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第12回日本助産学会学術集会集録ワークショップ

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Academic year: 2021

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ワ ー ク シ ョ ッ プ1:助 産 婦 の ケ ア の 評 価

助産 婦のケアの評価

座長:茨 城県立医療 大学 加 納 尚 美 〈 はじめに 〉 今 回 の メ イ ンテ ーマ 「助 産婦 の 自律 へ のチ ャ レ ンジ」 を受 けて 、 この ワー ク シ ョ ップ で は次 の よ うな 意 図 で企 画 され た もの と して私 は と らえ てい る。 す な わ ち 、 自律 した専 門 職 と して助 産 婦 は受 け手 に ど の よ うな質 の ケア を提 供 して い くべ きか 、そ の 根拠 とな る評 価 基 準 とは何 か。 ま た、 質 の 高 い ケア を提 供 して い く助 産 婦 の実 践 能 力 や仕 事 の範 囲 と は具 体 的 に何 を指 す の か。 そ れ らを支 え る助 産 婦 の 倫理 や 規 範 は何 を拠 り所 と して い るの か 。 以 上 、 大 変難 しい 課題 で は あ る が、 助 産婦 の行 う ケ アの独 自性 や 専 門性 に つ い て よ り内 実 を と もな っ た議 論 へ と発 展 す る に ちが い ない 。 そ こで 、3人 の研 究 者 ・実 践 家 が前 述 の 課 題 に対 して 個 々の研 究 や 実践 例 か ら、様 々 な角 度 か らお話 し して い た だ く予定 で あ る。 司 会 と して は 、 ス ピ ー カー の 方 々 の内 容 濃 い 発表 と会 場 の 皆 様 が 個 々に感 じ方 ・思 考 ・疑 問 等 を 「つ なげ」 、様 々 な視 点 や角 度 か ら討論 を 「つ み あ げ」 、次 へ の助 産 学 の 知 を 「つ くりあげ る」 べ く役割 が とれ た らと願 っ てい る。 その た め に討 議 の 時 間 も比 較 的 ゆ っ た り企 画 され て い る。 〈医 療 全 体 の中 での 「質 の評 価 」の概 要 〉 さて、 今 回 の テ ーマ 「助 産 婦 の ケ ア の評 価 」 に つ いて ご一 緒 に考 え る前 に、す で に 周 知 に方 も多 い と 思 わ れ るが 医療 全 体 で の この話 題性 を概 観 して い る。 近 年 、 医療 の 質の 確 保 ・改 善 の 視点 か ら、医 療 技 術 そ の もの の 評 価 とと もに、医 療 の 「質 の評 価」 の重 要性 が 指摘 され てい る。特 に 「質 の評 価 」 にお い て は 、受 け 手 側 の評 価 が重 視 され てい る。 「質の 評 価」 に は、 構造 、過 程 、 結 果 ・満足 度 とい う3つ の 切 り口 が あ り、 そ れ ぞ れ に長所 ・短 所 が指 摘 され て お り、使 用 す る 目的 に よ って よ り適 切 な方 法 も変 わ って くる とい わ れ て い る(表1参 照)。 また 、 新 しい視 点 と して は 自己 評価 だけ で は な く第 三 者 的 な専 門 家 に よる 中立 的 ・客 観 的 な評 価 が 試 み られ て い る(図1)。 こ う した動 向 を助 産 ケア も受 け て立 たな くて は な らな い時 代 で あ る と も言 える。 二 人 の研 究者 か ら は 「ケ ア の質 の 評価 」 の 方法 論 を各 々ユ ニ ー ク な切 り口で 活 用 し、 助 産 婦 の ケ ア の質 とそ の 内容 の分 析 、 改 善 の手 段 に まで発 展 させ 論 じられ る。 実 践家 の方 か ら は、 受 け手 の 強 烈 なニーズ の 表 明 に よ って 、 それ まで の ケ アの 構造 の枠 自体 が変 化 し、 過 程 評 価 が相 互 作 用 に よ っ て変 化 し、 結 果 に 大 き く反 映 され る こ とを具 体 的 な実 践 例 の紹 介 に よ り期 待 され る。 〈受 け手 からの揺 さぶ りの時 代 〉 前述 の よ うな 潮流 は、 従 来 の 医療 の役 割 モ デ ル を揺 さぶ りつ つ あ る と言 え るの で は な い か 。昨 年 出版 さ

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れた 「WHOの59ヶ 条 お産 の ケ ア実 践 ガ イ ド」(戸 田律 子訳 農 文協1997)の 中 で 強 調 されて い る イ ンフ オー ム ドチ ョイ ス は、 医療 者 と産 む 人 の関 係 が 対 等 で なけ れ ば実 現 が 難 しい 。 また 、産 む人 達 の沈 黙 を声 に して ま とめ 、次 ぎ に経験 す る人 達 に伝 え るべ く「私 た ちの お産 か ら、 あ なた の お 産へ 」(ぐ る ーぷ ・き りん 、メデ ィカ出版1997)か らは 、多 くの産 む 人達 は妊娠 か ら育児 期 にお い て ケ アや処 置 につ いて も知 られ て い ない 事 が 多 か った り、誰 が 助 産婦 か もわ か りに くか っ た りす る状 況 もあ る。 聞 き出 す 人 が いて 現 れ て きた生 の 声 の 数 々、 そ して ま た私達 助 産 婦 が 「助 産 婦 の ケ ア」 を受 け てか ら評価 して も ら うに も 「助 産 婦」 とい う存 在 が み え に くい とい う現実 もあ る こ と。 こ う した産 む人達 か らの揺 さぶ り は、 あ る意 味 で は ケ アの 検 証 の原 点 と も言 える か も しれ な い。 よ く引 用 さ れ る 事 が 、 英 語 のmidwifeは 「女 性 と と も に あ る」 とい う 意 味 と い う こ と 。 こ れ に つ い て は 社 会 学 者 の ロ ー ス マ ン は 「単 に 物 理 的 に そ ば に い る の で は な く、 一 つ の イ デ オ ロ ギ ー で あ り … 助 産 婦 に期 待 す るの は 、新 た な イデ オ ロギ ー の 土台 で あ り、 その 結果 と して 出産 に対 す る知 識 の新 しい 展 開 の 可 能性 で あ る。」 「母 性 をつ くりなお す」(広 瀬 洋子 訳勁 草 書 房1996)と 述 べ て い る。 こ の言 葉 は ま さに助 産婦 の 自律 へ の チ ャ レンジ につ い て 言 及 して い る よ うだ 。 「評 価基 準 」 を問 うこ とは 、 「助 産 学 独 自の 知」 の世 界 の 構築 を問 うこ とに もな るで あ ろ う。 (表1)質 の 評 価 は構 造 、 過 程 、 結 果 ・満 足 度 (図1)我 が国 にお ける医療 の質 の評価 の流 れ 厚生 省:厚 生 白書(平 成9年 版)ぎ ょうせい ―39―

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ワ ー ク シ ョッ プ1:助 産 婦 の ケ ア の評 価

分娩期のケアの質の評価

聖隷 ク リス トファー看護 大学 藤 本 栄 子 1.は じめ に 医 療 の 中 心 が キュアか らケアに 移 行 す るに ともな い 、そ のケア の 質 が 問 わ れ るようにな ってきた。 また、女 性 に とって の 出 産 は 子 どもを安 全 に 産 む ことに止 まらず 、家 族 も含 め て満 足 の い く体 験 とな ることが 望 まれ ている。一 方 、助 産 婦 はこの 時 期 のケ アを 中 心 に担 ってお り、特 に 、助 産 婦 による分 娩期 ケアの 質 は 、産 婦 の 出 産 体 験 の質 と密 接 に関 連 す ると考 えられ る。そ の ため 、助 産 婦 はマ タニ テ ィー サ イクル に生 じる健 康 現 象 に関 して 、専 門 家 として 自分 たち が 提 供 したケア の 質 を 常 に 振 り 返 り評 価 し、高 め てい くことが 求 め られ てい る。これ まで 、わ れ わ れ は 質 の保 証 モ デ ル に 基 づ き、助 産婦 と産 婦 に よる分 娩 期 ケ アの 評 価 に 関 す る研 究 を重 ね てきた。そ こで 、わ れ わ れ の研 究 の 概 要 を説 明 し、今 後 の方 向 性 に つ い て提 示 した い。 II.ケ ア の質 の 評 価 方 法 1960年 代 にDonabedianは 、ケアの 質 をケア構 造 、ケア過 程 、ケア結 果 という相 互 関 連 しあう 3つ の 構 成 要 素 によって成 立 して いると定 義 した。そ して、ケ アの 質 をこの3側 面 の 基 準 によって測 定 し、評 価 で きると論 じて い る。この 質 の保 証 モ デ ル にお けるケア 構 造 とは 、看 護 を行 って いく上 で の条 件 や 特 性 と考 えられ 、資 源 の 量 や 組 織 体 制 などを示 している。具 体 的 に は 、人 的 資 源 、環 境 的 資 源 、組 織 的 資 源 、心 理 的 資 源 、看 護 基 準 などがあげ られ る。ケア過 程 は 、実 際 に行 われ て い る実 践 の 状 況 である。ケア 結 果 は 、実 践 の 成 果 あるいは 実 践 した ことか ら引 き起 こされ る患 者 の 状 態 を示 してい る。 III.本 研 究 に お け る「 ケ ア の 質 の 保 証 」 の 枠 組 み と 測 定 用 具 本 研 究 では 、文 献 を 参 考 に 質 の保 証 モ デ ル に 基 づ いて 、分 娩 期 ケ アの 質 の 評 価 を行 うた め の 構 成 要 素 を抽 出 した(表1参 照)。また 、これ らの構 成 要 素 の うち 、産 婦 が 受 け たケア の構 造 変 数 を 医 療 介 入 、過 程 変 数 をサ ポ ー ティブケア と日常 生 活 援助 、結 果 変 数 を分 娩 期 サ ー ビス満 足 度 と出 産 満 足 度 と外 傷 体 験 の 各 質 問 紙 で測 定 した 。また、助 産 婦 の提 供 したケ アは 構 造 変 数 を勤 務 経 験 年 数 、過 程 変 数 をサ ポ ー ティブ ケアとモ ニ タリン グケア、結 果 変 数 を仕 事 満 足 の 各 質 問 紙 で 測 定 した。さらに 、環 境 の 構 造 変 数 として病 棟 形 態 とケアの継 続 性 を 挙 げ た。 IV.研 究 結 果 1.助 産 婦 変 数 間 の 関 連 お よび 助 産 婦 変 数 と環 境 変 数 の関 連 ① 勤 務 経 験 年 数 は サ ポー テ ィブ ケアとモ ニタリングケアの得 点 と関 連 が あった。

