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不正競争中営業関係に対する侵害-2- 利用統計を見る

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(1)

不正競争中営業関係に対する侵害-2-著者

山崎 晴一

著者別名

S. Yamazaki

雑誌名

東洋法学

18

2

ページ

p1-34

発行年

1975-03

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00006072/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

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不正競争中営業関係に対する侵害

山 崎晴 一

第六節 将来の契約関係に対する侵害

一、沿 革       ︵1︶  将来の契約関係に対する侵害を不法行為とすることは、すでに古く原告の市場から顧客を退去せしめたり、あるい        ︵2︶ は教会に寄進をしようとする者を追いやるために、身体に対する傷害や脅追を加える行為に起源を発するともいえる        ︵3︶ が、むしろそれらの事件では、訴は用いられた手段を対象としてなきれていたとみる方が正確である。十七世紀に入        ︵4︶ ってから、将来得べき労働者や顧客を脅迫して退去させる行為、あるいは原告がアフリカ海岸のニグロと取引するの        ︵5︶ を阻止するために、ニグロのカヌーに発砲することなどに対し訴が認められた例がある。        ︵6︶  一七〇七年の判決である図Φo窪①<●臼鼻段ぎ魑囲は有名である。被告は家鴨を集める池を持っていて、その中に 囮を入れて家鴨を集めていた。ところが、原告はその池の家鴨を追い出すために、その池の外で発砲したため、被告 の池にいた家鴨は逃逸し、ために被告が損害を蒙った事件である。そこでは、 ﹁人の職業など生活の方法に対して悪    不正競争中営業関係に対する侵害       一

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   東洋法学       工

       ︵7︶ 意で加えた侵害は訴え得る﹂と判示された。類似の事件で、原告はボートによる野禽狩猟の許可を与えられていた。 彼は被告の池から四分の一マイル以上離れた所で発砲し.さらに二百ヤードに近ずいて又射撃して.被告の池から逃 出げた野禽何匹かの収獲を得た。原告の故意については何も立証されず.また彼は被告の池に向って発砲したのでは       ︵8︶ なかったが.責任ありと判決された。その後の事件で.ステージからやじり下され.そのため以後の出演契約ができ       ︵9︶ なくなった俳優に対し.救済を与えた判決がある。この理論は嵯櫛羅欝講欝ざ図鶴誘象に受け入れられ.この事件 で女王座部は、契約関係に対する侵害が不法行為であるという法理は現存契約関係を超えて適用きれ.また単に契約 関係が潜在的である場合にも同様に.それに対する侵害は訴え得る行為であると明言した。この不法行為に関する近       ︵憩︶      ︵慧︶ 代的な法の根源ということができるであろう、続いて詑圃総鉾鷺8蜘におけるホーキンス判事の見解に注鰹しなけ ればならない。本件では前述したように.結局被告に責任なしとされたのであるが.裁判官の見解は多岐であった。 その一つであるホーキンス判事の見解によれば.本件における被告の行為は.営業自由の権利の侵害をするものであ るという。すなわも何人も他人の妨害をうけることなく自由に営業を営む権利を有するのであり.労働者については その生計が維持されるために.雇傭契約が継続される状態にあることが必要である。この状態に対して侵害を加え. 労働者が賃金を得る道を塞ぐことは.すなわち営業自由の権利を侵害するものであるとし.営業自由の権利の申には 現在の職業より生ずる合理的期待から成立する利益の完全な享受を目的とする権利を含むものであり.現在の契約を       ︵鴛︶ 解除させるのも、将来特定の者を雇傭させないようにすることも区溺するところではないというのである。本件に続         ︵爲﹀ いて£蕪毒い霧砦魯では≧一窪∼箆○&の場合と逆に被告に責任ありとの判決がなされた。こうして将来の契約

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関係に対する侵害は、不法行為であるという原則が確立されたのであるが、アメリカでも裁判所はこの原則にしたが          ︵雛︶ った。 冨註。 ・<。匹8留において裁判所は、 ﹁もし甲が乙に対し、充分承諾できるように明確な言葉を用い、契約 を締結すべく確定的申込をし、乙が甲と交渉中、あるいは甲の申込を承諾するように心を定めてから、丙が悪意で、 乙が承諾するのを干渉しこれを妨害したり、甲に損害を蒙るという理由で申込を徹回させる場合に、そのような干渉 によって損害をうけた当事者は、何等不法行為を受けず、また損害をうなけかったか、そのような事件には、訴え得 べき不法行為の要締である権利侵害と損害は含まれていなかったか﹂との疑問を提出し、さらに﹁ある学者によれば、 契約関係に干渉する不法行為は、契約が有効である場合のみに限らない。当事者の意思で解除し得る契約を解除すべ く悪意で誘致したり、干渉がなければ、事物の通常の過程上当然成立すべき契約の締結を妨害する行為も同様に訴え 得べき不法行為である﹂と述べている。しかしそこには契約成立に関する妥当な期待とか確実性がなければならない   ︵筍︶ とされる。 ︵i︶ ︵2︶ ︵3︶ ︵4︶ ︵5︶ ︵6︶ ︵7︶ ざや一潟ρ揖︸麟窪億困く鳶6 じご ①ごΦ≦9︾・ご o瑛ρ”一Q 。霧︵国出ひR●︶◎ イω。討一9 嵩顛o。H<ミ”︵閃嵩騎.︶旧ざ O節震簿く驚↓帥覧o嬬︵5曽︶○残ρ旨8。脇S ↓巽一〇8昌く’竃oの節名富ざ ︵一おOo︶憎S瞠①Z ︵寒O縫︶賦国9 0馨鋸合 ︵国﹂閃。︶。 寓O騨ρ 9 不正競争中営業関係に対する侵害 φ一愈斜︸ ︵国一嶺。y 驚型89 器麟OP<H竃︵国瓢ひq●y ︵国畠サ︶。 三

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︵8︶ ︵9︶ ︵⑳︶ ︵U︶ ︵鷲︶ ︵捻﹀ ︵簸︶ ︵焉︶ 東洋法学       四 〇餌畦欝αq8鐸く唇↓鋤覧○噌︵︸O o8︶︸一肖霧瞥零ど ︵麟瓢騨y の器讐受︿ゆO段ざ○感じ ご議霧箋答ぎ①鼠。俸ρo。瀦︵HO 。糞y 娼3器①び ㌻ 鳶9 ︵お⑩○○︶>●ρ 回“ 類鋤難鉱霧ト  ︾跨ぎ蕎P想8は、﹁現在の契約関係を侵害するのも、将来の契約締結を妨害するのも、その霞的 は同一であって.しかも被害者の生活は現在及び将来の契約に依存するのであるから両者は共に営業自由の権利を侵害す るものである﹂と述べている。これらの説は類舞瓢Φ罫州簿ぎ甑轟篶︵餐象︶判例を根拠としたものである。 ︵騒黛﹀艶準◎へ欝趣 鱒8搾 ︵ρρ餅丁轟簿こ 騒轟y なお梅麟唖灘鑓瓢欝導のぴ講欝黛繍O鉢︾鷲聯臨鴎︵る礁と6鎌雛甑圃欝縛洩Φ欝鰍讐瓢雛騨、圃欝欝 韓爲︵一総Φ凛無 級輝齢圃瓢 ざO錠劔獣醗O鴛欝鴫鍵輔欝回80Φ鎌〆噴癩︵お鵠︶聯恥Φ罷羅鋤雛群躍鍵獄纂圃鍵駅副羅篇騨嫡麟⇔憲蜘畿講︵羅淫︶ ¢獣o誤O霧誤蜘く⑱講獄圃圃騰OO騨ダ6鉱離霧⑩総塑ダ¢ ゆo o①︵お繋y  二.内   容  私有財産権の認められる市民社会において.一担獲得された財産を享有することは法によって保護されるが.財産        ︵絡︶ を獲得する努力は法の保護の範鰯外にあるということは堪え難いことであり.また現代生活において.最も価値あり とされる多くのものは.期待に依存しているのであるから.社会的産業的生活が複雑化するにつれて裁判所はその期       ︵η︶       ︵欝︶ 待を保護するために一層のカを傾ける必要があると思われる。こうして保護される期待の多くは将来の雇傭とか被傭 ︵欝︶        ︵20︶ 者または顧客を得る見込などである。これを含む事件では営業上の経験という要素が、原告の喪失した価値の評価を

