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Morning Lectureのお知らせ 4月は精神科が担当です

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Academic year: 2021

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藤田学園第

10 回市民公開講座テキスト

*講座名*

「くらしと健康」

“うつと不眠と物忘れ”

*講 師* 『こころの健康とうつ病』 ■内藤 宏 (藤田保健衛生大学医学部精神科学助教授) 『あがり症、心配性―先生これって病気ですか?―』 ■岩田 仲生 (藤田保健衛生大学医学部精神科学教授) 『間違いだらけの不眠症対策 part2―こんな症状も不眠障害!』 ■北島 剛司 (藤田保健衛生大学医学部精神科学講師) 『物忘れにもいろいろ』 ■柴山 漠人 (高齢者痴呆介護 研究・研修大府センター長、 藤田保健衛生大学医学部精神科学客員教授) *日 時* 平成 18 年 5 月 27 日(土) 14:00~17:00 *場 所* 藤田保健衛生大学フジタホール 500(医学部 1 号館 5 階) 学校法人藤田学園・藤田学園医学会

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プ ロ グ ラ ム

第 10 回藤田学園市民公開講座 テーマ 「くらしと健康」 “うつと不眠と物忘れ” 開会の挨拶・案内(14:00-14:05) 辻 孝雄(医学部教授/実行委員長) セクション 1(14:05-15:05) 座 長:中川 研二(医学部整形外科学教授) 演題-1 こころの健康とうつ病 (14:05-14:35) 医学部精神科学助教授 内藤 宏 演題-2 あがり症、心配性―先生これって病気ですか?―00 (14:35-15:05) 医学部精神科学教授 岩田 仲生 休憩(15:05-15:15) セクション2(15:15-16:15) 座 長:森本紳一郎(医学部内科学教授) 演題-3 間違いだらけの不眠症対策 part2―こんな症状も不眠障害!― (15:15-15:45) 医学部精神科学講師 北島 剛司 演題-4 物忘れにもいろいろ (15:45-16:15) 高齢者痴呆介護 研究・研修大府センター、医学部精神科学客員教授 柴山 漠人 休憩(16:15-16:25) 総合討論(16:25-17:00) 座 長:中川 研二(医学部整形外科学教授) 森本紳一郎(医学部内科学教授) 次回の案内と閉会の挨拶 滝田 毅(短期大学教授/副実行委員長)

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《こころの健康とうつ病》

藤田保健衛生大学医学部精神科学助教授 内藤 宏 年間 3 万人を超える自殺死亡者数の背景として、うつ病をはじめとする「こころの健康」 の問題が指摘されています。うつ病は、ゆううつのせいで、勉強や仕事の効率が低下する など社会的機能が損なわれたり、ものの見方や考え方が歪んでしまう病気で、体の不具合 も伴います。 また、一生のうちに男性は 10 人に 1 人、女性については 5 人に 1 人が経験しうる頻度の 高い病気です。しかし、休養や抗うつ薬というお薬による回復が期待でき、早期の対応ほ ど有効といわれています。長時間労働を原因とした自殺が労働災害として認定されたこと を機会に、職場では勤労者の「こころの健康」への配慮が不可欠となっています。特にう つ病への対応は重要視されています。 それでは、家庭ではいかがでしょうか。重症例が強調されすぎ、何かと誤解が多いうつ 病ですが、実はその8割は軽症です。軽症うつ病ともいわれています。これは、自律神経 症状だけが自覚され「自律神経失調症」や「更年期」として長く辛抱したり、うつ病の症 状と気づかず勉強や仕事の効率が落ち何かと失敗したり、くよくよ悩んだりというもので、 該当する方も少なくありません。 うつ病は自分では気づきにくい病気のため、患者さんをとりまく職場や家庭での早期発 見が特に大切です。「大切な家族には、病気にかかって欲しくない、いつまでも健康でいて 欲しい」という願いが、逆に軽症うつ病の発見を見逃しているような例もみられます。 うつ病が疑われた場合は、早い時期に精神科あるいはかかりつけの医師への相談をお勧 めします。 【講師プロフィール】 1984年、藤田学園保健衛生大学医学部卒業。1992年、藤田保健衛生大学精神医学教室講師。 2003年、同助教授となり現在に至る。専門は精神医学一般、職場のメンタルヘルス、司法 精神医学。精神保健指定医、名古屋市精神医療審査会委員、名古屋地方検察庁嘱託鑑定医 などを務める。医学博士。

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こころの健康とうつ病

大切なひとのために 藤田保健衛生大学 精神医学教室 内藤 宏 2006.05.27. 藤田学園市民公開講座 2 0 5000 10000 15000 20000 25000 30000 35000 1 9 7 8 1 9 7 9 1 9 8 0 1 9 8 1 1 9 8 2 1 9 8 3 1 9 8 4 1 9 8 5 1 9 8 6 1 9 8 7 1 9 8 8 1 9 8 9 1 9 9 0 1 9 9 1 1 9 9 2 1 9 9 3 1 9 9 4 1 9 9 5 1 9 9 6 1 9 9 7 1 9 9 8 1 9 9 9 2 0 0 0 2 0 0 1 2 0 0 2 2 0 0 3 2 0 0 4 2005.06.警察庁生活安全局地域課 人

わが国における自殺者の現状

自殺者の30-60%がうつ病に罹患? 毎日88人が自殺している!

過労自殺事件

2000年3月24日 最高裁第2小法廷判決 • 大手広告代理店入社2年目の24歳男性社員が、 長時間労働の末自殺し、両親が訴訟 Š争点1:長時間労働と自殺の因果関係 Š争点2:安全配慮義務違反等の過失の有無 • 過労自殺事案での初の最高裁判決 Š裁判所の見解:上司が長時間労働を軽減する具体 的方法を行なわず、死の直前には健康状況が正常 でないことに気づいているのに、何等具体的措置 をとらなかったことは、安全配慮義務違反である とした 労働者の心の健康の保持増進のための指針 2000年8月9日、2006年4月1日改正、厚生労働省 • 職場においてより積極的にこころの健康の 保持増進に取り組む • 4つのケアを念頭に置いた対応の推進 労働者自身による「セルフケア」 管理監督者による「ラインによるケア」 「事業場内の安全衛生スタッフ等によるケア」 「事業場外専門家によるケア」 5

うつ病とは

• ゆううつのせいで、社会的機能が損なわれたり、 ものの見方が歪んでしまうというからだの病気 • 特有の病前性格の人が、ある種のきっかけ(状況 因)によって生じる • 休養に加え薬物療法等の身体療法が有効である Š抗うつ薬、電気けいれん療法、光療法など • 周期的に生じるが、その都度回復する Š再発率は初回で50%(6年以内30% )、2回で75%、3 回以上では90% 6

うつ病の概念の拡大

伝統的診断から操作的診断DSM-IVへ 内因性うつ病 QuickTimeý Dz ÉtÉHÉg - JPEG êLí£ÉvÉçÉOÉâÉÄ Ç™Ç±ÇÃÉsÉNÉ`ÉÉǾå©ÇÈÇ…ÇÕïKóvÇ-Ç ÅB 抑うつ神経症 適応障害・気分変調症 大うつ病 2

