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上 海 にお け る横 浜 企 業 の展 開 中堅 ・中小 企 業 を中心 に

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(1)

上 海 にお け る横 浜 企 業 の展 開

中堅 ・中小 企 業 を中心 に

横 倉 節 夫

は じ め に

「バ ブ ル経 済 」 崩 壊 後,日 本 の 経 済 は長 ら く停 (低)滞 状 況 に お ちい っ て い るが,こ の ため1990 年 代 を 「失 わ れ た10年 」 とい う こ とす らあ る 。 た しか に こ の 間,経 済 規 模 の 縮小 や失 業 率 の 増 加, 不 良債 権 の 増 大 な ど,こ う した 言 葉 にみ あ っ た 状 況 が み られ,一 部 で は なお 深 刻 な状 況 す ら生 じて い る。

しか し同 時 に見 逃 して な ら な い の は,こ の10 年 間 に,日 本 企 業 の 海 外 進 出 と くに 中 国へ の 進 出 に は 目覚 しい もの が あ り,ア ジ ア地 域 との 国 際 分 業 体 制,相 互 依 存 関 係 が 深 化 した 点 で あ る。ユ)日 本 経 済 の 基 盤 を形 成 して い た 製 造 業 の大 手 メ ー カ ー の 多 くは,国 内 の 生 産 拠 点 の 再 構 成 と海 外 へ の 生 産拠 点 の展 開 に よ り,国 際 的 な生 産 ・販 売 の 再 編 成 の骨 格作 りを ほ ぼ終 え て い る。 そ して,90年 代 後 半 か ら中 堅 ・中小 企 業 も ま た 同様 の 方 向 に 向 っ て い る。

こ う した事 態 は,「 国 民 経 済 」 の 終 焉 を もた ら し,日 本 の経 済 ・産 業 構 造 に トラ ンス ・ナ シ ョナ ル な 枠 組 を 加 速 させ て い る の で あ る 。2)そ して, そ の こ とが 日本 社 会 全 体 に大 きな変 動 を もた ら し つ つ あ る と い っ て よい だ ろ う 。 しか し,一 方 で

「産 業 ・雇 用 の 空 洞 化 」,他 方 で2003年 か らの 中 国 へ の 輸 出増 加 を支 え と した景 気 回 復,と い う よ う に,経 済 や 産 業 の レベ ル に限 っ て い って も,こ の 変 動 を 十全 に解 明 す る こ とは むず か しい 。 そ の た め に は,マ ク ロ な分 析 と と もに,個 々 の 企 業 レ ベ ルで 多 国籍 化 に よ って どの よ うな 変 化 が 生 じて い る の か とい う ミ ク ロ な分 析 を積 み 重 ね る こ とが 必 要 だ ろ う。

本 稿 で は,こ う した 問 題 意 識 か らそ の 前 段 作 業

と して,京 浜 工 業 地 帯 の 一 角 で あ る横 浜 を本 社 と す る 中 堅 ・中小 企 業 の 海 外 進 出,と くに 数 多 くの 企 業 が 進 出 して い る 中 国 ・上 海 で の 進 出 ・展 開状 況 を事 例 報 告 とい う形 で取 り上 げ る こ と にす る。

そ の さい,各 企 業 の 進 出 当 時 の 目的 ・動 機 とそ の 後 の 中 国 経 済 ・市 場 の 成 長 に 対 応 す る 新 しい 生 産 ・販 売 体 制 の 構 築,さ らに そ れ が 横 浜 や 日本 国 内 の生 産拠 点 各 地 に あ た え る影 響 に焦 点 をあ わせ て 述 べ る こ とに した い 。 な お,中 国 ・上 海 の 経 済 状 況 や新 しい 生 産 ・販 売 体 制 構 築 の 上 で 重 要 な 要 素 とな る 中国 人 労 働 者 の 職 場 で の行 動 様 式,品 質 管 理 意 識 等 につ い て は,行 論 上 必 要 な 限 りで ふ れ る こ とを お こ とわ り して お く。

1海 外生産 にお ける中国の比重の高 まりと上海 の横 浜中堅 ・中小企業

事 例 の 報 告 に先 立 っ て,ユ990年 代 以 降 の 日本 企 業 の 海 外 生 産 と中 国 の比 重 の 高 ま り,そ して 上 海 に お け る横 浜 中 堅 ・中小 企 業 の進 出状 況 に つ い て,概 観 して お こ う。