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妥当なものにせしめる。い㌧かえれば予見される将来の期待は相当確実性がある。この期待は営業者にとっては重要 な価値を有するものであり、これを暖簾という広い概念の中に含ませて考え、この期待に対する侵害は、すなわち営 業者の暖簾を侵害するものであるとみることができるわけである。したがって、営業活動における範囲以外にこの法 理を拡張することに裁判所が消極的であるのも、その場合の期待は、営業活動における営業者の期待程に実現への確        ︵匁︶ 実性は強くないことによるのである。  このように侵害される期待は、確実性のあるものであることが必要であるから、原告がすでに契約の申込をうけ、 その申込が承諾するに充分であったり、あるいは承諾の意思がある場合は、むろんこの法理の適用があるが、原告が 単に善意で顧客を獲得しようとする通常の欲望で活動する場合も、その顧客獲得の見込が確実なものであれば、やは       ︵22︶ りその見込の侵害に対して保護が与えられなければならない。しかし営業競争においては、将来の市場や顧客の獲得 のために激しい競争が行われるのであり、将来の期待に対する侵害を一律に不正競争としてひろくこれを禁圧するこ とは、かえって自由公正な営業競争の芽を摘む結果になる。ゆえにこの観点から、この不法行為が成立する場合が検 討されなければならない。特に問題となるのは悪意である。  ︵掲︶ ω増窪ゆきく。O鉱$侮鶏簿9穫o 。o賄20戦9︾舅①誌8︸U8餌一2ρ一8蕊2.匂●い●謡O︵一〇8︶,  ︵17︶ ︸震ω塁Ω蔓勺憎ぎ梓ぎ磯Oρ︿。O器ω箆ざωO塑ト両ρ●誤り︵お8y  ︵18︶ 類器露Φ∼○ユ謹登誤Z鑓釦o 。翫︵お8冒閃鋤8βく。ω登憎帥巳α鼠Sω8畠憲鼠のOoこHO一寓ぎ量 総鱒︵お額と     ゑ凶一ぽ段<●ω出く霞き餌詳一〇〇竃貸ω飴︵一〇8y  ︵畑︶ 冨霧亀Ω蔓牢ぎけぎαqO9∼O霧ω箆αざ87ト国轡誤O︵お8Yく畠o冨げ出く噸○¢馨oぴ♂刈竃霧ω●8︵笏8y    不正競争申営業関係に対する侵害      五

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︵20︶ ︵鍛︶ ︵器︶ 東洋法学       六 ↓暮瓜Φく切O D僧Ω影艶霧ω什・菌OOこ鳶い餌︾⇒欝鷲轟︵︸O o霧y ≦霧富讐¢巳○φ↓無Oρ<零O墨一びo oΦ碧拶誉鵠○︵一〇 〇〇 〇〇 。︶旧錬蕪諏霧<,勺簿類欝伊傷霧鷲竃繋器Oρ 誘ら o≦器一!G

o8

︵おも。一︶ しかし.このような場合も.実現の強い可能性があれば原告に救済を与えないための的確な理,懸はない。︵Ω蚤噂ぎタ 譲oび︹お一ご鱒搾卸お9︵め昌σq。︶麟餌霧器9蔓露露俸ρ搾○ρ○織B窪霧<。ω①ヌ一、舞◎Ω︿●>署,︵お嵩︶。 GO匿壌、。 aOOξ一8搾︵監︶G。る 。一︵ρρ︾G 。箆”︸8㊤︶︵商贔の生産者である被告の顧客たる原告は.市の商蔽購入に関 す釜入れをするにつき・被告に彼が原告に供給を約した商品の価格表を要求した。原皆はその要求を繰返したが・遂に被 告は.原蕾がもはや他の生産者から禰格表をとる鑑とができないようになひてから.価格表は渡さない旨の通知を原告に 発した.実際には被告は他の原告の競争者に渡したのであった。その結果その競争者は無競争で落札した。被告の行為は 不正競争となる︶、.  三幅 \  意        ︵鈴︶  コモン・澱ーは常に営業における欝由競争に好意的である。営業者が自分の営業を拡張するために.妥当な方法を 用いて他の営業者と競争をし.相手方に損失を与えても、その行為は不法行為とされるものではない。将来の期待に 対する侵害が不法行為とされるについては.現存する契約関係に対する侵害の事件とほぼ同様に取扱われてきたので あるが.前者では、被告が自分の利益を追求するためになされたものであるときは.後者に比較して一層広い免責が       ︵麗︶ 与えられて来た。したがって逆蕎すれば.前者では被告の悪意が不法行為成立のための重要な要件とされるわけであ る。  被告が善意、すなわち自分の利益を追求することを目的とする場合は、たとえ相手方の将来の期待に対する侵害が

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      ︵肪︶ 行われても不正競争となることはない。ただ被告が悪意であっても、被告の用いた方法が、たとえば暴行であると     ︵26︶      ︵26︶ か、名誉殿損であるとか、また根拠のない民事上の訴を提起するといって脅迫することなどのように不法行為となる 場合は、不法行為法上の責任を免れないのである。この点では、悪意を構成要件としない現存契約関係に対する侵害 が不正競争とされる場合の方が少いといえる。また被告の過失によって、原告が将来の利益を得ることを妨げられた       ︵28︶ という原告の主張が認められた例も少い。  ところが、被告の行為が自分の利益の憎進を計るためでなく、たず原告に損害を加える目的でなされた場合は、被        ︵29︶ 告の責任が認められるのである。これについてはすでに述べた↓暮蔚く。閃蓉犀が有名である。  なお、将来の期待を侵害する行為が、正当な方法による営業競争の結果である場合にはひろく免責が与えられるほ か、公益的見地からする行為あるいは、正当な権利を保護するための行為などに免責が与えられるのは、現存する契 約に対する侵害の場合と同様である。 ︵23︶ ︵24︶ ︵25︶ ︵26︶ ︵27︶ ︵28︶ ︸○⇒①の︸頃富8比8一ご①<o一83Φ”けo断誓Φい麟毒○臨ω霧ぎΦ器Oo琴冨銘鉱OPGoqく巴o≦気糞節P Oo箏冨餓ぼo勝碧る90 ピ鈴名”昌類霧く●灯男●︵お8y℃●濤S 頃8ωのΦび℃●謹q. ↓曽建簿o”<●韻oの餌項一〇ざ勺$匿①Z.ω。霧9 のo鎌類く。2凶Φびqげぴ器①窯簿ωω畢Go8︵おトoO︶旧ω㌶βα効置○鵠Oρく。OO覧や一一G o麟ざ①露︵一8↑︶ 竃瓢昌ωo誉嬬蓉∼Oお①P①搾茅匂置︵ψ⇔塑ざお齢と鼠餌蜜賦αqOρ∼竃$3≦ω客鍵“Ooこ Go㎝コ︵曽︶ 鉢8︵ρρ︾.男爵二 お8y 電信会社が電信を送達するにつき過失があったため、原告が成立すべき契約関係を喪失した事件で、被告の責任が認めら 不正競争中営業関係に対する侵害       七

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︵29︶

東洋法学      八

れた︵≦霧8簿¢畿呂↓色品戦黛 。℃びOρ<.閃o壌濤§︾に一跨剛節。一誤︵お黛︶ 一〇刈竃ぎ鍋 一濫︵お8y なお竃①9℃鷺ω即窪導い曽瓢瓢緋宰Ω舞鐸震器∼いぎα零ざ一8竃諺憩旨斜︵お自との欝び餌きく.O o僧○護注霧誓, Ooζ箋ピ斜︾欝・節溝︵蕊雷︶じ O轟σR。 。ダO蒙8欝ω魯亀男鰻巳窪窓○ρ・蕊ωざ墾餌ε①︵お一ω︶など参照。 この点につきイギリスでは、逆に動機は不法行為の成立に影響しないとされる︵但し共謀のときは別である︶。 拶

       第七節被傭者の誘惑

 他人の営業関係を侵害する不法行為は.種々な方法を用いて行うことができるが.他人の被傭者をその雇主たる営 業者のもとから離れさせることによって.その営業者に損害を及ぼす行為は多くみられるところである、この行為に も.むろんすでに述べてきた原則の適用がある。むしろ.沿革的には最もはやくこの法理が適用されたものであるこ とは既述した通りであるが.ここに節を設けてさらに詳説する。  一.契約破棄のない場合  他人の営業関係を侵害する不法行為が成立するのを.単に契約が現存する場合のみに限るのは狭きに過ぎ.また雇 主と被傭者との間の信頼関係をも.ひろく.営業者たる雇主の暖簾に含まれるものと考えれば、一般には事実上雇傭 関係が存在すれば.それに関する明確な契約が欠除している場合でも、この関係に対する侵害も.また不正競争にな       ︵1︶ るとすることが妥当であるということも一応は肯ける。  しかし、雇主は労働者をより有利に使用し、被傭人はより多くの報酬を得ようとするのは当然で、もし被傭人が雇主

