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2000年フランス失業保険改革とparitarisme 利用統計を見る

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2000年フランス失業保険改革とparitarisme

著者

中上 光夫

著者別名

NAKAGAMI Mitsuo

雑誌名

国際地域学研究

6

ページ

171-189

発行年

2003-03

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00003837/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

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国 際 地 域 学 研 究 第6 号2003 年3 月

2000 年フ ラ ン ス 失業 保険 改 革 とparitarisme

中 上 光 夫 ’ 17! 1 。2000 年 改 革 以 前 の フ ラ ン ス の 失 業 保 険 制 度 フ ラ ン ス の 失 業 保 険 制 度 は 、 フ ラ ン ス「 社 会 保 護 (protectionsociale )」 制 度 の 中 で 、 法 律 に 基 づ い て 設 立 ・ 運 営 さ れ て い る 「 社 会 保 障 (sScuritesociale)」 制 度 と は 区 別 さ れ た も の と し て 、 補 足 年 金 と と も に 、 全 国 レ ベ ル で 行 わ れ る 労 使 間 の 労 働 協 約 に 基 づ き設 立 ・ 運 営 さ れ て い る 制 度 で あ る 。o こ の こ と か ら 、「 労 使 団 体 の 自 治 と 政 府 介 入 の 弱 さ 」が 特 徴 と言 わ れ る フ ラ ン ス 社 会 保 障 に お い て も 、 失 業 保 険 は こ の 特 徴 が 特 に 顕 著 に 表 れ た 分 野 で あ る と 言 わ れ た り し た 。2) 失 業 者 に 対 し て は、 ま た 、 失 業 保 険 の ほ か に 、 種 々 の 扶 助 制 度 も あ り 、 部 分 失 業 に対 す る 補 償 制 度 も 存 在 し た 。 失 業 保 険 制 度 の 管 理 ・ 運 営 機 構 は 、 全 国 レ ベ ル の 組 織 で あ るUNEDIC ( 全 国 商 工 業 雇 用 連 合:Unionnationaleinterprofessionnellepourremploidansrindustrieetlecommerce ) と 、 各 地 に 置 か れ た 地 方 組 織 で あ るASSEDIC (商 工 業 雇 用 協 会:AssociationspourI'emploidansl'industrieetlecommerce) の二 層 構 造 に な っ て い る 。ASSEDIC は 加 入 登 録 、 拠 出 の 徴 収 、 給 付 の 支 給 、 報 告 資 料 作 成 等 の 出 先 機 関 と し て の 業 務 を 担 当 し た 。ASSEDIC は ま た 、 県 の 雇 用 ・ 労 働 ・ 職 業 養 成 局 やANPE ( 公 共 職 業 安 定 所:Agencenationalpourremploi ) と 緊 密 に 連 携 し 、 失 業 者 と 失 業 保 険 給 付 を 管 理 し た 。FNE (全 国 雇 用 基 金:FondsnationaldeI'emploi ) の 管 理 もASSEDIC が 担 当 し た 。 一 方 、UNEDIC は、 全 国 のASSEDIC を 統 括 し 、 全 国 レ ベ ル の 財 源 調 達 、 基 金 の 管 理 、 行 政 機 構 の 管 理 を 担 当 し 、失 業 保 険 の 実 施 に 責 任 を 負 っ た 。 こ れ ら の 機 関 は 、労 使 の 合 意 に 基 づ き 、「 政 府 の 介 入 を 最 小 限 に 制 限 し な が ら 」 失 業 保 険 を 実 施 し た 。 失 業 保 険 は、 す べ て の 賃 金 労 働 者 を 適 用 対 象 とし 、 い わ ゆ る 「 完 全 失 業 」 の 場 合 だ け で な く 「 部 分 失 業 」 の 場 合 も保 障 し て い た 。 ① 正 当 な 理 由 な し に 最 終 職 を 自 発 的 に 辞 職 し て い な い こ と 、 ② 季 節 失 業 で な い こ と 、③ 求 職 者 登 録 を し て 求 職 活 動 を し て い る こ と 、④ 肉 体 的 に 就 労 可 能 で あ る こ と 、 ⑤60 歳 未 満 で 老 齢 年 金 の 受 給 資 格 が な い こ と (60 歳 か ら は 老 齢 年 金 の 受 給 対 象 に 入 る た め、 失 業 保 険 の 適 用 対 象 か ら 除 外 さ れ る ) を 必 要 条 件 と し て 、 給 付 が 支 給 さ れ る こ と に な っ て い た 。 失 業 保 険 の 財 源 は 主 と し て 労 使 の 一 般 拠 出 に よ っ てい た が 、 こ れ と は 別 の 特 別 な 補 足 拠 出 も財 源 の 一 部 と な っ て い た 。 一 般 拠 出 の 拠 出 率 は 報 酬 に 応 じ て2 段 階 に 分 か れ て お り 、1997 年1 月 の 労 働 協 約 で は 、 ① 標 準 報 酬 月 額 が13,720 フ ラ ン 未 満 の 場 合 、 拠 出 率 は6.18% で 、 使 用 者 が3.97% 、 労 働 者 ・東 洋大学 国 際地域学 部 教授

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172 国 際地 域学 研究 第6 号2003 年3 月 が2.21% 負 担 す る、②標 準報 酬 が13,720フ ラン以 上54,880フ ラン まで の範 囲 にあ る場 合 に は、拠 出率6.68 % で、 使 用者3.97%、 労 働 者2.71% となり、超 過 拠出 の0.50% が労 働者 の み に課 さ れて い た。 こ の他 の特 別 な拠 出 は、 臨時 の措 置 であ っ た り、財 源 とし て は割 合 が 小 さな もので あ っ た。 こ の労 使 の分 配 率 は労 使交 渉 の主要 な 争点 とな り、頻 繁に 改正 さ れて きた。1974年に わず か に0.8%で あっ た 拠出 率 が1980 年に は3.60% 、そ し て90年代 の6 %台 へ と、失業 問題 の 深 刻化 に伴 っ て増 加 の一 途 を た どっ て き た が、90年代 か ら失 業 給付 抑 制政 策が と られ るよ うに なっ た 結果、 拠 出 率 はわ ず か なが ら 低 下 す るよ うに なっ てい た。 失業 保 険 の給付 に つい て は、 石 油危 機以 降 に多 種多 様 な制 度 が 導入 さ れて は、 改正 、 統 合、 廃 止 を繰 り返 し て きた 。90年代 に失 業保 険 財政 の悪 化 のた め、 政府 は制 度 の 統廃 合 と厳し い 支 出抑 制 策 を 打 ち 出 し た。1993年1 月1 日 の 労 働 協 約 は、 こ れ ま で の 失業 保 険 給 付 を統 合 し 、 単一 逓 減 給 付(Allocationuniquedegressive;AUD) 制度 を導 入し た。 これ に より、 支給 期間 が大 幅 に短 縮 さ れ たう え、 支 給期 間 内に つい て も、 通常 の 満額 支給 期間 と逓 減率 が適 用さ れ る期間 とに分 け ら れ た。 両 者 の 合計 支給 期間 は加 入 期 間 と年齢 に よっ て最低4 ヶ 月 か ら最 高60ヶ 月 の間 と決 め ら れ、 また逓 減率 も加 入 期間 と年齢 に より 異 なり、25% か ら8 %の範 囲 と さ れた。この措 置 は他 の 失業 給 付 、58歳 以 上 の 高齢 失業 者 へ の給付、 最低 支 給額 を下 まわ る給 付等 に は適 用 さ れない こ と になっ てい た。 単 一 逓 減給 付(AUD) は1997年 の協 約 に より表1 のよう に改 訂 さ れた。 失業 給 付 は また、 所 得比 例部 分 と定額 部分 か ら構成 さ れ、 所得 比 例部 分 は1997年 にお い て、 標 準 報酬 日 額 の40.4%相当 で あ り、 定額 部 分 は1 日当 た り58.35フラ ン となっ て いた。 年齢 に応 じ た最低 支 給額 も設 定 さ れる一 方、 支 給総 額 は標 準 報酬 の75% を上限 とし て い た。3) 表1 単 一 逓 減 給 付 の支 給 期 間 (1997 年 協約 に よ る ) 加 入 期 間 ・ 年 齢 通 常 支 給 期 間 逓 減 支 給 最 大 支 給 期 間( 月) 期 間 ( 月 ) 逓 減 率 ( % ) 最 終8 月 に4 月 間 の 加 入 4 - - 4 最 終12 月 に6 月 間 の 加 入 4 3 −15 7 最 終12 月 に8 月 間 の 加 入50 歳 未 満50 歳 以 上 4 7 目 14 −17 −15 15 21 最 終24 月 に14 月 間 の 加 入50 歳 未 満50 歳 以 上 921 1530 −17 −15 30 45 最 終36 月 に27 月 間 の 加 入50 歳 末 満50 歳以 上 20 27 25 33 −15 −8 45 60 出 所 :J.-J.DUPEYROUX,Droitdelasecuritesociale,]3eedition.p.1067