1.1990年 代 以 降 の 海 外 生 産 の 高 ま り

日 本 の 製 造 業 の 海 外 生 産 比 率 は,1990年 代 以 降,ほ ぼ 一 貫 し て 増 大 し て お り,こ の 間 の 日本 経 済 全 体 の 停(低)滞 状 況 と好 対 照 を な して い る と い っ て よ い だ ろ う 。 『第32回 我 が 国 企 業 の 海 外 事 業 活 動 一 平 成14年 度,海 外 事 業 活 動 基 本 調 査 』

(産 業 餐 済 省)に よ れ ば,売 上 額 で み た 海 外 生 産 比 率 は,図1に み られ る よ う に,海 外 進 出 企 業 ベ ー ス で は1992年 度 の17 .4%(25兆 円)か ら200ユ 年 度 の40.9%(64兆 円)へ と,ま た 国 内 全 法 人 ベ ー ス で は6 .2%か ら16.7%へ と 増 大 して い る 。

(2)

【図1】 売 上 高 に み る海 外 生 産 比 率 の推 移(製 造 業) (%)

50.0 45.0

・11

35.0 30.0 25.0 20.0 15.0 10.4

5.4

一a一国内全法人ベース D海 外進出企業ぺ0ス

Q.0

929394959fi97989900

(年 度)

(注)国 内全 法 人ベ ー スの海外 生 産比 率=現 地 法人 売上 高/国 内 全法 人 売上 高 ×100 現 地法 人:本 調 査 に よ る現 地法 人 売上高

国 内全 法 人売上 高 出典:法 人企 業統計(財 務 省)

海外 進 出企 業 ベ ー スの 海 外生産 比 率=現 地 法 人売 上高/本 社 企業 売上 高 ×100 現 地法 人=本 調 査 に よ る現 地法 人 売上 高

本 社企 業:本 調 査 に よ る本 社企 業 売上 高

4 軋 遮

18.116 .7

.●w● ・o

0102

(見 込 み)

出所)経 済産 業 省編 『第32回 一 我 が国 企業 の海 外 事業 活動 』 国立 印刷局 平成16年3月

(な お,製 造 業 に非 製 造 業 を加 え た全 産 業 の 現 地 法 人 売 上 高 も,こ の 間79兆 円 か ら135兆 円 へ と 増 大 して い る〉 海 外 生 産 比 率 を 業 種 別 に高 い順 に み る と,輸 送 機 械 が この 間 に17.5%か ら44.1%

へ,電 気 機 械(情 報 通 信 機 械 を 含 む)が10。8%

か ら27.E%へ,鉄 鋼 が5.0%か ら19.4%へ と増 大 して い る。 つ ま り,日 本 の 製造 業 を代 表 す る 自 動 車 や 家 電,情 報 通 信 機 器 な どの 業 種 で 海外 生 産 比 率 が 増 加 して い る こ と,ま た これ らの 業種 で は 膨 大 な部 品 を 中小 下 請 企 業 か ら調 達 して い る こ と な どか ら,海 外 生 産 比 率 の高 ま りは製 造 業 さ ら に 日本 経 済 全 体 に大 き な影 響 を及 ぼ して い る とい っ て よい だ ろ う。

い うまで も な く,こ う した 海 外 生 産比 率 の 高 ま りは,国 内 製 造 業 が 生 産 拠 点 を海 外 に移 転 して い る こ との 反 映 あ るい は結 果 で あ る。 実 際,先 の 調 査 結 果 だ け で も この 間 に 設立 され た 製造 業 の 現 地 法 人数 は,累 計 で3,273社 とな っ て お り,1995年 度 を ピ ー ク に以 後 減 少 して い る と は い え,中 国 を 中心 にな お設 立 され て い るの で あ る。業 種 別 で は,

輸 送 機 械,情 報 通 信 機 械,電 気 機 械,そ して 一 般 機 械,化 学 な どで あ る。 こ の こ と は 当然,海 外 設 備 投 資 比 率 を1992年 度 の8.8%か ら2001年 度 の 20.0%へ と高 め る こ と と な る。2003年 度 の 国 内 民 間投 資 は3年 ぶ りに増 加 を み た が,そ れ で もそ の水 準 は10年 前 の60%に す ぎ ない とい わ れ て い る。 製 造 業 大企 業 の 海 外 設 備投 資 比 率 は,89年 の ユ4%か ら2002年 の43%ま で 高 ま って い るの で