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のもとを自由に離れ得る関係、すなわち現存する契約上の拘束を負っていないときにも、他の競争者が現在より、よ い条件でその被傭者を勧誘することができないということは、営業の発展を阻害するものであり、自分にも最も有利 な労働者を使用せんとする雇主にとっても、また有利な条件で労務を提供すんとする労働者にとっても堪え難いとこ    ︵2︶ ろである。  雇主と被傭者の間に明確な雇傭関係の存在しない場合は、雇主はその被傭者を、競争者が説得して現在の雇傭から        ︵3︶ 離れるべく誘致することは何等不法行為とならないとし、もし雇主がその被傭者はすでに長年に亘って使用してきた ものであり、今後もその事実に基いて、永続的に使用する権利のあることを主張しようとするならば、その根拠を、       ︵4︶ 現存する雇傭契約に求めなければならない。しかしこの場合も、被傭者をその雇傭関係から離れさせるために用いた 方法自体が不法であるときは、むろん被告はそのための責任を負わなければならないと同時に、被告が単に原告に損 害を与えることのみを目的としてその行為をなした場合は、被告の行為はやはり不法行為となされなければならない であろう。たとえば、原告の被傭者の大部分を、原告のもとから離れさせることは、実際には被告は、その労働者の        ︵5︶ 労務を得ることよりも、原告の営業に損害を与えることを目的とする場合が多い。また、被傭者が単に雇傭関係を離 れるべく説得するだけでなく、前主の営業秘密を暴露させたり、顧客を奪わせることは不法行為を構成するが、これ は、雇傭関係に対する侵害とは別に論じられるべきことである。一方、その被傭人の特別な技能を被告が全面的に利 用することは、そのために原告に損害を与えることがあっても、問題とはならない。 不正競争中営業関係に対する侵害 九

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   東洋法学      一〇  ︵三︶ 20凶8<曹膨獲○類PωO客Sご鱗8︵一〇 。ミ︶旧麟霧江誘く’刃o蜜簿霧●き茎ρ①9︵一〇 。§︶  ︵2︶ギ㌶畠竃麟巨9曇‘︾答。轟津憶一。蜜吋霧9吋y額。搾。。 。一︵ρρ鋭曽斜一豫。 。︶︾導①旨器o り℃①。襲蔓Oρく’     Oo一蔚Ooこ器㎝搾露Φ︵ρ炉O o.U.目○≦貸おお︶噺︾び鉱窪8国簿霞鷺幽鑓餓嵩α亀○ρ○栴驚Φ毒審審亀.ぎoりく”閃蒔霧︸     窃刈Z鍔騎ぬG騨︵お蕊y  ︵3︶ご率︾簿欝巨募び・獲替・ユ霧く◎︵︶・霧・薮舞a鞘陣ぎ國監誘窪冨ρ題搾も o昌℃●①。 。①︵匂o り。O嚢k。おら 。①y  ︵婆︶ 霞鋤識塁露野鱗注9輿轡拶竃離駿塁じ 麺鎌菩霧O参繍ら 。轡渾︵ひ 。傷︶O認︵ρρ︾“⑳鼠ζお器︶8罫岱窪圃&鱒お郵鯵     ○ 燈㌶灘鴛ε贈く欝蕊の欝鱒蕊灘羅瓢欝OΦこ腰鑛搾揺蛉︵やρ鋭難F︸漫ご黛講。驚臨鑑駆箒餐罫も ○購軌黛︵遍灘○ Φy  ︵5︶ 憩魯騰難獅襲鷺懲麟撚囲囲蜀O鈴群欝諾欝隷.韓 な噂縄翻蜘ぎ鋳6燐こ欝㌶駿魯 肇射睡齢︵懸お︶嚇鱒瓢畷灘導 娠 際難淵ダの 燈欝簿     卜麟轡な 心灘 ゆ嬢︵感蕊︶︵原告会社の前取締役は.原告が営業を遂行するについて枢要な地位にある被傭者を.彼等を原告の     もとかも離れさせれば.原皆会社の組織に大きな影響を与えることを承知で.で詠るだけ多勢を懸告のもとから去らしめ     ようとして高給をもって勧誘した︶。≧落隣鷹魯藩鍵讐森欝罫器画ぢぎ躍譲3警餐噸9燃ζ驚搾︵霊︶雲︵◎◎     ︾鍍轡こ慧慈︶需搭階凱&銘㎝廻〆欝雛紹︵囲3鱒︶闘瞭8騨欝︵ご醜零鴨欝駕國欝剛轟篇◎息ざ 頴8剛︷森・”○ 。O Qぐ賞韓誤     ︵婆嵐y簿ρ  二.雇傭契約が現存する場合  現存する雇傭契約を破棄すべく.被傭者を誘致することは不法行為となる。これについてはすでに述べたところで あり間題はない。  雇主はその被傭者に対し.雇主の営業について全幅の注意と努力を傾けるべきことを要求することができるのであ り、もし被傭者が同時に別々の雇傭に服することは.雇主の同意が得られない限り.雇主の雇傭契約上の権利を侵害 することになる。たとえ被傭者が余猶の時間を利用して、別の雇傭にしたがう場合であっても、双方の雇主が競争営

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業者であるときは同様のことがいえる。けだしこの種の行為には双方の営業上の秘密の暴露がともないがちでありま た、これ自体雇主の信頼を裏切る行為であるからである。  この不法行為が行われるときには、さらに被傭者が前主との契約の存続を希望したに拘らず、その意に反して雇傭       ︵7︶ 契約から退くことを余儀なくされた場合で、被傭者が原告となり雇傭関係の侵害を理由とする訴やまた雇主の被傭者        ︵8︶ に対する契約破棄に基く訴も成立し得る。  ︵6︶ トψ閃8類昌霞鋤箆類震ΦOρくqぎ島節協”望○話類o蔦︷即8↓巽麟㌫¢ o︵お8︶脚ぽび&9︿・戸譲。韻餌≦閥①び 潟Z。     彰 ︵鱒山︶⑲置︵○窯o︾℃℃.お鼻一y  ︵7︶ 蜜簿き∼O琶9ざ一醤客霧の●畠㎝︵お9︶において類o巨①ωト日く﹁本裁判所における≦毘︷霧∼90鉱9     HS竃器の㎝脇︵鵠凝︶から鶯き替く●≦8富博嵩①累霧ω.お曇︵お8Mに至る一連の判決をみるとき次のことを疑うこ     とはできない。すなわち、第三者が悪意でしかも免責事由なく他人を原告の雇傭から退くべく誘致することは、その方法     が悪意の中傷であれ、説得によるものであれ、その他人に対する不法行為となる。  ︵8︶ ︾臼段8きω暮8旨○ρ︿。≦鋤携鎖壌膨葺叶800こG。一罫ざω︵淫︶G 。3︵お舞︶原告が提起した被傭者の契約破棄に     対する訴が敗訴した場合それは、被傭者を誘致した競争者を被告とする訴に関してはおユ&陣8鐙である。  三、被傭者の契約破棄を利用する場合 被傭者が自ら雇主との契約を破棄した後に、この被傭者を新に雇傭した者は、何等不法行為責任を負うことはな い。すでに古く、被傭者⋮殊に家内労働に従事する召使は、契約上の地位を与えられるよりは、むしろ身分的な靱帯 に拘束され、主人の附属物たるの性質を有していたので、この関係にあっては主人は召使に対する支配に関し封建的    不正競争中営業関係に対する侵害      二﹃

