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更新日:2008/1/24 調査部: 坂本茂樹

ベトナム、マレーシア: 新規油田が順次生産を開始

(Platts、IOD、Soco International 等関係各社 HP、コンサルタント情報) アジア太平洋地域の 2000 年以降の新規石油発見において、ベトナムおよびマレーシアが良好な 成果を収めている。両国共に既存の主力油田は生産減退に向かいつつある。しかし新規発見油田が順 次油生産を開始するため、一定期間は既存油田の生産減退を補うことが可能となる。

ベトナムでは、浅海の既存石油生産地域Coo Long 堆積盆地において、2000 年以降 Su Tu Den 等

新規油田発見が相次いだ。石油残存埋蔵量の中で、これら新規油田が占める比率は 60%に達する。 2003 年に生産開始した Su Tu Den 油田に続き、2008 年に新規油田の生産開始が相次ぐため、ベトナ ムの石油生産量は2010年頃に過去のピーク生産を凌駕して50万b/dに近づく可能性がある。なおベト ナムのエネルギー資源開発の今後の期待は、未探鉱の中部沖合深海と北部トンキン湾における探鉱で ある。 マレーシアは、東南アジアでインドネシアと並ぶ伝統的産油国であるが、石油生産量は 1990 年代半ば 以降横ばい状態にあり、今後は主力油田が減退に向かう。マレーシアでは東マレーシア・サバ州沖合深 海域で 2002 年以降大規模発見が続き、インドネシアのカリマンタン島東沖合と並ぶ有望な深海油田地 帯となった。2007 年半ばに、マレーシア初の深海油田として Kikeh 油田が生産を開始し、今後生産量 を拡大させる。2010 年に生産開始予定の Gumusut 油田を併せ、深海油田の新規生産が急速に生産 減退の進む既存油田の生産を補っていく。マレーシアの将来の石油生産に関しては、この深海油田開 発の動向および深海油田地域に隣接するブルネイとの海域境界問題の解決が重要な要素になる。 1. アジア太平洋地域の1996~2005 年の発見 (IHS統計資料より) アジア太平洋地域は、中東、アフリカ等に比べて大規模発見が少ないことから探鉱成熟地域とみなさ れる。しかし最近10 年間(1996~2005 年)の新規石油ガス発見量を地域別に見ると、アジア太平洋地 域の発見量が世界で最も多い(図1参照)。要因としては既に埋蔵量規模の大きい中東産油国では新規 探鉱活動がさほど盛んでなかった事に比べて、アジア太平洋地域ではライセンス付与および掘削数が 多いなど探鉱活動が相対的に活発であったこと等の理由が考えられる。しかしアジア太平洋地域ではガ スの発見比率が高く、原油発見は概して少ない。国別に見ると(本稿では中国を除外する)、石油発見の 多かったのはインドネシア、ベトナム、マレーシアの3 国であるが(図 2 参照)、2000 年以降の石油発見 量では、ベトナム、マレーシアがインドネシアを凌駕している。

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図1 世界の石油ガス発見量(1996~2005 年、IHS 社統計) 0 1 0 ,0 0 0 2 0 ,00 0 30 ,0 0 0 4 0,0 0 0 5 0 ,00 0 6 0 ,0 00 7 0,0 0 0 石油換算百万バレル 中東 中南米 欧州 旧ソ連 アフリカ アジア太平洋 世界の石油ガス発見埋蔵量( 1 99 6 - 20 0 5 年) 石油 ガス 図2 アジア太平洋地域の石油ガス発見量(1996~2005 年、IHS 社統計) 0 5 ,00 0 10 ,0 0 0 1 5 ,0 00 2 0 ,00 0 25 ,0 0 0 石油換算百万バレル 豪州 中国 インド インドネシア マレーシア マレーシア/ タイJDA ミャンマー ベトナム アジア太平洋の石油ガス発見埋蔵量( 1 9 96 - 2 00 5 年) 石油 ガス

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マレーシアとベトナムは東南アジアで第2 位および 3 位の産油国であるが(図 3 参照)、1990 年代末 以降の生産量は横ばい状態であった(図 3 参照)。今後、マレーシアの Tapis 原油、ベトナムの Bach Ho 原油など主力の軽質原油生産が減退していくが、2000 年以降に両国で発見された新規油田の多く が軽質原油であり、既存軽質原油生産減少を補填する役割をも担っていく。 図3 アジアの石油生産量推移(BP 統計) アジアの石油生産量推移(BP統計、2007年6月)

