な放射性廃棄物の処理・処分に係る制度整備】 原子力安全委員会が平成22年8月9日に制定した「第二種廃棄物埋設の事業に関する安全審査の基本的考え方」 を踏まえつつ、余裕深度処分にかかる審査基準等について検討中。 有害物質を含む処分対象廃棄物について、事業者から管理状況等の実態について聴取。 「地層処分の規制研究レポート(仮)」のあり方や概要調査段階の判断指標の考え方にかかる検討を、IAEA安全基 準文書を踏まえ着手。判断指標に掲げるべき調査・評価項目について、平成22年中に策定する。 ウランクリアランス制度について、IAEA安全基準文書を踏まえた報告書を策定(平成22年11月)。結果を踏まえ、 平成22年度末までに省令改正を行い、制度化する。 返還低レベル廃棄物(CSD-B)の安全性について報告書を策定(平成22年8月)。 【放射性廃棄物の処理・処分等に関する安全研究の有効活用等】 JNESによる研究のとりまとめ方針・体制、放射性廃棄物規制支援研究WGの検討状況について、廃棄物安全小委 員会に報告(平成22年6月)。また、放射性廃棄物規制支援研究WG(平成22年7月)にて規制支援研究のこれまで の実施状況及び今後の実施内容について議論を行い、その結果を平成23年度概算要求に反映。 「地層処分基盤研究開発調整会議」(地層処分研究開発に係る情報共有等を図るための会議。エネ庁主催。)に出 席し、保安院の規制支援研究の実施状況について説明し、意見交換を実施(平成22年10月)。 大学等との技術的情報交換会を開始。 JNESにおいて、安全評価のレビューに必要な国内外の研究成果を、判断根拠として使える品質にあるかどうかを 確認しつつ蓄積するシステムを検討中。
(注視すべき国際の動き)
•IAEA/ WASSC(廃棄物安全基準委員会)、ANSN/RWMTG(放射性廃棄物管理トピカルグループ)
•OECD/NEA/RWMC(放射性廃棄物管理委員会)及び、その下部のRF(規制者フォーラム)
•日米規制情報会合、日仏規制情報会合等の二国間対話
•使用済燃料管理及び放射性廃棄物管理の安全に関する条約検討会合(合同条約)
6.多様な放射性廃棄物の処理・処分に係る状況の進展への対応
(続き)
227.原子炉施設の廃止措置計画に係る審査要領の明確化
(規制課題)
我が国の商業用軽水炉で初めて浜岡1 号機及び2 号機の廃止措置が決定し、また廃止
措置中の施設についても原子炉領域の解体作業が控えている。こうした原子炉施設の廃
止措置の本格化に対し、廃止措置計画に係る審査基準の明確化、廃止措置の終了に係
る確認基準等の検討等を行っておくことが必要である。
(国際動向)
ⅰ)IAEAの取組
IAEA廃棄物安全基準委員会(WASSC)では、2006年10月策定の「WS-R-5:放射性物質を用いる
施設のデコミッショニング(安全要件)」を改訂すべく議論を開始(2010年12月にDPPを議論)。原子
力発電所および研究炉・核燃料サイクル施設等の廃止措置に関する安全指針の改訂の審議も開
始。
IAEA/ANSN/RWMTGの取組として、2010年~2012年の第2フェーズから、加盟国のニーズに
基づき、支援の対象に解体廃棄物を加え、トレーニングコース等を実施。
ⅱ)OECD/NEAの取組
RWMC(放射性廃棄物管理委員会)のWPDD(廃止措置・解体ワーキングパーティ)において、規
制者、事業者、専門家等が参加し、廃止措置と解体に関する技術、経済性、政策、規制等に関する
検討を実施。廃止措置を実際に行っている事業者による協力プログラム(The International
Co-operative Programme for the Exchange of Scientific and Technical Information
Concerning Nuclear Installation Decommissioning Projects(CPD)を実施し、「廃止措置の
計画」、「廃止措置に関する研究開発で得られた成果」、「廃止措置の実績や経験」などの情報を交
(これまでの取組)
廃止措置学会標準の技術評価については、エンドースに必要な追加検討項目を洗い出
し、本年6月に中間報告をとりまとめ。現在、日本原子力学会にて当該中間報告を踏まえ
た学会標準の見直しを実施中。今後、学会における学会標準のとりまとめを受けて、廃
止措置技術評価WGで検討を行う。解体時の廃棄物管理、サイト解放のあり方の基本的
考え方にかかる検討状況について、廃止措置安全小委員会に報告(平成22年6月、9月、
10月)。
廃止措置終了確認の基本的考え方の主要な論点とその検討の方向性について、これま