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東洋法学

二一       ︵9︶ な保護を与えられていたのであったが、やがて雇傭関係が身分上の関係から契約上の関係に移り、被傭者の地位も向 上した。被傭者はその雇主に対して雇傭契約上の義務を負担するのみで.それ以上の拘束を受けるものではなく.こ の契約に違背して雇主のもとを離れることは.契約破棄の責任を問われることはとも角.身分的関係に基いて.それ 以上の負担を課せられることはない。ゆえに.他の者がその労働者を新に雇傭することも許される。営業者は.自分 の営業を発展させ利益を増進きせるためには.あらゆる機会も見逃さないであろう。すでに前主との雇傭関係から退 いた労働者を.霞分の営業活動のために.より有利な条件で雇傭することも.麟瓢のために被傭者を誘惑するなどの行        ︵担︶ 為が介在しない限り不法行為ときれない。ただ被傭者が雇傭関係を離れた後において同種の営業に従事しないという        ︵鴛︶ 契約上の拘束を受けているときに.そのことを知りながら.新にその労働者を雇傭することはできない。しかし新し        ︵捻︶ い雇主が善意である場合は.この限りでない。  右に述べたところは.被傭者が前主との契約関係を離れた後に.その労働者を雇傭する場合であるが.被傭者が雇 主の信用を裏切り営業上の秘密を暴露したり.商品の安売りをしたりするのを他の競争者がその事実を知りながら利 用するのは不正競争であるがこれらについては別に述べる。 ︵9︶ ︵⑳︶ ︵難︶ ︵鶏︶ 8︸おびo鉱◎ 陰鍵類餌○ っ鑓仲舞Φo断一〇 。総胴8ぴoの8茜欝○ り鐙讐欝焦おOGo9 φ8≦○罵脅o oo霧く硬2の薙○延霧霧穆蝕δで竃鑑①噂鋤馨ωOoこごら oび鋤●ωo oo 。 >。ω8簿俸○ρ<●ご伽く貫︸怒o畷搾o o謡︵ρρ瞬齢U.蜜ぎ罫お○群︶● これには反対の説もある︵︸切89俸Oρ<ゆご磐量一零潮o 。蕊︵ρρ鍔⇔ ︵お黛y 鐘答劉 搭O騨︶

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第八節 サプライヤー及び顧客の誘惑

 一、サプライヤー  営業競争の相手方に、契約によって商品や役務を供給する者を誘致して、その契約を破棄せしめる行為も、営業競 争においてしばしばみられる事例であり、同様に不正競争とされる。          ︵1︶  ω$ぎきく●ζ貸ω富鵠が有名である。原告はニューイングランドにおける、特定のホテルの排他的代理人として、 八ヵ月問の契約を結んでいた旅行案内業者であった。原告の競争相手である被告は、その契約が存在しているのを承 知で、それらのホテルの代表者に対し、原告以外の者とも同じく代理契約を締結すべく説得した。被告の行為に対し て差止命令がなされた。  代理契約に関して同様な事件がある。原告はシボレー自動車会社の販売代理権を持っていたところ、被告もやはり 販売代理権を獲得しようとしてシボレi会社と交渉し、それに成功した。その後シボレー会社は、原告が、通知に関 する余り重要でない規定に違反したことを理由として、原告との契約を破棄した。裁判所はこの事件で明確に被告の 責任を認め、 ﹁故意に契約破棄を誘致することによって原告の財産を殿損せしめた者﹂は、その行為に対して不法行       ︵2︶ 為責任を負うべき旨の判示をした。        ︵3︶  さらに古くは、一八九一年にケンタッキ⋮州裁判所で判決された二つの事件がある。これらの事件で裁判所は、被    不正競争中営業関係に対する侵害      二二

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   東洋法学      一四

告が脅迫や詐欺を用いて契約の当事者の一方を誘致し、他方の意思や目的に反してその契約を破棄せしめたものでな い隈り.悪意による契約破棄の誘致も訴訟の原因となるものではないと判示した。しかし、一九一七年には同州の最        ︵4︶ 高裁判所は.右と同様な事件において、原告の差止命令の訴求を認めた。  こうして、たとえばガス会社が、その競争者の一人と地方自治体との契約を.自治体の要路者を誘致して破棄せし   ︵5︶       ︵6︶ めた事件.映画館の経営者が彼の競争者及び彼の写真配給者の契約に干渉した事件.生産者が特許権保有者を誘致し        ︵7︶ ザ、.競争者に対する轟械の特許製品の製造契約を破棄せしめた事件.などにおいて.それぞれ原告は救済を与えられた のである雛 ︵1︶ ︵2︶ ︵3︶ ︵4︶ ︵5︶ ︸8羅麟器“蓉鱗︵εS︶ ︵なお本件で.マサチ.幽ーセッ、ツ州では.被告が原告の使用人を誘惑する行為と.被告が第三者 茄蟻 誘致して原告との契約を破棄せしめる行為との間に相違はないと判示されている︶。 ωo欝霧霞ぐ’O富護o圃霧鷺90醜OQこ一隷露鐵鍔ま○︵お8y なお男紋。 っ酔既甑雛 づ器蔑薦9愚鹸く。ぎ壌麟哨霊搾欝ギo費800ζ一欝搾︵濾︶蜀一︵ρρ︸o 。夢;おさ︶では.契 約破棄を誘致した者と契約を破棄した者に共謀があったとしている︶。 O欝簿ぴ霧陣零鯨鵠鼠圃圃く・浮憲惹器︸逡丙響 嵩榊︵誌豫︶ ︵原告と俳優の契約を破棄せしめた事件︶。じ ご象鷹建切マ o窪①冨携タ霞餌8蔦亀鳩豫麟累誌鰍︵蕊豫︶ ︵タバコのサプライヤーと原告の契約を破棄せしめた事件︶。 搾男甑亀ぴ①嶺く6窯oΩ簿蔓樽洲8こ︸お醤響㎝お︵おくy Oぎ導び霞の事件で原告は損害賠償を訴求しただけであったが、本件では差止命令も請求された。 ○鉱静o露簿2募δ塁一〇〇憎マ<.鎮鉱鉱鷺帯巴○霧OoこGoG o戸︵霊︶濠軒︵ρρ︾ε簿こお8y

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))

≧8鋸吋︾霊ω①導①馨Oρ︿’竃&α節9一一塁≧甕器導①艮Oo●︸ ≦9留くりO巳P一ミぎ繕︾や℃●8ω︵おωO︶● 8鼻︾霞●α8︵お8y  二、顧   客  営業競争の相手方と、その顧客との契約を破棄せしめるべく顧客を誘致する行為については見解が分れる。一はこ の場合も契約関係に対する侵害の一般的な法理が適用され、不法行為となるとする。たとえば原告と自動車の損害保 険契約をしていた者に対し、好条件を用いて誘致し、自分と契約せしめた被告に対し、差止命令が発せられた例があ ︵8︶ る。また特許権者である原告は、原料を一手に原告から購入することを条件として、多くの生産者と、その特許を有 料で利用することを認める契約をしていた。ところが被告は、その契約があることを承知で、ある生産者を勧誘し、       ︵9︶ 原告との契約を破棄して、被告から原料を購入するように説得した。これに対し予備的差止命令が発せられた。  その二は、右のような行為は原則として自由な営業競争の一環であり、その限りにおいて不法行為となるものでは ないというのである。ペンシルバニヤ州の最高裁判所は、傍論においてであるが、 ﹁コモン・ローにおいては、商入 その他の営業者は、他人の顧客を得るために、1刑法に違反したり、詐欺や強迫などにならない限りーあらゆる方法 を用いることができる﹂と述べている。事案は、アイスクリームの製通者である原告が、すでに独占的に製品を販売       ︵10︶ する契約を有する顧客に、被告がその製造するアイスクリームを販売することに対して差止命令を求めたのである。 依頼者の要求を処理する契約をしていた原告たる弁護士と依頼人との関係を知りながら、その依頼人を説得して自分        沿︶ の提案した解決方法にしたがわしめた被告に対し、差止命令を求めた事例では、裁判所は、被告は弁護士ではない    不正競争申営業関係に対する侵害       一五

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   東洋法学       一六

が、両者は競争関係にあるものと認め、適法な競争は契約関係に対する干渉を免責せしめると判示した。しかし本件 ではこの点には多く触れず、原告と依頼人との間には何等契約破棄は存在しないことを理由として原告の請求を認め なかった。  営業競争は端的にいえば.顧客獲得の競争であるといい得るであろう。営業者はその市場の拡張すなわち顧客の獲 得のために激しい競争を演じ.あらゆる方法を用いてその競争の勝者たらんとするわけであり.そのために用いられ た方法懲体適法である限り.適法な営業競争として容認するのでなければ.かえって藏由な営業競争を萎縮し.徒に 営業の独占を助長する結果を生じるであろう。ゆえに﹁商品の生産者がその製品を.他の生産者が独占的に同じ商品       ︵捻︶ を販売する契約をしている営業者に対して売り込むことを阻止するいかなる法も存在しないのであり﹂誤壕のよラに法 が働くことは結局営業の自由を阻害することになる。  営業競争が保護されるためには、競争が公正なものでなければならないということはいうまでもないことで、競争 相手の顧客を獲得するために用いられた方法が.不正なものである場合は.むろんその行為は適法な行為とされな ︵欝︶ い。さらに.注意すべきは.被告の動機である。被告が原告の営業に損害を加えることを唯一の目的で.原告の顧客       ︵艮︶ を獲得する挙に出た場合は.被告の行為は不正競争とされる。 ︵8︶ ︾葺o導o瓢冨霞ω●○ρズの餌鋤導拶ぞω8瓢甑瓜①ωOoもこ巽○搾鵠N 競争の事件によく類似していると指摘し、被告はその代理店を通じて、 りながら、顧客をしてその契約を破棄せしめたといっている。︶ ︵PρψO嚇笥イ お嵩︶︵本件で裁判所は不正 原告と顧客との間に契約が存在していることを知

