発話障碍者のための自然対話支援システムの開発(第3報)
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(2) 3.1. 入 力 デ バ イ ス の 製 作 と 改 良 3.1.1. 指 輪 型 入 力 デ バ イ ス. Table 1 Comparison of Input Devices.. 入 力 デ バ イ ス を 開 発 す る に あ た り ,「 Finger Ring」[ 4 ] を 参 考 に ,Fig.3 に 示 す 指 輪 型 の 入 力 デ バ イ ス を 製 作 し た.この入力デバイスを利用するにあたり, ・装着に時間がかかる. 指輪型 × △ ×. 装着しやすさ 入力しやすさ 目立ちにくさ. 手袋型 △ × △. 粘着式手型 ○ ○ △. ・やや入力しにくい ・目立つ. 3.2. 入 出 力 制 御 ユ ニ ッ ト. などの問題点があった.. Windows PC を 用 い ,入 力 デ バ イ ス と の 接 続 に は キ 小型. ーボードの基板を流用した.. タクトスイッチ. 3.3. ソ フ ト ウ ェ ア プ ロ グ ラ ム の 作 成 に は VB6.0 を 採 用 し た .10 個 の 入 力 ボ タ ン に 日 本 語 50 音 を 対 応 さ せ ,対 応 す る 音 声 を 出 力するプログラムを作成した.入力したボタンを順に 調べ,ボタンが入力された場合には入力ボタンに対応. Fig.3 Ring-type Input Device.. する数値を加算していき,その加算数値を音声再生モ ジュールにわたす.. 3.1.2. 手 袋 型 入 力 デ バ イ ス. 4. 入 力 方 式 の 検 討. 指 輪 型 の 入 力 デ バ イ ス を 改 良 し ,Fig.4 に 示 す 手 袋 型. 文 献 [ 5 ] を 参 考 に 日 本 語 120 音 と 指 10 本 の 対 応 づ け の. の入力デバイスを製作した.装着が行いやすくなった. 検 討 を 行 い , Fig.6 と Fig.7 に 示 す 2 つ の 入 力 方 式 を 考. が,手袋が外れやすく,ボタンを的確に押すことがで. 案 し た . 左 手 の 親 指 を L1, 右 手 の 親 指 を R1 と し , 順. きないことが時々あるという問題点があった.. に小指まで指番号の対応づけを行った.. 4.1. 同 時 入 力 方 式 同 時 入 力 方 式 の 概 要 を Fig.6 に 示 す . 左 手 に は , 子. シートスイッチ. 音 ・ 濁 点 ・ 半 濁 点 ・ 拗 音 (ァ 行 )の 機 能 を 割 り 当 て , 右 ポリエチレン. 手 に は 母 音 と 拗 音 (ャ 行 )の 機 能 を 割 り 当 て た .. グローブ. 例 え ば 「 は 」 を 入 力 す る 場 合 は , 指 番 号 R1 と L1 と L3 を 同 時 に 入 力 す る .「 ぱ 」・「 ば 」 な ど の 半 濁 点 語 や. メタルケーブル. 濁 点 語 を 入 力 す る 場 合 は ,「 は 」の 入 力 と 同 時 に 半 濁 点 ボ タ ン (L4)・ 濁 点 ボ タ ン (L5) を 入 力 す る . 同 様 に 「 ひ. Fig.4 Glove-type Input Device (Left) and Outlook when Wearing (Right).. ゃ」 ・ 「 ふ ぁ 」な ど の 拗 音 を 含 む 語 な ど に は ,「 は 」の 入 力 と 同 時 に 拗 音 ( ャ 行 ) ボ タ ン (R2) ・ 拗 音 ( ァ 行 ) ボ タ ン (L4 と L5)を 入 力 す る .ま た 小 文 字 の「 っ 」は ポ ー ズ (間 ). 3.1.3. 粘 着 式 手 型 入 力 デ バ イ ス 手袋型入力デバイスの上記問題点を改善するため. をおいて表現する.. に さ ら に 改 良 し ,Fig.5 に 示 す 粘 着 式 手 型 の 入 力 デ バ イ スを製作した.以上 3 種類の入力デバイスの比較を. ----- 同時入力方式-----ぁぃぇぉ. L3. L4. Table1 に 示 す .. L2. L5. ゃゅょ L1. ラ行:L1 + L2 +L3. サ行:L2. ヤ行: L4. タ行:L3 ワ行:L5 ナ行:L1 + L2 マ行:L2 + L3. Fig.5 Sticky and Hand-type Input Device.. R5. [ 母音 ・拗音 ] ア:R1. カ行:L1. ハ行:L1 + L3. R4. 右手. [ 子音 ・濁点 ・ 半濁点 拗音 ]. 物質. R3. R1. 左手. 粘着性. R2. イ:R2 ウ:R3 エ:R4. 句読点: ポーズ. オ:R5. 短音(っ): ポーズ 長音(のばす): あ い う え お. Fig.6 Outline of Simultaneous Input Method. −58−.