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2 7 • 米国の調査(NCS) Š17%:男性10%、女性20% • 我が国の調査(山梨コホート) Š15% 一生のなかでうつ病を経験する頻度 大うつ病性障害(DSM-IV)の診断基準 女性は5人に1人! 男性は10人に1人! 8 精神科受診 10% 未受診 47% 一般科受診 43% 受診 53% 抗うつ薬 以外の処方 23% 抗うつ薬 8% 処方なし 69%

うつ病診療の現状

ヨーロッパ先進6カ国1997 • 6ヶ月間の調査期間に17%がうつ状態を経験 • 医療機関にかかるのは53% • ほとんど(8割)は一般科受診 抗うつ薬の処方 わずか8%! 頻度の高い疾患(生涯有病率15%) だが、適切な治療がなされていない 8割 2割 9

一般診療科でのうつ病の実態

• 10人に1人はうつ病患者(WPA) • 高血圧患者よりうつ病患者の方が多い 10

うつ病の原因

• 薬理・生化学的仮説 Š脳内神経伝達物質(セロトニン)が足りなくな る • 神経内分泌学的仮説 Šストレスにさらされた時に立ち向かうホルモン (副腎皮質ホルモン)の分泌がいつまでも続い てしまう • 時間生物学的仮説 Š脳内の生物時計がきちんと働かない 気持ちの問題や怠けではない! 11

うつ病の診断基準(DSM-IV)

1. 1.抑うつ気分抑うつ気分 2. 2.興味ないし喜びの著しい減退興味ないし喜びの著しい減退 3.食欲・体重の変化(減少・増加) 4.睡眠障害(不眠もしくは過眠) 5.精神運動性の焦燥もしくは抑制 6.疲労感あるいは気力の減退 7.無価値観あるいは自責感 8.集中困難あるいは決断困難 9.自殺念慮 5項目以上が同時に 2週間以上続く 12

うつ病の病前性格

メランコリー親和型性格 • 几帳面で仕事好き、自分の役割に忠実。他人と の円満な関係を保つことに気を使う人。 • この性格の持つ落とし穴 Š他人と円満にやることに気を使うあまり・・・ Šやり出すと徹底的にやりたい傾向があるが、 ちょっと疲れて不調になると・・・ 個人としての自由さがそこなわれてしまう 一層徹底的にやりたくなり、自分の限界を越えてしまう •新しい環境に臨機応変になじむという点で不器用

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うつ病の誘因(状況因)

• 秩序を重んじ、変化を嫌う性格傾向 • 発病の危機:慣れ親しんだ生活や土地 を離れ、新しい秩序の構成が必要な時 Š昇進、配置転換、転勤 Š新たな達成課題、試験 Š病気、負傷 Š居住環境の変化(転居、改築、新築) Š喪失体験 Šその他 借金苦が宝くじ当選で解消 病気を抱えた受験生の合格 14

うつ病の精神症状

• 抑うつ気分:ゆううつで、何も楽しくない、寂しい • 抑制症状 :やる気がおきない、人に会いたくい、 決断がつかない、表情に乏しい、動 作・口数が少ない • 不安焦燥感:いらいら、じっとしていられない • 自責感 :申し訳ない、追いつめられた感じ • 希死念慮 :消えてなくなりたい • 微小妄想 :心気妄想、罪業妄想、貧困妄想 • 日内変動 :朝、特に調子が悪い 15

うつ病の身体症状

• 不眠 Š途中覚醒、早朝覚醒 • 食欲低下・体重減少 Š何を食べてもおいしくない • 性欲減退 • 様々ないわゆる自律神経症状 Š頭痛、動悸、めまい、吐き気、便通異常、 腹部不快感、口渇、口咽頭違和感、頻尿、 熱感、疼痛、倦怠感、疲労感 16 2週間以上続く自律神経症状、あるい は仕事や勉強の効率低下? 不明熱? 不明熱? 自律神経失調症? 自律神経失調症? 更年期障害? 更年期障害? 血の道? 血の道?

軽症うつ病

軽症うつ病

不安障害 不安障害 17 QuickTimeý Dz TIFFÅià èkǻǵÅj êLí£ÉvÉçÉOÉâÉÄ Ç™Ç±ÇÃÉ sÉNÉ `ÉÉǾå©ÇÈ ÇžÇ½Ç…ÇÕïK óvÇ-Ç ÅB

うつ病の治療

• 休養 • 抗うつ薬 • 電気けいれん療法 • 光療法 • 認知行動療法 • 対人関係療法 QuickTimeý Dz TIFFÅi à èkǻǵÅj êLí£ÉvÉçÉOÉâÉ Ä Ç™Ç±ÇÃÉsÉNÉ`ÉÉǾå©ÇÈǞǽDžÇÕïKóvÇ-Ç Å QuickTimeý Dz TI FFÅià èkǻǵÅj êLí£É vÉ çÉ OÉâÉÄ Ç™Ç±Çà És ÉNÉ`ÉÉ Ç¾å©ÇÈ ÇžÇ ½Ç…ÇÕïKóvÇ-Ç ÅB QuickTimeý Dz TIFFÅià èkǻǵÅj êLí£ÉvÉçÉOÉâÉÄ Ç™Ç±ÇÃÉsÉNÉ`ÉÉǾå©ÇÈǞǽDžÇÕïKóvÇ-Ç ÅB 18

• 休養だけでも4割が自然に回復する • うつ病についての正しい理解 Š体の病気として受け止める Š安静を心がける ƒ気晴らしは逆効果 • 自宅での療養 • 入院

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抗うつ薬による治療

• 約70%の症例で有効 • 1-2週間してから効果がでる • 副作用の問題 Š少量からスタートして増量 • 良くなってからも、半年は維持療法 • 中止するときは少しずつ減らしてゆく • 不安感には抗不安薬、不眠には睡眠導 入剤を併用こともある 20 急性期を脱したうつ病患者に対して • 休息から社会復帰に向けたリハビリへ Š主たる症状が「おっくう感」だけになった頃から • 注意をうながす点 Šゆっくりとした回復が望ましい Š回復期に気分の動揺(上がりすぎ)が起こりやすい Š早すぎる職場復帰に注意 • リハビリの実際 Š睡眠覚醒リズムの調整 Š図書館に行ってみる ƒ初めは任意の時間で→開館の時間から午前中 ƒ初めは近くでも良い→通勤と同じくらいの距離で Š一日、5行以上の日記を書いてもらう 21 家庭や 職 場 健 康 個 人

こころのエネルギーと悩み

22 家庭や 職 場 健 康 個 人 ストレスに対 する反応 →適応障害

こころのエネルギーと悩み

23 家庭や 職 場 健 康 個 人

こころのエネルギーと悩み

24 家庭や 職 場 健 康 個 人 悩み事の露呈 →うつ病 ぐるぐる思考

こころのエネルギーと悩み

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25 うつ病の治療は心のエネルギーを貯める ことを目標にする。 →休養、抗うつ薬 家庭や 職 場 健 康 個 人 26 回復後も6ヶ月間は心のエネルギーをさらに貯めるこ とを目標にする。 →抗うつ薬を続け養生を心がける 家庭や 職 場 健 康 個 人 27

家族の心得

• うつ病は怠けではなく病気であることを知る • 適切な治療で治ることを信じ焦らない • 励ましたり叱ったりしてはいけない • 外出や旅行等気晴らしは逆効果 • ゆっくりと休養できる環境を用意する • 話をしみじみと聞き、批判や説教をしない • 抗うつ薬の服用を確認する • 自殺に注意する 28

二項目質問紙法

• 以下の質問にお答え下さい(当てはまる方に○をつけて ください)。 1 . この1ヶ月間、気分が沈んだり、憂うつな気 持ちになったりすることがよくありましたか。 A はい B いいえ 2 . この1ヶ月間、どうも物事に対して興味がわ かない、あるいは心から楽しめない感じがよく ありましたか。 A はい B いいえ 2項目両方があてはまる場合90%はうつ病!