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︵9︶ ︵10︶ ︵n︶ ︵皿︶ ︵捻︶ ︵慧︶ ≦oの瓜瓢α⇔びo麟ωo国一Φo嘗圃o俸霞曽欝貯o欝村ぎαROρ︿。U㌶簿o⇒飢o o$富驚び話 ︵営業競争もこの場合の免責自由とならないと判示された。︶ 勺置冨象℃び㌶U巴曼噂8山償o富く●OO帥閥段ΩなH80戦8箏Ooこω8娼鉾 9導①触自く響浮鍔蓉一ぎ一お一罫︾署●器︵ち蕊︶・ 評一一&巴嘗㌶U鉱蔓ギo費9ωく。○欝ざ憎Ω蔓H89$導OO●︶も 。。①評。 のo添震巴○鎚鼠oo嘆︾傷<oユω欝のOρ︿●類餌き出8詳一駕蜜一ωo,O o讃︵おQo㎝︶旧 ︵一〇蕊y O鋤壱Φ馨ΦぴOPo鍔℃●①o oO戸卜 ︵︶○こ霧ooコ話一︵O.ρご●qo一’一総O︶ 一罐︵一3の︶。 一黛︵お器︶● ωoびO質妻巴傷く。 菊餌騎餌ぎρ G o鉢oO遙斜器

第九節 ポイコ

ツト  一、意   義     ︵1︶  ボイコットには、これまで幾多の定義がなされてきたが、総べての場合に共通する定った定義はないといってよ い。たとえばボイコットとは、営業関係から、他人と共に退くこと、あるいは第三者をそうすべく誘致するための組        ︵2︶ 織的な努力であるといいまた多数人が結合して、ある不特定人の要求に応じないという方法で、その者︵またはそれ らの者︶との取引またはそれらに対する援助を、中止したり停止したりすることであり、その目的は、ボイコットさ       ︵3︶ れる者を結局屈従せしめることにあるとか、ボイコットとは、一般に秘密に、多数人が同盟し、ある者に対して、不 快なこととか、迫害とか共謀者の復讐をうけるとかいうような脅迫を用い、他人との取引を停止させることによって        ︵4︶ その他人に損害を及ぼすように仕向けることであるというものなどがある。    不正競争中営業関係に対する侵害       一七

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   東洋法学       一八  ボイコットをわけて一次的ボイコットエ次的ボイコットとすることについては後述するが.右に引用した定義も、 後二者はそれぞれ一次的ボイコット及び二次的ボイコットのみに関する定義であるといえるであろう。       ︵5︶  ボイコットを分折的に検討すると次の六の要素に分解できる。すなわち.ω二以上の人の結合㈱他人との取引また は他人に対する援助の中止または停止の意図.の他人の要求の拒否.◎ボイコットされた人に対する、黙諾あるいは 屈従の強制.㈱侵害の故意.@脅迫がそれである。ところが.後の三点は必ずしもボィコットに欠くべからざる要素     ︵§︶ ではないので.したがってω@を結合してボイ灘ットを定義することができるであろう。その特長とする記ころは. 組織的になされる努力にある.この点はいままで述べてきたところの営業関係に対する侵害と異るところで.いわば ボイコ冑.トは.他人を営業関係から退去せしめる組織的な努力であるということができるのである.前節まで述べた ところを営業関係に対する侵害の一の態様とすれば.ボイコットはそれと異った態様を有する。すなわち前者におい       ︵7︶ ては.現在及び将来の契約関係から退去すべく他人を誘致する行為であり・対象となる取引は特定され.しかも被誘 致者が被告の申出を承諾すれば結果の発生があるわけである。ところが後者では.被告の目的とするところは特定の 取引に限定されず.ひろく原告の市場における地位に向けられるのである。前者においては被告の行為は一般に偶発 的傾向が強いのに対し、後者においては組織的に行われることが特長である。このようにボイコットは多数人の結合 と密接な関係があるため.共謀とも関連性が深く共謀についても本節において触れることにする。 ︵1︶ ボイコットという言葉は、 であるといわれる。 近隣の者に絶交され苦境に立たされた9讐鉱添ゆ建8辞なるイギリス人の名前から出たもの

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︵2︶ ︵3︶ ︵4︶ ︵5︶ ((

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)) 回) 8器①び質蕊腿・ ︾β蜘Rのop.の↓餌妻Uざ瓢o樽巽ざ 切o信く富、のび餌類U凶o識o瓢餌蔓。 要求がなくてもボイコットは成立するし、ボイコットされる者は常に屈従が期待されているわけではなくまた、自分の営 業を防衛するためにこの挙にでる場含もあるなど多彩である。 ○巴露蚕質Pや 99 ボイコットと契約関係に対する侵害の相異を、後者は現存契約のある場合であるとする説もあるが、それは狭きに失す るo  二、態様と適用法          ︵8︶  営業上のボイコットは一次的ボイコット︵準巨鎖曙σ28εと二次的ボイコット︵。 。①8&鶏矯ぴε8一け︶に分類さ れる。一次的ボイコットは、行為者自身が直接不満の相手方との取引を中止または停止して圧迫を加える場合であ り、二次的ボイコットとは、行為者が第三者を誘致して、不満の相手方との取引を中止または停止せしめることによ って間接に相手方に圧迫を加える場合である。これらについては後述する。  また営業上のボイコットにおいては行為者及び被害者が夫々一人の場合と多数の場合があり、その動機も市場にお ける優勢を得ること、相手の不正競争に対抗すること、商品の流通機構を整序することなどにあり、これらによる分 類で可能である。  ところで、これら種々の態様のボイコットに対して、いかなる法が適用されるかについては未だ確定したところは なく、現在もその形成期にあるということができる。ボイコットに関し裁判所が適用する法に少くとも次の三がある。    不正競争中営業関係に対する侵害       一九

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   東洋法学      

二〇  まず一般の不法行為に適用されるもので、ボィコットは一応の不法行為であり、免責自由がない限り被告に責任あ りとされる。その二は.共謀の場合に適用されるもので、二次的なボイコットは、結合という要素のみで違法である というのである。共謀については款を改めてやや詳細に述べる。第三は、反トラストについての法であり.それによ れば、反トラスト違反があれば.ボイコットは不法であるとする。しかし.これらは何れも.それ自体でボイコット の場合に適用されて充分な解決を与えるものではなく.具体的な場合に事件の状況を分析的に老慮して.総合的な判       ︵嚢︶ 断がなされなければならない. ︵g︶ ︵9︶ ボイ欝ットは.その主体と馨的によって.鴬とえば営業上のボイ謙ット.労働争議に関するボイ灘ットその勉宗教的・民 族的・社会的・政治的ボイコットなどに分類することができる.なお労働争議に関するボイ灘ットにつき.田中和夫﹁米 国労働法﹂五六頁以下参照。 コールマンは指導的な法は競争秩序に関する法のうちに見出されなければならないとして.ωボイコットは自己防衛のた めの手段であり.㈲特定の競争者に侵害を加えることを内容とするボイコットは不正競争を構成するものであり.偶公衆 に訴えることは誹殿であるとしている。 ︵9篤欝簿ど劉①ホy  三.一次的ボイコット  一次的ボイコットとは前に書いたように.行為者が、ボイコットしようとする不満の相手方と取引を申止または停 止して、直接その相手方に圧迫を加える場合である。ボイコットは、一人が他入と取引することを組織的に拒否した り、第三者を誘致して他人との取引を拒否せしめたり、多数人が合意して他の当事者との取引を拒否したりする場合

