アニュアルレポート
2016
2016
年
3
月期
NT T DATA CORPORATION ア ニ ュ ア ル レ ポ ート 2016株式会社
NTT
データ
〒135-6033 東京都江東区豊洲3-3-3 豊洲センタービル Tel:03-5546-8202(代表) URL:http://www.nttdata.com/jp/ja NTTデータグループのCSR、研究開発、 コーポレート・ガバナンス、詳細な財務情報等については、 以下のサイトに掲載しています。 社会・環境への取り組み(CSR) http://www.nttdata.com/jp/ja/corporate/csr/NTT DATA Technology Foresight http://www.nttdata.com/jp/ja/insights/foresight/ 投資家・株主の皆様へ http://www.nttdata.com/jp/ja/corporate/ir/index.html コーポレート・ガバナンス報告書 http://www.nttdata.com/jp/ja/corporate/ir/library/tool/ga/ 有価証券報告書等 http://www.nttdata.com/jp/ja/corporate/ir/library/tool/asr/
Contents
P.2 who we areP.2 Our Businesses P.4 Our Strengths P.6 Our Growth Model P.8 The Strategy Logic Map P.10 社長メッセージ P.18 中・長期経営戦略 Global 2nd Stageに向けて P.20 前中期経営計画の成果 P.25 新中期経営計画の アウトライン P.28 当社のM&A戦略 P.29 中期経営計画目標値 P.30 財務資本戦略 P.30 財務統括担当役員に聞く 「NTTデータグループの 財務資本戦略」 P.32 主要ビジネスの財務モデル P.34 連結財務ハイライト P.37 連結業績報告・分析 P.39 セグメント別事業概況 P.42 経営資源 P.42 顧客基盤 P.44 人財・組織力 P.46 ブランド P.48 技術 P.50 パートナー P.52 コーポレート・ガバナンス P.52 役員紹介 P.54 FAQ P.55 独立社外取締役からの メッセージ P.56 コーポレート・ガバナンスの概要 P.60 リスクマネジメント P.62 情報セキュリティ P.64 財務情報 P.70 会社・株式情報
日々の活動における
倫理、法令順守等の
行動規範
Global
Compliance
Policy*
原則 ・ 事業を行うあらゆる国の法令 や国際取引法を遵守すると ともに、社会的良識に基づき 行動する。 ・ 企業の社会的責任を自覚し、 公正透明な事業活動を行う。企業理念
NTT
データグループの使命、 存在価値を示すものであり、 経営における 最終的な拠りどころNTT
データグループは、情報技術で、
新しい「しくみ」や「価値」を創造し、
より豊かで調和のとれた
社会の実現に貢献する。
社員信条
社員一人ひとりが 心掛けなければならない 信条、行動方針1.
わたしたちは、「お客様のため」 最善を尽くします2.
わたしたちは、「行動」し、「挑戦」します
3.
わたしたちは、「活き活き」とした「明るい会社」をつくります
事業環境に応じた使命の実現の姿
Group Vision
NTT
データグループが10
年後に目指す姿を 示したものValues
「Group Vision
」実現に 向けて、大切にする価値観Clients First
Foresight
Teamwork
NTT
データグループの使命
「Our Way」の詳細は、ホームページをご覧ください。 http://www.nttdata.com/jp/ja/corporate/profile/guide/mission/index.html WEB このアニュアルレポートに掲載されているサービス名、商品名等は、 (株)NTTデータあるいは、各社等の登録商標又は商標です。 見通しに関する注意事項 本アニュアルレポートには、NTTデータグループの将来につい ての計画や戦略、業績に関する予想及び見通しの記述が含まれ ています。これらの記述は過去の事実ではなく、当社グループが 現時点で把握可能な情報から判断した仮定及び確信に基づく見 込みです。また、経済動向、情報サービス産業における激しい競 争、市場需要、税制や諸制度等に関わるリスクや不確実性を際限 なく含んでいます。したがって、これらの業績見通しのみに過度 に 依 存 さ れ な い ようお 願 いしま す。実際の業績は当社グ ループの見込みと異なるかもしれないことをご承知おきください。ANNUAL REPORT 2016
1
We realize the dreams of our clients around the
world through long-term relationships.
私たちはお客様との間に「ロングターム・リレーションシップ ∼長期にわたる揺るぎない関係性」を築き上げ、
お客様の夢や望みを実現します。
We develop evolving ecosystems with our clients
through leading-edge technologies.
私たちは先端技術を進化させ、さまざまな企業・サービスが集結する 「エコシステム」を創りあげることで、
サービスの付加価値をさらに高めていきます。
We enhance our creativity by respecting diversity.
私たちは、働く一人ひとりの多様性を尊重することによって、 グローバルに通用する創造力を培い、刺激し、
さらに成長させていきます。
*「Global Compliance Policy」の全文は、以下をご覧ください。 http://www.nttdata.com/jp/ja/corporate/profile/guide/mission/policy.html
2
NTT DATA
ANNUAL REPORT 2016
3
IT
サービス事業を担う
NTT
データグループ
NTTデータグループは、日本最大の専業ITサービスベンダとして、幅広い事業領域で付加価値の高いITサービスを提供しています。公共・社会基盤分野
行政、医療、通信、電力等の社会インフラや地域の活性化を 担う、高付加価値なITサービスを提供金融分野
金融機関の業務効率化やサービスに対して、高付加価値なIT サービスを提供法人・ソリューション分野
製造業、流通業、サービス業等の事業活動を支える高付加価値な ITサービス、及び各分野のITサービスと連携するクレジットカード 等のペイメントサービスやプラットフォームソリューションの提供グローバル分野
海外における各地域及び地域を跨いだグローバルでの高付加 価値なITサービスを提供 売上高1
兆
6,148
億円
営業利益1,008
億円
総資産1
兆
8,603
億円
従業員数80,526
人
連結子会社258
社
売上高4,208
億円 営業利益334
億円 事業の多様化を推進するビジネスポートフォリオ 売上高(外円) 営業利益(内円) 官公庁・自治体 銀行・金融 保険 通信 自動車産業 エレクトロニクス・ ハイテク 運輸、物流 卸売業 エネルギー・ 公益事業 天然資源 製造業 メディア・ エンタテインメント 基盤技術 コンシューマー製品 ヘルスケア・ ライフサイエンス 教育 小売業 サービス プロバイダー拡大を続ける事業領域
お客様とのリレーションと技術力を基盤に、事業領域を拡大しています。地理的カバレッジの拡大
(2016年3月末) NTTデータグループ全体で約80,000人体制を確立し、世界45カ国・地域、185都市へと地理的カバレッジを拡大しています。EMEA
