国 都 計 第 8 2 号 国 住 街 第161号 平 成 1 8 年 1 1 月 6 日 各都道府県知事 殿 各政令指定都市の長 殿 国土交通省 都市・地域整備局長 住 宅 局 長 都市の秩序ある整備を図るための都市計画法等の一部を改正する法律 による都市計画法及び建築基準法の一部改正について(技術的助言) 都市の秩序ある整備を図るための都市計画法等の一部を改正する法律(平成1 8年法律第46号。以下「改正法」という )は、本年5月31日に公布され、。 このうち、都市計画法(昭和43年法律第100号)及び建築基準法(昭和25 年法律第201号)の改正については、下記9.のとおり段階的に施行されるこ ととなりますが(都市計画提案権者の範囲の拡大に係る改正部分は、既に本年8 月30日に施行 、改正法による都市計画法及び建築基準法の改正の趣旨、目的) 等について、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項の規 定に基づく技術的助言として、下記のとおり通知しますので、改正法の施行に当 たっては、下記に留意の上、適切な運用をお願いします。 貴職におかれては、貴管内市町村及び指定確認検査機関に対しても、この旨周 知方お願いします。なお、国土交通大臣指定及び地方整備局長指定の指定確認検 査機関に対しても、この旨通知していることを申し添えます。
記 1.都市計画法及び建築基準法の改正の目的 現在、我が国は、人口減少・超高齢社会を迎えるという、大きな時代の転換 点にある。一方、都市を取り巻く状況は、モータリゼーションの進展等を背景 として、病院、学校、庁舎等の公共公益施設の郊外移転や大規模な集客施設の 郊外立地が進み、都市機能の無秩序な拡散が進行している。こうした中で、こ れまでの都市の拡大成長を前提としてきたまちづくりでは、自動車に過度に依 存した都市構造をもたらし、高齢者等の生活利便性の低下や環境負荷の増大、 後追い的なインフラの整備・維持管理コストの増大、各種公共サービスの効率 の低下等の様々な問題を引き起こすことが懸念される。 このため、高齢者も含めた多くの人々にとっての暮らしやすさを確保すると いう観点から、これまでの拡大成長を前提とするまちづくりのあり方を転換し、 都市の既存ストックを有効活用しつつ、様々な都市機能がコンパクトに集積し た都市構造を実現することが、人口減少・超高齢社会に対応したまちづくりを 実現するために重要である。 改正法においては、こうした考え方に立って、都市機能の適正立地を確保す るため、土地利用コントロールの機能が十分に発揮されるよう、広域的に都市 構造やインフラに影響を与える大規模な集客施設に係る立地制限の強化、準都 市計画区域制度の拡充並びに開発許可制度における大規模開発及び公共公益施 設に係る取扱いの見直しを行うとともに、併せて都市計画制度の柔軟化・機動 化のための措置、広域調整手続の円滑化のための措置等を講じたものである。 2.大規模な集客施設に係る立地制限関係 (1)制度改正の趣旨 第二種住居地域及び準住居地域は主として住宅地としての土地利用を想定 し、住居の環境を保護することを目的とする用途地域であるが、近年、これ らの用途地域において、従来想定していなかった大規模な集客施設が立地す ることにより、住宅地に著しく多数の人や車が進入し、騒音や排気ガス等に よる環境の悪化、生活道路を利用する歩行者の交通安全性の低下等の様々な 問題が生じている事例が見られる。また、工業地域においても同様に、従来 想定していなかった大規模な集客施設が立地し、著しく多数の人や車が進入 することにより、工業地域が本来目的としている工業の利便の増進に大きな 支障が生じている事例が見られる。
