Japanese Physical Therapy Association
NII-Electronic Library Service
Japanese Physioal Therapy Assooiation理学 療 法学
第
38
巻 第8
号605
〜
606頁(
2011年)
協 会 指 定 企 画
病 期 別
に
見
た 理
学療 法
の
未 来 図
*一
療 養施
設
か
ら
見
た 医 療 制 度
の
現 状
と
課 題
一
原
司
* * は じめ
に近 年
,
介
護 保 険制 度
が導
入 さ れ在
宅 支 援が進め ら れ る一
方 で,
地 域・
家 庭 環 境 などの変 化に伴い介 護 保 険施設 等の療 養 施 設 入 所へ のニー
ズ は高い現 状にある。
特 別養 護老 人 ホー
ム に お い ては入所 待 機 者が 42万 人を超 え,
その半 数は在宅でなく介 護 老 人 保 健 施 設 等の施 設 人 所 者である現状 もあるO
。
介 護 保 険 法の第4
条 (国 民の努 力 及び義 務 ) に,
国民 は,
自 ら介 護予 防・
健 康 増 進・
要 介 護状 態 と なっ た 場 合 も進ん でリハ ビ リ テー
ショ ン等のサー
ビスを利 用 することが 挙 げ られ る。
介 護 保険施 設 は,
要 介 護 高 齢 者 に 対 し て リハ ビリ テー
ショ ンとい う概 念 で サー
ビス を 提 供 し てい く必 要 が あ る。
し か し な が ら,
療 養施 設 と リハ ビリテー
ショ ンのニー
ズ は 高い一
方 で リハ ビリ テー
ショ ン専 門職の配置基準は 十分で ない施 設の現状 がある。
今 回,
療 養 施 設として,
私 が 勤 務 する特 別 養 護 老 人 ホー
ムか ら 見 た現 状と課題 につ いて,
施 設の理 学 療法.
上1
意 見として次 の3
点 に着 目 して述べさせてい た だ く。
理 学 療 法 士の職 域 が 拡 大さ れる中,
療 養施 設に おける理学 療 法 士の必 要 性につ い て考 える よい 機 会となればと考 えてい る。
1
.
人 員配罹につ い て 2.
医療と介 護の連 携につ いて3
.
地 域と の関わ りにつ い て 人員 配 置
につ い て特 別
養
護 老人 ホー
ム の理学 療 法士 は,
介 護 報 酬における個 別 機 能 訓 練 加 算 (12単 位 / 日 )で,
入 所 者100名に対して専 従 の機 能訓練 指 導 員1
名の配 置と して位 置づけら れ,
多 職 種 協 働 に よる個別 機 能 訓練 計 画 書の作 成,
計 画 書に基づ き計 画 的に機 能 訓 練・
アセス メ ン トを行 うe こ の プロセ スを重 視 する考 え は リハ ビリテー
ショ ン マネ ジメ ン トと同 様である。
全 利 用 者 に対 して計 画 書 を 作 成
,
多
職 種協 働で定期
的 なカン フ ァ レ ン ス を 開 催,
ヒエ ラルキー
な く利 用 者 目線で そ れ ぞ れの源
1 『
.
.
.
一
一
The Visi(レ11 fer PhysicaL Therapy by Stage:Current Status and 由c
Problem of the Med工ca ユSysteln as sccπ1 frDm rhe Nursiiig Hoine * *
特 別 養 護 老 人ホ
ー
ム シ ク ラメ ン リハ ビ リ テー
シ ョン室 (〒509−
7321 岐阜 県 中 津川市 阿 木 2811−
1)Tsukasa Harq PT
,
MS;Cydamcn Nursing Homeキ
ー
ワー
ド;療養 施 設,
連 携,
地域 専 門職 が 専 門性 を も ち,
利 用 者が どういう
生活をすべ き か議論
さ れる。
チー
ムに よる リハ ビリテー
ショ ン・
自立支
援 が 重 要で ある一
方,
機 能 訓 練 指 導 員とい う職 種の内 訳 は,
理 学 療 法士(
350
名),
作 業 療法士(
260
名 ).