あ る(日 本 政策 投 資 銀 行 調 べ)。

海外 生 産 の高 ま りは ま た現 地 法 人 従 業 者 数 の 増 加 を もた らす が,図2に み られ る よ う に,全 産 業 で1992年 度 の140万 人 か ら2001年 度 に は318万 人(う ち製 造 業263万 人,非 製 造 業54万 人)へ

と増 加 して い る 。 この うち6割 が ア ジ ア地 域 で 占 め られ,製 造 業 の 業 種 別 で は 電気 機械,輸 送 機 械 で 多 い。01年 度 の 海 外 従 業 者 数 は,04年 度 の 完 全 失 業 者 数 が330万 人前 後 で あ るか ら,日 本 の 完 全 失 業 者 数 とほ ぼ 同程 度 とい っ て よい だ ろ う。

こ う した 製造 業 の 海 外 生 産 の 高 ま りは,日 本 の 輸 出 入 構 造 を も変 え て い くこ と に な る。 製 造 業 現

(3)

【図21海 外 従業者 数の推移

(午 人) 4,000

3,000

144

lii

4

⊂ コ そ の 他 地 域 囮 ヨ ー ロ ッ パ [==コ ア ジ ア 匡=囮 北 米 一●一 全 地 域 計

9192

出所)図1に 同 じ

̀雛 .

93 94 95 96 97 98 99

0001年 度

地 法 人 か らの 逆 輸 入額(現 地 法 人 か らの 日本 向 け 輸 出)の 日本 の 総 輸 入 額 割 合 に 占 め る割 合 は, 1992年 度 の5.8%(1.5兆 円)か ら01年 度 に は 15.1%(5.6兆 円)へ と増 加 す る。 地 域 別 で は ア セ ア ン(マ レー シ ア,タ イ,イ ン ドネ シ ア,フ ィ リ ピ ン)と 中 国 で,業 種 別 で は 電気 機 械 と情 報 通 信 機 械 で 高 い比 率 と な っ て い る 。 これ に対 して, 製 造 業 現 地 法 人 へ の 輸 出額(仕 入 額)の 日本 の 総 輸 出 に占 め る割 合 は,92年 度 の16.1%(6.7兆 円) か ら01年 度 に は37.3%(17.2兆 円)と 高 ま っ て い る 。 現 地 法 人 の 日本 か らの 調 達 比 率 は こ の 間, ほ ぼ40%前 後 で推 移 して い る 。

以 上 み て きた よ うに,日 本 の 製 造 業 にお け る 海 外 生 産 の 高 ま りは トラ ンス ・ナ シ ョナ ル な枠 組 を 強 め て い る が,そ の 内 実 は北 米(米 国)と 並 ん で 東 ア ジ ア地 域 との相 互 依 存 関係 を 深 化 させ て い る こ と,ま た 調 達 比 率 な どの 点 で 現 地 法 人 と 日本

(本社 等)と の 関係 が 安 定 的 で は あ る もの の,今 後 は 進 出先 で の 日本 企 業 の集 積 や 進 出先 国 企 業 の 技 術 水 準 の 向上,関 税 の撤 廃 も し くは緩 和 な ど に よ り,現 地 調 達 が 高 ま る こ と,を 見 逃 して は な ら な い だ ろ う。 そ して こ の こ と は,日 本 国 内 の 製 造 業 の 一 層 の 生 産 拠 点 の削 減 や 再 構成,人 員 削 減 を も た らす だ ろ う。 実 際,先 の 「海 外 事 業 活 動 基 本 調 査 」 で,国 内 雇 用 が 一 部 余 剰 とな り人 員 削 減 を 行 う必 要 が あ る,と 回 答 して い る企 業 は,37%

に の ぼ っ て い る の で あ る 。 た だ し,こ う した傾 向 は 業 種 別 や企 業 別 に よ っ て 異 な る し,ま た 中 国 を 含 む外 資 の 日本 国 内 で の 展 開 程 度 に よ っ て も異 な

る こ とは,い う まで もな い だ ろ う。

2.高 ま る 中 国 の 比 重

日本 企 業 の 海 外 展 開 は 北 米(米 国)と 並 ん で 東 ア ジ ア に も う1つ の 軸 を 形 成 し つ つ 進 ん で い る が,そ の 東 ア ジ ア の 中 で も 中 国 の 比 重 が 近 年,高