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中 上 :2000 年 フ ラ ン ス 失 業 保 険 改 革 とparitarisrae 173 11 .2000 年 の 失 業 保 険 改 革1. 失 業 保 険 改 革 の 展 開 労 使 間 の 労 働 協 約 に よ っ て 設 立 さ れ 、 運 営 さ れ て い る 失 業 保 険 や 補 足 年 金 の 制 度 に つ い て 、 使 用 者 側 は 、 近 年 の 経 済 成 長 の 鈍 化 や 市 場 競 争 激 化 等 に よ る 企 業 負 担 の 増 大 か ら 、 従 来 の 制 度 を そ の ま ま 続 け て い く こ と に 対 し て 不 満 を 高 め て い た 。 フ ラ ン ス の 経 営 者 団 体 で あ るMEDEF( フ ラ ン ス 企 業 運 動:MouvementdesentreprisesdeFrance.)^ リ ま、2000 年1 月 の 総 会 に お い て 、 本 来 労 使 間 の み で 平 等 の 代 表 者 数 に 基 づ き対 等 な 関 係 に 立 っ て 共 同 し て 社 会 保 護(protectionsociale) の 管 理 運 営 に 責 任 を 持 つ と い う 伝 統 的 な「paritarisme( 労 使 共 同 管 理 主 義)5)」の 論 理 を 無 視 し て 、 社 会 保 護 の 制 度 に 対 し て 、 近 年 国 が 介 入 を 拡 大(etatisation) し 続 け 、 そ の 結 果 、 制 度 の 効 率 的 か つ 財 政 上 健 全 な 運 営 を阻 害 し て き た と の 認 識 の 下 に 、2000 年12 月31 日 を も っ て 労 使 共 同 運 営(gestionparitaire) の 全 組 織 か ら 経 営 者 団 体 を 撤 退 さ せ る と の 意 向 を 示 し た 上 で 、 財 政 均 衡 と効 率 性 を 重 視 し た 方 向 に 「 社 会 保 護 制 度 全 体 を 根 本 的 に改 革 す る 」 た め の 見 直 し 作 業 を 今 後 労 働 組 合 組 織 と の 間 で 行 う こ と を 決 議 し た 。6)こ う し たMEDEF の 圧 力 を 受 け 、 フ ラ ン ス の5 つ の 主 要 労 組 で あ るCGT( 労 働 総 同 盟) 、CFDT( フ ラ ン ス民 主 労 働 総 同 盟:ConfederationFrancaisesDemocratiqueduTrvail) 、CFTC( フ ラ ン ス キ リ ス ト 教 労 働 者 同 盟:ConfederationFrancaisedesTravailleursChretiens) 、FO( 労 働 者 の 力:Forceouvriere,CGT-FO) 、CGC 管 理 職 総 連 合:(ConfederationGeneraledesCadres) はMEDEF

と の 協 議 に 応 じ る こ と と し 、 労 使 間 で 社 会 保 護 制 度 に 係 る 改 革 協 議 が 開 始 さ れ る こ と と な っ た 。MEDEF は「paritarisme{ 労 使 共 同 管 理) 」の 根 底 的 改 革 を 目 指 す「 労 使 関 係 の 再 構 築(refondationsociale) 」を 掲 げ た が 、 そ れ が 初 め て 具 体 的 に 適 用 さ れ た の がUNEDIC 協 約(laconventionUnedic) の 更 新 交 渉 で あ り 、 こ の協 約 に 基 づ く 失 業 保 険 制 度 改 革 で あ っ た 。 ま た 、2000 年 の7 月1 日 に 期 限 の 切 れ る 労 働 協 約 の 改 定 に つ い て も 労 使 の 協 議 が 行 わ れ る こ と に な っ た 。2000 年3 月17 日 に、 失 業 保 険 を 運 営 す るUNEDIC( 全 国 商 工 業 雇 用 協 会) の 役 割 を 再 定 義 す る 目 的 で 、 最 初 の 労 使 交 渉 が 行 わ れ た 。 そ こ で 、MEDEF は 、 失 業 保 険 を「 雇 用 復 帰 対 策 の 有 効 な 手 段 」と す る た め に、 職 業 養 成7)、 失 業 補 償 、 求 職 活 動 を 密 接 に 連 動 さ せ た い と 主 張 し 、 そ の た め に5 つ の 基 本 的 な 方 向 を 提 案 し た。 労 働 団 体 は そ の 提 案 に つ い て 話 し 合 う こ と に は 同 意 し た が 、 労 働 の 権 利 に 対 す る こ の よ う な ア プ ロ ー チ に 懸 念 を 抱 い て い た 。 MEDEF の提 案 の骨 子 は以 下 の通 りで あっ た。 ① 求 人 の 申し 出 と失 業 補償 水準 の 関 係 そ れぞ れの求 職者 に はそ の者 の 「有 効 と認 めら れる能 力 」 に対 応し た オフ ァ ーが行 わ れ るこ と に な る。 これ らの オフ ァ ー( あ るい は、 その オフ ァーに対 応 す る資格 を得 るた めの職 業 養成 ) を 拒 否し た場 合、 その者 は自 ら の求 職 活動 が 本物 で も真 剣で もない と立 証 す るこ と にな るの で、 失 業 手当 の調 整 をう け るこ とに な る。一 方 、「 い かな る オフ ァー もそ の能 力 に見 合っ て い ない場 合 は、

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174 国 際地 域学 研究 第6 号2003 年3 月 実 際 に再 就 職 の斡旋 を受 け る まで そ の 補償 額を維 持 す るこ とが で き る」。 ② 雇用 復帰 支援 の優先MEDEF は、「失業 期 間 の最 初 か ら、職業 活動復 帰 促進 措 置 を強 化 すべ きで あ る」との立 場 か ら、 能力 に対 応し た「 雇用復 帰支 援 契約 (Conventiond'aideauretoural'emploi:CARE )J に より、 すべ て の求 職者 が求人 のあ る 雇用 へ 到達 で きる職業 養 成 へ向 か える よう に する。 この措 置 は、 補 償 と雇 用 を組 み合 わせ た「 個 別的 サ ービ ス」 の枠 組 みの中 で 実施 さ れ、 各生 産領 域 ご と の復 帰 を 促進 し、「 雇用 確保力 (employabilite)」8)を改善 す る。 ③ 長 期 失業 者 の雇 用復 帰 家 庭 内 雇用 な ど、資 格 のい ら ない 雇 用 の創出 を促 進す る こ とが で きる よう に、「 雇 用小 切 手 」な どの特 殊 方式 を考 え、 個別 的 対 応 の枠 組 みの中 で実施 す る。 ④ 不安 定 雇 用対策 と新 型 雇 用契 約 「 公共 事業 の建 設現 場 の契 約 」 や「 公共部 門 の若 年者 雇 用契約 」 に倣 い、MEDEF は、 期 間 の 定 めのあ る雇用契 約 お よび 期 間の 定 めの ない雇 用契 約 と と もに、「 期間 が1 つ のプ ロ ジ ェ クト もし く は1 つ の任 務 の終了 と結 び つけ ら れ る」特殊 雇用契 約 の 創設 を提 案し て い る。 そ の方 法 は、「職 業 ご と に異 な り、 職業 養成、 失業 補 償 の権 利、 転 職斡 旋 援 助 な ど、契 約期 間 中 や契 約終 了 時 の特 定 の条件 を付 帯 さ せる 」 こ とがで きる。 ⑤ 若 年者 の就 職状 況 の改 善MEDEF は、 すべて の若 年 者 の ため に、各人 の個別状 況 を判断 し 、能力 貸 借対 照 表 の作 成 を可 能 にしヽ就 職 を援助 し 、必要 な 職業 養成 を提示 す る目的 で、進路相 談 サ ービ ス の実施 を提 案 す る。9) 4 月4 日 に も、MEDEF は、 現 行 の 失業 補償 の仕組 みに代 わ る もの とし て の 「 雇用 復 帰 支 援契 約 (CARE )」 方式 を提 案し た。 このCARE は、失 業 補 償よ、り も雇用 復 帰 を重視 し た失業 保 険 改 革 の 構想 で あ る。それ に よれ ば、個 々 の求 職者 には一種 の 個別 的契 約 が提 案 さ れる。求職 者 に は、 まず。 「我 々 はあ な たの 職業適 性 と能力 とい う財産 全体 へ出 資 す るこ と にな る」 と文 書で 通 知 さ れ る。 ま た、「 雇用 復帰 契約 に署名 する と、あ な たが 約束 を守 る とい う条 件で 、手当 が与 えら れ る こ とに な る」 とか 、「 契約 が締 結 さ れた ら、 我々 はあ な たに、 雇用 の オフ ァ ーか職 業 養成 を提 供 す る こ とに な る」 と通 知 され る。 次い で、 そ の 求職 者 の「 財産 」 と労働 市場 の求人 が対 照 さ れる。 もし 求職 者 が「 そ の 失業 者 ( 求職 者) に適 合し た一 そ の職 業 や地域 で平均 的 な 賃金 が 支払 わ れる 一 雇用 の オフ ァ ー」 を拒否 し た場 合 に は、「 失業 補 償額 が 見 直さ れる」こ とに な る。 一 種 の罰 が科 さ れ るわ け であ る。 そ の 後、CARE は「 雇用 復帰 支 援計 画 (Pland'aideauretoural'emploi:PARE )」 に 置 き換 え ら れ る ことに な る。CGT は この提 案 に批判 的 で あっ た。 だが、 他 の労働 団体 は、罰 則 規定 に は距離 を置 き なが ら も、 この提 案 に関 心 を示し て い た。 また、 こ の提 案が 実現 する に は、UNEDIC (全国 商工 業 雇 用協 会) とANPE (公共 職業 紹 介所 ) との接 近 が必 要で あっ た が、 そ れに は「国 との話 し合 い」 が 必 要 とさ れ てい た。

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中 上:2000 年 フラ ン ス失 業保 険改 革 とparitarisme 175