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あがり症・心配性~先生これって病気ですか?

精神医学教室 岩田仲生 最近社会不安障害(社会恐怖)という病名をマスコミ等で取り上げられること が増えてきました。聞き慣れない言葉ですが実は専門家からも同じような印象 をもたれています。それは社会恐怖がいわゆる病気ではなく心の持ち方や性格 みたいなものとしてこれまで受け取られてきたことに原因があると思います。 社会恐怖は社会の中での対人関係場面で過剰な不安の反応が出てしまう人です。 この病気になると実はその人の人生全体を考えると大変な重荷を背負ってしま うことがわかっています。最近になりこの社会恐怖という病気は明確に脳の不 安反応の過剰であることが詳しい研究の結果わかってきました。つまり心の持 ちようではなく脳という臓器の機能の問題だったのです。これに対応してその 脳の不安システムに働きかける新しいタイプのお薬も有効であることが明確に なりました。長い間この症状で悩んで生きてきた人達がメンタルクリニックを 受診して治療を受けることで全く違う人生を送れるようになってきています。 この講座では社会恐怖という病気がどういうものであり、どういう治療をおこ なうとよくなるのかをわかりやすくお話ししたいと思います。 【講師プロフィール】 1989 年、名古屋大学医学部卒業。93’年同大学精神科入局。2年間の米国国立 衛生研究所(NIH)留学を経て、98’年藤田保健衛生大学講師。02’年同大 助教授を経て 03’年同大教授。専門研究領域は精神疾患の病態原因解明。臨床 専門は臨床精神薬理・心理・社会的治療

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あがり症・心配性

先生これって病気ですか?

藤田保健衛生大学病院精神科 岩田 仲生 藤田学園第10回市民公開講座 2006.5.27 社会不安障害とは

(SAD; Social Anxiety Disorder) 社会恐怖とも(Social Phobia) • 人前で話をする際にあがってしまい言いたいことが十 分に言えなくなる • 初対面の人と接していて何を話したらよいのかわから ず気まずい思いをする • 目上の人の前に出たとたん緊張して言いたいことの 半分くらいしか話せなくなる 誰にでも多かれ少なかれあること=病気ではない?

不安障害診断名ー今昔

„ 不安神経症 „ 恐怖症 „ 強迫神経症 „ 抑うつ神経症 „ ヒステリー(転換) „ ヒステリー(解離) „ 心気神経症 „ 全般性不安障害 „ 社会不安障害 „ 強迫性障害 „ 気分変調性障害 „ 転換性障害 „ 解離性障害 „ 心気症

そもそも不安とは

„ 不安の定義 広汎、不快、曖昧な憂慮の感覚 —自律神経症状を伴う „ 適応としての機能 覚醒度を上昇し外的・内的脅威に対し注意を喚起し対 処への作方を可能にする „ 日常的に了解できる不安を越えると =何らかの不安障害が発症 →自律神経症状で受診 „ ノルアドレナリン・セロトニン・GABAが関与 抗不安薬 (安定剤) SSRI 三環系抗うつ薬 SNRI

社会不安障害の精神病理

対人関係の中での過剰な不安反応 元々不安が強い気質(遺伝的要因) 不安反応への不安が増強 対人関係の回避・低い自己評価 悪循環 不安障害のおきる仕組み(仮説) 三国雅彦:脳と精神の医学 5(3):253, 1994より一部改変 不安反応に関連する神経経路 扁桃体 視床 不安惹起 海馬 大脳皮質 感覚刺激 過剰亢進 セロトニン神経系 刺激の伝達経路 縫線核

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2 社会恐怖の症状

Liebowitz Social Anxiety Scale (LSAS)

1. 人前で電話をかける 2. 少人数のグループ活動に参加する 3. 公共の場所で食事をする 4. 人と一緒に公共の場でお酒(飲み物)を飲む 5. 権威ある人と話をする 6. 観衆の前で何か行為をしたり話をする 7. パーティーに行く 8. 人に見られながら字を書く 9. 人に姿を見られながら仕事・勉強する 10.余りよく知らない人に電話をする 11.余りよく知らない人達と話し合う 12.まったく初対面の人と会う 社会恐怖の症状

Liebowitz Social Anxiety Scale (LSAS)

13.公衆トイレで用を足す 14.他の人達が並んで着席している場所に入っていく 15.人々の注目を浴びる 16.会議で意見をいう 17.試験を受ける 18.余りよく知らない人に不賛成であるという 19.余りよく知らない人と目を合わせる 20.仲間の前で報告をする 21.誰かを誘おうとする 22.店に品物を返品する 23.パーティーを主催する 24.強引なセールスマンの誘いに抵抗する

社会恐怖の診断

„ 前述のような社会的状況での行動を恐れる „ そういう状況になると殆ど必ず不安反応が誘発される „ 恐怖が過剰で不合理だという自覚がある „ この状況を回避するか堪え忍んでいる „ 上記のために社会活動や対人関係に制限が生じている 診断のポイント 1.不安反応が過剰と本人が自覚 2.不安反応は「予測」できる 3.このために何らかの社会的不利益が生じている

主な不安障害にかかる率は

1年間でみると17.7% 一生に一回だと女性30.5%、男性19.2% 13.3 7.6 5.1 3.5 17.1 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 社会恐怖 PTSD GAD パニック 大うつ 病 生涯有病率(%) Kessler et al. 1994 日本では約200万人 受診率は3%以下

社会恐怖の経過

„ 小児期後半から青年期早期に好初 „ 慢性に長年にわたって苦しんでいる „ 学業や職務の遂行に影響し社会的発 展を妨害している 表面に出てこないがその人の人生の質を重大に損なう要因となりうる „ 高校までは何とか卒業 „ 就職に大きく影響(職業選択に不利) „ 就職すると障害が目立ってくる „ 対人関係に大きく影響 „ 生活の質そのものが悪化 „ 自殺の危険を高める 社会恐怖へのアプローチ法 „ 不安が異常に強いところが「病気」の本態 „ 単なる引っ込み思案ではない „ 結果として非常に低い自己像

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社会恐怖へのアプローチ法 „不安が異常に強いところが「病気」の本態 „単なる引っ込み思案ではない „結果として非常に低い自己像 „ 脳の仕組みとしての不安への対処 不安が脳という臓器の問題であることを理解する 過剰な不安は素因であって誰かの責任ではない 治療はくすりが大切 セロトニン経路 縫線核 消化管 下痢 前頭皮質 気分 基底核 アカシジア・強迫症状 辺縁系 不安 視床下部 食欲 睡眠 不眠 性機能障害 嘔吐中枢 吐き気 TRP 5-HIAA 5HTT 5-HT rec 5-HT 5-HT 貯留顆粒 SSRI 選択的セロトニン再取り込み阻害薬

