• 検索結果がありません。

イヌのうっ血性心不全に対する強心配糖体の効果の確認と至適投与方法の確立

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "イヌのうっ血性心不全に対する強心配糖体の効果の確認と至適投与方法の確立"

Copied!
7
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

Title

イヌのうっ血性心不全に対する強心配糖体の効果の確認と

至適投与方法の確立( 内容の要旨 )

Author(s)

永島, 由紀子

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(獣医学) 甲第122号

Issue Date

2002-03-13

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/2176

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏 名(本籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授、与年月 日 学位授与の要・件 研究科及び専攻 研究指導を受けた大学 学 位 論 文 題 目 審 査 委 員 (16) 永 島 由紀子(福岡県) 博士(獣医) 獣医博甲第122号 平成14年3月13日 学位規則第4条第1項該当 連合獣医学研究科 獣医学専攻 東京農工大学 イヌのうっ血性心不全に対する強心配糖体の効果の確認 と至連投与方法の確立 主査 束京農工大学 副査 帯広畜産大学 副査 岩 手 大 学 副査 東京農工大学 副査 岐阜大 学 授 授 授 授 授 教 教 教 教 教 久 夫 男一均 義 孝 晴 栄 根 科 林 江 川 久 山 更 小 小 北 論 文 の 内 容 の 要 旨 ジギタリスは一世紀以上も前から心不全治療に用いられてきた強心薬である。しかし、 その作用についての報告の大部分は、麻酔下あるいは、急性静脈内投与時のものであり、 臨床的な覚醒下での慢性投与の効果は評価されていない。最近、医学領域では、ジギタリ スの長期慢性投与についての大規模な臨床試験が行われ、その有効性が評価されつつある が、小動物嶺域ではいまだ投与方法やその効果については確立されていないのが現状であ る。近年、イヌの高齢化とともに僧帽弁閉鎖不全症の発生が急増し、ジギタリスの1種で あるジゴキシンが、ヒトの投与方法に順じて血管拡張薬のアンギオテンシン変換酵素阻害 薬とともに使用されているが、その適応についてはなお議論がある。本研究は、獣医臨床 におけるジゴキシンの効果の確認と至適投与方法の確立を目的として実施したものである。 まず、実験犬において実際の臨床に近い、覚醒下におけるジゴキシン慢性投与の効果を確 認することでその投与方法を検討した。さらに、実験的に作出した僧帽弁閉鎖不全病態モ デル(脈)犬を対象として、ジゴキシンの効果と適応についても検討した。 Ⅰ章では、正常犬とMR犬におけるジゴキシン慢性投与時の至適血中濃度測定法について

検討した。ジゴキシン粉末を10日間経口投与して、十分定常鱒態に達■したことを確認後、

2時間ごとに血中濃度を測定した。その結果、正常犬では投与後8-18時間、MR犬では10-22 時間が至適血中濃度測定時間であることが判明した?さらに、ジゴキシン経口投与後の血 中濃度が定常状態に達するまでの日数は、従来のイヌおよびヒトでの報告と大きく異なり、 3∼5日であった。また、性差は認められなかった。

(3)

