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Ⅱ 研究内容 1 本研究で目指す将来の健康につながる食習慣とは本研究で目指す将来の健康につながる食習慣とは 児童が各学年の食に関する指導の目標を達成でき 発達段階に応じた食についての正しい知識を身に付け 将来の自分の健康を考え健やかに生きるための基礎を培うこととする 2 食育推進に関する計画食育推進

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沖縄県立総合教育センター 後期長期研修員 第 63 集 研究集録 2018 年 3 月

〈食教育〉

将来の健康につながる食習慣の形成を目指す指導の工夫

―食育推進に関する計画の作成、活用を図る取組を通して―

浦添市立仲西小学校栄養教諭 崎 浜 あづさ

Ⅰ テーマ設定の理由

食は人が生きていく上での基本的な営みの一つであり、健康な生活を送るためには健全な食生活は 欠かせない。しかし近年、生活の多様化で食を取り巻く環境が大きく変化し、不規則な食事、栄養の 偏り、肥満や生活習慣病の増加など健康についての問題が生じ、望ましい食習慣の形成は国民的課題 となっている。このような健康課題を解決するために平成 17 年食育基本法が施行され食育推進に関す る方針や目標が定められた。そして、平成 28 年第3次食育推進基本計画の重点課題が農林水産省から 定められ、「特に子供のうちに健全な食生活の確立をすることは生涯にわたり健全な心身を培い、豊か な人間性を育んでいく基礎となるため、子供への食習慣を形成する家庭や学校等の食育の取組を推進 する必要性がある」と明記している。さらに、平成 29 年6月新学習指導要領総則における現代的な諸 課題に対応して求められる資質・能力の「健康・安全・食に関する力」では教科等の役割を明確にし ながら、教科横断的な視点で育んでいくことができるようにすることを示している。 沖縄は昭和 50 年から平成7年までの間、都道府県別平均寿命が男女とも高順位にあり、「長寿の島」 として全国に誇れる時代があった。しかし、平成 27 年の都道府県別生命表では平均寿命が男性全国 36 位、女性7位と順位が下がっている。そこで、健康長寿を取り戻す県民運動として、平成 25 年か ら平成 29 年までの5年間を計画期間とする「第2次沖縄県食育推進計画」を策定し行政や関係団体、 家庭、学校等の地域の力を活用した取組がそれぞれの分野で行われている。 浦添市立仲西小学校(以下「本校」)は、食育推進に関する組織は給食部会を中心に構成されており、 食に関する指導の全体計画(以下「全体計画」)をもとに学級担任と栄養教諭のティーム・ティーチン グ(以下「TT授業」)による教科等や給食の時間における指導を実践している。しかし、全体計画や 学年別の年間指導計画は整備されているが、全体計画に基づく食に関する指導の取組状況や評価に基 づいた改善がされていないため単発的な知識の伝達にとどまり、これらの計画は活用が図られていな い状態である。その改善のために、給食部会で食育推進に関する評価書を作成し、定期的に評価を行 うことを通して全体計画等の実施状況や指導が効果的に行えたかを見直せる組織体制を作る。さらに、 文部科学省が作成を求めている全体計画と学校給食の管理に関する内容を合わせた食育推進計画を作 成する。それらを合わせることで、教育に関する内容に栄養の専門性を生かした、より教育上の高い 効果をもたらすと考える。食育推進計画を作成するにあたっては既存の計画を修正し、食育推進に関 する評価書は新たに作成を行う。この食育推進計画が継続的、有効的に進めるためには、計画、実践、 評価、改善のPDCAサイクルに沿って行うことだと考える。 そこで、本研究では教育活動全体を通した食育推進に関する計画を作成し、給食部会を中心に実践、 評価、改善についての検討を行う。そして、この一連の取組が継続して実践できる体制づくりを図る。 そうすることで、学校全体への食に関する意識が高まり、児童の将来の健康につながる食習慣の形成 を目指す指導につながると考え本テーマを設定した。 〈研究課題〉 将来の健康につながる食習慣の形成を目指す指導の工夫として、食育推進に関する計画を作成し、 その活用を図る取組が給食部会を中心に校内全体で、実践、評価、改善を継続して実践できる体制づ くりについて研究する。