(Selective Serotonin Reuptake Inhibitor: SSRI) くすりの効果

„ 抗うつ薬のSSRIが有効 „ 効果発現まで2-3ヶ月かかる „ 少し多めの量が必要 „ 安定剤では効果がない SADの患者さんへのアプローチ法 „不安が異常に強いところが「病気」の本態 „単なる引っ込み思案ではない „結果として非常に低い自己像 „ 脳の高次機能としての不安への対処 „ 不安がコントロールされれば社会に出て行き たい人である SADの患者さんへのアプローチ法 „ 不安が異常に強いところが「病気」の本態 „ 単なる引っ込み思案ではない „ 結果として非常に低い自己像 „脳の高次機能としての不安への対処 „不安がコントロールされれば社会に出て行き たい人である „理解し支持する

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4 不安障害とうつ病は大変多くしかも合併 している うつ病(現在) 11.7% 4.6% 不安障害(現在) 10.2% うつの4割に不安障害が合併 うつか不安がある人は今17.3%

不安とうつのくすりの治療

うつ 不安が前面でもまずうつ病の有無を同定 不安が顕著 不安障害? 不安の亜系 抗うつ薬 + 抗不安薬 抗うつ薬 抗うつ薬 + 抗不安薬 yes no yes yes no 抗うつ薬治療が主体

安定剤は安全?

„ 成人への安定剤初回投与 2ヶ月以内に交通事故 3500回に1回 4週以内に転倒入院 3200回に1回 „ 高齢者への安定剤初回投与 4週以内に転倒入院60歳以上 600回に1回 4週以内に転倒入院80歳以上 70回に1回!

まとめ

„ 社会恐怖は単なる引っ込み思案ではなく脳の 病気の一つである „ 社会不安はその人の人生に取っては大変大き な重荷になる „ 社会不安はくすりの治療でかなりよくなる „ 不安とうつは合併しやすい „ 不安にもうつにも適切な治療が大事 お疲れ様でした

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《間違いだらけの不眠対策 part II ―こんな症状も睡眠障害

藤田保健衛生大学精神科学講師 北島 剛司 一般人口の中で、2 割以上の人が何らかの睡眠の問題をもっているとされま す。この中で、不眠を感じている方が2割前後、また意外にも日中の眠気を問 題に感じている方も、1割以上にものぼるとされます。「惰眠をむさぼる」「寝 る時間も惜しんで」などの表現のように、睡眠は必要悪と捉えられがちであり、 睡眠に関する様々な症状が治療の必要な病気であるとの社会の認識は、いまだ 不十分です。今回は、不眠症の対策に加えて、治療を要する様々な睡眠障害に ついて紹介します。日中の過剰な眠気は、自動車事故や仕事の能率の低下、気 分の落ち込みを引き起こすなど、問題となります。この中で最も頻度が高いの が、睡眠時無呼吸症候群です。中年以降の男性、肥満の方に多く、睡眠時の激 しいイビキが特徴ですが、本人は症状にしばしば無自覚です。昼間の眠気の他、 高血圧やその他心臓の病気の合併がしばしばあります。終夜睡眠ポリグラフィ ーという睡眠の検査を行うと簡単に診断することができ、内科、耳鼻科、口腔 外科などと共同で治療に当たります。若い方は昼間の眠気で受診されますが、 多いのは睡眠不足で、睡眠日誌をつけて頂いて初めて、ご本人も気づくことが よくあります。しかし中にはナルコレプシーという本格的な睡眠障害の方もお られ、専門の検査で診断され、薬投与が必要です。夜寝付きが悪く、逆に朝起 困難で学校や会社に遅刻したり欠席したりするのも、睡眠覚醒リズム障害とい う体内時計の病気であることがあります。特にお子さんの場合、単に不登校と みなされがちですが、薬や光療法などの治療でよくなることがあります。 このほか、寝入りばなに足や体がむずむずして眠れない、夜中に知らない間 に異常な行動をおこしてしまうなど、治療でよくなる病気がいくつもあります。 また、ご本人が不眠症と思っていても実際にはうつ病であることも多く、この 場合は、その治療を行わないと不眠もよくなりません。こうした睡眠の問題に 関する様々な“落とし穴”を、今回はご理解頂けると幸いです。 【講師プロフィール】 平成 6 年、名古屋大学医学部卒業。同大学精神医学教室に入局、秋田県立リハ ビリテーション・精神医療センター勤務を経て、平成 12 年より藤田保健衛生大 学勤務。平成 18 年、同大学講師。秋田大学で医学博士取得。平成 13 年より藤 田保健衛生大学病院で睡眠障害専門外来を担当。精神保健指定医、日本睡眠学 会認定医。

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間違いだらけの不眠対策 part 2

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こんな症状も睡眠障害

-間違いだらけの不眠対策 part 2

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こんな症状も睡眠障害 -藤田保健衛生大学 精神医学教室 北島剛司 藤田保健衛生大学 精神医学教室 北島剛司 ■全国の成人 ■全国の成人3,0303,030名を対象名を対象 睡眠に問題あり 睡眠に問題あり 休養が不十分 休養が不十分 入眠障害 入眠障害 中途覚醒 中途覚醒 早朝覚醒 早朝覚醒 0 0 55 1010 1515 2020 (%)(%) 全国20歳以上の成人を対象とした睡眠障害の実態調査 全国20歳以上の成人を対象とした睡眠障害の実態調査 25 25 日中の過剰な眠気 日中の過剰な眠気 厚生省 厚生省睡眠障害班研究睡眠障害班研究((19951995))よりより

不眠の対処

大雑把に言えば・・

不眠の対処

大雑把に言えば・・ 「不眠だけ」 →まず睡眠衛生の改善 それでもダメなら睡眠薬を使用 「不眠」+α → +α の内容に応じて様々な工夫 あるいは専門医に相談 「不眠だけ」 →まず睡眠衛生の改善 それでもダメなら睡眠薬を使用 「不眠」+α → +α の内容に応じて様々な工夫 あるいは専門医に相談

「不眠だけ」でしょうか??

「不眠だけ」でしょうか??

以下の様なものが伴っていませんか?? • 睡眠の「リズムのずれ」 • 睡眠中の「いびき」や「足のむずむず」など • 「昼間の眠気」もひどい? • 「精神的要因」 精神疾患(特にうつ病)ストレスの有無 • 「外的な要因」 身体的要因、薬、嗜好品、環境 →それぞれ対応が異なります! 以下の様なものが伴っていませんか?? • 睡眠の「リズムのずれ」 • 睡眠中の「いびき」や「足のむずむず」など • 「昼間の眠気」もひどい? • 「精神的要因」 精神疾患(特にうつ病)ストレスの有無 • 「外的な要因」 身体的要因、薬、嗜好品、環境 →それぞれ対応が異なります!