言 語聴 覚士 (33
名 ),
看 護 職 員 (3
,
164
名)
,
柔 道 整 復師 (ll9
名 ),
あ ん摩マ ッサー
ジ指圧 師 (548名 )と リハ ビリテー
ショ ン専 門 職 は 少 ない 現 状 に あ るz,。
ここ で 重要な課題 と して
,
施設 利 用 者が 入所中 に 脳 血管
障 害・
骨 折 を発 症 した場 合,
手 術 療 法 あるい は 生命の危 険がな け れ ば 保 存 療 法 と積 極 的 な治 療 が な され ない こと,
また施 設 側の 問 題 と して空 床 期 間の短 縮,
医 師 不 足・
凹復 期 病 院の整 備 不 足 等に よって,
急 性 期〜
回復 期の施設 利 用者が存 在 する 現状であ る。
理学 療 法 」:の 不足は 必要な リハ ビリ テー
ショ ン・
自立 支 援 へ の対 応 を 困 難 と さ せ てい る。
今後の施設のあ り.
方と し て,
理 学 療 法士の雇用 に 採算
性が合わ ない とい う現 状,
訪問リハ ビ リ テー
ションに よ る介 人 が 必 要となる と考 えて い る。医 療
と介 護
の連 携
に つ い て 介 護 保 険サー
ビ ス とし て,
居 宅・
施 設サー
ビ スが要 介 護 高 齢 者に対し て提 供さ れ てい る。
在 宅 支 援が重視さ れ てい る 中,
在 宅へ の 連携は,
ケ アマ ネ ジャー
中 心 に 書 面 も し く は 有 機 的 な カ ン ファ レン ス に よ り診療・
介護 報 酬 が算定 可 能 で あ る。.
.
一
方 で,
施 設へ の連 携につ い ては定 まっ て いない現 状がある。
地 域 格 差はあるが,
当施 設では 急性 期 か ら療 養 施 設へ 直接 入 所 され るケー
スも あ り,
連 携の不 足 か ら医 学 的情 報の不 足・
生 活 期へ の移 行が整っ ていないな どの現 状 を目 の当たりに し てい る。
療 養 施 設か ら み た 医療 制 度につ い て考え,
医療 機関 との連 携 を 円 滑に図る た め,
医療と介 護の 間 で 継 続 的 な 働 き か け を し てい る ケ アマ ネジャー
(当 施 設が あ る広 域 行政内のケアマ ネ 部 会 参 加 者87
名 )に対
し 理学療法
.
1
:との 関わ りにつ い て意 見をい た だ い た。
様
々な意 見をいた だいた中で,
医 療 機 関,
居 宅 サー
ビス各 事業所
闇に おける埋 学療
法 士との連 携において,
半 数 が 「連 携 を 図 れて いる と 思う」
と答え た が,
「連 携を図 れてい るとあ ま り 思 わ ない」,
「もっ と カン フ ァ レ ン ス などで連携 を図 りたい 」と い う意 見 も 多い 傾 向 に あっ た。
その他に 「病 院からリハ ビ リ処 方 な く廃 用 症 候 群 で 退 院 さ れ る一
L
「病 院は治 療であっ て,
日常 生 活での訓練と は違 う」「医 療 機 関では 在 宅の生活環 境,
家 族 状 況の把 握が むずか しい ので は ない か」 等の意 見をいた だい N工 工一
Eleotronio LibraryJapanese Physical Therapy Association
NII-Electronic Library Service
Japanese Physioal Therapy Assooiation606
理 学 療 法 学 第38
巻 第8
号 た。
医療 機関 に おい て,
医 師の リハ ビ リ処 方 待ちの現 状が問題 にあると考え ら れ る。
施設の よ う に全 利 用 者を対 象とする こと は困 難であ る が,
医 師 不 足が深 刻 な 中,
理 学 療 法.
.
it
が専 門 職と して,
医 師の包 括 的 指 示に責 任 を もっ て応 える こ とが できリ ハ ビ リテー
ショ ン の 必 要 な患 者 評 価の で きる環 境が 必 要 で あ る。
医 療 機 関 との連 携は図っ てい る が.