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Ⅱ 研究内容

1 本研究で目指す将来の健康につながる食習慣とは 本研究で目指す将来の健康につながる食習慣とは、児童が各学年の食に関する指導の目標を達 成でき、発達段階に応じた食についての正しい知識を身に付け、将来の自分の健康を考え健やか に生きるための基礎を培うこととする。 2 食育推進に関する計画 食育推進に関する計画(図1)とは、食に関する指導の全体計画と学校給食の管理に関する計 画等を一体として位置づけた計画のことである。さらに教科等の年間指導計画に沿って学習の内 容が給食の食材や献立等と関連を図ることで、教育上の高い相乗効果をもたらす。 (1) 食に関する指導の全体計画 国の食育推進基本計画においても、「学校における食育推進のためには、子どもが食について 計画的に学ぶことができるよう、各学校において食に関する指導に係る全体的な計画が策定さ れることが必要である」と明記されている。また、平成 29 年新学習指導要領では学校運営上 の留意事項が設けられ、「教育課程の編成および実施に当たり『食に関する指導の全体計画』 等と関連付ける」ことが留意点として述べられている。以上のことを踏まえ、学校の食に関す る指導の全体計画は、校内で共通理解を図り組織で継続的、体系的な指導が実現されるように、 給食の時間における食に関する指導、各教科等における食に関する指導、個別的な相談指導を 明確にした全体計画を作成する必要がある。 (2) 学校給食の管理に関する計画等 学校給食の栄養管理とは、学校給食の目標を踏まえ、国が定めた学校給食摂取基準から、標 準食品構成を基に個々の児童の健康状態及び生活活動の実態、地域の実情などに配慮し弾力的 に運用し、栄養バランスのとれた「生きた教材」となるように、全体計画等と関連付け献立作 成を行うことである。また、学校給食の衛生管理は学校給食衛生管理基準(学校給食法第9条) 並びに大量調理施設衛生管理マニュアルに基づいて行われており、学校給食における調理場で の物資管理、調理指導、学校における児童生徒の手洗い、配膳、喫食に関する指導など給食の 時間における指導まで衛生管理の徹底が図られている。 3 食に関する指導について 平成 17 年食育基本法が施行され「子どもたちが豊かな人間性をはぐくみ、生きる力を身につけ ていくためには、何よりも『食』が重要である。」「食育を生きる上での基本であって、知育、徳 育、及び体育の基礎となるべきものと位置付ける」と明記されている。また、「子どもの教育・・・ (中略)を行う者にあっては、食育の重要性を十分自覚し積極的に子どもの食育の推進に関する 活動を取り組むこととなるよう、行わなければならない」と子どもの食育における教育関係者の 図1 食育推進に関する計画 (2)「学校給食の管理に関する計画」等 ・学校給食の栄養管理 ・学校給食の衛生管理(物資管理、調理指導等) (1) 食に関する指導に係る全体計画 「食に関する指導年間計画」 ・給食の時間における食に関する指導 ・各教科等における食に関する指導 ・個別的な相談指導 関 連 を 図 る 教科等の年間指導計画 ・各教科 ・道徳科 ・外国語活動 ・総合的な学習の時間 ・特別活動等 一体として推進

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役割も示されている。本来、食に関する指導は家庭が中心となって行うものであるが、食生活の 多様化が進む中、家庭において十分な知識に基づく指導が困難となってきている。児童、生徒が 食生活の正しい知識、望ましい食習慣を身に付けることができるように、学校における食に関す る指導が今後さらに必要であると考える。 (1) 食に関する指導の目標とは 食に関する指導の手引(以下「手引」)では、児童生徒が健全な食生活を実践し、健康で豊 かな人間性をはぐくんでいけるよう、栄養や食事のとり方などについて、正しい知識に基づい て自ら判断し、実践していく能力などを身に付けさせるために、食に関する指導の目標が設定 されている(表1)。本校では6つの食に関する指導の目標に沿って各学年の発達段階に応じて 指導の内容を作成している。 表1 食に関する指導の目標 (2) 学校における食に関する指導 学校における食育推進は、食に関する指導の基本的な考え方、指導方針等を明確にして教職 員の共通理解を図り、学校給食を生きた教材として活用し、特別活動における給食時間を中心 とした指導、各教科や道徳、総合的な学習の時間、特別活動、個別指導等といった学校教育活 動全体として効果的に取り組むことが必要であると考える(図2)。新学習指導要領では「児童 の発達段階を考慮して、学校の教育活動全体を通じて適切に行うものとする」「食育推進に関す る指導については、体育科、家庭科、特別活動・・・(中略)においてもそれぞれの特質に応じ て適切に行うよう努めることとする」とされている。「教科等にはそれぞれ固有な目標や内容が あり、教科等の目標や内容を身に付けさせ、その実現の過程に『食育の視点』を位置付け、意 図的に指導をすることが大切である」と明記されている。そのためには、学校における食に関 する指導を行うにあたって栄養教諭は専門性を生かし、他の教職員と連携、協力に努め、地域 の産物を学校給食に使用するなど創意工夫を行い学校給食の教育的効果を引き出すように取り 組むことが重要であると考える。 総合的な学習の時間 学校や地域の実情に応じた食に関する 探究的な学習 道徳 節度、感謝、思いやり の心などを食を通して 学ぶ 図2 学校教育活動全体で取り組む食に関する指導 ・食事の重要性、食事の喜び、楽しさを理解する。 ・心身の成長や健康の保持増進の上で望ましい栄養や食事のとり方を理解し、自ら管理していく能力を 身に付ける。 ・正しい知識・情報に基づいて、食物の品質及び安全性等について自ら判断できる能力を身に付ける。 ・食物を大事にし、食物の生産等にかかわる人々へ感謝する心をもつ。 ・食事のマナーや食事を通じた人間関係形成能力を身に付ける。 ・各地域の産物、食文化や食にかかわる歴史等を理解し、尊重する心をもつ。 教科 ・各教科の目標や内容を第一に考え、その実 現の過程に「食育の視点」を位置づけた指導 ・学校給食を生きた教材として活用 給食の時間 意図的・計画的に繰り返し 実践活動を通し具体的な指導 個別指導 個別の健康相談指導(偏食・肥満・痩 身・食物アレルギー・運動部活動児 童生徒など) 特別活動の学級活動 ・食育の観点を踏まえた学校給食と 望ましい食習慣の形成 ・心身ともに健康で安全な生活態度 の形成

