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史料紹介 : 高木共有文書

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Academic year: 2021

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史 料 紹 介

高木共有文書

定(高木共有文書) これは、東近江市高木町(寄託当時は神崎郡永源寺町高木区)から寄託された、2,293点という大 量の史料群です。高木区は、近世にあっては近江国蒲生郡高木村という一個の村でした。こうした近 世以来の歴史を持つ村々には、しばしば多くの古文書が伝わっているのですが、それはなぜでしょう か。 近世の村は、幕藩領主による支配の単位として位置付けられていました。そして、近世社会では文書 を用いた支配が行われていましたから、村はさまざまな場面で領主と文書でのやりとりを行っていまし た。たとえば領主に年貢を納めるにあたっても、村は領主から年貢割付状を受け取り、さらに納めた後 には年貢皆済目録が手渡されます。これら文書は、それ以降も村で大切に保管されました。なぜなら、 これら文書は「自分たちは毎年確かに年貢を上納しており、その量はこれだけである」という記録となり、 領主がより多くの負担を課してきた際には抵抗のよりどころともなるものだったからです。 また近世の村は、村人たちの生活上の共同組織でもありました。そのため、日々の暮らしの中で起こ る諸問題に対応し、それらを解決しようとする過程でも、村は自ら大量の文書を作成していました。この ように、近世の村々では大量の文書の作成と保管が行われていたのであり、それが現在まで伝わった のです。 高木共有文書の中で、1番多いのはやはり年貢の納入に関する史料です。また、高木共有文書の中 で、最も古い史料は慶長三年(1598)、今から約420年前に作成されたものでした。 写真に掲げたのは慶長十八年(1613)の史料ですが、これは高木村の「若者」たちが他郷の人々と 言い争い(「つめもんたう(詰問答)」)になった際に、お互い見捨てず助成することなどを取り決めた定 書です。こうした史料を目の前にすると、近江の村の悠久の歴史が目の前に浮かぶ想いがします。 (史料館 青柳周一)

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