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危険物乙4試験

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ジャスト危険物乙4 1

危険物乙4試験

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ジャスト危険物乙4 3 目次 1 危険物に関する法令 1-1 消防法上の危険物・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5 1-2 指定数量・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7 1-3 危険物規制の法令体系・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9 1-4 製造所等の設置(変更)許可、完成検査・仮使用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・10 1-5 各種申請・届出手続・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13 1-6 危険物取扱者制度・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14 1-7 危険物取扱免状の交付・書換え・再発行・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15 1-8 危険物保安講習・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16 1-9 危険物保安統括管理者・危険物保安監督者・危険物施設保安員・・・・・・・・・・18 1-10 予防規定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20 1-11 定期点検・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21 1-12 保安距離・保有空地・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22 1-13 各製造所等の基準・設備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26 1-14 屋内貯蔵所の基準・設備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27 1-15 屋外タンク貯蔵所の基準・設備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28 1-16 屋内タンク貯蔵所の基準・設備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30 1-17 地下タンク貯蔵所の基準・設備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31 1-18 簡易タンク貯蔵所の基準・設備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33 1-19 移動タンク貯蔵所の基準・設備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34 1-20 屋外貯蔵所の基準・設備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35 1-21 給油取扱所の基準・設備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・36 1-22 顧客に自ら給油をさせる給油取扱所(いわゆるセルフ型スタンド)の基準・設備 ・・37 1-23 販売取扱所の基準・設備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37 1-24 移送取扱所の基準・設備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38 1-25 一般取扱所の基準・設備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38 1-26 標識・掲示板・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39 1―27 消火設備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40 1-28 貯蔵・取扱いの基準・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・41 1-29 施設区分ごとの取扱いの基準・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・42 1-30 運搬の基準・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・43 1-31 移送の基準・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・44 1-32 義務違反に対する措置・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45

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ジャスト危険物乙4 4 2 基礎的な物理学及び基礎的な化学 2-1 物質の状態変化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・47 2-2 熱量と比熱と熱膨張・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・49 2-3 静電気・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50 2-4 物質の変化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・51 2-5 物質の種類・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・52 2-6 酸・塩基・中和・pH・酸化と還元・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・53 2-7 金属類・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・55 2-8 有機化合物・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・55 2-9 燃焼・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・56 2-10 燃焼の仕方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・56 2-11 燃焼の難易・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・57 2-12 引火点・発火点・燃焼範囲・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・57 2-13 自然発火・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・58 2-14 消火理論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・59 2-15 消火薬剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・60 3 危険物の性質ならびにその火災予防及び消火の方法 3-1 類毎に共通する性状等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・62 3-2 第4類に共通する特性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・63 3-3 第4類に共通する火災予防の方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・64 3-4 第4類に共通する消火の方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・64 3-5 特殊引火物・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・65 3-6 第1石油類・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・66 3-7 アルコール類・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・67 3-8 第2石油類・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・68 3-9 第3石油類・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・70 3-10 第4石油類・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・71 3-11 動植物油類・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・72 3-12 第4類危険物の比較・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・73 3-13 事故事例と対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・75

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ジャスト危険物乙4 5

危険物に関する法令

1-1、消防法上の危険物

危険物とは、一般に引火性物質・爆発性物質・有害性物質・放射性物質等を総称している。消防 法に定める危険物とは、消防法別表に定めたものである。危険物取扱者試験の試験範囲は、消防法 別表に定めたものだけである。 よって、火薬やダイナマイトやサリンやプルトニウムや硫酸や塩酸や水銀や青酸カリやプロパン ガスや天然ガスや水素ガスや木材等は一般に危険な物質であっても、試験の対象にはならない。 消防法に定める危険物は、化学的・物理的性質に従い第1類から第6類に分類されている。乙4 類試験の対象となる第4類は、引火性液体である。第1類から6類についても、大まかな性質を理 解する必要がある。 なお、常温(20℃)・常圧において、気体である危険物は存在しない。 類別 性 質 代表的な物質 第 1 類 酸 化 性 固 体 自らは燃えない。過熱・衝撃・混合で他の可燃物を 激しく燃やす。 塩素酸カリウム 過酸化ナトリウム 過酸化リチウム 亜塩素酸ナトリウム 硝酸カリウム よう素酸ナトリウム 過マンガン酸カリウム 第 2 類 可 燃 性 固 体 低い温度(40℃程度)で引火しやすい。着火しやす い。燃焼速度が速い。 固形アルコール 鉄粉 硫黄 赤リン 第 3 類 自 然 発 火 性 物 質 及 び 禁 水 性 物 質 空気と触れると自然発火する。 水と触れると発火する。 カリウム ナトリウム リチウム 黄りん カルシウム バリウム ジエチル亜鉛 水素化ナトリウム 炭化カルシウム 可燃物 過酸化ナトリウム

これ最重要!

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ジャスト危険物乙4 6 第 4 類 引 火 性 液 体 引火性の液体である。引火点が低い。水より軽い。 ガソリン、灯油、 軽油、ベンゼン 第 5 類 自 己 反 応 性 物 質 自ら酸素を持つ。過熱・摩擦・衝撃で発火や爆発す る。 ニトログリセリン 硝酸メチル ニトロセルロース 過酸化ベンゾイル ピクリン酸 硫酸ヒドラジン 第 6 類 酸 化 性 液 体 自ら燃えない。可燃物と混ぜると着火する。4類と の混載不可。 硝酸 発煙硝酸 過酸化水素 過塩素酸 三ふっ化臭素 五ふっ化臭素 表 各類危険物の種類と性質と代表的な物質 頭の固い、ひと、に、駅で、む、しされた。 (頭の固い人に駅で無視された) 以上の文から、固体は1と2類、液体は6と4類という事が分かる。 残りの、3と5類は液体又は固体という事が分かる。

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ジャスト危険物乙4 7

1-2、指定数量

指定数量とは、物質によって危険度が異なるため、それぞれを政令でランク付けし、別表に定め ているものである。基本的に指定数量の数値が少ない程、危険度が高いことになる。もっとも危険 な特殊引火物については、50リットルで、もっとも危険性の低い動植物油類については1000 0ℓである。 なお、指定数量については、全国統一の基準が用いられる。そして、原則として、指定数量以上 の危険物は製造所等以外の場所で貯蔵し、取扱うことはできない。また、ガソリンがドラム缶単位 で出題されることもある(ドラム缶1本で200リットルである)。ドラム缶単位から、指定数量に換 算できる必要がある。 品名 性質 物品 指定数量 特殊引火物 ジエチルエーテル、二硫化炭素、アセトアル デヒド、酸化プロピレン 50ℓ 第1石油類 非水溶性 ガソリン、ベンゼン、トルエン、酢酸エチル 200ℓ 水溶性 アセトン、ピリジン 400ℓ アルコール類 水溶性 メチルアルコール、エチルアルコール 400ℓ 第2石油類 非水溶性 灯油、軽油、クロロベンゼン、キシレン 1000ℓ 水溶性 酢酸、プロピオン酸、アクリル酸 2000ℓ 第3石油類 非水溶性 重油、クレオソート油、ニトロベンゼン 2000ℓ 水溶性 エチレングリコール、グリセリン 4000ℓ 第4石油類 非水溶性 ギアー油、シリンダー油、マシン油 6000ℓ 動植物油類 非水溶性 ヤシ油、アマニ油 10000ℓ 表 第4類危険物の指定数量と代表的な物質 これ最重要! 水溶性液体は水に溶けて危険性が低くなる 2 倍 2 倍 2 倍 指定数量10000ℓ 指定数量200ℓ