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(3) 栄養教諭が行う食に関する指導 学校教育法では、栄養教諭は「児童生徒の栄養の指導及び管理をつかさどる」職責を有して いる。「手引」によると「栄養教諭が中心となって、その学校の各教職員の参画により、すべ ての児童生徒に対する食に関する指導が、適切になされるような状態を創り出すこと」とある。 また「食に関する指導及び学校給食の管理のうち、指導には①給食の時間における食に関する 指導、②教科等における食に関する指導、③食に関する健康課題を有する児童生徒に対する指 導がある。管理には①学校給食実施基準に基づく適切な栄養管理、②学校給食衛生管理基準に 基づく危機管理等」などがある。さらに、栄養教諭は食に関する指導を効果的に進めいくため に、組織の体制整備や教職員、家庭、地域との連携や調整の中心的役割も求められている。 (4) 学級担任が行う食に関する指導 食に関する指導には、給食の時間における指導や特別活動や関連する教科などでの指導があ げられる。「手引」によると「給食指導は、食に関する指導の目標を達成するために、毎日の 給食の時間に、学級担任が行う食に関する指導」であると述べている。給食の時間は年間約 200 回行われ、学級担任と児童が共に食事をする時間であり、この時間に繰り返し指導を行うこと によって、望ましい食事のとり方の習慣化を図ることができると考える。 (5) 給食部会を中心に行う食育推進 学校全体で食育を推進するためには、体制が整備され効果的に機能する組織が必要となる。 本校では、校内の運営組織の中に給食主任・家庭科主任を中心に各学年の代表からなる給食部 会があり、食育推進に関する組織体制である。食育や学校給食に関する検討事項等を給食部会 の組織で検討し、学年会や職員会議等で教職員へ共通理解を図る等の取組を行う。 4 食育推進のPDCA 平成 29 年3月文部科学省より「栄養教諭を中核としたこれからの学校の食育」が作成された。 「学校の中で栄養教諭を中核にして、チーム学校として食育を推進する際の取組を『計画』『実践』 『評価』『改善』のPDCAサイクルに基づいて行うように」と明確に示している(図3)。組織 において1年間にわたる取組を、年度途中に確認し、評価を行い、改善を加えながら進めていく ことが必要であるとされている。 (1) 学校における食育推進の評価 学校における食育は、教育活動全体を 通し推進することにより成果が期待でき る。さらに食育の成果を検証するために は、各教科等におけるそれぞれの食に関 する指導に対する評価ではなく、全体と しての評価を行うことが必要である。全 体としての評価とは食育推進体制が機能 していたか、食に関する指導目標に近づ いていたかという視点で評価をすること が重要であると考える。また、「栄養教 諭を中核としたこれからの学校の食育」 によると、「評価を行う際には、栄養教 諭は専門的な立場から評価項目や評価内 容、評価方法等について、学校長のリー ダシップのもと中核として参画していくことが求められている」と明記されている。 (2) 評価の実施 本校においては、活動指標と成果指標について評価書を作成する。評価を実施するには、活 動指標により取組の状況等を評価し、成果指標により取組の成果について評価する。給食部会 図3 食育推進のPDCAサイクル

食育推進PDCAサイクル

評価(CHECK)

・食に関する指導の状況 ・食に関する知識・意識 ・学校給食の栄養管理、衛生管理

改善(ACTION)

・評価に基づく改善 ・改善点の洗い出し

計画(PLAN)

・推進体制の整備 ・実態把握と指標の設定 ・各種計画の作成・連携・調整

実践(DO)

・食に関する指導 ・給食管理 栄養教諭 校長のリーダシップのもと 学級担任と連携して推進

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を中心に活動指標の評価の実施、成果指標については既存の各種調査、健康診断等の結果より 栄養教諭が関係の教職員と連携を図り評価をする。本校の給食部会において食育推進に関する 評価を定期的に行い、活動指標と成果指標の結果を合わせて検討し、食育の成果と課題を把握 する。それをもとに教育計画の改善が図られるようにする。