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② サ ポー ティブ ケアとモ ニタリングケアとの 間 に相 関 関 係 が認 められ た。 ③ 仕 事 満 足 は サ ポー ティブ ケア、モニタリングケ アとの 間 に 相 関 関係 が認 め られ た。 ④ 継 続 ケア 実 施 の有 無 は 、仕 事 満 足 度 と関 連 があった。 2.産 婦 変 数 間 の 関 連 および 産 婦 変 数 と環 境 変 数 の 関連 ① サ ポ ー ティブ ケ アと 日常 生 活 援 助 は 、分 娩 期 サ ー ビス満 足 度 、出 産 満 足 度 、外 傷 体 験 とい ず れ も相 関 関 係 が認 め られ た。 3.施 設 毎 の 産 婦 変 数 と助 産 婦 変 数 お よび産 婦 変 数 と環 境 変 数 の関 連 ① 産 婦 が 認 知 した サポ ーテ ィブケアと助 産 婦 が認 知 したサ ポー ティブ ケア との 間 に相 関 関係 が あった。 ② 産 婦 が 認 知 した 日常 生 活 援 助 と助 産 婦 が認 知 したサ ポー ティブ ケアとの 間 に相 関 関係 があ った。 ③ 産 婦 の 分 娩 期 サ ー ビス満 足 度 と助 産 婦 のサ ポー ティブケアとの間 に相 関 関 係 があった。 ④ 病 棟 形 態 と産 婦 の 変 数 である医療 介 入 、サ ー ボティブケ ア、日常 生 活 援 助 、分 娩 期 サ ー ビ ス満 足 度 、出 産 満 足 度 との 間 に関 連 があった。 V.今 後 の 研 究 の 方 向性 「看 護 の 質 の 保 証 とは最 善 の看 護 ケアを提 供 す ることを保 証 するため のプ ロセスを意 味 し、患 者 に対 して 行 う看 護 ケアと、それ が患 者 にもた らす 結 果 を常 に吟 味 しなが ら、ケア をよりよいもの に改 善 して い く継 続 的 な 活 動 である」といわ れ て いる。そ のた め 、われ われ の 研 究 も現 在 、継 続 中で あり、助 産 婦 は どのような 質 のケアを提 供 してい るの か 、助 産 婦 が提 供 す るケ アの 質 は妊 産 褥 婦 にとって適 切 で 意 味 あるもの であるのか 、環 境 は 質 の 高 い ケアを生 み 出 す 素 地 をもっている かな どの評 価 を繰 り返 し、臨 床 に フィー ドバ ックす ることによってケア の改 善 や 変 革 に 貢 献 したい と考 えて いる。今 後 は質 の 評 価 を行 うため の構 成 要 素 を再 検 討 し、妊 娠 ・分 娩 ・育 児 期 を通 した ケアの 実 態 を評 価 していきたい。 表1各 構 成要 素 の変数 と測 定用 具 ―41―

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ワ ー ク シ ョ ップ1:助 産婦 の ケ ア の 評価

助 産 婦ケア改善 の 手 段 としての評 価

長野県看護大学 野 口 眞 弓 看 護 ケ ア を 提 供 す る こ とで 、 ケ ア の 受 け 手 に は 痛 み や 不 安 の 軽 減 、 あ る い は ケ ア に 対 す る 満 足 、 ケ ア 提 供 者 に は ケ ア提 供 に対 す る満 足 とい うケ ア 結 果 が 得 られ る。 こ の結 果 は 、 病 棟 サ イ ズ 、 看 護 婦 数 、 職 場 風 土 とい うケ ア 構 造 、 あ るい は どの よ うに ケ ア を提 供 した か とい うケ ア 過 程 に よ り左 右 され る。こ の よ うに 看 護 ケ ア の質 は、ケ ア構 造 、ケ ア過 程 、ケ ア 結 果 とい う基 準 か ら評 価 で き る(Donabedian, 1969)。 1.助 産 婦 の仕 事 の満 足 ま ず は 、 助 産 婦 ケ ア を ケ ア の提 供 者 で あ る助 産 婦 の 視 点 か ら分 析 して み る。 特 定 の 助 産 婦 ケ ア に 限 定 で き ない が 助 産 婦 の仕 事 全般 に 対 す る満 足 をみ て み る と 、 病 院 で 勤 務 す る助 産 婦 の うち14.5% が 仕 事 に 満 足 して い る にす ぎず(日 本看 護 協 会,1993)、 助 産 婦 学 校 卒 業 後5年 も経 過 す る と、 そ の 半 数 以 上 が 燃 え尽 き とそ の 兆 候 者 にな る(松 岡 ら,1994)と い う調 査 が あ る。Donabedian(1969)の モ デ ル に 基 づ く と、 助 産 婦 の仕 事 の 満 足 は ケ ア結 果 と な る。 助 産 婦 の 仕 事 全 般 に対 す る 満足 に は 、 ケ ア 構 造 で は看 護 方 式 と承 認 、ケ ア 過 程 で は 分 娩 介 助 の 主 導権 が か か わ って い る こ とが 、病 院 で 働 く460 名 の 助 産 婦 を対 象 に 調 査 結 果 か ら明 らか に な った(野 口,1995,1996)。 以 下 で は 、 助 産 婦 の仕 事 全 般 に 対 す る満 足 に 関 係 す る要 因 に つ い て 説 明 した 。 1)看 護 方 式 看 護 方 式 を プ ライ マ リー ・ナ ー シ ン グ 、 チ ー ム ・ナ ー シ ン グ 、機 能 別 看 護 に 分 類 して 、 助 産 婦 の 仕 事 の 満 足 を比 較 す る と、 プ ライ マ リー ・ナ ー シ ン グ群 は 、機 能 別 看 護 群 に 比 べ 仕 事 の 満 足 が 高 か っ た。 2)承 認 助 産 婦 の 仕 事 に お け る承 認 とは 、 助 産 婦 が 他 者 か ら仕 事 を 認 め られ て い る と感 じ、助 産 婦 自身 も 仕 事 を 肯 定 的 に 捉 えて い る こ と と して 、 そ の構 成 概 念 を明 らか にす るた め に 因 子 分 析 を 行 っ た 。 そ の 結 果 、 第1因 子 「上 司か らの信 頼 と権 限委 譲 」、 第2因 子 「医 師 か ら の 尊重 」、 第3因 子r同 僚 か らの 保 証 」、 第4因 子r患 者 や 家 族 との 親 しい 関 係 」、 第5因 子 「脅 か され な い 」 とい う5因 子 か ら構 成 さ れ て い た 。 承 認 と仕 事 の満 足 に はr=0.45と い う正 の 相 関 が 認 め られ た 。 これ は 、 承 認 され て い る と 感 じる ほ ど仕 事 の満 足 が 高 ま る とい う結 果 だ った 。 3)分 娩 介 助 の 主 導 権 正 常 分 娩 の 介 助 は 、助 産 婦 も医 師 も と もに 行 うこ とが で き、 多 く の 病 院 で助 産 婦 と医 師 が 共 に 分 娩 に 立 ち会 うこ とが 多い 現 状 に あ る。 この 場 合 、 分 娩 介 助 を主 導 す る の は 、助 産婦か医 師か とい う主導 権 が 問 題 とな る。 そ こ で 、分 娩 介 助 の 主 導 権 を助 産 婦 主 導 群 、 医 師 との 共 同 作 業 群 、 医 師 主 導 群 に わ け 仕 事 の 満 足 を 比 較 す る と、助 産 婦 主 導 群 は 、 医 師 主 導 群 よ りも仕 事 の 満 足 が 高 か っ た。 2.母 乳 育児 ケアの質の評 価 次 に 、 助 産 婦 ケ ア を ケ ア の 受 け 手 の 視 点 か ら分 析 して み る。 助 産 婦 ケ ア の な か で 母 乳 育 児 ケ ア に 限 定 して 、 そ の ケ ア 過 程 の 良否 に お け るケ ア 結 果 の違 い を明 らか に した い と考 えて い る。 そ の た め に