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ジャスト危険物乙4 8 5時(だよ)、兄(ちゃん)、夜(になったら)、ひと、ふ、ろ(入ったら)、満月を見に行こう。 水溶性を飛ばして暗記している。水溶性の物質(第1~3石油類)はそれぞれ倍にすれば良い。 特殊引火物、50 5時(だよ) 第1石油類、200 兄(ちゃん) アルコール類、400 夜(になったら) 第2石油類、1000 ひと 第3石油類、2000 ふ 第4石油類、6000 ろ(入ったら) 動植物類、10000 満月(を見に行こう) なお、同一の場所で複数の危険物を取り扱う場合には、以下の式で指定数量の倍数を計算する。 ここがポイント! ・同一場所で、A の物質のみを取扱う場合の計算(法10条2項)

Aの指定数量

Aの貯蔵量

指定数量の倍数=

・同一場所で複数の物質の計算。A と B を取扱う場合

Bの指定数量

Bの貯蔵量

Aの指定数量

Aの貯蔵量

指定数量の倍数=

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ジャスト危険物乙4 9 危険物には等級がある。危険性の程度に応じて、区分されている。危険物の危険性の高い順に危険 等級Ⅰ、危険等級Ⅱ、危険等級Ⅲを三区分されている。危険等級の区分は、危険物の貯蔵容器の種 類と最大容積、最大収容重量の制限、運搬と外部の表示等で必要となる。 危険等級 品名等 Ⅰ 特殊引火物 Ⅱ 第1石油類、アルコール類 Ⅲ 第2石油類、第3石油類、第4石油類、動植物油類 表 危険等級と第4類危険物

1-3、危険物規制の法令体系

危険物が指定数量以上になると、規制する基準は法律(日本全国で適用)となる。つまり、指定数 量以上の危険物の貯蔵・取扱い・運搬については全て、消防法やそれを受けてできた政省令が適用 される。 これに対し、危険物が指定数量未満の場合には、原則として条例(市町村や都道府県の議会がつく る法規範)が適用される。そのため、指定数量未満の危険物の貯蔵・取扱いについては、条例が適用 される。もっとも、指定数量未満であっても、運搬については法律が適用される。このような例外 が設けられた理由は、運搬については移動を伴うため一地方自治体の枠を超えるため、全国的な法 律が適用される方が統一的な取扱いができるからである。 分類 指定数量以上 指定数量未満 指定数量の1/5未満 運搬 法律(全国一律)による規制 法律(全国一律)による規制 法律による規制 貯蔵 法律(全国一律)による規制 条例(地方自治体)による規制 規制なし 取扱い 法律(全国一律)による規制 条例(地方自治体)による規制 規制なし 表 指定数量による規制法令の違い これ重要!

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ジャスト危険物乙4 10

1-4、製造所等の設置(変更)許可、完成検査、仮使用

製造所等の設置や変更工事や仮使用や完成検査や完成や完成検査済証についての順序 設置又は変更する者 行政庁の側 設置又は変更の申請 許可書交付 工事着工 工事完成 (完成検査前検査申請) (完成検査前検査実施) 完成検査申請 完成検査実施 完成検査済書交付 使用開始

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ジャスト危険物乙4 11 製造所等の各種申請(許可・認可・承認・届出等)は法令に基づき、市町村長等に対し行わなければな らない。そして、危険物施設を設置又は変更しようとする場合には、申請書及び添付書類を提出し、 許可を取り工事をし、工事完了後に市町村長等の完成検査に合格する必要がある。さらに、完成検 査済書を交付されて初めて使用開始をすることができる。 なお、通常の製造所等では、完成検査前申請と完成検査前検査を省略する。しかし、製造所等で 液体の危険物を貯蔵し、又は取扱うタンクを設置又は変更する場合は、タンク容量が指定数量未満 の場合を除き、特定事項について(例:タンクの水張等の検査)完成検査前に、完成検査前検査申請と 完成検査前検査を受ける必要がある。 許可権者 製造所を設置又は変更する場合の許可権者は、原則として市町村長である。 しかし、移送取扱所のみ許可権者が違うため注意が必要となる。すなわち、2つ以上の都道府県 にまたがり設置される移送取扱所の設置については、総務大臣が許可権者となる。また、2つ以上 の市町村にまたがり設置される移送取扱所の設置については、都道府県が許可権者となる。一つの 地域のみに設置される移送取扱所については、市町村長が、許可権者になる。上記をまとめると、 下記の図表になる。 施設の種類 設置場所 許可権者 移送取扱所 消防本部及び消防署を設置している市町村の区域のみに 設置される移送取扱所 管轄の市町村長 消防本部及び消防署を設置していない市町村の区域にま たがって設置される移送取扱所 管轄の都道府県知事 二以上の都道府県の区域にまたがって設置される移送取 扱所 総務大臣 移送取扱所以 外(製造所等) 消防本部及び消防署を設置している市町村の区域 管轄の市町村長 消防本部及び消防署を設置していない市町村の区域 管轄の都道府県知事 表 設置・変更の際の施設の種類毎の許可権者 これ重要!

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ジャスト危険物乙4 12 貯蔵・取扱いの禁止と仮使用、仮貯蔵 消防法は、指定数量以上の危険物を貯蔵・取扱う場合、貯蔵所以外での場所でこれを貯蔵し、又 は取扱うことを禁止している。よって、指定数量以上の危険物を取扱う場合には、製造所等を設置 しなければならない。設置しようとする者は、その位置、構造及び設備等を技術上の基準に適合さ せ、市町村長等の許可を受けなければならない。 許可以外で危険物を取扱をしてよい例外として、仮使用と仮貯蔵がある。 対象 内容 期間 申請 具体例 仮 使 用 既に許可を受け ており、使用中 の危険物施設 使用中の危険物施設 で変更工事をしなが ら、工事部分以外の部 分を使用する 工事期間中 市 町 村 長 等の承認 ガソリンスタンドの 改修工事、製造所等 の改築 仮 貯 蔵 危険物施設以外 指定数量以上の危険 物を10日以内の期 間貯蔵又は取扱う 10日以内 消 防 長 又 は 消 防 署 長の承認 桟橋でのタンクコン テナ一時置き、定期 点検の際の危険物抜 取り 表 仮使用と仮貯蔵 適用除外 航空機、船舶、鉄道又は軌道による危険物の貯蔵、取扱、運搬については、消防法の規定は適用 されない。これらの規制は、航空法、船舶安全法、鉄道営業法又は軌道法によってなされる。この 趣旨は、これらの輸送につては、特殊な規制が必要となるため、個別法に委ねた方がよりきめ細や かな運用をすることができるからである。 これ重要!