(3) 用 ,文 用 ).こ の ボ タ ン を 押 す と ⑤ に 文 字 が ラ ン ダ ム. 4.2. 2 度 入 力 方 式 2 度 入 力 方 式 の 概 要 を Fig.7 に 示 す . 左 手 に は , 子. に 表 示 さ れ る .被 験 者 は 入 力 ボ タ ン を 使 っ て 表 示 さ. 音・濁点・半濁点の機能を割り当て,右手には母音・. れ た 語 を 入 力 す る .表 示 さ れ た 文 字 は 正 し く 入 力 さ れるまで,次の文字が表示されない.. 拗 音 (ァ 行 )・ 拗 音 (ャ 行 )の 機 能 を 割 り 当 て た . 例 え ば 「 は 」を 入 力 す る 場 合 は ,R1 と L5 を 同 時 に 入 力 す る .. ②被験者が入力した語を表示.. 「 ぱ 」・「 ば 」 な ど の 半 濁 点 語 や 濁 点 語 を 入 力 す る 場 合. ③ 入 力 結 果 履 歴 .被 験 者 が 入 力 し た 語 を 順 に 表 示 す る . 入 力 が 正 し い 場 合 は , ” ○ ”と 入 力 に か か っ た 時 間. は ,R1 と L5 の 2 度 押 し・R1 と L5 の 3 度 押 し を 行 う .. を表示. ④ 入 力 中 の ボ タ ン を 点 灯 表 示 .(た だ し ,2 度 入 力 方 式. --- 二度入力+同時入力 -------L4. L3. L2. L5. ゃゅょ L1. R2. 評 価 シ ス テ ム の 方 で は ,入 力 中 に 押 し た ボ タ ン の 回. R4. 数を数字で表示.). R5. R1. 左手. 評価方法として,各語・各文の入力時間と入力ミス. 右手. [ 子音 ・ 濁点・半濁点 ] を制御 カ行:L1. ガ行:L1*2. ラ行:L1+L4. サ行:L2. ザ行:L2*2. ワ行:L1+L5. タ行:L3. ダ行:L3*2 パ行:L5*3. 率(誤入力した語の総数を入力した語の総数で割った. [ 母音・拗音 ] を制御. もの)による客観的評価と,アンケートによる主観的 評 価 を 行 っ た .被 験 者 10 名 の 内 5 名 に は 2 度 入 力 方 式. ナ行:L4 バ行:L5*2 ハ行:L5 マ行:L1+L2 ヤ行:L1+L3. R3. 句読点: ポーズ 短音(っ): ポーズ. ア:R1. ァ:R1*2. イ:R2. ィ:R2*2. ウ:R3 エ:R4. ゥ:R3*2 ェ:R4*2. オ:R5. ォ:R5*2. →同時入力方式の順に,残りの被験者 5 名には同時入 力方式→2 度入力方式の順に評価実験を行った. 評価実験の手順は以下の通りである. (1) 50 音 語 の 入 力 方 法 の 説 明 後 , 入 力 練 習 ( 3 分 間 ). 長音(のばす): あ い う え お. (2) 50 音 語 の 入 力 評 価 実 験 を 3 回 ( 1 回 10 語 ) (3) 50 音 語 以 外 の 入 力 方 法 の 説 明 後 ,入 力 練 習 (3 分 間 ). Fig.7 Outline of Twice Input Method. (4) 50 音 語 以 外 の 入 力 評 価 実 験 を 3 回 (1 回 15 語 ). 