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一般 の 海 水 魚 す な わ ち 狭 塩 性 海 水 魚 に も塩 類 細 胞 が 報 告 され て い る

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Academic year: 2021

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G.峡 塩 性 海 水 魚 類 の 鯉 塩 類 細 胞 に 関 わ る組 織 学 的研 究

1998年 度 総 合 理 学 研 究 所 共 同研 究 報 告

研 究 題 目G.「 狭 塩 性 海 水魚 類 の鰐 塩 類 細 胞 に 関 わ る組 織 学 的 研 究 」

主 研 究 者 小 笠 原 強(神 奈 川 大 学 理 学 部 応 用 生 物 科 学 科 教 授)

共 同 研 究 者 平 野 哲 也(東 京 大 学 名 誉 教 授 ・前 東 京 大 学 海 洋 研 究 所 所 長 ・ ハ ワ イ大 学 客 員 教 授 ・

神 奈 川 大学 総 合 理 学 研 究 所 客 員 所 員)

研 究 目的 と背 景

淡 水 と海 水 の双 方 で 生 存 で き る広 塩 性 魚 類 の 鰐 に は塩 類 細 胞 が認 め られ る。 こ の細 胞 は ミ トコ ン ドリア お よ び管 系 に富 ん だ特 殊 な構 造 を も ち、 海 水 適 応 に際 し て増 殖 ・肥 大 し余 剰 の 塩 類 を排 泄 して、 体 液 の 浸 透 圧 の 恒 常 性 維 持 に関 わ る と さ れ て い る。 一 方 、 コ イや フ ナ な ど の 典型 的 な 淡 水 魚 に も この細 胞 が 観 察 され 、塩 分 を外 界 か ら能 動 的 に摂 取 して 体 液 浸 透 圧 の 維 持 に 関 与 す る と され て い る。 一般 の 海 水 魚 す な わ ち 狭 塩 性 海 水 魚 に も塩 類 細 胞 が 報 告 され て い る。 しか し、 塩 類 細 胞 に つ い て の 知 見 の ほ とん どは 、 ウナ ギ やテ ィラ ピア な どの 広 塩 性 魚 類 か ら得 ら れ て お り、 そ れ が 魚 類 全般 に適 用 され て い る。 魚 類 は脊 椎 動 物 の うち で も っ と も 種 数 が 多 く、 適 応 の 生 理 機 構 も単 一 で は な い と思 われ る。 本 研 究 は広 塩 性 魚 類 を 基 礎 と しな が ら、 狭 塩 性 海 水 魚 類 の 塩 類 細 胞 の 挙 動 を 観 察 し、 基 礎 的 な 知 見 を得

よ う とす る もの で あ る。

研 究 方 法

メ ダ カ 、 キ ンギ ョお よ び 数 種 の 海 産 魚 の 塩 類 細 胞 を 以 下 の よ う な 手 法 に よ り、

形 態 ・組 織 学 的 に 検 索 し た 。 1>パ ラ フ ィ ン切 片

2)蛍 光 色 素 生 体 染 色 3)走 査 型 電 子 顕 微 鏡

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結 果

1)広 塩 性 淡 水 魚

メ ダ カ は 淡 水 域 に 生 息 す る 。 こ の 種 を海 水 に 直 接 移 行 す る と1〜2日 の う ち に 死 亡 す る 。 しか し 、50〜70%海 水 に は 適 応 し 、 そ の 後 に 海 水 に 移 行 し て も 死 亡 す る こ と は な く生 殖 を も お こ な う 。 生 殖 が お こな わ れ る こ と は 、 そ の 環 境 に 完 壁 に 適 応 し た 証 拠 と な る 。 逆 に 、 海 水 に 長 期 間 飼 育 し た メ ダ カ は 淡 水 に 直 接 戻 し て も よ く適 応 す る 。 ヒ トを 含 む 高 等 動 物 の 内 部 環 境 、 す な わ ち 血 液 の 浸 透 圧 は 外 界 の 影 響 を 受 け ず に 常 に 一 定 に 保 た れ て い る 。 す な わ ち 、 個 々 の 細 胞 の 環 境 の 恒 常 性 が 補 償 さ れ て い る 。 こ の 機 構 は 言 う ま で も な く、 魚 類 に お い て 獲 得 さ れ た と 考 え ら れ て い る 。

魚 類 の 血 液 浸 透 圧 は 、 鰐 、 腎 臓 お よ び 腸 が 機 能 して 調 節 さ れ て い る 。 鰐 上 皮 の 塩 類 細 胞 は 、 外 界 と 血 液 と の 間 に お い て 塩 分 の 代 謝 に 関 わ る特 殊 な 細 胞 で あ る 。 メ ダ カ の 鱈 塩 類 細 胞 に つ い て 基 礎 的 な 観 察 を お こな っ た 。 淡 水 で 飼 育 し た メ ダ カ の 鯛 を 光 学 顕 微 鏡 切 片 で 観 察 し た 。 外 界 に 接 し た や や 大 型 の 細 胞 を 、 そ の 染 色 性 お よ び 形 態 か ら塩 類 細 胞 と み な し た 。pitと よ ば れ る陥 入 部 を 頭 頂 部 に 持 つ 塩 類 細 胞 が 希 に 認 め られ た 。 塩 類 細 胞 は ミ トコ ン ド リァ を 豊 富 に 含 み 、 酵 素 に よ る イ オ