Ⅲ 研究の実際

1 実態把握 対象学級を2年2組(25 名)とし、10 月にその保護者 22 名(回収率 88%)に「食に関するア ンケート」を実施した。さらに 11 月に本校職員 22 名(92%)を対象に「食に関する指導の実態 調査」を実施し実態把握を行った。 (1) 教職員への食に関する実態調査について 「食育について関心がある」と答えた教職員は「そう 思う」「まあまあそう思う」合わせて 82%と、第3次食 育基本計画の現状値 75%に比べ意識の高いことが分か った(図4)。「教育計画の全体計画を確認し指導を行う」 と答えた教職員は 20%、「確認せず指導を行う」75%、 「全体計画は確認したことがない」5%と半数以上が全 体計画を確認せずに指導を行っている。教職員は食に関 する目標を確認しないで指導を行っているとも考えられ る。また「食に関する指導に効果がある機会」では、「関 連教科等の授業」25%、「特別活動(給食時間を除く)」 38%、「給食の時間」38%と教育活動全体の中で指導が行 え る と 捉 え て い る こ と が わ か る 。「 食 に 関 す る 指 導が推進される手立て」では栄養教諭とのTT授業、指 導案と教材の提供、保護者向けの食育講話等があげられ た。これらの食に関する専門性を必要とする場合は、栄 養教諭や関連する担当者との連携をとりながら、教育活 動全体の中で計画的に行っていくことが必要である。ま た平成 28 年度学校評価(教職員自己評価)では、「児童 に好き嫌いせずに食べる習慣を育成することができた」 では評定4段階のうち 2.7 と改善が必要な状態である。 (2) 保護者への食に関するアンケート結果 調査項目については「第3次食育推進基本計画」の数値目標を参考とした。第3次食育推進 基本計画の重点課題に新たに追加された「食文化の継承に向けた食育の推進」も項目に加えた。 食に関する意識については 92%の保護者は「とてもある」と回答し意識の高さが窺える。朝食 についても 92%が「ほとんど毎日食べる」と回答し朝食が習慣化されている。また、「食事を 家族と一緒に食べる事はどのくらいありますか」では 60%がほとんど毎日、家族と一緒に食事 を共にしていることがわかった。しかし、9.5%は「ほとんど一緒に食べない」という共食に ついての課題も見えてきた。「主食、主菜、副菜を3つそろえて食べる事が 1 日2回以上あり ますか」については 60%が「ほとんど毎日」また 10%が「週に2~3日」、10%が「週に1日 程度」しか主食、主菜、副菜をそろえていないという家庭での食事の実態もわかった。保護者 の食に関する意識は高いものの、毎日栄養バランスを考えた食生活を実践する難しさも感じら れた。健康的な食生活を習慣化していくためには栄養バランスの良い食事を家族で一緒に食べ る大切さをより啓発していかなければならないことが分かった。 まあそう思う 58% そう思う 24% あまり思わない 18% そう思わない 0% 食に関する指導の全体計画を確認して指導 を行っていますか 図4 食に関する実態調査(教職員) 確認したことがない 5% 確認して指導を行っている 20% 確認しないで指導を行っている 75% 食育について関心がありますか N=22

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2 食育推進に関する計画の作成のための既存計画の修正 本校における食育推進に関する計画に ついて示した(図5)。 (1) 食に関する指導の全体計画の修正 食に関する指導の内容がより充実し、 効果的に行うためには、教職員による 全体計画の共通理解が不可欠である。 教職員への実態調査 から「全体計画を確 認していない」が 80 %と共通理解の不足 が課題であることが わかった。その改善 の手立てとして、既 存の全体計画を給食 主任と見直しを図り、 教職員がわかりやす く、見やすいものへ と図式化を行った(図 6)。修正の内容とし して、①食に関する 指導の目標を本校の 重点目標と合わせて 焦点化し明確にした。 ②児童及び家庭・地 域の実態等を数値で 記述した。③国の教 育や食育に関する法 規、県、市の教育に 関する計画等を明記 した。④幼稚園から 中学校まで相互と一 貫性のある指導を図 れる様に隣接する学 校の方針を示した。 ⑤各学年の教科等と 食の関連付けを学習 指導計画から抽出し て、単元名を見直し 記入した。⑥栄養教 諭が給食の時間にお ける食に関する指導 やTT授業等を行う 学年と月を明記した。 さらに新学習指導要