うつ病で受診した患者さんに

みられた睡眠障害

うつ病で受診した患者さんに

みられた睡眠障害

睡眠障害 頻度(%) ・なんらかの不眠 :92 ・寝つきが悪い :67 ・途中で目が覚める :81 ・朝早く目が覚める :73 (途中覚醒もしくは早朝覚醒) :89 睡眠障害 睡眠障害 頻度(%)頻度(%) ・なんらかの不眠 ・なんらかの不眠 ::9292 ・寝つきが悪い ・寝つきが悪い ::6767 ・途中で目が覚める ・途中で目が覚める ::8181 ・朝早く目が覚める ・朝早く目が覚める ::7373 (途中覚醒もしくは早朝覚醒) (途中覚醒もしくは早朝覚醒) ::8989

「精神的要因」による不眠

「精神的要因」による不眠

ほぼすべての精神疾患から睡眠障害が出現 気分障害(うつ病など)、不安障害、統合失調症 認知症など もちろん、ストレスで不眠になることも Ð 不眠と精神的要因が相互に悪影響!! →不眠の対処だけではなく、、、 もとになっている精神疾患の治療、ストレスの対処も →精神科、心療内科にも相談を ほぼすべての精神疾患から睡眠障害が出現 気分障害(うつ病など)、不安障害、統合失調症 認知症など もちろん、ストレスで不眠になることも Ð 不眠と精神的要因が相互に悪影響!! →不眠の対処だけではなく、、、 もとになっている精神疾患の治療、ストレスの対処も →精神科、心療内科にも相談を

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いびきがひどい・足がむずむず

いびきがひどい・足がむずむず

睡眠時無呼吸症候群 むずむず足症候群(レストレスレッグ症候群) 不眠・熟眠不足・日中眠気の原因になります →まず検査が必要です 専門医に受診を!! 睡眠時無呼吸症候群 むずむず足症候群(レストレスレッグ症候群) 不眠・熟眠不足・日中眠気の原因になります →まず検査が必要です 専門医に受診を!! 閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者の 身体上の特徴と臨床症状 (Burack, B.: Am.Heart J. 107: 543-548, 1984より改変) 〈中年男性〉 鼾と無呼吸 鼻咽頭の病変 夜間呼吸困難 社会活動 不適合 交通事故 起床時の 頭痛 脳血管 障害 肥満 不整脈 狭心症 心筋梗塞 高血圧 肺高血圧 昼間傾眠 不眠 抑うつ 睡眠時の多動 睡眠時無呼吸症候群の治療 睡眠時無呼吸症候群の治療 呼吸器内科、耳鼻科、口腔外科、精神科などが分担して治療 呼吸器内科、耳鼻科、口腔外科、精神科などが分担して治療 •

• Nasal CPAPNasal CPAP(呼吸器)(呼吸器)AHI AHI (無呼吸低呼吸指数)(無呼吸低呼吸指数)2020以上以上

• 歯科装具(口腔外科)歯科装具(口腔外科)AHI 10AHI 10台、台、CPAPCPAPコンプライアンス不良コンプライアンス不良 • • 手術(軟口蓋咽頭形成術(手術(軟口蓋咽頭形成術(UPPPUPPP);耳鼻科));耳鼻科) 扁桃肥大、長い軟口蓋 扁桃肥大、長い軟口蓋 中等度症例 中等度症例 • • 減量、側臥位減量、側臥位 • • アルコール・ベンゾジアゼピンの中止アルコール・ベンゾジアゼピンの中止 睡眠時無呼吸症候群の治療 睡眠時無呼吸症候群の治療 右上:マウスピース 右上:マウスピース 左上: 左上:経鼻的持続陽圧呼吸療法経鼻的持続陽圧呼吸療法 (CPAP) (CPAP) 左下:外科手術 左下:外科手術 レストレスレッグ症候群 レストレスレッグ症候群 下肢の異常知覚と不眠・日中眠気 症状 夕方から夜間にかけての下肢にむずむずするような不快感 時に全身の場合もあり 睡眠時の下肢の”ぴくつく様な”不随意運動を伴うことも 不眠・熟眠困難と共に、日中眠気の原因となる 妊娠、鉄欠乏性貧血、腎障害などでもしばしば併発 治療・・抗てんかん薬、抗パーキンソン剤 下肢の異常知覚と不眠・日中眠気 下肢の異常知覚と不眠・日中眠気 症状 症状 夕方から夜間にかけての下肢にむずむずするような不快感夕方から夜間にかけての下肢にむずむずするような不快感 時に全身の場合もあり 時に全身の場合もあり 睡眠時の下肢の 睡眠時の下肢の””ぴくつく様なぴくつく様な””不随意運動を伴うことも不随意運動を伴うことも 不眠・熟眠困難と共に、日中眠気の原因となる 不眠・熟眠困難と共に、日中眠気の原因となる 妊娠、鉄欠乏性貧血、腎障害などでもしばしば併発 妊娠、鉄欠乏性貧血、腎障害などでもしばしば併発 治療・・ 治療・・抗てんかん薬抗てんかん薬、抗パーキンソン剤、抗パーキンソン剤 睡眠リズムが狂ってしまった・・ 睡眠リズムが狂ってしまった・・ 睡眠覚醒リズム障害 「寝付けなくて朝起きられない(学校や会社に行けないなど)」 ・・・睡眠相後退症候群 その他:交代勤務の不眠、海外旅行の時差ぼけ ・・体内時計が外界とずれてしまっています →・とにかく「光」を浴びましょう!! 室内光では不十分、日光浴を!遅い時間ではなく起床後まもなくに! ・3度の食事、対人交流を 治らなければ専門医に相談を 睡眠覚醒リズム障害 「寝付けなくて朝起きられない(学校や会社に行けないなど)」 ・・・睡眠相後退症候群 その他:交代勤務の不眠、海外旅行の時差ぼけ ・・体内時計が外界とずれてしまっています →・とにかく「光」を浴びましょう!! 室内光では不十分、日光浴を!遅い時間ではなく起床後まもなくに! ・3度の食事、対人交流を 治らなければ専門医に相談を

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睡眠相後退症候群

(Delayed Sleep Phase Syndrome ; DSPS)

睡眠相後退症候群

(Delayed Sleep Phase Syndrome ; DSPS) 「体内時計」が外界より遅れてしまい、戻すことが出来ない 朝起きられず、不登校・出勤困難の大きな原因に! 症状:入眠困難、朝の覚醒困難、日中の眠気 午前中に強い胃腸障害、頭痛などの身体症状 気分の落ち込み ・睡眠・覚醒リズムの周期は24時間に維持できるが睡眠時間帯が数時間遅れた状態で固定 ・睡眠・覚醒時間を前進させる(睡眠や覚醒を早い時間に移す)能力が減退 治療: 光療法 短時間作用睡眠導入剤、VitB12 行動療法、入院治療も 「体内時計」が外界より遅れてしまい、戻すことが出来ない 朝起きられず、不登校・出勤困難の大きな原因に! 症状:入眠困難、朝の覚醒困難、日中の眠気 午前中に強い胃腸障害、頭痛などの身体症状 気分の落ち込み ・睡眠・覚醒リズムの周期は24時間に維持できるが睡眠時間帯が数時間遅れた状態で固定 ・睡眠・覚醒時間を前進させる(睡眠や覚醒を早い時間に移す)能力が減退 治療: 光療法 短時間作用睡眠導入剤、VitB12 行動療法、入院治療も