4.3. 同 時 入 力 方 式 と 2 度 入 力 方 式 の 主 な 相 違 点. (5) 文 の 入 力 評 価 実 験 を 2 回 (1 回 12 文 ). 同時入力方式と 2 度入力方式の入力方法で,主に異 な る 部 分 を Table 2 に 示 す .. な お ,50 音 語 は ,各 母 音 の 出 現 回 数 が 等 確 率 に な る ように,各行から任意に 3 語を抽出し,各回に各行の 語 が そ れ ぞ れ 1 回 ず つ 出 る よ う に 割 り 当 て た .50 音 語. Table 2 Comparison of Input Methods. 同時入力方式 50音語. 以 外 の 濁 点 語 , 半 濁 点 語 に つ い て も 同 様 に 行 っ た . 50 音語以外の拗音語については,各行から任意に 2 語を. 2度入力方式. カ∼ラ行:L1∼L3のどれかカ∼ハ行:L1∼L5の内1つ. 抽出し,各回に割り当てた.また,文の入力評価実験. ヤ行:L4 ワ行:L5. で は , 50 音 語 の 文 (例 え ば 「 お は よ う 」 な ど )か ら 始 ま. マ∼ワ行:L1とL2∼L5の 内1つ. 濁点語 半濁点語. 50音語の指番号 と L5. り , 徐 々 に 50 音 語 以 外 の 語 を 多 く 含 む 文 (例 え ば 「 だ. 50音語の左指番号の. い じ ょ う ぶ で す か 」 な ど )に な る よ う に し た .. 2度押しと該当する母音 50音語の指番号 と L4. 拗音語(ャ行) 50音語の指番号 と R2. ⑤. 50音語の左指番号の 3度押しと該当する母音. ①. ②. 50音語の指番号 と R2. 拗音語(ァ行) 50音語の指番号 と L4+L5 該当する母音の2度押し. た だ し 拗 音 語 (ャ 行 )に つ い て は ,と も に 同 じ 入 力 方 法 .. ③. 5. 入 力 方 式 の 比 較 評 価 実 験 5.1. 実 験 方 法 男 子 大 学 生 10 名 ( 全 て 20 代 前 半 の 健 常 者 ) を 被 験 者 と し て , Fig.2 の プ ロ ト タ イ プ ( 入 力 デ バ イ ス は. ④. Fig.5 の 入 力 デ バ イ ス を 使 用 ),作 成 し た 2 度 入 力 方 式 評価システムならびに同時入力方式評価システム ( Fig.8) を 使 用 し , 両 方 式 の 比 較 評 価 実 験 を 行 っ た . 以 下 に , 入 力 方 式 評 価 シ ス テ ム (Fig.8)の 仕 様 に つ い て 示す. ① 入 力 評 価 開 始 ボ タ ン (上 か ら 50 音 語 用 , 50 音 語 以 外. −59−. Fig.8 Outlook of Input Method Evaluation System (About Simultaneous Input Method).