食に関する指導の全体計画

学校教育目標 豊かな心と確かな学力でたくましく生きる子どもの育成 ・思いやりがあり心の豊かな子・・ よく考え進んで学習する子・ 明るく強い子 めざす子ども像 幼稚園 ○食ベ物に興味 関心を持つ 【低学年】 ○食べ物に興味関心を持 ち、食べ物の名前が分か る○みんなと楽しく食べ ることができる 【中学年】 ○食べ物の名前が分かり、バランスよ く食べることができるようになる ○すききらいなく食べることができる 【高学年】 ○日常の食事に関心をもち、バランス のとれた食事の大切さがわかるように する。○食事を通して豊かな心と好ま しい人間関係を育てるようにする 【中学校】 ○自分の健康を考えた望 ましい食習慣の育成 給食時間 の目標 楽しい給食時間にしよう4.5.6月 7.8.9月 衛生に気をつけよう 10.11.12月 食べ物の働きを知ろう 1.2.3月 感謝して食べよう 教 科 と の 関 連 1年 2年 3年 4年 5年 6年 国語 七草をおぼえよう 家庭科 ・買い物しらべ ・店で働く仕事 ごはんとみそ汁(栄養教諭TT授業) 一食分の食事を考えよう(栄養教諭TT授 業) 理科 ・ヒトや動物の体 ・生物どうしの繋がり 生活 ・きれいにさいてみん なで遊ぼう ・やさいを育てよう ・メダカの誕生 ・ヒトの誕生 社会 ・季節と生き物 ・国づくりのあゆみ・平和への 歩み・繋がりの深い国々 体育 ・健康な生活 ・育ちゆく体と心 心の健康・けがの防止 ・病気の予防 児童の実態 朝食摂食率 88.5% 残食率22% 肥満率8% 食 に 関 す る 指 導 の 目 標 ・自分の健康を考えた望ましい食習慣の育成 ・何でもよく食べる子 ・朝ごはんをしっかり食べる子 ⑤教科との関連付け、 単元名の見直し ・文部科学省 【学習指導要領】学校 における食育推進につ いて学校の教育活動を 通じて適切に行うもの とする。 沖縄県教育員会①学校 における食育推進体制 の確立及び充実②学校 給食の充実③家庭、地 域 、 関 係 機 関 と の 連 携・浦添市教育委員会 ④幼稚園から中学校 一貫性のある指導 ②児童及び家庭・地域 の実態を数値化 ③国・県の食に関す る法規、計画等 ①本校の重点目標 から焦点化 道徳 給食を通し、他人への思いやり、マナー、感謝の心、生命の尊重などを育成する。 総合的な学習の時間 給食を通し、自他の生命の尊重と、安全な生活を送る態度や能力を育成。食文化への興味・関心を高める。 地場産物活用の方針 個別指導 学校便り、給食便り、保健便り、試食会、旬の地場産物の活用を使った献立を給食に積極的に取り入れる 偏食、肥満、痩身、食物アレルギー、運動部活児童など 家庭・地域との連携 各種便り、各種調査、給食試食会、学校保健委員会、研修会、後援会等、健康教育の推進。 特 別 活 動 給食 の時 間 食に 関す る指 導 6・11月 学級訪問 (栄養教諭) 6・11月 学級訪問 (栄養教諭) 6.11月 学級訪問 (栄養教諭) 6.11月 学級訪問 (栄養教諭) 6.11月 学級訪問 (栄養教諭) 6.11月 学級訪問 (栄養教諭) 給食 指導 学 級 活 動 栄養教諭とTT授 業(4・1月) 栄養教諭とTT 授業(1月) 栄養教諭とTT 授業(1月) 栄養教諭とTT 授業(1月) 栄養教諭とTT 授業(1月) 栄養教諭とTT 授業(1月) 児童会活 動 給食放送 委員会発表 (1月)給食旬間 評価 ○何でもよく食べる子・・・残量調査ゼロ運動(児童会1月) 残量調査(6月・11月) ○朝ごはんをしっかり食べる子・・・生活実態調査(11月) ⑦地場産物の活用方針 ⑧食に関する指導 の取組状況の評価 6・11月 学級訪問 (栄養教諭) 6・11月 学級訪問 (栄養教諭) 6・11月 学級訪問 (栄養教諭) 6・11月 学級訪問 (栄養教諭) 6・11月 学級訪問 (栄養教諭) ⑥栄養教諭のTT授業 ・給食の時間の指導を 行う月を明記 図6 食に関する指導の全体計画 図5 食育推進に関する計画 食 育 推 進 に 関 す る 計 画 食に関する指導の全体計画 学校給食年間計画 食育推進の評価書 給食の時間における指導内容

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領総則では、食育を中心的に推進する教科として体育の時間に加えて家庭科、特別活動が位置 づけされている。家庭科については、平成 29 年6月小中学校学習指導要領解説に「栄養教諭 等と連携・協力して取り組むこと」が記述され、栄養教諭の授業参画が求められていることか ら授業の計画に取り入れた。⑦地場産物の活用の在り方についても明確にした。学校給食に地 域の産物を活用する等の工夫をして指導を行うことは、学習指導要領解説総則編においてもそ の重要性が明記されている。⑧食に関する指導の取組状況の評価や食に関する目標が達成でき たかを図るための評価を明記した。評価項目については、既存の計画の取組から把握できる成 果指標を取り入れた。児童の実態を踏まえた課題を明確にし、食に関する指導目標、目指す子 ども像、各学年の指導目標を教職員が共通認識を図ることで、将来の健康につながる食習慣の 形成を目指す指導の工夫が行えると考える。 (2) 学校給食の管理を踏まえた既存計画の修正 ① 学校給食年間計画の修正 既存の計画では学校給食年間計画には月々の給食、栄養指導目標等だけを明記していた が、新たに学校給食の管理、栄養管理の献立上の配慮を明記した。そうすることで、献立年 間計画、行事食、地場産物などが計画的に配慮されていることがわかり、各教科等における 指導内容と学校給食の食材や献立を関連付けて指導することができる。そのため、より高い 効果が期待できると考える(表2)。 ② 給食の時間における指導内容の修正 給食の時間における指導内容に学校給食の衛生管理の内容として、感染症胃腸炎の二次感 染の予防対策等を新設し、給食の時間における衛生指導を学級担任が具体的に指導できるよ うに明確にした(表3)。 3 食に関する指導の計画と実践 (1) 給食目標と給食献立の関連付け 食に関する指導と学校給食の管理を一体として推進してい くために、各教科等において学校給食を活用するための工夫 として、全学級に掲示する月別給食指導目標の中に給食献立 に取り入れる行事食等の表記を行った(表4)。給食の時間に 「食事」という体験を通して、教科等で得た知識を具体的に 確認したり深めたりすることができると考える。月初めに学

給食の時間における指導内容

毎日の給食指導

・安全な運搬や配膳・準備・正しい手洗い・清潔な身支度・正しい食器 の並べ方・挨拶・食事のマナー・食事環境の工夫・食器の並べ方・箸の 使い方 ★ノロウィルス等の感染胃腸炎の二次感染の予防対策について 下痢や腹痛、嘔吐など感染症の症状のある場合は、給食当番を変 更する