拠点数86
都市 社員数 約18,000
人China
拠点数13
都市 社員数 約3,000
人Americas
拠点数60
都市 社員数 約14,000
人APAC
拠点数26
都市 社員数 約12,000
人日本
社員数 約33,000
人 売上高5,236
億円 営業利益319
億円 売上高5,196
億円 営業利益 (のれん償却前)127
億円 売上高3,918
億円 営業利益326
億円 (2015年度)Our Businesses
22.7% 28.2% 28.8% 29.5% 21.1% 11.5% 28.0% 30.2%4
NTT DATA
ANNUAL REPORT 2016
5
磨き上げてきた
3
つの強み
強みの源泉となる
Values
Clients First
私たちはお客様を第一に考えます。 お客様の満足を追求し、お客様の成功のため に、最後まで責任を持ってやり抜くことが、 私たちの基本精神であり行動規範です。Foresight
私たちは、現状に満足することなく、スピード 感と先見性を持って行動します。 お客様のビジネスとITの将来を考え、先見性 をたえず磨くことで、お客様と一緒に夢を実現 し、その先にある新しい社会を生み出すこと をめざします。Teamwork
私たちは仲間とともに達成する「自己実現」を 大切にします。 多様な個性や考え方を持ったメンバーがチー ムを組み、ひとつの目的に向かって知恵を出 しあい、協力しあいながら取り組む仕事は、個 人ではなしえない 大きな成 果を生 み 出し ます。 信頼性の証 1993年、情報サービス産業として初 めて品質管理により業績が向上した 企業に与えられるデミング賞*を受賞 しました。 * TQM(総合的品質管理)に関する世界最高 ランクの賞 これまで当社は、ナショナルプロジェクトなどの超大規模システム の構築に携わってきました。また、お客様第一で最適なサービス を提供してきました。長期的・持続的なサービス提供の実績等を 通じて強固な顧客基盤を構築し、信頼性を築き上げてきました。信頼性
強み 特定のハードウェア・ソフトウェア製品やサービスによ らないマルチベンダを貫き、柔軟性を維持するとと もに、先進的なIT技術の追求により、お客様にとって 最適なITサービスを提供してきました。柔軟性・
先進性
強み ソフトウェア ネットワーク ハードウェア マネジメント お客様 • ソフトハウス • パッケージ ベンダ • ネットワーク キャリア • ハードベンダ • クラウド プロバイダ 外部パートナーの力を活用 NTTデータ自らのリソースを利用し、 統合してご提供 独自のリソースと外部パートナーの力を活用 2011 年度 2015 ソフトウェア開発の徹底的な自動化により、 生産性を飛躍的に向上 主な開発自動化ツール 適用件数(当社単体) 社会インフラを支える 公共・社会基盤分野や金融分野におけるシステ ム構築で多くの実績を残し、社会インフラを支 え続けています。2004年には、各金融機関で 専用システムを保有せずに相互利用が可能な 統合ATMスイッチングサービスの提供を開始 しました。技術力
強み お客様との長年の関係から培った業務ノウハウ、 形式知化された高度な開発・運用手法とその実行力 を用いて、多数のベンダを取りまとめるマネジメント 力を磨き上げてきました。具体的な強み
フルライフサイクル での継続的な サービス提供 グローバルで共通化された 高度な開発・運用手法と それを実行する 専門性の高い人財 (プロジェクトマネジメント力) ソフトウェア開発の 自動化等、生産技術革新 の取り組み 未来予測「NTT DATA Technology Foresight」や、 「豊洲の港から」等、 オープンイノベーションの 取り組みを通じた サービス創出 NTTの 研究開発活動を 通じて得られる 最先端技術 長期にわたり築いた 強固な顧客基盤 (Long-term Relationship) 強固な財務基盤 お客様業務ノウハウ、 アプリケーション ノウハウ マルチベンダとして、 世界中の優れたサービスや プロダクトを提供 ナショナルプロジェクト などの超大規模かつ ミッションクリティカルな システムの構築実績Our Strengths
45 529ANNUAL REPORT 2016
5
6
NTT DATA
ANNUAL REPORT 2016
7
持続的な収益成長を目指すビジネスモデル
3
つの強みで差別化を図る
NTT
データは、経営資源を長期的に維持・
高度化し、強みと組み合わせながら、お客様
の価値創出に貢献する
IT
サービスを提供し
てきました。
また、お客様を第一に考え、行動する企業
文化に基づき、お客様にとって最適なサービ
スを長期的・持続的に提供することで、環境
やお客様ニーズなどの変化への適応力を備
えてきました。
この企業文化は当社の多くの人財に浸透
していることから、高い持続性を有し、また
同時に、模倣困難でもあります。
海外で働く従業員50
%
以上
従業員80,000
人超
SAPコンサルタント数9,000
人超
全世界における オフショア・ニアショア開発要員20,000
人超
人財・組織力
情報技術で、
新しい「しくみ」や「価値」を創造し、
より豊かで調和のとれた
社会の実現に貢献する
ビジネスインフラ
拠点を有する国・地域45
カ国・地域
パートナー
SAP SEとGlobal Services Partnershipを締結NTT
データグループ、
アジア企業初
の
SAP
サービスパートナー
ビジネスパートナー制度*1 認定企業数148
社
*1. NTTデータが外部委託先との良好な 関係性築くために採用している認定制度NTT
データの
経営資源
財務基盤
格付投資情報センター (R&I)AA
顧客基盤
年間売上高50億円以上(日本)、 もしくは5,000万ドル以上(日本以外)の顧客数50
社
ブランド
(品質)
CMMIでの認定Level
5
(最高レベル)お客様の
価値創出に貢献する
IT
サービスを提供、
お客様
の
事業パートナー
へ
3
つの強みで実現できること
当社が持つ高度なソリューションに加え、 世の中のプロダクト・技術も広く取り入れ ることで、お客様にとって最適な提案・ システムを構築 高品質かつ、マーケットやお客様の変化 に対応できるサービスの安定的な提供 ITを活用した新しいビジネスモデルを お客様と共創 多数のベンダ取りまとめが必要な社会 インフラシステム、業界横断的なビジネス 展開 財務健全性に基づく積極的な投資 労働集約型産業からの脱却
企業理念
ビッグデータ時代をリードするHadoop開発企業世界第
4
位
技術
米国HfS Research発行の評価レポート「HfS Blueprint 2016*2:SuccessFactors Services」
最上位
「Winner s Circle」評価獲得
*2. Application Testing Services
NTTグループ、日本企業
初
の
受賞
OpenStack Foundation
「OpenStack Superuser Award」受賞
世界のITサービスベンダ ランキング(売上高)
第
10
位
技術力
信頼性
柔軟性・
先進性
強み
日本格付研究所 (JCR)AA+
米国IDC社のクラウドプロフェッショナル サービス事業者評価レポート(IDC MarketScape: Worldwide Cloud Professional Services 2016 Vendor Assessment)において、
最上位の
リーダー評価
を獲得
中期経営計画と
当社を取り巻く環境
