原 著
経験10年以上の助産師の産婦ケアにおける経験と
重要な着目情報の関連
Midwives' viewpoints on the connection between information
and experience concerning intrapartal care
正 岡 経 子(Keiko MASAOKA)
*1丸 山 知 子(Tomoko MARUYAMA)
*2 抄 録 目 的 産婦ケアにおいて助産師が着目している情報を明らかにし,その情報と助産師経験年数および分娩介 助件数の関連について分析すること。 対象と方法 対象は助産師768名(病院・診療所553名,助産院215名)で,データは自記式質問紙を用いて収集した。 質問紙の内容は正常分娩のケアに関する情報177項目で,情報への着目度について5件法で回答をもと めた。分析はSPSS15.0を用いて因子分析を行い,助産師経験年数と分娩介助件数の2要因で分散分析を 行った(P<0.05)。経験年数は熟達の10年ルールに基づき10年未満とそれ以上で分類し,分娩件数は 10年未満の助産師の中央値を基に300件未満とそれ以上に分類した。 結 果 質問紙は437名から回収され(回収率56.9%),有効回答数は433名(有効回答率56.4%)であった。177 項目の因子分析の結果,助産師の着目情報は17因子(82項目)に分類された(累積寄与率67.9%)。17因 子には,産婦の身体面や心理面,ケアの希望,家族や出産環境の情報が含まれていた。17因子につい て助産師経験年数10年以上と10年未満で比較した結果,10年以上の助産師は9因子の着目度が有意に高 かった(P<0.01)。その内容は,産婦の心理面や家族,臍帯切断の時期や会陰保護などケアの希望,月 と潮の動きに関する情報であった。経験年数で有意差のなかった8因子は,産婦の身体的変化や医療機 器のデータ,室内の環境などの情報であった。17因子と分娩介助件数300件未満と300件以上では,有 意差はなかった。 結 論 17因子は,助産師が産婦ケアを行う上で大切にしている具体的な情報の全体像を示している。経験 年数で差のなかった8因子は視覚的・客観的な情報であり,9因子は洞察力やコミュニケーション能力, 多様なニーズの対処能力が関連する情報である。この9因子は,10年以上の経験の中で獲得した助産師 の能力を反映していると考える。 キーワード:産婦ケア,助産師,経験年数,分娩介助件数,着目情報*1札幌医科大学保健医療学研究科大学院博士後期課程(Sapporo Medical University, Graduate School of Health Sciences, Doctoral Course) *2札幌医科大学保健医療学部看護学科(Sapporo Medical University, School of Health Sciences, Department of Nursing)
経験10年以上の助産師の産婦ケアにおける経験と重要な着目情報の関連
Abstract Purpose
The purpose of this study was to clarify what information concerning intrapartal care midwives focus on, and to analyze the relationship between the data, years of experience and the number of assisted deliveries.
Methods
The subjects of this study were 768 midwives (553 who worked at hospitals or clinics, and 215 who worked at maternity homes) in Japan. Data were collected using a self-reported questionnaire. The questionnaire consisted of demographic information and 177 items regarding provision of care for normal delivery. We asked the midwives to rate the importance levels of the 177 items using the five-point Likert scale. Factor analysis was used to clarify the importance of the factors and two-way analysis of variance (ANOVA) was used to analyze the effects of the number of years of experience and number of assisted deliveries. The midwives were divided into groups based on whether they had more or less than ten years of experience following the "ten-year rule", and into those with less than 300 assisted deliveries and more than 300 assisted deliveries based on the mean of the group with less than 10 years of experience.
Results
The response rate was 56.9% (n=437). To conduct statistical analysis, appropriate data from 433 respondents were used. As a result of factor analysis, 17 factors composed of 82 items were extracted from the 177 items (cumu-lative percentage contribution: 67.9%). The 17 factors included data about various physiological and psychological aspects of women, requests for care, the family situation and birth environment. ANOVA revealed a statistically significant main effect for the number of years of experience. Comparing the mean importance-level scores of the 17 factors for those with more than ten years of experience and those with fewer, the more experienced group had significantly higher scores for 9 factors (p<0.01). These 9 factors included psychological condition, family situation, requests for care, timing of cutting the cord, protection of the perineum or not, and the lunar cycle in nature. The 8 factors for which there was no significant difference with years of experience included the physiological condition of women, data obtained using medical equipment and the environment in the labor room. No significant main effect was observed between any of the 17 factors and the number of assisted deliveries.
Conclusion
Seventeen selected factors provided an overall picture of the concrete information that midwives considered to be important to provide intrapartal care. Of these, 8 factors for which there was no significant difference related to the number of years of experience consisted of visual and objective information. The 9 factors for which there were significant differences reflected midwives' competency related to more than ten years of experience such as insight, communication and responding to diverse needs. It is suggested that these 9 factors indicate midwives' competency acquired through accumulation of more than ten years of experience.