用途地域の指定のない区域(市街化調整区域を除く。以下「白地地域」と いう )については、人口、産業等の現況及び将来の見通し等から市街地の。 拡大があまり見込まれず、従来、大規模な集客施設の立地を想定していない 地域であったが、近年、モータリゼーションの進展等を背景として、大規模 な集客施設が立地することにより、当該立地場所及びその周辺地域において 店舗等が無秩序に建築される等の土地利用上の問題を生じる事例が増加して いる。 また、大規模な集客施設は、著しく多数の人々を広い地域から集めること により、立地場所周辺の環境等に影響を及ぼすだけでなく、広域的な交通流 態等都市構造レベルで大きな影響を及ぼすおそれがあるという特性を有して おり、その立地については、広域的な影響についての地域の判断を反映した 適切なコントロールを行うことが必要である。 改正法においては、こうした課題に対処するため、用途地域のうち、第二 種住居地域、準住居地域及び工業地域において、並びに都市計画区域及び準 都市計画区域内の白地地域において、新たに、大規模な集客施設の立地を制 限することとした。 これは、これらの地域で大規模な集客施設の立地を完全に抑制しようとす るものではなく、広域的に都市構造やインフラに大きな影響を与える大規模 な集客施設について、広い範囲で立地可能とされていた従来の土地利用規制 の原則を逆転し、一旦立地を制限した上で、立地しようとする場合には、都 市計画の手続を要することとし、当該手続を経ることにより、地域の判断を 反映した適正な立地を確保しようとするものである。 併せて、改正法は、近隣商業地域において、現在、床面積の合計が2百平 方メートル未満のものに立地が制限されている劇場、映画館、演芸場又は観 覧場に係る用途規制に関し、その規模にかかわらず立地を認めることとした。 これは、近年、映画館は、スクリーン当たりの客席数は少ないものの一つの 映画館に多数のスクリーンを有するシネマコンプレックスが主流であり、こ れが商業施設等と複合して設置され、住民にとって身近な存在となっている 状況の中で、近隣商業地域において大規模な商業施設、展示場、アミューズ メント施設等を規制しないにもかかわらず、映画館等のみを規制するのは必 ずしも合理的とは言えなくなっていることを踏まえたものである。 (2)立地制限を受ける大規模な集客施設 改正法による立地制限の対象となる大規模な集客施設は、劇場、映画館、 演芸場若しくは観覧場又は店舗、飲食店、展示場、遊技場、勝馬投票券発売
所、場外車券売場その他これらに類する用途で政令で定めるもの(場内車券 売場及び勝舟投票券発売所)に供する建築物でその用途に供する部分(劇場、 映画館、演芸場又は観覧場の用途に供する部分にあっては、客席の部分に限 る )の床面積の合計が1万平方メートルを超えるものであるが、その取扱。 いについては、以下の点に留意して運用されるべきである。 ① 銀行等の金融機関の窓口や現金自動引出コーナー、クリーニング店、ガ ソリンスタンド等は店舗に該当し、その部分の床面積は店舗の用に供する 部分として、立地制限を受ける大規模な集客施設に該当するか否か判断さ れるものであること。 ② 遊技場には、マージャン屋、ぱちんこ屋、カラオケボックス、ゲームセ ンター、アミューズメント施設等が含まれるものであること。 ③ 遊園地については、屋根を有する店舗、アミューズメント施設等の建築 物が一定程度存在し、その床面積の合計が1万平方メートルを超える場合 には、立地制限を受ける大規模な集客施設に該当するものであること。 ④ ショッピングモールのように、床面積が1万平方メートル以下の集客施 設を複数棟建築する場合であって、例えば、2棟以上の商業施設が駐車場 等の施設を共用することにより一体的な利用がされる場合等、個別の事案 の利用形態等からみて用途上不可分の関係にある場合には、これら2以上 の建築物の床面積の合計により判断し、これが1万平方メートルを超える 場合には改正法による立地制限が適用されることとなること。 ⑤ 既存の大規模な集客施設で、改正法の施行又は適用により立地制限に適 合しないこととなる建築物(既存不適格建築物)は、建築基準法第3条第 3項の規定の適用を受けない限り適法にその存在が認められること。また、 改正法の施行又は適用に伴う既存不適格建築物の増築、改築又は用途変更 については、増築後の床面積が既存不適格となった時点の床面積の1.2 倍以内であること等の要件を満たす範囲内で行うことが可能であり、大規 模の修繕又は大規模の模様替についても行うことが可能であること。 (3)実施のための準備 改正法附則第2条は、都市計画区域及び準都市計画区域内の白地地域にお いて大規模な集客施設に係る立地制限が導入されることを踏まえ、その円滑 な実施を確保するため、都道府県又は市町村は、用途地域及び地区計画に関 する都市計画の決定又は変更のために必要な土地利用の状況に関する情報の 収集及び提供その他必要な準備を行うものとする旨規定している。これは、 これまで都市計画区域及び準都市計画区域内の白地地域においては、用途地
域又は特定用途制限地域を都市計画に定めない限り用途規制がなされなかっ たが、改正法の施行により、大規模な集客施設に係る用途規制が新たに導入 されるため、当該規制の導入による混乱を避けて円滑な施行が図られるよう、 都道府県又は市町村において、必要な準備を行うことを求める趣旨である。 都道府県又は市町村においては、大規模な集客施設の立地の現況及び将来 の見通し等に関する情報を収集し、地権者等から相談・要請や都市計画の提 案等がなされた場合に迅速かつ適切に対応するとともに、必要である場合に は、用途地域及び地区計画に関する都市計画の決定又は変更のために必要な 都市計画手続又はその準備を進めるべきであり、併せて、改正法の全面施行 日(9 (3)に掲げる施行日をいう。以下同じ )までの周知期間に、広報. 。 等の活用により地権者等に対し改正法の内容及び趣旨について周知に努める べきである。 (4)既存の大規模な集客施設への対応 第二種住居地域、準住居地域、工業地域並びに都市計画区域及び準都市計 画区域内の白地地域においては、改正法により、これらの地域に既に大規模 な集客施設が立地している場合にあっても、都市計画決定権者の判断や、公 告・縦覧等利害関係者の意見提出の機会が確保された都市計画手続を経るこ となく、大規模な集客施設の立地が制限されることとなる。一方、改正法に おいては、都市計画の決定又は変更に関し民間事業者のイニシアティブを認 め、開発事業者等に対して都市計画の提案権を拡大しているところであるが、 これは、地域の実情に応じて機動的に都市計画の決定又は変更を可能とする 観点から、その範囲を拡大したものである。 これらを踏まえ、都道府県又は市町村は、工業地域等に立地する既存の大 規模な集客施設の敷地を含む土地の区域について用途地域の変更等の提案が あった場合には、その周辺の道路等の基盤施設や土地利用の状況等を勘案し、 現状と同程度の商業集積を認めることが適当と判断される場合には、積極的 に例えば近隣商業地域等適切な用途地域への変更を検討するなど、都市計画 上の判断を適切に行うことが必要である。その際の判断については遅滞なく 行うこととし、遅くとも1年以内に計画提案を踏まえた都市計画の決定又は 変更を行うか、決定又は変更をしない旨の通知を行うべきである。 また、既存の大規模な集客施設の敷地を含む土地の区域について用途地域 の変更等を行う場合には、現況と著しく乖離した土地利用規制となることに より周辺環境の悪化を招くことがないよう、併せて地区計画を活用すること が望ましい。
3.準都市計画区域関係 (1)制度改正の趣旨 現行の準都市計画区域制度は、市町村が、相当数の建築物の建築等が行わ れる蓋然性の高い地域をスポット的に指定する制度であり、このような考え 方から、農業振興地域の整備に関する法律(昭和44年法律第58号)第8 条第2項第1号に規定する農用地区域等すでに必要な土地利用規制がなされ ている地域については、準都市計画区域には含めるべきではない旨の運用を してきたところである。 しかしながら、都市計画区域及び準都市計画区域外の地域においてはそも そも都市計画法及び建築基準法による用途規制が適用されず、例えば農用地 区域内の農地等が転用がされ、都市的土地利用規制も農業的土地利用規制も 適用されない状態となる場合等、土地利用規制が適用されないことが大規模 な集客施設の無秩序な立地を誘発している事例が散見された。 