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ジャスト危険物乙4 13

1-5、各種申請・届出手続

様々な、製造所等に関する申請手続きに関する手続きをまとめると以下の表になる。申請先や手 続について様々な規定がなされている。 内容 申請先 手続 備考 製造所の設置 市町村長等 許可 製造所の位置・構造・設備の変更 市町村長等 許可 仮貯蔵 消防長・消防 署長 承認 仮貯蔵期間は、10 日まで 仮使用 市町村長等 承認 期間は、工事終了まで 完成検査前検査 市町村長等 完成検査前検査済証 液体タンク等に必要 完成検査 市町村長等 完成検査済証 予防規程の作成と変更 市町村長等 認可 保安検査 市町村長等 保安検査済証 製造所等の譲渡・引渡し 市町村長等 届出 遅滞なく届出すれば良い 製造所等の用途廃止 市町村長等 届出 遅滞なく届出すれば良い 品名・数量・指定数量の倍数変更 市町村長等 届出 変更する日の 10 日までに 届出なければならない 危険物保安監督者の選・解任 市町村長等 届出 遅滞なく届出すれば良い 危険物保安統括管理者の選・解任 市町村長等 届出 遅滞なく届出すれば良い 表 危険物の施設関連の手続一覧 これ最重要!

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ジャスト危険物乙4 14

1-6、危険物取扱者制度

危険物取扱者とは 危険物取扱者とは、危険物取扱の試験に合格し、都道府県知事から危険物取扱免状の交付を受け た者をいう。 免状は、どこの都道府県で交付を受けても、全国で有効である。

免状の区分

危険物取扱者は、3種類ある。甲種と乙種と丙種である。 甲種は、すべての危険物を取り扱うことができる。また、すべての危険物について、危険物保安 監督者になることや立会い権限がある。つまり、危険物に関しては、万能の権限を持つ。 乙種は、合格した類の危険物を取扱うことができる。危険物の種類は6種あり、合格したものに ついてのみ取扱うことができる(例えば、乙4試験合格ならば4類のみ)。また、合格した種別の危険 物について、危険物保安監督者になることや立会い権限がある。 丙種は、指定された危険物のみ取扱うことができる(ガソリン・灯油・軽油・第3石油類・第4石 油類・動植物油脂類)。危険物保安監督者になることはできず、立会い権限もない。 免状の種類 甲種危険物取扱者 乙種危険物取扱者 丙種危険物取扱者 取扱いできる危険物の 種類 すべて 免状に指定された類 のみ 指定された危険物のみ (ガソリン・灯油・軽油・第3 石油類(重油・潤滑油及び引火 点が 130℃以上に限る)・第 4石油類・動植物油脂) 無資格者に対して立ち会 うことのできる危険物 すべて 免状に指定された類 のみ可能 どのような場合でも、立会え ない 危険物保安監督者になれ るか すべての類でなれ る(実務経験 6 か月 必要) 免状に指定された類 のみ可能(実務経験 6 か月必要) なれない 表 危険物取扱者の免状と取扱うことの可能な権限 これ最重要! 甲種はすべて

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ジャスト危険物乙4 15 危険物取扱者の責務 危険物取扱者は、危険物取扱作業に従事するときには、法令の基準を遵守し、その危険物の安全 の確保に細心の注意を払わなければならない。また、危険物取扱者(甲種又は乙種)は、危険物取扱作 業の立会いをする場合、取扱作業に従事する者が法令で定める危険物の貯蔵、取扱いの技術上の基 準を遵守するように監督するとともに、必要に応じてこれらの者に指示を与えなければならない。

1-7、危険物取扱免状の交付・書換え・再交付

交付手続きとしては、危険物試験に合格した際には、試験を行った都道府県知事に交付申請する 必要がある。 書換え手続としては、①氏名、本籍が変更したとき又は②免状の写真が撮影日から10年経過し たときには、証明する書類を添えて、免状を交付した都道府県知事、居住地又は勤務地を管轄する 都道府県知事に遅滞なく申請をする必要がある。 再交付の手続きとしては、免状を亡失・滅失・汚損・破損等の場合には申請書に当該汚損・破損 の免状を添えて提出する必要がある。なお、再交付を受けた者が、亡失した旧免状を発見した場合 には10日以内に再交付を受けた都道府県知事に亡失した免状を提出しなければならない。 手続の別 内容 申請先 免状の交付 危険物取扱者試験に合格した者 試験を行った都道府県知事 書換え 氏名・本籍を変更したとき、免状写真が 撮影日から 10 年経過した時 交付県の知事又は居住地又は勤 務先の都道府県知事 再交付 免状の亡失・滅失・汚損・破損した場合 免状の交付又は書換をした都道 府県知事 亡失した免状を発見 発見された旧免状を 10 日以内に提出 再交付をした都道府県知事 表 危険物取扱者免状の手続き 危険物免状の不交付と返納 都道府県知事は、危険物取扱者試験に合格した場合であっても、次の場合には免状の交付を行わ ないことができる。交付しない場合は2種類あり、①都道府県知事から免状の返納を命じられ、そ の日から起算して1年を経過しない者、②消防法または消防法に基づく命令の規定に違反して罰金 刑に処せられた者で、その執行が終わり、または執行を受けることがなくなった日から起算して2 年を経過しない者である。そして、都道府県知事は、消防法令に違反した者に対して、免状の返納 を命じることができる。 そして、免状の返納を命じられた者は、直ちに危険物取扱者としての資格を喪失する これ最重要!

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ジャスト危険物乙4 16

1-8、危険物保安講習

危険物の取扱いに従事している危険物取扱者は、都道府県知事の行う保安講習を受けなければな らない。そして、原則として保安講習は3年に1回受講しなければならない。 免状の交付を受けた都道府県だけではなく、全国どこの都道府県で保安講習を受講しても有効で ある。また、危険物の取扱いに従事していない者に受講義務はない。また、危険物の取扱に従事し ていても、無資格者には受講義務はない。 なお、危険物の法令に違反した場合に受講義務の対象になるわけではない。 受講義務のあるものが、受講する義務のある期間内に受講しなかった場合には、免状の返納命令 の対象となる。 継続して危険物の取扱作業に従事している場合 危険物の取扱作業に従事している危険物取扱者は、保安講習を受講した日以後における最初の4 月1日から3年以内に受講しなければならない。 (具体例:平成25年1月1日に受講した場合の次回受講期限→平成28年3月31日) 危険物取扱作業に従事していなかった者が、新たに危険物の取扱作業に従事することとなった場合 危険物の取扱作業に従事していなかった者が、その後従事することになった場合には、従事してか ら1年以内に受講しなければならない。 ただし、従事することになった日から起算して過去2年以内の免状の交付を受けている場合又は講 習を受けている場合には、交付日又は講習日における最初の4月1日から3年以内に受講すればよ い。 3年以内 講習を 受けた日 最初の 4 月 1 日 3 月 31 日 受講期間 1年以内 受講期間 新たに従事 する日

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ジャスト危険物乙4 17 従事しなくなった者又は従事していない者 法令上、特に受講する義務はない。 3年以内 最初の 4 月 1 日 免状の交付又は 講習を受けた日 2 年以内 新たに従事する日