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は 、 ま ず は母 乳 育 児 ケ ア 過 程 を明 らか に し、 母 乳 育 児 ケ ア結 果 を測 定 す る必 要 が あ る。 以 下 で は 、母 乳 育 児 ケ ア過 程 とそ の 結 果 の 測 定 に つ い て 説 明 した 。 1)母 乳 育 児 ケ ア 過 程 母 乳 育 児 ケ ア過 程 をま ず は 助 産 婦 の視 点 か ら明 らか にす る た め に 、 病 院 と助 産 所 で26名 の 助 産 婦 が41名 の母 親 に 対 して 提 供 した 乳 房 マ ッサ ー ジや 授 乳 で の援 助 の場 面 を参 加 観 察 し、 助産 婦 が 提 供 して い る ケ ア の 内容 を分 析 した 。 そ の 結 果 、 母 乳 育 児 ケ ア は 、 「母 親 へ の接 近 」、 「母 親 の 気 掩 ち へ の か か わ り」、r母 親 へ の 技 術 提供 」とい う3つ の カ テ ゴ リー に分 類 で き 、な か で も 「母 親 へ の技 術 提 供 」 が 全 デ ー タ の 過 半 数 を古 め てい た 。 さ らに 、 母 乳 育 児 ケ ア を構 成 す る カ テ ゴ リー は 、 「母 親 へ の接 近 」 が4つ 、 「母 親 の 気 持 ち へ の か か わ り」が3つ 、 「母 親 へ の技 術 提 供 」 が4つ の サ ブ カ テ ゴ リー か ら構 成 され て い た 。 次 に 、 母 乳 育 児 ケ ア の 受 け 手 が 、 助 産 婦 が 提 供 して い る母 乳 育 児 ケ ア を 評 価 す る こ とで 、 ケ ア の 受 け 手 の 視 点 か らみ た ケ ア過 程 の 評 価 とな る。 そ こ で 、母 乳 育 児 ケ ア を構 成 す るカ テ ゴ リー お よび サ ブ ・カ テ ゴ リー に対 応 す る よ うに質 問 項 目 を作 成 して 、 ケ ア の受 け手 が ケ ア過 程 を 評 価 で き る よ うに した 。 2)母 乳 育 児 ケ ア 結 果 母 乳 育 児 ケ ア 結 果 と して 、助 産 婦 へ の 信 頼 、 セ ル フ ・エ フ ィ カ シ ー 、 現 在 の 授 乳 状 態 とそ れ に 対 す る満 足 を 考 え て い る。 質 の高 い 母 乳 育 児 ケ ア を 提 供 され れ ば 、 そ れ を 提 供 した 助 産 婦 に 対 す る信 頼 が 高 ま る と予 測 され る。 ま た 、 ケ ア の受 け 手 は 出 産 か ら断 乳 ま で の約1年 間 、 変 化 す る状 況 に 自 ら の 力 で 対 処 す る こ とが 要 求 され る の で 、 母 乳 育 児 ケ ア を慢 性 疾 患 の 患 者 に 行 うの と 同様 の 患 者 教 育 と し て と らえ る こ とが 可 能 で あ る。 この 場 合 の ケ ア の結 果 して は 、 セ ル フ ・エ フ ィカ シー を 高 め る こ とが 期 待 され る。 そ して 、 母 乳 栄 養 か 混 合 栄 養 か とい う授 乳 状 態 は 、 母 乳 育 児 ケ ア 結 果 を 客 観 的 に 評 価 す る指 標 と して 用 い る。 しか し、 ケ ア の 受 け 手 に よる 母 乳 育 児 ケ ア の 質 の 評 価 との 関 連 性 を み るた め には 、 授 乳 状 態 を ケ ア の 受 け 手 が ど う評 価 して い るか とい う満 足 も こ れ と合 わ せ て 知 る 必 要 が あ る。 母 乳 栄養 の 確 立 とい う客観 的 な 成 功 は 、 ケ ア の 受 け 手 の 努 力 は 不 可 欠 で あ るが 、 ケ ア の 受 け手 の 乳 房 と新 生 児 との つ りあ い の 良 否 や 、 新 生児 の 哺 乳 意 欲 と も関 連 して い る 。 た と え 母 乳 だ けで 育 て られ な く て も、 十 分 な 母 乳 育 児 ケ ア を受 け 、 自身 も努 力 した な らば 、 ケ ア の 受 け 手 は 授 乳 状態 に満 足 で あ る こ と も考 え られ る。 助 産 婦 が 提 供 して い るケ ア をケ ア 構 造 、 ケ ア過 程 、 ケ ア結 果 とい う基 準 を も っ て 、 ケ ア提 供者 、 ケ ア の 受 け手 、 あ るい は ケ ア提 供 者 と受 け 手 の 差 違 とい う視 点 か ら分 析 す る こ とは 可 能 で あ り、 そ の こ とは 、 助 産 婦 ケ ア を改 善す る手 段 と して 有 効 で あ る。 日本 看 護 協 会 調 査 研 究 室 編集:1992年 病 院 勤 務 助 産 婦 の業 務 と役 割 に 関す る調 査,19,日 本 看 護 協 会 調 査 研 究 報 告,No.40,1993。 野 口眞 弓:病 院 で 働 く助 産 婦 の 仕 事 の 満 足 に関 す る研 究,1994年 度 聖 路加 看 護 大 学 大 学院 修 士 論 文,1995. 野 口眞 弓:助 産 婦 の 仕事 にお け る 承 認 と仕 事 の満 足 の 関係,日 本 看 護 科 学 会 誌,16(3),48.57,1996. 松 岡 恵 他:卒 後 満5年 まで の助 産 婦 が 受 け る ソー シ ャル ・サ ポ ー トとバ ー ン ア ウ ト症 状 の 関 連,日 本 助 産 学 会 誌,8(1),23-31,1994.

Donabelian, A. : Some issues in evaluating the quality of nursing care, American Journal of Public Health, 59, 1833-1836, 1996.

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ワー ク シ ョ ッ プ1:助 産 婦 の ケ アの 評 価

愛 育 病 院 における助 産 婦の ニーズへ の対 応 と業 務 範 囲

愛育病院

野 紀 子

1)受 け手 のニーズからの揺 さ振 りの経緯 助 産婦 は専 門 職 と して 、 時 代 の ニ ー ズ に対応 した ケ ア を提 供 して い か ね ば な らな い。 しか し、 実 際 の 現 場 で は ニ ーズ に即 した業 務 を実践 してい くにあ た り、様 々 な障 害 が あ る もの現 実 で は な い だ ろ うか 。 助 産 婦 一 人一 人 の 助 産観 や医 師 との 関係 、 他 部 門 と連 携 や設 備 、 ス タ ッフの 人 数 な ど数 々 の要 因が 影響 して くる だろ う。 妊 産 婦 の 要望 が 多様 化 して い るの は事 実 で あ るが 、時 代 のニ ーズ は 乃 ち 個 人 の ニ ー ズ で は な い。 当院 で は妊 産 婦側 のニ ー ズ に何 とか 対 応 しよ う と、 バ ー ス プ ラ ンや パ ー ソナ ル チ ャー トの形 で受 け ての 声 を 聞 き出す状 況 を作 って い る。 バ ース プ ラ ンは、 医 療 者 側 へ の要 望 と して そ もそ も外 国 人妊 婦 が 出産 前 に 提 示 した の が始 ま りだ っ た 。 当初 はそ の 内容 に戸 惑 い を感 じなが ら も、 文 化 背 景 の異 な る 日本 で 、 出産 場 所 に選 ん だ病 院 の お 産 の考 え方 を十 分 に把 握 す る手段 もな い状 態 で は無 理 か らぬ こ と と、 で き る だけ そ の要 望 に対応 した もの だ っ た。 「浣 腸 や剃 毛 は して ほ し くな い」 「分 娩 後 子宮 縮剤 は使 っ て ほ し くな い」 「へ そ の緒 を切 る前 に 児 を抱 き たい」 な ど今 と な って は めず ら し く もない 要 望 だ が 、 当時 は外 国 人 の 強 い姿 勢 に押 されが ちだ っ た。 言 葉 の 問 題 や プ ラ ンを拒 否 す る強 い理 由 もなか った こ とが 、医 療 者 側 の 意識 を徐 々に変 化 させ て きた。 こ の よ う な受 け ての ニ ー ズ と して の バ ー ス プ ラ ンは 、 自己 主張 の は っ き りした外 国 人 ば か りで は な く、 日本 人 に対 して もその 要 望 や希 望 を汲 み 取 っ て い こ う とい う流 れ に な った 。1985年 、 夫立 ち会 い の ため の 出産 準 備 クラ スが ス ター トし、 以 来 そ の プ ロ グ ラム の 中で 「私 達 の 考 え る お産 」 と してバ ース プ ラ ンを作 成 す る時 間 を設 け てい る。 分娩 や入 院生 活 、 育 児 に至 る まで 夫婦 の 考 えや 希望 を 自由 に表 現 して も らって い る。 バ ー ス プ ラ ンは夫 立 ち合 い 分 娩 を希 望 す る夫 婦 に 限 らず 、 す べ て の 妊婦 に必 要 で あ る。 ニ ーズ の 把握 は、 集 団指 導 で あ る母 親 学 級 で は カ バ ー しきれ ず 、 また受 講 しない 経 産 婦 もい る こ とか ら、 当院 で は 外 来 で パ ー ソ ナ ルチ ャー トを記 入 して も らっ てい る。 自宅 で あ る い は外 来 の 待 ち時 間 を利 用 して記 入 した 後 、助 産 婦 と面接 を行 う。 以前 筆 者の 行 った意 識 調 査 で どん な お産 を したい と思 って い る か の 問い に対 して 、 最 も多 い 答 え は 、 「自然 な 出 産」 で 次 い で 「楽 な出 産 」 だ っ た。 自然 な出 産 とい っ て もそ の解 釈 は様 々で 、 面 接 を通 して 考 え を引 き出 した り、 イメ ー ジ化 で きる よ う援 助 す る こ とが 大 切 で あ る。 外 来 で の個 人 面 接 は、 病 院 任 せ で は な い主 体 的 な出 産 に取 り組 んで も らうた め に も大 変 重 要 で あ る。専 門的 知 識 を与 え る ので は な く、 学 習 の 動 機づ け と、 学 習 の手 助 け をす る こ とに つ な が る。 また 経 産 婦 にお い て は 、前 回 の分 娩 や 母 乳 の こ と な ど不 満を 残 して い る場 合 もあ り、 そ の 気 持 ち を しっか り受 容 し、 今 回 の 出 産 を前 向 き に捉 え られ る よ う援 助 す る必 要 が あ る 。筆 者の 経 験 か ら今 回 の 出 産 が最 後 と な るか も しれ ない経 産婦 こ そ 、 この 面