中期経営計画と策定の背景となった環境認識は下記の通りです。 当社を取り巻く環境 当社に必要な取り組み 拡大する グローバルIT 市場と当社の プレゼンス • 世界のIT市場は、日本以上の成長率が予想されている。 よって、日本国内ビジネスだけではなく、海外戦略を進 める必要がある。 • グローバルレベルで付加価値を創出できる大規模案件 の提案機会を増やすために、世界の主要エリアにおける 認知度を高める必要がある。 社会・IT業界の 不確実性の高まり • 外部環境が不透明であるが、事業ポートフォリオの拡大 によりお客様の様々なニーズに対応することが可能に なり、また、業績も安定化する。 先進的な攻めの IT活用に取り組む 企業は増加傾向 • 最先端技術の活用により、お客様ビジネスそのもの の変革ニーズが高まる。 • カスタムアプリケーションの重要性が高まるため、変化 に対応できる開発力が必要。 競争環境の激化 (インド・旧コンサル系 ベンダの台頭・異業種 企業の参入) • グローバルでのノウハウの蓄積・共有により、高付加価 値なビジネスを提供する必要がある。 • 開 発自動 化による労 働 集 約 型 の 開 発からの 脱 却、 グローバルデリバリー体制の構築によるコスト競争力の 強化が必要。 経営資源を通じて目指す成果海外における経営資源は重点的に拡充
顧客基盤 • Global Accounts• Long-term relationship(多国籍企業の顧客)増加
を持つLocal Accountsの創出 人財・組織力 • 多様な高度プロフェッショナル人財の確保・育成 グローバルビジネス、リマーケティングや技術革新を牽引する、 多様な高度プロフェッショナル人財の増加を目指します。 ブランド • グローバルブランドの確立 主要国・地域トップ10以内 お客様企業から「事業パートナー」として認知 技術 • • グローバルレベルでの開発ナレッジ流通による競争力向上 最先端技術を使ったビジネス創出 パートナー • クラウドベンダ・ソフトウェア・ハードウェアベンダ等とのパート ナーシップの継続・強化により、リソース・ソリューションを拡充 財務 • • AA利益向上による投資原資拡大格を維持
中期経営計画
中期経営計画と
強み
3つの強みを組み合わせることで、中期経営計画を推進します。中期経営計画と
経営資源
中期経営計画の推進により、経営資源をより強化します。中期経営計画と
財務資本戦略
成長戦略(新中期経営計画)に合致した財務資本戦略を遂行しています。 今後の持続的な成長に必要な事業投資に対する投資収益性管理 D/Eレシオを重要指標とし、財務基盤を適切に維持・管理 安定的な配当リマーケティングの更なる深化
技術革新や市場環境の変化に目を凝らし、新た な視点で市場を開拓していく「リマーケティン グ」の取り組みを、国内市場に留まらずグローバ ルマーケットの開拓へも広げていきます。 既存市場の更なる拡大 新規市場の創出加速技術革新による価値創造
ソフトウェア開発の自動化をはじめとする技術 革新への積極的な投資と、最先端技術の活用 によるお客様との共創により、新たな価値の創 造を目指します。 生産技術の革新 最先端技術の活用 ・ 強固な顧客基盤から得たお客様業務ノウハ ウを活かした付加価値の高い提案 ・ 業界に対する深い理解を活かした、業界横 断的な提案 強固な顧客基盤 × 社会・お客様の課題や ニーズを む力 × 最先端技術など、様々な 強みの組合せ 自動化技術、グローバルでの開発ナレッジ 流通、プラットフォームのクラウド対応 最先端技術×オープンイノベーションの取り 組みを通じたサービス創出 強固な財務基盤によるM&Aの実施ローカルプレゼンスの向上
グローバルマーケットにおける「NTT DATA」ブラン ドの強化を中核テーマと位置付け、各国・地域にお けるローカルプレゼンスの向上を推進していき ます。 【海外事業】 インオーガニック成長The Strategy Logic Map
P.25へ
P.30へ
P.42へ
P.4へ
2017年3月期―2019年3月期
8
NTT DATA
ANNUAL REPORT 2016
9
成長戦略(新中期経営計画「
NTT DATA: ASCEND
∼
Rise and grow our global brand
∼」)の合理性をご理解
いただくために、統合的思考に基づき、戦略策定の根拠となった外部環境、ビジネスモデルの構成要素である強みや
経営資源、並びに財務・資本戦略と成長戦略の繋がりをご説明します。
信頼性
柔軟性・
先進性
技術力
Connectivity Connectivity Connectivity 現状の経営資源 Connectivity10
NTT DATA
ANNUAL REPORT 2016
11
IT
は驚異的な進化を遂げています。その背景にあるCPU
、 ストレージ、ネットワークといったIT
の三大要素技術の指数関 数的な進化は、それまでの常識が意味をなさなくなる「不連 続的な発展」ともいえる劇的な変化をもたらします。そして当 社グループもまた、「不連続な発展」を追求し続けてきました。1988
年にNTT
から分社・独立した当時の売上高は2,200
億 円余りで、そのほとんどを国内事業に依存していました。それ が2016
年3
月期現在、売上高は1
兆6,000
億円を超え、海外 売上高比率は約3
割に達し、世界45
の国と地域の185
都市に 拠点を構えるまでに至っています。過去の延長線上に留まる ことなく、自己変革による「不連続な発展」を追求してきた成 果だと考えています。 転機は2000
年代の初頭に訪れました。当時、社内ではNTT
データの未来について活発な議論が交わされていました。 将来的な国内の人口減少や少子高齢化が確実視される状況 下では国内IT
市場の縮小は避けられず、当社がトップシェアの 地位にあった金融・公共分野での成長余地も限定的でした。一 方、海外のIT
市場は将来的にも大幅な成長が見込まれていた ため、国内事業だけでは持続的な成長を維持できないという 危機感を抱いた私たちは、いち早く事業のグローバル化に乗 り出しました。 私たちがグループビジョンとして掲げている「Global IT
Innovator
」には、先端技術によって「IT
に変革をもたらす」、IT
の利活用によって「お客様のビジネスモデルの変革をサポート する」、そして「自らを変革する」という強い意志が込められて おり、それらを実践してきています。 代表取締役社長社長メッセージ
Global IT Innovator
の
実現に向け、
グローバルブランドとしての
成長を追求していきます。
前中期経営計画の目標を達成し
Global 1
stStage
に立った私たちは、
グローバルブランドの確立に取り組み、
Global IT Innovator
の実現に向け
力強く前進していきます。
「不連続な発展」の先にある
Global IT Innovator
の実現
Group Vision
NTTデータグループが10年後に目指す姿を示したものGroup Vision
と
Values
We realize the dreams of our clients around the world through long-term relationships. 私たちはお客様との間に「ロングターム・リレーションシップ
∼長期にわたる揺るぎない関係性」を築き上げ、 お客様の夢や望みを実現します。
We develop evolving ecosystems with our clients through leading-edge technologies. 私たちは先端技術を進化させ、さまざまな企業・サービスが集結する
「エコシステム」を創りあげることで、 サービスの付加価値をさらに高めていきます。 We enhance our creativity by respecting diversity.