Ⅱ章では、第Ⅰ章で確立された至適血中濃度測定法をもとに、正常犬における、ジゴキシ ンの慢性投与前・投与中(有効血中濃度域)・休薬後における心拍数、血圧、心機能につ いて評価した。血圧と心拍数については、覚醒下、非拘束下で長期間の測定を可能にする テレメトリーシステムを用いた。心機能については、1回抽出量、心拍出量、心係数を無 麻酔下で長期間の測定が可能な慢性埋め込み型の電磁血流計を用いて測定し、さらに超音 波診断装置で、左室駆出率(EF)、左室内径短縮率(FS)を測定した。その結果、ジゴキ シンの慢性投与により心収縮力は増強され、心拍数は減少した。また、急性投与時の作用 と異なり、収縮期圧は変化せずに拡張期圧・平均血圧が低下し、血管コンプライアンスの 増大が示唆された。心機能については、心拍出量の低下が認められたが、この変化時心筋 収縮力・一回抽出量は増加しているものの、それ以上に心拍数低下による作用が大きいこ とを示唆している。心拍出量低下に伴う心係数の低下も認められたが、対応する血圧上昇 が認められなかったので、心拍出量減少は循環動態に変化を与えない程度であったと考え られた。以上から、ジゴキシンの慢性投与は、血管コンプライアンスの増大をもたらすと 同時に正常犬の心臓に効率よく作用することが示唆された。 Ⅲ章では、実験的に僧帽弁閉鎖不全症犬を作出し、ジゴキシンを慢性投与して、その作用 をⅡ章と同様の方法で検討した。MR犬は、6 ケ月以上にわたる慢性的逆流が認められたも のを使用した。容量負荷による代償作用は、左房・左室の拡大以外ほとんど認められず、 MR大の病態は、心腔拡大により左房圧・左室収縮期圧上昇を補正し、心拍出量を維持し ている代償初期の病態であると考えられた(NYHAI∼Ⅱ)。実験の結果、ジゴキシンの慢 性投与により心拍数は減少し、脈圧を保ちつつ血圧は低下し、さらに緩徐な強心作用がみ られた。すなわち、ジゴキシンの慢性投与はMR犬の逆流量増加を抑制して病態の進行を 遅延させる可能性が示唆された。 第Ⅳ章では、正常犬と MR犬において、ジゴキシン慢性投与の効果を比較検討した。ジゴ キシン投与前の比較から、MR犬はⅢ章と同様に代償初期の病態であると考えられた。ジ ゴキシン投与による効果の差異はほとんど認められず、MR犬において、休薬後の拡張期 血圧の回復が遅延したのみであった。以上の結果から、ジゴキシンは正常犬、MR犬とも に同様な効果を示し、循環動態に有効に作用することが示唆された。 本研究により、ジゴキシンの慢性投与は、急性投与と異なり、正常犬においても心不全犬 においても循環動態に有効に働き、代償初期の心不全犬に対して適応であることが示唆さ れた。 審 査 結 果 の 要 旨 ジギタリスは一世紀以上も前から心不全治療に用いられてきた強心薬である。しかし、

その作用についての報告の大部分は、麻酔下あるいは、恵庭静脈内投与時のものであり、臨床

的な覚醒下での慢性投与の効果は評価されていない。最近、医学領域では、ジギタリスの長期

慢性投与についての大規模な臨床試験が行われ、その有効性が評価されつつあるが、小動物領

域ではいまだ投与方法やそ中効果については確立されていないのが現状である。近年、イヌの 高齢化とともに僧帽弁閉鎖不全症の発生が急増し、ジギタリスの1種であるジゴキシンが、ヒ

(4)