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ジャスト危険物乙4 18

1-9、危険物保安統括管理者・危険物保安監督者・危険物施設保安員

危険物保安統括管理者 危険物保安統括管理者とは、多量の危険物を所有する事業全体の保安業務を統括管理し、安全確 保する者をいう。危険物保安統括管理者を選任すべき基準は、製造所・一般取扱所で指定数量の3 000倍以上であり、特定移送取扱所では指定数量以上である。危険物保安統括管理者の選任を義 務づける趣旨は、同一事業所で多量の危険物を有している場合には連携をとった効果的な保安活動 が難しい面があるところ、実効的な保安活動をする人間を定めることで、安全を確保するためであ る。 そして、施設の管理者・所有者・占有者は、選任後遅滞なく市町村長等に届けることが義務づけ られている。解任したときも同様である。 危険物保安統括管理者を選任する上で資格は必要ない。つまり、危険物取扱者の免状が無くとも 選任できる。 危険物保安監督者 危険度の高い危険施設(危険物保安監督者選任対象施設については図表参照)では、施設ごとに危険 物の保安を監督する危険物保安監督者を選任しなければならない。 そして、施設の管理者・所有者・占有者は、選任後遅滞なく市町村長等に届けることが義務づけ られている。解任したときも同様である。 危険物保安監督者に選任するには資格が必要である。危険物保安監督者にする要件は、①製造所 等において6か月以上の危険物取扱いの実務経験に加え、②甲種又は乙種の免状を持つ必要がある (丙種はなれない)。 危険物保安監督者の業務としては、作業者に対し貯蔵・取扱い上の指示を与えることや、災害発 生時に作業者に指示し応急措置をとることや、消防機関に通報すること等である。 なお、移動タンク貯蔵所には、危険物保安監督者の選任は不要である。

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ジャスト危険物乙4 19 危険物施設保安員 危険物施設保安員とは、危険保安監督者の保安業務を補佐する者をいう。危険物施設保安員は、 選任する必要はあるが、市長村長に届ける必要はない。また、危険物取扱者の免状も不要である。 危険物保安統括管理者 危険物保安監督者 危険物施設保安要員 どのような施設 事業所 製造所等 製造所等 資格の必要性 資格不要 甲種か乙種危険物取扱 者+6カ月の実務経験 資格不要 業務の内容 事業における保安業務 を統括的に管理する 技術的上の基準及び要 望規定に適合するよう に作業者に指示する 危険物保安監督者の保安業 務の下で、製造所等の保安 業務の補佐 選任の要件 指定数量 3000 倍以上 取扱う製造所・一般取 扱所。 指定数量以上の移送取 扱所 すべての製造所・屋外 タンク貯蔵所・給油取 扱所・移送取扱所・一 般取扱所(容器の詰め 替え除く) 指定数量の 100 倍以上取 扱う製造所・一般取扱所 指定数量関係なく、移送取 扱所 表 危険物保安統括管理者・危険物保安監督者・危険物施設保安員の業務や選任要件 これ最重要!

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ジャスト危険物乙4 20

1-10、予防規程

予防規定とは、製造所等の所有者・管理者・占有者・従業員等が遵守しなければならない火災予 防の自主保安基準に関する規定である。 一定の場合に、予防規定の作成が義務付けられている。そして、所有者等が予防規定を定めたと きや、変更したときには市町村長等の認可を受けなくてはならない。市町村長等は、火災予防のた め必要がある場合には、予防規程の変更を命じる事ができる。予防規程を定めた場合には、製造所 等の所有者、管理者、占有者、その従業員が守らなくてはならない。 予防規定の内容は、①危険物の保安業務を管理する者の職務及び組織に関すること、②危険物保 安監督者が、旅行、疾病その他事故により、その職務ができない場合の職務代行に関すること、③ 従業員の保安教育に関すること、④化学消防自動車の設置や自衛消防組織に関すること、⑤危険物 の取扱い作業の基準に関すること、⑥地震発生時における施設及び設備に対する点検、応急措置に 関すること等である。 予防規定を定めなければならない製造所は以下の表にまとめている。なお、屋内タンク貯蔵所・ 地下タンク貯蔵所・移動タンク貯蔵所・簡易タンク貯蔵所・販売取扱所に関しては、予防規定を定 めなくてもよい。 対象となる製造所 予防規定を定める要件 製造所・一般取扱所 指定数量の倍数が10以上のもの 屋外貯蔵所 指定数量の倍数が100以上のもの 屋内貯蔵所 指定数量の倍数が150以上のもの 屋外タンク貯蔵所 指定数量の倍数が200以上のもの 給油取扱所 指定数量関係なく定める 移送取扱所 指定数量関係なく定める 表 予防規定を定めなければならない製造所等と要件

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ジャスト危険物乙4 21

1-11、定期点検

一定の製造所等の所有者等は定期点検を1年に1回以上実施する義務がある。そして、点検記録 を3年間保存することが義務付けられている(例外あり)。届出義務はないが、消防機関から資料の 提出を求められることはある。定期点検は、製造所等が技術上の基準に適合するために点検するこ とである。点検して、記録しておくべき事項は、①点検した製造所等の名称、②点検の方法及び結 果、③点検年月日、④点検者氏名である。 なお、定期検査を行うことができる者は、危険物取扱者、危険物施設保安員(免状不要)、危険物取 扱者の立会いを受けた者等幅が広い。タンクの点検は、その知識・技能を持つ者がする必要がある。 対象となる製造所 予防規定を定める要件 製造所・一般取扱所 指定数量の倍数が10以上のもの及び地下タンクを有するもの 屋外貯蔵所 指定数量の倍数が100以上のもの 屋内貯蔵所 指定数量の倍数が150以上のもの 屋外タンク貯蔵所 指定数量の倍数が200以上のもの 地下タンク貯蔵所 指定数量関係なく定める 移動タンク貯蔵所 指定数量関係なく定める 給油取扱所 指定数量関係無く地下タンクがあれば定める 移送取扱所 指定数量関係無く定める

表 定期点検をしなければならない製造所等と要件

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ジャスト危険物乙4 22

1-12、保安距離・保有空地

製造所等の区分

①製造所

危険物を製造する施設

②貯蔵所

危険物を貯蔵する施設をいい、以下の 7 種類の貯蔵所がある。

③取扱所

ガソリンスタンドや塗料販売店などのように危険物を給油、販売、移送などに使用する施設をいい、 以下の4種類がある。 … …配管等を使って危険物を移送する施設 …給油・販売・移送以外の取扱所 製造所 屋内貯蔵所 屋内タンク貯蔵所 屋外貯蔵所

地下タンク貯蔵所

屋外タンク貯蔵所 移動タンク貯蔵所 簡易タンク貯蔵所 給油取扱所 販売取扱所 移送取扱所 一般取扱所 地下タンク貯蔵所

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ジャスト危険物乙4 23 貯蔵所の区分 表 貯蔵所の区分 取 扱 所 販売取扱所 店舗において容器入りのままで販売のために取扱う取扱所 第 1 種販売取扱所は指定数量の15倍以下 第2種販売取扱所は指定数量の15倍を超え40倍以下 給油取扱所 固定した給油設備によって自動車等の燃料タンクに直接給油するために危 険物を取扱う取扱所 移送取扱所 配管及びポンプ並びにこれらに付属する設備によって危険物を移送するた めに取扱う取扱所 一般取扱所 危険物以外の物を製造するため、または危険物の取扱い自体を目的として危 険物を取扱う取扱所 表 取扱所の区分 貯 蔵 所 屋内貯蔵所 屋内の場所において、危険物を貯蔵し、又は取扱う貯蔵所 屋外貯蔵所 屋外の場所において第2類危険物の硫黄、硫黄のみを含有するもの若 しくは引火性固体(引火点が0℃以上のものに限る)、第4類危険物のう ちの引火点が0℃以上の第1石油類、アルコール類、第2石油類、第 3石油類、第4石油類、動植物油類を貯蔵し、又は取扱う貯蔵所 屋内タンク貯蔵所 屋内におけるタンクにおいて危険物を貯蔵し、又は取扱う貯蔵所 屋外タンク貯蔵所 屋外にあるタンクにおいて危険物を貯蔵し、又は取扱う貯蔵所 簡易タンク貯蔵所 簡易タンクにおいて危険物を貯蔵し、又は取扱う貯蔵所 地下タンク貯蔵所 地盤面下に埋没されているタンクにおいて危険物を貯蔵し、又は取扱 う貯蔵所 移動タンク貯蔵所 車両に固定されたタンクにおいて危険物を貯蔵し、又は取扱う貯蔵所

