Japanese Physical Therapy Association
NII-Electronic Library Service
Japanese
Physioal Therapy Assooiation
理 学 療 法 学
第
38
巻第
4
号
223
〜
224
頁 (
2011
年)
シ
ン
ポ
ジ
ウ
ム
1
専
門
職
と
し
て
の
理
学療 法
士
の
生
涯学
習
を
考
え
る
〜
総 括
と
今 後
の
在
り方
〜
*
こ
れ か
ら
の
社 会
に
お
い て
理 学 療 法 士 が 求 め られ
る
も
の
一
渡
辺
京
子
* *
は じ めに
今回
,
与 えら れ た テ
ー
マ が
輔
理学 療 法 士が求め ら れ るもの
”
である が
,
求め ら れ る で は受け身 的 過 ぎる
。
将 来 を 見 斟 えて能
動 的 に 求 め たい
5
つ
の視 点 を 述べ る
。
国民の
高
齢 化が
進
み対 象 疾
患
も拡 大し
,
診療
の場 も病 院か ら
施 設や
在
宅へ 拡がっ た。 時 代の要
請
や医
療
の現状 を反 映し改 定
さ れる厚生労 働 省 告 示 によ る診 療 報 酬に よっ て 理学 療 法の治 療
時 間や 期 間
,
ひ とり当た りの担 当 患 者 数が
定
め ら れ
,
1981年
代に運 動 療 法 (簡 単 )130点 /45人 / 口
,
複 雑300点 / 15入/
口は
,
年に簡 単185点/se人 / 日
,
複 雑衡
0
点 /12人 / 日
へ と個 別 診 療に重 点 が 置 か れるようになっ た
。
大 き な 改 定は
2002
年
から
導
入 された 診
療 単
位 制 (
1
単 位
≡
20 分
)
である
。
2006
年に は 4つ の疾 患 分 類 (脳1匝[管
・
運 動 器
・
呼 吸 器
・
心 大
血
管
疾 患
)
ご と算
定
日 の上 限が
設定
さ れた
。
1
.
理 学 療 法士数 が 多い急 性 期 総 合 病 院では疾 患 別に ス タ ッ
フを 分 けチ
ー
ム診 療 を 行 えば効 率 的であ り
,
より専 門性 を深め
るこ と がで きる
。
しか し
,
少 人 数ス タッ フ で は疾 患 別に分 ける
こ とは困 難である
。
むし ろどんな 疾 患で も診 療できるマ ルチタ
スク 理
学
療 法 士が 必要 とさ れ る
。
限ら れた 時 聞 と
単
位の中でい
か に
治療 効果
を あ げてい
く
か
,
理
学療 法
の技 量が
求
め ら れ る
。
2
.
2010
年
4月 回復 期リハ ビ リテ
ー
ショ ン
(
以 下 リハ
)休
日
加 算
,
チ
ー
ム医 療 推 進の構成員に 理学 療 法士 も位 置づけ ら れ
.
栄 養サ ポ
ー
トチ
ー
厶 と呼 吸 ケアチ
ー
ム加 算が設 けら れ た
。
そし
て喀 痰 等の 吸 引 も認 可 された
。
だ か ら とい っ て理 学 療 法上の誰
も が す ぐに簡 単に吸 引 がで きると は言 え ない
。
今 後は協 会 が 推
奨 してい る認 定
・
専
門理 学 療 法 上のた めの教 育
,
卒 後 教 育 と し
て臨 床の場で実 践 を 積み
L
げてい く職 場 内 研 修 も重 要 となる
。
呼 吸ケァチ
ー
ム加 算で は理 学 療 法 上 は 呼 吸 リハ
5
年 以 ヒの経
験
,
看 護 師 は
6
ヵ月 以
.
]
’
.
の専 門 研 修 が条 件付 け ら れ てい る
。
こ
Llfelnng Learning fDr Physical Therapists as Healthcare Profes
−
sionals ; Overview and Future Prospects
’
What d s Future Society
Expeじt from Physiotherapists?
,
*
*
亀 田 総 合病院 継 続 学 習セ ン タ
ー
〔〒296
−
8602 鴨 川 市 東田亅
.
929)
Kyoko
Watanabe
,
PT
,
Director :
Continuing
Education Center
,
Kameda Mcdicat Center
キ
ー
ワ
ー
ド:理 学 療 法 十
,
エ ン パ
ワメ ン ト
,
生 涯 学 習
の こ と から単に免 許 を 有 す るだけで な く
,
そのため には よ り高
度 な専 門 的 知 識 と技 術 研 修 資 格 要 件 を 得る た めの 自己努 力が
求め ら れ るn
2010
年
4
月 か ら
新
人
看 護
職
卒
後研修 制 度が
努 力義
務 化と なっ
た
。
今後
,
病院 内 (部門 内)に 職 員 教育 部 署
,
専 任 教 育 担 当 者
や院
内指
導 者 を配 置 するなど
,
人 材 育 成 は病 院 責 任として
,
成
果へ の挑 戦は自己 責 任として位 置づ け られ
,
看 護だけでな く他
の医 療 職 種にも波 及 して い くと思われる
。
3
.
2010 年
7
月 現 在
,
学 校 数249 校 (定 員13
,
224 名 )
.
理 学
療 法士合 格 累 計 者は
82
.