2000 年5 月24日、 使用者 団 体 のMEDEF 、中 小 企業 総連 盟(CGPME )、手 工業 者 職業 連盟(UPA ) と労 働団 体 (CGT な ど) がヽ 次 期 失業 保 険 協約 に 関す る前 文 の内容 につ い て、基 本 合意 に達 し た。 こ こで はヽ 中 心的 な 大 原則で あ る失 業 補 償に 関 す る労 使共 同 的措 置 の 維持 、契 約 主義お よび 労使 共 同 運 営の 継 続な どが再 確 認 され、「 雇用 復 帰 支援契 約 (CARE )」な ど の今 後 の話 し合 い の枠組 みが 定 め ら れた。 前文 で は、 労使 が 雇用 復 帰支 援契 約 (CARE ) を推 進 し てい く とだ け記 さ れた が、 こ れ は、CARE の具体 的 方法 に関 す る 反対論 が一 応乗 り越 え ら れた こ とを 意味 し てい た。単 な る意 図 の 表明 とい う 意 味合 い でし かな い 全 文 テ キ スト は、協 約 が 締 結 さ れた 場 合 の み署 名 さ れ る こ と に な っ てい た。 また、 前文 の起 草 過程 にお い て、 労 働 側は、 彼 ら の主 張し た い くつ かの 原則 が確 認さ れ て い るこ とを歓迎 し た。 例 え ば、 困難 な状況 にあ る若年 者 や長 期 失業 者 につ い ては、 そ の特 殊 な 状 況 が考慮 され るこ と になっ た。 雇 用復 帰 支援 契 約(CARE )は、 個 々 の求 職者 との関 係 にお いて 、 義務 的 な契 約 という より も任 意的 な契 約 とす る方 向 にはな っ た が、MEDEF は、 雇用復 帰 支援 の制 度 と求職者 との関 係 を義務 的 な「 契約 」 とし、 求 職者 に「 権利 と義務 」 を求 めた がっ てお り、 補 償 を受 け る失業 者 に とっ て、義 務 化さ れた制 度 的 な ものに な るか、任 意 的 な性 格 の ものに な るか は「 す べ て は これ から決 定 さ れる」 こ と とさ れて い た。10)6 月3 日 に は、 フ ァビ ウ ス (LaurentFabius )財 務相 とオブ リ (MartineAubry ) 雇 用連帯 相 は、 交 渉当 事者 に交渉 の再 開 を呼 び かけ、 必 要 な ら ば政府 も参 加 す る用 意 があ る こと を提案 し つつ 、調 印 さ れ よう とし てい る協 約 につ いて、PARE ( 雇用復 帰 支援計 画 )一CARE が呼 称変 更し た もの一 に は全面 的 な 支持 を表明 し つつ 、 次の よう な点 を批 判 した。 ①失業 給付 の改 善 が不充 分 であ るこ と。 失業 給 付 を受 け て い る失業 者 は93年 に は失業 者全 体 の53 % であ った が、 現在 は42% に す ぎ ない。 これ は、 不 安定 な 形 の 雇用 が増 えて い る こと によ るが、 これ らの労 働者 を 失業 保 険 でカ バ ー す るた め に は、 新 協 約 に盛 り込 まれた受 給 要件 の 緩 和(現行 の 過去8 ヵ月 に4 ヵ 月 就労 し てい るこ と とい う要 件 を過去14 ヵ月 に4 ヵ 月 とし た) で は不充 分で あ る。こ れで は、追 加的 な受 給者 は3 万 人 に す ぎず、給 付受 給 の 失業 者 は0.3ポ イ ンド の増加 に し かな らな い。 ②PARE (雇 用復 帰支援 計 画) の導 入 に伴 う 財 源が不充 分 で あ る こ と。 新協 約 で は、 失業者 は 失業 保 険 の給付 機関 (UNEDIC ) とPARE を 結び、 早 期再 就 職 に努 め るこ と となっ てお り、 この「 契約 」 を結 んだ 失業 者 に対 し て は現行 の給付 逓 減制 を適 用 し ない とし て い るが、 こ の た め に必 要 な財 源 を手 当 てし てい な い。そ のた め、給付 の逓 減 が実 施 さ れてし まう。710億 フ ラン の保険 料 が引 き下 げ ら れる予 定 に なっ て いる が、そ れ は、今 か ら決 め る こと はで きない。 また 、労 働者 の保 険料 引 き下 げ 予定 額 より使 用者 の保 険 料引 き下 げ予 定額 の 方が40% も大 き い。 ③PARE を結 ん だ失業 者 と それ以 外 の失 業 者 の 格差 が 生じ る こ と。PARE を 結 んだ 失業 者 だ けが再 就 職 の優先 的 な対 象 者 とな り、 それ以 外 の失業 者 に つい て は不 利 な状況 に 置 か れるお そ れが あ る。 また、 新 たに 導入 が予 定 さ れてい る再就 職 の斡 旋 を 拒否 し た失業 者 に対 する制 裁措 置 につ いて は、 要件 が はっ きり せ ず、制 裁 権限 がUNEDIC にあ るた め問 題で あ る。

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176 国 際地 域学研 究 第6 号2003 年3 月 ④転 職協 定や 転職 職業 訓 練手 当 な どが 、代替 的 な措 置 もな く廃 止 さ れてい る。 ⑤ 協 約 が違 法な 条項 を含 んでい る ので 、協 約全 体が 承認 さ れ ない。川 5 大 労 働 組 合 の う ち 失 業 保 険 改 革 に反 対 し て い たCGT とFO を 除 く3 組 合 と 経 営 者 側 が 、6 月14 日 に 合 意 の 議 定 書(protocole )を 決 め 、 最 終 判 断 を 各 組 合 執 行 部 に 委 ね た 後 で 、 さ ら にCGC が 合 意 か ら 離 脱 し 、6 月15 日 に はCFDT とCFTC の2 組 合 だ け がMEDEF と の 合 意 を承 認 し た 。6

月29 日 、MEDEF 、CGPME 、UPA の 経 営 側 と 、CFDT とCFTC の 二 つ の 労 働 団 体 は 、 新 し い 失 業 保 険 制 度 を つ く る 新UNEDIC 協 約 の 内 容 で 合 意 し た 。(7 月1 日 の 第1 次 協 約 ) こ の テ キ ス ト は 、6 月14 日 に 合 意 さ れ た 暫 定 協 約 に 基 づ い て 作 成 さ れ た 。新 協 約 は2003 年12 月31 日 ま で の 実 施 が 目 指 さ れ た 。 こ の 新 協 約 に よ れ ば 、 失 業 手 当 は も は や 失 業 補 償 で は な く な り 、「 雇 用 復 帰 支 援 手 当 (Allocationd ’aideauretouraFemploi )」 と な る 。2001 年1 月1 日 以 降 の 新 た な 失 業 者 は 全 員 、 契 約 に よ っ てPARE (雇 用 復 帰 支 援 計 画 ) に 登 録 し な け れ ば な ら な く な り 、 他 の 選 択 肢 は な く な る。 失 業 者 が 「正 当 な 理 由 な し に 」個 別 の 行 動 計 画 へ の 参 加 や 評 価 面 接 へ の 出 席 、「勤 勉 に 」職 業 養 成 を 受 け る こ と を 拒 否 し た 場 合 、 手 当 の 支 給 が 打 ち 切 ら れ る 。 斡 旋 さ れ た 就 職 を 拒 否 し た 場 合 も、 最 初 に 警 告 書 が 送 ら れ て か ら 、手 当 が20 % 削 減 さ れ 、最 終 的 に は 手 当 は 打 ち 切 ら れ る 。不 服 申 し 立 て は 、ASSEDIC ( 地 域 商 工 業 雇 用 協 会 )の 労 使 同 数 委 員 会 へ15 日 以 内 に 提 出 さ れ な け れ ば な ら な い とさ れ た 。2001年1 月1 日 の 前 ま で に 既 存 シ ス テ ム に 登 録 し て い る 求 職 者 もPARE を 選 択 す る こ と も で き る が 、 従 来 の シ ス テ ム に と ど ま る こ と も で き る と さ れ た 。

こ の 協 約 で は 、UNEDIC とANPE ( 公 共 職 業 紹 介 所 )の 役 割 は 明 確 に 区 別 さ れ た 。ANPE は 、 引 き 続 き求 人 や 情 報 の 伝 達 を 担 当 し 、 ポ ス ト や 職 業 活 力 養 成 を 提 案 す る 。 使 用 者 は 、 引 き 続 きANPE に 求 人 情 報 と「 提 案 に 対 し て 実 現 さ れ た 結 果 」を 伝 え る 。一 方 、民 間 機 関 で あ るASSEDIC が 、PARE の 制 度 を 管 理 し 、 各 求 職 者 とPARE と の 契 約 締 結 を 担 当 し 、 各 手 当 受 給 者 の「 個 人 行 動 計 画 の 良 好 な 展 開 を2 ∼4 週 間 間 隔 で 」 確 認 す る こ と に な っ た。 ま た 、 使 用 者 が 雇 用 に 関 す る 「 予 測 調 査 」 を 提 出 す る の はUNEDIC に な り 、そ こ で 職 業 部 門 ご と に 年 次 総 括 が 行 わ れ る と さ れ た 。保 険 料 の 拠 出 水 準 も 段 階 的 に 引 き 下 げ ら れ 、2002 年7 月1 日 か ら は 、使 用 者 が3.23% 、労 働 者 が1.67% と な る と さ れ た 。 し か し 、 協 約 に は 、2003 年12 月 ま で の 実 施 期 間 全 体 を 通 じ て 収 支 の 均 衡 が 守 ら れ ね ば な ら な い と 明 記 さ れ た の で 、 調 印 し た 労 使 は 、 保 険 料 の 拠 出 水 準 の 再 引 き 上 げ か ら 「 逓 減 制 の 復 活 」 ま で の 財 政 防 衛 の 措 置 を 講 じ る こ と が で き る こ と に な っ て い た 。こ の 協 約 の 内 容 は 、6 月28 日 に オ ブ リ 雇 用 相 に 伝 え ら れ てお り 、 当 局 の 承 認 が 待 た れ て い た 。 ま た 、 協 約 で は 、 協 約 に 調 印 し な い 団 体 は 関 連 機 関 か ら 排 除 さ れ る こ と に な っ て い た 。 調 印 し な か っ たCGT 、FO 、CGC の 労 働 三 団 体 は 、共 同 声 明 の 中 で 、 補 償 範 囲 の 改 善 、 解 雇 を 防 ぐ企 業 の 責 任 、 再 就 職 の 援 助 の三 つ の 側 面 を 強 調 し 、 新 規 交 渉 の 開 始 を 要 求 し 続 け る と と も に 、 対 案 を 作 成 し た 。12)2000 年6 月30 日 オ ブ リ 雇 用 連 帯 相 が デ クレ を 発 表 し 、 こ の 日 期 限 切 れ と な る 失 業 保 険 の 協 約 の 延 長 を 可 能 に し た 。 こ れ は 、 雇 用 連 帯 相 に 新 協 約 に つ い て の 検 討 の 時 間 を与 え る も の で あ っ た 。 オ ブ リ 雇 用 連 帯 相 と フ ァ ビ ウ ス 財 務 相 は 、2000 年7 月2 日 付 け の 協 約 署 名 労 使 代 表 に あ て た 書 簡