での廃止措置小委員会における検討を踏まえて今年度中にとりまとめる。
(注視すべき国際の動き)
•OECD/NEA / RWMC -WPDD (廃止措置・解体ワーキングパーティ)
•IAEA安全基準委員会(廃棄物安全基準委員会(WASSC))
•ANSN/RWMTG(アジア原子力安全ネットワーク・廃棄物管理トピカルグループ)
7.原子炉施設の廃止措置計画に係る審査要領の明確化(続き)
248.中間貯蔵規制の進展への対応
(規制課題)
使用済燃料等の輸送に関し、平成20年に輸送容器として設計承認申請された「むつ中間貯
蔵施設」の輸送と貯蔵の兼用容器の安全審査が行われており、この輸送と貯蔵の兼用容器に
ついては、貯蔵終了後にそのまま輸送することが想定されるため、貯蔵と輸送の両規制を整合
的に運用する必要がある。また、使用済燃料の所有者である原子炉設置者の責任をあらかじめ
明確にしておく必要がある。さらに後続規制(設計及び工事の方法の認可、使用前検査、保安
検査等)における基準解釈や検査要領等を整備する必要がある。
(国際動向)
IAEA安全基準では、使用済燃料の中間貯蔵を含む処分前管理については、GSR-Part5「放射性廃棄物の処分前管理」安全要件、「使用済燃料の貯蔵」 (DS371)安全ガ
イドの文書作成が行われている。また、「放射性廃棄物の処分前管理のセーフティケー
ス及び安全評価」( DS284 )安全ガイドの整備を行われているところ。
また、本年5月末には、IAEA主催で使用済燃料管理に係る国際会議が開催されており、
我が国も専門家を派遣するなど、積極的な貢献をしている。引き続き、輸送と貯蔵の兼
用キャスクなどの検討が行われているところであり、安全基準化も視野に入れて積極的
に検討を行っていく。
25(これまでの取組)
原子炉設置者の保安責任の明確化と、原子炉設置者及び貯蔵事業者の関係記録の保
存について、関係省令の改正を行った。(10月1日施行)
輸送に係る事務手続きを定めた手引き書の改正案を策定し、7月に開催した輸送貯蔵合
同ワーキンググループにおいて検討を行った。今後この検討結果を踏まえ、手引き書の
改正を行う予定。
使用済燃料貯蔵施設の設計及び工事の方法の認可に関する検討会を設置し検討を
行った。今後この検討結果を踏まえ、設計及び工事の方法の技術基準に関する省令の
解釈を改正する予定。
本年5月の使用済燃料管理に係る国際会議において、我が国から使用済燃料の貯蔵と、
その前後の輸送を一貫して規制を行う“Holistic Approach”を提唱し、参加各国の評価
が得られたところであり、今後のIAEAにおける検討作業に積極的に貢献する予定。
(注視すべき国際の動き)
•IAEA安全基準委員会(TRANSSC, WASSC)
8.中間貯蔵規制の進展への対応(続き)
269.核物質防護に関するガイドラインへの対応
(規制課題)
IAEA は、核物質の使用、輸送、貯蔵等全般にわたる防護措置に関する国際的な共通指
針である核物質防護に関するガイドライン(INFCIRC/225)を改訂し、2011 年に発行するこ
とを目標に作業が進められている。
我が国は、このIAEA の改訂作業に協力するとともに、我が国の核物質防護規制への適切
な反映について検討していく必要がある。
ⅰ)IAEAの取組 IAEAでは、核セキュリティ諮問グループ(AdSec)を設置し、核セキュリティシリーズの策定が進められて おり、セキュリティ原則、推奨事例、実施ガイド文書、技術ガイド文書が策定されている。今後は、安全基準 委員会も安全の立場からセキュリティ文書の確認を行うこととしており、安全とセキュリティの融合化に向け た取組が強化されている。 IAEAレビューミッションとして、核セキュリティに係るレビューサービス(IPPAS:International Physical Protection Advisory Service)も行っているが、これまで我が国が受けた実績はない。ⅱ)その他の取組
2008年9月に核物質を取り扱う専門家間の核セキュリティのベストプラクティス、教訓を共有するための組 織である世界核セキュリティ協会(WINS: World Initiative for Nuclear Security)が設立され、本年9月 に我が国でもWINS会合が開催されたところ。 本年4月に米国ワシントンにおいて、核セキュリティ・サミットが開催されるなど、セキュリティに対する動き が活発化している。次回の核セキュリティ・サミットは、2012年に韓国で開催されることとしている。 日米首脳会談において、核セキュリティに関する日米作業グループを設置することで合意。核物質防護及 びテロ対策に係る協力が検討されている。 27