このため、改正法においては、準都市計画区域について、農地を含め土地 利用の整序又は環境の保全が必要な区域を広く指定できるよう、指定要件を 改正するとともに、準都市計画区域内の白地地域において大規模な集客施設 の立地を制限することとしたものである。 また、土地利用の整序又は環境の保全が必要な区域を広く指定する観点か ら準都市計画区域制度を変更したことから、指定権者を市町村から都道府県 に変更している。 (2)指定の時期 改正法のうち準都市計画区域制度の拡充に係る部分については、9. (2)のとおり、改正法の全面施行日に先立ち本年11月30日に施行する こととしている。都道府県は、準都市計画区域制度の改正の趣旨を十分に踏 まえ、都市計画区域外においても、必要な地域で大規模な集客施設に係る立 地制限の効果が改正法の全面施行日から発現されるよう、改正法の全面施行 日に先立って準都市計画区域を積極的に指定すべきである。 (3)準都市計画区域について定める都市計画 準都市計画区域については、これまで用途地域、特別用途地区、特定用途 制限地域、高度地区、景観地区、風致地区又は伝統的建造物群保存地区を定 めることができるとされていたが、改正法による改正後の準都市計画区域に ついては、環境の保全の観点が加えられたことから、これらの地域又は地区 に加え、緑地保全地域も定めることができることとされた。また、これらの
地域又は地区のうち、緑地保全地域及び風致地区(面積が10ヘクタール以 上のものに限る )については、広域的な観点から定める都市計画であると。 いう性格から、都道府県が定めることとされた。 なお、市町村が準都市計画区域について都市計画の決定又は変更をしよう とするときは、これまでは、あらかじめ都道府県知事の意見を聴かなければ ならないものとされていたが、改正法により都市計画法第19条が改正され、 広域の見地からの調整を図る観点等から、あらかじめ、都道府県知事に協議 し、その同意を得ることが必要となるので、留意されたい。 (4)準都市計画区域の指定に伴う建築行政上の対応 準都市計画区域の指定に伴い、準都市計画区域内の建築物については建築 基準法第3章(第8節を除く )が適用されることとなる。また、特定行政。 庁は、準都市計画区域の指定に合わせて、準都市計画区域内の白地地域につ いて、新たに、容積率及び建ぺい率の数値を定める必要がある。 このため、特定行政庁においては、都市計画部局と十分な連携を図り、準 都市計画区域の指定が予定される区域について、建築物又はその敷地と建築 基準法第42条に規定する道路との関係に関する規定の適用並びに準都市計 画区域内の白地地域における容積率及び建ぺい率の決定に必要な準備を行い、 準都市計画区域の指定が円滑に行われるよう留意すべきである。 4.開発許可関係 (1)制度改正の趣旨 社会福祉施設、医療施設、学校(大学、専修学校及び各種学校を除く。)、 庁舎等の公共公益施設は、一般に住民等の利便に配慮して建設されることか ら、市街化調整区域内に立地する際には、周辺に一定の集落等が形成されて いるような場所に、規模の小さいものが立地することを想定し、無秩序な市 街化の促進を引き起こさないものとして開発許可が不要とされていた。しか しながら、モータリゼーションの進展等に伴う生活圏の広域化と相対的に安 価な地価等を背景として、市街化調整区域において、これらの公共公益施設 が当初想定されていたような立地場所の範囲を超えて、周辺の土地利用に関 わりなく無秩序に立地し、あるいは、周辺の集落等へのサービスの供給を超 えて、広域から集客するような大規模な公共公益施設が立地する事態が多数 出現している。また、一方で、様々な都市機能がコンパクトに集積した、歩 いて暮らせるまちづくりを進めるためには、これらの公共公益施設が高齢者 も含めた多くの人々にとって便利な場所に立地するよう、まちづくりの観点