私たちは、働く一人ひとりの多様性を尊重することによって、 グローバルに通用する創造力を培い、刺激し、 さらに成長させていきます。
Values
「Group Vision」実現に向けて、大切にする価値観Clients First
Foresight
Teamwork
10
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NTT DATA
ANNUAL REPORT 2016
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社長メッセージ
NTT
データがグローバル化に舵を切った当初、製造業をは じめとする日本の大企業は既にグローバルに事業を展開して いたため、日本国内だけではなく全世界でのサポートが求め られていました。ところが、当社は中国等のオフショア開発拠点 以外は海外に事業基盤を有しておらず、海外におけるサポート ができなかったため、まずはM&A
を中心に地理的カバレッジ を広げる必要がありました。M&A
の実施に際しては、優良な 顧客基盤を有すること、シナジーの創出によりグループの収 益性向上に寄与すること、そして当社との間に「企業文化の面 での親和性」があることを投資先選定の判断基準としました。2005
年、米国のSI
企業Revere
の買収をはじめとし、2008
年にはドイツで、SAP
に強みを持つitelligence
、BMW
グルー プの情報システム子会社であるCirquent
を新たにグループに 加え、欧米におけるサービス提供の土台を築き上げました。2010
年には、米国でERP
関連ツール群や業界特化型のソ リューションを持つIntelligroup
との資本提携を完了したほか、IT
サービス企業Keane
を、約1,000
億円を投じて子会社化し ました。その後もM&A
により、次々とグローバルカバレッジの 拡大と顧客基盤の拡充を進めた結果、2012
年3
月期におい て、海外売上高は当初の20
倍超となる2,000
億円に達し、 海外グループ会社数は138
社にまで拡大しました。 この段階では、獲得した様々な拠点について地理的な重複 を解消し、更なるシナジーを創出する必要がありました。その ため、2013
年3
月期には、海外のグループ会社を再編・統合 し、社名やロゴも「NTT DATA
」ブランドに統一することで、 グローバルマーケットでの浸透を図っていきました。 この「One NTT DATA
」体制のもとスタートしたのが、前中 期経営計画(2013
年3
月期∼2016
年3
月期までの4
年間)で す。前中期経営計画では、「国内の大規模SI
事業中心の企業 グループ」から「グローバルで多様なIT
サービスを効率的に提 供する企業グループ」へと自己変革を遂げていくという方針の もと、売上高1.5
兆円超、EPS200
円、海外売上高比率25%
と いう数値目標を設定しました。その達成に向けて、3
つの注力 分野、「リマーケティングや戦略的R&D
による新規分野拡大・ 商品力強化」、「グローバルビジネスの拡大・充実・強化」、 そして「全体最適の追求」を定めました。 過去に参入を断念した経験による「思い込み」、いわば 「マーケティングの残像」を一度消去し、新鮮な目で見つめ直 せば、環境変化によって新たなビジネス参入の糸口が見つか ることがあります。私たちが「リマーケティング」と呼ぶ、この ような考え方に基づき、既存市場のシェア拡大と、新たな領域 への参入に力を注ぎました。とりわけ注力したのが、当社の シェアが低く、大きな伸びしろがある法人分野でした。 リマーケティングの取り組みは、目に見える成果として表れ ました。年間売上高100
億円以上のお客様は、前中期経営計 画の期間内で1.6
倍に拡大し、確実に顧客の裾野を拡大しま した。特に法人分野では、例えば電力小売り全面自由化を 捉えたスマートメータの運用管理システムや、セブン&
アイ グループのグループ横断EC
サイト「omni7
」の開設など、 規制緩和や技術進化を商機と捉え、新たな市場参入に成功 してきました。 また、戦略的R&D
として、ソフトウェア開発における納期短 縮、品質の向上、コストの低減を実現するため、当社はソフト ウェア開発の自動化への投資を続けています。ソフトウェア自 動開発ツール「Terasoluna Suite
」は、今では、要件定義以前 の段階から、設計、コーディング、テストまでをシームレスに 自動化できるまでになりました。2016
年3
月期以降は、適用 可能なすべての国内案件に適用を義務付け、品質を確保した まま納期短縮を実現しています。今後も、労働集約型と呼ば れるIT
サービス業界の働き方の変革に向け、着実に進展して いきたいと考えています。 「One NTT DATA
」体制となった後も、当社グループは積極 的なM&A
を通じて地理的カバレッジの拡大を続けてきました。2013
年のeveris Group
買収により、スペインと中南米地域に 事業基盤を確立し、2015
年には金融機関の上流コンサルに強みを持つ
Carlisle & Gallagher Consulting Group
を買収し たことで、北米におけるケイパビリティを大きく向上させま した。 グローバルカバレッジの拡大は、着実に受注に繋がっていき ました。2014
年に受注したバチカン図書館のデジタルアーカ イブ事業は、デジタルアーカイブサービス「AMLAD
(アムラッ ド)」などの先進技術や日本の国立図書館での実績が高く評価 された結果でした。それに続いて、スペイン王室資産等のデ ジタルアーカイブ事業も受注するなど、実績が実績を呼び込 む好循環を生み出しつつあります。 また、2015
年には、世界的自動車メーカーと受発注や在庫 管理を集約するERP
システムの保守運用・追加システム開発 の事業戦略パートナーとして複数年契約を締結することがで きました。この受注の決め手となったのは、同社が世界に展開 する複数のIT
拠点で、当社グループがSAP
技術者を確保でき ることでした。これまでの地理的カバレッジの拡大が結実した 案件です。これらの事例はいずれも、「One NTT DATA
」体制 となったことにより、以前であれば提案すら叶わなかったお客 様から、並み居るグローバルIT
ベンダを抑えて獲得することが できた案件といえます。「グローバルで多様な
IT
サービスを提供する企業」に向けて
「リマーケティング」「戦略的
新規分野拡大と商品力強化
R&D
」による
「
One NTT DATA
」によるグローバルビジネスの拡大
前中期経営計画の目標指標を達成
売上高
1.5
兆円超
2012年3月期1
兆2,511
億円 2016年3月期1
兆
6,148
億円
達成
EPS
200
円
2012年3月期109
円 2016年3月期226
円
達成
14
NTT DATA
ANNUAL REPORT 2016
15
「新規分野拡大・商品力強化」「グローバルビジネスの拡大」 と並ぶ3
つ目の注力分野「全体最適の追求」として、グループ 管理機能の標準化・集約を進めたことにより、2012
年3
月期と 比較し管理費100
億円を削減しました。これらの注力分野の 着実な取り組みにより、前中期経営計画の最終年度となった2016
年3
月期は、受注高、売上高、各段階利益がすべて右肩 上がりの業績となり、売上高1.5