昼間ひどく眠い・・・

昼間ひどく眠い・・・

睡眠時無呼吸やむずむず足症候群の他、、 睡眠不足症候群 ・・「文字通り」慢性睡眠不足 ナルコレプシー ・・情動脱力発作、金縛りなど 特発性過眠症 ・・原因不明の眠気 などが考えられます →まずは「十分以上」の睡眠時間を確保!! それでも治らなければ専門医へ 睡眠時無呼吸やむずむず足症候群の他、、 睡眠不足症候群 ・・「文字通り」慢性睡眠不足 ナルコレプシー ・・情動脱力発作、金縛りなど 特発性過眠症 ・・原因不明の眠気 などが考えられます →まずは「十分以上」の睡眠時間を確保!! それでも治らなければ専門医へ ナルコレプシー ナルコレプシー 激しい日中眠気と特徴的な随伴症状 4大症状: 日中の著しい眠気:昼間にしばしば居眠りをする。抵抗できない眠気。 情動脱力発作:笑い、驚きなどの情動によって誘発される脱力 入眠時幻覚:眠り際に起こる鮮明で恐ろしい内容の幻覚。 睡眠麻痺:意識が覚醒していてもREMのため筋緊張が低下。金縛り現象 治療:睡眠発作には中枢刺激薬 (ドーパミン刺激作用;依存性や精神毒性に注意が必要) 脱力発作・入眠時幻覚・睡眠麻痺には抗うつ剤 激しい日中眠気と特徴的な随伴症状 4大症状: 日中の著しい眠気:昼間にしばしば居眠りをする。抵抗できない眠気。 情動脱力発作:笑い、驚きなどの情動によって誘発される脱力 入眠時幻覚:眠り際に起こる鮮明で恐ろしい内容の幻覚。 睡眠麻痺:意識が覚醒していてもREMのため筋緊張が低下。金縛り現象 治療:睡眠発作には中枢刺激薬 (ドーパミン刺激作用;依存性や精神毒性に注意が必要) 脱力発作・入眠時幻覚・睡眠麻痺には抗うつ剤

何時間の眠りが必要か?

何時間の眠りが必要か?

6〜8時間眠るヒトの死亡率が最も低い だがしかし・・・ 望ましい睡眠時間は人それぞれ! 「長時間睡眠者」・・10時間以上 「短時間睡眠者」・・6時間以下 →睡眠時間の長い短いにかかわ らず、翌日熟眠感が得られず 生活・仕事などに支障がある状 態が「不眠」 6〜8時間眠るヒトの死亡率が最も低い だがしかし・・・ 望ましい睡眠時間は人それぞれ! 「長時間睡眠者」・・10時間以上 「短時間睡眠者」・・6時間以下 →睡眠時間の長い短いにかかわ らず、翌日熟眠感が得られず 生活・仕事などに支障がある状 態が「不眠」 睡眠不足症候群 睡眠不足症候群 本人の自覚の乏しい睡眠障害 本人の自覚の乏しい睡眠障害 「 「日中の過度の眠気」日中の過度の眠気」 年齢から推測される時間よりも睡眠が短い 年齢から推測される時間よりも睡眠が短い 平日と週末の睡眠時間の乖離、週末が長い 平日と週末の睡眠時間の乖離、週末が長い (平日の睡眠の不足を休日で代償) (平日の睡眠の不足を休日で代償) 十分な睡眠をとると症状は消失 十分な睡眠をとると症状は消失 ・青年期の日中眠気で一番多い原因 ・青年期の日中眠気で一番多い原因 ・注意・集中困難・仕事能低下、胃腸障害、抑うつなど ・注意・集中困難・仕事能低下、胃腸障害、抑うつなど 睡眠時の異常行動 睡眠時の異常行動 • 睡眠時遊行症(夢中遊行) – 4ー12歳に多い。15才までに治まることが多い – 深いnon-REM睡眠(徐波睡眠)から速やかに目覚めることができないた め、もうろうとした意識状態で起こる異常行動(歩行、着衣などする) – 睡眠の最初の1/3に起こる – ほとんどは経過観察のみ(成人の場合は薬物で治療)

• REM睡眠行動障害(REM sleep behavior disorder; RBD)

– 中高年に多い – 本来全身の筋弛緩が生じるはずのREM期にそれが生じず、夢を見た内 容にあわせて行動を起こしてしまう – 刺激で容易に目覚め、夢の内容を覚えていることが多い – 怪我やベッドパートナーへの暴力の原因になることがある – パーキンソン病やレビー小体病などの神経変性疾患の初期症状である 場合がしばしばある – 治療・・抗てんかん薬、抗うつ薬 • 睡眠時遊行症(夢中遊行) – 4ー12歳に多い。15才までに治まることが多い – 深いnon-REM睡眠(徐波睡眠)から速やかに目覚めることができないた め、もうろうとした意識状態で起こる異常行動(歩行、着衣などする) – 睡眠の最初の1/3に起こる – ほとんどは経過観察のみ(成人の場合は薬物で治療)

• REM睡眠行動障害(REM sleep behavior disorder; RBD) – 中高年に多い – 本来全身の筋弛緩が生じるはずのREM期にそれが生じず、夢を見た内 容にあわせて行動を起こしてしまう – 刺激で容易に目覚め、夢の内容を覚えていることが多い – 怪我やベッドパートナーへの暴力の原因になることがある – パーキンソン病やレビー小体病などの神経変性疾患の初期症状である 場合がしばしばある – 治療・・抗てんかん薬、抗うつ薬

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「就寝」と「起床」

「就寝」と「起床」

• 眠くなってから床に就く – 習慣的入眠時刻の2〜4時間前は最も寝つきにくい – 「就床時刻はあくまで目安」 その日の眠気に応じて就床した方がスムーズ – 無理に寝つこうとすると頭が冴えてかえって眠れない • 同じ時刻に毎日起床 – 「早寝」よりも「早起き」を重視 – 朝一定時刻に日光浴 → 睡眠覚醒リズムの安定 – 日曜日にも同じ時刻に起床を (日曜日の夜に寝つきが悪くなり月曜がつらい) • 眠くなってから床に就く – 習慣的入眠時刻の2〜4時間前は最も寝つきにくい – 「就床時刻はあくまで目安」 その日の眠気に応じて就床した方がスムーズ – 無理に寝つこうとすると頭が冴えてかえって眠れない • 同じ時刻に毎日起床 – 「早寝」よりも「早起き」を重視 – 朝一定時刻に日光浴 → 睡眠覚醒リズムの安定 – 日曜日にも同じ時刻に起床を (日曜日の夜に寝つきが悪くなり月曜がつらい)

睡眠前には・・・

睡眠前には・・・

• 就床前4時間のカフェイン摂取 就床前1時間の喫煙 を避ける • 軽い読書、音楽(ただし「精神作業」はほどほどに) • ぬるめの入浴(熱すぎると睡眠の妨げ) • 香り、筋弛緩トレーニングなど • 軽いスナックなどはよいが、食べ過ぎて消化管が動き 過ぎると睡眠の妨げ • 就床前4時間のカフェイン摂取 就床前1時間の喫煙 を避ける • 軽い読書、音楽(ただし「精神作業」はほどほどに) • ぬるめの入浴(熱すぎると睡眠の妨げ) • 香り、筋弛緩トレーニングなど • 軽いスナックなどはよいが、食べ過ぎて消化管が動き 過ぎると睡眠の妨げ

生活リズムにメリハリを!

生活リズムにメリハリを!