Key words: intrapartal care, midwife, years of experience, number of assisted deliveries, important information
Ⅰ.緒 言
出産は,1950年代までは助産所や自宅が約96%,病 院・診療所が4%であったが1960年代に逆転し2005年 では病院・診療所が99.8%,助産所や自宅が1.2%と なった。しかし近年,主体的な出産や自然な出産を望 む女性が増え,助産所や自宅での出産がわずかに増加 している(母子保健の主なる統計,2006)。 同時に,病院・診療所等の施設においても院内助産 院や病院と助産院が連携した助産師外来の開設など女 性達の多様なニーズに応え,ケアの質向上を目指し た取り組みも報告されている(遠藤ら,2007;宗像ら, 2008)。このような役割を担う助産師には,その専門 的立場から正常妊娠出産に対する適切な判断力と安 全・安楽な出産のケア能力が一層求められている。 助産師のケア能力をどのように熟達していくかは重 要であり,特に母子の生死に直結する分娩期のケア能 力を高めることは必然である。Benner(1999/2006)は, 臨床実践能力の向上のためには経験豊富な助産師の経 験知を伝承することが必要であり,目にみえにくい熟 達したノウハウを目にみえるものにする重要性を述べ ている。熟達助産師が経験を通して培ってきた能力を どのように伝承するかは重要な課題であると考える。 先行文献では,実践能力は助産師経験年数に伴い 向上すると報告されている(村上ら,2002)。経験豊富 な助産師は,幅広い情報収集と些細な変化も見逃さ ない観察力を備え(Kennedy, 2000),女性の産む力を 引き出しケアする能力を備えていると報告されてい経験から培ってきたケア能力は,各助産師の技術や 判断力,助産観や出産観などに反映され,これらは助 産師の着目している情報として表されると考えた。 本調査では,産婦ケアにおける助産師の着目情報を 明らかにし,その情報と助産師経験年数および分娩介 助件数の関連について分析することを目的とした。
Ⅱ.文 献 検 討
1.助産ケアと影響因子 助産師に求められるケア能力には,正常な妊娠・出 産・産褥・新生児期にある母子の健康状態の判断と ケア,家族のサポート,異常の早期発見や対処,ハ イリスク母子のケアが含まれている(日本助産学会, 1999; 国 際 助 産 師 連 盟,2002;American College of Nurse-Midwives, 2002)。これらのケアの実践には多 様な因子が関連しており,妊娠出産のリスクや施設 のポリシー,病棟の業務状況や産婦と家族の心理状 態(Parsons,2004;Cheyneら,2006;Sandin-Bojoら, 2007),胎児心拍観察方法(島田,1999)やデータの判 読能力(Devane & Lalor, 2005)などが報告されている。 助産師は複雑な状況の中で分娩経過を判断し,産婦の ケアを選択している。ケアの実践能力と助産師経験 年数の関連については,経験3年未満では分娩期ケア の自己評価が低く(坂梨,1999),その後は経験年数と 共に高くなり15年以上では経験年数や就業施設によ る差はなくなり安定した状態になると報告されている (村上ら,2002;井上ら, 2003)。 このように助産師に求められる能力に関して,経験 年数と共にその自己評価が向上することは明らかにさ れているが,ケアを選択する判断の根拠となっている 具体的な情報と助産師の経験(助産師経験年数と分娩 介助件数)の関連から調査したものはなかった。 2.熟達の理論的概観 熟達者とは, 特定の領域において優れており, 実践 的な経験に基づく技能や知識を持ち, 問題を深く理解 し,正確に素早く解決し, 優れた自己モニタリングス キルを持つと言われており(Feltovichら,2006),各領 域における熟達者になるには,最低でも10年の経験 が必要であるという熟達者の10年ルールが提唱され ている(Kellogg, 2006)。このルールは,ただ単に時間 さより質の重要性を示している(Ericsson, 2006)。 Dreyfusら(1986/1987)は,技能獲得の5段階のプロ セスを示しており,第1段階は判断する為の規則を覚 える「初心者」の段階,第2段階は学んだ技能を文脈の 中で捉えられる「新人」の段階,第3段階は状況を整理 して計画を立てその計画に基づいて最も重要なことを 選択できる「一人前」の段階,第4段階は自己の経験に 照らし合わせて状況を全体的に把握する「上級者」の 段階,最後の第5段階は過去の経験に基づいて直観的 に意思決定でき,流れるように切れ目なく行動できる 「熟達者」の段階としている。 Dreyfusら(1986/1987)は,各段階の経験年数を具 体的数値で示していないが,先述した10年ルールに 基づくと第1段階から第4段階まで最低10年かかると 考えることができる。熟達助産師を対象とした先行 調査では,助産師経験年数の設定には5年∼20年と大 きく差があり(Jamesら,2003;渡辺ら,2006),それ 以外の指標には分娩介助件数や上司の評価があるが, 分娩介助件数は100件以上または1000件以上(小西ら, 2006;渡辺ら,2006),上司の評価は具体的内容が示 されておらず(Kennedy, 2000; Lundgren & Dahlberg, 2002),熟達助産師を示す客観的な指標として一定の 見解は得られていない。Ⅲ.研 究 方 法