兆円超・EPS200
円という目 標を達成しました。売上高は、分社以来27
期連続の増収によ り1
兆6,000
億円を超え、海外売上高比率も32.2%
(海外売上 高5,196
億円)にまで拡大しています。EPS
は226
円となり ました。 しかし、同時に課題も残りました。1
つは、不採算案件です。2014
年3
月期には、不採算案件に よる営業利益へのマイナス影響額が300
億円を超えました。 不採算案件抑制の取り組みとして社長直轄組織である「プロ ジェクト審査委員会」を導入し、原価が20
億円以上かつ、お客 様・技術・業務領域のいずれかに新規性がある案件を対象に、 事前に審査を行うことで不採算案件の抑制を推し進めてきま した。プロジェクト審査委員会は有効に機能しましたが、2015
年3
月期、2016
年3
月期ともにまだ150
億円を超える不採算 案件が発生しました。こうした状況を受けて、プロジェクト 審査委員会の審査対象案件を拡大することで、徹底的に抑制 していきたいと思います。 もう1
つは、グローバルビジネスの収益性向上を重要な経営 課題として認識しています。グローバル分野は、2016
年3
月 期において、のれん償却前の営業利益率が2.4%
と、国内事業 と比べると低水準に留まっています。これは国ごとの市場構 造やビジネスモデルの違いがあり、国内と同程度の利益率を 確保できる国もあれば、難しい国もあるわけですが、のれん償 却前の営業利益率をグローバルビジネス全体で少なくとも5%
以上に引き上げたいと考えています。そのために、最も 注力する必要があるのは「ブランド力の強化」です。 サービスを提供するための地理的カバレッジの拡大につい ては、ある程度達成しましたが、世界各地域における売上高 ランキングは下位に留まっているのが現実です。国別には、ス ペインやイタリア、ドイツでは10
位以内にランクインしている 一方で、日本の4
倍の市場規模を誇る世界最大のIT
市場であ る米国では40
位程度と、当社グループの知名度は低い状況に あります。 今後、私たちは「Fortune Global 500
」に代表されるような 多国籍企業へのビジネスも拡大していきたいと考えていま す。このような企業に事業パートナーとして認められ、付加価 値の高い大型案件の受注を増やすことで、海外事業の収益性 の拡大を見込んでいます。そうした企業のCEO
(最高経営責 任者)や、CIO
(最高情報責任者)、CTO
(最高技術責任者)に 認知され、提案の機会をいただくためには、各国、売上でトッ プ10
に入る規模が求められます。したがって、各地域において オーガニック成長を追求しながら、北米や欧州では一定規模のM&A
も続けていく必要があると考えています。 ブランド力の強化というのは、ただ「認知される」ことだけで はありません。お客様に、サービスに価値を見出していただい て初めて、ブランド力と呼ぶに値すると考えています。IT
サー ビスのマーケット構造は、地域や国によって大きく異なります。 例えば、日本ではIT
技術者の7
∼8
割程度がIT
サービス業界 に所属しているのに対して、逆に米国では、お客様がIT
技術者 の7
∼8
割程度を抱えています。そのため、日本では上流工程 からメンテナンスまで一貫したサービス提供が多い一方、米国 ではIT
アウトソースやBPO
等の形態で、一部のサービスを提 供しているケースが一般的です。このように「お客様が求める 価値」も全く異なるため、日本の成功モデルの水平展開だけで は成功は困難です。グローバルリソースのシナジーを発揮し、 サービス提供能力を高めることで、国や地域ごとのお客様の カスタマーロイヤリティを向上させる最適なビジネスモデル を構築していく必要があります。 「Global 1
stStage
」に立った私たちが次に向かうのは、 グローバルブランドの確立を目指す「Global 2
ndStage
」です。 先にお話しした課題認識に基づき、「ローカルプレゼンスの向 上」を戦略の根幹に据えています。戦略タイトルである「NTT
DATA : ASCEND
∼Rise and grow our global brand
∼」が示す通り、
NTT DATA
というブランドがグローバルブランド となるため、その価値を高め、上方へ力強く上昇(ASCEND
) し、さらなる成長をしていくという思いを込めています。 具体的な施策は、リマーケティングを更に深化させていくと いうのが、戦略の一つの柱となります。グローバルマーケット の環境激変を好機と捉え、従来、主に国内IT
市場を対象として いた「リマーケティング」を海外へも展開していきます。既存 市場では、「国・地域」「業種・業界」「ソリューション」の3
つの 軸で市場を捉え、市場ごとに最適なビジネスモデルの構築を 目指していきます。前中期経営計画の目標をすべて達成するも、
乗り越えるべき課題も残る
ローカルプレゼンスの向上
「
Global 2
nd
Stage
」に向けた新中期経営計画
社長メッセージ
16
NTT DATA
ANNUAL REPORT 2016
17
また、生産技術の革新・最先端技術の活用についても更に 取り組みを強化します。ソフトウェア開発自動化技術への積極 的な投資を継続し「生産技術の革新」を追求するとともに、 案件への適用を拡大することで、生産性の向上と工期短縮・低 コスト化による差別化を図っていきます。更に、国内に留ま らずグローバルマーケットへの展開も推し進めていきます。 バーチャルリアリティ(仮想現実)やIoT
(Internet of Things
)、AI
(人工頭脳)、ロボットといった最先端の技術動向を捉えた新 規市場の創出も、グローバルな視点で加速していきます。 ビジネスのプロであるお客様の自由な着想に対し、世界中の 最先端テクノロジーをご紹介することで、これまでにない仕組 みやビジネスを共創していきたいと考えています。当社では、 近未来の情報社会のトレンドや技術トレンドをお客様と共有す るための「NTT DATA Technology Foresight
」を公開していま すが、その目的はまさに「共創」です。このような取り組みを 通じて、新しいマーケットを継続的に創出していきたいと思い ます。 このように成長を志向しつつも、海外での大型買収案件の 実行を予定していることもあり、格付機関からのAA
格評価を 意識し、D / E
レシオのコントロールを通じた健全な財務基盤の 確保にも努めていきます。 することで、共創を通じたイノベーションを生み出しています。 激しい技術革新の中で、常に技術の先行きを見通し続けると いう意味、また世の中が変化する中で、お客様のビジネスモデ ルをどのように創出していくかを見通していくという意味の 「Foresight
」が2
つ目の「Values
」です。そして「Teamwork
」は、一人ひとりの自己実現の結集が
NTT
データの発展であり、 多様性の許容がイノベーションの源泉であるという考え方が 込められています。これら3
つの「Values
」を世界中の社員が 共有することで、グループ一丸となって企業変革を実現して います。 現在、社会や環境への配慮を行わずして、企業の存続は 許されない時代になっていますが、当社グループは、発足時 からのこの企業理念を、経営戦略はもとより、あらゆる企業 活動に落とし込み、社会の公器としての自覚を持ちながら 歩んできたのです。IT
