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平成 30 年度 ( 第 41 回 ) 校内放送指導者講座報告 平成 30 年 12 月 26 日 ( 水 ) 27 日 ( 木 ) の2 日間 東京都千代田区紀尾井町にある千代田放送会館において 校内放送指導者講座が実施されました NHK 杯全国高校放送コンテストを主催している全国放送教育研究会連

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1 平成 30 年度(第 41 回)

校内放送指導者講座 報告

平成 30 年 12 月 26 日(水)、27 日(木) の2日間、東京都千代田区紀尾井町にあ る千代田放送会館において、校内放送指 導者講座が実施されました。NHK杯全 国高校放送コンテストを主催している全 国放送教育研究会連盟とNHKが行う、 全国の高等学校の放送部の顧問を対象に した研修会です。高等学校における校内 放送活動の意義と役割を深めその指導についての諸問題を究明するとともに、具体的な指導の充 実を図ることを目的としています。毎年 12 月下旬に開催されており、今回は100名の参加者を 迎えての実施となりました。 研修会のプログラムは以下の通りです。 講座1「アナウンス・朗読指導」 講師:NHK日本語センター 専門委員 金野正人 講座2「実践発表 校内放送指導の環境づくり」 講師:青森明の星中学・高等学校 放送部顧問 松原善幸 講座3「初めての番組制作と権利処理の留意点」 講師:神戸国際大学附属高等学校 放送部顧問 島耕一 (第 65 回 NHK 杯全国高校放送コンテスト・審査部会長) 講座4「番組制作指導」 講師:NHK解説委員 中谷日出 NHK制作局青少年・教育番組部 チーフ・プロデューサー 大本秀一 参加者は5人から6人のグループに分かれて、グループ討議などを交えながら研修を進めまし た。講座1と講座4では実際に審査を体験する模擬審査が行われました。各講座の内容は以下の 通りです。

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講座1「アナウンス・朗読指導」

講師:NHK日本語センター 専門委員 金野正人 講座1は、顧問交流がアイスブレイキ ングとなり、話しやすい雰囲気の中で始 まりました。NHK杯全国高校放送コン テスト決勝大会の審査に携わっていただ いたことがある金野正人先生を今年も講 師にお迎えして、様々なエピソードを交 えて、審査のポイントや読みの指導に役 立つお話をしていただきました。 会場にはこの指導者講座を初めて受講する先生方が大勢いらっしゃいました。更に、初めて審 査に挑戦する先生方も数多くいらっしゃいました。コンテスト要項に掲載されているアナウンス 部門と朗読部門の審査基準を確認したのち、早速アナウンス部門の模擬審査をはじめました。第 65 回NHK杯全国高校放送コンテストで準決勝に進出した3年生から4人を抽出した発表を聞 き、コンテストと同様に原稿を見ずに、参加者全員が審査を行い、点数を付けました。 集計結果を発表する前に、グループごとに、配布した原稿を見ながら、それぞれの審査のポイ ントを話し合っていただきました。今年は各グループ5~6人の少人数の構成で、それぞれのお 声も通りやすい環境で、様々な視点を紹介しながらのグループ討議を行っていただきました。 ベテランの先生方の、経験に裏打ちされた審査の視点に、若手の先生方が刺激を受けたという お声をたくさん寄せていただきました。また、絶対的な答えがなかなかつかみにくい読みの審査 の「難しさ」も、また改めて痛感したというお声も寄せられました。 いずれにしても、通常行われることのない審査員同士の話し合いの時間が、この講座の魅力で はないでしょうか。普段気づかない新しい視点の発見が、それぞれの先生方の審査のものさしの 精度をさらに高める時間になりました。 そして結果発表の発表会を会場前方のスクリーンで行い、参加者の平均点、最高点、最低点と、 金野先生の審査点、さらに第 65 回コンテスト時の審査点を発表しました。その後、グループ討議 の中で挙がったご意見を、3名の先生に発表していただきました。原稿の書き方についてや、課 題原稿の扱いなどの質問があり、その視点に触れながら、金野先生のお話が始まりました。お話 の内容の概略は以下の通りです。 ・始まりは自然な高さではじめる。力まずナチュラルに。 ・助詞が下がり切らない傾向がある。助詞は自然に下げて聴き手に分かりやすいトーンを心掛 ける。 ・意味の区切りでは、聞き手が正しく意味を受け取れるように間を取る。間が短すぎる場合が 多い。 ・「実は」などの、流れを作る言葉は、大切にゆっくりと。