1.調査対象 調査期間は2007年2月から5月である。施設は,北 海道内で産科診療を行う78ヵ所の病院・診療所と全 国338ヵ所の助産院を選択し,各施設の助産管理責任 者に調査協力を依頼した。その結果,承諾が得られた 施設は,病院・診療所が47ヵ所(60.3%)助産師数553 名,助産院が107ヵ所(31.7%)助産師数215名であった。 合計768名の助産師に質問紙と返信用封筒を郵送した。 2.調査方法 データは自記式質問紙(郵送法)にて収集した。 質 問紙の内容は,基本属性(年齢・助産師経験年数・ 分娩介助件数・就業施設など)と産婦ケアを実施する 上で必要な情報177項目である(表1)。これらの項目 は,主に日本の助産師が持つべき実践能力と責任範 囲(日本助産学会,1999),基本的助産活動の必須能力経験10年以上の助産師の産婦ケアにおける経験と重要な着目情報の関連
(国際助産師連盟,2002),The Core Competencies For Basic Midwifery Practice(American College of Nurse-Midwives, 2002)の他,先行研究や助産師へのプレイ ンタビュー,研究者の経験に基づき作成した。各項目 への回答には5段階リッカートスケールを用いて全く 着目しない(1点),殆ど着目しない(2点),時々着目 する(3点),かなり着目する(4点),常に着目する(5点) とし着目度を測定した。 3.分析方法 分析は,統計ソフトSPSS15.0 for Windowsを用いて 質問紙の177項目について因子分析(主因子法,プロ マックス回転)を行った。因子負荷量0.40以上の項目 を選択した結果,固有値1以上の因子として17因子82 項目に分類された。次に,着目情報17因子と助産師 経験年数(以下経験年数とする)および分娩介助件数 (以下分娩件数とする)の関連をみる為に,経験年数 および分娩件数による二元配置分散分析を行った。 経験年数の分類基準を検討する為,対象者を経験5 年未満群,5∼10年未満群,10年以上群で分類し17因 子の着目の差を分析した。その結果,5年未満群と5∼ 10年未満群の比較では17因子中6因子に差があり(p <0.05),5年未満群と10年以上群の比較では17因子中 13因子に差が示された(p<0.05)。この結果から,経 験年数5∼10年の間に情報の着目に変化が起こってい ると予測し,熟達の10年ルールの理論的背景も示さ れていることから客観的指標として10年で分類した。 分娩件数の分類基準を検討する為,対象者を100∼ 500件の間で分類し17因子の着目の差を分析した。そ の結果,100件未満と100件以上の比較では17因子中 12因子に差があり(p<0.05),500件未満と500件以上 の比較でも17因子中13因子に差が示され(p<0.05), 分娩件数の増加は情報の着目に経験年数ほど関連して いない可能性が予測された。そこで,二元配置分散分 析を行うにあたり,経験年数を10年で分類したこと を考慮し,助産師経験10年未満の助産師の中央値160 件(範囲6∼1,000,SD=145)に基づき300件とした。 4.倫理的配慮 本研究は,札幌医科大学研究倫理審査委員会の承認 (承認番号第18-12号)を得て実施した。任意参加であ り匿名性を保持し,質問紙の回収は助産管理者を通さ ず個別に返送するよう配慮した。
Ⅳ.結 果
768名の助産師に質問紙を郵送した結果,437名より 回収され(回収率56.9%),有効回答数は433名(有効 回答率56.4%)であった。 1.対象者の背景 本研究の対象者の背景を示す(表2)。対象433名の うち,病院・診療所に勤務する助産師306名(70.7%), 助産院に勤務する助産師122名(28.2%)であった。年 齢は平均38.1 12.2歳(23∼87),経験年数は平均13 年3ヵ月 11年6ヵ月(10ヵ月∼66年)で,10年未満 45.7%,10年以上54.3%であった。分娩件数は,平均 値636件(6∼18,000),中央値300件,300件未満43.6%, 300件以上54.1%であった。 表1 質問紙の内容 1.分娩進行を判断するための情報 2.胎児の発育・健康状態を判断するための情報 3.産婦の心理状態を判断するための情報 4.産婦の個性と希望を把握するための情報 5.夫・家族の状況を判断するための情報 69項目 23項目 38項目 19項目 28項目 合 計 177項目 表2 対象者の背景(N=433) 項 目 人数(%) 年 齢 20代 30代 40代 50代 60代 70代 80代 未記入 124(28.6) 145(33.5) 104(24.0) 35( 8.1) 8( 1.8) 9( 2.1) 6( 1.4) 2( 0.5) 就業施設 病院・診療所 助産所/助産院 その他 306(70.7) 122(28.2) 5( 1.1) 助産師経験年数 5年未満 5∼10年未満 10∼20年未満 20年以上 103(23.8) 95(21.9) 152(35.1) 83(19.2) 分娩介助件数 100件未満 100∼300件未満 300∼500件未満 500∼1000件未満 1000件以上 未記入 69(15.9) 120(27.7) 84(19.4) 89(20.6) 61(14.1) 10( 2.3)項目が抽出された。