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接 は必 要性 が高 い と言 える。 2)ニ ーズの 変遷 の 中で助 産 婦 に求 められ る実 践 能 力とケア基準 妊 産婦 の主 体性 が高 まっ てい る とは い え、氾濫 した情報 の 中で病 院信 仰 か ら くる 「お まかせ します」 とい った依存 傾 向 にあ る妊産 婦 の存在 を忘 れて は な らない。対 象 のニ ーズ をい か に して 引 き出す か、意 識 して い ない相手 へ の働 きかけ は、助 産婦 の専 門性 を表す といえ る。入 院 して きて か らルテ ィー ン業務 に従 って ケア してい れ ば、一定 の画一 化 され た看 護サ ー ビス を提 供す る こ とは で きる だろ う。 しか し受 けての ニー ズ を満 足 させ る ケア は、ルテ ィー ン業務 の枠 を超 えて しま うこ ともあ り、看護 者一 人一 人 の能力 が問 わ れ るこ と と な る。 実際 分娩 の経 過 中や 入 院中 に は、本 人達 が予 想 もしてい なか った 出来事 が多 々あ る。 病 院 お出産 に対す る考 え方 を十分 に理解 した上 で 、現 状 の施 設内 で受 けて のニ ーズ は どこ まで実行 可 能 か、 どの ような関 わ りが 「安 全で 満足 の い くもの」 とな るか 、受 けて の状況 に合 わせて よ りよい方向 へ と導 いて い く判 断 能力 が必 要 となっ て くる。そ れ は知識 と技 術 に裏図 け られ る こ とは もちろん の こ と、どれ だけ相 手 の立場 にたて る とい った 人間性 も求め られ るだろ う。 ニーズ の変 遷 の中 で、その対 応 を試 行錯 誤 す るにあ た りル テ ィー ン業務 は見 直 され てい くべ きで あ る。 し か しニ ーズ を全 て受 け入 れ る こ とが必 ず しも結 果 良 しとは な らな いこ と もあ る。それ ゆ え、科学 的根拠 を持 たず してル テ ィー ンの処 置 をや めて い くもの で は ない。ケ アの基準 は 、患 者中心 の 基本 姿勢 に加 えて 、病 院 の方針 や ス タ ッフ間 の統 一見 解 を も とに した もの であ って 、個 人 の助 産 観 に左 右 され て はな らない 。 3)実 践 例 と業務 範 囲 対 象者 のニ ー ズ を通 して変 化 して きた ス タ ッフの意 識や ル テ ィー ン業 務 を具体 的 に紹介 す る。 ―45―

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ワー クシ ョッ プ2:助 産婦 の持 つべ き実践 能 力 と責 任 範 囲

助産 婦の持 つべき実践 能力と責任範 囲

座長:聖 路加国際病 院 斎 藤 京 子 助 産 婦 とい うの は実 に様 々 な能 力 を持 っ てい る と思 い ます。 保 助 看法 の解 釈 に よ って そ の業 務 範 囲 や 責任 範 囲 に関 す る解 釈 は様 々 です 。助 産婦 の 持 つ 能力 を ど こ まで 発揮 す るの か 、 どこ まで を業 務 範囲 と して責 任 を もっ て い くか も、助 産 婦 自身 の考 え方 に よって 大 き く違 って くるで し ょう。 また、 助 産婦 が 自分 で開 業 して い るの か 、 どの よ うな 施設 で働 い て い るの か とい う よ うな、助 産 婦 を と りま く環境 に よ って も違 って きます 。 と くに施 設 で働 く助 産 婦 に とって 、 同 じ土 俵 で働 く医 師 の考 え方 に よ って 、業 務 範 囲 が大 き く左 右 され る こ と も否 め ませ ん。 責 任 範 囲 に 関 して は、組 織 の中 で働 く助 産 婦 の場 合 は 自分 が ど こ まで 責任 を取 る必 要 が あ る と明 確 に され て い ない場 合 もあ るの で は な いで し ょ うか 。 そ の ため に必 然 的 にそ の業 務範 囲が狭 め られ て しま う 場 合 もあ る よ うに思 わ れ ます 。 施 設 分 娩 が 出 産 の90%以 上 を 占め る現 代 の 日本 で は 、病 産 院 とい う組織 の 中で 働 く助 産 婦 が 日本 国 内の大 多 数 の 妊 ・産 ・褥 婦 に 関 わ って い る と考 え られ ます 。 そ して 、組 織 の 中 で働 く助 産婦 諸 姉 の中 に は 「責 任 」 と 「業務 範 囲 」 の な かで 葛 藤 して い る方 々 も多 くい ら っ しゃ るの で は ない か と思 い ます 。 ま た、 出産 に まつ わ る様 々な情 報 をマ ス コ ミが 取 り扱 うこ とに よ り、 対象 の ニ ー ズ も様 々 な方 向 に広 が っ てい る よ うに 感 じ ます 。 これ は妊 婦 が 出産 を ひ とまか せ に す るの で は な く、 自分 の もの と して と らえて い る とい う非常 に 良 い傾 向 で あ る と思 い ます 。 反面 、私 た ち助 産 婦 は対 象 の持 つ ニー ズ に きめ 細 か く対 応 してい く実践 能力 が必 要 され ます。 今 日、 この ワー クシ ョップ は 「助 産婦 の 持 つべ き実践 能 力 と責 任 範 囲」 をテ ーマ に3人 の演 者 の方 々 をお招 き して お り ます 。 先生 方 のお 話 を伺 い なが ら、施 設 で働 く助 産婦 の業 務範 囲 や対 象 の持 つ ニ ー ズ に応 え るた め に必 要 な 実践 能 力 ・責任 範 囲 を検 討 してみ た い と思 い ます 。

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ワ ー ク シ ョ ップ2:助 産 婦 の 持 つ べ き実践 能 力 と責 任 範 囲

助 産 婦の持 つべき実践能 力と責任 範 囲

日本赤十字社医療 セ ンター 村 上 睦 子 は じめ に 近 年 、医療 に対 す る患 者 の満足 度 を評 価 す る こ との 重要 性 が認 識 され る よ う にな って きた。 医療 の ア ウ トカム は生 存 か死 亡 か だけ に と どま らず そ の重 要 な要 素 と して、 近年 ます ます 大 きな注 目を浴 び て い るの が健康 に関 連 したQOLで あ る。生 存率 や生 物学 医学 的 な検 査値 以外 に、患 者 の生 活 の なか で、 身体 的 、心 理 的 、社 会的 機 能が得 られ るか 、回復 した かが医 療 の 大 きな 目標 とな って い る こ とをあ らため て再 認 識 し なけ れ ばな らな い。今 回 、与 え られ た テーマ 「助 産 婦 の持 つべ き実践 能 力 と責 任範 囲」 で は、 ま さに女性 (婦人)の 一生 を通 じてのQOLを 図 る こ とが 、助 産婦 に求 め られる知 識 ・伎 倆 では なか ろ うか と考 える。 法 的 に約 束 され てい る助 産業務 を責任 を もって主 体 的 に実 践 してい るの だ ろ うか、 私 は 、 この こ とを助 産 学 会 「将 来 の助 産 婦 のあ り方検 討 会」 で 話 しあ って きた こ とを 、実 際 、病 院勤 務助 産婦 が どん な仕 事 を し てい るの か を、そ して これ か ら どうあ りたい かの私 見 を述 べ た い。 助産婦 に求 め られる実 践 能 力とは 助 産 婦 として取得 しなけ れば な らない実 践 能力 に は、 ・医 療 に必 要な さらに一般 社会 的 な常識 と しての 「知識 」 ・安 全安 楽 な助産 がで きる専 門技 術(問 診 ・外 診 ・触 診 ・聴 診 ・分 娩技 術 な ど) ・周産期 周辺 に あ る女 性お よび婦 人や家 族 ・医療 ス タ ッフ な ど 「人 間関係 な どの調 節」 と、 自己啓発 に 対 す る 「態度 」 ・医療 に必 要な 多 くの 「情 報収 集 能力」 ・助 産(妊 産褥 婦 ・新 生 児)に と って最 大 の利 益 を もた らす こ との で きる 「総 合 的判 断 能 力 」 が あ る。 特 に重要 な のは知 識 ・技術 ・態度 の み でな く、仕 事 と人 を結 びつ け る 「行 動 」 に焦 点 をあて た 能力=コ ン ピテ ンシー であ る。 コ ン ピテ ンシー は 、た だ 「そ うす れ ば よい」 と思 って い るだ けで は な く、 実際 に行 動 し、 いつ 、 どの ような場 面 で、 その ような行 動 を した か とい う具 体 的 な事 例 を もっ てい るか 、常 に共 同 で 仕 事 を して いる場 合 、 その 当人 の 「役 割」 は何 か、 どの場 面 で もそ の よ うに行 動 してい る か、 そ の行動 か らどの よ うな 「成 果」 が生 まれ てい る か を適 正 に把 握 す る こ とであ る。 この よ うに仕 事 と人 を結 びつ け る 能 力 を助 産婦 が獲 得 しなけ れば な らな い専 門的 実践 能 力 であ る。胎 児 モ ニ ー タの管 理(装 着 と判 断)、 分 娩 介助 ・新 生 児 ケア な ど救 急 時 の対応 に対す る行 為 には 、あ る一 定期 間 の 訓練 と練 習 を必 要 とす る。 あ ら か じめ定 め られた結 果 に到達 す る能 力 こそ、助 産技 術 にお い て最 も重 要視 され るべ きで あ る。 「助 産技術 」 とい う言葉 には仕 事 そ の ものの特 質 よ りも、そ の行 為 ・行 動 をす る人の 作業 の水準 が強調 され る。 これ が 技 術 のあ る 、熟 達 してい る 、熟練 され た助 産婦 と して 評 され る ので あ る。 「技 術」 があ た え る こ とので き る喜 び と、 それ を もた らす特 有 の技術 へ の動 機 づ け は大切 だ と意 識 しなけ れ ば な らない 。助 産 婦 に求 め ら れる実 践能 力 は、周 産期 周辺 にあ る女 性 ・こ ど もへ の技術 を徹 底 して訓練 され る もの であ る。 助 産婦 の業 務 と責 任 多 くの文 献 か ら学ぶ こ とは、法 的 に定 義 され て い る助産 業務 の理 念が いか に理 解 されて い る かで あ る。 助 産婦 の専 門性 をい か に 自分 自身の 役割 と して 自覚 し、 自己へ の研 鑽 を深 め誇 りを もっ て仕事 を して い る の で あろ うか。 そ して他 者へ い か に 自己主張 して い るの で あろ うか。 「あ り方検 討 会」 での 学 習 で、UKCC