• 「光」を利用! – 光は生体リズムへの強力な同調因子 – 朝方日光を浴びることで体内リズムをリセット – 夕方から夜には余り強い光を浴びすぎない (かえってリズムがずれる) – 時差ぼけ、交替勤務、睡眠リズム障害 お年寄りのせん妄予防 • 規則正しい食事と運動 – 朝の食事が覚醒度を向上 – 夜食は軽く – 3度の食事の時間が体内リズムを安定 – 昼間の運動が夜間の睡眠の質を改善 • 「光」を利用! – 光は生体リズムへの強力な同調因子 – 朝方日光を浴びることで体内リズムをリセット – 夕方から夜には余り強い光を浴びすぎない (かえってリズムがずれる) – 時差ぼけ、交替勤務、睡眠リズム障害 お年寄りのせん妄予防 • 規則正しい食事と運動 – 朝の食事が覚醒度を向上 – 夜食は軽く – 3度の食事の時間が体内リズムを安定 – 昼間の運動が夜間の睡眠の質を改善

その他・・良い眠りのコツ

その他・・良い眠りのコツ

• 「昼寝」は悪くない!が、短時間に! – 昼食後の短時間の昼寝(nap)はその後の作業能率を改善 – ただし、30分以上眠ると眠りが深くなりすぎて その後の作業能率が悪化 – 15時以降に昼寝すると夜の寝つきや睡眠の質を悪化 • 時には睡眠時間を短めに – 無理に早寝をしようとするとかえって眠りが浅くなる – 睡眠時間を制限することで熟眠感を増すのも一法 • 眠ることへのこだわりすぎはかえって仇に – 眠れないことを意識しすぎると精神緊張がかえって高まり ますます眠れなくなる「悪循環」 「睡眠は追えば逃げるし逃げれば追われる」 • 「昼寝」は悪くない!が、短時間に! – 昼食後の短時間の昼寝(nap)はその後の作業能率を改善 – ただし、30分以上眠ると眠りが深くなりすぎて その後の作業能率が悪化 – 15時以降に昼寝すると夜の寝つきや睡眠の質を悪化 • 時には睡眠時間を短めに – 無理に早寝をしようとするとかえって眠りが浅くなる – 睡眠時間を制限することで熟眠感を増すのも一法 • 眠ることへのこだわりすぎはかえって仇に – 眠れないことを意識しすぎると精神緊張がかえって高まり ますます眠れなくなる「悪循環」 「睡眠は追えば逃げるし逃げれば追われる」 アルコールを飲むとよく眠れる? アルコールを飲むとよく眠れる? 8割以上の不眠の患者がアルコールを睡眠薬代わりに 使用した経験があり アルコールは寝つきは良くする しかし・・・ 途中で目が覚めやすく、睡眠の質が悪化 持続して飲酒していると寝つきも悪くなる 悪夢や「寝ぼけ行動」を引き起こすことも しばしばアルコール依存症の原因に!! →おすすめできません!!! 8割以上の不眠の患者がアルコールを睡眠薬代わりに 使用した経験があり アルコールは寝つきは良くする しかし・・・ 途中で目が覚めやすく、睡眠の質が悪化 持続して飲酒していると寝つきも悪くなる 悪夢や「寝ぼけ行動」を引き起こすことも しばしばアルコール依存症の原因に!! →おすすめできません!!!

高齢者の睡眠のアドバイス

高齢者の睡眠のアドバイス

高齢者の睡眠の特徴 睡眠の持続の不良、早朝覚醒、昼寝の増加 (睡眠覚醒リズムの乱れやすさ) 身体疾患の合併、使用薬剤の増加による影響 ・昼寝を少なくして睡眠を夜に集める ・昼間にはなるべく活動したり他人と接触する ・昼間に日光に当たる ・夕食後に水分をあまりとらないようにする ・睡眠薬は作用時間の短いものを少量から 高齢者の睡眠の特徴 高齢者の睡眠の特徴 睡眠の持続の不良、早朝覚醒、昼寝の増加 睡眠の持続の不良、早朝覚醒、昼寝の増加 (睡眠覚醒リズムの乱れやすさ) (睡眠覚醒リズムの乱れやすさ) 身体疾患の合併、使用薬剤の増加による影響 身体疾患の合併、使用薬剤の増加による影響 ・昼寝を少なくして睡眠を夜に集める ・昼寝を少なくして睡眠を夜に集める ・昼間にはなるべく活動したり他人と接触する ・昼間にはなるべく活動したり他人と接触する ・昼間に日光に当たる ・昼間に日光に当たる ・夕食後に水分をあまりとらないようにする ・夕食後に水分をあまりとらないようにする ・睡眠薬は作用時間の短いものを少量から ・睡眠薬は作用時間の短いものを少量から 大熊輝男 「睡眠障害の自己管理」 大熊輝男 大熊輝男「睡眠障害の自己管理」「睡眠障害の自己管理」

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睡眠薬は怖い??

睡眠薬は怖い??

睡眠薬について誤った知識 「睡眠薬を飲むとぼける」「癖になる、効かなくなる」 「寝酒の方が安全」 →ベンゾジアゼピン系薬物は正しく使えば安全です ただし注意点は・・・ ・アルコールと併用しない (相乗作用!) ・睡眠時無呼吸には注意 (悪化させる) ・急に中断しない (離脱症状が出ます) ・高齢者では筋弛緩作用の弱いものを (転倒しやすい) 睡眠薬について 睡眠薬について誤った誤った知識知識 「睡眠薬を 「睡眠薬を飲むとぼける飲むとぼける」「癖になる、効かなくなる」」「癖になる、効かなくなる」 「寝酒の方が安全」 「寝酒の方が安全」 →ベンゾジアゼピン系薬物は正しく使えば安全です →ベンゾジアゼピン系薬物は正しく使えば安全です ただし注意点は・・・ ただし注意点は・・・ ・アルコールと併用しない ・アルコールと併用しない (相乗作用!)(相乗作用!) ・睡眠時無呼吸には注意 ・睡眠時無呼吸には注意 (悪化させる)(悪化させる) ・急に中断しない ・急に中断しない (離脱症状が出ます)(離脱症状が出ます) ・高齢者では筋弛緩作用の弱いものを ・高齢者では筋弛緩作用の弱いものを (転倒しやすい)(転倒しやすい)

睡眠薬の中止の仕方

睡眠薬の中止の仕方

急に中断すると 離脱症状が出現して うまくいきません 急に中断すると 離脱症状が出現して うまくいきません 睡眠の検査 睡眠の検査 パルスオキシメータ パルスオキシメータ 終夜睡眠ポリグラフィー検査終夜睡眠ポリグラフィー検査 (PSG) (PSG)

睡眠障害対処の12指針(1)

睡眠障害対処の12指針(1)

1. 睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分 2. 刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法 3. 眠たくなってから床に就く、就床時刻にこだわりすぎない 4. 同じ時刻に毎日起床 5. 光の利用でよい睡眠 6. 規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣 1. 睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分 2. 刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法 3. 眠たくなってから床に就く、就床時刻にこだわりすぎない 4. 同じ時刻に毎日起床 5. 光の利用でよい睡眠 6. 規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣 厚生労働省 精神・神経疾患研究委託費 「睡眠障害の診断・治療ガイドライン作成とその実証的研究班」 平成13年度研究報告書より 厚生労働省 厚生労働省精神・神経疾患研究委託費精神・神経疾患研究委託費 「睡眠障害の診断・治療ガイドライン作成とその実証的研究班 「睡眠障害の診断・治療ガイドライン作成とその実証的研究班」」 平成 平成1313年度研究報告書より年度研究報告書より

睡眠障害対処の12指針(2)

睡眠障害対処の12指針(2)

