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斜面崩壊による地震計記録の解析 -2013年10月16日伊豆大島を例として- Analysis of seismic waves excited by landslides - a case for Izu-Oshima Island on Oct. 16, 2013 -

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斜面崩壊による地震計記録の解析

-2013 年 10 月 16 日伊豆大島を例として-

Analysis of seismic waves excited by landslides - a case for Izu-Oshima Island on Oct. 16, 2013 -

○土井一生・釜井俊孝・王功輝・森田裕一

○Issei DOI・Toshitaka KAMAI・Gonghui WANG・Yuichi MORITA

Ground motions due to landslides are observed thanks to the enhancement of the recent seismic network. These records have a potential to estimate when and where landslides occur, which is especially important to understand the shallow landslide mechanism in association with geology, hydrological environment and precipitation distribution. Accompanied with the Izu-oshima landslide disasters on Oct. 16, 2013, seismic waveform records which recorded landslide signals were obtained at more than ten stations. Using these waveform records, this study shows the effectiveness and limits to estimate the spatio-temporal distribution of the shallow landslides.

1.はじめに 近年、集中豪雨に伴う斜面崩壊による土砂災害 が多発している。このような斜面崩壊の発生メカ ニズムを理解うえで、崩壊の時空間分布と地質や 水文特性、降水分布などを比較することが有意義 である。本研究では、2013 年 10 月 16 日に発生し た伊豆大島における斜面崩壊を例として、崩壊の 時空間分布の推定における、斜面崩壊によって励 起された地面の震動を捉えた地震計記録の有効性 について示す。 2.崩壊の概要と地震計データ 2013年10月、台風26号の接近・通過に伴い、 伊豆大島は 15 日から連続的な豪雨に見舞われ、16 日の午前 2 時ごろからは時間雨量 100 mm を超えた。 この豪雨により 16 日午前 2 時から 4 時ごろに崩壊 が多発したとされる。崩壊発生前日から午前2時 までの連続降水量は大島町の元町におけるアメダ ス記録で 450 mm 程度であった(山本ほか、2013)。 崩壊は、14 世紀の元町溶岩が分布する伊豆大島 西側斜面(以下、A 領域)およびその南側(B 領域) で主に発生した。A 領域は比較的平面状の地形を 呈し、傾斜角が 25 度を超えるカルデラ斜面上方を 源頭部として海岸付近まで比較的幅広い(数十 m から100 m程度)崩壊域および流走域を示した。 一方、B 領域は数多くのガリーが発達し、それら 一つ一つの内部で幅 10 m 以内の崩壊が発生した。 地震計は、この崩壊域を囲むように 500-2000 m 間隔で設置され、10 点程度の観測点で同時に崩壊 による震動が捉えられている。データのサンプリ ング周波数は 200 Hz である。 3.斜面崩壊によって生じる地震動とは 斜面崩壊を捉えた地震波形記録を用いて、波動 源の場所や移動を推定する研究がいくつかおこな われている(例えば、本崩壊に関して Ogiso and Yomogida, 2015)が、それらは励起される波動が、 短波長が卓越することから実体波(S 波)を主成 分とすると仮定している。本研究では、比較的長 周期の成分に限定して波形記録の粒子軌跡を精査 し、一部の時間帯でレイリー波の特徴を持つ粒子 軌跡を認めた。 4.崩壊の時空間分布とその推定限界 崩壊物の流走に伴う震動源の移動を把握するた めに、仮定した点震源からの距離によって決まる 幾何・非弾性減衰の大きさを観測値と比較しなが ら震源位置の推定がなされてきた。本研究では、 表面波を仮定して同様の推定をおこない、許容さ れる点震源の範囲を推定した。その結果、崩壊発 生から時間が経過するにつれて、許容される震源 の領域が斜面の傾斜方向に広がり、点震源仮定に おける震源決定精度が低下することが分かった。 表面波を想定することで、震源距離に伴う幾何減 衰が相対的に小さくなるため、散乱波によって波 動が乱され実際の観測点間の振幅差が理論値より も小さい場合も、推定誤差が小さくなることが予 想される。そのため、崩壊発生後、崩壊域および 流走域の拡大に伴って震動源が広がったことによ る影響ではないかと推察される。

参照

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