もしも嘔吐があった場合

★嘔吐物は、給食の容器や食器・器具などに触れないように適切な方法で処理し てください。 ★嘔吐した児童が使用した食器は、食器等一式(トレー、食器、おはしなど)を嘔吐 物がついていなくても他の児童とは別にして、消毒、乾燥の上、翌日ビニール袋に 入れて嘔吐した児童が使用した旨の表示をし、返却してください。 学校給食の衛生 管理の内容を追加 表2 学校給食年間計画(一部抜粋) 表3 給食の時間における指導内容(一部抜粋)

学校給食年間計画

月 給食目標 栄養導導目標 ねらい

献立上の配慮

行事食 郷土料理旬の食材地場産物 献立年間計画 4 給食の決ま りを理解し、 準備や片づ けをしよう。 食品の名 前や働き を知ろう ★給食当番と各 自の役割を確認 する ★安全な選び方、 配膳、片付け方を 工夫する ☆食品名、その働 きについて 入学 祝い 進級 祝い 清明 祭 浜下 り あさり、春 キャベツ、 新じゃが、 筍 ニューサマー もずく アーサ とうがん ・冬瓜料理 ・もずく料理 ・春野菜料理 ・アーサ料理 5 食事のマ ナーを考え よう 朝ごはんの 働きについ て ★食事のマナーに 気を付ける ★箸の正しい使い 方を身につける ☆朝食の役割に ついて こども の日 5/15 (復帰 記念 日) アスパラ、 新たまね ぎ、 たけのこ、 小松菜、 かつお しいら、 ゴーヤー (5/8)、 アセロラ ・ゴーヤー料理 ・かつお料理 ・アセロラ ・たけのこごはん 6 身のまわりの清潔に気をつけて 食事をしよう ・歯とカル シウム ・カルシウ ムを多く含 む食品 ★手洗いの重要 性を理解する ☆歯とカルシウム ☆カルシウムを多 く含む食品 食育月 間 カミカミ 献立 慰霊の 日献立 ユッカ ヌヒー うめ、 コーン へちま、 ゴーヤー、 あまがし、 すもも ・梅和え ・へちま料理 ・焼き芋 ・ぞうすい

1

給食に関心 を持とう 郷土料理の よさを見つ けよう ★給食の献立 に関心を持とう ☆郷土料理に ついて知ろう 正月料 理七草 がゆ 鏡開き 十三祝 い(トゥシ ビー) ムー チー地 場産物 活用献 立 ほうれん 草、大根、 ねぎ、カリ フラワー、 ポンカン、 島ニンジン じゃがいも、 たんかん ・ズッキーニ ・カンダバー ジューシー ・郷土料理 ・県産みかん

2

正しい食事 をしよう 豆の料理屋 やその働き を知ろう ★望ましい食事 の仕方を工夫 する ☆体を作る豆 や豆製品をしっ かりとろう 節分 旧正月 春菊、大 根、白菜、 ほうれん 草、イヨカ ン 島ニンジン、 ひじき、 タンカン ・豆料理

3

給食について一年間の 反省をしよう 一年間の食 生活を振り 返ろう ☆体の事を考 え、苦手な物 でも食べる事 ができたか考え る。 ★健康に良い 食事の大切さ を知ろう 桃の節 句 卒業祝 い アサリ、さ わら、菜 の花、 春キャベ ツ、 いちご にんじん、 アーサ 、ひじき、 ニューサマー ・アーサ汁、 ひじき料理 学校給食の栄養管理 の内容を追加 表4 月別給食目標 一 月 給 食 目 標 ・ 給 食 き ゅ う し ょ く に 関 心 か ん し ん を も と う こ ん だ て に つ い て ・ 七 草 な な く さ が ゆ 、 沖 縄 お き な わ 料 理 り ょ う り か が み び ら き