(24)

ジャスト危険物乙4 24 保安距離 保安距離とは、製造所から病院・学校等の保安対象物に対して、保たなければならない距離をい う。保安距離の趣旨は、延焼防止や避難のために一定の距離をとることにある。 保安距離をとらなければならない施設は、製造所・屋内貯蔵所・屋外貯蔵所・屋外タンク貯蔵所・ 一般取扱所である。 保安距離は、危険度に応じて定められている。すなわち、危険な施設には保安距離が長く、そう でない施設には短く設定されている。保安距離は、①一般住宅(同一敷地内にある住宅除く)は10m 以上、②高圧ガスや液化石油ガスの施設は20m以上、③病院・学校(大学や専門学校除く)・老人ホ ーム・児童福祉施設等は30m以上、④重要文化財・重要有形民俗文化財・史跡は50m以上であ る。 また、特別高圧架電線の保安距離は、①7000ボルト~35000ボルトは水平距離で3m以 上、②35000ボルトを超えるものは水平距離5m以上である。 上記の距離は、すべての危険物施設で一律の基準で定められている。 保安距離を必要とする施設 保安距離を不要とする施設 製造所、屋内貯蔵所、屋外タンク貯蔵所、 屋外貯蔵所、一般取扱所 屋内タンク貯蔵所、地下タンク貯蔵所、 簡易タンク貯蔵所、移動タンク貯蔵所、 給油取扱所、販売取扱所 表 保安距離を必要とする施設、不要とする施設 50m 30m 20m 10m 5m 3m 35000V 超 一般住居 高圧ガス施設 学校、病院など 重要文化財 7000~35000V これ重要!

(25)

ジャスト危険物乙4 25 保有空地 保有空地とは、延焼防止や消火活動のため設定しなければならない空地である。保有空地には、 物品等をおいてはならない。保有空地をとらなければならない施設は、製造所・屋内貯蔵所・屋外 貯蔵所・屋外タンク貯蔵所・簡易タンク貯蔵所・一般取扱所・移送取扱所である。 この保有空地は、危険物施設の種類や保有する危険物の量によって変わる。 保有空地を必要とする施設 保有空地を不要とする施設 製造所、屋内貯蔵所、屋外タンク貯蔵所、 屋外貯蔵所、一般取扱所、簡易タンク貯蔵 所、移送取扱所(地上設置のもの)※ 屋内タンク貯蔵所、地下タンク貯蔵所、移 動タンク貯蔵所、給油取扱所、販売取扱所 表 保有空地を必要とする施設、不要とする施設 ※移送取扱所については、地上設置のものは、配管にかかる圧力に応じて配管の両側に一定の幅の 空地が必要である。もっとも、すべての移送取扱所に保有空地が必要ではないため、書籍によって は、移送取扱所を保有空地不要と分類するものもある。 これ重要!

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ジャスト危険物乙4 26

1-13、製造所等の基準・設備

位置の基準(保安距離) この保有空地の幅は、施設の危険度により2種類設定されている。①指定数量の倍数が10以下 の施設の場合は3m以上の空地が必要で、②指定数量の倍数が10以上の施設の場合は5m以上の 空地が必要である。 危険物の指定数量の区分 求められる空地の幅 指定数量の倍率が10以下の製造所等 3m以上 指定数量の倍率が10を超える製造所等 5m以上 表 危険物の指定数量と求められる保有空地 構造・設備の基準 ①建築物は地下室を設けてはならない。②建物の床には傾斜をつけ、貯留設備を設ける。③内部 の機器は、防爆構造にする。④静電気発生のおそれのある機器には、アース(設置導線)を設けなけれ ばならない。⑤建築物には、照明・採光・換気の設備を設ける。⑥「危険物製造所」の標識と「火 気厳禁」という防火の掲示板を掲げる。⑦指定数量の10倍以上の危険物を取扱う場合には、避雷 設備を設ける。⑧建築物の壁・柱・床・はり・階段は不燃材料でつくる。⑨建築物の屋根は不燃材 料で造り、軽量な不燃材料でふく。⑩ガラスを用いる場合には、網入りガラスとする。 避雷針 避雷針とは、雷による被害を避ける器具である。指定数量の倍数が10倍以上の製造所等では、 避雷針を設置する必要がある。 避雷針を必要とする製造所等 製造所、屋内貯蔵所、屋外タンク貯蔵所、一般取扱所 表 避雷針を設置する必要のある施設

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ジャスト危険物乙4 27

1-14、屋内貯蔵所の基準・設備

位置の基準(保安距離) 屋内貯蔵所にも保安距離が必要である。 →12、保安距離・保有空地参照 保有空地 指定数量の倍数 空地の幅 壁、柱、床が耐火構造の場合 壁、柱、床が耐火構造以外の場合 5以下 0m 0.5m以上 5を超え10以下 1m以上 1.5m以上 10を超え20以下 2m以上 3m以上 20を超え50以下 3m以上 5m以上 50を超え200以下 5m以上 10m以上 200を超える 10m以上 15m以上 構造・設備の基準 ①貯蔵倉庫は、独立した専用の建築物にする必要がある。②地面から屋根の軒先までの高さ(軒高) は6メートル未満とし、床は地盤面以上とする。③床面積は1000平方メートル以下とする。④ 屋根は不燃材で造り、金属板等の軽量の不燃材でふき、天井を設けない。⑤危険物の温度は55℃ を超えないようにする。⑥引火貯蔵倉庫には、照明・換気・採光の設備を備える。⑦「危険物屋内 貯蔵所」の標識と「火気厳禁」の掲示板を設ける。⑧指定数量の10倍以上の危険物を取扱う貯蔵 倉庫には避雷針を設ける。⑨ガラス を用いる場合には、網入りガラスと する。⑩タンク専用室の床には傾斜 をつけ、貯留装置をつけること、⑪ 引火点70℃未満の危険物の貯蔵倉 庫には、内部に滞留した蒸気を屋根 上に放出する設備を設ける。