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中国 インドネシア インド マレーシア ベトナム 以降、ベトナム、マレーシア両国の新規油田生産動向を概説し、今後の石油生産動向を探る。 2. ベトナム (1) 2000 年以降発見された新規油田

ベトナムの石油生産は、Bach Ho 油田(Vietsovpetro)、Rang Dong 油田(日本ベトナム石油)が中心 であり、2000 年までは他にめぼしい発見がなかった。しかし 2000 年以降、ConocoPhillips や英 Soco International が国営石油 PetroVietnam との共同操業会社を通じて、既存石油生産地域の Cuu Long 堆積盆地において、次々と新規油田を発見した。該当鉱区は、15-1 (Su Tu Den 油田等)、16-1 (Te Giac Trang油田)、9-2 (Ca Ngu Vang 油田)の 3 鉱区である。発見油田の多くは基盤岩からの石油 発見であり、複雑でリスクの高い構造もあったと言われる(詳細は後述の各油田開発基礎情報参照)。

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図4 ベトナム新規発見鉱区 (出所) Soco Internatonal HP(2007 年 6 月 株主総会説明資料)

ベトナムの石油残存可採埋蔵量を油田エリア毎に見ると、新規発見された3 油田エリアがベトナムの全 石油埋蔵量の60%近くを占める(図 5 参照)。

2008 年には複数の新規油田生産開始が予定されている。上記 3 エリア内では Su Tu Vang 油田 (15-1 鉱区)、Ca Ngu Vang 油田(9-2 鉱区)、他に Phuong Dong 油田(Rang Dong 油田と同じ 15-2 鉱区)、Song Doc 油田(46/02 鉱区、南西部沖合)等である。すべての生産油田に権益を保有する国営 石油会社PetroVietnam は、2007 年11 月に首都ハノイで開催された第10 回ベトナム石油ガス電力会 議において、これらの新規発見油田の生産開始により、ベトナムの原油生産量を現在の30万b/d台から 50 万 b/d へと大幅に増加させる計画を表明した。

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図5 ベトナムの石油残存埋蔵量:エリア別比率 (コンサルタント見解等) ベトナムの石油残存埋蔵量:エリア別比率(2006年末) その他 11% Ca Ngu Vang 7% Su Tu Den 等 30% Ran g Dong 等 11% Bac h Ho/Rong 1 7% Ruby 4% Te Giac Trang 20% 図6 ベトナムの原油生産見通し 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500 千b/d 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 ベトナム石油生産見通し その他 Ca Ngu Van g Te Giac Tran g Su Tu Den Ruby Ran g Dong Bach Ho/ Ron g

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ベトナムの主力 Bach Ho 油田は今後急速な生産減退が予測されるが、新規発見油田の生産量が 2009 年以降増大するためピーク生産量を更新して、50 万 b/d に近い生産規模を数年間維持することが 可能と見られる(図6 参照)。しかし新規発見油田には、Bach Ho 油田に準じる大規模油田はないため、 長期にわたって生産規模を維持する事はできない。長期的に石油生産規模を維持するためは、さらに 今後の新規発見が求められる。 Su Tu Den(ス・トゥ・デン)等油田開発基礎情報 (1)鉱区名: 15-1 鉱区 (2)場所: ベトナム南東部沖合浅海、Cuu Long 堆積盆地 (3)水深: 47~56 メートル

(4)発見: Su Tu Den(2000 年)、Su Tu Vang(2001 年)、Su Tu Trang(2003 年) (5)埋蔵量: 4.5 億バレル+1.5 Tcf

(6)パートナー: Cuu Long JOC:PetroVietnam(50%)、ConocoPhillips(23.25%) KNOC(14.25%)、SK Energy(9%)、Geopetrol(3.5%) (7)生産: 原油; Su Tu Den(2003 年~)、ピーク生産 7 万 b/d Su Tu Vang(2008 年~)、ピーク生産 6 万 b/d (8)性状: 原油;API=27~36 Ca Ngu Vang(CNV、カ・ング・ヴァン)油田開発基礎情報 (1)鉱区名: 9-2 鉱区 (2)場所: ベトナム南東部沖合浅海、Cuu Long 堆積盆地 (3)水深: 47~56 メートル (4)発見: Ca Ngu Vang(2002 年) (5)埋蔵量: 1 億バレル+0.5 Tcf