(1944)The Midwife's Cord of aparacticeに 触 れ る こ とがで きた。 序 文 に 「助 産実践 者 と して のす べ

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ての助 産 婦 は・ どの ような実践 の場 にお いて も自分 自身 の実践 に対 す る責 任(accountable)を 持 って い る。 提供 され る助 産 ケ アの 提 供 され る実践 基準 は最新 の 知 識 と臨 床 的発 展 の 状況 に見 合 っ た もの で あ るべ き だ。すべ ての 実 践 が母 子 に安 全 に健康 で あ る こ とが 最 優先 され るべ きで あ る」と述 べ て い た。助 産 婦 は い か に実 践 の 場 で 、専 門 職 と して の社 会的 役 割 を実 際 に 目に み え る「成 果」と して示 して い る か で もあ る 。今 、 問 わ れ てい るの は助 産 婦 の仕 事 は、安 全 に出 産 した人 の ケ アだ け で はな い 、また何 をす る の で は な く、ど ん な人 間 と して接 す るか が 重 要 な こ とで あ るこ とを臨床 を通 じて感 ず る。特 に、感 動 し体 で覚 え られ た 知 識 ・技 術 は忘 れ に くい こ とに意義 が 大 きい。周 産期 医 療 の 母子 ケ アに求 め られ て い るの は、ひ と り一 人が 人 間 と して尊 重 され 信 じあ え る よ うな関係性 をつ く りあ げる こ とが重 要で あ り、 ケアが 生 まれ る場 所 を助 産 婦 が作 ってい くこ とで あろ う。助 産婦 の専 門性 が医 学 の権 威主義 の 中 に萎縮 して しまわな い よ うな「技」 を築 き上 げ て ゆ くこ とに む けて研 鑽 して い るか が大 切 で あ る。ICM/FIGO/WHOな どに規定 され た助 産 婦 の 定義 を解 読す る こ とで、本 来 の助 産婦 活動 を深 く掘 り下げ られ るの で はなか ろ うか。助 産婦 と して の「責任 」 は、「助 産婦 」とい う「名称 」に裏 づ け られた職 務 が あ り、そ の職務 に対 して権限 が委 譲 され て こそ成立 す る。 そ うい う意味 で は、助 産婦 と して 臨床 に踏 み 出す ため の卒前 教 育 に しなけ れば な らな い と考 える。卒 後研 修 の組 み 立て で は、実 際 に卒後2年 間 くらいの現 場 で の臨床教 育 の必 要性 を実感 して い る。 人の行動 は知 識 か ら誘 発 され な い とい うこ と を臨床 で学 ば なけ れば な らな い。例 え ば、子 宮収 縮剤 は臨床 効果 の は っ き りと した 有用 な薬 剤 で あ り、個 々の子宮 筋 の反 応へ の ば らつ きが あ る、 よって個 々の事 例 につ い てのみ 存 在 しう る もので あ る こ と を「知 識」 と して もっ て いて も、出産 す る母 親 と胎 児 へ の十 分 なコ ンセ プ トを得 な い ま ま使 用 す る こ とが 問 題 で あ る。分 娩 誘誘 剤 と して使 用 し危 険性 を 自 ら体 験 す る こ とで 「気 づ く」、 そ して 、出産 は 自然 の経 過 を待 つ こ とが最 も母子 の 「安 全 と安 楽 」を維 持 で きる こ とを、自然 分 娩 を経 験 す る こ とで 「感動 」し「気 づ く」、 これが 現場 で学 ぶ行 動 変容 へ の原 動力 であ る。 気づ き ・感動 の教育 に勝 て る もの はな い とい うこ とを しっか りと意識 して お きたい 。 病 院 に勤務 す る助 産 婦 は千差 万 別の 現場 教 育 を受 けて いる 。病 院 はすべ て 同 じような質 をも ってい るは ず だ とい うこ と も幻 想 で あ るこ とは明 白で あ る。助 産 婦業 務 に対 す る責任 は 、そ の史 実か らス ター トして 考 えてみ る ことで は なか ろ うか。 今、 さかん に問 わ れて い る 日本 の医療 改 革 での 課題 に、 これ までの 国家 試験 の ため の医学 教育 を医療 教育 にあ らため なけ れば な らない と批 評 が ある。何故 、医 師 にな りたい のか 、 自分 が医 師 に向 い てい るの か をは っき りす るこ とが、 プロ フェ シ ョナル ス クール の学生 と して専 念 で きる の だ といっ て い る。 この よ うに仕事 に対す る 「責 任」 は 、 自律 した専 門職 とい う「資格」が 与 え られて い る ので あ る。今 、当院 で も出 産数 が減 少 してい る。5年 前 は新 卒 の助産 婦 は1年 間で100例 の分娩 介助 の技 術 を先 輩 の指 導の も とに熟練 す る ことがで きた。現 在 は60例 が や っ とで あ る。分娩 数 の経験 が 「技術 」熟 達 に大 き く影響 す る こ とを 目の当 た りに しなが ら、弛 緩 出血 、胎児 仮死 、 骨盤 位分 娩 、新生 児 仮死 な ど、 救急 時 の ケア(予 測 ・判 断 ・処 置 な ど)が で きな い事実 に どう教 育 的 に と り組 んで行 か なけ れ ば な らないか の問 題 に直 面 して い る。医 師 とチー ム医療 をす る場合 に分 娩 は全 て同 じ経 過 をた どらない こと も教 え、医 療 介 入へ の コンセ プ トに介 入 しなけれ ば な らない 。助 産婦 業務 の 責任範 囲 は どの よ うな仕事 を してい るか にか か って くる。 少子 ・高齢 社 会 、女性 の 社 会進 出 、核家 族 化 な ど社 会構 造 の変 貌 に よ り、母 子援 助 が一貫 して行 わ れ に く くな った現 在 、育 児不 安 に悩 み 、 身近 か に相 談 者 を得 られ ない ま ま生 活 して い る女性 た ちへ の支 援 も、 開業 助 産婦 の減 少 と と もに課 題 と して あ る。助 産婦 の仕 事へ の 「責 任」 を論 ず る こ とは 簡単 な こ とで は な いが 、や は り、 分娩 周辺 にお け る専 門技術 の熟 達 が もっ と教 育的 な観点 か ら議 論 され るべ きと言 え る。 こ の こと こそ産 科医 療 の本 質 につ なが る 「助 産婦 の実践 能 力 と責任範 囲」 だ と考 えて いる。

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ワー ク ショ ップ2:助 産婦 の持つ べ き実践 能力 と責任 範囲

助産婦の持 つべ き実 践 能力と責任 範 囲

深谷赤 十字病院 江 角 二三 子 1は じめに 助 産 婦の 自律 を考 え る とき、 まず は保 健婦 助 産婦 看護 婦 法 の助 産 婦 業務 の 解釈 に よって左 右 され る。"助 産 婦 とは""助 産 とは""助 産 業務 とは"の 言葉 の解 釈 一つ取 って みて も国や 立場 の違 い によ って異 な って くる。 単純 に助 産婦 は 、 「正常 で あれ ば妊娠 か ら産 褥期 に至 る全期 間 を通 して責任 を持 って 対応 で きる」 と言 うが、 そ の正常範 囲 を共通 理解 す る事 さえ難 しい。そ れぞ れの 解釈 の 中で実 践 して いる のが現 状 で あ ろ う。更 に、助 産婦 の役割 とな る と対象 範 囲 も広 く共通 理解 は ます ます難 しくな り、助 産婦 自身 の認識 も異 な って い る。 施設 で働 く助 産婦 の業 務範 囲 は 自ず と決 まっ て しま うが 、その 中で何 処 まで実践 で きた ら自律 して い る と言 える のか、 自己満 足 だ けにす ぎないの か 、誰 に評価 して もらえ るのか 等 は っ き り しない 部分 が多 い。責任 範 囲 にお いて も、責任 を取 る とい う事 が ど う言 うこ となのか さえは っ き り認 識 してい ない場 合 が あ る。刑事 責任 は、 取 る取 らないの 問題 で はな く、実 際 その 時対応 した本 人 が責任 を担 わ ざる を得 ない の で はな いか。民 事 の場合 は又異 な る と思 うが 、当事 者責 任 は当然 の事 と考 え行動 す る必 要 があ る。責任 の伴 わ ない業務 には 、自律 は繋 が らない。医 師 が取 る と思 っ てい る人 も多 いが 、そ れで は医 師 も助 産婦 に任 せ る こ とは 出来 ず、助 産婦 も依存 的 に なって しま う。助 産婦 が助 産婦 と して の責任 を果 たす こ とを、 自律 と言 うに して も、そ の責任 範 囲 も明確 で は ない。 この様 な現状 の中で 、深谷 赤十 字病 院 にお け る助 産婦 の 業務 実践 を紹 介 し、施設 における助産婦の持つべ き 実践 能力 と責 任範 囲の検 討 の参 考 に してい た だ きたい。 II業 務実 践 内容 1妊 娠期 妊 娠8∼10週 の予 定 日が 確定 した時点 か ら対象 になる。 ① 初期指 導 *既 往歴 ・妊娠 歴を含め た情 報収 集→ 問題 リス トア ップ→ プラ ン *深 谷赤十 字病院 の基本 的考 え方 の説 明 自然分娩 ・立 ち会い 出産 ・母 児同室制 ・母乳 哺育 に関 して *妊 婦健診 の方法 ・ル テ ィー ン検 査 の 内容 ・時 間外 受 診 の 方法 *母 子健康 手帳 について *腹 帯 につ いて *初 期 の保 健指 導 *バ ー スプ ランについて *マ マ ・パ パ教室 につい て→ 予約 ② 妊 婦健診 *妊 婦 の健康 診査 と保健 指導 *ル テ ィー ン検査 *夫 ・子供 への対応 *次 回予約 ③ ママ ・パ パ教室 の企画運営 ―50―