794
名で 1966年 第
1
回 国 家 試 験 合 格 者
183 名 か ら
452
倍となっ た
。
これか ら理 学 療 法 士の過 剰 供 給の
時 代になると
,
求
人
減
少⇒就 職
難
⇒
早 期
退
職勧 告
⇒
転
職 を
余儀
な くさ れ
雇
用形 態の 変 化⇒ 派 遣
・
契 約 職 員増⇒
年
功
序
列 廃 止⇒
成
果
主
義
⇒
報酬格
差などが起こ
りう
る
。
リハ の流れの中で理学
療法
を縮 小 させ ることな く職 域 拡 大の
努 力 も必 要である
。
忙 し さや人 手 不 足 を 理 由に自分の 専 門 分 野
を手 放 して しま えば
.
楽になっ た と しても現 場か ら遠 ざかる こ
と にな り
,
患 者か ら学ぶ機 会 を 失い
能 力 も質 も低下する
。
理学
療 法 士が や らな くて よい仕
事
と引 き
算
するこ とは避 け たい
。
い
つ の間に か自分 達の領 域 を他 職 種が
担
う可
能性
もあ る
。
量 もさ
る ことな が ら
質
の
保
証 をど
うす
る か
今 後
の課 題と な る
。
容易
に
理
学療 法
一
L
に な れ る 大 量生 産
時代
。
いっ た ん取
得
し た国
家資格
は
永 久
的と な る
。
近
年
.
対 象疾患が拡 大
・
より重 症化
・
高 齢 化
し て お り疾 患 別理学 療 法だ けでは高リス クや合 併 症を持つ
患 者
対 応がで きない
。
心 臓リハ 指 導士 や呼 吸 療 法 認 定 士の資 格 保 持
者が求め ら れ
,
さ らに患 者
・
家 族
・
社 会の権 利 意 識の高 ま り
など
,
理 学 療 法 士には高い レベ
ルと多 くの ものが求め ら れて
いく
。
4
.
急 性 期 病 院で は疾 患 別 担 当 制や個 室 増 床に より病 室での
個 別 診療が 増 加 し てい る
。
既 存の リハ 施 設 老 朽 化 や 耐 震 問 題 な
ど で新 築と な る と
,
各 科
・
病 棟 単 位でリハ がで き る設 備のニ
ー
ズ が 発 生 して くる
。
大 き な リハ 室 や 患者 搬 送 不 要と な り施 設基
準よりも 人員配置基準が優 先的 な考えになっ て い く
。
たと え ば 看 護 師の配 置 (
7
:
1
)で看 護 師 不 足 が 続 き理 学 療 法
士 過 剰 供 給になると
,
理 学 療 法 士 が 病 棟 (科 )のチ
ー
ム の
一
員
と して
365
日診 療 体 制 に組 み 込 ま れ る 可 能 性 が あ る
。
これ に伴
N工 工
一
Eleotronio
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理学 療 法 学 第
38
巻 第
4
号
い看 護 補 助 業 務 もあ り得る。 お互い の専 門 性を優 先
・
尊 重し役
割 分 担 する 必要がある
。
よっ て これ か らの理学 療 法士には多 様
化に対 応 するこ とも求められる
。
た だし
,
病 棟 (科 ) 配 属となっ た場 合
,
理 学 療 法 臨 床 場 面 を
通し先 輩か ら学 び後 輩 を 指
導
する機 会 が 減 り新 人へ
の OJT
が
不 十 分 と なる懸 念がある
。
偏
りを な くし標
準
化 する に は
,
理
学
療法
の
手
順を具 体 的に示 すガ イ ドライン
作
り
,
院
内
・
部
内
職 員
教 育の充 実
,
協 会主導の卒 後 研 修
・
専 門 領域の教 育が不 可 欠と
なる
。
5
.
病 院で は医 師 不 足
,
過 重 労 働 対 策と して事 務 職 員の 業 務
代 行
,
コ メ ディカルへ
のエ ン パワメ ン ト (権 限 委 譲 )お よびス
キルミ クス (多 職 種 協 働 )
,
ナ
ー
ス プラ ク ティシ ョナ
ー
(高 度
実 践 看 護 師 ) 方 向へ
動い てい る
。
こ の ことは ド ミ ノ式に医 師
⇒
看護⇒ 医 療 技 術 職⇒ 介 護 職へ 及 ん でい く
。
吸 引 が その例 で
ある。
現 在
,
協 会の生涯 学 習シ ス テ ムが移 行 期のた め混 乱 して い る
が
,
7
つ の専 門 領 域 研 究 部 会の 各 部 会 か ら
,
合 計
23
領 域の認
定 理 学 療 法 士 を取 得 する 目標が明確に示 され た
。
理 学 療 法 士が
権 限委 譲さ れ る た め の質 を保 証 する手 段 と武 器 となり うる
。
た
だし
,
少 人数 職
場
の理 学 療 法 士が不 利 となった
り
地域 間
格
差を
な くすには
,
病 院 も
自
職 員だけでな く地 域の他 院か らの研 修生
も受 け入れ る卒 後 教 育 研 修 施 設と して整備 する必 要 が ある
。
私たちは どんな 環 境の変 化に遭 遇して も
,
理 学 療 法 十の コア
やアイデ ンテ ィ テ ィを持 ちつ つ
,
社 会に貢 献で きる道 を常に模
索 して い くことを
,
求めて い きたいもの である
。
最 後に
協
会に は生 涯
学
習 プロ グ ラムが 理
学療 法
.
.
L
が
勤務
する職 場人
事
処 遇 や 診療 報酬 に 反 映 さ れ る 戦 略 を 期待 し たい
。
N工 工
一
Eleotronio
Library