(6)パートナー: Hoan VuJOC:PetroVietnam(50%)、SOCO International(25%) PTTEP(25%)

(7)生産: 原油; Ca Ngu Vang (2008 年~)、ピーク生産 2 万 B/d (8)性状: Ca Ngu Vang;API=44

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Te Gias Trang(テ・ジャス・チャン)油田開発基礎情報 (1)鉱区名: 16-1 鉱区

(2)場所: ベトナム南東部沖合浅海、Cuu Long 堆積盆地 (3)水深: 47~56 メートル

(4)発見: Voi Trang(2002 年)、Te Giac Trang(2005 年) (5)埋蔵量: 3 億バレル+0.5 Tcf

(6)パートナー: Hoan LongJOC:PetroVietnam(41%)、SOCO International(30.5%) PTTEP(28.5%)

(7)生産: 原油; Te Giac Trang (2009 年~)、ピーク生産 6 万 B/d (8)性状: Te Giac Trang;API=39

(2) 将来の石油生産への展望

ベトナムは東南アジアでは新興産油国である。既存生産エリア(Cuu Long および Nam Con Son 堆 積盆地)は探鉱成熟地域と言われるが、本稿で紹介した 2000 年以降の新規発見油田はすべて Cuu Long 堆積盆地における発見である。2008 年 1 月に伝えられた最新の発見(Zarubezhneft 等コンソー シアムによる09-3 鉱区 Doi Moi 構造、Talisman 等 Thang Long JOC による 15-2/01 鉱区内 Hai Su Trang)も Cuu Long 堆積盆地にある。Cuu Long 堆積盆地の油田は基盤岩からの発見が多く、地質的 な難しさがあるものの、石油生産の歴史の短いベトナムでは、既存生産地域内でなお新規発見を期待 できそうである。 また新興産油国のベトナムは、伝統的産油国のインドネシア、マレーシアと異なって未探鉱地域の面 積が広い。ベトナム政府が近年の探鉱鉱区入札で公開に力を入れているのは、中部沖合深海域および 北部のトンキン湾沖合鉱区である。既にこれらの中部・北部での公開鉱区の中で、9 鉱区の権益が国際 石油企業を含む企業に付与されている。また2007 年公開入札では、トンキン湾沖合浅海の 7 鉱区が公 開された(図 7 参照)。これらの地域ではまだ商業規模の発見がなされておらず、今後の探鉱成果が期 待される。 トンキン湾内中国領海では、発見された炭化水素のほとんどがガスであるなど、地域によってはガス発 見可能性が高い。東南アジアの中で相対的に遅れて産業近代化を開始したベトナムでは、先に南部に 製造業が立地して電力用ガス需要が増加した。しかし最近は北部ハノイ周辺においても工業団地が造 成されつつある。将来は南北両地域におけるガス需要増加とガス産業の発展余地が考えられる。

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図7 ベトナム中部・北部の鉱区付与状況、公開鉱区(各種情報、報道から)

(注)付与既の鉱区: 101~03, 106, 107, 112, 113, 122, 124, 127, 128 2007 年入札の公開 7 鉱区: 105-110/04, 111/04, 114~16, 120, 121

3. マレーシア

(1) 東マレーシア・サバ州沖合の深海油田開発

東マレーシア・サバ州沖合Baram Deltaの深海において、米Murphy Oil(SB-K鉱区)および Shell (SB-J 鉱区)によって 2002 年以降、続けて大規模油田が発見された。今や同地域は、インドネシア・カリ