ー260-トの投与方法に順じて血管拡事案のアンギオテンシン変換酵素阻害薬とともに使用されている が、その適応についてはなお議論がある。本研究は、獣医臨床におけるジゴキシンの効果の確 認と至準投与方法の確立を目的として実施したものである。まず、実験犬において実際の臨床 に近い、覚醒下におけるジゴキシン慢性投与の効果を確認することでその投与方法を検討した。 さらに、実験的に作出した僧帽弁閉鎖不全病態モデル(MR)犬を対象として、ジゴキシンの 効果と適応についても検討した。 Ⅰ章では、正常犬とMR犬におけるジゴキシン慢性投与時の至適血中濃度測定法につ いて検討した。ジゴキシン粉末を・10日間経口投与して、十分定常状態に達したことを確認後、 2時間ごとに血中濃度を測定した。その結果、正常犬では投与後8-18時間、MR犬では10-22 時間が至適血中濃度測定時間であることが判明した。さらに、ジゴキシン経口投与後の血中濃 度が定常状態に達するまでの日数は、従来のイヌおよびヒトでの報告と大きく異なり、3∼5日 であった。また、性差は認められなかった。 Ⅱ章では、第Ⅰ章で確立された至適血中濃度測定法をもとに、正常犬における、ジゴ キシンの慢性投与前・投与中(有効血中濃度域)・休薬後における心拍数、血圧、心機能につい て評価した。血圧と心拍数については、覚醒下、非拘束下で長期間の測定を可能にするテレメ トリーシステムを用いた。心機能については、1回拍出量、心拍出量、心係数を無麻酔下で長 期間の測定が可能な慢性埋め込み型の電磁血流計を用いて測定し、さらに超音波診断装置で、 左室駆出率(EF)、左室内径短縮率(FS)を測定した。その結果、ジゴキシンの慢性投与により 心収縮力は増強され、心拍数は減少した。また、急性投与時の作用と異なり、収縮期圧は変化 せずに拡張期圧・平均血圧が低下し、血管コンプライアンスの増大が示唆された。心機能につ いては、心拍出量の低下が認められたが、この変化は心筋収縮力・一回拍出量は増加している ものの、それ以上に心拍数低下による作用が大きいことを示唆している。心拍出量低下に伴う 心係数の低下も認められたが、対応する血圧上昇が認められなかったので、心拍出量減少は循 環動態に変化を与えない程度であったと考えられた。以上から、ジゴキシンの慢性投与は、血 管コンプライアンスの増大をもたらすと同時に正常犬の心臓に効率よく作用することが示唆さ れた。 Ⅲ章では、実験的に僧帽弁閉鎖不全症犬を作出し、ジゴキシンを慢性投与して、その 作用をⅡ章と同様の方法で検討した。MR犬は、6ケ月以上にわたる慢性的逆流が認められた ものを使用した。容量負荷による代償作用は、左房・左室の拡大以外ほとんど認められず、MR 犬の病態は、心腔拡大により左房圧・左童収縮期圧上昇を補正し、心拍出量を維持している代 償初期の病態であると考えられた(NYRAI∼Ⅰ)。実験の結果、ジゴキシンの慢性投与により 心拍数は減少し、脈圧を保ちつつ血圧は低下し、さらに緩徐な強心作用がみられた。すなわち、 ジゴキシンの慢性投与はMR犬の逆流量増加を抑制して病態の進行を遅延させる可能性が示唆

(5)

第Ⅳ章では、正常犬とMR犬において、ジゴキシン慢性投与の効果を比較検討した。 ジゴキシン投与前の比較から、MR犬はⅢ章と同様に代償初期の病態であると考えられた。ジ ゴキシン投与による効果の差異はほとんど認められず、MR犬において、休薬後の拡張期血圧 の回復が遅延したのみであった。以上の結果から、ジゴキシンは正常犬、MR犬ともに同様な 効果を示し、循環動態に有効に作用することが示唆された。 本研究により、ジゴキシンの慢性投与は、急性投与と異なり、正常犬においても心不 全犬においても循環動態に有効に働き、代償初期の心不全犬に対して適応であることが示唆さ れた。 以上について、審査委員全員一致で本論文が岐阜大学大学院連合獣医学研究科の学位 論文として十分価値があると認めた。 学位論文の基礎となる学術論文 1)題 目‥Plasmadigoxinconcentrationindogswithmitralregurgitation 著 者 名:NagashimaYukiko,HiraoHidehiro,FurukawaShtdi,HoshiKatsuichiro, A上ahaneMiki,TanakaRyouandYamaneYoshihisa 学術雑誌名:TheJournalofVeterinaryMedicalScience 巻・号■・貢・発行年:63(11):1199∼1202,2001 既発義挙術論文 1)題 目:デタッチヤプルコイルを用いたイヌの動脈管陶存症の1治験例 著 者 名:田中 綾∴永島由紀子,星克一郎,柴崎哲,山根義久 学術雑誌名:動物臨床医学 巻・号・頁・発行年:$(1):29∼34,1999 ノ 2)題 目:Ovarianandretroperiton由1teratomasinadog 著 者 名‥NagashimaYukiko,H血iKatsuichiro,TanakaRyou,ShibazakiAbra, FqiiwaraKosaku,KonnoKatsuhiko,MachidaNoboruandYamaneY00hihisa 学術雑誌名‥TheJournalofVeterinaryMedicalScience 巻・号・貢・発行年:62(7):793ん795,2000 3)題 目:中心冷却体外循環関心術により流出路拡大形成術を実施した小型犬 の肺動脈狭窄症の2治験例 著 者 名:柴崎哲,高島一昭,田中 綾,永島由紀子,星克一郎,山根義久