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級担任が、児童と読み合わせを行うので活用が図りやすく、月別の目標と給食との関連付けが 意識できる。また視覚効果も得られる。 (2) 食に関する指導の計画 将来の健康につながる食習慣の形成を目指す指導の工夫として、学年の食に関する指導の到 達目標を達成するために、対象学級2年2組において、学年の食に関する指導目標「①食べ物 に興味関心を持ち食品の名前が分かるようになる。」「②みんなと楽しく食べる事ができるよう になる。」を達成できるように、指導の計画を行った(表5)。 表5 食に関する指導の実践計画(2年2組) 日程 活動内容 方法及び学習内容 ねらい 10 月 実態調査 アンケート(保護者・教職員) 実態把握 10/26 学級担任と連携し たTT授業(生活 科) 「野菜と仲良しになろう」 野菜の実物に触れて見たりす ることで、野菜の特徴を知り、 親しみをもつことができる。 11/30 給食通信 保護者への通信 保護者へのアンケートの結果 ・課題に関する通信 (3) 食に関する指導の実践 ① 学級担任と連携した生活科TT授業(写真1) ア 題材名「野菜と仲良しになろう」 イ 本時のねらい 野菜の実物に触れて切ってみたりすることで、野菜の 特徴を知り、親しみをもつことができる(写真2)。 ウ 食育の視点 野菜に対する興味、関心を持つことができる。(心身の 健康) 野菜の名前や特徴が分かる。(食品を選択する能力) エ 指導の実際と考察 児童は生活科の学習を通して野菜に興味を持ちはじめ ている様子がみられ、食べる活動を通して食への関心を より深めることができた。給食によく出ている野菜や苦 手な野菜の実物を、見る・触れる・におう・味わうなど の五感を使った体験を通して楽しく野菜への関心を持た せるように工夫を行った。さらに、野菜を食べると体に良いことがあることを話し、生活 科のねらいに食育の視点を位置づけた授業が行えた。事前に6月に特別活動で「食べ物の 栄養について」を学習し、日々の給食の時間における指導を繰り返し行うことによって「食 事のマナー等」の望ましい食習慣が身に付き、2学年の食に関する指導の目標に近づくこ とができた。 (4)保護者への啓発 保護者への啓発を目的に対象学級へ食育便りを発信した。10 月の実態調査の結果からわかっ た家族との共食の大切さについて記載した。学級の実態に沿う食育の情報を発信し、より保護 者が食に関心をもってもらえるようにした。児童の食生活や食習慣については、大部分を家庭 が担っているという実状を踏まえると、将来の健康につながる食習慣の形成を目指すために は、保護者の意識が重要である。食に関する指導の効果を上げるためには、学級での指導と併 せ保護者や地域への啓発を実施していく取組が必要である。学校での食に関する指導の取組状 況の情報提供や保護者、地域との連携、協力体制もさらに強化していくことが必要である。 写 真 2 実 物 野 菜 に 触 れ ワ ー ク シートを記入する様子 写真1 TT授業の様子

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4 食育推進に関する計画の活用を図る取組 (1) 給食部会の職務の明確化 食育推進体制は整備されているが、組織の役割が明確化されていない課題があった。その 改 善の為に給食部会と連携を図り、「学校給食における管理・指導の手引」(平成 28 年3月)を参 考に給食部会の職務内容を作成し、確認を行った(表6)。職務の明確化を行うことで、給食 部会の目的や意義を共通認識し担当者としての意識が高まり、校内組織の活性化につながる。 また、文部科学省や県教育員会等が発刊している食に関する指導や食物アレルギー、衛生管 理等に関する冊子について教職員が必要な資料を検索しやすいように表題、項目、表紙を一覧 表にまとめ整理を行い、情報が共有できる資料の提供を行った(表7)。 (2) 食育推進の評価書作成、実施 食育推進の評価書作成と評価の実施を給食部会で行った。作成するにあたり、評価指標の設 定は、「栄養教諭を中核としたこれからの学校の食育」の評価指標を参考に、学校の実態に合 わせ作成した。活動指標(表8)は、食に関する指導から給食の時間における食に関する指導、 教科等における食に関する指導について、成果指標(表9)は学校給食の管理から栄養管理、 衛生管理について評価指標を設定し総合的な評価につなげた。評価をするにあたり、活動指標 は取組の状況等を給食部会が中心に、各学年の意見をまとめて評価を行った。成果指標は、計 画に基づく取組の成果を既存の結果から栄養教諭が関係の教職員と連携を図かり評価を行っ た。食育推進の評価を組織で行うことにより評価の結果から、食に関する指導の成果が確認で き、今後取り組むべき課題を明らかにすることができた。さらに、次年度の全体計画の見直し や食育推進の手立てとなった。また、学校評価の基礎資料として活用することもできる。今後 も学校、家庭、地域との連携を図り、食育の推進の取組を組織的、継続的に行えるようにする。 (3) 職員、保護者への周知 教職員へは職員会議で食育推進計画についての目的や意義についての確認を行い、学級担任 が活用を図りやすいように整理や工夫をし作成したことを伝え、次年度の教育計画に導入し食 育推進をしていくことを周知した。学校全体で継続的に取り組むために全教職員が食に関する 目標を確認し、PDCAサイクルに沿って進めていくことの共通理解を図った。 保護者等に向けては定期の食育便りで評価結果や改善内容等の情報を発信し、さらに学校保 健委員会で報告をする。 表7 食育推進に関する参考資料の紹介(一部抜粋) 表6 給食部の職務内容(一部抜粋)

給食部会職務内容

(1) 定期 ①人員報告書(変更あればその都度) ②月別行事予定表(前月の10日前まで)

③献立表等資料の確認

④給食放送指導 ⑤給食配膳室の立ち合い・清掃確認 (2) 指導面

①給食旬間(1月)の掲示資料、委員会朝会等

②TT授業の連絡調整授業の連絡調整(給食部会から学年へ伝達) ③給食連絡協議会(調理場、学期1回) ④食育推進の評価書を栄養教諭と連携して給食部会へ配布(1月下旬) 1 「栄養教諭を中核としたこれからの学校の食育」(文部科学省) チーム学校で取り組む食育推進のPDCA ・食育推進の評価書 2 「食育教材・たのしい食事つながる食育」(文部科学省) 資料・ワークシートがワードでダウンロードできます 低学年・中学年・高学年と指導資料が分かれています 児童用・教師用と資料が分かれています 3 「食生活学習教材・くわっちーさびら」 ・学習指導案略案と解説・資料等 低学年・中学年・高学年と指導資料が分かれています 4 「学校給食における管理・指導の手引き」 (沖縄県教育委員会) ・学校給食の概要、運営管理、栄養管理、衛生管理 食中毒対応等 5 「食物アレルギー対応指針」(文部科学省) 食育推進関する参考資料の紹介