ま りつ つ あ る 。

日 本 企 業 の 現 地 法 人 の 東 ア ジ ア に お け る 売 上 高 の 内 訳 は,表1に み ら れ る よ う に,02年 度 で は 全 産 業 計 で ア セ ア ン4(マ レ ー シ ア,タ イ,イ ン ド ネ シ ア,フ ィ リ ピ ン 〉,NIEs3(シ ン ガ ポ ー ル,台 湾,韓 国)を ぬ い て 中 国 が1位 と な っ て い る 。 製 造 業 に か ぎ っ て い っ て も,中 国 で の 売 上 高 は MEs3を ぬ い て い る 。 こ う し た 状 況 は,設 備 投 資 額 や 現 地 法 人 数 の 増 加 か らい っ て 当 然 の こ と で あ り,今 後 も 一 層 強 ま る と い っ て よ い だ ろ う。 設 備 投 資 で は,2000年 度 に お い て す で に,中 国 で の そ れ がN【Es3を ぬ き,02年 度 で はNIEs3で の1,500 億 円 に 対 して 中 国 で は2,800億 円 と な っ て い る の で あ る(い ず れ も見 込 み)。 ア セ ア ン4の6,200億 円 に は 及 ば な い も の の,今 後 も 自 動 車 大 手 メ ー カ ー の 中 国 進 出 に と も な っ て さ ら に 増 加 す る,と 考 え ら れ る 。

(4)

【表1】 日系 現 地 法 人 の ア ジア 三 極 売 上 高 推 移 (単 位:億 円 、%)

00年 度 01年 度 02年 度見 込 み

一一

前年度比 前年度比

ア ジ ア計

全 産 業 363,761 338,666 ▲1.4 391,fi60 9.2

製 造 業 201,331 zoz,sus 0.7 230,031 13.5

非製造業 162,430 155,990 f4.0 #59,956 2.5

ASEAN4

全 産 業 OZ,'Wr 108,208 5.7 126,509 18.9

製 造 業 78,284 87,164 X1:3 102,110 17.1

非製造業 24,122 21,Q45 1コ12.8 24,372 1v.$

一一

NIEs3

全 産 業 144,488 123.21$ ▲14.7 121,250 ▲1.6

製 造 業 64,129

53,57'8

.

▲16.5 55,612 3.8

非製造業 SO,360 ss,sai ▲i3.3 65,453 ▲6.0

中 国

全 産 業 106,297 116,780 9.9 132,538 13.5

製 造 業 51,020 52,455 a.a 61,466 17.2

非製造業 55,277 64,326 16.4 70,41t 9.5

注)2002年 度 は 見 込 み 額 と して 調 査 した も の 。 出所)図1に 同 じ

【図3】 アジア と我 が国 との製 造業現地法 人販 売高及び調達高 の状況

《2001年 度 》

t,716153.1!f]

翼 地 飯 亮 賓

闘IE8 3,807[51.7!i]

鴛 地 賑 兜 寳

販 売 高

ン讐40

45

2,179[25.0鮨]

鵠 遣 高

855[38.1駈,

2.156[34.7%

崇 中 層 の 致 は 書 灌 を 除

7セ7ン 纏 マ レ ー シ7も タ イ 馬 イ ン ド ネ シ7℃ フ ィ リ ピ ン 制1ε8古 書 港iン ボ ー臥 鷺.韓

単 位=10億 円

国 鴇

8

02L

旧E8 2,148[40.5x7

覗 亀 鯛 遼 畜

3

758

2,

《1996年 度}

中 国

680[53.7%]

璃 地 罎 廃 賓

臓IE8

4,i17[55.3覧 地 簾 斑 寳

飯 発 富

9

ア 践

25

2

調 達 寓

385[41.5x]

2

027L

9

7

."

歎 羅

E

中 国

370×39.9x3 覇 塘 髄 達 盲

7

ア 議

642

(5)

こ う し た 設 備 投 資 や 現 地 法 人 数 の 増 加 は,中 国 で の 従 業 者 数 の 増 加 を も た らす 。01年 度 の 中 国 で

の 製 造 業 従 業 者 数 は60万 人 と な っ て お り,NEs3 の19万 人 を ぬ い て い る の で あ る(な お ア セ ア ン4

は85万 人)。 も ち ろ ん,従 業 者 数 の 規 模 自 体 が 付 加 価 値 率 や 付 加 価 値 額 を 自動 的 に 決 定 す る わ け で は な い 。 実 際,中 国 で の 製 造 業 全 体 の 付 加 価 値 率 は8.6%で,MEsの10.7%,ア セ ア ン4の9.7%