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マンタン島東沖合深海と共に、東南アジアで最も注目を集める深海地域である。 Murphy Oilが発見し た Kikeh 油田の規模は、ブラジル、西アフリカ、米国メキシコ湾岸沖合の深海油田に次いで、単体で最 近10 年間に発見された深海油田の中で 20 位程度に位置し、周辺のサテライト油田を加えると 10 位程 度に位置づけられる。 マレーシアの既存原油生産地域は、マレー半島東沖合(Terengganu 地域の Tapis 等が主力原油) および東マレーシアのサラワク、サバ州沖合浅海部である。これら地域は探鉱成熟地域とされ、既存油 田の生産量は今後減退が進むものと見られている。サバ州沖合深海で発見された新規油田は、既存油 田の生産減退を補う機能を担い、マレーシアの将来の石油生産は、フロンティア、つまりサバ州沖合深 海域の石油開発如何にかかってくる。なお、マレーシアは貴重な輸出用石油資源を長期間温存する政 策(National Depletion Policy)を取っており、石油生産量上限を 60~65 万 b/d に制限している。従っ て、新規油田生産規模はマレーシア全体の石油生産量60~65 万 b/d の範囲内で計画・実施される。 図8 に石油残存埋蔵量のエリア別の比率を示す。2006 年末時点で、サバ州沖合深海油田の埋蔵量 が全体の約40%を占める。 図8 ベトナムの石油残存埋蔵量:エリア別比率 (コンサルタント見解等) マレーシア石油残存埋蔵量:エリア別比率(2006年末) SB K 25% SB J 16% サラワク・サバ 2 6% マレー半島沖合 3 3%

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図9 マレーシアの原油生産見通し 0 100 200 300 400 500 600 700 800 千b/d 2000 20012002 2003 2004 20052006 2007 2008 20092010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 マレーシア石油生産見通し SB J SB K サラワク・サバ マレー半島沖合 (出所) 実績:BP 統計他、見通し:各社生産計画、コンサルタント見方等 (2) SB-K 鉱区(オペレーター:Murphy Oil)

Murphy Oil は 2007 年 8 月、マレーシアで最初の深海油田となる Kikeh 油田の生産を開始した。 当初の生産レート2 万 b/d で、2008 年末にピーク生産 12 万 b/d に達する。

SB-K 鉱区(Kikeh、Kakap 油田)開発基礎情報 (1)鉱区名: SB-K 鉱区

(2)場所: 東マレーシア・サバ沖合深海、Baram Delta (3)水深: 1,203~3,580 メートル

(4)発見: kikeh, Kikeh Kecil 等(2002~04 年)、Kakap(2004 年) (5)埋蔵量: 5 億バレル+0.5 Tcf

(6)パートナー: Murphy Oil(80%)、Petronas Carigali(20%)

(7)生産: 原油; kikeh(2007 年~)、ピーク生産 12 万 B/d(2008 年~) Kakap(2010 年~、予定)、ピーク生産 2.6 万 B/d (8)性状: Kikeh ;API=35

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図10 マレーシア・サバ州沖合深海鉱区 (各種情報・報道)

Kikeh 油田近隣で発見された Kikeh Kecil、Kikeh-5 等サテライト油田は、順次 Kikeh 油田に繋ぎ 込んで生産され、12 万 b/d の生産レート維持に供される。Kikeh 油田が 12 万 b/d のピーク生産に 達する2009 年以降、同油田は Murphy Oil 全石油ガス生産量(約 22 万 boed)の約 55%を占める旗 艦資産となる。

なおMurphy Oil は、隣接する SB-J 鉱区における Shell の Gumusut 油田発見後、同油田が SB-K 鉱区に延長していると期待できる地域での試掘によって Kakap 油田を発見した。Kakap 油田/ Gumusut 油田は 2 鉱区に跨る一体の油田と見られる。

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(3) SB-J 鉱区(オペレーター:Shell) 前項に記したように、2003 年にSB-J鉱区でGumusut油田が発見された後、2004 年に同油田の SB-J鉱区での延長としてKakap油田が発見された。2006 年にGumusut/Kakap油田に係わるユニ タイゼーション(Unitization)1契約が締結された(パートナー権益シェアは下表参照)。Gumusut /Kakap油田は一体開発されるものと考えられる。 SB-J 鉱区(Gumusut 油田を含む)開発基礎情報 (1)鉱区名: SB-J 鉱区 (2)場所: 東マレーシア・サバ沖合深海、堆積盆地 (3)水深: 71~1,518 メートル (4)発見: Gumusut(2003 年) (5)埋蔵量: 3~5 億バレル (6)パートナー: SB-J鉱区;Shell(35%、オペレーター)、ConocoPhillips(35%)、 Petronas Carigali(30%) Gumusut/Kakap油田;Shell(20%、オペレーター)、ConocoPhillips(35%)、 Murphy Oil(35%)、Petronas Carigali(10%)