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5 本研究から見えてきた栄養教諭と学校の関わり 本研究を通して給食部会で食育推進に関する計画を作成し、組織で食育推進の評価を行った。 学校における食育の成果を数字で表すのは難しいが、児童の望ましい食習慣の形成の為には、 日々の食に関する指導を校内全体で継続的に行うことにより、取組の成果が表れる。今後も本校 において、食育推進に関する計画の見直しを行いながら、児童の将来の健康につながる食習慣の 形成を目指す指導の工夫を行っていきたい。 私の勤務する浦添市立浦添共同調理場は本校を含め、小中学校併せて 10 校に給食を提供して いる大型調理場である。栄養教諭が各小中学校にそれぞれ配置されているわけではない。その為、 各小中学校に等しく食に関する指導ができていないのが現状である。共同調理場に勤務する栄養 教諭は所属校以外の各小中学校の食に関する指導にも関わるため、今後は「チームとしての学 校」の食育を積極的に働きかけ、各小中学校の実態に合わせた食育推進に関する計画の作成を目 指し、教職員と連携し取組が行えるようにする。さらに、各小中学校と連携する運営委員会や運 営連絡協議会等の組織を活用し、市全体で学校における食育推進を図る取組を行う。

Ⅳ 成果と課題

1 成果 (1) 給食部会の職務を整理し、明確化をすることで組織の活性化を図ることができた。 (2) 食育推進に関する計画書を作成し、次年度の教育計画に反映させることができた。 (3) 食育推進の評価を、各学年で実践ができた。評価結果を踏まえ次年度の計画について改善の 手立てとすることができた。 (4) 対象学級において、食に関する指導の実践と日々の給食指導を行うことで、学年の食に関す る指導目標に近づくことができた。 2 課題 (1) 食育推進の評価指標については、毎年見直しを行う必要がある。評価を行う際の共通理解を 図る評価の観点を作成する必要がある。 (2) 教職員が食に関する指導を行う場面では、単元に即した指導案、指導教材の研究の必要があ る。 表9 食育推進の評価書(成果指標) 評定 1(できた)、2(おおむねできた)3(あまりできなかった)、4(できなかった) 評価指標 評価 特記事項 ①手洗い指導、配膳、食事のマナーなど 日常的な給食指導を継続的に実施できたか。 1・2・3・4 ②給食の時間を活用した食に関する指導が 推進されているか。 1・2・3・4 ③教科等取り上げられた食品や学習したこと を学校給食を通して確認できたか。 1・2・3・4 ④教科・特別活動等における食に関する指導 が推進されているか。 1・2・3・4

食育推進の評価書【活動指標・教職員】

表8 食育推進進の評価書(活動指標) 食育推進の評価書【成果指標・栄養教諭】

食育推進の評価書

【成果指標・栄養教諭】

成果指標

平成30年 目標値 平成29年 実績値 ①肥満・痩身の状況 肥満度20%以上の出現率 7.0% 8.0% 肥満度-20%以上の出現率 0.5% 1.0% ②給食配膳室の定期 検査 定期防虫駆除(2か月1回) 生息状況 6回 (-) 6回 (+) ③地場産物活用状況 地場産物の活用割合 30% 30.1% 〈基準値〉 ②生息状況判定基準 (-)生息が見られない (+)生息が認めらる:少ない (++) 生息が認めらる:多い ③第3次食育基本計画目標値 学校給食における地場産物を使用する割合目標値 30%以上

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〈参考文献〉 社団法人全国学校栄養士協議会 2018 『季刊 栄養教諭 冬』 文部科学省 2018 『小学校学習指導要領解説総則編』 学校給食研究改善協会 2017 『すこやか 12 月』 社団法人日本健康教育学会 2017 『学校における食育の評価実践ワークブック』 全国学校給食協会 2017 『学校給食 12 月』 文部科学省 2017 『新学習指導要領』 文部科学省 2017 『栄養教諭を中核としたこれからの学校の食育』 沖縄県 2016 『学校給食における管理・指導の手引』 学校給食研究改善協会 2016 『すこやか 12 月』 公益社団法人 全国学校栄養士協議会 2016 『新しい食育小学校Ⅱ 食育カリキュラムプランと指導展開例』 社団法人全国学校栄養士協議会 2016 『季刊 栄養教諭 秋』 農林水産省 2016 『第 3 次食育推進基本計画』 株式会社健学者 2014 『食育フォーラム 8 月』 沖縄県 2013 『学校教育における指導の努力点』 沖縄県 2013 『県民健康・栄養調査の現状-平成 23 年度沖縄県県民健康・栄養調査成績』 厚生労働省 2013 『平成 22 年都道府県別生命表の概況』 文部科学省 2010 『食に関する指導の手引 第一次改訂版』 文部科学省 2008 『小学校学習指導要領』 文部科学省 2008 『学校給食法』 文部科学省 2006 『食育推進基本計画』 内閣府 2005 『食育基本法』

参照

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