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1-15、屋外タンク貯蔵所の基準・設備

位置の基準(保安距離) 屋外タンク貯蔵所にも保安距離が必要である。製造所と同じ基準である。 →12、保安距離・保有空地参照 敷地内距離 屋外貯蔵タンクは敷地内距離を持つ必要がある。敷地内距離とは、隣接敷地への延焼を防止する ために、貯蔵タンクの側板から敷地境界線まで確保すべき距離である。そして、敷地内距離は、指 定数量に応じて定められている。敷地内距離は、屋外タンク貯蔵所のみに義務付けられた規制であ る。 保有空地 保有空地は、屋外貯蔵タンクの周囲に確保すべき空地である。そして、確保すべき保有空地は、 指定数量の倍数に応じて定められている。保有空地の幅は、①指定数量の倍数が500以下は3m、 ②指定数量の倍数が500超え1000以下は5m、③指定数量の倍数が1000超え2000以 下は9m、④指定数量の倍数が2000超え3000以下は12m、⑤指定数量の倍数が3000 超え4000以下は15m、⑥指定数量の倍数が4000超えは、タンクの直径又は高さのうち大 きい距離以上である。(但し、最低でも15m以上)。 指定数量の倍数 求められる空地の幅 500以下 3m以上 500を超え1000以下 5m以上 1000を超え2000以下 9m以上 2000を超え3000以下 12m以上 3000を超え4000以下 15m以上 4000を超える タンクの水平断面の最大直径または高さのうち大きい数 値以上。その数値が15m未満の場合には15mとする。 表 屋外タンク貯蔵所の空地の幅

(29)

ジャスト危険物乙4 29 構造・設備の基準 ①タンクの構造は3.2mm以上の鋼板を使用する。②圧力タンクには安全装置を設ける。③圧 力以外のタンクには通気管を設ける。④液体危険物の屋外貯蔵タンクには、危険物の量を自動的に 表示する装置を設ける。⑤液体危険物(二硫化炭素を除く)の屋外貯蔵タンクの周囲には防油堤を設け る。⑥防油堤の容量は、タンク容量の110%以上として、2基以上タンクがある場合には、最大 であるタンクの110%以上とする。⑦防油堤は、鉄筋コンクリートまたは土で造り、危険物の流 出を防ぐ構造であること、防油堤の外側で操作できる弁付きの水抜口を設ける。⑧防油堤の面積は 80000㎡以下(高さは0.5m以上)、⑨防油堤内に設置できるタンクの数は10基以内。⑩圧 力タンクは、最大常用圧力の1.5倍の圧力で10分間行う水圧試験に合格する必要がある。⑪ポ ンプ設備には、原則として3m以上の空地を確保する。

(30)

ジャスト危険物乙4 30

1-16、屋内タンク貯蔵所の基準・設備

保安距離・保有空地 屋内タンク貯蔵所は、保安距離・保有空地を必要としない。 構造・設備の基準 ①タンクは平屋の専用室に設置する(例外あり、引火点が40℃以上の第4類危険物のみ取扱う場 合特例あり)。②タンク容量は、指定数量の40倍以下であること、但し第4石油類と動植物油以外 の第4類危険物については20000ℓ以下であること。③1つのタンク専用室に2つ以上のタン クを設けるときには、タンク容量を合計した量が最大数量となること。④タンク専用室の床には傾 斜をつけ、貯留装置をつけること。⑤壁及び2基以上のタンクを設置する際には壁とタンクの間隔 及びタンク間の間隔は、それぞれ0.5m以上保つこと。⑥貯蔵所内には、照明・換気・採光の設 備を設ける。⑦引火点70℃未満の危険物の貯蔵倉庫には、内部に滞留した蒸気を屋根上に放出す る設備を設ける。⑧屋根は不燃材で造ること。⑨圧力タンクに安全装置、その他のタンクには通気 管を設けること。⑩ガラスを用いる場合には、網入りガラスとする。⑪無弁通気管は、地上4m以 上の高さとし、建築物の窓から1m以上離す。⑫無弁通気管は、引火点が40℃未満の危険物につ いては、先端を敷地境界線から1.5m以上離す。⑬タンクには危険物の量を自動的に表示する装 置を設ける。

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ジャスト危険物乙4 31

1-17、地下タンク貯蔵所の基準・設備

保安距離・保有空地 地下タンクは、保安距離・保有空地を必要としない。 構造・設備の基準 地下タンク貯蔵所の設置方法は、3種類ある。すなわち、タンクを地下に埋設されたタンク室に 設置する方法、タンクを地下に直接埋設する方法、地下貯蔵タンクをコンクリートで被覆して地盤 面下に埋没する方法がある。それぞれに構造・設備で異なる規制がされている。 タンクを地下に埋設されたタンク室に設置する方法 ①タンクとタンクの室内面は、0.1m以上間隔をあけて周囲に乾燥砂を詰める。②タンクの頂 部は地盤面から0.6m以上間隔をとる、③タンクを複数設置する場合には間隔を1mとる。 タンクを地下に直接埋設する方法 ①トンネル・地下鉄・地下街から水平距離で10mとること。②地下建築物には設置しない。③ ふたにかかる重量が直接タンクにかからない構造とすること。④タンクは、厚さ3.2mm以上の 鋼板とする。⑤堅固な基礎に固定されていること。

(32)

ジャスト危険物乙4 32 地下貯蔵タンクをコンクリートで被覆して地盤面下に埋没する方法

①厚さ 0.15m(側面及び下方は 0.3m)以上のコンクリートとすること、②タンクの基礎は厚さ 0.3 m以上の鉄筋コンクリート造のふたで覆われていること、③ふたにかかる重量が直接タンクにかか らない構造とすること、④堅固な基礎に固定されていること

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ジャスト危険物乙4 33

1-18、簡易タンク貯蔵所の基準・設備

保安距離・保有空地 簡易タンクは、保安距離を必要としない。 しかし、保有空地を確保する必要がある。保有空地の基準は、屋外と屋外で異なり、①屋外が1 m以上、②屋内が0.5m以上である。 構造・設備の基準 ①簡易タンク1基あたりの容量は600ℓ以下とすること。②1つの簡易タンク貯蔵所には、簡 易貯蔵タンク3基までとすること。③同一品質の危険物は2基以上設置できない。④簡易貯蔵タン クを専用タンク専用室に設置する場合には、タンクと専用室の間に0.5m以上の距離をとる。⑤ 簡易貯蔵タンクは厚さ3.2mm以上の鋼板で造る。⑥簡易タンク貯蔵には、25mm以上、先端 の高さが地上1.5mの無弁通気管を設置すること。

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ジャスト危険物乙4 34

1-19、移動タンク貯蔵所の基準・設備

保安距離・保有空地 移動タンク貯蔵所とは、車両に固定されたタンクに危険物を貯蔵し取扱う施設をいう。一般的に はタンクローリーと言われる。移動タンク貯蔵所は、保安距離・保有空地を必要としない。 車両を駐車する場所は、屋内の場合には耐火構造又は不燃材料で造った建築物の一階とし、屋外 に駐車する際には防火上安全な場所でなければならない。駐車場所を変更する際には、変更許可が 必要である。 構造・設備の基準 ①車両を常置する場所が必要である。②屋内に常置する場合には、建物は耐火構造とする。③移 動貯蔵タンクは、厚さ3.2mm以上の鋼板で気密に制作する(常用圧力の1.5倍で10分間行う 水圧試験をパスする必要)。④移動貯蔵タンクの容量は、30000ℓ以下とし、移動貯蔵タンク内 部は4000ℓ毎に間仕切りを設ける。⑤容量が2000ℓ以上のタンク室には防波板を設定する。 ⑥タンクには防護枠と側面枠を設ける。⑦ガソリン・ベンゼン等の静電気で火災がおこる可能性の あるものについては、設置導線(アース)を設ける。⑧タンクの見やすいところに、危険物の類別・品 名・最大数量を表示する設備を設けるとともに・車両の前後に標識を掲げること(危マーク0.4m ×0.4m)。⑨タンクには防さび加工をする、⑩危険物を移送する移動タンク貯蔵所には危険物を 取り扱うことのできる資格を持った者が乗車し、免状を携帯する。