(4) 5.2. 実 験 結 果 5.2.1. 入 力 時 間. 入 力 時 間 の平 均 (文 ). 実 験 で 測 定 し た 50 音 の 入 力 時 間 , 50 音 以 外 の 入 力. 同時入力 2度 入 力. 時 間 , 文 の 入 力 時 間 を そ れ ぞ れ Fig.9, Fig.10, Fig.11 に 示 す .こ れ ら の グ ラ フ か ら ,50 音 の 入 力 時 間 で は 特 に 大 き な 差 は 見 ら れ な か っ た も の の ,50 音 以 外 の 入 力 時間と文の入力時間では, ・2 度入力方式の方が同時入力方式と比べて速い. ・回数を重ねるごとに入力時間が短くなっている. こ と が わ か る .ま た ,50 音 以 外 の 3 回 目 と 文 の 1 回 目・ 2 回目については,入力方式の差が統計的に有意であ った.2 度入力方式はボタンの 2 度押しで文の入力を Fig.11 Input Time (Sentences). 行い,同時入力方式は複数のボタンを 1 度で文の入力 を行うため,同時入力方式の方が 2 度入力方式より入 力時間が短くなると予想していたが,この実験結果は 予想とは異なっていた.このような結果が得られたの は,2 度入力方式の方が同時入力方式と比較して覚え やすい入力方式であるためと推測される.. 5.2.2. 入 力 ミ ス 率 50 音 の 入 力 ミ ス 率 , 50 音 以 外 の 入 力 ミ ス 率 , 文 の 入 力 ミ ス 率 を そ れ ぞ れ Fig.12, Fig.13, Fig.14 に 示 す . これらのグラフから, ・2 度入力方式の方が同時入力方式と比べ,ミス率が 低い.. 入 力 時 間 の平 均 (50音 ). 同時入力 2度 入 力. ・2 度入力方式は,回数を重ねるごとにミス率が減っ ている. こ と が わ か る .入 力 ミ ス 率 に つ い て も ,50 音・50 音 以 外・文の全てにおいて,入力方式の差が統計的に有意 で あ っ た . こ の こ と か ら ,2 度 入 力 方 式 の 方 が 同 時 入 力方式と比較して,入力しやすい入力方式であると考 えられる. 以上より,2 度入力方式の方が同時入力方式よりも 入力時間が短く入力ミスが少ないという結果が得られ た.このことから,2 度入力方式は,同時入力方式と 比較して,覚えやすく入力しやすい入力方式であると. Fig.9 Input Time (50-character kana syllabary). 秒. 入 力 時 間 の平 均 (50音 以 外 ). 言える.. 入 力 ミス率 (50音 ). 同時入力 2度 入 力. *. 同時入力 2度 入 力. *. **. Fig.12 Input Error (50-character kana syllabary). Fig.10 Input Time (Without 50-character kana syllabary). −60−.
(5) 入 力 ミス率 (50音 以 外 ). 6. 高 齢 者 を 対 象 と し た 2 度 入 力 方 式 評 価 実 験. 同時入力 2度 入 力. 6.1. 実 験 方 法 高 齢 者 ( 65 歳 以 上 ) 9 名 を 被 験 者 と し て , Fig.2 の プ ロ ト タ イ プ ( 入 力 デ バ イ ス は Fig.5 の 入 力 デ バ イ ス を 使 用 ), 前 述 の 2 度 入 力 方 式 評 価 シ ス テ ム を 使 用 し , 2 度入力方式の評価実験を行った.なお,被験者 9 名 の う ち 3 名 (60 代 後 半 )は パ ソ コ ン の キ ー ボ ー ド 入 力 に 慣 れ て い る 方 を , 残 り の 6 名 (70 代 後 半 )は パ ソ コ ン を 利用したことのない方で各指が正常に動く方を被験者 として採用した. 評価実験の手順は以下の通りである. (1) 50 音 語 の 入 力 方 法 の 説 明 後 , 入 力 練 習 ( 10 分 間 ). Fig.13 Input Error (Without 50-character kana syllabary). (2) 50 音 語 の 入 力 評 価 実 験 を 3 回 ( 1 回 10 語 ) (3) 50 音 語 以 外 の 入 力 方 法 の 説 明 後 ,入 力 練 習 (10 分 間 ). 入 力 ミス率 (文 ). (4) 50 音 語 以 外 の 入 力 評 価 実 験 を 3 回 (1 回 15 語 ). 同時入力 2度 入 力. (5) 文 の 入 力 評 価 実 験 を 2 回 (1 回 12 文 ) 2 度 入 力 方 式 の 評 価 実 験 で は 20 代 の 被 験 者 の 場 合 , (1),(3)の 入 力 練 習 を 3 分 程 度 と し た が ,高 齢 者 の 場 合 に お い て は ,入 力 練 習 を 10 分 程 度 と 少 し 長 め に 練 習 時 間を設けた.