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に成立するが、この最初の場合が一次的ボイコットであり、第三者に対する誘致や合意を含むものは二次的ボイコッ トといわれるのである。  一次的ボイコットの適法不適法は、目的の適法不適法と手段の適法不適法とによって決定される。営業者は、その 商品をできだけ多くまた広範に販売しようとすることが当然であり、取引を拒否するのは例外の場合である。それは たとえば、取引の相手方に対して敵意を抱くときとか、経済的な信用がないときなどがこれにあたる。また、自分の 営業を有利に導くために、卸売業者が自分の競争相手や自分の顧客に製品を販売する生産者との取引を拒否したり、 小売業者が同様に卸売業者との取引を拒否したりする場合がある。そもそも、人がその好むところにしたがってある       ︵10︶ 者と取引し、あるいは取引しないということは、そのこと自体は何等の不法行為責任も生じるものではない。それは       ︵n︶ 免責事由が存するからではなく、始めから不法行為を構成しないからである。ゆえに右のような場合も、用いられた       ︵12︶ 方法が適法である限り、他人に対する取引の拒否は原則として不正競争とはならない。  ただ社会生活が進歩し複雑性を加えるとともに、私企業は単に営業者の私的利益獲得のために働くばかりでなく、 企業の内容によってはたとえば電気・通信・交通などのように公益と密接な関連を有するものもあるわけで、これら の企業についても右に述べたところにしたがって、取引拒否の自由があることは明に失当である。ゆえに第一次的な       ︵招︶ 取引拒否の自由はまた公益という観点から制限をうけなければならない。  一次的ボイコットが適法とされるためには、その目的が適法なものでなければならない。たとえば他人との取引を        ︵14︶ 拒否することによって、その者を市場から追放し、営業における独占を企図するようなことは不法である。    不正競争申営業関係に対する侵害       二一

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   東洋法学      

二二  ある者が第三者を誘致して他人との取引を拒否せしめることは二次的ボイコットであることは前に述べたが.たと        ︵箆︶ えば生産者がその代理店をして他人との取引を拒否きせる場合などは生産者と代理店は法律上一体であるとされる。 ︵⑳︶ ( 難 ) ︵鴛︶ ︵B︶ ︵碁︶ ︵拓︶ 販売を拒否するという営業者の権利は、 ﹁私人はその財産を譲渡する権利を保護されなければならないという確立された 基本的な法則に拠っている﹂Q︵じ ごぢ零調8冨剛蒔簿8即8器Φ8も o象誤磯巴Φ避ト︵お属︶麟一総︶ 轟鷲鷺瓢蹴び魯・瓢幹轡瞬欝︵取引拒否の自由は・しばしば特権として説明されるが・特権が間題となるからには・まず 一応の不法行為が存在しなければならない・特定人玄たは・いかなる人とでも取引か噺拒否する欝曲は・単に癬怠である場 合に関することが多い︶。  翻話舞鋭 簿轡、噂黙⇔満ヂO羅瀞欝翫≦圃導簿︵爵聯詑噛搾麟︵◎ρ︾ ㌶簿鳩お雛︶畑欝講欝魏群6鰐嚇剛勲 9嚇購遍灘譲魯.一韓︵部蕊︶榊畿糞獣欝湛鎗霧紳︾鷺驚搾繋團國鮮9ζ蕊轡搾︵韓︷脚︶蕊o Q︵ρρ︾ 餐ご 瞬温欝 ︵騨鵜簿導く習8鴨減.巴鷺瞬薦慧鷲鍔OQ;鱒瞬男︵鷺︶零Q Q︵ρや鋭響︵控一総○ 。y などは競争をこの場合における免責事由として取扱っている︶。 獅捲繋︾篇麟纂冨鱒噂霧鰹Φ穆窪69︿嬬O議麟濤o断類落溝Ooこトo卜o“搾き︵ρρ︾曽鳥こお嶺︶ 気餌慧§鉱鵠種o蝕o霧陣欝鵬6ρ質ご鉱触鑑も ○叶鶏霧︸o oお葺も 肇“おO︵お齢︶”鍵oぎ戯誘︿⑫≦pン⇒誤圃離s鳥o霧酔ぎ畿 Oo”鑑屑窪瞬鼠巴讐ぎ誤齢鍔︵霊︶㎝お︵ρρ>ω益;ち窃︶い簿需撃08弩噂魯◎60︿墜︾器o息簿Φ儀ギ①聲蕊騨 鷺げ歳⇔○O Q︵お8y 留器齢法鱒降麟o費閥090︷窟o類穫o嘆悶︿駐Q りo縁冨讐螢5ε鷺効齢霧欝欝OOこ鱒誌鍔Q o’o o紹︵お鴬︶旧叢凶鐘當鶏一︾甑窪 回器◎ぐ“幣豊震鉱↓鶏鳥Φ60β露叢0 9δダ額①搾︵曽︶鍵継 o︵ρρ>浮鳥こお餐y簿ρ ¢鉱o欝樽鷲騨難oOO巴Oρ︿●⇔鼠け&o o欝秒霧︸一お檸謡憶︵ρρ>o G浮こお8︶ 代理人が二以上の者の代理として、ある者と取引の拒否をすることは二次的ボイコットとして不法である。 ︵9島震く噸 ︾簿震一8霞80鼠8000こ憲一︾℃多9く“麟⇔ o︵這S︶︶

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 四、共   謀  二次的ボイコットについて述べる前に、ここでそれと関連の深い共謀に関して老察するのが便であろう。  共謀︵8霧皇莚2︶とは二人以上の者が他人に損害を加える目的で結合し、その結合に基いて行動し、その結果そ の他人に損害を生ぜしめる不法行為であるとされている。すでに古く共謀令状︵毒旨98蕊o富2︶なるものがあ          ︵絡︶ って、訴訟手続の濫用に対する訴に利用されたが、この令状の適用は比較的狭かったので利用される機会が少く、代       ︵質︶ って、それと同じ性質を有するケースの訴が用いられるようになった。  やがて十九世紀に至り、自由な営業競争の発展にともなって、再び共謀が法律上の問題として論議されるようにな ったのである。しかし、果して共謀なる不法行為が存在するかについては、未だ完全に明確にされたとはいえない。  共謀に関する判決として見落すことのできない一連の判決がある。すなわち、ζ○α⇔鼠碧霧糞診609<●寂。○話、       ︵綿︶      ︵珀︶      ︵20︶       ︵盛︶ αq ①び○○類節Oρ○餌ぎダい①毘お3ωo羅色<。ω導一島08津R頃碧傷≦○ぎ⇒鵠願羅冒↓壌8000■∼くΦ一こ一が それである。まず竃○夷p 。一ψψOρ の事件では二人以上の者が結合して行動し、他人に損害を与えた場合でも、 結合者の営業を保護し拡張するために行為がなされ、しかも何等不法な手段を用いない限り不法行為とならないとさ  ︵22︶ れた。○蓉窪く●匿簿富ヨ事件の事実関係は前述したが、ここでは共謀は独立の不法行為であるとされた。もっと も原告勝訴の理由とするところは必ずしも明確ではなく、果して共謀の先例たり得るかについても疑点が存したので あるが、ともかくも、本件では、団結の目的が他人に損害を与えることにあるときは、共謀なる不法行為となるもの であると判示され、ことに本件の被告の行為が脅迫であるというも、それは数人が共同してなした行為であるが故に    不正競争中営業関係に対する侵害       壬二

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   東洋法学      二四

      ︵23︶ 脅迫となるのであって.同じ行為を一人でなした場合は脅迫でないといわれたところをみれば、本件の骨子は共謀に       ︵24︶ あったものということができる。        ︵25︶  ω臼亀ダも っ鐵聾では貴族院は.全員一致で被告は何等の不法行為をなしたものではないとして原告敗訴の判決を した。共謀の点に関しては.ω他人の営業を侵害する目的で二人以上の者が団結することは不法であり.その結果そ の他人に損害を生ぜしめた場合は訴え得べきものであり、㈲もし結合の目的が他人を侵害することでなく.結合者の 営業を保護拡張す熟偲ことにあるときは.手段が不法でない限り.たとえ他人に損害を生ぜしめた場合も不法行為とな らないというにあった。このように他入の営業に損害を与える共謀は不法行為となることは明にきれたが.その他の       ︵襲︶ 場合いかなる共謀が不法行為となるかは明確にされなかった。ついでぐ魯熱事件で右の法理が確認きれた、しかし        ︵貿︶ やはり一般に共謀が不法行為とされるか否かは未だ確定したものとはいい得ない。  なお.動機が不法行為の成立に影響を及ぼす点は.動機のいかんは不法行為の成否に関係しないという.イギリス        ︵鰺︶ の不法行為法における原則の例外をなしている。 ︵!6︶ ︵η︶ ︵娼︶ ︵鍛︶ ︵20︶ ︵激︶ 封建時代の有力者は訴訟において、証入・陪審員ときには戴判官をも貿収して自分の訴訟を有利に導こうとした。 ここから.今鷺の悪意告訴の訴が発展してきたのである。 鵠総︾③ρ⑳9 お〇一︾。ρ群㊤9 お謡︾。ρ刈09 這慈︾“ρ心ら ○磐