(35)

ジャスト危険物乙4 35

1-20、屋外貯蔵所の基準・設備

保安距離・保有空地・敷地内距離 屋外貯蔵所にも保安距離が必要である。製造所と同じ基準である。 →12、保安距離・保有空地参照 屋外貯蔵所の保有空地については、指定数量の倍数が10以下の場合には空地の幅が3m以上、1 0を超え20以下の場合には空地の幅が6m以上、20を超え50以下の場合には空地の幅が10 m以上、50を超え200以下の場合には空地の幅が20m以上、200を超える場合には空地の 幅が30メートル以上必要となる。 指 定 数 量 の 倍 数 区分 空地の幅 10以下 3m以上 10を超え20以下 6m以上 20を超え50以下 10m以上 50を超え200以下 20m以上 200を超える 30m以上 構造・設備の基準 ①保有空地の周囲に柵を設ける。②敷地は排水のよい場所とする。③1つの柵の内部の面積を1 00㎡以下とする。④架台(棚のようなもの)を設けるときには高さ6m未満とする。⑤敷地周囲の高 さは1.5m以下とする。⑥貯蔵できる物質は、第2類の硫黄、硫黄のみを含有する物、引火性固 体(引火点が0℃以上のもの)と第4類の第1石油類、アルコール類、第2石油類、第3石油類、第4 石油類、動植物油類である。

(36)

ジャスト危険物乙4 36

1-21、給油取扱所の基準・設備

保安距離・保有空地 給油取扱所は、保安距離・保有空地を必要としない。 構造・設備の基準 ①給油空地として間口10m、奥行き6m以上を保有すること。②給油取扱所の周囲には高さ2 m以上の防火塀を設けること。③敷地は舗装すること。④排水講・油分離装置を設けること。⑤固 定給油設備及び固定注油装置は、全長5m以下の給油ホース、静電気除去装置を設ける。⑥給油取 扱所は、専用タンクや容量10000ℓの容量の排油タンクを地下に設けることができる。⑦地盤 面以上には、容量600ℓ以下の簡易タンクを設けることができる。⑧給油等のために給油取扱所 に出入りする者を対象とした、飲食店等や展示場を設けることができる。 給油取扱所における取扱いの基準 ①給油する際には、固定給油設備を使用して直接給油する、②給油する際にはエンジンを止める、 ③給油する際には、給油空地からはみ出してはならない、④物品の販売は1階で行う、⑤給油取扱 所には、危険物取扱所・給油中エンジン停止・火気厳禁・危険物の種別や品名や貯蔵最大数量や危 険物保安監督者名等を記した掲示板を設ける(0.3m×0.6m)。

(37)

ジャスト危険物乙4 37

1-22、顧客に自ら給油をさせる給油取扱所(いわゆるセルフスタンド)の基準・設備

①顧客自ら給油できる旨を掲示する。②ノズルが給油口から外れた場合に自動停止する構造にす る。③引火点が40度未満の危険物を取扱うノズルは静電気除去設備を設ける。④燃料タンクに満 タンになったときに自動停止する構造にする。⑤地震時に危険物の供給を自動停止する構造にする。 ⑥ホース機器等に危険物の品目を示し色も指定する、ハイオクガソリンには黄色、レギュラーガソ リンには赤、軽油には緑、灯油には青と定められている。⑥地盤面に車両の停車位置、容器の置き 場等を表示しなければならない。⑦給油設備の周りにポール等の顧客が自動車による衝突を防ぐ設 備を設ける必要がある。⑧顧客による給油作業を監視するコントロールブースを設ける必要がある。 ⑨消火設備は、第3種固定式泡消火設備を設置する。 危険物の品目 色 ハイオクガソリン 黄 レギュラーガソリン 赤 軽油 緑 灯油 青 表 危険物と色についてのガソリンの基準

1-23、販売取扱所の基準・設備

販売取扱所の種類 販売取扱所の種類には2種類ある。①1種販売取扱所は、指定数量の15倍以下で、②2種販売 取扱所は、指定数量の15倍を超え40倍以下のものをいう。 保安距離・保有空地 販売取扱所は、保安距離・保有空地を必要としない。 構造・設備の基準 ①店舗は建物の1階とする必要がある。②危険物を販売する際には容器に入れる必要がある。③ 店舗の窓と出入口に防火設備を設け、窓には網入りガラスとする。④床には危険物が浸みない構造 とし、貯留設備を設ける。 ⑤店舗部分の建築物は壁を準耐火構造とする。⑥店舗部のはり及び天井は不燃材料とする。 これ重要!

(38)

ジャスト危険物乙4 38

1-24、移送取扱所の基準・設備

位置の基準 移送取扱所には保安上の理由から、設置の基準が定められている。具体的には、河川区域や水路 敷や鉄道の近くや避難のための空地への設置が禁じられている。また、移送配管は市街地の地下に 埋設する場合には、深さ1.8m以下にしてはならない。 移送配管には、伸縮吸収措置、漏えい防止装置、可燃性蒸気滞留防止措置を講じる必要がある。 また、配管の経路には、感震装置、耐震計、通報装置を設ける必要がある。

1-25、一般取扱所の基準・設備

保安距離・保有空地 一般取扱所にも保安距離が必要である。製造所と同じ基準である。 一般取扱所は、指定数量以上の危険物を取扱う施設で、給油取扱所、販売取扱所、移送取扱所に 分類できないものをいう。

(39)

ジャスト危険物乙4 39

1-26、標識・掲示板

標識及び製造所に掲げる掲示板 製造所等には原則として、標識及び掲示板を掲げる必要がある。標識の具体例としては、製造所 等には「危険物製造所」「危険物給油取扱所」等を掲げる。 掲示板は、防火に関して必要な事項を掲示したものである。掲示板は幅0.3m以上、長さ0. 6m以上の白地に文字が黒で、危険物の類、品名、貯蔵又は取扱最大数量、指定数量の倍数並びに 危険物保安監督者の氏名又は職名を記載しなければならない。また、性状に応じた掲示板を掲示す る。第 4 類ならば、「火気厳禁」である(他の類では、「禁水」「火気注意」等もある)。 図 標識の例 図 掲示板の例

(40)

ジャスト危険物乙4 40

1-27、消火設備

消火設備の種類 消火設備とは、製造所等の火災を有効に消火するために、法令によって義務付けされているもの をいう。製造所等の区分や、規模、危険物の品名等に応じて、消火設備の義務付けられる種類が定 められている。 消火設備の種類は、第1種から第5種まで定められている。 区分 具体的な消火設備 第1種消火設備 屋内消火栓設備、屋外消火栓設備 第2種消火設備 スプリンクラー設備 第3種消火設備 水蒸気消火設備、水噴霧消火設備、泡消火設備、不活性ガス 消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備 第4種消火設備 大型消火器 第5種消火設備 小型消火器、乾燥砂、膨張ひる石、膨張真珠石、水バケツ、 水槽 上記の例外として、製造所等の面積や危険物の量と無関係に消火設備が定められているものとして、 地下タンク貯蔵所と移動タンク貯蔵所と簡易タンク貯蔵所がある。 例えば、地下タンク貯蔵所は、第5種消火設備を2個以上設置すれば良い。また、移動タンク貯 蔵所は、自動車用の小型消火器を2個以上(粉末消火器で3.5㎏以上のもの)設置すれば良い。 消火の困難性 どのような消火設備を設けるかは、施設の規模、形態、危険物の性質、倍数等から、その設備の 消火の困難性に応じて政令で3つに区分されている。 区分 必要な消火設備 著しく消火が困難と認められるもの (第1種又は第2種又は第3種)及び第4種及び 第5種 消火が困難と認められるもの 第4種及び第5種 上記二者以外のもの(但し、移動タンク貯蔵所除く ※) 第5種 第4類及び第5類消火設備の設置基準 第4種の消火設備は、防護対象物までの歩行距離が30m以下となるように設置しなければなら ない。また、第5種消火設備は、防護対象物までの歩行距離が20m以下となるように設置しなけ ればならない。 これ最重要!