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2.分 娩 期 *産 婦 の 診査 と分 娩経 過 の援 助 *分 娩 の 介助→BEL・ 吸 引 ・鉗 子分 娩時 は医 師の 補助 *分 娩 直 後 の褥婦 の診 査 とケア *分 娩 直 後の 新生 児 の観 察 とケ ア 3.産 褥期 *褥 婦 の健康 診査 とケ ア *新 生 児 の観 察 とケア *褥 婦 の保健 指導 *退 院診 察 ・1ヶ月健 診 *乳 房 管 理→ 母乳 外来 *TEL訪 問 妊娠 期 に対応 で きる助 産 婦 は経験2年 以 上 と して 、チェ ック リス トに沿 って 自己評 価 ・他 己評価 を行 い 自分 の未熟 さの部分 が認 識 で きて か ら と してい る。経験 を積 んだ助産 婦 と経 験 の少 な い助 産 婦で 組み フ ォロー 出来 る体 制 と、 月二 回の ケー ス ケ ン フ ァ レンス で共 通 理解 を図 っ てい る。 正常 ・異 常 の区 別 は、正常 基 準 に沿 って行 っ てい る。 分 娩期 ・産 褥期 の対 応 は、助 産 婦 ・看護 婦 で行 って いるが 、プ リセプ ター シ ップの中 で プ リセ プ ターに フ ォ ロー して もらい、プ リセ プ ターの 指導 は係 長や婦 長 が当 た る。退 院診 察 は リスク リス ト褥婦以 外 を対象 と して 行 い、1ケ 月健 診 は妊 娠期 の対 応 が出来 る助 産婦 が行 って い る。 IIIお わりに 初 診時 の対応 を助 産婦 として出来 ない状 況 は、病 院 とい う組 織 の中で は仕 方 ない面 もあるが 、責任 範 囲 か ら 考 える と当然行 うべ き業務 と考 え る。病 気 で ない人 が病 院 に来 る不 自然 さの 解消 に も、初 回 の対応 が助 産婦 で あ りたい と願 うが 、解 決す る ため には 、時 間 と労 力が必 要 であ る。 何 れに して も、助 産婦 が 自律す るため には助 産婦 一人 一人 の質 の確保 が必 要 であ る。 しか し、経験 に基 づ く 事 も多 く、責任 の あ る業務 に付 く事 で 質の 向上 に も繋 が る事 もあ る。現 に助 産婦外 来 を経験 す る こ とに よ り、 成長す る助 産婦 の姿 を確 認 で きる事 が多 い。 超音波 の操 作 に して も、見 てい るだ けで はな か なか 上達 せず 、手 の動 きと画 面 の動 きで の イメー ジが一 致 し ない。苦 労 しなが ら操 作 す こ とに よ りそ の効果 は現 れ る。これは 、不安 や危機 感 か ら必 要 に迫 られ ての 自己学 習 も増 え、場 面 の認 識度 の違 い に よる事 も大 きい と思 われ る。 今 、イ ン フォー ム ドコ ンセ ン トを問 われ る中、 この 事 に関 して は、助 産婦 にお いて も重要 なこ とで あ る。診 査 した内 容 の結 果や 今後 の予 測 を十分 理解 して も らい信頼 され る事 も大 切 であ る。一般 に診 察 を受 ける と、対 象 は全 て分 か って も らえた と思 うこ とも多 い。そ こで、例 えば超音 波施 行時 な どは、何 の 目的 で行 うか あ らか じめ 知 らせ てお き、そ の結果 を話 す と共 に それ以 上の事 は分 か らない こと も明確 にす る必 要 があ る。も し分 か った と して も、知 らせ るべ きか ど うか は慎 重 に行 うことが大切 で あ る。例 えば性 別 にお いて は、知 らせ る意 味 、 知 ら された 人 の気持 ち も考 え100%の 確 率 で は ない こ とを 自覚 した上 で希 望 があ れ ば知 らせ る こ と もあ る と 思 うが、異 常児 であ る場合 等 、対 応 で きるか 出来 ない かで知 らせ る段 階 も異 なって くる し、診断 ・説 明 と言 う ことで、明 らか に助 産 婦 の権限 外 と なる。今 の段 階 では 、超 音 波診 断は正 常 を診断 す る情報 の一 つ と考 えて い る。 深谷 赤十 字病 院 で は、妊 娠 か ら産褥 に至 る期 間で の正常 範 囲の医 師 の関 わ りは、初 診 、16週 の超音 波診 断 、 分 娩時 必要 によ り縫 合 を行 うこ とで あ る。この様 な体制 を6年 続 けて きたが、以前 に比 べ て妊 産褥婦 は 良い評 価 を得 てい る

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ワー ク シ ョップ2:助 産 婦 の 持 つ べ き実践 能 力 と責 任 範 囲

助 産 婦 の持 つべ き実 践 能 力 と責 任 範 囲

群馬県高崎市 矢崎医院 高 橋 美 恵 子 は じめ 診療 所 は、 地域 の 中で 最 も身近 な医療 機 関 で あ り、信 頼 関 係 を基 盤 に して い る。 受 診 に訪 れ る妊 産 婦 の医 師 に対 す る信 頼 は絶 対 的条 件 で あ る。 その 中 で 、助 産 婦 の 実践 が 、対 象 に と って有 益 で あ る とい う 医師 の 理解 が 得 られれ ば 、容 易 に ケ ア内容 に反 映 させ る こ とが 可 能 で あ る。 当 院 は 開 業 当初 か ら院長 の 方 針 に よ り、 主体 的 な助 産 婦 活 動 の場 が 奨励 され た 。総 合 病 院 シス テ ムの 中 で 、働 いて きた 自分 に と っ て 、 地 域 住 民 の 身 近 な医 療 機 関 の 中 で 、助 産 婦 と して 主 体 的 に機 能 す る とい うこ とは 、 ゼ ロ か らの ス タ ー トで あ った 。 しか し、常 に対 象 に 視 点 を当 て て 試行 錯 誤 の 助 産 婦 活 動 を行 な っ て 来 て5年 、 最 近 少 しづ つ 地 域 住 民 に 「助 産婦 」 が 認識 され て い る。 今 回 は診 療 所 に お け る助 産 婦 の持 つ べ き実 践 能 力 と責 任 範 囲 につ い て 、 日常 業務 の 中 か ら述 べ て み た い。 1.当 診 療 所 の 概 要 本 院 の所 在 地 は群 馬県 高 崎 市 の西 部 に位 置 し、ベ ッ ド数19床 で 、ス タ ッ フ数 は、医 師 パ ー ト2名 を 含 め て3名 、助 産婦5名 、看 護婦10名 で 、勤 務 体 制 は二 交 代 制 で あ る。 分娩 数 は 月平均50例 、帝 王 切 開 率 は6%で あ る。 この体 制 の 中で 助 産婦 が主 体 的 に有 効 な機 能 を してい くた め に は 、職 場 環境 を整 え協 力 の得 られ る人 材 を集 め るこ とが 大切 で あ る。 2.人 材 確 保 医 院 選択 の 自由 な対 象 に対 して 、継 続 した ケ ア を提 供 してい け るた め に は、 対 象 が安 心 と信 頼 を も って ケ ア を受 け られ る環 境 が 必 要 であ る。 本 院 の 方針 を理 解 し、強 力 して い け る ケ アの で きる 人材 が 求 め られ る。現 在 の とこ ろ助 産婦 採 用 の判 断 は婦 長 に任 され て お り、 この 重 大 な責 任 を果 た すべ く、 その 人が 助産 婦 と して持 って い る核 の 部分 と人 間 関係 の持 ち方 を重 視 して判 断 して い る。 3.助 産 婦 外 来 全 妊婦 を対 象 に 、健 康 診 査 や生 活 指 導 を行 って い る 。 妊 婦 が 安心 して 日常 生 活 を送 れ る よ う正常 で、 元気 な プ ラス面 も診 断 で き る よ う入 念 に診察 してい る 。 そ の為 には 、正 確 な診 断 能 力 が求 め られ る 。 超 音 波検 査 も行 な え る よ う医 師 よ り個 々 に応 じた教 育 を受 け て い る。 これ は単 に母児 の 身体 的 側 面 か らの診 断 の た め に用 い る ので な く、妊 婦 が他 覚 的 に胎 児 を イ メ ー ジで き、主 体 的 に出 産 や育 児 を考 え て い く材 料 に な る よ うに との 助 産婦 の 意 図 もあ る。 保 健 指 導 は 、正常 な妊 娠 経 過 を支 え て い く最 も大 切 な もの で 、初 診 時 に詳 し く問診 を行 い、助 産 診 断が 的確 にで き るよ う心 が け 、明確 に カル テ に記載 して い る。 こ れ は医 師 と共 有 で き、 相 互 か らの有 効 なア プ ロ ーチ を容易 に して い る。妊 娠 分 娩 は生 理 的過 ―52―