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中 上:2000 年 フ ラン ス失業 保険 改革 とparitarisme 177 でヽ6 月14 日に労 使 間で 合意 さ れ た協約 一 その発 効 には 雇用 連 帯 相 の承 認 が必 要 であ っ た一 に つい てヽ「失業 補 償 を改善 し ヽ 失 業者 を より円 滑 に就 業 させ よう とい う 意図 は共有 す る」 とし な がら も、 ① 経 済的 な理 由 で解 雇さ れ た労働 者 に 対 する 再就 職の 支援 を2000年12月31 日 まで延 長 す る、 ②1942 年 生 まれで40 年以 上 保 険料 を納 め た労働 者 が定 年 を前 に2000年12 月31日 までに退 職 す る場 合 、 年金 を 支 給 す る と いう2 点 を除 き、承 認 を 拒 否 す るこ とを 明 ら か にし た。 ま た、 ジョ ス パ ン (LionelJospin )首相 はヽ今 回 の協 約 は使 用者 側 と一 部 の労 組の 合 意で あ り、これ に よっ て 全体 を拘 束 す る制 度 を 決 めるべ きで な い との見 解 を示 し た。7 月11日、MEDEF の セリ エ ール(Ernest-AntoineSeilliere)会 長 は政 府 と協約 の再交 渉 はし な い と言明 し、フ月14日 に は、 シラ ク (JacquesChirac )大 統領 がPARE へ の支 持 を表明 し た。2000 年7 月24日 フ ァビ ウス財 務 相 と オブ リ雇 用連 帯相 は、使 用 者団 体、労働 団体 、UNEDIC に対 し て、 失業 保険 の新 協 約に対 する政 府 の承 認 拒 否 を通告 す る と ともに 「 交渉 の再 開」 を 要求 し た。 政 府 は、 新 協約 のい く つ かの条項 はPARE (雇 用復 帰支 援計 画 )の「 掲 げら れた 目的 と矛 盾 して い る」 と判 断し て、「交 渉 の再 開が 望 まし い」 との結 論に 達し た ので あっ た。 一 方、7 月26日 に は、 失 業 者 に不利 益 を与 えな いた め、政 府 は新協 約 か ら、「 雇用代 替 手 当(Allocationderemplacementpourl'emploi:ARPE )」制度(採 用 と引 き換 え に早 期退 職 を認 め る制 度)と「 転 職条 項(Conventionsdeconversion )」( 解雇 さ れた労 働者 に対 す る援助 )の延 長に 関 する契 約 変 更 の規定 を切 り離し て、 これ ら を認 め るア レ テ を 官 報 に 掲 載 し た。 こ れ に対 し て、8 月29日 に、MEDEF は、 中小 企 業 総 連 盟 (CGPME )、手工業 者 職業 連盟(UPA )と連 名 で オブ リ雇用 連帯 相 の6 月30 日の デ クレ の無効 を求 め る略式 訴状 を コンセ イ ユ・ デタ に提 出し た。 そ の理 由 とし て、 経営者 の三団 体 は、 協約 の 手続 きに 不 備 は なく、 政府 に この よう な デ クレ を決 定 す る権 限は な く、 また そ のデ クレ は様 々 の形 式上 の 欠 陥 を抱 えてお り、 労 使の 当事 者 が存 続 を望 んでい な い期限 切 れ の1997年協 約 を生 き返 らせ るとい う 法 律 違反 を犯 し た とい うこ とを 指摘 し た。MEDEF は、 さ ら に、 雇用 代替 手 当(ARPE )制 度 と転職 条 項 の延 長 の規 定 は協 約 の他 の部 分 と一 体 の ものだ とし て、 政府 が、 そ れらの 規定 だ け を協約 か ら 切 り離し て 認 めた こ とを批判 し た。CFDT とCFTC はこ の点 で は経 営 側に同 調 し なかっ た。13) 交 渉 が再 開さ れた 後、 最初 の協 約 に 調印 し た労 使 団体(CGC も加 わっ た)に よっ て、9 月22日 に 第2 の協 約 が締 結さ れた が、 一 部 の労 働組 合 は反対 して お り、政 府 も納得 し てい な かっ た。14) オブ リ雇 用 連帯 相 の就 任当 初 か ら予 定 さ れて いた 辞任 の日 程 (2000年10月18日 )が 迫 る頃、 政 府 と労使 の厳 しい 交渉 が 続 き、雇 用 連帯 相 は今 後1 年 間有効 な失業 保 険 制度 に つい て定 め た デクレ の 内容 を労使 双 方 へ提 示 し意 見 を求 め る準 備 を進 めて いた。 し かし 、10 月15日 から16日 の 深夜 にか け て、 ジョ スパ ン首 相がMEDEF (フ ラ ン ス企業 運 動) のセ リエ ー ル会 長 に電話 をし て会 談 を行 い、 政 府 と使用 者 の間 の行 き詰 まりが 打開 さ れ る こ となっ た。 首 相 は、MEDEF が 提 唱す る「 労 使関 係 の再 構 築」 が労 使 関係 を発 展・ 近代 化 さ せ る基 盤 に なる とい うこ と に同 意し、 労 使共 同運 営 の 原則 に 支持 を表 明し た。 こ うし て、 両 者 はUNEDIC (全 国商 工業 雇 用協 会 )協 約 の改 革 につ い て合 意に 達 し た。 政府 は、 当初 予定 し た デ クレ に盛 り込 まれ た内容 の うち、 保 険 料 の引 き下 げな どに関し て

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178 国 際地 域学 研究 第6 号2003 年3 月 妥協 を行っ た。 そ の結 果、10 月19日 に第3 の協約 が結 ば れた。 そ の後 も、政 府 と労 使間 の調 整 が行 わ れ、政 府は よう や く12月6 日付 の官報 にお い て、2001年 フ月1 日 に発効 す る失業 保 険新 協約 を承認 す る内容の 雇用 連帯 省 令 を公示 し 、正 式 に承 認し た。こ の協 約 は、 最 終的 にはMEDEF とCFDT 「」民主労 働同 盟)、CFTC( キリ スト教 労働 者同 盟) お よびCGC( 管理 職 総連 合)の3 労 組 との 間で 調印 さ れて いた。 そこ に は、MEDEF とCFDT が中 心 に なっ て 構 想し た新 雇用 復帰 支援 計画(PARE) が盛 り込 まれ てい た。 ただ し 、 これ らの労 働 団体 とMEDEF に よっ て調 印 され た すべて の 条項 が 含 ま れた わけ で は な く、ANPE-UNEDIC 協 約 と2001年1 月 に 国会 で 審議 され る「労 使関 係 近代 化 法(Loidemodernisationsociale) 」15)案 の成 立 を待 っ て 最終 的 な 内 容 が 確 定 さ れる こ と に なっ て い た。PARE は2001年7 月1 日 か ら 適 用 さ れ る こ と に なっ て い た。 今 回 の承 認 に より、2000年7 月に期 限 が切 れた 前協 約 に代 わ る適 用期間2003年12 月 まで の新 た な協 約 が発効 する こと となっ た 。16) 2. 新 し い 失 業 保 険 制 度 の 内 容 改 正 さ れ た 失 業 保 険 協 約 の 概 要 は 次 の 通 り で あ る 。 (1) 協 約 や そ の 付 則 に よ れ ば 、2001 年7 月1 日 以 降 、 全 て の 失 業 者 は 、 今 回 新 た に 失 業 保 険 制 度 に 盛 り 込 ま れ たPARE ( 雇 用 復 帰 支 援 計 画 ) に 署 名 し 組 み 込 ま れ る こ と と な る 。PARE は 、 求 職 者 と 補 償 制 度(ASSEDIC )と の 双 務 契 約 を 定 式 化 し た も の で 、 失 業 者 に対 す る 就 職 支 援 策 を 明 ら か に す る と と も に 、積 極 的 な 求 職 活 動 、呼 び 出 し や 面 接(entretien)へ の 出 頭 、職 業 養 成 や 奉 仕(prestations) の 活 動 へ の 積 極 的 参 加 を 求 職 者 の 義 務 と し た 。 義 務 を 守 ら な い 場 合 は 罰 が 科 さ れ る こ と に な っ て い た 。 署 名 か らl 力 月 以 内 に 、失 業 者 の 職 業 能 力 、資 格 に 対 応 す る 仕 事 の 種 類 、必 要 な 職 業 養 成 、場 合 に よ っ て は転 職 な ど に つ い て 、 検 査 が 行 わ れ 、 現 状 が 分 析 さ れ 、 そ の 失 業 者 の 「 自 立 度 」 を 評 価 す るANPE の 職 員 と の 面 接 が 行 わ れ る 。 こ の 面 接 の 結 果 に 基 づ き 、失 業 者 ご と に策 定 さ れ る 就 職 支 援 策 で あ るPAP (個 別 支 援 プ ロ ジ ェ ク ト :Projetd ’actionpersonalise)が 作 成 さ れ 、ANPE ( 公 共 職 業 安 定 所 )と 失 業 者 が と も に 署 名 す る 。PAP はANPE と 失 業 者 の 双 務 契 約 な の で あ る。PARE やPAP に は 、 再 就 職 に 必 要 な さ まざ ま な 職 業 養 成 計 画 や 職 業 養成 給 付 、 創 業 支 援 、 住 居 の 移 転 と い っ た 地 理 的 移 動 へ の 支 援 お よ び 就 職 困 難 者 を 採 用 し た 企 業 へ の 支 援 等 が 付 随 す る こ と に な っ て い た 。 そ の 内 容 は 各 人 の 「 雇 用 確 保 力 」 に 応 じ た も の と な る こ と に な っ て い た 。PARE 署 名 後6 ヵ 月 間 で い か な る 仕 事 も 見 つ け ら れ な か っ た 場 合 、 ま た は い か な る 雇 用 の オ フ ァ ー も な か っ た 場 合 、ANPE はPAP の 実 行 に 着 手 す る。 さ ら に6 ヵ 月 経 過 し て 、求 職 者 に 雇 用 を オ フ ァ ー で き な い 場 合 は 、PAP の 新 た な 実 行 が 着 手 さ れ る 。 そ れ は 、 雇 用 へ の 多 様 な 誘 い が 中 心 と な る 。 ど ん な 場 合 で も、PAP は 追 跡 調 査 の た め にASSEDIC に 伝 達 さ れ る 。 (2〉PARE に 署 名 し た 失 業 者 が 、 上 記 の 活 動 に も か か わ ら ず 就 職 に た ど り着 け な け れ ば 、 以 前 の 稼 得 労 働 の お か げ で 権 利 が 獲 得 さ れ た 期 間 、 失 業 手 当 の 支 給 が 維 持 さ れ る 。 従 来 の 失 業 手 当 逓 減 条 項 は も は や 本 文 に 記 載 さ れ て お ら ず 、PAP ( 個 別 支 援 プ ロ ジ ェ ク ト ) の 導 入 に よ り 、 事 実 上 廃 止 さ れ