業界はもともと技術革新が早く、不確実性が高いと言わ れてきましたが、IT
があらゆる業種・業界で使われ、大きな変 革を起こすドライバーとなった今日、IT
業界だけでなく、あら ゆる業界が不確実性の高い競争環境をむかえ、数年先の姿で すら予想が困難になりつつあります。しかし、先が見通せない 未来でも私たちがお客様とともに、持続的に発展していくため の普遍的な指針は、「企業理念」に明確に記されています。 例えば、約30
年前に私たちがサービス提供を開始した 「CAFIS
」は、カード決済の際に発行会社ごとに用意する必要 があった読取端末を一つにし、社会に大きな利便性をもたらし ました。そのほかにも、銀行ATM
の相互利用を可能にした「統 合ATM
」や金融業務の自動化サービス「ANSER
」など、私た ちは社会に必要な仕組みをIT
でつくり上げてきました。まさに 「NTT
データグループは、情報技術で、新しい『しくみ』や『価 値』を創造し、より豊かで調和のとれた社会の実現に貢献す る」という企業理念を実現してきたのです。「調和のとれた社 会の実現に貢献する」という言葉には、社会の調和を乱すよう なものには自らの技術を使わないという基本姿勢が込められ ています。いかに世の中が変わろうとも、それぞれの時代を豊 かにするものを、先端テクノロジーで実現していくことこそが 私たちの責務であり、永続的に企業発展を遂げていく道筋で もあるのです。 企業理念を社員がより実感できるよう、グループビジョン 「Global IT Innovator
」とともに、2013
年に基本的な考え方を 「Our Way
」としてまとめました。その中でグループビジョン達 成に向けて大切にする価値観として3
つの「Values
」を設けま した。そのうちの1
つ「Clients First
」に基づき、お客様との長 期的かつ揺るぎない関係性(Long-term relationship
)を構築IT
の進化は留まるところを知りません。IT
の指数関数的な 進化によって「デジタル」と呼ばれる時代が到来しています。こ の「デジタル」は「アナログ」の対義語ではありません。 「SMACS
(Social
、Mobile
、Big Data Analytics
、Cloud
、Security
)」にIoT
のインパクトが融合したものです。私たちは、 ネットワーク機能が搭載された様々なデバイスが自律的に動 作する時代、そして、あらゆる業界で業種の壁を越えてビジネ スモデルの「Transformation
」が起こる時代に突入しているの です。「Fintech
」などは、既に萌芽した好例です。 このようにパラダイムが大きく変化する過程には、IT
ビジネ スの様々なチャンスが生まれますが、劇的な変化に飲み込ま れれば、成長はそこで終わってしまいます。 今後、あらゆる業界の構造は大きく変わっていき、IT
に求め られる価値もこれまでとは異なるところに移っていくことでしょ う。昨今、「攻めのIT
」と呼ばれるビジネス変革や新たなビジネ スモデルを実現するためのIT
投資が増加傾向にあることもそ の表れです。 デジタル時代において、イノベーションを実現するにはIT
の 力が必要不可欠となっていますが、お客様の新たなビジネス モデルを実現するということはアプリケーションをつくり上げ ることにほかなりません。 私たちNTT
データグループには、アプリケーションとともに お客様のビジネスモデルを生み出す力があります。その強み を伸ばし、世界中の競合との差別化を図ることで、新たな「不 連続な発展」に挑戦していきます。企業理念に刻まれた持続的発展の指針
新たな「不連続な発展」に挑戦
社長メッセージ
1988 年度 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2018 2005年11月 2010年7月 2013年11月 2008年1月 2010年12月 2014年1月 2008年10月 2011年6月 2015年6月 世界中で
M&A
を積極的に実施Global
2
nd
Stage
NTT
データは、新中期経営計画「
NTT DATA
:
ASCEND
∼
Rise and grow our global brand
∼」
(
2017
年
3
月期∼
2019
年
3
月期)のもと、「
Global 2
ndStage
」を視野に入れた取り組みを開始しました。前中期経営計画
(
2013
年
3
月期∼
2016
年
3
月期)の成果と乗り越えていくべき課題をご説明した後に、新たな戦略の方向性を
ご説明します。
Global 2
nd
Stage
に向けて
「
One NTT DATA
」体制の構築
海外における
NTT DATA
ブランド のプレゼンス強化を目的とし、海外グ
ループ会社の統合、再編とブランド統合を
2011
年から実施、「
One NTT
DATA
」体制を整備し、前中期経営計画を推進してきました。
IT Partner Strategy
Global IT Innovator
NTTデータ(単体)売上高 国内グループ会社売上高 海外グループ会社売上高 2016∼2018 中期経営計画 Global 2nd StageについてはP.25参照中・長期経営戦略
18
NTT DATA
ANNUAL REPORT 2016
19
1988
NTT
データ 創立 2000 ∼ グループ会社 による成長 2005 ∼ グローバル ビジネス 2016∼ 新たな成長 不連続な発展Global
2
nd
Stage
NTT DATA BUSINESS SOLUTIONS
日本 北米 東南アジア 中国 スペイン/ 中南米 NTT DATA NTT DATA Inc. NTT DATA APAC NTT DATA CHINA everis 欧州 NTT DATA EMEA
One NTT DATA
体制売上高は、
2015
年
3
月期に目標の
1.5
兆円超を
1
年前倒しで達成し、
2016
年
3
月期は
1.6
兆円を超えました。
EPS
も
2016
年
3
月期に
226
円に成長し計画を達成しました。また、海外売上高及び海外売上高比率も目標を上回ることが
できました。このように、目標達成の原動力となった注力分野における施策をご説明します。
Global 2
ndStage
に向けて
前中期経営計画の成果
リマーケティングの確かな成果
新たな角度から市場を捉え、攻略の糸口を見出す「リマーケティン グ」を市場深耕に向けた施策の柱に据えました。既存市場では、当社 単体ベースの年間売上高50億円以上の顧客数が、計画期間中に着実 に拡大し、特に100億円以上の顧客数は1.6倍に拡大しました。電力 業界や小売業界など、当社が低いプレゼンスに留まる一般事業法人 分野においても、経営環境の変化を捉えた「リマーケティング」による 新規市場の創造を実現しました。ソフトウェア開発の徹底的な自動化