からその適否を判断する必要がある。こうしたことから、改正法では、これ らの公共公益施設の建築の用に供する目的で行う開発行為を行おうとする場 合について、新たに、開発許可を要することとした。 また、従来、人口増加等により、必要な市街地面積が将来増大するという 前提のもとで、市街化調整区域においても一定の大規模住宅開発等について は、これを許可できることとする基準(改正法による改正前の都市計画法 (以下「旧都市計画法」という )第34条第10号イ(以下「旧10号。 イ」という )の基準)がおかれてきた。しかしながら、人口減少社会を迎。 え、増大する人口を受け止めるための大規模開発の必要性が低下する中、大 規模な開発行為であれば許可できることとすることの合理性が失われてきた ことから、旧10号イの基準を廃止することとした。 (2)市街化調整区域内における地区計画 旧10号イの基準を廃止したことに伴い、市街化調整区域における相当規 模の開発行為に対する開発許可は、地区計画又は集落地区計画に定められた 内容に適合する場合に許可できる基準(改正法による改正後の都市計画法 (以下「新都市計画法」という )第34条第10号)によることとなるた。 め、改正法の全面施行日以後は、地区計画の決定又は変更に関する都市計画 の手続を通じて開発の可否を判断することとなる。市街化調整区域内におけ る地区計画については、従来より、都市計画運用指針(平成13年国都計第 61号)において、広域的な運用の統一性を確保する等の観点から、都道府 県が同意に当たっての判断指針等を作成し、市町村の参考に供することで、 円滑な制度運用が図られるものとしてきており、改正法の施行を受けて、都 道府県は、一定規模以上のもので、市街化区域における市街化の状況等から みて都市計画区域における計画的な市街化を図る上で支障がないと認められ るものに関する取扱を定めるなど、その適切な見直しをすることが望ましい。 (3)適用関係 改正法のうち、開発許可に係る改正部分の適用関係については、以下のと おりであるので、運用に当たり十分留意する必要がある。 ① 開発許可に係る改正部分については、経過措置を置いていないことから、 改正法の全面施行日以後は、全面施行日前に開発許可の申請がなされてい ても、また、開発審査会の議を了したものであっても、新都市計画法に規 定する基準に基づき開発許可を行うことになること。とりわけ、旧10号 イの基準は改正法により廃止されることから、全面施行日以後は旧10号 イに基づく開発許可を行うことはできないこと。
② 改正法の全面施行日前に受けた開発許可に基づく開発行為は、全面施行 日以後も適法に行うことができること。改正法の全面施行日前に旧10号 イの基準により開発許可を受けた開発行為について、全面施行日以後に当 該基準に関わる開発計画の変更が生じた場合には、旧10号イの基準に基 づく変更の許可を受けることができず、一旦当該開発行為に関する工事の 廃止を届け出た上で、改めて新都市計画法の基準に基づき開発許可を受け る必要が生じることになるので、改正法の全面施行日前に旧10号イの基 準により開発許可を行うに当たっては、申請者に対しその旨を周知し、注 意喚起を促す等により慎重に対応する必要があること。したがって、大規 模な開発行為であって全面施行日までの完了が見込まれないものについて は、旧10号イの基準によらず、都市計画部局と連携の上、地区計画の策 定の検討を開始する等、開発許可権者において適切に対処することが望ま しいこと。 ③ 社会福祉施設、医療施設、学校(大学、専修学校及び各種学校を除 く。)、庁舎等の建築の用に供する目的で行う開発行為が、全面施行日にお いて現に行われている場合は、開発許可を受けることは要しないこと。 また、この場合においても、市街化調整区域内においては、全面施行日 までにこれらの施設の建築工事に着手していない場合には、その建築につ いて新都市計画法第43条第1項の許可を要することとなるので、留意が 必要であること。 ④ 第二種住居地域、準住居地域若しくは工業地域又は都市計画区域若しく は準都市計画区域内の白地地域において、改正法の全面施行日前に、大規 模な集客施設の建築の用に供する目的で行う開発行為について開発許可の 申請があった場合には、全面施行日前であれば、旧都市計画法第33条第 1項第1号の基準に適合すると認めて開発許可を行うことが可能であるこ と。