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中上:2000 年 フ ラ ンス失業 保険 改革 とparitarisme 179 る こ と に な っ た 。 制 裁 規 定 は す で に 労 働 法 典 に 定 め ら れ て い る も の と 同 じ に な っ た。 政 府 は 制 裁 を 決 定 す る 権 限 をUNEDIC に 認 め な か っ た 。 一 方ヽ2001 年7 月1 日 以 前 にUNEDIC に 登 録 し た 失 業 者 に つ い て は 、7 月1 日 以 降 の 新 規 の 失 業 者 の よ う にPARE とPAP の 制 度 を 選 択 す る こ と も で き る が 、選 択 し な い 権 利 も認 め ら れ て お り 、選 択 し な い 場 合 は 、 失 業 手 当 の 逓 減 制 が 引 き 続 き適 用 さ れ る こ と に な っ て い た 。 (3)2001 年7 月1 日 か ら 新 た な 失 業 給 付 受 給 の 条 件 は、 そ れ ま で の「 過 去8 ヵ 月 中 に4 ヵ 月 」に 代 え て「 過 去18 ヵ 月 中 に4 ヵ 月 」以 上 失 業 保 険 料 を 納 め て い る者 と な る 。2001 年7 月1 日 以 前 か ら の 失 業 者 に つ い て は 、 そ れ まで の 権 利 を 保 ち な が ら 新 制 度 に 移 行 す る こ と が で き る 。 (4) 新 協 約 は 、 高 齢 失 業 者 手 当 (AllocationchSmeursages:ACA )( 求 職 者 が す で に 老 齢 保 険 に160 四 半 期以 上 拠 出 し て い る 場 合 に 、UNEDIC の 給 付 の受 給 期 間 が 過 ぎ て も、60 歳 に な る まで100 % の 給 付 が 受 け ら れ る と い う もの )、転 職 職 業 養 成 手 当 、お よ び転 職 協 定 于 当 の 廃 止 を 定 め て お り 、2002 年1 月1 日 以 降 は 、 こ れ ら の 給 付 は 廃 止 さ れ る 。 (5)2001 年1 月1 日 か ら、 失 業 保 険 料 率 は 使 用 者 が0.19% 下 が っ て3.78% 、労 働 者 が0.19% 下 が っ て2.02 % と な る 。 こ の 最 初 の 引 き 下 げ は28 億 フ ラ ン( 当 時1 フ ラ ン=16.62 円 )に 相 当 す る 。2002 年 に は さ ら に2 回 の 引 き 下 げ{2002 年1 月1 日 と6 月1 日 に各0.1% ず つ )が 予 定 さ れ て い た が 、 雇 用 連 帯 省 は 「 失 業 保 険 制 度 財 政 が 均 衡 し て い る と い う 条 件 下 に あ る 場 合 に し か 実 施 さ れ な い 」 と 、 そ の 後 の 引 下 げ はUNEDIC の 財 政 状 況 に よ る こ と を 強 調 し た 。ま た 、2001 年7 月1 日 か ら は 、社 会 保 障 の 限 度 を超 え て い る 高 額 賃 金 に 対 す る0.5% を 上 限 と す る 追 加 保 険 料 率 は 廃 止 さ れ、就 職 困 難 な 状 況 に あ る 失 業 者 を 採 用 し た 企 業 は、 保 険 料 負 担 軽 減 の 援 助 を受 け る こ と が で き る こ と に な っ た 。 (6) 求 職 者 が 給 付 を 受 け る た め にPARE の 制 度 へ 登 録 す る こ と が 義 務 な の か ど う か に つ い て は 、経 営 者 の 強 制 的 性 格 は 明 ら か だ と す る 見 解 と は対 照 的 に 、 政 府 は複 雑 な 立 場 に 立 っ て い た 。 政 府 は繰 り 返 し て 、PARE に 署 名 し な く と も 手 当 の 支 払 い の 障 碍 に は な ら な い と 強 調 す る の を た め ら わ な か っ た 。 コ ン セ イ ユ ・デ タ も こ の 問 題 に 明 確 に は 答 え ず 、PARE の契 約 は 補 償 の 付 加 的 条 件 を 構 成 し て い な い と い う に と ど め て い た 。政 府 の 見 解 に 従 え ば 、失 業 者 がPARE へ の 登 録 を 拒 否 し た 場 合 で も 、 失 業 補 償 の 受 給 に は い か な る 影 響 も与 え な い こ と に な っ て い た が 、 労 働 法 典 は、 失 業 登 録 方 式 に つ い て 何 も定 め て い な い の で 、 法 廷 闘 争 に 持 ち 込 ま れ る 可 能 性 が 大 き い と 考 え ら れ て い た 。

ま た 、PARE に 登 録 し た 失 業 者 がPAP へ の 登 録 を 拒 否 し た 場 合 の 扱 い に つ い て も、政 府 とANPE は そ の 失 業 者 は 逓 減 し な い 手 当 を受 け 取 り 続 け る こ と が で き る と 考 え て い た が 、MEDEF はPARE とPAP は 不 可 分 で あ る と の 立 場 を と っ た 。17)

III. 失 業 保 険 改 革 の 評 価

以 下 で は、RobertLAFORE の論文 に よっ て、 今 回の失業 保険 改 革を どの よう に理 解し たら よい か を考 えて みたい。

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180 国際地 域学 研究 第6 号2003 年3 月 1.paritarisme^ )の成 立MEDEF の唱 える『労使 関 係 の再 構 築(refondationsociale)』は、 基本的 にparitarismeの 刷新 を 目 指 し た もので あ り、 その最 初 の槍玉 に 挙げ ら れたの が、 失業 保 険制 度 だっ た ので あ る。 失業 保 険 を管 理 す るUNEDIC を 創設 し た1958年12月31日の協 約 は、2001 年中 に再 度期 限 切 れ に な る ので 、UNEDIC 協 約 の再 交渉 がparitarismeの刷 新 の目標 とさ れ たの であ っ た。 と ころで 、1945年10月 の オルド ナン ス によっ て設置 さ れ た社会 保 障 の仕組 みが、 その後paritaris-me が担 う こ とに なる 問題 につ い て決 めてい た。 そ れに よれ ば、「 社 会保 障 」に あっ て は、 金 庫 の 労 働 者 管 理 (gestionouvriere)( いわ ゆ る 『社会民 主主 義』 モ デ ルに対 応 す る もの) を求 めた。「 社 会 保護 」に つい て は、共 済組 合 形 態 の金 庫 の枠内 での 経営 者管 理(contrSlepatronal)が保 証 さ れて い た が、「社 会保 障」サ イド か ら は経営 者管 理 が問題 視 さ れて いた。 また、 協 約制 度 につ い て は、 社 会 保 障 の普 遍性 の 観点 から、 社 会 保障 の一 般 制度 へ の吸 収 に よ り協 約 制 度の 消滅 を は かる こ とが 必 要 と考 え られて い た。 経 営者 は、 当初 、 労働 者管 理 を後 退 さ せ よう とし た が果 たせ ず、 共 済組 合 の支持 を得 て、 協 約 制 度 の延 命 に努力 し た。こ うし て、1947年3 月14日 の2 つ の全 国的 団 体協 約 の調 印 に より、AGIRC (幹 部 退職 年 金制 度一 般 協会 ) が創 設 さ れ、 補足的 社会保 護 に 関 す る協 約 体制 の設 置 に行 き着 く。 そ の 後、1947 年 の先例 に 倣っ て、1961年12月8 日 の労 使合 意 に より、 非幹 部 サ ラリエ の た め にARRCO ( 補足 退職 年 金制 度協 会 ) が設 立 さ れた。 また、 政 府 の誘 いに 応じ て、58 年12月31日 の 全国 協 約 に よ り、失 業保 険 が設 置さ れ た。協 約制 度 の 進化 は1967年 に完成 し た。1967年の オ ルド ナン スに よ り、 社 会保 障 機関 の 内部 に も同 様 の 管理 モ デ ルが 導入さ れた の であ る。 そ れ は、 社 会保 障 に お け る労 働 者 管理 すな わち社 会民 主 主義 の 放棄 という代 償を伴 う もの であ っ た。社 会保 護 制度 の管 理 に関 し て1945 年 に経営 者 が失っ た地 盤 は60年 代中 葉 に広 く回復 さ れ た のであ っ た。 し か も、paritarismeの 名 の 下 に、連合 し た経 営者 が分 裂し た 労 働組 合相手 に 支配力 を発 揮し た ので あっ た。paritarismeは、 し た がっ て、 当初 か ら、社 会保 護 の諸制 度 を経営 者 が自分 の管理 下 に維 持 する た めの 経 営者 の 武 器 であ っ た ので あ る。18) 2.paritarisme とは 非 常 に広 い 意味で 、paritarismeの根 本 原則 は、労使 が平 等 の基 礎 に基づ き労働 組合 と経 営 者 の間 で 管理 責 任 を共 有 す るとい う も ので あ る とい え る。実際 に は、paritairesの制度 は非 常 に多 様 で あ る。 だ が、 そ れを2 つ の論理 に 区別 する こ とがで き る。 一 つ は、『純粋(pur)Jparitarismeで あ る。 それ は、 労使 間 の交渉 とそ の結 果 とし て の職 業 間全 国 団 体協 約 に 基づ いて 、論 理的 に は労使 で 管理 を共有 す る とい う もので あ る。 そ こで の労 使 の権 限 は 非 常 に広 く、 諸 機関 の財 源 と な る保 険 料 や諸 機関 が支払 う 給付 に 関し て も、 決 定 の権 限 が あ る。 だ が、 国 のコ ントロ ール がない わ け で はな い。図 式的 に は、国 の コ ントロ ール は、 団体 協約 の 承認 の メ カ ニ ズム を通じ て、 事 前 に行 わ れ る。 補足 的 退職 年金 の機 関 や失 業保 険制 度 は、 明 ら か に この 第 一 カ テゴ リ ーに入 る。

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中 上:2000 年 フ ラン ス失業 保険 改 革 とparitarisme 181