ン輸 送 の エ ネ ル ギ ー 源 と な る と い う 。 ミ トコ ン ド リァ と 特 異 的 に 結 合 す る 蛍 光 色 素DASPEIで 生 体 染 色 す る と 、 淡 水 メ ダ カ の 鰐 に 反 応 が 認 め られ た 。 切 片 と対 比 し

て 、 塩 類 細 胞 か らの シ グ ナ ル と 判 断 し た 。 こ の 染 色 で は 、 塩 類 細 胞 の 分 布 を 鰐 全 体 に わ た り立 体 的 に 観 察 す る こ と が 可 能 で あ る 。 塩 類 細 胞 は 鰐 葉 内 側 お よ び 呼 吸 上 皮(鰐 薄 板)間 に 認 め られ た 。 一 方 、 海 水 に 馴 化 し た メ ダ カ に お い て は 、 個 々 の 塩 類 細 胞 が 肥 大 し数 も増 え た 。 ほ と ん ど の 塩 類 細 胞 にpitが 観 察 さ れ た 。pitは 機 能 し て い る塩 類 細 胞 を 特 徴 づ け る 構 造 か も知 れ な い 。 鰐 薄 板 問 で は 巨 大 な 塩 類 細 胞 が 単 層 で 外 界 と血 液 の 境 界 を形 成 し て い た 。

メ ダ カ を 淡 水 か ら海 水 に 直 接 移 行 し30分 後 に し らべ た と こ ろ 、 多 くの 塩 類 細 胞 にpttが 観 察 され 、 開 口 部 も淡 水 個 体 に 比 べ て 開 い て い る よ う に お も わ れ た 。33%

希 釈 海 水 中 で も 同 様 な 変 化 が 観 察 さ れ た 。 海 水 に 馴 化 させ た メ ダ カ を 淡 水 に 移 行 す る と 、 塩 類 細 胞 は や は り短 時 間 で 変 化 し た 。 す な わ ち 、 ほ と ん どす べ て の 塩 類 細 胞 の 開 口 部 は 走 査 型 電 子 顕 微 鏡 に よ っ て も観 察 され ず 、pitも み られ な か っ た 。

こ れ 以 降 の 経 時 的 観 察 は ま だ お こ な っ て い な い が 、 塩 類 細 胞 が 外 部 塩 濃 度 の 変 化

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に き わ め て 短 時 間 に 反 応 し て 、 形 態 を 変 え る こ と が 明 ら か に な っ た 。 この よ う な 迅 速 な 反 応 に つ い て は 、 こ れ ま で に 報 告 が な い 。

2)狭 塩 性 海 水 魚

メ ジ ナ ・ ゴ ン ズ イ 、 マ ダ イ お よ び コ バ ル トス ズ メ の 鰐 を し らべ た 。 海 水 に 馴 化 させ た メ ダ カ で の 知 見 か ら、 これ らの 魚 類 に 多 くの 塩 類 細 胞 の 発 達 が 期 待 さ れ た 。 し か し な が ら、 予 想 に 反 し塩 類 細 胞 は 小 型 で あ り数 も少 な か っ た 。 広 塩 性 魚 で 知 ら れ て い る知 見 は 、 幾 世 代 に もわ た っ て 海 水 で 生 活 して き た海 水 魚 に は 当 て は ま らな い の か も 知 れ な い 。 淡 水 ・海 水 の 区 別 な く環 境 が 一 定 で あ る な ら、 適 応 に 関 わ る エ ネ ル ギ ー を 最 小 限 に と ど め る 進 化 上 の 工 夫 が あ る もの と 推 測 され る 。

本 プ ロ ジ ェ ク トは 狭 塩 性 海 水 魚 の 鰐 を し らべ る もの で あ るが 、 現 時 点 で は 海 水 魚 自体 の デ ー タ は ま だ ほ と ん ど得 られ て い な い 。 ま ず 、 メ ダ カ を 中 心 と し た 広 塩 性 魚 類 に お い て 基 礎 的 な 実 験 を お こ な い 、 こ れ を 中 心 と し て 海 水 魚 を 解 析 す る 予 定 で あ る 。 本 プ ロ ジ ェ ク トは い ま だ 進 行 中 で あ る 。 海 産 の 狭 塩 性 魚 類 は 淡 水 に 適 応 す る こ と が で き な い が 、 広 塩 性 魚 類 は 淡 水 に も 海 水 に も適 応 す る こ と が で き る 。

この 差 違 が メ ダ カ で 観 察 さ れ た 外 界 塩 濃 度 に 対 す る 塩 類 細 胞 の 迅 速 な 反 応

(rapidresponse)に 象 徴 さ れ る よ う な 初 期 反 応 の 有 無 に よ る も の か ど う か は 、 今 後 の 課 題 で あ る 。 さ らに 、 この 種 の き わ め て 迅 速 な 反 応 に 内分 泌 系 、 神 経 系 が 関 わ る か ど う か に つ い て も 興 味 の も た れ る と こ ろ で あ る 。

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