NTTデータは、現行システム解析、設計、コーディング、テスト等、 ソフトウェア開発の一連の手順を連携させながら、自動化を実現する ツール「Terasoluna Suite」の適用を進めています。今後もソフト ウェア数の劇的な増加と工期短縮・低コスト化ニーズの高まりが予想 される中、生産性の向上と品質の確保の両立により差別化を実現 する戦略的R&Dと位置付けています。2016年3月期は、適用可能な プロジェクト全件への適用を進めた結果、500件を超える適用件数と なりました。 主な開発自動化ツール適用件数(当社単体) (案件数) 2011 2015 45 104 188 370 529 2012 2013 2014 年度前中期経営計画(
2013
年
3
月期∼
2016
年
3
月期)の戦略概要
NTTデータは、2005年に「大規模SI・国内依存」から「グローバルマーケットで多様なITサービスを提供する企業」への事業構造の転換を目 指し、グローバルビジネスに大きく戦略の舵を切りました。前中期経営計画(2013年3月期∼ 2016年3月期)では、「新規分野拡大・商品力強化」 「グローバルビジネスの拡大・充実・強化」「全体最適の追求」の3つの注力分野を定め、売上高1.5兆円超、EPS 200円の達成を目標として設定 しました。 多様なITサービスの提供 グローバル市場へ進出 個別最適 新規分野拡大・ 商品力強化 国内依存 大規模 SI依存 グローバルビジネスの 拡大・充実・強化 前中期経営計画 2013年3月期∼ 2016年3月期 過去売上高
1.5
兆円超
(
Global Top 5
)
EPS 200
円
全体最適の追求2012
年4
月 進化の途上 注力分野1
注力分野3
注力分野2
達成
達成
2011 109 155 83 115 226 2012 2013 2014 2015 年度EPS
200
円
2011 12,511 13,019 13,437 15,118 16,148 2012 2013 2014 2015 年度売上高
1.5
兆円超
2012年3月期1
兆2,511
億円 2016年3月期1
兆
6,148
億円
注力分野
1
新規分野拡大・商品力強化
既存市場におけるシェア拡大と新規領域への参入を実現
2012年3月期109
円 2016年3月期226
円
中・長期経営戦略
100億円以上 年間売上高50
億円以上の顧客数の推移(当社単体) (顧客数) 75億円以上 50億円以上 10 20 30 40 2011 年度 2015 年間売上高100億円以上の 顧客数は1.6倍に増加 (億円) (円)1.6
倍
20
NTT DATA
ANNUAL REPORT 2016
21
すべての
目標を達成
21
注力分野
2
グローバルビジネスの拡大・充実・強化
目標を上回るペースでの拡大を実現
注力分野
3
全体最適の追求
管理費削減目標を達成
カバレッジの拡大とケイパビリティの強化による成果
デジタル
アーカイブ事業
世界的自動車
メーカー
© Biblioteca Apostolica Vaticana
カバレッジの拡大により
Global 2
ndStage
に向けた足場を構築
グローバルカバレッジを45の国と地域、185都市、従業員8万人超の体制に拡大し、国内外でシームレスにサービスを提供する体制が整いまし た。並行して「NTT DATA」ブランドのマーケットへの浸透や、ワールドワイドに高水準かつ共通のサービスを提供していくための「Global One Team」活動をグループ横断的に推進しました。 米国や欧州では、ケイパビリティの強化を通じたシェア拡大に注力し、グローバルITベンダを抑えた大型案件の受注にも成功しています(P.23参照)。 海外売上高比率の目標である25%(海外売上高3,500億円)は、2015年3月期に達成し、2016年3月期は30%(海外売上高5,000億円超)に 拡大するなど、定量面でも確かな成果を得ることができました。 海外売上高及び海外売上高比率 (億円)「
Group-SSC
」の導入などグループ全体での最適化を実現
Group-SSC(Shared Service Center)を導入し、財務・人事・総務・購買等の管理業務の集約と標準化を進めることで、管理業務の効率化 を実現。当初目標としていた2012年3月期比で100億円を超える管理費削減を実現しました。今後も継続的に取り組みを進めていきます。 標準化 +集約
日本国内実績・ノウハウを活かしたグローバル展開
日本国内における複数のデジタルアーカイブシステム構築実績に 続き、2014年3月よりバチカン図書館、2016年にはeverisと連携し、 スペイン王室資産等のデジタルアーカイブ構築事業に参画してい ます。 受注のポイント 日本の国立国会図書館でのデジタルアーカイブシステムの構築実績 デジタルアーカイブサービス「AMLAD(アムラッド)」 日本拠点とイタリア拠点の連携によるきめ細かなサービス提供体制 事業の持続性を支えるソリューションの提案ERP
システムの保守運用及び追加システム開発
世界的な自動車メーカーと、受発注や在庫管理を集約するERP システムの保守運用、追加システム開発の戦略パートナーとして複数 年契約を締結しました。 受注のポイント お客様企業のグローバルIT拠点に対してSAP技術者を十分に提供できる点NTT DATA Deutschland(BMWの情報システム子会社であった旧Cirquent) の自動車業界における実績とノウハウ
中・長期経営戦略
Global 2
ndStage
に向けて
当初の予定を前倒しで達成 Global 1st Stage 海外売上高比率30
%超 海外売上高5,000
億円超 2014 2015 2,191 2,449 3,145 4,645 5,196 2011 年度 2012 2013 17.5% 23.4% 30.7% 32.2% 18.8% 18.8% 当初目標 2016年3月期 海外売上高比率25
% 海外売上高3,500
億円22
NTT DATA
ANNUAL REPORT 2016
23
グローバルカバレッジの拡大
世界
45
カ国・地域、
185
都市へ地理的カバレッジを拡大
NTT
データグループ全体で約
8
万人体制を確立
23
ANNUAL REPORT 2016
A B C D E A B C D E Group-SSC (Shared Service Center)Group-SSC
の導入などグループ全体での最適化を実現 管理業務 (財務・人事・総務・購買) グループ全体における最適な マネジメントの実現22
NTT DATA
新中期経営計画で取り組むべき重要な課題
25
ANNUAL REPORT 2016
当社グループは、前中期経営計画において、グローバルでの事業基盤を確立しました。一方、日本などの一部を除
き、各国市場ではプレゼンスが低い状況にあります。また、技術の加速度的な進展によるデジタル化の波が到来して
おり、
IT
の戦略的活用による事業拡大や新規事業創出に対するニーズが高まっています。このような状況を踏まえ、
2017
年
3
月期∼
2019
年
3
月期の中期経営計画を策定しました。世界各地域での事業成長を追求し、ローカルプレ
ゼンスの向上により、グローバルブランドとしてブランド価値の向上を図ります。
3
海外における更なる収益性の向上
2016年3月期のグローバルビジネスはのれん償却後の営業利益で 黒字化を果たしましたが、のれん償却前の営業利益率は2%台という 低水準に留まっています。収益性の向上が、重要な課題であると認識 しています。1
ローカルプレゼンスの向上