(41)

ジャスト危険物乙4 41 警報装置 指定数量の10倍以上の危険物を貯蔵又は取扱う製造所等のうち、移動タンク貯蔵所以外のもの は、その規模に応じて警報装置を設置しなくてはならない。警報設備には、①自動火災報知設備、 ②消防機関に報知できる電話、③非常ベル装置、④拡声装置、⑤警鐘がある。①自動火災報知設備 は、一定の数量以上を取扱う、製造所、一般取扱所、屋内貯蔵所、屋外タンク貯蔵所、屋内タンク 貯蔵所、給油取扱所に設置しなければならない。

1-28、貯蔵・取扱いの基準

共通の基準 ①許可若しくは届出された数量若しくは指定数量の倍数を超える危険物を貯蔵し取扱しない。② みだりに火気を使用しない。③係員以外の者をみだりに出入りさせない。④整理整頓し、不必要な 物品をおかない。⑤貯留設備又は油分離装置にたまった危険物は、あふれないように随時くみ上げ る。⑤危険物のくず、ゴミは1日1回以上捨てる。⑥危険物を貯蔵している装置を修理する際には、 安全な場所で危険物を完全に除去した後に行う。⑦原則として、危険物とそうでない物品を同時に 貯蔵してはならない。⑧貯蔵する際には、危険物を容器に入れる。⑨貯蔵する際には、危険物を類 別にまとめて貯蔵し、かつ、相互に1mの距離をおく。⑩保護液中に保存している危険物は、保護 液から露出しないようにする。⑪容器を積み重ねる場合には、原則3mとする(第3石油類、第4石 油類、動植物油類を収納する容器の場合には4m、機械にて荷役する構造を有する容器のみの場合 には6m)。⑫屋内貯蔵所においては、貯蔵する危険物の温度が55℃を超えないように貯蔵する。 ⑬危険物を廃棄する際に焼却の方法で行う場合には、見張り人をつけなければならない。⑭危険物 を廃棄する際には、海中や河川に排出してはならない。

(42)

ジャスト危険物乙4 42 危険物と危険物以外同時貯蔵の基準 貯蔵所において危険物以外の物品を同時貯蔵することは、原則として禁止である。しかし、①屋 内貯蔵所または屋外貯蔵所において別に定める危険物と危険物以外の物品とをまとめて貯蔵し、相 互に1m以上の間隔を置く場合には同時貯蔵が許される。また、屋外タンク貯蔵所・屋内タンク貯 蔵所・地下タンク貯蔵所及び移動タンク貯蔵所において、別に定める危険物と危険物以外の物品と を貯蔵する場合にも同時貯蔵が許される。 異なる類の危険物の同時貯蔵の基準 原則として、類の違う危険物を同じ場所で貯蔵することはできない。もっとも、屋内貯蔵所また は屋外貯蔵所で、類毎にまとめ1m以上離せばともに貯蔵することが許される。

1-29、施設区分ごとの取扱いの基準

給油取扱所における取扱いの基準 ①給油時には固定給油設備を使用し直接給油する。②給油時には自動車のエンジンを停止して行 い、給油空地から自動車をはみ出さない。③移動貯蔵タンクから専用タンクに危険物を注入する際 には、出入り口の付近に停車させる。④移動貯蔵タンクから専用タンクに引火点40℃未満の危険 物を注入する際には、エンジンを停止する。⑤給油取扱所で物品を販売する際には、1階のみで行 う。⑥自動車の洗車は引火点を有する洗剤を利用してはならない。⑦セルフスタンドでは、制御卓 で顧客の給油作業を直視等により適正に監視する。

原則

危険物 危険物以外 危険物 危険物以外 1m以上

例外

原則

例外

1m以上 第1類 第2類 第3類 第1類 第2類

(43)

ジャスト危険物乙4 43

1-30、運搬の基準

運搬容器 運搬とは、車両によって危険物をある場所から他の場所に移動することをいう。具体的には、ド ラム缶や一斗缶に危険物を入れて車両で運ぶことである。運搬は危険物の免状を持たなくてもでき、 免状を持つ者が同乗する必要もない。(これに対し、移送は免状が必要。) 運搬容器の材質は、鋼板・アルミニウム板・ブリキ板・その他政省令で定めるものである。危険 物はその危険度に応じて、危険等級Ⅰ・危険等級Ⅱ・危険等級Ⅲに分類されている。危険等級Ⅰが 最も危険であり、危険等級Ⅲが最も危険でない。4類では、特殊引火物が危険等級Ⅰ、第一石油類 とアルコール類が危険等級Ⅱ、その他が危険等級Ⅲである。 そして、危険物を運搬する際には、運搬容器の外部に危険物の品名、危険等級、化学名、「火気厳 禁」等の注意事項を表示しなければならない。 積載方法 ①原則として危険物は、運搬容器に密封収納して積載する。②危険物のうち固体については、9 5%以下の収納率で積載する。③危険物のうち液体については、98%以下の収納率で収納し、5 5℃の温度でも漏れないように空間を残す。④容器は上向きで積載し、混載が禁止されている危険 物は、混載しない。⑤運搬容器の外側には、危険物の品名・危険等級・化学名・数量・注意事項等 を掲示する。⑥運搬容器は堅固でかつ、危険物が漏れないものとする。⑦第 4 類では運搬に記載す べき注意事項は「火気厳禁」である。 混載禁止の組み合わせ 同一車両で異なる類の危険物を積載する際には、混載禁止のものがある。 第1類 第2類 第3類 第4類 第5類 第6類 第1類 × × × × ○ 第2類 × × ○ ○ × 第3類 × × ○ × × 第4類 × ○ ○ ○ × 第5類 × ○ × ○ × 第6類 ○ × × × × 表 混載禁止表(但し、指定数量の1/10以下の場合には適用しない) ・品名 ・危険等級 ・化学名 ・数量 ・注意事項 上向き これ最重要!

参照

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輸出入貨物の容器輸出申告 関基 67-2-12⑴、⑵ 輸出入貨物の容器輸入(納税)申告 関基 67-2-12⑴、⑵ 当事者分析成績採用申請(新規・更新・変更)

税関に対して、原産地証明書又は 原産品申告書等 ※1 及び(必要に応じ) 運送要件証明書 ※2 を提出するなど、.

・1事業所1登録:全てのEPAに対し共通( 有効期限:2年 ) ・登録申請書の作成⇒WEB上での電子申請( 手数料不要 )