よ り低 い 。 ま た,付 加 価 値 額 も3,214億 円 と,ア セ ア ン4の8,430億 円,NIEs3の5,750億 円 よ り低 い 。 こ の こ と は,中 国 で の 日本 の 製 造 業 の 進 出 が, ま だ 労 働 集 約 型 産 業 あ る い は 組 立 等 の 労 働 集 約 的 工 程 が 多 い こ と を 物 語 っ て い る だ ろ う。 し か し, に も か か わ ら ず,中 国1国 で こ れ だ け の 付 加 価 値 額 を 生 み だ し て い る こ と は,日 本 の 製 造 業 に と っ て 大 き な魅 力 に な っ て い る,と い っ て よ か ろ う。

以 上 み て き た よ う に,中 国 で の 日本 の 製 造 業 の 進 出 は,日 本 の 製 造 業(さ ら に 日 本 経 済 全 体 〉 に

と っ て 中 国 の 比 重 の 高 ま り を 意 味 す る 。 図3は, そ の こ と を 現 地 法 人 と 日本 と の 間 の 販 売 高 及 び 調 達 高 の 状 況 か ら み た も の で あ る 。1996年 度 と 2001年 度 を 比 較 す る と,中 国 で の 現 地 法 人 の 場 合,

日 本 へ の 販 売 高 で3.4倍(2,850億 円 か ら9,680億 円 へ),調 達 高 で2.2倍(3,850億 円 か ら8,550億

円 へ),と 急 増 して い る こ とが わ か る。 こ れ に比 べ て,NIEs(こ の 場 合,香 港 が 含 ま れ る)と アセ ア ン4の 場 合,販 売 高 で は そ れ ぞ れ増 加 して い る が,調 達 高 で はそ れ ぞ れ 減 少 して い る。 こ う した こ とか ら も明 ら か な よ うに,日 本 の 製 造 業(さ ら に経 済 全 体)に とっ て 中 国 の 比 重 が,1990年 代 後 半 以 降,急 激 に高 ま っ て お り,そ の こ とが2003 年 の 目本 国 内 の 景 気 回 復 に現 れ て い る とい っ て よ

い だ ろ う。(た だ し,ア セ ア ン4で は 自 由貿 易 体 制 が 現 地 調 達 を増 加 させ て い る こ と,ま た 中 国の 比 重 の 高 ま りに よる 景 気 回復 も原 材 料 等 を 中心 に して お り,業 種 別 に 差 異 が あ る こ と,な ど に注 意 す る必 要 が あ る)

3.上 海 の横 浜 中堅 ・中 小企 業 の 概 況

こ う した 中で,横 浜 中堅 ・中 小 企 業 の 中 国 と く に上 海市(あ る い は 上 海 経 済 圏一 長 江 デ ル タ,上 海 市 ・江 蘇省 ・漸 江 省)へ の進 出 も,1993年 以 後, 本 格 化 して い る 。1992年 に 都 小 平 が 「南 巡 講 話 」 で 上 海 にお け る経 済 建 設 の重 要性 を強 調 した以 降 の こ と とい って も よい(1990年 に党 中 央 ・国 務 院 が 「上 海 浦 東 地 区 開発 計 画 」 を承 認 して い る が,

これ が 「南 巡 講 話 」 以後,一 気 に加 速 した)。

表2は,2002年 現 在 で横 浜 市 産 業 振 興 公 社 が

【表2】 海 外 進 出 先 別 ・業種 別 横 浜 企 業

(社)

製 造 サ ー ビ ス

国 ・地 域 合計 電 機i車 鑓i樹 戒 罪青密 化学!食 品 繊 維 その他

情報 その他 卸 運輸

金融 その他

上海市 80 19582425110784410

江蘇省 25 72411111111211

漸江省 8 23111

遼寧省 16 2211331021

北京市 22 22311521320

天津市 11 12112040

広東省 36 1836111132

中 国計 227 561629712911620151917811 香 ・台 ・韓

90 419121118375011 東南 ア ジア

155 431524170123512202101

北米

126 29201640201226109511 旧EU

73 22662191610424

総計 727 203729015201112116330616451513

注1)こ の表 の数値 は、2002年 現在 で横浜市産業振興 公社 が把握 してい る企業数 である。

2)中 国計及び総計 で は、各 々その他 を省略 した分 も含 め た数値 であ る。

出所)(財)横 浜 市産業振興 公社 資料 よ り作成 。

(6)

把 握 して い る,海 外 に進 出 して い る横 浜 企 業(横 浜 を本 社 に して い る 企 業,全 産 業,駐 在 員 ・連 絡 事 務 所 を含 む)の 企 業 数 を示 した もの で あ る 。 こ