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3 ・「」の前の「○○さんは~」はノーマルな音声表現を。 ・複雑な説明は、「分かりやすさ優先」の文章を工夫して。特に特殊な視覚的イメージを伝える ときは慎重に。 ・間は、特に大切。音が無くなることで、それまでの展開を聴き手が振り返ることができて、 より伝わる内容になる。 金野先生は、時に範読を交えながら、説明してくださいました。 そして、15 分の休憩をはさみ、後半は朗読の模擬審査を行いました。今回は、抽出場所を統一 してみました。第 65 回NHK杯全国高校放送コンテストで多くの生徒が選んだ、川上弘美のエッ セー、『なんとなくな日々』の「カツサンド」です。3 人が表現する、それぞれの「カツサンド」 をどう評価をつけるか。大変難しい審査になりました。 グループ討議の後、集計結果を発表し、アナウンスと同じく、会場の先生方のお声を吸い上げ る形で金野先生のお話が始まりました。先生は、アナウンスと共通する「間」の大切さを、特に 強調されていました。そのほかに、正確に内容を伝えるための、切れ目の入れ方を、具体例を挙 げて説明してくださいました。CM等の実例をあげ、イントネーションの違いで伝わり方がどの ように変化するのかを、分かりやすくお話しいただきました。 最後に、話題に上った一人の聴き直しをして、もう一度ポイントを確認し、講座を締めくくり ました。

講座2「実践発表 校内放送指導の環境づくり」

講師:青森明の星中学・高等学校 放送部顧問 松原善幸 講座2では、第 65 回NHK杯全国高 校放送コンテストでアナウンス部門・朗 読部門にて決勝大会に3人もの部員たち を出場させた青森明の星中学・高等学校 放送部顧問の松原善幸先生をお招きして、 校内放送指導の環境づくりについてお話 しいただきました。 松原先生は、NHK杯全国高校放送コ ンテストの決勝大会に毎年のように出場していた放送部を前顧問の先生から引き継ぎましたが、 2 年後には決勝大会出場者が 0 人になってしまうという現実に直面します。そこからどのように 放送部を立て直したのか、生徒達の環境を変えたのかということについて、実践報告をしてくだ さいました。部活動運営に関するヒントをたくさん盛り込んだ内容でした。 まず、放送部のこれまでの活動を見直す5つのポイントを提示してくださいました。 ① 目標を明確にする

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4 オープンウィンドウ 64(64 個のマスに思い付いた言葉で目標を書き出す表)を採用し、生徒 個人の目標と部の目標が一致するのか確認。整理することで生徒のモチベーションアップに つなげる。また、生徒間や生徒顧問間のコミュニケーションのツールとして活用する。 ② 練習メニューを新しく 「みんな同じ時間・同じ場所・同じ内容で」をコンセプトに、部員で発声メニューを考える。 体力作りの為に体幹トレーニングを採用するが、メニューはすべて部員が決める。卒業生に 協力してもらい、メニューを考える際、助言をもらう。よい耳を作り、自分の声を知りギャ ップを埋める。 ③ 年間計画を詳しく モチベーションはいつまでも続かないので、大会にベストを持っていける計画にする。競争 からのゴール共有に迎えるかがカギとなる。→3年間の成長計画を立てる。 ④ 練習、大会を振り返る 「この練習はうまくいっているのだろうか?」「なぜこの活動をするのだろうか?」一歩立ち 止まって、練習の合間にミーティングをすることで意識の統一・共有を図る。大会後は発表 映像の記録・分析を大切にする。 ⑤ 顧問の役割を明確にする 一番大切な役割は環境づくりをすること。部活動・部員にとってマイナス要因を払拭する。 部員やその周囲が持っている「放送部=雑用、地味、応援してもらえない」というイメージ を打破する。部員のプライドを育て、学校全体を巻き込んで盛り上げる。外にたくさん出る ことで放送部のイメージアップに繋げる。顧問自身のアナウンス技術は絶対条件ではない。 顧問自身の知ろうとする姿勢や努力が絶対に必要である。 松原先生は、先生ご自身の失敗談や面白いお話を交えて実践報告をご紹介してくださり、あっ という間の70分間の講座でした。副顧問時代に、部員から「キャプテン」と呼ばれ一緒にトレ ーニングや発声をされていたという松原先生のお話からは、部活動を部員と共に心から楽しんで おられる先生の姿が想像出来ました。放送部顧問に必要なことは技術だけではないということを 実感出来た講座となりました。「環境を作る」ことの重要性を改めて考えさせられた70分間でし た。