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程 であ る とい っ て も、常 に異 常 と隣 りあ わ せ で あ る。助 産 婦 の ケ アは そ れ を予 防 し、 リス クを高 め な い よ う日常 の経 過 に細 心 の留 意 を払 っ てい か な くて は な らない。 しか し、現 段 階 で は、助 産婦 の 診 断 力 に個 人 差 が あ り、順 調 な経 過で あ って も必 ず 医 師 もその場 で助 産婦 の 力量 に応 じた診 察 を し、経過 を 把握 して い る。 4.助 産 業 務 分 娩 の 基本 方 針 は 、 自然 な経 過 を尊 重 して い る。入院 時 診 断 は助 産婦 が 行 い 、順 調 な経 過 で あ れば 、 そ の ま ま助 産婦 が ケ ア し、 分 娩 を終 了 させ る。 産 婦 が 疲 労 や苦 痛 を最小 限 に 分 娩 を 遂 行 出 来 る た め に は、 正確 な進 行 状 態 の診 断 能 力が 要 求 され る。遷 延 分 娩 な どは 、助 産 診断 名 とす る よ う心 が け 、解 決 が はか れ る よ う努 力 して い る。 しか し、適 切 な時期 に必 要 な処 置 が受 け られ る よ う医 師 を要請 で き る こ とは、 助 産婦 に と って最 も責任 を要 す る こ とで あ る。 これ ら適切 な診 断 のた め に も、 妊娠 中 に予 測 され る問 題 が リス トア ップ され 、医 師 を含 めて 情 報 を共有 して い る こ とで 、母 親 の安 全 に備 えた行 動 が誰 にで も容 易 に とれ る。 ま た、経 験 の 少 ない 助 産婦 は、先 輩 の診 断 力 を活 用 して い くこ とで 、経 験 不 足 を補 う と共 に 、学 習 の機 会 にな る と考 え てい る。 分 娩期 を共 に過 ご した助 産 婦 と産 婦 の信 頼 関 係 は、分 娩 後 に更 に深 ま り、私 達 は対 象 へ の責 任 を再認 識 して い る。 5.乳 房 ケア 産後 は母 乳哺 育 を推 進 して い くが 、 それ は 全面 的 に助 産 婦 に任 され て い る。 妊娠 中か ら乳房 を診 察 し、 個 々に合 った 方 法で ケ ア を始 め る。実 際 に は、睡 眠不 足 や乳 房 痛 、児 の吸 畷困 難 な ど身体 的 ・精 神 的苦 痛 を伴 う過 程 で もあ る。 助 産婦 は乳 房 マ ッサ ー ジや 授 乳介 助 な ど行 い なが ら、諸 々の相 談 相 手 に な り、褥 婦 を支 え励 ま して い る 。更 に、退 院後 は乳 房 外 来 や必 要時 家 庭訪 問 に お いて フ ォロ ー して い る。 抗 生 物 質 の投 与 な ど医 療 を 要す る場 合以 外 は助 産婦 の 裁量 に任 され てお り、乳 房 の 手 当 ての み で な く相 談 場 所 と して活 用 す る人 も多い 。 そ の他 、電 話 で の 相談 や ア フ ター ビ クス教 室 で の相 談 な ど 何 らか の方 法 で 医 院 とつ なが りを持 ち なが ら、母 乳 哺 育 を続 け て い る人 が 多 く、助 産 婦 は常 に受 容 的 に対応 し、 ケ アの場 の ア ッ トホ ーム な環 境 作 りを こ ころが け て い る。 まとめ 妊 娠 分娩 期 は、 母 子 の生 命 が 危 険 に転 じる こ とが あ る ため 、 医 師 も責 任 を もって 診 てお り、 医 院 にお け る助 産婦 が 主 体 的 に機 能 で き るた め に は、 二 人三 脚 で 管理 して い け る実践 能力 と責 任 が と もな う。 し か し産後 は 、全 く主体 的 に助 産 婦 活動 を行 える職 場 で あ る とい え る。 開 院 当初 は、施 設や 個 室 な どハ ー ド面 で評 判 が 高 か っ た。 しか し、最 近 は助 産 婦 の ケ アが評 価 され る よ うに な った。 私 た ち は、常 に対 象 を見つ め 、継 続 してか か わ る中 で そ の必 要性 に応 じて実 力 をつ けて きた。それ が5 年経 過 した現 在 や っ と地 域 に根 付 きは じめ て きた。 助 産婦 の 責 任範 囲 は個 人 の実 践 能 力 に応 して異 な る が 、 これ らを少 しで も埋 め 合 わせ 、 全体 の レベ ル ア ップ を はか って い くこ とが 、今 後 の 課 題 であ る。

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ワー ク シ ョッ プ3:実 践 技 法 の 改善 へ の 取 り組 み

実践 技法 の改善 への取 り組み

座長 聖母女子短期大学 園 生 陽 子 助 産 婦 が専 門 職 と して 自律 してゆ くた め には 、ケ アの受 け 手 で あ る消 費者 の ニ ーズ に対応 で きる助 産 実践 の 技 法 を獲 得 し、 臨床 現 場 で消 費 者 か らの 信 頼 に応 え られ る ケ ア水 準 を維 持 し、提 供 して ゆ く必 要 が あ ります 。 そ う した助 産 技 術 の 中 に 、長 い歴 史 の 中で 諸 先 輩 が 蓄積 して こ られた"技"が あ ります。 また 、ル テ ィー ン業務 や分 娩 介助 術 な どの よ うに、か っ て臨床 現 場 で 当然 の よ うに行 わ れ て いた助 産 技 術 が 、新 た な科学 的 根 拠 を得 て 、大 き く見 直 され て い る昨 今 で す 。 情 報 化社 会 の 中 で 、 こ う した 助 産技 術 の変 化 は、分娩 方 法 や ケ ア とい う提 供 され るサ ー ビス の違 いや 選 択技 の 広 が り と して 妊産 婦 な ど消 費者 の知 る と ころ とな り ま した。 日々の業 務 の 見 直 し、新 た な助 産実 践 の技 法 の獲 得 と、 まず 第 一 に変 化 を求 め られ てい るの は、 い う まで もな く臨床 現 場 の 助 産婦 で し ょ う。 しか し、教 育現 場 で も、現 代 の に産 褥婦 のニ ーズ に対 応 で きる 未 来 の助 産 婦 を育 て るた め に、 何 を、 ど う学 習 させ る か を見 直す 時期 に きて い る と言 え ま しょ う。 ・諸 先 輩 が蓄 積 して こ られ た"技"を 現 代 の 医療 水 準 を維 持 しつつ 、 ど うや って受 け継 い で ゆけ ば よい の で し ょうか? ・消 費 者 との かか わ りの中 か ら産 み 出 され た新 しい助 産技 術 とは? ・ 助 産技 術 を変 えて ゆ くた め に臨 床 現場 は ど う取 り組 め ば よい の で しょ うか? ・頭 の 柔軟 な時 期 にあ る学 生 に対 す る技 術 獲 得へ の アプ ロー チ は? この ワー クシ ョ ップで は 、助 産 院 と病 院 の 臨床 現 場 に働 く助 産婦 、助 産婦 教 育 に携 わる教 員 の皆 様 を 発 言者 に迎 えま した。助 産 婦 が持 つ べ き実 践 能 力 、助 産婦 ひ と りひ と りに求 め られ る助 産 技 術 と、そ の 獲 得 につ い て皆 様 と共 に 考 えて ゆ きたい と思 い ます 。 ―55―

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ワー ク ショップ3:実 践 技法 の改善 への取 り組 み

フリー スタイル で の 助 産 の 援 助

日本 赤十字 医療 セ ン ター 中 根 直 子 1)『 アクティブ ・バー ス』と 『フリー スタイル 出産』 英国 の出 産教 育者:ジ ャネ ッ ト・バ ラス カ スの造 語 で あ る 「ア クテ ィブ ・バ ー ス」 は、 「身体 を 開放 し、 本 能 的 な動 きを大切 にす る」 こと と、 「能 動 的 に出産 に取 り組 む」 とい う二 つ の 「ア クテ ィブ」 を含 む、意 味 深 い もので ある。 日本 には1989年 に翻 訳 され 、産 む側 、医 療 者 と もに大 きな反響 を呼 んだ。 この本が提 唱 す る 自由な体 位 での 出産 に関 わ る ことに なっ た私達 助 産婦 は 、従 来 の よ うな分 娩介 助手 段が その ま ま適 用で きない こ とに直面 す る。現 代 の助 産婦 が伝 承 の枝 だ と思 って きた 「会 陰保 護」技 術 は、 産科 医 療 とその シ ンボ ルで あ る分 娩台 で の仰 臥位 出産 を前提 に した もので 、決 して歴 史 の古 い もの で は ない こと に気 付 か され たの であ る。 医学 を前提 と しなか った大 先輩 たち は、 当然 の よ うに様 々 な体位 の出 産 に対応 してい たはず で あ った。 産婦 が 「従 来 の枠(仰 臥位)か らいか に 自由に なれ るか」 を探 り始 め た と き、助 産婦 も 「従 来 の当 た り前 (ルチィーン業 務 〉か ら、い か に 自由 に なれ るか」を問 われ る。この二 つ の 「開放」 を意 識 して、こ こでは 「フ リー ス タイル 出産」 と呼 ぶ。 2)助 産技 術の再 構築 病 院勤務 の助 産婦 が圧倒 的 に増 えた とはいえ、助 産婦 であ る以 上、誰 しも思 い入 れ を もって会陰保 護 にあ た ってい る。 しか し、産婦 の体位 ひ とつが変 わっ ただけで 、同時 に復数 の"勝 手 の違 い"が 生 じるこ とに気付 い た とい う声 も聞 く。実 際 は 「分娩体 位 は仰 臥位 だけで はない」 と気付 いた時 点で コペル ニ クス的 な発 想転換 は 終 って いる。 む しろ重要 なのは 、当然出 て くるその問題 を 自分一 人 で抱 え込 まず に話 し合 い 、で きる範囲 で、 地 道な変化 と して実行 してみ るこ と。 自らの発想転 換 を同僚 や産 婦達 に投 げかけ、 影響 しあ い なが ら次の ステ ップ を目指 してい くことで はない だろ うか。 例 えば次 の三つ の項 目に対 して、 自分 、同僚の助 産婦 、医師 た ちご どの よ うに考 えるか、 また 、 どこまで幅 を拡 げ、見方 を換 え るこ とがで きるだ ろ うか をあ らか じめ話 し合 ってみ るの も効果 的で あ る。 これ は、 わた し たちの行 って きた仕 事の 中で"Priority"を 再 発見 し、産婦 中心 の援 助 を再構築 す る楽 しい作業 で もある。 ① 清潔(外 陰洗浄 、消毒 の方法/タイミング/安全性 や コス ト面 も含 めて、清 潔 に した い範囲/で きる範囲 、 不 潔に なった時の リカバ リー方法 な ど) ② 分娩台(ど の ように使 うか/使 わ ない か、 どの ような時 には必 要 なのか/必 要 で ない のか 、そ の方法、望 ま しい高 さ/幅/頑丈 さ な ど) ③ 産後二 時間 までの ルティーン業務(そ れは何 か、何が望 ま しいか 、妨げ る もの は何 か) 3)フ リー スタイル 出産 の導 入(分 娩 第一 期の工 夫) 分 娩第二期 の体位 だ けを 自由にす るとい うこ とは難 しい。分 娩 第一期 の人的 ・物 的環境 づ く りが産 婦 を リラ ックス させ 、 自然 な フリース タイル出産へ導 くこ とになる。 ① 居 心地 の良 さを感 じる。 産婦 の身 にな って感 じる敏 感 さを持 つ。 自分 だ った らど うしたい かを考 えてみ る。 産婦 を冷静 に観察 す る。