の表 に よれ ば,横 浜 企 業 の 進 出先 は65%が ア ジ アで あ り,な か で も中 国 は全 体 の30%を 占 め る 。 中国 進 出企 業227社 の うち,上 海 市 は80社,こ れ に江 蘇 省25社,漸 江 省8を 加 え る と,50%が 上 海 経 済 圏 に進 出 して い る こ とが わ か る 。

上 海 市 に進 出 して い る企 業 の うち,大 企 業 は 日 本 ビ ク タ ー(ビ デ オ 等 の 生 産),日 新(物 流一 倉 庫)な ど少 な く,大 半 が 中 堅 ・中小 企 業 とい っ て よい だ ろ う。 上 海 市 に進 出 して い る 日系 企 業 は登 記 上2,700社 あ る とい わ れ て い る が,横 浜 企 業 は そ の う ちの3%程 度 に しかす ぎな い 。(厳 密 に い え ば,横 浜 市 産 業 振 興 公 社 と21世 紀 中 国 総 研 と が把 握 して い る限 りに お い て で あ る。 な お,横 浜

と同 様 の傾 向 は神 奈 川 県 に本 社 をお く企 業 数 で も み られ,東 京 ・大 阪 ・愛 知 に つ い で4番 目 に多 い

と は い え,5%に す ぎ ない 。21世 紀 中 国 総研 編

『中 国 進 出 企 業 一 覧2003‑2004年 版 』 蒼 蒼 社, の 資 料 よ り算 出)。 この こ と は,も と も と横 浜 経 済 さ らに神 奈 川 経 済 が,東 京 に本 社 を お く企 業 の 生 産 拠 点,「 支 店 経 済 」 とい う性 格 を強 く もた さ れ て い た こ との 反 映,と い って よ い だ ろ う。 さ ら に上 海 市 に 進 出 し た横 浜 企 業 を業 種 別 にみ る と, 製 造 業 で は電 機 ・機 械 ・輸 送 用 機 械,サ ー ビ ス業 で は 情 報 サ ー ビ ス,運 輸 が 多 い 。 こ う した 進 出企 業 の 業 種 別 構 成 もま た,横 浜 さ ら に京 浜 工 業 地 帯 の 産 業構 成 を反 映 してい る,と い って よ い だ ろ う。

企 業 数 は少 な い が,江 蘇 ・漸 江 省 で は上 海 市 以 上 に こ う した 特 徴 が 強 くで て い る が,こ の2省 が 上 海 市 の 後 背 生 産 拠 点 と して 形 成 され て い る こ と と 関 連 して い る と考 え られ る。

と こ ろ で,上 海 市 の経 済 は1990年 代 以 後,急 成 長 を とげ て い るが,実 際,2002年 のGDP(域 内 総 生 産)は5,408億 元 で,1990年 の7倍 強 の 伸

び を み せ て い る 。̀3)中国 全 体 の 経 済 成 長 率 が 高 い 伸 び を示 して い る な か で,上 海 市 の そ れ は そ れ以 上 の 高 さで伸 び て い る の で あ る。 こ う した 高 度 成 長 を もた ら した 要 因 の1つ と して外 資 導 入 が あ げ られ る が,契 約 ベ ー スで1990年 の203件1.7百 万 ドル か ら2002年 には3,012件50.3百 万 ドル へ と

増 大 して い る。のそ の 結 果,工 業 分 野 に か ぎ っ て い っ て も,工 業 企 業 単位 数(社)の う ち,2002年 現 在,「 国有 経 済 」53%,「 集 団経 済(郷 鎮 村 営 な ど)」24.5%に 対 して,「 そ の他 経 済(私 人 ・個 人 ・連 合経 済 ・株 式 制 ・外 資)は70.2%を 占 め る に い た って い る。 そ して 「そ の他 経 済 」 が 工 業 生 産 額 の82.5%を 占 め,さ ら に上 海 の外 資 系 企 業 が 工 業 生 産 と輸 出 の6割 を 占 め て い る の で あ る。 ま た,上 海 市 の1人 当 た りのGDPは,2002 年 に は40,646元 と な り,全 国 平 均 の5倍,最 も低 い 内 陸 の 貴 州 省 の12倍 とな っ て い る。1人 当 た り の 平均 賃 金 も年23,959元 と93年 と比 べ て4倍 の 伸 び を示 して い る の で あ る 。 この うち,1人 当 た りのGDPは 戸籍 人 ロ1,334万 人 を母 数 と して 求 め た もの で あ り,失 業 者(90年 代 後 半 か ら微 増)や 出 稼 ぎ労 働 者(そ の 家族 を含 め て300万 と も400 万 と もい わ れ て い る),農 民,高 齢 者 な ど と経 営 者,高 学 歴 の外 資 系 企 業 従 業 員 な ど との 格 差 が 広 が って い る が,そ れで も全 体 と して上 海 市 は と く に1990年 代 後 半 以 後,急 成 長 しつ つ あ る とい っ て よい だ ろ う(以 上 の 数 値 は 『上 海 統 計 年監2003 年版 』 中国 統 計 出 版 社,に よる)。