も う  ̄ つ は 『 参 加 型 (departicipation )]paritarisme で あ る 。 事 実 上 、 政 府 に よ っ て 認 め ら れ たparita 「isme で あ りヽ 国 の イ ニ シ ャ テ ィ ブ で 機 能 す る 制 度 の 中 に 、多 か れ 少 な か れ 広 範 な 管 理 権 能 を 委 ね ら れ て い る 労 使 代 表 を 入 れ た も の で あ る 。 こ こ で は 、 労 使 代 表 は 常 に 公 的 な 後 見 の 下 に 置 か れ て い る 。 こ の 第 二 の 形 態 は ヽ 社 会 保 障 諸 機 関 の 中 に 見 い だ さ れ る 。 そ こ で は 、 労 使 代 表(partenairessociaux ) だ け が 理 事 会 で 議 席 を 占 め 、 国 は 除 外 さ れ て い る 。UNEDIC に お い て 組 織 化 さ れ た 失 業 保 険 は 、『純 粋Jparitarisme の 型 に 分 類 さ れ る が 、 こ れ は 、1958 年12 月31 日 の 団 体 協 約 が 、 あ る 程 度 政 府 に よ っ て もた ら さ れ た も の で あ る に も か か わ ら ず 、 労 使 の 組 織 に よ り 同 等 に 管 理 さ れ る 制 度 を 生 み出 し た と い う こ と で あ る 。 経 営 者 側 とCGT 以 外 の 組 合 は 、『関 係 者 に よ る 管 理 (gestionparlesinteresses )』 の 名 の下 に 、 社 会 保 障 の 「 国 家 管 理 化 (d'etatisation )」』に 反 対 し た の で あ っ た 。 こ こ で は 、 職業 間 団 体 協 約 がUNEDIC の 定 款(lestatut)を 定 め た 。 創 設 時 の 団 体 協 約 は 、 定 期 的 な 交 渉 を定 め 、 拠 出 と 給 付 の 水 準 や 労 使 代 表 に 負 わ さ れ た 制 度 の 財 政 均 衡 に対 す る 責 任 を 決 め て い た 。 制 度 の 管 理 は 、 厳 密 なparitaires 規 則 に 基 づ い て 行 わ れ 、UNEDIC の 理 事 会 は 、 半 分 が 経 営 者 の 代 表 、 半 分 が 労 働 組 合 の 代 表 が 占 め る こ と に な っ て い た 。ASSEDIC は、 地 域 的 に 失 業 者 へ の 給 付 支 給 を 担 当 し てお り 、 こ れ もparitaire 構 造 の 理 事 会 を 有 す る と い う 定 款 を 持 っ た 。 と は い え 、『純 粋Jparitarisme に は 国 家 が 不 在 で あ る と 考 え て は な ら な い 。UNEDIC に と っ て 、 す べ て の 職 業 間 全 国 協 約 の 場 合 と 同 様 に 、 協 約 の 政 府 に よ る 認 可 は 、 失 業 保 険 が 、 協 約 に 署 名 し た 組 合 の 組 合 員 を 超 え て 労 働 者 全 体 へ 一 般 化 す る た め に は 不 可 欠 な こ と で あ っ た 。 そ う し た わ け で 、 協 約 が す べ て の 企 業 に と っ て 強 制 的 な も の と な る よ う に 、 労 働 法 は 協 約 が 労 働 大 臣 に よ る 認 可 を 必 要 と す る こ と と し た。 失 業 保 険 制 度 に と っ て 、1958 年 の 最 初 の 協 約 か ら 、 こ の メ カ ニ ズ ム は 形 式 的 な も の で は な か っ た。 政 府 に よ る 認 可 が 、 企 業 全 体 や 被 雇 用 労 働 者 全 体 に 失 業 保 険 制 度 を 適 用 す る こ と を 可 能 に し た ば か り で な く 、 私 的 な 制 度 と 全 体 の 利 益 と の 調 和 と い う 観 点 か ら も 、 国 の 手 中 に あ る 決 定 的 手 段 で あ る こ と が 明 ら か に な る 。 国 は そ の こ と を よ く 理 解 し て い た 。 こ うし て 、1958 年 以 来 、 大 臣 は 、 交 渉 が 不 調 で あ る と き 労 使 に 受 け 入 れ 可 能 な 妥 協 点 を 見 い だ さ せ る た め に 、 ま た 、 労 使 に 国 や 政 府 の 権 限 を 尊 重 す る こ と が 必 要 で あ る こ と を 思 い 起 こ さ せ る た め に 、 こ の 武 器 を 使 用 し た 。 つ ま り 、『 純 粋 』 の 場 合 で さ え 、paritarisme は、 労 使 の 『 自 治 (autonomie )』 で は な い の だ 。 国 家 の 影 響 か ら 逃 れ ら れ る 労 使 代 表 の 独 立 性(independance) と い う 論 理 は 理 解 さ れ な い 。paritaris-me は 、 い っ そ う 、 労 使 に 国 が 加 わ っ たtripartisme (三 者 共 同 ) と 捉 え ら れ る べ き な の だ 。19) 3.UNEDIC の 機能 の変 化paritarisme は、社 会保 護一 国家 が そ の保 証 人で あ る一 の全 体 との 関連 で し か、自 ら の位 置付 け を 明 確 に で きない し、paritaireの制 度 は、時 の経 過 と と もに、社会 政 策全 体 との関 連で し か維持 さ れ ず、 発 展す る こ とはで きない とい うこ と に気 づ か され る。 当初1958−59 年 に、UNEDIC は、あ る期間 職 業活 動 をし た後 で 失業 し た労働 者 に 補償 す るこ とを 目的 とす る社会 保 険の 仕組 み とし て専 ら考 え られ た ようだ。 その所 得 保障 の水準 は、 社 会保 険制 度

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182 国 際地 域学 研究 第6 号2003 年3 月 で は 当 然 の こ と な が ら 、就 業 時 の 賃 金 に 結 び つ い て い た 。 だ がヽUNEDIC はヽ 補 償 の 論 理 の 観 点 だ け か ら 、 拠 出 の 徴 収 と給 付 の 支 給 だ け を 行 う 機 関 で あ る こ と はで き な く な る 。そ れ は 、 失 業 水 準 に よ っ て な す べ き 機 能 が 決 定 さ れ る とい う こ と で あ る 。80年 代 の 大 量 失 業 の 進 展 と と も に 、paritaireの 制 度 は 、 国 家 が 管 理 す る 社 会 会 計 の 均 衡 政 策 の 枠 組 み の 中 で そ の あ り 方 が 決 め ら れ て い く こ と に な る。 繰 り 返 さ れ る 財 政 的 破 局 を 避 け る た め 、 国 家 の 圧 力 の 下 、 労 働 組 合 は、 失 業 者 の 補償 条 件 の 制 限 の 強 化 を 受 け 入 れ ざ る を 得 な く な る。1979 年1 月16 日 法 −1979 年5 月16 日 の 職 業 間 合 意 に よ っ て 完 成 さ れ る 一 がUNEDIC の 内 部 で 保 険 の メ カ ニ ズ ム と 失 業 者 へ の 公 的 援 助 を 結 び つ け た 後 で 、1984

年 改 革 は、UNEDIC の 内 部 で も 、「 保 険 制 度 (regimed'assurance 」」 と 「 連 帯 制 度 (regimedesolidarite )」を 区 別 し た。「 保 険 制 度 」で は 手 当 が 逓 減 制 の 原 則 に 従 う 。「 連 帯 制 度 」で は 、 補 償 を 最 低 生 存 手 当 (allocationminitnaledesurvie ) に置 き 換 え て 、 拠 出 を 就 業 中 の 賃 金 か ら 全 面 的 に切 り 離 し た。こ れ は 、paritaireの 仕 組 み と公 共 政 策 の 錯 綜 と い う 点 で 特 に 重 要 で あ っ た が 、こ う し た 錯 綜 は 、専 ら 財 政 的 な 理 由 か ら 、長 期 失 業 者 で あ っ て 社 会 保 険 被 保 険 者 で あ る 労 働 者 を 、扶 助 の 論 理 で 、 国 家 の 負 担 の 下 に 置 い て し まう とい う 点 に も見 ら れ た 。80 年 代 初 め の 「 早 期 退 職 年 金 」 −55 歳 以 上 の 労 働 者 に 対 す る 一 時 し の ぎ の 失 業 対 策 一 は 、 失 業 保 険 の 収 入 を 早 期 退 職 年 金 や 退 職 年 金 の 制 度 に 移転 す る こ と を 強 制 し た 。 企 業 に 求 職 者 を 雇 い 入 れ る よ う に し 向 け る た め に 企 業 に 手 当 を 支 払 う こ と を 可 能 に す る 「協 力 契 約 」 の 設 置 や 、 失 業 保 険 受 給 者 や 若 い 職 業 研 修 生 や 失 業 保 険 の 手 当 を 請 求 で き な い 人 々 の 就 職 支 援 に 乗 り 出 す こ と で 、UNEDIC は 、 国 家 の 傍 ら で 失 業 補 償 だ け を 扱 う 制 度 と い う あ り 方 を 大 き く超 え て 、 雇 用 創 出 の 機 能 も果 た す よ う に な っ た 。こ う し て 、1988 年 に は 、国 とUNEDIC の 間 の 協 約 に よ っ て『再 就 職 養 成 給 付(alloca-tionformation-reclassement )』 や 『研 修 終 了 手 当 』 が 制 定 さ れ た。 同 様 に 、 全 国 雇 用 基 金 (Fondsnationaldel'emploi ) に つ い て の い く つ か の 協 約 が 、 失 業 保 険 制 度 の 参 加 を 得 て 、 手 直 し さ れ た 。UNEDIC は 失 業 補 償 を 目 的 と す る 制 度 か ら 雇 用 政 策 の 手 段 とし て の 役 割 を も 果 た す よ う に な っ た の で あ る。 こ う し て 、paritaires制 度 と国 家 の 業 務 が 混 ぜ ら れ 、 組 織 的 観 点 か ら は 、補 償 を 担 当 す る 組 織(ASSED!C )と 求 職 者 や 彼 ら の 就 職 を 担 当 す る 業 務 ( 特 にANPE )と の 間 に 、 重 複 し 、 補 完 し あ う 領 域 を 作 り 出 し た 。20) 4.paritarisme の あ り方に つ い てparitarisme のダ イ ナミ ッ クは、 当事 者 全 体を長 く安 定化 さ せ るこ と と、 これら の 当事 者 が『措 抗 す る協力(cooperationantagonique)Jに 参加 す る という こ とが 前提 と なる。 当事 者 は、 そ の数 に お い て限 定的 で、 長 く同 じで あ る とい う こ とが重要 であ る。 それ は「 代 表権 (representativite)」 の観 念 か ら導 か れる。そ の観 念 は、基 準 がな んで あ れ、安 定 し知 られ た数 の諸 機関 を 選別 す る こ とを狙 っ て い る。 この点 に関 し て、代 表権 の原 理 と その実施 方式 は政府 が保 証 するし か ない ので 、政 府 は介 入 する義 務 が ある。paritarisme の活動 原理 は、措 抗 す る もので ある と同時 に 相互 依存 す るもの とし て考 え ら れ る当 事 者 を、 制 度上 結 びつ け るこ と にあ る。 そ れ は、 組合 と経営 者 そ れに国 家 を結 ぶ政 治的 交 流 を可 能 に