しかし,実際に実験を行ったところ,ど の 被 験 者 も 10 分 程 度 で は 短 か っ た こ と が わ か り ,パ ソ コ ン 経 験 者 で は 20 分 ∼ 30 分 ほ ど , パ ソ コ ン 未 経 験 者 で は ,30 分 ∼ 40 分 ほ ど 練 習 時 間 を 必 要 と し て い た こ と が わ か っ た .高 齢 者 の 方 が 20 代 の 被 験 者 と 比 べ て 練 習 時間が極端に長くなる理由として, ・1 語あたりの入力を確認する時間が長い.. Fig.14 Input Error (Sentences). ・入力方法を理解している語も含めて全ての語を1つ. 5.2.3. ア ン ケ ー ト 結 果. ずつ順番に練習する傾向がある.. 被験者に 2 度入力方式と同時入力方式のどちらが良 かったかを回答してもらったところ,2 度入力方式の 方が良かったと回答した被験者が 7 人,同時入力方式 の方が良かったと回答した被験者が 3 人だった.2 度 入力方式を選択した理由として, ・. また,パソコン未経験者の中には,ローマ字の教育 を受けていないために ・ 各 語 に 対 応 す る 母 音 (例 え ば 「 ふ 」 の 母 音 は 「 う 」 ) が全くわからない.. 全体的に 2 度入力方式の方が覚えやすかった.. ・ 拗音と濁点・半濁点の組み合わせが,2 度入力方 式の方が覚えやすかった.. ・ 語 に 対 応 す る 行 (例 え ば 「 ふ 」 は 「 は 」 行 )が わ か ら ない. と い う 被 験 者 も お り ,(1)を 行 う 前 に 日 本 語 に つ い て の. ・ 同時入力方式は同時に押すボタンの数が多いため, 最後まで覚えられない部分があった. ・ 同時入力方式は同時に押すボタンの数が多く,誤 入力につながりやすかった.. 説明をする必要があった.また,6 人中 5 人は, ・2 度入力のテンポが速いため入力が追いつかず,ほ とんど入力することができない. な ど の 理 由 が あ っ た た め , (4)以 降 の 評 価 実 験 を 行 う. などの回答が比較的多かった.. ことができなかった.. また,同時入力方式を選択した理由として, ・. の 2 点が主に目立った.. 同時入力方式の方が,一度で言葉を入力できるた め,二度入力方式と比べて速く入力できるところ. 6.2. 実 験 結 果 6.2.1. 入 力 時 間 実 験 で 測 定 し た 50 音 の 入 力 時 間 , 50 音 以 外 の 入 力. が良かった. ・. 2 度入力方式は入力のタイミングが難しく,うま. 時 間 ,文 の 入 力 時 間 を そ れ ぞ れ Fig.15,Fig.16,Fig.17. く言葉を入力することができなかった.. に 示 す . こ れ ら の グ ラ フ か ら , 50 音 の 入 力 時 間 ・ 50. などの回答を得た.. 音以外の入力時間・文の入力時間の全てにおいて,. −61−.
(6) ・パソコン経験者の方がパソコン未経験者と比べ, 入力時間が短い.. ・ 50 音 , 50 音 以 外 , 文 と 入 力 内 容 が 難 し く な る に 従 っ て ,高 齢 者 の 経 験 者 と 未 経 験 者 の 差 が 大 き く な っ ている. ・パソコン経験者,パソコン未経験者両方とも回数を 重ねるごとに入力時間が短くなっている こ と が わ か る .な お ,50 音 の 入 力 時 間 の 差 に つ い て は , 統計的に有意であった. ま た , Fig.11 と Fig.17 の 比 較 よ り , 2 度 入 力 方 式 の 文 の 入 力 時 間 に お い て , 高 齢 者 (パ ソ コ ン 経 験 者 )は , 20 代 の 被 験 者 と 比 べ て ,2∼ 3 倍 の 入 力 時 間 が か か っ て いることがわかる.. Fig.17 Input Time (Sentences). 6.2.2. 入 力 ミ ス 率. **. **. **. 50 音 の 入 力 ミ ス 率 , 50 音 以 外 の 入 力 ミ ス 率 , 文 の 入 力 ミ ス 率 を そ れ ぞ れ Fig.18, Fig.19, Fig.20 に 示 す . これらのグラフから, ・入力ミス率は,パソコン経験者とパソコン未経験者 では,大きな差が見られない. ・文の入力ミス率については,回数を重ねるごとにミ ス率が若干低くなっている. ことがわかる. ま た , Fig.14 と Fig.20 の 比 較 よ り , 2 度 入 力 方 式 の 文 の 入 力 ミ ス 率 に お い て ,高 齢 者 (パ ソ コ ン 経 験 者 )は , 20 代 の 被 験 者 と 比 べ て , ミ ス 率 が 高 い こ と が わ か る . また,高齢者(パソコン経験者)と高齢者(パソコン 未経験者)で比較した場合,入力ミス率については入 力時間の場合と異なり,パソコン経験者の方がパソコ. Fig.15 Input Time (50-character kana syllabary). ン未経験者よりミス率が高いことがわかる.. Fig.16 Input Time (Without 50-character kana syllabary). Fig.18 Input Error (50-character kana syllabary). −62−.