しか し,こ の 上 海 市 以 上 に高 度 成 長 をつ づ け て い る の が 江 蘇 省 ・漸 江 省 で あ り,こ の1市2省 か ら成 る上 海 経 済 圏 は,い まや 中 国 全 体 か らみ て2 割 経 済 圏 を形 成 して い る の で あ る。 上 海経 済 圏 の 輸 出 は全 国比 で28%を 占 め,ま た 対 日貿 易 も37

%と 広 東 省 の26%を こ えて い る。 上 海経 済 圏 の 人 口 は1億4千 万 人 と 日本 の 人 口 と同規 模 で あ り,所 得 も高 く市 場 と して も急 成 長 して い る,と い っ て よい だ ろ う。上 海 経 済 圏(長 江 デ ル タ地 域) は,広 州 を 中心 とす る珠 江 デ ル タ地 域,北 京 ・天 津 を中 心 とす る 環 渤 海 地 域 と並 ん で 中 国経 済 の 三 極 を形 成 す る とい わ れ て い るが,い まや 第1位 の 地位 を 占め つ つ あ る とみ られ る。 そ して,上 海 経 済 圏 の 形 成 と と も に,上 海 市 は 単 な る生 産 拠 点 か ら製 造,販 売,調 達,開 発 等 の 総 合 的拠 点 と して の 機 能 を有 す る よ うに な っ て きて お り,日 系 大 企 業 も中 国本 部 機 能 を上 海 市 にお く傾 向 が生 じて き て い るの で あ る。

横 浜 中堅 ・中 小 企 業 も また,こ う した 高 度 成 長 が つ づ き,し か もネ ッ トワー ク化 され つ つ あ る上

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海 経 済 圏 の 中 で経 営 活 動 を行 っ てお り,新 た な生 産 ・販 売 体 制 の 構 築 を 図 っ て い る。 以 下 で は,上 海 に進 出 した横 浜 中 堅 ・中小 企 業 の 中 で も多 い機 械 ・電 機 の 業 種 か ら3社,情 報 サ ー ビス の 業 種 か ら1社 を選 ん で,そ れ ぞ れ 個 別 の 企 業 の 実 態 につ い て立 ち 入 っ て み る こ と に した い 。(以 下 で 事 例 と して 取 り上 げ た企 業 の 中 に は,統 計 分 類 上 ・株 式 市 場 の ラ ン ク上,大 企 業 の 分 類 に 入 る企 業 が あ るが,こ こで は巨 大 企 業 と比 較 して 事 業 規 模 や経 済 に与 え る影 響 力 等 を考 慮 して,中 堅 企 業 と して 取 り扱 っ た)

II上 海にお ける横浜中堅 ・中小企業の事例

1.S社 一 放 電 加 工 機 メ ー カ ーの 事 例 (1》 円高 対 策 と しての タ イ ・中国 への 進 出

S社 は資 本 金146億 円 の 工 作 機 メ ー カ ー で あ り,東 証2部 に上 場 され て い る企 業 で あ る。S社 は 金 型 産 業 に不 可 欠 なNC(数 値 制 御)放 電 加 工 機 を軸 に,さ らにCAD/CAMシ ス テ ム,プ ラ ス チ ッ ク射 出 成 形 機 な ど を 生 産 ・販 売 して お り, NC放 電 加 工 機 で は 世 界 シ ェ アの37%,国 内 シェ アの45%を 占 め て い る。2004年 現 在,S社 の従 業 員 は300名 で あ る(本 社 及 び海 外 勤 務,営 業 所 等 を含 む)。

S社 が 連 結 対 象 と して い る企 業 数 は,30社 で あ り,こ の う ち タ イ と中 国 に現 地 法 人 を設 立 して 生 産 を行 っ て い る 。連 結 売 上 高 は,04年3月 期 で は ..億 円 で あ り,経 常利 益 は37億 円 となってい る。