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講座3「初めての番組制作と権利処理の留意点」

講師:神戸国際大学附属高等学校 放送部顧問 島耕一 (第 65 回NHK杯全国高校放送コンテスト・審査部会長) 指導者講座第2日、講座3は二つの テーマで構成されていました。一つは 「初めての番組制作」で、放送活動全般、 とくに番組制作の指導をどのように始 めたらよいかという内容、もう一つは 「番組制作にあたって注意すべき事項」 で、制作に必要な許諾やコンテストの 参加規定についての説明です。講師の 島先生は、いずれも詳細な資料や具体的な題材・番組を用いながら説明されました。 前半は、校内放送やコンテストへの参加を軌道に乗せていくための顧問の役割や、具体的な手 順、さまざまなアイディアを中心に、「明日からすぐにできる放送活動」のヒントがたくさん盛り 込まれていました。具体的には「部室の整備」「活動方針・活動スケジュールの作成」「校内や保 護者の理解を得る」といった部活動指導の基本的な事項をベースとして、「素材発掘・調査・取材 に慣れさせる」「番組へと構成させる」「規定の説明」「技術講習の実施」などの具体的な放送活動 を進行させていく方法です。これらの説明に加えて、初めて顧問になった方がすぐに使える、放 送のCUEシートや番組の細部構成表など、島先生が実際に指導に使用された資料を提供してい ただきました。 講座の後半では、過去のNHK杯全国高校放送コンテストに出品したテレビ番組を実際に視聴 しながら、「どう制作したか」を説明していただきました。番組はユニークな先生を取り上げた 20 年以上前のテレビドキュメント作品で、受講者は楽しく視聴しながら制作の手順を追っていくこ とができました。同時に、番組内で、現在においてはどんな点が問題を含んでいたり、配慮が必 要であったり、許諾が必要であったりするのかを考えて、時勢の変化により権利や倫理、放送の あり方が変化してきていることを知る機会にもなりました。 番組視聴に続いて、番組制作に伴うさまざまな許諾手続きについて説明していただきました。 まず、第 65 回コンテスト要項号とともに各校に配布している「番組制作の許諾手続きフローチャ ート」「音楽使用時の許諾手続きフローチャート」に沿って、どのような場合にどの様式を使用し て手続きを行うかの解説。続いて、コンテストの様式の記載のしかたについて、「様式2-2」(番 組の流れと使用した著作物を記載する CUE シート)と「様式2-3」(取材許諾や著作権・肖像 権などの権利処理一覧表)を中心にした解説。そして、撮影(取材)時に留意すべき事項として、 「写り込み」によるNGを回避するためのアングルの工夫や、番組の具体的なシーン(11 例)に おいて必要となる許諾手続きの解説と続きました。さらに、近年のコンテストで問題になった点 や、活用してもらいたい資料(コンテスト報告号 CD-ROM、Nコン WEB、NHKクリエイティ ブ・ライブラリー、アナウンス・朗読部門の準決勝・決勝進出者のCDなど)の紹介など、明日か