(7)生産: 原油; Gumusut (2010 年~)、ピーク生産 15 万 B/d(Gumusut/Kakap 油田全体) (8)性状: Gumusut; API=39 なおGumusut/Kakap 油田は、ブルネイとの境界未解決問題を抱えた Block-L(マレーシア側 はMurphy Oil に付与)に延長していると見られるが、同鉱区内開発の目処は立っていない(次項 参照)。 (4) マレーシア/ブルネイ間海域の境界問題、マレーシアの将来の石油生産 サバ州SB-K, J 鉱区の南西側海域はマレーシア/ブルネイ間の境界が定まっておらず、両国が領有 を主張している。マレーシアは同海域にBlock-L, M の 2 鉱区を設定しているが(Murphy/ Petronas Caligari に付与)、ブルネイはほぼ重複する海域に Block-J, K を設定して Total および Shell を主体と

1一つの油田が複数の鉱区にまたがっている場合に、その開発の合理性・経済性を保つために、関係する複数の鉱業権者

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するコンソーシアムに権益を付与している。同地域はSB-K, J 鉱区と同様に高い地質ポテンシャルが期 待され、またBlock-L には、Kakap/ Gumusut 油田の延長が見られる。しかし同海域では両国間の境 界が定まっていないため、探鉱作業は実施されていない。 過去に両国政府関係者による協議が実施され、また協議を再開する意思表示が行われているが、境 界問題解決に対する具体的な目処は立っていない。 マレーシア沖合浅海の既存石油生産地域は成熟地域と見なされている。今後の石油生産は、深海油 田開発動向と、同様に高い探鉱ポテンシャルを有すると見られるブルネイとの境界地域における境界問 題解決の行方が重要な要素となる。 4. 今後のアジア太平洋地域の石油ガス上流事業の方向 前章までに見たように、ベトナム、マレーシアでは2000 年以降に新規石油発見に成功して、石油埋蔵 量を大幅に増やすことができた。新興産油国ベトナムでは既存生産地域にまだ発見余地が多かったこと、 マレーシアではサバ州沖合深海の探鉱が成功したことに因る。 アジア太平洋地域の上流事業環境を概観すると、国によって状況が異なり多様性が大きいものの、探 鉱鉱区・石油ガス資産への公開度が比較的高い。エネルギー資源に富むが、国有石油企業がほとんど の資産を抱え込んで公開機会の少ない中東と比べると、参入機会は多いと言える。 しかし、伝統的生 産地域では既存油田の生産減退が進み、新たな探鉱対象はフロンティア地域に移行している。今後は 深海を含む未探鉱地域での探鉱が重要性を増していく。 また1章で記したように、アジア太平洋地域ではガスの発見比率が71%と非常に高い。同地域におけ る石油ガス上流事業推進で、今後は中小規模を含むガス田事業化の可否がますます重要になる。アジ ア太平洋地域は現時点で世界人口の約 55%を占め、多くの有望な発展途上経済地域を抱える。中国、 インドのみならず東南アジア、南アジア各国でガス消費増加が見込まれており、潜在的なガス需要規模 が大きい。技術的、経済的双方の観点から、ガス資源を有効利用するノウハウの進展が望まれる。

図 4   ベトナム新規発見鉱区  (出所)   Soco Internatonal HP ( 2007 年 6 月  株主総会説明資料)
図 7   ベトナム中部・北部の鉱区付与状況、公開鉱区(各種情報、報道から)
図 9   マレーシアの原油生産見通し 0100200300400500600700800千b/d 20 00 20 01 20 02 20 03 20 04 20 05 20 06 20 07 20 08 20 09 20 10 20 11 20 12 20 13 20 14 20 15 20 16マレーシア石油生産見通し SB  J SB  K サラワク・サバ マレー半島沖合 (出所)  実績:BP 統計他、見通し:各社生産計画、コンサルタント見方等 (2)  SB-K 鉱区(オペレーター:Murph

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