実
牛活
に直結
し てい な い ケー
ス に 関 し て,
今だ に社 会 的 入院 の ような施設問の入 退所 を繰 り返 す現状 もあ り,
目標とする 生活 場 所が不 明 確な点が挙 げら れ る。
家 族を含
め た地域の受け 皿整 備が不足 して いる 現 状 で,
理学 療 法.
t
が 地 域 包括ケア シ ス テ ム に関わり,
要 介 護 高 齢 者が どうい う 地 域で生活を過ごすのか把 握 することが 重 要で ある。
医
療
機 関と療 養 施 設との琿学
療 法 士におけ る連 携につ いて は,
要 介 護 高齢者
が医 療 機関 か ら施 設入所
さ れ る場
合に 理学 療 法士配 置が不 明 確であ る こ と,
施 設入所 者が人 院さ れ る場 合に 医療 機 関に おい て リハ ビ リ処方の有
無が不 明 確で あ ること か ら 医 学 的 情 報・
リハ ビ リテー
シ ョン に関する連 携が不 十 分と な る 現 状が あ る。
施 設 人 所 者へ の継 続 的な リハ ビ リテー
シ ョン も ど の ように行っ て いけばよ い か今 後 議 論 する必 要があると考えて い る。
理 学 療 法 上 が 利 用 者の地 域 資 源 を把 握 し,
施 設 問で相互 の役 割・
生 活目標 を 共 有 する必 要 が ある.
医
療
と介護
との連携
に関
し て,
理学
療法
十のさ ら なる努
力 が 必要と と も に,
制 度
や 地域 整備
などの限界が あ る こと も現状の 課 題である と考 えて い る。
宅生活の様 丁一
をつ な げ られ,
地 域 に 帰 る 仕紺み が で き れ ば よい と考 える。
また,
障がい・
認 知 症と 要介 護 状態 に なっ て も 理学 療 法士が 地域で活 動し,
身 近で あ れ ば 継 続 的 に 自 立 支 援 に 働 き かけるこ とが できる の で は ない か と も考え る.
地 域 で活 動 する た め に は,
理学 療 法士の社 会 的 認 知 が 重 要で.
行 政・
地 域 包 括支援
セン ター
と の協 力 が 必 要である,
、
連 携 を 図るの は地 域 に あ る 訪問リハ ビ リ テー
ショ ンであ り,
地 域 包 括 ケァという 地域づ く りがす すめ ら れる巾,
訪 問リハ ビリ テー
ショ ンが中心 的な存 在で,
地 域 リハ ビ リテー
ショ ンという概 念の もと携わる こと が 重 要である と考えて い る。
生 活 期 理 学 療 法
の未 来 図
訪 問リハ ビ リ テ
ー
ショ ンが公 益性
を も ち,
理学療 法
十が行
政・
地 域包 括 支 援セ ン ター
と協 力し住
み慣
れ た 地 域 で安 心し て 生活で き る 地 域づ く りを推 進、
かつ理学 療 法士 が 生活を 重視し た リハ ビ リテー
ショ ン マ ネ ジャー
的 な存 在
で,
各
期で連携
を 図 り在宅 生活を攴援して い く地 域づ く りも 重要である。
こ の地 域 整 備が あっ て の療 養 施 設であ り,
在 宅生活が本 当に 困難な方に 対して,
リハ ビリ テー
シ ョ ン概 念を継 続さ せるた め 理学 療 法士 が 必要で あるn
また,
地 域の療 養 施 設と して,
地 域のコ ミュ ニ テ ィへ の参 加 を支 援できることも期 待で きる、
、
リハ ビ リ テー
ショ ンと して有 機 的 なカンファ レ ン スを通 じた多
職 種 連 携,
チー
ムとし て利 用 者に関 わ り,
医 師 か らの包括 的 指示 に も責 任を もっ て対応 で き る 理 学 療 法.
1
;が 病 院・
施設 だ け で は な く地 域の理学 療 法十 と し て 活 躍 で き ること を期 待す る。
地 域 と
の関 わ り
につ いて
療 養施
設は地 域に根
ざ した施 設で あ り,
地 域ニー
ズを把 握 す る 必 要 がある。
地域 高 齢 者の増 加 か ら要 介 護 状 態へ の不 安 が 取 り ヒげら れ てい る 現在
,
琿学療 法
士が介 護予防 を 通 じて地 域で 活 躍 する こ と が期待
さ れ る。
万・
,
地 域 高 齢 者 が病 院へ 入 院 さ れる こ とに なっ ても,
地 域 理学 療法 士 か ら病院 理 学 療 法 士へ 在文
献
1〕hてtp:/〆www
.
mlLlw.
g〔,.
jp
,’
stE,
上loudou !2r98520000eO3b’
s,
d,
htnコ1〔参照2009
_
i2_
22)2 ) ht£Pゴ
、
〆
www.
lnhlw.
90、
jp,’
toukel〆salkin.
,
’
h“,
,
t’
kaigo.
,
’
servic :eO8 !index.
html 〔参 照 2010