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︵22︶ ︵23︶ ︵24︶ ︵肪︶ ︵26︶ 原告も被告も漢国とロンドン間の茶を輸送することを目的とする船会社であったが、被告等は、茶の輸送を独占するため に、採算を無視した割引運賃を協定して原告の顧客を奪い、他方代理店に対して、原告のための業務を停止しなければ取 引を停止すると通知し、このため原告に損害を与えた事件である。 いぎ象oざい.い 数人が共同するときは、容易に目的を達し得るということは確であるが、一人ならば適法になし得る行為を、数人が共同 してなしたからといって、違法行為となるという理由はない。責任の原因は共同の点にあるのではなくて権利侵害の点に 存するものである。という反対意見もある︵頭暮蔚賓く●ω欝置8ω︸︵一。 。Oo 。︶い9炉一〇 。一︶。 原告はロンドンにおける新聞小売店組合員であり、被告はβ刊新聞販売委員会の会員であった。この組合は組合員に対し 新に開店した小売店に組合の許可なく新聞を供給した新聞卸売業者からは、新聞を購入しないように要求し、小売店の数 を制限しようとしていた。原告はR卸売業者と取引をしていたが、Rが組合の承認を得ずに新聞業者に新聞を販売したの で、原告は組合の指示にしたがってRとの取引を止めてから購入できるようになった。被告は組合の処置を不当なものと して、原告に対し、Rとの取引を復活しなければ、Wに対する新聞の供給を停止すると通知した。被告は単に自分の営を 保護せんとしたものであり、原告に対しては何等の悪意も、またこれに損害を加える意図もなかった。 事実は次の通りである。ルイス島の特産であるハリス・ツウィードは、もと手織で生産きれていたが、採算をとるために 他から織布を輸入して機械紡織をする工場が増加した。この島で働く紡績工の大部分及び同島の港で荷揚作業に従事する 仲仕は全部同じ労働組合に所属していた。被告等はこの経合の役員であった。組合は工場に対し賃金の増額などを要求し たが容れられなかったので、被告等は組合員たる仲仕に対し、外部から仕入れられる織布及びそれを用いた製品の荷扱の 中止を指令した。このため七つの工場が大きな損害をうけたので、被告等に対し共謀を理由として訴を提起した。被告等 のなした指令の目的は、結局組合員の利益と、工場間の競争を緩和して紡績業全体の利益を増進せんとすることにあっ た。そこで、貴族院は原告敗訴の判決をした︵なお労働争議については↓篤留U富28︾禽 る8の適用があるが、 本件では被告等はそれぞれ個人として訴えられたのであって、この問題は生じなかった︶。 不正競争申営業関係に対する侵害      二五

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︵解︶ ︵28︶

東洋法学      

二六 ぎ箆の誉霞野ρ及びぎ鼠≦吋蒔響は傍論で他人の業務以外の合法的な利益を害する目的の結合も不法であるとし ている。 ≧一窪罫密○&口o 。霧︺︸ρ ではそれ自体不法な手段を用いない限り動機のいかんは不法行為に影響しないとした。 本件は共謀に関する論争の材料とされるが事実は共謀に関するものではなかった。  五.二次的ボィコット  ニ次的ボイ識ットとは.しばしばふれてきたように.営業関係から他人を放逐するために.第三者を誘致しあるい       ︵器︶ は説得しまたは両者の合意によって.その他人との取引を拒否せしめることである。通常一次的ボイ撚ットは需要者       ︵総︶ と供給者間に.二次的ボイ饗ットは競争者間に行われる。このように二次的ボイ濃ットには少くとも二人の結合があ る。すなわち二次的ボイコットの要点は二人以上の結合ということになる。ところで営業競争において主として問題 となるボイコットは.二次的ボイコットである。この意味で以下単にボイコットというときは二次的ボイコットを示 す。  ボイコットには種々の態様がある。まず一営業者が他の一競争者に対する場合.たとえば被告製材業者が原告であ       ︵説︶ る製材業者のサプライヤーまたは顧客を説得.脅迫などして.原告との取引を停止せしめること。一営業者が他の総 ての競争者に対する場合.たとえば商品の生産者と排他的な取引をする契約などはこれである。また営業者の団体か        ︵3 2︶ らその団体員あるいは非団体員に対する場合もあり、更に目的によって分類すれば.不正競争に対する手段としてボ イコットを用いる場合のように、純粋に自分の営業を拡張保護する目的でなされるときとか、他の競争者に損害を加

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えることのみが目的でなされるときなどがあるわけである。       ︵33︶  特定の競争者に対するボイコットは不正競争である。因象ωダ因巷℃理の事件では逆に被告に責任なしとされた。 本件の被告は原告の顧客を集め、もし彼等が原告から魚を購入し続けるならば、営業が立ちゆかないようにしてしま う。しかし、被告から魚を購入すると約束するならば、割引値段で販売し、原告との営業競争に勝って、原告の営業 を立ちゆかぬようにするであろうと告げ、それでもその顧客が原告との取引を継続するならば、被告自身が小売店を 開き、原告の顧客と競争営業をし、彼等が立ちゆきできなくなるような廉価で販売すると約束し、被告は実際にその ような店を開いたため、原告は営業を続けることができず、損害をうけた。裁判所は、 ﹁用いられた方法が道徳的に 不正なものであったとしても、そのことは被告の行為を不法とするものではない﹂といい、行為自体が適法であって も悪意のあるときは行為者には不法行為責任があるという理論は、これを一般的に適用し得るものではないとして、 原告の主張を認めなかった。  しかし、一般にはこの種のボイコットは不法行為となるとみるのが妥当である。たとえばω齢き盆乱Ω一〇ρ︿●  ︵34︶ ごo巳①では、被上訴人から石油の購入を継続する限り、その顧客等を営業から閉め出してしまうと脅迫したり、被上 訴人の被傭者に対して被上訴人の顧客に石油を販売するときは解雇せしめるなどと告げて、被上訴人の営業に損害を 与えることに対して、差止命令が発せられた。        ︵訪︶  また頭巳R唇く。評島Φ図蓉びきαQΦの原告は劇場の所有主であったがあるフィルム配給者からフィルムを購入す ることを拒否した。このためそれらの配給者は、原告に対してフィルムを供給している他の者を誘致して、原告との    不正競争中営業関係に対する侵害       二七

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   東洋法学      二八

取引を停止・しめた。原告は、被告等が共謀して.原告にフィルムの供給を停止することによって、原告が営業を継 続できないようにしたものであると主張した。原告の主張が認められ勝訴した。本件では配給者の行為は個々になさ れた場合に不法であり、その結合は単に不法性を強めるのみであるとされたが.共謀の証明がないことを理由とし        ︵36︶ て.原告に救済が与えられなかった例もある。 ︵黛9︶ ハ30︶ ( ( ( ( ( 36 35 3婆 33 32 ) ) ) ) ) 二次的ボイ灘ットとなるためには.単に第三者を誘致しまたは説得するのみでなく.経済的圧追茄噺加えるこ弘駄を要すると いう見解があるが.これにしたがえば二次的ボイ撚ットの成立すゐ範囲は狭くなる鞭たとえば甲が乙との取引を拒否する について一般消費者を説得しその協力を求めた場合は右の説では二次的ボィ雛ットとはならない。 ハンド漫ーはこの間の事情を説瞬して.畢は販売奢.乙は購入者丙は競争者丁は第三者とすれば甲が乙と取引するのを拒 否するのは需要者供給者間における一次的ボイ灘ット.丙と取引するのを拒否することは競争関係における一次的ボイ灘 ットであり・甲が丙または丁を誘致して乙との取引を拒否せしめること及び乙譲たは丁を誘致して丙との取引を拒否せし めることは夫々需要供給関係及び競争関係における二次的ボイコットであるといっている。 ︵類墜籍のび O鷺讐戦9羅噸峯 薄蕉o欝譲國o毒餌鋼拶⑩く串︵一器①︶慧㎝y ¢籔斡銭o o欝竃。 駁質欝轟鳩認Φ搾卜。謡︵O贋ρP鷺餌霧︶嚇ζ6簿巽<。鴨慧圃息峯醜器↓Φ馨醸︾慧厭巽Q︵おωGQy⑳硬ρ 鴫O繊敦︾噴轡邸o鉱一︵おも o㎝y 賦Q Q麟ざ⑦総︵おO脳y ⑳総礁9も っ噺8︸︵お継のQ ゆy 竃o駕Φ憲<9薫巴智器O譲餉ρ誌︵お蒔陣︶働 一人の営業者が他の総ての競争者を排斥して.その営業に関し排他的な取引をする契約を有することがある。