一方、当該開発区域内で行う大規模な集客施設の建築は、工事の着手 が全面施行日以後である場合には、改正法による改正後の建築基準法第4 8条第6項、第7項、第11項及び第13項の規定により立地が制限され ることから、これを行うことができなくなるため、改正法の全面施行日前 にこのような開発行為について開発許可の申請があった場合には、建築行 政部局と十分に連携をとって、申請者にその旨を周知することが望ましい こと。 5.開発整備促進区を定める地区計画関係
(1)制度創設の趣旨 改正法は、大規模な集客施設について、商業地域等を除き立地を一旦制限 した上で、立地しようとする場合には、都市計画の決定又は変更を要するこ ととし、これにより地域の判断を反映した適正な立地を確保しようとするも のであるが、これが適切に運用されるためには、必要な場合に機動的な都市 計画の決定又は変更がなされることが重要である。 一方、大規模な集客施設は、立地場所周辺の環境、土地利用等に大きな影 響を及ぼすおそれがあることから、その立地を認めるに当たっては、周辺に おける公共施設の整備状況やその見通し、土地利用の動向等を見極めて適切 な都市計画を決定する必要がある。大規模な集客施設の立地が見込まれる土 地の周辺において、公共施設が既に十分整備されており、又はその見通しが ある場合には、都市全体における用途の適正な配分を考慮して、用途地域の 決定又は変更により対応することが考えられるが、土地の利用状況の変化が 著しく、十分な公共施設が整っていない場合等には、用途地域の決定又は変 更により対応するよりも、当該施設の立地場所を含む一定の区域を設定し、 必要な公共施設の配置や建築物の制限等を明らかにして、それらを都市計画 において一括して定め、さらに特定行政庁の認定を通じてきめ細かく誘導す るという方法をとることが合理的である場合がある。 このため、改正法では、地域の実情に応じて柔軟な判断ができるよう、大 規模な集客施設の立地を認めうる都市計画制度として、商業地域等の用途地 域に加えて、開発整備促進区を定める地区計画を新たに創設したものである。 なお、大規模な集客施設の立地制限に係る改正部分の施行に伴い既存不適 格建築物になると見込まれる大規模な集客施設について、建替え又は大規模 な増改築が予定されている等の土地利用の変化が見込まれない状態では、開 発整備促進区を定める地区計画の要件である「現に土地の利用状況が著しく 変化しつつあり、又は著しく変化することが確実であると見込まれる土地の 区域であること 」に該当しないと考えられることから、その場合に開発整。 備促進区を定める地区計画を活用することは困難であるので、留意されたい。 (2)適用関係 改正法のうち、開発整備促進区を定める地区計画の創設に係る改正部分は、 大規模な集客施設の立地制限に係る改正部分と同じく、全面施行日に施行さ れることとなる。このため、全面施行日前には、開発整備促進区を定める地 区計画に関し、都市計画の案の公告・縦覧、市町村都市計画審議会への付議、 都道府県知事との協議・同意等の都市計画法に規定する都市計画決定に係る
手続を行うことはできないが、全面施行日以後速やかに開発整備促進区を定 める地区計画に関する都市計画を決定する必要がある場合等には、全面施行 日前であっても、当該都市計画決定の準備のため、住民への説明、都道府県 知事との事前協議等の事実上の行為を行うことは可能であるので、留意され たい。 6.都市計画提案権者関係 (1)制度改正の趣旨 改正法の趣旨に則り、改正後の都市計画制度が適切に運用されるためには、 必要な場合に機動的な都市計画の決定又は変更がなされることが重要であり、 そのためには、都市計画の決定又は変更に関し民間事業者のイニシアティブ を認め、まちづくりの推進に関する民間の経験と知識をより積極的に取り込 むことが重要である。