(7) 苦痛などは感じない. ・入力に慣れれば面白そう. などの回答を得た.. 7. ま と め 本研究では,発話に障碍を持つ方のための自然な対 話を支援することを目的としたシステムの開発を行っ た.今回は,使いやすい入力デバイスの検討と改良を 行い,また入力方式の比較評価実験ならびに高齢者を 対象とした 2 度入力方式の評価実験を行った. 入力デバイスの改良では,より装着がしやすく入力 のしやすい入力デバイスの改良を行った.また,入力 方式の比較評価実験では,2 度入力方式の方が同時入. Fig.19 Input Error (Without 50-character kana syllabary). 力 方 式 と 比 較 し て ,入 力 時 間 が 短 い ,誤 入 力 が 少 な い , 入力方法が覚えやすいという結果が得られた.高齢者 を対象とした 2 度入力方式の評価実験では,2 度入力 のテンポをもう少し遅くして欲しい,3 度入力はない 方が良いなどの回答が特に目立った. 今後は,評価実験から得られたログデータを解析し, 高齢者から得られた回答を参考にして,入力方式をさ らに改良していき,最終的には,高齢者にも好評の得 られる使いやすい入力方式の確立を目指したい.. 謝辞 社会福祉法人 さくら会 ケアホーム西五反田・さく らハイツ西五反田 施設長 今澤和子様 および被験者 としてご協力いただいた同施設の入居者の皆様に深く Fig.20 Input Error (Sentences). 感謝いたします.また,同じく被験者としてご協力い ただいた芝浦工業大学教員および大学院生,学生の皆 様にも謝意を表します.. 6.2.3. ア ン ケ ー ト 結 果 評価実験後,今後入力方式を改良していく上で改善 して欲しい点や,特に問題はなかった点などについて 自由に回答してもらった.. 参考文献 [1]. こ こ ろ Web,”様 々 な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン エ イ ド ” http://www.kokoroweb.org/chap16/kkr16d01.html.. パソコン経験者では,. [2]. ・慣れれば速く入力できそう. ・2 度入力のテンポをもう少しゆっくりにして欲しい. ォ ー ラ ム 講 演 予 稿 集 , 6H-7 (2005). が,慣れれば今のテンポでも大丈夫. [3]. ・3 度入力はない方が良い.. 梅舟 柄安,大倉典子,発話障碍者のための自然 対 話 支 援 シ ス テ ム の 開 発 ,第 4 回 情 報 科 学 技 術 フ. 梅舟 柄安,大倉典子,発話障碍者のための自然 対 話 支 援 シ ス テ ム の 開 発 ,ヒ ュ ー マ ン イ ン タ フ ェ. などの回答を得た.. ー ス シ ン ポ ジ ウ ム 2005,3141,pp.711-714 (2005). また,パソコン未経験者では, ・2 度入力のテンポがもう少しゆっくりであれば,. [4]. 2 度入力は特に問題なく使える.. 福本 雅朗,平岩 明,曽根 原登,ウェアラブル コ ン ピ ュ ー タ 用 キ ー ボ ー ド FingerRing, 電 子 情. ・3 度入力はない方が良い.. 報 通 信 学 会 論 文 誌 ,Vol.J79-A, No.2, pp.460-470. ・始めて日本語の仕組みを知ったが,ルールはすぐに. (1996). 理解でき,わかりやすかった. ・各語に対応する母音や行が,すぐに頭にでてこない. [5]. のでその点を工夫してほしい. ・必要に迫られてこの入力方式を利用する場合,特に. −63−. 田中 久美子,伊藤 和幸,重度身障者のための 1 ボ タ ン 自 然 言 語 入 力 シ ス テ ム に 向 け て ,信 学 技 法 , NLC2004-8,WIT2004-35 (2004).
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図
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