Title
抗ウイルス薬開発を指向するアシクロヌクレオシド類の新
規合成法( はしがき )
Author(s)
北出, 幸夫
Report No.
平成6年度-平成7年度年度科学研究費補助金 (一般研究(C)
課題番号06672236) 研究成果報告書
Issue Date
1995
Type
研究報告書
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/216
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。第一章 緒論 ウイルス性疾患の有効な対処法として、ワクチン療法が広範掛こ検討されま
た実施されてきた。例えば、天然痘のようにワクチンの製造/普及により撲滅
されたウイルスもある。また、インフルエンザウイルスにおいてもその予防法 としてワクチンが一般的に用いられており、一応の成功が得られているがその 効果には限界があることは周知の事実である。その原因としては、インフルエ ンザウイルスの変異によりワクチンによる予防を完全なもにとすることを不可 t能にしている。また、最近最も注目を集め恐れられているウイルスにエイズ (朗DS)の原因ウイルス、HIVOlumanimmunodeficiencyvirus)がありその場合、 変異が速く、次々に型を変えるため、ワクチンでは到底対応できない。このよ うにワクチンは、数多くの型を持つウイルス及び変異するウイルスに対しては 有効な対処法となり得ていない。 ワクチンに替わる治療法としては化学療法剤が期待される。これまでに、イ ドクスウリジンqDⅥ、ピグラビン(血a一朗やアシクロビル仏CⅥなどの抗 ウイルス性化学療法剤が開発され、臨床で使用されてきた伊iか-1)。しかしそ の進歩は遅々たるもので、満足すべきものではない。それはウイルスが細菌と 異なり、その遺伝子発現の多くを宿主細胞の代謝系に依存するため、優れた選 択毒性を示す薬物を見い出すことが困難だからである。1) 現在使用されている抗ウイルス性化学療法剤は一部を除き、核酸の構成成分 であるヌクレオシド類を化学修飾したヌクレオシド系医薬品である伊iか-1)。 0鮒一
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DD暮それらの殆どはウイルスと宿主の酵素の基質特異性及び調節機構の僅かな差 異を選択毒性の標的としている。その最たるものが、単純ヘルペス(HSⅥに 優れた選択毒性を示すアシクロビル仏CⅥである。この化合物は、「核酸代 謝括抗剤」と呼ばれる概念を打ち出したヒッチングス博士、エリオン博士らに より合成され、両博士はこのACVを含む幾つかの核酸代謝括抗剤を開発し、医 薬品創製の合理的手法を確立した業績で1988年にノーベル医学生理学賞を受
賞している。2)
ACVはウイルス由来のチミジンキナーゼによりモノリン酸化された後、宿主細胞の酵素で5--トリリン酸化される。この5t-トリリン酸体がウイルスのDNA
ポリメラーゼを特異的に阻害することがACVの作用機作であり、ACVの最初 の5■-モノリン酸化がウイルスに感染していない細胞では殆ど起こらないことが、 ACVのウイルスに対する選択毒性を優れたものにしている。また、ACVのト リリン酸体は、糖部3偲に水酸基を欠くため、DNAに取り込まれた際に、DNA 合成を停止させるchainterminaterとして機能することもACVの作用機作 であると考えられている。このchainterminationの概念は、後に抗HIV薬ア ジドチミジン(AZT)の開発につながることになる。Fig・1-2 Antivira]Active Purine AcycJonucJeosides
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