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6 らの放送活動にすぐに生かせる内容がたくさん盛り込まれていました。 どんな場合でも、他者が権利を持つものを使用したい場合は、使用してよいか尋ねますが、放 送コンテストでは、参加作品を公開審査・NHKの放送・Webサイトその他で公開・使用する ため、それを前提とした了解や許諾を得たうえで制作する必要があります。何についてどう手続 きを行うかを中心に、権利の尊重は放送に限らない課題であることにも触れながら、解説してい ただきました。

講座4「番組制作指導」

講師:NHK解説委員 中谷日出 NHK制作局青少年・教育番組部 チーフ・プロデューサー 大本秀一 講座4は講師に中谷日出解説委員と大 本秀一チーフ・プロデューサーのお二人 をお迎えしての「番組制作講座」(創作ラ ジオドラマ・創作テレビドラマ)でした。 講座の前半は創作ラジオドラマ3作品 の模擬審査、グループでの意見交換をし ました。昼休み(会場では「ティーンズ ビデオ 2018~第 65 回NHK杯全国高校 放送コンテスト~創作テレビドラマ部門」 を放映)をはさんで、創作ラジオドラマ模擬審査の結果発表と講師による解説、引き続き創作テ レビドラマ3作品でも創作ラジオドラマと同様に進めました。その後、講師のお二人によるワー クショップ(絵コンテの描き方)というプログラムでした。 講師のお二人のコメント 〇作品制作・作品の審査について ・耳だけで聞く媒体なので、ラジオ番組は作るのが難しい。 ・番組制作ではBGM、編集、台詞、タイトルが特に重要。 ・受け手側に伝えるために制作者の「整理」が必要(企画の段階、台詞、テレビ番組の場合無 駄なカットはないか、など)。 ・他の番組と違うものを作る(例 感動、どんでん返し、笑い、山場がある、など)。 ・「レーダーチャート」(放射線状に伸びた数値軸上の値を線で結んだ多角形のグラフのこと で、クモの巣チャートとも呼ばれる)の有効性。チャートの各項目はテーマ選び、取材の深 さ、演出、規定・マナー・権利処理、など。 ・番組制作にはチームワークが不可欠。コミュニケーションを上手にとることが重要。 ・「引き算のナレーション」(ナレーションに頼り過ぎない)も効果的。 ・タイトルと「入りの画(え)」(最初の映像)は第一印象を決めるので重要。

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7 ・チャレンジしよう。 ・荒削りでも高校生だからこそ作れる作品を。 〇絵コンテについて ・とにかく描いてみること。まず自分自身がストーリーを理解するためや構成を練るために 描く。絵コンテは制作にかかわるメンバーが必要な情報を共有するためのものなので、うま くなくて良い。少しずつ「絵コンテ力」をつけていく。 図解=要約する力(例 テレビ番組の提案書はA4サイズの紙1枚のことが多い) ・絵コンテは「ビジュアルシンキング」(考えを伝えるのにビジュアルを使うのが「ビジュア ルシンキング」。他の思考法と比べて優れているのは、考えをビジュアルにまとめたら、それ を使って人に伝えるのにも使える点)に有効。 〇顧問ができること ・生徒と対話をすることで何がやりたいのかを引き出す。番組をつくる場合、「社会に何を訴 えたいのか」。そのために「この絵で本当にいいのか」を問い続ける。 ・良い作品をたくさん聞かせる、見せる。良いものとそうでないものの区別をさせて、「良い 作品をつくりたい」という制作意欲に繋げられればいい。 今回の講座では、参加された先生方に絵コンテを描いていただくワークショップもありました。 4 コマ漫画にまとめるときに、「起承転結」と「5W1H」を意識することの重要性が強調されま した。普段の指導の際に活用できる貴重なアドバイスもうかがうことができました。「おみやげ」 をたくさん持ち帰っていただけたのではないでしょうか。ぜひ今後の部活動・委員会活動で役立 てていただければと思います。

参照

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