今後のグローバルでの成長のためには、様々なお客様から、サービス提案機会をいただくことが必要となります。しかし、日本を除く世界各国 における当社の売上高ランキングは下位に留まっています。特に、世界最大のIT市場の米国は、日本の約4倍の市場規模がありますが、そこでの 当社ランキングは40位程度です。よって、日本以外での主要各国における知名度を向上し、提案機会をより増やす必要があります。2
不採算案件の更なる抑制
2013年10月にプロジェクト審査委員会を設置し、不採算案件の 抑制に努めてきましたが、目標としている成果を上げるまでに至って おらず、引き続き、重要な経営課題であると認識しています。中・長期経営戦略
中・長期経営戦略
Global 2
ndStage
に向けて
Global 2
ndStage
に向けて
新中期経営計画のアウトライン
海外営業利益率(のれん償却前) (%) 当社の各国 ランキング10位以内 国別IT
サービス市場規模(2015
年エンドユーザー支出額の上位順) (百万ドル)Gartner Market Share: IT Services, 2015 06 April 2016 ガートナーのリサーチを基にNTTデータにて図表を作成 ここに述べられたガートナーのレポート(以下「ガートナーのレポート」)は、ガートナーの配信購読サービスの一部として顧客向けに発行されたリサーチ・オピニオンもしくは視点を表したものであり、事実を表現し たものではありません。ガートナーの各レポートは、レポート発行時点における見解であり、このアニュアルレポート発行時点のものではありません。 また、ガートナーのレポートで述べられた意見は、事前の予告なしに変更されることがあります。 2011 年度 2015 3.0% 3.2% 1.8% 2.4% 2.4% 2012 2013 2014 2012 年度 2016 (予想) 2013 2014 2015 100 200 300 インド イタリア ブラジル スペイン 中国 フランス ドイツ 英国 日本 米国 0 100,000 200,000 300,000 400,000 オーストラリア カナダ 韓国 オランダ シンガポール リマーケティングの更なる深化 技術革新による価値創造
1
前中期経営計画
Global 1
stStage
グローバルカバレッジの拡大
2016年3月期 海外売上高比率30
% 不採算案件による損失影響額 (億円) プロジェクト 審査委員会設置 Driving Principlesローカルプレゼンスの向上
2
Global 3
ndStage
3
・ デジタル社会の変化を捉え、お客様の 競争力のコアとなるシステムやサービ スを早期かつ柔軟に提供できる生産技 術を磨き上げる ・ 最先端技術の発掘・実用化とパートナー 企業との協業を世界各国で行い、お客 様と革新的なビジネスを共創する ・ 環境変化を好機と捉え、各国の特性に 合わせた成長戦略で、既存市場の更な る拡大と新規市場の創出を加速する連結売上高
2
兆円超
Global 2
ndStage
グローバルブランドの確立
海外売上高比率50
%
2017年3月期―2019年3月期24
NTT DATA
ANNUAL REPORT 2016
25
新中期経営計画の考え方
新中期経営計画では、「リマーケティングの更なる深化」と「技術革新による価値創造」の
2
つのグローバル共通
戦略を打ち出しています。この共通戦略に取り組むことで、国内事業並びに海外事業のグローバルシナジーを生み
出し、
Global 2
ndStage
を目指します。
グローバルシナジー
• 生産技術革新/最先端技術活用 • Global Accounts / Global Delivery /Global Offering / Global Talents
海外事業
規模拡大&質的向上 インオーガニック成長(北米、欧州、その他) リマーケティングによるシェア向上とサービ ス範囲拡大による収益性向上国内事業
安定成長 リマーケティングの更なる推進による再成長 不採算の抑制徹底 競争力の磨き上げにより成長投資に 必要な利益を確保健全な財務基盤
(投資効率・D/Eレシオ管理、安定配当)中・長期経営戦略
Global 2
ndStage
に向けて
26
NTT DATA
ANNUAL REPORT 2016
27
環境変化や技術革新を捉え、既存市場におけるシェア拡大とお客様のニーズを先取りした新規市場創出を行う「リマーケティング」については、 これまで電力業界への参入、オムニチャネルシステムの構築、デジタルアーカイブ事業の拡大など、着実に成果をあげています。 今後も環境変化や技術革新がますます加速している状況を好機と捉え、世界各国の市場環境に則した既存市場におけるシェア拡大と新規市場 創出を加速し、ローカルプレゼンスを向上します。また、グローバルでのカバレッジを活かし、シナジーを効かせていくことで、提供ソリューション/ サービスの拡充、グローバルプロジェクトへの対応力向上を推進し、各地域における競争力を高めます。
グローバル共通戦略
①
リマーケティングの更なる深化
世界での環境激変を好機と捉え、各地域においてシェア拡大と新規市場創出を加速
さらにグローバル連携により、これまで参入できなかった領域にも進出
シェア拡大 既存市場のさらなる拡大 新規市場の創出加速 Others Others Others Others 当社既存シェア既存
IT
市場
New Market New Market新たな
IT
市場
市場創出 IT技術の革新 顧客の変化 規制緩和等 New Market New Market New Market New Market New Market New Market New Market New Market New Market New Market 激しい環境変化に直面しているお客様の競争力のコアとなるシステムやサービスを早期かつ柔軟に提供できるよう、これまで開発してきた生産 技術とデジタル社会に対応する新しい生産技術を組み合わせた、生産技術のさらなる革新を推進します。 また、お客様のITの戦略的活用へのニーズの高まりに応えるため、グローバルでの適材適所によるデジタル領域の技術力強化と高い技術力を保有 する他社との連携により、常に最先端技術を取り入れ、お客様との共創によりビジネスへの適用を実現することで、これまでにない新しい仕組みや 価値を創造していきます。グローバル共通戦略
②
技術革新による価値創造
生産技術革新により、お客様の競争力のコアとなるシステムやサービスを早期かつ柔軟に提供
グローバルの最先端技術の活用により、お客様とこれまでにない仕組みやビジネスを共創
生産技術の革新
最先端技術の活用
NTT DATA Development Technologies for Digital
デジタル社会における変化
Automation
& Agile NativeCloud Cyber PhysicalSystem Legacy SystemModernization
Power of
Individual Cloud First Data Big Bang Open Legacy
Vision
業界に関する 深い知見 自由な着想Foresight
最先端技術の 発掘・実用化の促進Co-Innovate
ClientsOpen Partner Ecosystem
Academia
ビジネスアジリティの実現
Alliance Partners Applied R&D