こうした考え方から、改正法においては、都市計画の 決定又は変更の提案をできる者に、まちづくりの推進に関し経験と知識を有 するものとして国土交通省令で定める団体等を追加し、一定の開発事業の実 績を有する等の要件を満たす者にも、都市計画の決定又は変更の提案を行う ことを認めることとした。 (2)体制の整備 都市計画の提案制度は、まちづくりや都市計画に対する住民等の関心を高 め、主体的かつ積極的な住民参加が促されることを狙って導入された制度で あるが、活用状況は未だ低調であり、その積極的な活用が望まれる。今回の 都市計画法の改正を契機として、都市計画提案制度の活用が増加することも 想定されるので、都道府県又は市町村においては、都市計画の決定又は変更 の提案に係る相談・処理体制の充実に努められることが望ましい。 7.広域的調整手続関係 (1)制度改正の趣旨 大規模な集客施設の立地は、一市町村の範囲を超えて広域的な都市構造や インフラに影響を与えるものであることから、一市町村の視点だけではなく、 広域的な観点から適正立地を調整することが必要である。 改正法は、大規模な集客施設について、商業地域等を除き立地を一旦制限 しており、これにより、立地しようとする場合には用途地域等に関する都市 計画の決定又は変更が必要となることから、市町村が都市計画の決定又は変 更をする場合の都道府県知事との協議・同意手続を通じて広域的な見地から
の調整が図られることとなる。さらに、改正法では、当該手続を通じてより 効果的に広域調整が図られるようにするため、都道府県知事が関係市町村か らの意見の聴取等を行うことができるよう手続を整備した。 (2)必要な準備 都道府県においては、改正の趣旨を踏まえ、市町村から都市計画の決定又 は変更について協議された場合に的確な判断を迅速に行えるよう、あらかじ め判断基準について検討する等準備に努められることが望ましい。 8.改正法の趣旨、内容等に関する周知・啓発 改正法は、大規模な集客施設について、商業地域等を除き、その立地を一旦 制限し、立地に当たって都市計画の手続を経させることで、地域の判断を反映 した適正な立地を図ることとしている。また、社会福祉施設、病院、学校(大 学、専修学校及び各種学校を除く。)、庁舎等の公共公益施設の建築の用に供す る目的で行う開発行為を行おうとする場合に、新たに開発許可を要することと している。これらの措置は、事業者を始め国民の権利利益にも大きな影響を及 ぼすことから、その円滑な施行を図るため、改正法の趣旨、内容等について国 民に対し周知・啓発を行っていくことが重要である。 このため、国土交通省においても、各種の団体が開催する説明会等を通じて、 改正法に関する周知・啓発に努めているところであるが、都道府県及び市町村 においても、広報等を活用して改正法に関する周知・啓発に努めるとともに、 事業者を始めとする住民等から相談がなされたときには、十分な理解が得られ るよう適切に対応することが望ましい。 9.改正法の施行時期 改正法による都市計画法及び建築基準法の改正については、以下のとおり、 段階的に施行されることとなる。 (1)都市計画提案権者の範囲の拡大に係る改正部分:本年8月30日施行(既 に施行済) 改正法の円滑な施行を確保するため、改正法の全面施行日に先立って施行す ることにより、一定の民間事業者等からの都市計画提案を早期に実施可能とし たものである。 (2)準都市計画区域の拡充に係る改正部分及び広域調整手続の充実に係る改正 部分:本年11月30日施行 ・指定権者を市町村から都道府県に改めるため都道府県における準備期間を考
慮する必要があること ・都市計画区域外においても、大規模な集客施設に係る立地制限が必要と判断 される地域では、立地制限の効果が改正法の全面施行日から発現されるよう、 それまでに準都市計画区域が広く指定されることが望ましいこと 等から、改正法の全面施行日に先立って施行することとしたものである。 (3)大規模な集客施設に係る立地制限に係る改正部分、開発許可制度の見直し に係る改正部分等:平成19年11月30日施行 既に土地を確保し、準備をしている事業者等の既得権利の保護にも配慮し、 適切な周知期間を確保したものである。