各因子のCronbach's αは0.839∼ 0.965を示し内的整合性が認められた。17因子は,第1 因子「分娩進行に伴う産婦の身体的変化」,第2因子「上 の子の心理社会的状態」,第3因子「前回の分娩体験」, 第4因子「医療機器・検査・内診」,第5因子「出産場 所の環境」,第6因子「産婦の基本的ニーズ」,第7因子 「妊娠中の夫のサポート」,第8因子「産婦の内面的特 徴と不安」,第9因子「産婦の態度や言動」,第10因子「産 婦の年齢と体格」,第11因子「家族の状況」,第12因子 「産婦のケアの希望」,第13因子「間歇的聴取法による 胎児心拍」,第14因子「夫の体格」,第15因子「月と潮 の動き」,第16因子「夫の様子」,第17因子「産婦の嗜 好の習慣」であった。各因子に含まれる項目の詳細は 表3の通りである。 3.着目情報と助産師経験年数,分娩介助件数との比較 着目情報17因子について経験年数(10年未満と10年 以上)と分娩件数(300件未満と300件以上)の2要因2 水準の二元配置分散分析を行った。その結果,経験年 数の主効果が有意に認められたのは9因子あった(P< 0.01)。分娩件数の有意差は認められなかった。また, 経験年数と分娩件数の交互作用はなかった(表4)。 経験年数の主効果があった9因子は,経験10年以 上の助産師の方が10年未満と比較し着目度が有意 に高かった。その9因子の内容は,第2因子「上の子 の心理社会的状態」(p=.000),第3因子「前回の分娩 体験」(p=.001),第7因子「妊娠中からの夫のサポー ト」(p=.000),第8因子「産婦の内面的特徴と不安」 (p=.001),第11因子「家族の状況」(p=.005),第12因 子「産婦のケアの希望」(p=.000),第14因子「夫の体格」 (p=.001),第15因子「月と潮の動き」(p=.006),第17 因子「産婦の嗜好の習慣」(p=.002)であった。
Ⅴ.考 察
1.産婦ケアにおける助産師の着目情報 助産師が産婦ケアにおいて着目している情報は,17 因子(82項目)に分類された。この17因子は,助産師 が産婦ケアを行う上で大切にしている具体的な情報の 全体像を示していると考える。 17因子のうち,第1因子,第4因子,第9因子,第 10因子,第13因子,第17因子は,主に産婦の身体面 るため,助産師は言語的情報より身体に現れる変化か ら分娩進行を判断すると報告されている(Holly, 2000; Cheyneら,2006;渡辺ら,2006)。本調査においても 産婦の身体面を示す情報は17因子中6因子と多く,助 産師は産婦の呼吸や発汗・言動など主に視覚的に得ら れる情報と分娩監視装置や超音波診断装置など医療機 器から得られる客観的データから分娩進行を判断して いると考える。 次に,第2因子,第7因子,第11因子,第14因子, 第16因子は,上の子や夫など家族に関する因子であ る。助産師は,産婦の家族をケアの対象と捉え,家族 にとっても満足できる出産ケアを実践している(Holly, 2000;谷津,2003)。特に,上の子に関しては,健康 状態や性格,通園状況,出産する母親の姿をどのよう に受けとめるか,同時に産婦が上の子の存在をどのよ うに受け止めているかという母子の関係性など幅広い 情報に着目しており,出産が上の子に与える影響を考 慮しケアを選択していた。 夫に関しては,出産の場にいる夫の様子や体格,妊 娠期の夫のサポートや心理面に着目していた。夫のサ ポートや心理面は,産婦にとって良い影響となる場 合や分娩への集中を阻害する場合もある(Lundgren & Dahlberg, 2002)。しかし,産婦ケアを行う上で夫は 重要他者として注目すべき存在であり,助産師は夫を 理解する為に,妊娠期からの経過を通して夫がどのよ うにサポートしてきたのかに着目していると考える。 第3因子と第8因子は,産婦の内面的特徴や心理面 に関する因子であり,第3因子には前回の分娩体験に おける詳細な情報が含まれており,第8因子には産婦 の性格や思考の特徴など個性を示す情報が含まれてい た。Lundgren & Dahlberg(2002)は,自分自身の身体 と上手くコミュニケーションをとっていない女性の場 合,身体表現から分娩進行を判断する困難さを述べて いる。本調査において助産師は,産婦の身体面の表現 だけに捉われることなく,産婦の本来持っている価値 観や自己表現の仕方など産婦の内面を理解することに よって,身体表現と合わせて分娩進行を的確に捉えよ うとしていると推察する。 また,Beck(2004)は,前回の分娩体験は女性の記 憶に残り次の出産においても女性の心理面に大きく影 響すると述べている。本調査においても助産師は前回 の分娩体験に着目しており,その内容は努責や分娩台経験10年以上の助産師の産婦ケアにおける経験と重要な着目情報の関連 表3 産婦ケアにおける助産師の着目情報の因子分析の結果(主因子法 プロマックス回転) 項 目 第1 第2 第3 第4 第5 第6 第7 1.