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中 上:2000 年 フ ラン ス失業 保険改 革 とparitarisme 183 す る 。 労 使 代 表 は、 権 利 主 張 の 論 理 と 連 帯 を 制 度 的 政 治 的 利 益 に 繋 が な け れ ば な ら な い 。 国 家 は ま た 、 政 策 を つ く り 、 実 行 す る た め の 中 継 ぎ を 必 要 とし て い る の で 、 そ の 政 策 に代 表 的 な 団 体 を 参 加 さ せ る こ と に 利 益 を 見 つ け る に 違 い な い 。 そ れ ゆ え 、paritisme は 、組 合 と 経 営 者 と 国 家 を 結 び つ け る多 様 な 相 互 依 存 を 制 度 化 す る こ と に な る。 と は い え、 関 係 者 の定 義 と 相 互 活 動 の 領 域 は 、 国 家 が 決 定 す る こ と に な る 。MEDEF がparitarisme を「 刷 新 す る 」た め の キ ャ ン ペ ー ン を 始 め た と き 、 主 要 な 標 的 は 、 社 会 保 護 に お い て「 ほ ぽ 独 占 に 到 達 し よ う と 努 め て い る 」(MEDEF の 副 代 表 の 言 )国 家 に あ っ た の で あ っ て 、paritarisme を 本 当 に「 刷 新 す る 」こ と を 目 指 し て い た の だ ろ う か 。た し か に 、い く つ か のparitair-es 制 度 は お そ ら く 徐 々 に 衰 退 し て い た 。特 に 社 会 保 障 機 関 の 管 理 決 定 機 関 が そ う で あ り 、「 過 剰 で 仕 事 の な い 理 事 会 」が そ れ を 象 徴 し て い た 。paritaires の 制 度 は 機 能 不 全 の 兆 し を 呈 し て い る の か もし れ ず、paritaireの 管 理 を 問 題 視 す る 声 も 出 て い た 。し か し 、2000 年 のUNEDIC 協 約 の 交 渉 が 早 い 段 階 で 示 し た も の は 、paritarisme を 改 革 す る こ と に貢 献 す る よ り も、結 局 の と こ ろparitarisme の 矛 盾 と 緊 張 を 激 化 さ せ る こ と に つ な が っ た よ う に 思 わ れ る。21) 5 。協 約 の成 立 過程 につ いて2001 年1 月1 日 に政府 に よっ て認 可 さ れ るまで の 協約の 形 成過 程 を振 り返 っ て みる と、 い くつか の重 要 な事 実が 指摘 さ れう る。まず 、CGT 、FO とい う代 表 す る労 働 者 の数 とい う点 か ら みれ ば相当 に大 きい組 織 が交渉 に 参加せ ず、MEDEF の要 求 を拒否 し、計 画 の 内容 に 反対 し てい た とい う事 実 を強 調し な け ればな ら ない。 そ れ に、MEDEF は、 反対 を取 り除 くた め に、協 約 案に近 い 考 えの組 合 から別 々 に話 し合 い を始 めた。そ れは、paritarism理論 の論 理 から す る と間違 い なく驚 くべ きこ と で あっ た。 ついで、2000年夏 に、政 府 が、 経営 者 団体 とCFDT 、CFTC に よっ て 調印 さ れた協 約 の 認 可 の拒 否 を知 ら せた後 の交 渉 推進 の や り 方 も驚 くべ き もの で あっ た。調印 し た団 体 は、既 に 決 まっ て い る問題 を再 度論 議 す るの は受 け入 れ ら れな い という理 由 から、代 表的 組織 の全 部 を参 加 させ る の を拒 否し た ので あ る。 交渉 の 終末 も驚 くべ きもの であっ た。MEDEF と政府 との間 で の、電 話 で の会 談 に よっ て、困 難 は取 り除 か れた の で あ る。 つ ぎに、 協 約 への「 少数 派」に よる署 名 の問 題 で あ る。 厳密 に法律 的 な面 で は、UNEDIC 協 約 は、 政 府 に よっ て 認可 さ れ れば、関 係 す る労 働 者 の少 数 派しか代 表 し ない2 つの 代表 的 組合 に よって し か 調印 さ れ なかっ た時 で さえ、 効力 を な んら失 わ ない とい う こ とは確 認 す る必 要 があ る。 こうし た ル ー ル は、団 体 交 渉 が労 働 者 に とっ て都 合 の よ い もので し かな かっ た時 代 に は理 に適 っ た もの で あ っ た が、 現 在 の 『ギブ アンド テ イ ク(donnant-donnant )J の論 理 が 有効 な時 代 にあ っ て は、 疑 問 が あ る。 政 治的 効果 の点 から みて、 その ような 手 続き は、新 し い 仕組 み の正 当性 に大 きな打撃 を 与 え な いで はい ない だ ろう。そ れ以 上 に、新協 約 がUNEDIC とASSEDIC に よっ て実行 さ れ ねば な らな い とき、 非調 印 の組合 はど うな る のだ ろ う か。paritarismeは、労 働 組合 の 方 から、次 第 に先細 りに なって い くの か もし れ ない。 新 協約 の新 し い展 開 に至っ た 交渉 は、 い くつ か の大 きな労 働 組合 を排 除 し た調 印 を助長 す る こ と

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184 国 際地域 学研 究 第6 号2003 年3 月 で、paritarismeの将 来 につ い て問 題 を残し た。し か も、奇妙 な方 法で 代表 的 組織 が参 加 さ せら れ た り排 除さ れた りし た とす ると、 交 渉 の有 効性 も疑 わし い。 前 述の よ うに、paritarismeは『措 抗 す る 協力 』に基礎 を お く。『措 抗 す る協力 』は、対 立し つ つ も、 すべ ての パ ート ナ ーの間 で最 低 限 の協 力 と対 話 が行 わ れる こ とを 前提 とし て お り、 そ れが 、 合 意 の正 当 性 や 良 好 な 適 用 を 左 右 す る ので あ る。22) 6.paritarisme と国 家 との 関 係 労 使代 表 は常 に、 給 付 の創設 や その金 額 の決定 、保 険料 の 引 き下 げ など を実施 し よう と考 え る こ とがで き る が、費 用の問 題 があ る。今回 のUNEDIC 協 約 の問 題で は、大臣 は、当 初 、認 可 の拒 否 を 正当 化 す る た めに、拠 出 の引 き下 げ と手 当 の安定 化 を同時 に 始 めた り、PARE を設 立し た り、以 前 の 負 債 を国 に償還 し た りす るに は、UNEDIC の収 入 が不 足し て い る と主張し た。paritairesの制 度 が 自 律的 で あ る とす れば、 国 の関 与 はあ り えな いので あ ろう が、 国 は常 に全 体 の利 益 の観 点 か ら、 こ の制 度 の契 約 に経 済的 な保証 を する こ とを強 いら れ る。 そこ で労使 と国家 との責任 の明 白 な分 担 が 必 要 とさ れる。

また、UNEDIC の新 協 約 は、 基本 的 に、 新タ イプ の契 約CARE (雇 用復 帰支 援契 約 )− その 後、PARE ( 雇用復 帰 支援 計画 )とい うよ り不明 確な名称 に よ り婉 曲に 表現 さ れ るこ とに なっ た 一 の制 定 に基 づ いて い た。 その契 約 が失 業 者 の補 償 に取っ て代 わ るこ と になっ たので あ る。 こ のメ カ ニ ズ ム で は、失業 手 当 の受 領、特 に就 職 で きな かっ た場 合 の失業 手 当 の受 け取 り を、PARE すな わ ち 失業 者 が結 んだ 罰則 付 きの 契約 に 結 びつ け る。 そ れは、協 約 を通 じて 、守 られ ねば な らない 基 準 を設 け る こ とで ある。 その基 準 が法 律 でない とす る と、 人 はそ の基 準 を疑問 に 思う だ ろう。 団 体 協 約 と法 律 との 関係 は明 白 に は設定 さ れ ず、 曖昧 さ は増大 し た。 労 働 協 約 は 雇 用や 社会 保 護 の 公 共 政 策 に 影響 し ない で はす まな く なっ て い る。 これ まで に も、UNEDIC が 失業 者の 資格 取得 政 策 や 雇 用 創出政 策 に 含 まれ る業 務 を も担 当 す る よう に なっ て い た と いっ て も、このparitairesの 制 度 は、基 本的 に、失業 者 の補 償 と失業 保 険制 度 の管 理 を担 当 す る組 織 に とど まっ てい た。し たが っ て、これ まで、UNEDIC の使 命一 失業 補 償− と国 の使命 一 求 職 者 の 資 格 取 得 や (再 )就 職 斡旋 とい っ たANPE 等が 担っ て い た業 務− との 間 に は ほぽ明 確 な 区 分 け が あ っ た ので あ る。 とこ ろが、PARE の 導入 は、補 償 の論 理 の 中 に失業 者 の就 職 の問題 を統 合し たの で 、こ の区分 け を消 滅 させ た。UNEDIC は、政府 の業 務 や 使命 と競 い合 い なが ら、職業 参 入(就 職 ) 政 策 に 密接 に関 わ る機 関 に変 身 す るので あ る。 より 広い 観点 か ら は、PARE を 実施 す る とい う こ と は、 そ の不 可避 的 に選別 的性 質 からし て 、「 雇わ れ得 る」失業 者 と「雇 わ れに くい 」失業 者 の 区分 け を際 立 たせ る恐 れ があ る。 前者 はparitaireな保険 制度 に 属し 、後 者 は国 の税 方式 化 さ れた 扶助 や い わ ゆ る「 参入 (d’insertion)」労 働 市場 に 送 り返さ れ るこ とに な る。 こ れは、 オブ リ 雇用 相や フ ァビ ウ ス財務 相 が 新 方式 を批 判 し た点 で もあ る。UNEDIC の使 命 と雇 用の 公共 サービ スの 間 の 境 界 を 改 めて明 確 化し た上 で、paritaireの論理 と政府 との 関係 に つい て もで き る限 り明 確化 す る必 要 が あ る。