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これは営業の独占であり主として制定法の規制をうける。  自分の営業を擁護するために用いられるボイコットは、少くとも動機に関しては不法性を認めることはできない。 しかしたとえば一人でした場合は適法である行為も、二入以上の者の結合という要素が加昧されるときは、そのため        ︵37︶ に行為が相手方に対する脅迫となったり、営業上不当な制限を加える結果をもたらすこともあり得るわけであり、一 概にこれを適法であるとすることはむろんできない。各場合について、行為者の動機、行為の行われた時の状況、方 法などを老慮して判断しなければならない。  たとえば、商品の流通経路を変えて、ある営業者を妨害しようとする者に対して、ボイコットをもって対抗し、自 分の営業を保護しようとする行為につき行為者に責任はないであろうが、それも、正当防衛としての範囲を逸脱する ものである場合は、そのボイコットは不法となる。正当防衛は不正の侵害に対して、法的な救済を求める時間的余猶 がない場合に認められるものであるから、経済的事情が進展してある営業者に不利な状況が表れたようなときに、そ        ︵3 8︶ れを理由として正当防衛を主張することは認められない。このようなボィコットは、結局商品の自由選択という営業 者の権利を奪い需要供給の法則を侵すものである。その他不正競争に対抗するためのボイコットも、右と同様の観点 から取扱われてきた。たとえば価格協定による価格を破る営業者に対し製品の供給を拒否してその価格を維持しよう       ︵3 9︶ とすることは許されない。もっとも相手方の侵害が極めて明瞭であるときは、例外となるであろう。  団体がその構成員に対してボイコットをすることは、それが団体の秩序を維持するためのものであるときは不法行      ︵菊︶ 為とならない。ただし、むろんその方法自体が不法であるときはこの限りではない。しかし団体員以外の者がその団     不正競争中営業関係に対する侵害       二九

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   東洋法学       三〇

      ︵磁︶ 体に加入するのを拒否することは、営業の独占を企図する行為として許されない。同じく団体員以外の競争者を強制        ︵姐︶ 的に団体の規約にしたがわせようとすることは.契約の自由を侵害するものであると判示された例がある。  これらを概観するに.裁判所は多くの事件に反トラスト法を適用して判決をしてきた。この限りにおいては本稿の 論点からはずれるので.ここに詳細を記述することは避ける。  一方二人以上が他人に損害を与える目的で結合して.他入の営業に損害を加える行為は不法行為である.という共        ハ盤︶ 謀の法理をもって事件を解明せんとした判決もあり.共謀という独立の不法行為を.少くとも他人の営業関係の侵害 に関して認めることによってかなり明確にボィ謙ットの不正競争たる理由を説明することができるであろう。しか し.特に他人を害する目的でなく.欝分の営業を擁護するためにボイ慣ットすることもあり.それによってボイコッ トされる者に損害を加え得るわけである。この場合に用いられた手段は平穏に第三者を説得して.ボイコットされる 者との取引を拒否せしめたものであるとすれば.共謀の理論のみではこれを不正競争とすることはできないであろ う。ゆえにここで.目を用いられた手段に転じなければならない。       ︵騒︶  ピトニー判事は.ボイコットは.競争者の顧客に対し.脅迫的圧力を加えて競争者との取引を停止せしめることで        ︵妬︶ あるとして強制的圧力の点を強調するが.ボイコットには暴力が明瞭に表面にでることは必要でなく.平穏な説得も        ︵弱︶ ときに充分被説得者に強圧的なカを加え得るものである。したがってボイコットが脅迫とか暴行などをまじえること        ︵4︶ なく、平穏に行われたというのみでは、行為の適法性を示すことにはならない。  ゆえに.各場合において団結の目的、ボイコットに用いられた手段、当事者の利益、公共の福祉などを総合的に考

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慮して、その適法不適法が定められなければならない。 ︵37︶ ︵38︶ ︵39︶ ︵40︶ ︵姐︶ ︵姐︶ ︵4 3︶ ︵44︶ ︵45︶ ︵妬︶ ︵響︶ 噂8ののR●勺・器① 一人では適法になし得る行為が、二人以上結合してなされることによって違法とされることの根拠に関しては見解がわか れているが、 コのみではその惧がないのに反し、数が困惑を生ぜしめ、強制をなす﹂︶︵ぎ鼠営注竃ざ ぎO鉦葭 ピのω岳鋤睡口8ご︾ρおO︶という点を根拠とすると解し得るであろう。 ︵≦ぎ惚o罫質認一︶ 男ωω露sO甑αqぎ簿○誘、O鼠疑o鴎︾霧①二g︿。ぼα①騰巴臼鍔留OO目包q 。巴o詳G。一N偉9ホ団︵お障︶● もっとも割引価格で販売すること自体は、それ自体不法行為となるものではなく、価格協定を破って割引価格の提供をす るときでも、問題の重点は、その価格協定自体が適法か否かにある︵O巴冒弩ダマ鰹①y 一︶9巽<●漆類磯Oo鉱馨﹄鼠&一8一〇 〇〇〇こ一〇 〇①≦器鉾潟Q︵おGo①y 団体のこの権限は、ω規約及び手続が自然的正義に反しないこと、回除名は規約にしたがってなされること、囚手続が悪 意によってなされないこと、の三点によって制限されるQ ︵○ぴ餌富ρ6︸おぎ$覧巴︾汝巴誘9︾ω。 。09簿す誘298嘆 一︶8臨答蕊薫9 0署。ず肉Φく9︵おGoO︶8ω︶ 司a震蝕縛量留Oo筥簿一ωω坤oφ<●薫巴一8節謡搾︵毬︶“G 。も 。︵ρρ︾●G 。夢.お3y ぼo洋魯く,男巳o﹃①び鵠↓o⇒戸︾箸●O刈O︵おωo o︶● 蜜02Φ離困<。類里ジ器OZ。ρ刈ω︵一逡一y 甘ω鉱8鯨9亀ぎU唇一霞勺甑糞一轟ギ①ωの09︿●U8触ぎ瞬鱒密¢。9禽G 。︵お曽︶ 累凶房く’d薮けaω$富の勺触凶馨ぎαqOo;8︾署●鷺く・①8︵お簿︶● 評轟暮§什爵9弩。ωく。q簿a竃&8舗。ε3↓げ$冨○≦器箪。も 。搾︵卜。α︶譲斜︵ρρ鋭。 。旦おω刈y 国ooぎ吋俸罎欝声一巳<●いo信一ω︿崖o騨8鼠o剛罰器q呂Φ村項村客巽ω︸一〇 。G o錦ざミ一︵お8︶ 不正競争中営業関係に対する侵害 一三

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東洋法学

三二

第十節 贈

賄  営業上の競争における相手方の被傭者あるいは代理人に贈賄することは.営業者が種々な目的を達成するために用 いられる。たとえば営業競争の相手方の被傭者または代理人を.それによって誘致して雇主または本入との契約に違     ︵王︶       ︵2︶ 反せしめたり.雇主または本人の営業上の秘密を漏泄したり.営業上有益な資料や地位を提供させるような場合であ ︵$︶       ハ菟︶ る。また競争相手方の顧客に贈賄して.潅分の営業に有利に利用することもできるわけである。このように多くの場        ︵5︶ 合に用いられる営業上の贈賄は.イギリスでもアメリカでも一般に不正競争として扱われるが.アメリカでは主とし て連邦取引委員会によって.連邦取引委員会法第五条の適用として禁遍きれたのである、きらに.多くの州において       ︵6︶ も制定法で禁止する道を講じた。しかし.コモン・讐ーでも.この行為を不正競争とした例もある。その場合.贈賄 を営業関係に対する侵害として把えたのである。そこで本節において、総括的に営業上の贈賄に関する若干の問題点 について考察する。  まず営業上の贈賄とは.被傭人または代理人たる収賄者がその雇主または本人に通知することなく.贈賄者に有利 に行動することを期待して.被傭者または代理人に報酬を与えることであるとされる。ここに被傭者または代理入と は家事労働者とか代理店などを含むひろい概念である。また営業上の贈賄とは.信用関係の破棄を誘致すべく.被傭        ︵7﹀ 者または代理人に対し価値ある報酬を与えることであるともいわれるが、信用関係を破棄すること、報酬が価値のあ るものであること、などは必ずしも必要ではなく、また単に報酬提供の申出だけで充分であるとされる。

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