分娩進行に伴う産婦の身体的変化(α=.901) 産婦の眠気 産婦の顔色・表情(分娩進行との関連) 疲労の状況 産婦の雰囲気 産婦の呼吸状態 産婦の嘔吐 産婦の発汗の状況 産婦の心理状態 産痛の程度 産婦の手足の冷え 産痛の部位 産婦の努責の時期 .847 .812 .801 .799 .797 .772 .589 .512 .485 .482 .467 .460 .086 .115 .057 .074 .006 .069 .155 .014 .142 .081 .087 .049 .026 .082 .036 .030 .038 .033 .013 .044 .076 .013 .052 .132 .042 .066 .040 .063 .025 .117 .059 .084 .053 .160 .048 .106 .007 .097 .113 .004 .023 .037 .174 .020 .070 .178 .104 .104 .018 .014 .138 .050 .107 .062 .160 .124 .027 .018 .035 .061 .058 .001 .087 .017 .056 .049 .051 .161 .006 .179 .030 .113 2.上の子の心理社会的状態(α=.938) 上の子の言動 児出生に対する上の子の心理状態 上の子の年齢 上の子の社会背景(通園・通学状況) 上の子の性格 上の子の健康状態 産婦の様子が上の子に与える心理状況 上の子がそばにいるかいないかによる産婦の心理 妊婦健診時の上の子の様子 .073 .066 .005 .023 .013 .099 .011 .007 .018 .890 .854 .813 .800 .763 .640 .549 .496 .496 .000 .095 .119 .041 .082 .061 .063 .017 .145 .016 .022 .063 .007 .033 .020 .015 .035 .017 .029 .072 .054 .091 .030 .004 .013 .006 .080 .089 .055 .180 .106 .092 .024 .062 .012 .076 .078 .107 .184 .100 .100 .106 .168 .253 .369 3.前回の分娩体験(α=.930) 前回分娩時の努責開始の時期 前回分娩時の努責実施の有無 前回の分娩台使用の経験 前回分娩時の会陰保護の経験 前回の分娩体位 .034 .041 .034 .037 .062 .019 .033 .039 .003 .050 .943 .938 .849 .764 .625 .053 .022 .019 .059 .128 .035 .025 .037 .046 .145 .100 .007 .060 .097 .223 .020 .046 .050 .013 .005 4.医療機器・検査・内診(α=.880) 分娩監視装置による胎児心拍のパターン 分娩監視装置による胎児心拍数 分娩監視装置による陣痛観察 破水(エムニケーターなどの検査) 超音波所見に基づく胎児の推定体重 破水(内診) .029 .021 .095 .068 .037 .169 .060 .060 .088 .060 .015 .020 .031 .049 .038 .096 .036 .100 .977 .952 .795 .633 .575 .541 .002 .010 .005 .116 .060 .044 .002 .008 .033 .072 .038 .005 .015 .027 .030 .007 .025 .008 5.出産場所の環境(α=.913) 産婦が過ごす場所の照度 産婦が過ごす場所の音 産婦が過ごす場所の物品の配置 産婦が過ごす場所の雰囲気 産婦が過ごす場所の室温 .036 .060 .047 .032 .111 .007 .064 .066 .091 .136 .060 .042 .079 .010 .012 .046 .031 .053 .076 .003 .993 .868 .739 .726 .648 .033 .072 .068 .099 .063 .062 .128 .012 .075 .139 6.産婦の基本的ニーズ(α=.877) 分娩進行中の姿勢の希望 分娩進行中の動静の希望 分娩進行中の過ごし方の希望 分娩進行中に側にいて欲しい人の希望 分娩直後の母子早期接触の希望 .104 .066 .034 .059 .010 .050 .039 .050 .091 .008 .006 .067 .058 .015 .096 .054 .047 .006 .011 .107 .048 .104 .080 .087 .041 .839 .755 .730 .698 .483 .047 .016 .094 .049 .124 7.妊娠中の夫のサポート(α=.875) 今回の妊娠に対する夫の受止め 妊娠中の夫のサポート状況 前回の分娩に対する夫の受止め 両親学級などの夫の参加状況 妊婦健診時の夫婦のコミュニケーションの様子 .006 .029 .003 .047 .043 .066 .053 .020 .024 .094 .027 .025 .088 .198 .086 .060 .052 .030 .218 .078 .009 .120 .002 .067 .073 .059 .171 .113 .010 .079 .834 .783 .756 .660 .606 寄 与 率(%) 30.77 7.14 4.26 3.82 3.27 2.50 2.24 累積寄与率(%) 30.77 37.91 42.17 45.99 49.26 51.76 53.99