(6)

ー262-学術雑誌名:動物臨床医学 巻・号・頁・発行年:9(2):105 ∼109,2000 4)題 目:犬の動脈管開存症(PDA)に対するインターベンション 著 者 名:田中 綾,星克一敗 永島由紀子,山根義久 学術雑誌名:動物の循環器 巻・号・貢・発行年:33(2):75 ∼81,2000 5)題 目:Supplementalembolizationcoilimplantationforclosureof patentductusarteriosusinabeagledog 著 者 名:TanakaRy00,Nagash血aYukiko,H$hiKatsuichiroandYam弧eY00hihisa 学術雑誌名:TheJourna10fVeterinaryMedicalScienc 巻・号・頁・発行年:63(5):557 ∼ 559,2001 6)題 目:心膜横隔膜ヘルニアの犬の1治験例 著 者 名:星克一郎,田中 綾,永島由紀子,佐藤剰凱屋敷澄子,山根義久 学術雑誌名:日本獣医師会雑誌 巻・号・頁・発行年:54(9):693■t ∼ 696,2001 目:Detachablecoilsforocclusionofpatentductusarteriosusin2dogs 著 者 名:TanakaRyou,HoshiKatsuichiro,NagashimaYukiko,F両立Yoko andYamaneYoshihisa 学術雑誌名:VeterinarySurgery 巻・号・貢・発行年:30:580∼584,2001 8)題 目:ドパミンが犬の循環動態ならびに各種臓器血流量に及ぼす影響 著 者 名:古川修治、永島由紀子、星克一郎、平尾秀博、田中綾、丸尾幸嗣、 山根義久 学術雑誌名:動物臨床医学 巻・号・貢・発行年:10(3):2001 9)題 目:EfftctsofdopamirM,infusiononcardiacandrenalb100dflowsindogs 著 者 名:FurukawaS叫i,NagashimaYukiko,HoshiKatsuichiro,HiraoHidehiro,

(7)

TanakaRyou,MaruOKottiiandYamaneYoshihisa 学術雑誌名:TheJourna10fVeterinaryMedicalScience

巻・号・貢・発行年:64(1):2002

10)題 目‥Changein plateletlifespanin dogs withmitralvalve regurgitation

著 者 名‥Tanaka Ryou,Nagashima Yukiko,Murota Ayako,and

Yamane Yoshihisa

学術雑誌名‥TheJournalof VeterinaryInternalMedicine

巻・号・貢・発行年:2002

「 \

参照

関連したドキュメント

 末期腎不全により血液浄化療法を余儀なくされる方々は約

aripiprazole水和物粒子が徐々に溶解するのにとも ない、血液中へと放出される。PP

がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断さ

免疫チェックポイント阻害薬に分類される抗PD-L1抗 体であるアテゾリズマブとVEGF阻害薬のベバシズマ

  

電子式の検知機を用い て、配管等から漏れるフ ロンを検知する方法。検 知機の精度によるが、他

ると思いたい との願望 外部事象のリ スクの不確か さを過小評価. 安全性は 日々向上す べきものとの

63―9 法第 63 条第 3 項に規定する確認は、保税運送の承認の際併せて行って