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中上:2000 年 フ ラ ン ス失業 保険 改革 とparitarisme 185 新UNEDIC 協約 は、国 と の関 係 と いう問 題 を、交 渉 と協約 の間 の関 係、法 的基 準 と行 政規 則的 基 準 の間 の 関係、paritairesな 制 度 と行 政 サ ービ スの 間で の使命 の分 担 とい う3 つ の観点 から提 起し た が、 新 協約 の制 度 は これら に解 決 を もた らし はし なかっ た。 結局 、 労 使代 表 の交 渉や 管理 が認 めら れ た領 域 がな んで あ れ、 そ れ は公共 政 策 を考 慮 し なが らし か決 定し えず、 そ れ ゆえ、 国家 こそが 最 終的 なparitarismeの保 証人 とな るの で あ る。し た がっ て 、国 はparitarismeに対 し て強 固 に位置 付 け ら れ るべ きで、 労使 代表 は、 政 府 に対 し て、 また、政 府 が設 定 を担 っ た法 的枠 組 みに対 し て、 明 確 に位 置 づけ ら れなけ れ ばな らな い。 それ なし に は、さ まざ まな当 事 者 は、 そ れぞ れの 位置 や役 割 に 関 し て ぼ んやり し た曖昧 な関 係 に身 を投じ て し まう。前 に も強調 し て きた ように、paritarismeは、 そ れが 労使代 表(partenairessociaux)に よる団 体 協約 に基 づい て い る時 で さえ、実 際 には常 にtripar-tisme で あっ た のだ。paritarismeは、組 合 と経 営者 と国 家 の三 者 間 の多 様 な 相互 依存 関係 を表 す 制度 的 モデ ルな ので あ る。

国 に対 す る自 律化 を主 張し てparitarismeの刷 新 を望 みな がら、MEDEF は、paritaires制度 の 性質 につ い ての認識 不 足 のた め、自ら が改 革 す る こ とを決 めた シ ステ ム の混乱 を増大 さ せた恐 れが ある。 一 方で 、 新協 約 は、 もし 国家 という 基 盤が 欠 けて いる の なら ば、 砂上 に 立っ て い るよ うな もの だ ろ う。 他 方で、 新協 約 制度 は、 安 定性 と正当性 を大 いに 欠 いてい た 。 た ぶん、 経 営者 側 の強行 行 為 は 少 な く と もフ ラン ス風 のparitarismeの限 界 を明 ら かに す る とい う功 績 を持 つ だ ろう。 フ ラ ン ス式paritarisme は、国 家 と労 使代 表 との 間 で、ド イ ツ式や ス カン ジ ナビ ア式 の よう に経 済社 会面 で の協 力 を真 に安 定的 な ものに す る という こ とに は決し て なら ないで 、 対 立的 行 動 の論理 の 間で絶 えず左 右に 揺 れ た。 一 方 の極 は、代 表 の基 準 を明 ら か にし、 行 動手段(desinstrumentsd'action) を序 列化 し、 手 続 きを はっ きり させ た上 で、 中 央レ ベ ル で「 措抗 す る協力 」を組 織化 す る とい う もので あ る。 もう 一 方 の極 は、 見せ掛 け の交 渉、 不 統一 な代 表、 弱体 化し た当 事 者 を前 提 とし、 い つ も守 りの 体 制 の「 ヴ ァ ーチ ャルな」− い かさ まな一paritarismeを護 持し つづ け、全 能 な国 家 が システ ムの機 能 不全 や 不活 発 さを 絶 えず補 う と考 え る とい う もので あ る。23) 結 語2000 年 の フラ ン スの失業 保 険改 革 は、 経 営者 団 体MEDEF が「労 使 関 係の再 構 築」とい う形 で、 これ まで 社会党 内閣 の下で 行 わ れて き た労 働政 策 の 流れ を、 もう 少し 経営者 側 に引 き寄 せ よう とい う動 き の一環 とし て 理解 で きる だろ う。 今 回 の改 革 によっ て、 従来 の 失業 補 償制 度 はPARE ( 雇用復 帰 支 援計 画) とPAP ( 個別 支援 プロ ジ ェ クト ) を軸 とす る制 度 に置 き換 えら れ るこ と になっ た。 この制 度 の下 で、 求 職者 に対 する就 職 斡 旋 はよ り きめ細 か く行 われ るこ と に なる ので あ ろうが 、反 面、 求 職 者 は紹 介さ れた 就 職先 を拒 否 す る など真 剣 に求 職活 動をし てい る と見 な さ れない 場合 に は、 失業 給 付 の支 給が 停止 さ れ るリ ス ク を負 うこ とに なり そう だ。 こ うし た、 働 こ う とい う意欲 が不 足し てい る と見 な さ れたヶ− ス と失 業 給 付 の支 給停止 を 結 びつ けよ う とす る こ とが新 制 度 の特 徴 とい う こ と にな るの だろ う。

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186 国際 地域 学研 究 第6 号2003 年3 月 失 業 保険 が 失業 者 を「 過剰 に」 保 護し て い るとの批 判 も存 在 す る中で 、 こ れまで 、一 定 の 支 給 期 間 経過 後 の 失業 給 付 の 支給 率 を 引 き下 げ るこ とに よっ て 失業 者 に就 職 を促 す「AUD ( 単一 逓 減手 当 )」 の 方 式 が 実施 さ れ て き た わ け だ が 、 そ れ に代 わ り、 よ り ス ト レ ート に 求 職 者 に 就 職 を迫 るPARE の 方式 を導 入 する こ とで「過 剰 な」失業 給付受 給者 が どの く らい是 正さ れ う るの だ ろう か。 「 資 格」に見 合う 職業 へ のア ク セ スが尊 重 さ れるフ ラ ンス社 会 の中で 、「働 く意 欲 が不足 す る」者 に は失業 給付 の支 給 を停 止 す る とい うペ ナルテ ィ を科 す こ とに す る という こ とで、 どの くらい の失 業 者 が「 そ れで は就 職し よう」 と考 え る よう になり 、実 際 に就職 先 を見つ け るこ とが で き るよ う にな る のだ ろ う か。 また、「働 く 意欲 が不 足 して い る」との 理 由で 失業 給付 の支 給を停 止 さ れた 者 は、 そ の 後 どう な るのだ ろう か。 彼 ら に、 よ り低額 の連 帯給 付 が支 給 さ れるの な ら構 わな い とい う こ と だ ろう か。 失業 補 償制 度 の モラ ルハ ザ ード とし て、働 くこ とより も失 業給 付 に依 存し て生 活 し よ う とす る 失 業者 を生 むこ とは避 け がた い面 があ る。 それ ゆえ、 そう し た事 態 をで きる だけ少 なく す る よう な仕 組 み の導 入 は必 要不 可欠 な こ とであ る。 し かし、 経 済状 況 が失業 者 を増 大 させ て いる とき、 失 業状 態 に あ る こと を個 人 の労 働 意欲 の問 題 や個人 の責 任 にし た と ころで 、失 業 問題 の解 決 につ なが る と 考 え ら れな い こと も また紛 れの ない 事 実で あ る。 新制 度 が企 業 の直 接的 負担 をあ る程 度軽 減 す る も の で あ るにし て も、 そ れは国 や フ ラン ス社 会全体 に どの ような影 響 を与 え る こ とにな る のか 、 今 後 が 注 目さ れる。 また、今 回 の失業 保険 改 革 の進 展 過程、言 い換 え ればUNEDIC 協 約 の更 新 を巡 る 交渉 の過 程 は、MEDEF が労使 対 等の 立場 で共 同 管理 を行う とい うparitarismeに立脚 し て 国家 介 入 の 増 大(etatisa-tion )を抑 制 し よう とし た こ とか ら、 またparitarisme自 体 の改革 を も目 指し て もい た こ とか ら、par-itarisme のあ り 方を クロ ーズ ア ップ す る こ とにな っ た。こ の点 につ い て は、労 使 の労 働 協約 に 基 づ い て設 立 さ れた フ ラン スの失 業保 険 制度 の場合 でさ え、 労使 の「関 係者 の 自治 」 に よっ て管 理 ・ 運 営 さ れて い る と考 える のは正 確 で はな く、その よう な もの としてparitarismeを捉 え るの は実 態 の 正し い理 解 で はな い、 現実 に は、労 使 に 国 を加 えたtripartisme(三者 体 制 )で「 社会 保 護」の諸制 度 が運 営 ・管 理 さ れい る のだ と するRobertLAFORE の 指摘 は興 味深 い。 フ ラ ン スの社 会保 障 の管 理・運営 に つ いて は、「当 事 者 の自治 」 とか当事 者管 理 主義 とか「 労 使 の 自衛│生」 が そ の特徴 の一 つ とし て 指摘 さ れ るこ とが一 般 的 であ る。 協 約制 度 に基づ く失業 保 険 制 度 な ど は その典 型的 な 例 とさ れ よう。「 社会 保障 選挙」が行 わ れた り もする。 し かし、 社 会保 障 とい う 国家 的 な事 業 にお い て、 そ の部 分部 分 が「 関係者 」 の手 に委 ねら れ、国 の 管理 か ら全 く 独立 し て 管 理運 営 さ れ る という こ とがあ り え ない こ と も明 らか な こ とで あ る。 とする と、「 当 事者 の 自治 」と は 何 か。 それ は、 国 という 全体 を 管理 す る立場 から みて許 容で き る限 り におい て の「 自治 」 で あ る こ とも明 白 であ る。 これ まで も、「当 事 者 の自 治」が語 ら れる とき、 そ の言 葉 は今一 つ つ か み所 の な い 曖昧 模 糊 とし た もので あっ た が、 そ れ はこ うした事 情 を反映 し てい るだ ろう。paritarisme とは、国 に 労使 が加 わ っ た管理 運営 体制 で、 そ こで は国 が大 き な役割 を演じ る。し か

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