8.産婦の内面的特徴と不安 産婦の思考の特徴(産婦の心理との関連) 産婦の価値観・信念 産婦の思考の特徴(産婦の個性との関連) 産婦の自己主張の仕方 胎児に関する不安の有無 夫に関する不安の有無 産婦の性格 1.051 .896 .636 .610 .534 .483 .421 .005 .028 .144 .025 .062 .009 .069 .051 .044 .057 .107 .005 .002 .163 .069 .117 .121 .068 .008 .076 .057 .014 .029 .054 .038 .148 .054 .060 .024 .016 .016 .019 .037 .061 .053 .005 .003 .060 .038 .016 .042 .111 .047 .006 .076 .000 .120 .014 .185 .021 .017 .070 .011 .007 .015 .001 .019 .047 .022 .046 .050 .002 .093 9.産婦の態度や言動(α=.906) 産婦の態度 産婦の言葉 産婦の表情・顔色(産婦の心理との関連) 産婦の活動・言動 産婦の陣痛の受止め .009 .008 .027 .039 .106 .951 .897 .727 .724 .530 .072 .043 .096 .063 .008 .034 .028 .094 .043 .041 .048 .048 .024 .005 .092 .091 .002 .009 .031 .108 .118 .073 .011 .018 .041 .005 .038 .023 .016 .044 .014 .121 .079 .007 .026 .004 .032 .095 .008 .025 10.産婦の年齢と体格(α=.839) 産婦の体格 産婦の身長 妊娠中の体重増加 産婦の年齢 BMI .030 .010 .010 .061 .023 .043 .011 .074 .025 .041 .938 .894 .671 .546 .476 .042 .067 .005 .041 .039 .024 .035 .019 .093 .235 .005 .039 .014 .046 .020 .044 .108 .023 .040 .121 .018 .032 .010 .120 .016 .007 .008 .019 .059 .014 .012 .061 .195 .067 .171 11.家族の状況(α=.923) 産婦の側にいる家族(夫・上の子を除く)の様子 産婦の側にいる家族(夫・上の子を除く)の言動 産婦の側にいる家族(夫・上の子を除く)の気持ち 産婦の側にいる家族(夫・上の子を除く)の背景 .053 .071 .001 .057 .005 .010 .044 .039 .071 .023 .030 .008 .949 .934 .762 .670 .038 .005 .080 .011 .043 .037 .022 .013 .006 .024 .008 .039 .015 .017 .010 .061 .047 .067 .006 .090 .033 .003 .001 .077 12.産婦のケアの希望(α=.845) 臍帯切断の実施者の希望 臍帯切断の時期の希望 会陰保護実施の有無の希望 胎盤をみるかどうかの希望 .032 .068 .008 .040 .020 .021 .040 .033 .058 .020 .101 .011 .056 .054 .022 .011 .907 .854 .650 .455 .036 .002 .078 .186 .028 .044 .029 .024 .053 .059 .002 .008 .063 .032 .072 .062 .066 .057 .039 .086 13.間歇的聴取法による胎児心拍(α=.960) 間歇的聴取法による胎児心拍のパターン 間歇的聴取法による胎児心拍数 .016 .017 .022.012 .024 .002 .026 .030 .018.026 .993 .964 .003.021 .017.007 .021.003 .028.002 14.夫の体格(α=.972) 夫の体格 夫の身長 .023.028 .103.083 .091 .096 .034 .021 .068 .026 .008.008 .921 .914 .040 .021 .000 .017 .080.089 15.月と潮の動き(α=.857) 月の満ち欠け 潮の満ち干きの時間 .034.015 .067.020 .015.053 .013.038 .023.146 .011 .003 .018 .137 .918 .706 .053 .005 .074 .017 16.