7. 昼寝をするなら、15時前の20〜30分 8. 眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに 9. 睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は要注意 10.十分眠っても日中の眠気が強い時は専門医に 11.睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと 12.睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全 7. 昼寝をするなら、15時前の20〜30分 8. 眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに 9. 睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は要注意 10.十分眠っても日中の眠気が強い時は専門医に 11.睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと 12.睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全 厚生労働省 精神・神経疾患研究委託費 「睡眠障害の診断・治療ガイドライン作成とその実証的研究班」 平成13年度研究報告書より 厚生労働省 厚生労働省精神・神経疾患研究委託費精神・神経疾患研究委託費 「睡眠障害の診断・治療ガイドライン作成とその実証的研究班 「睡眠障害の診断・治療ガイドライン作成とその実証的研究班」」 平成 平成1313年度研究報告書より年度研究報告書より

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《物忘れも いろいろ》

柴山 漠人(高齢者痴呆介護 研究・研修大府センター長、 医学部精神科学客員教授) 物忘れには、生理的なものと病的なものがあります。前者は、出来事の一部 を忘れる、記憶の再生(想起)の障害が主です。物忘れを自覚しているのに対 して、後者には、出来事の全部を忘れてしまうとか、記憶の記銘からはじまり 保持、再生も障害される、物忘れを自覚しない、などの相異がみられます。そ して、病的物忘れは、認知症のはじまりであると言えます。 「認知症」とは、生後発達したその人の知的水準から著しく低下した精神状 態であり、具体的には、記憶障害、見当識障害(時間、日付、場所)、判断力・ 理解力・計算力障害、抽象思考障害(言葉・ことわざの意味)、高度大脳皮質機 能障害(失語、失行、失認)、感情障害(感情失禁、うつ、躁)、行動障害(徘 徊、攻撃性、不潔行為、過食、異食、性的逸脱行為)、人格(性格)の変化、注 意障害などの障害が起こります。その結果、職業・社会性・対人関係などに支 障をきたします。 認知症には、原因となる多くの病気があります。日本では、アルツハイマー 病が約 60%、血管性認知症が約 20%であり、その他、レビー小体病、前頭側頭 型認知症(ピック病など)、クロイツフェルト・ヤコブ病、ハンチントン病、パ ーキンソン病、HIV 脳症(エイズ)、脳外傷後脳症、正常圧水頭症、脳腫瘍、甲 状腺機能低下症、VitB1・VitB12 欠乏症、などをあげることができます。 一方、本当の認知症ではない「仮性認知症」としては、うつ病、ガンザー症 候群などがあります。 今回は、これら認知症原因疾患のうち、主要なアルツハイマー病、血管性認 知症、レビー小体病、前頭側頭型認知症についてお話しします。 【講師プロフィール】 名古屋大学医学部卒。名古屋大学医学部講師、愛知県立城山病院院長を経て、 現在、認知症介護研究・研修大府センター長。藤田保健衛生大学医学部客員教 授、名古屋大学医学部非常勤講師、愛知県健康福祉部アドバイザーを兼務。

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藤田保健衛生大学市民講座

「物忘れも いろいろ」

柴山 漠人 生理的物忘れと病的物忘れの違い [生理的物忘れ] ・出来事の一部を忘れる ・記憶の再生(想起)障害 が主 ・固有名詞を想い出せな い ・物忘れを自覚している ・補う方法を工夫する ・進行しない [病的物忘れ] ・出来事の全部を忘れる ・記憶の記銘⇒保持⇒再 生の順に障害される ・置き忘れ、しまい忘れが 多く、物盗られ妄想へ ・物忘れを自覚しない ・工夫は困難 ・進行する

病的物忘れは、認知症のはじまり

[認知症]とは ・生後発達したその人の知的水準から著しい低下によ り激変した精神状態 ・具体的には、記憶障害(物忘れ)、見当識障害(時間、 日付、場所など)、判断力・理解力・計算力障害、抽 象思考障害(言葉・ことわざの意味、正義・人間性の 意味など)、高度大脳皮質機能障害(失語、失行、 失認)、感情障害(感情失禁、うつ、躁など)、行動障 害(徘徊、攻撃性、不潔行為、過食、異食、拒食、性 的逸脱行為、など)、人格(性格)の変化、注意障害 などの障害が起こること ・その結果、職業・社会生活・対人関係などに支障 認知症には、原因となる多くの病気が あります 日本では、アルツハイマー病が 約60%、血管性認知 症が 約20%、その他、レビー小体病、前頭側頭型 認知症(ピック病など)、クロイツフェルト・ヤコブ病、 ハンチントン病、パーキンソン病、HIV脳症(エイズ)、 脳外傷後脳症(高次脳機能障害)、正常圧水頭症、 脳腫瘍、甲状性機能低下症、VitB1・VitB12欠乏症、 頭蓋内放射線照射など ・「仮性認知症」(本当の認知症ではない) うつ病、ガンザー症候群など

アルツハイマー病

・アルツハイマーは、最初の症例報告をした研究者の名前です <原因>大多数は 原因不明です。少数は、家族性です。 <主症状>認知症の症状です。即ち、記憶、見当識、判断力、理解力、計算力、など の障害です。 <副(周辺)症状>うつ状態、幻覚・妄想、せん妄、不安など <病期> 第1期・・記憶障害で始まり、見当識障害、不安、焦燥など (CT、MRI、脳波などの検査では、正常範囲) 第2期・・理解力・判断力などの障害、着衣失行、失認、計算障害、多幸、落ち着き のなさ、痙攣、保続症、鏡現象、人格変化など(CT、MRI、脳波などの検査で、異 常所見) 第3期・・大脳機能障害高度、言語がなくなり、失外套状態(一種の植物状態)、四 肢拘縮、屈曲姿勢など(CT、MRI、脳波などの検査で、著明な異常所見) <病理所見>大脳は、全体に萎縮し、老人斑(アミロイド蛋白など)、神経原線維変 化、神経細胞脱落など アルツハイマー病 アルツハイマー病(第(第22期)期)MRIMRI

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アルツハイマー病(第3期)

アルツハイマー病(剖検脳)

NFT(神経原線維変化)、SP(老人

斑)

SP(老人斑)-拡大

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(24)

脳梗塞(脂肪顆粒細胞)ー亜急性期 脳梗塞(グリア線維増生)ー慢性期

レビー小体病

・レビー小体(神経細胞内封入体)が、中脳黒質(パー キンソン病)だけでなく、大脳にも広範に出現する病 気です <原因> 不詳 <症状>動揺する認知障害(認知症の症状)、幻視、 パーキンソン症状(筋強剛、振戦、動作緩慢、仮面 様顔貌、前傾姿勢、小刻み歩行) その他(転倒、失神、一過性意識障害など) <病理所見>レビー小体、アルツハイマー病所見

レービィ小体(中脳黒質)

レービイ小体病 (大脳皮質のレービイ小体)

前頭側頭型認知症

・「前頭側頭型認知症」は、臨床概念であり、病理的に は、「ピック病」などの3タイプがある <原因> 不詳 <症状> 1)行動障害・・脱抑制的・反社会的・常同的・衝動的・ 強迫的な行動、口唇傾向、不潔 2)病識欠如 3)感情障害・・うつ、不安、無頓着、無表情 4)言語障害・・發語の減少、常同言語、滞続言語、反 響言語など <病理所見> 前頭葉と側頭葉の萎縮など

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前頭側頭型認知症(ピック病) 前頭側頭型認知症(ピック病)

(第 (第33期)期)

参照

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