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② 環 境 を整 える。 助 産婦 自身が 居心地 良い と感 じる空 間 を作 る。 環境 を変化 させ るこ とに積極 的 になる。 産婦 をめ ぐるすべ ての人的環 境 を確認 す る。 ③ 温か さを拡 げる。 産婦 を信頼す るこ と。 自由に任せ るが、放 任 しておか ない。 4)フ リー スタイル 出産 の実際(デ モンストレーション) ① 膝手 位(四 つ んばい)/膝 垂位(膝 立 ち) フ リー ス タイルでの分娩 で基本 となる もの。 仰 臥位で の分娩 介助 同様 、分娩 の三要 素の査定 を行 う。 産婦 の上 体が起 きた体位(縦 型)ほ ど、児頭娩 出 の タイ ミ ングを慎 重 にす る こ とが ポ イ ン ト。重 力方 向 と娩 出方向(骨 盤 誘 導線)の ベ ク トルに注 意 して介 助 す る。 ② 側 臥位 床(分 娩 台)か ら児頭 まで の高 さを守 る。 ③ ス クワ ッ ト/立位 娩出力 の強 さがポ イ ン ト。 支え る人 との息 を合わせ る こと。 ・ 児心 音 の15分 毎 の聴 取、 あ るい は断続的 なモニ タリングの必 要性。 ・ 仰 臥 位で の分 娩 介助 で培 っ た技 術 や 「勘 どころ」は無 駄 にな らな い。特 に 自然 分娩 にっ関 わ った経験 は多 い程 良 い。 ・ 会陰保護 に執着 しす ぎない こ とも大事 。 ・ 産婦 が、自分 で生 む ことので きる存在 で あ る とい う大前提 に立 った時 、助産婦側ににもは じめて見守 る姿勢 に徹 す る こ とがで きい る。 ・ 産婦 に とって唯 一の経 験 を尊 重 しつつ 、時には医療者として、自然分娩の専門家 として、適切 と思わ れ る体 位 を ア ドバ イスす る こ ともあ る。 ハ イ リス クを も多 く扱 う病 院 に勤務 してい る と、実際 にフ リース タ イル出産 を目に した り、介助 の技術 を 磨 く機 会 は限 られ て くる。 しか し、取 り入 れ始 め た施設 が増 えつ つ あ るの も事 実 だ。 フ リース タイル での 出産 を取 り入 れ始 め た きっか けは 、私 がそ うで あ った よ うに 、あ る 日突 然 、仰 向け に なれ ない産 婦 を担 当 し、必 要 に迫 られ て対 処 す る場 合 が多 い と聞 いてい る。こ のよ うな時 のた め に も、技 術 や工夫 の実 際 を ご覧 いた だ き、 「ある 日突然 」の ため に、 それ ぞれ の病 院で の導入 を目指 した展 開方 法 の ヒ ン トを提 供 で きれ ば幸 い であ る。 【参 考 文 献 】 1)「 ニ ュ ー ・ア ク テ ィ ブ ・バ ー ス 」 著:ジ ャ ネ ッ ト ・バ ラ ス カ ス 訳:佐 藤 由 美 子/き く ち さか え 現 代 書 館 1993年 2)な ぜ 自 由 な 本 位?フ リー ス タ イ ル 出 産 ワ ー ク シ ョ ッ プ/自 由 体 位 介 助 の 実 際:河 合 蘭/赤 山 美 智 代/中 根 直 子/杉 山 富 士 子 助 産 婦 雑 誌vol.50 No.8医 学 書 院1996. 3)「 ア ク テ ィブ バ ー ス は ど こ で もで き る」 の 心 意 気 一 大和 高 田 市 立 病 院 の ケ ア の 実 践:河 合 蘭 、 助 産 婦 雑 誌vol.51.6医 学 書 院1997 ―57―

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ワー クシ ョップ3:実 践 技法 の改善 への取 り組 み

妊娠 中の骨盤位 外 回転法

助 産院 ベ ビーヘ ルシー美 蕾 瀬 井 房 子 自然 分娩 を選択 す る妊婦 の増 加 に よ り、胎 児 胎位 が骨 盤位 であ る場合 なん とか頭 位 に もど して経 膣 分娩 を した い とい う妊 婦 が、体操 、お灸 、その他 種 々試 みて も尚且 つ 児頭 が上 位 にあ って どう して も戻 らない か ら 外 か らの 回転 を してほ しい とい っ て助 産 院 を訪 れ る妊 婦が 増 え てい る。助 産婦 と して なん とか して 上げ たい 一心 か ら骨 盤位 外 回転 法 を行 うに は どの よ うな条 件 と方法 が あ るか検 討 して み たい 。なお この テー マ に関 し ては1996年 度の 、助 産学 会学術 集 会で も取 り上 げ られ 、発表 され たが再 度 挑戦 してみ た い。 1)時 期 … … 初 産28週 ∼32週 く ら い ま で 。 経 産28週 ∼36週 こ ろ まで 。 2)条 件 … … 腹 緊 が ない こ と。 胎 盤 の位置 が どこにつ いて い るかの確 認 が出 来 る こ と。 出血 が ない こ と。 羊 水量 が が極端 に少 な くない こ と。 以 上 の よ うな条件 下 で母体 が健 康 であ り外 回転術 施 行 に耐 え得 る こ とが 第一 であ る。 胎 向 を確 認す る(児 背 側 には 回転 しに くい)。 3)方 法・… 時 間的 にや や空腹状 態 で ある こ と。膀胱 も空 にす るた め排 尿 させ る。 腹壁 が子 宮収縮 に よ り緊張 気味 の ときは行 わ ない。 しか し、腹 筋 が しっか りしてい て恥骨 と 児臀 部 のあ いだ に手 が入 らない よ うな 時 は 、時 間 をか けて 温 ため 筋 肉の弛 緩 を行 い なが らゆ っ く りと手 の ひ らが 入 る よ うに なる まで待 つ。 また時 にはぬ るめ の入 浴 な どをす す め る。 妊 婦 の 体 位 は仰 臥 位 で 最 初 は 骨 盤 高 位・… 児 の 臀 部 が や や あ が っ て 手 の ひ らが 恥 骨 と児 の 臀 部 又 は 足 の 間 に 入 る よ う な ら腰 枕 を外 す 。 手 枝 …・4本 の 指 を揃 えて ゆっ くり と恥骨 にそ って腹 腔内 に挿 入 す る。 1.次 に児 臀部 又 は下肢 の どこか に触 れ た ら指 を丸 く して接 触部 分 を上 に押 し上 げ る よ うにす る。 2.児 頭 を反対 側 の手掌 で触 れ るな らそ っ と児腹 側 に向 か って そ っ と押 す 。 3.1、2、 の動 作 を何 回 も何 回 も根 気 よ く繰 り返 す。 4.児 頭 が 母 体 の臍 よ り下 に来 た らそ っ と頭 を 骨 盤 腔 に む か って ぐー と押 し下 げ る よ うな 気 持 ちでや や強 く押 して もよい。 5.児 頭 が完 全 に骨盤 腔 の中 に入 っ た ら児 臀部 又 は足 部 の状況 を確認 す る。 お尻 は上 か? 足 は ど こに あ るか?

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活字 にす る とい と も簡単 に胎児 が体 位 を変 え て くれ る ようだが 、妊 婦の 体格 、腹 筋 の状態 、腹 壁 の脂 肪状 況 、体 の冷 え状 況 、羊 水 の多 少 な ど種 々の条件 が異 な って簡単 に正 常 な胎 位 にな る場 合 もあ るが 、 どう して 戻 らないの か と悩 む こ と もあ る。 しか し、メデ ィアの 発達 は今 まで外 か らだ け しか 分か らなか った腹膣 内 の情 報 を伝 えて くれ るの で、児 の 状態 を可視 下 の もとに回転 させ るこ とが 出来 る ように な った こ とは進 歩 だ と思 う。で は実際 は ど うなのか を ビデ オ とモデ ルで行 ってみ た うえでそ の方 法 な と議 論 を重 ねた い と思 う。 また施 行 者の 健康 も微 妙 に関 係す る こ と もこの場 で伝 え たい。 ―59―

参照

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