夫の様子(α=.965) 夫の言動 夫の表情 .003.014 .074 .013 .026.007 .027 .056 .022.008 .009.009 .008.010 .042 .026 .876 .846 .067.054 17.産婦の嗜好の習慣(α=.889) 産婦の喫煙の習慣 産婦の飲酒の習慣 .079 .036 .030 .089 .029 .075 .045 .037 .052.021 .010.022 .108.082 .072 .027 .055.068 .808 .796 寄 与 率(%) 2.00 1.84 1.64 1.45 1.33 1.26 1.24 1.17 1.08 0.73 累積寄与率(%)55.98 57.82 59.46 60.91 62.23 63.49 64.73 65.90 66.97 67.87
経験10年以上の助産師の産婦ケアにおける経験と重要な着目情報の関連 の使用,会陰保護を受けた経験など主に分娩第2期に 受けたケアの具体的な情報であった。 産婦の希望に関する因子には,第6因子と第12因 子があり,第6因子には姿勢や動静など産婦の基本的 ニーズ,第12因子には会陰保護や臍帯切断などに関 する情報が含まれていた。これらの着目情報には,助 産師の出産観や助産観が反映されていると考える。特 に,臍帯切断の時期や会陰保護の有無の希望など産婦 の多様なニーズに応える為には,助産師の専門的な判 断能力と技術が関連していると考える。 第5因子と第15因子は,産婦を取り巻く環境に関す る因子であり,産婦が過ごす場所の温度や湿度,音な ど環境の快適さを示す情報と,分娩進行の予測と月の 満ち欠けや潮の満ち干きなど自然界の動きに関連する 情報が含まれていた。月のサイクルと分娩の関連につ いては,分娩件数と関連がある(Ghiandoni G, 1998; 山 西 ら,1999), 関 連 は な い(Waldhoerら,2002; Morton-Pradhanら,2005)という報告があり見解は一 致していない。 2.着目情報と助産師経験年数および分娩介助件数の 関連 17因子の着目度と経験(経験年数および分娩件数) の関連を分析した結果,経験年数では有意差があっ たが分娩件数では有意差はなかった。経験年数と関 連を示したのは17因子中9因子であり,経験10年以上 の助産師は10年未満に比べ,9因子の着目度が有意に 高かった。9因子の内容は,産婦の内面的特徴や心理 面,上の子や夫など家族の状態,臍帯切断の時期や会 陰保護など産婦のケアの希望,月や潮など自然界の 動きであった。一方,経験年数で差がなかった8因子 は,産婦の身体面や医療機器のデータ,出産場所の環 境など主に視覚を用いた観察や医療データなどの判読 によって客観的に観察できる情報であった。Benner (1999/2006)は,すぐれた臨床判断はすぐれた臨床実 践を反映しており,判断は知覚したものによってのみ 下すことができると述べている。従って,本調査で明 らかになった経験年数により差のあった着目情報は, 助産師のケア能力を反映していると考える。 経験年数で差があった9因子は,産婦や家族の心理 面を観る洞察力やコミュニケーション能力,産婦と家 族の多様なニーズへの対応能力であり,豊富な経験に よって培っていることが推察される。熟達の10年ルー ルでは,10年の経験を経れば自動的に専門的な知識や 技術が身につくわけではなく,最初の10年間の準備期 間にいかによく考えられた実践を積んできたかが重要 と言われている(Ericsson, 2006)。このことから,本 調査においても10年以上の助産師の能力の背景には, 表4 因子別着目得点と経験年数および分娩件数の二元配置分散分析の結果 因 子 経験年数 Mean(SD) 分娩介助件数Mean(SD) 10年未満 10年以上 F P 300件未満 300件以上 F P 第 1 因子:分娩進行に伴う産婦の身体的変化 第 2 因子:上の子の心理社会的状態 第 3 因子:前回の分娩体験 第 4 因子:医療機器・検査・内診 第 5 因子:出産場所の環境 第 6 因子:産婦の基本的ニーズ 第 7 因子:妊娠中の夫のサポート 第 8 因子:産婦の内面的特徴と不安 第 9 因子:産婦の態度や言動 第10因子:産婦の年齢と体格 第11因子:家族の状況 第12因子:産婦のケアの希望 第13因子:間歇的聴取法による胎児心拍 第14因子:夫の体格 第15因子:月と潮の動き 第16因子:夫の様子 第17因子:産婦の嗜好の習慣 4.32(0.48) 3.55(0.73) 3.02(0.97) 4.58(0.63) 4.08(0.67) 4.53(0.54) 3.51(0.82) 3.93(0.63) 4.56(0.48) 4.01(0.61) 3.31(0.76) 3.24(1.08) 4.02(1.17) 2.45(1.03) 2.87(1.07) 4.31(0.72) 3.58(0.83) 4.44(0.50) 3.94(0.76) 3.34(1.04) 4.39(0.73) 4.19(0.73) 4.63(0.50) 3.90(0.76) 4.19(0.62) 4.62(0.50) 4.02(0.69) 4.02(0.77) 3.79(1.06) 4.30(0.92) 3.00(1.12) 3.28(1.16) 4.29(0.71) 3.91(0.92) 3.22 13.56 11.10 1.84 0.16 3.20 16.48 10.53 1.45 0.50 7.88 14.81 1.81. 11.88 7.53 0.08 9.56 n.s 0.000 0.001 n.s n.s n.s 0.000 0.001 n.s n.s 0.005 0.000 n.s 0.001 0.006 n.s 0.002 4.34(0.49) 3.59(0.72) 3.14(0.97) 4.59(0.62) 4.05(0.70) 4.55(0.52) 3.59(0.81) 3.99(0.66) 4.58(0.47) 4.04(0.62) 3.89(0.75) 3.32(1.05) 4.01(1.17) 2.51(1.08) 2.94(1.12) 4.31(0.71) 3.65(0.86) 4.42(0.50) 3.90(0.79) 3.23(1.06) 4.38(0.73) 4.20(0.71) 4.60(0.53) 3.82(0.81) 4.14(0.62) 4.61(0.50) 4.00(0.68) 3.95(0.79) 3.71(1.12) 4.30(0.93) 2.94(1.11) 3.22(1.13) 4.29(0.72) 3.85(0.91) 0.02 1.28 1.54 2.64 2.41 0.10 0.02 0.00 0.04 0.78 1.07 0.52 2.13 1.64 0.23 0.01 0.00 n.s. n.s. n.s. n.s. n.s. n.s. n.s. n.s. n.s. n.s. n.s. n.s. n.s. n.s. n.s. n.s. n.s. 二元配置分散分析;p値は経験年数 分娩件数の主効果を示す n.s. non-significant 助産師経験年数(10年未満n=198,10年以上n=235) N=433 分娩介助件数(300件未満n=189,300件以上n=234)
産婦の表情や呼吸,発汗などの変化をキャッチし,医 療機器のデータと合わせて分娩進行を判断していく能 力,出産場所の快適な環境を整備する能力であり,こ れらは10年未満の経験の中で獲得していると考える。 松尾(2006)は,10年間の中でも特に10年後半(6∼10 年)の経験は,経験学習の効果を左右する信念が形成 されるため重要であると述べている。臨床において 10年未満の助産師の経験は,産婦の身体面の観察力, 客観的データによる分娩進行の判断能力を身につける と同時に,助産師の出産観や助産観の形成を促すこと が重要と考える。 3.実践への示唆と今後の課題 本調査の結果は,産婦ケアにおいて助産師が着目し ている具体的な情報の全体像を示すものであり,臨床 における観察やケアの視点が明らかになった。更にそ れらの情報は,分娩件数との関連はなかったが経験年 数と関連があることがわかった。このことから,10年 未満の助産師はどのような臨床能力を獲得し,同時に 10年以上で示されたケア能力をどのように訓練する かを考えるための具体的指標になる。しかし,本調査 では経験10年以上の助産師が,どのような経験を通 して産婦の内面や家族を観る能力を修得したのか,そ の具体的な経過は明らかではない。今後の課題は,こ れらのケア能力がどのような経験によって培われるの かについて明らかにすることによって,熟達助産師が 獲得した能力を次世代に伝承することが可能になると 考える。 4.研究の限界 調査対象となった病院・診療所が北海道内に限定さ れていること。また,施設の規模・助産師数,役職な どはコントロールしていない 今回の研究では,病院・診療所に勤務する助産師 が約7割を占め助産院に勤務する助産師が約3割と差 があり,更に各就業施設の助産師の属性(年齢・経験 年数など)に差があった為,就業施設での比較分析は 行わなかった。しかし,病院と助産院では,ケア形態 が異なる為,今後は病院・診療所の道外を加え,更に 各々のデータ数を増やし検討する必要があると考える。 1.産婦ケアにおける助産師の着目情報は17因子(82 項目)あり,その内容は産婦の身体面と児の健康状 態,産婦の内面的特徴や心理面,上の子や夫など家 族,産婦の希望,産婦を取り巻く環境などであった。 2.着目情報17因子と経験年数の比較では,経験10 年以上の助産師は10年未満と比較し9因子の着目度 が有意に高く,その内容は産婦の内面的特徴や心理 面,上の子や夫など家族の状態,臍帯切断の時期や 会陰保護などケアの希望,月や潮の自然界の動きで あった。 3.経験年数と有意差がなかった因子は8因子であり, その内容は産婦の身体面や医療機器のデータ,室内 の環境などであった。 4.着目情報17因子と分娩件数との関連はみられな かった。 謝 辞 調査にご協力頂きました助産師の皆様と女性健康看 護学専攻のクラスの皆様に心から感謝致します。また, 経験学習や分析方法についてご指導下さいました小樽 商科大学の松尾睦教授,統計的処理に関してご助言下 さいました札幌医科大学の片倉洋子准教授に深謝致し ます。 本研究は札幌医科大学学術振興会の助成を得て行っ た。 文 献
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