売 上 高 の う ち,日 本 の割 合 は53%で あ り,ア ジ ア(日 本 を除 く)の そ れ は33%と な っ て い る。

ア ジ アで の 売 上 高 が 拡 大 して い る が,な か で も中 国(台 湾 ・香 港 含 む)で の 売 上 高 は全 体 の25%

を占 め るほ どで あ り,中 国 で の販 売 はS社 に とっ て 重 要 な位 置 を 占 め て い る と い っ て よい だ ろ う。

そ して 生 産 ベ ー ス で み て も,タ イ40%,中 国30

%,国 内30%と,ア ジ ア で の 生 産 比 率 が 国 内 を 上 回 っ て い る。

こ う したS社 の タイ ・中 国 で の生 産比 率 の 高 さ は,創 業 時 の や や 特 殊 な事 情 と関 連 して い る 。S 社 の 創 業 は1971年 で あ る が,業 界 内 で の 後 発 メ 0カ ー で あ っ た た め ,機 械工 学,電 気情報工 学系

の 人材 を集 め る の に困 難 で あ っ た こ と,ま た地 価 高 騰 等 の た め 工 場 用 地 の 入 手 が 困 難 で あ っ た こ

と,な ど に よ り,は や く も76年 に は福 井 県 内 に 生 産 主 力 拠 点 を形 成 して い る。 横 浜 企 業 とい っ て も,S社 は創 業 後 の 早 い 時 点 か ら県 外 に生 産 拠 点 をつ く ら ざ る を え な か っ た,と い っ て よ い だ ろ う。

県 外 で の 生 産 拠 点 づ く りか ら,さ らに海 外 で の 生 産拠 点 づ く りへ と向 っ た の は,90年 に タ イ に生 産 工 場 を完 成 ・操 業 して 以 来 の こ とで あ る 。 そ の 直 接 の 要 因 は85年 の プ ラザ 合 意 以 後 の 円 高 対 策 で あ る 。S社 は 欧 米 向 き製 品 の コ ス トダ ウ ン を は か る た め,労 賃 の 安 い タ イ に 進 出 した の で あ る (04年 現 在,S社 現 地 法 人 単 体 の 従 業 員 数 は750 名,グ ル ー プ全 体 で800名 を こえ る。 エ ンジ ニ ア

を含 む 間 接 部 門 とワ ー カ ー の比 率 は3:7と な っ て い る 。 な お,タ イで は ワ ー カー の 中 に は タ イの 事 情 を反 映 して 大学 卒 者 も多 い)。

一 方,中 国 へ の 進 出経 過 は,1984年 か ら製 品 販 売 を開 始 し,91年 には 上 海 交 通 大 学 と合弁 で放 電 加 工 機 に組 み 込 む ソ フ トウ ェ ア 開発 企 業 を設 立 させ て い る 。 こ う した 中 国 で の 足 場 固 め と タ イで の生 産経 験 の 上 に,95年 か ら蘇 州 で合 弁 企業 の も とで 生 産 を 開始 して い る 。 そ して,S社 は01年 に,グ ル ー プ経 営 構 造 改 善 策 で 国 内 で の 放 電 加 工 機 生 産 か ら撤 退 し,タ イ と中 国 に 生 産 移 管 す る こ と を決 定 す るの で あ る。

② 中 国市 場 の 拡 大 と生 産 ・販 売 体 制 の 拡 充 以 上 の 放 電 加 工 機 の タ イ と くに 中 国 で の 生 産 移 管 は,中 国 市 場 の 急 激 な拡 大 に対 応 した もの だ と い っ て よ い だ ろ う。S社 は97年 に上 海 市 浦 東 新 区 の 外 高橋 保 税 区 に販 売 拠 点 で あ る現 地 法 人 を設 立 した 。 周 知 の よ う に,保 税 区 は 関税 が 保 留 され る 自由 貿 易 区で あ り,し た が って こ こ に設 立 され た現 地 法 人 は,輸 入一 内 販,国 内 調 達 一 輸 出 をす る こ とが で きる。 こ う した特 典 と優 遇 措 置 に よ っ て,S社 は 日本 へ の 輸 出(逆 輸 入)等 ば か りで な く,拡 大 す る 中 国 市 場 そ の もの へ 積 極 的 に対 応 を す る こ と とな る の で あ る。 こ の こ とは安 い 労 働 力

を求 め る 円 高対 策 と して の 進 出 ・操 業 か らの転 換 を意 味 す る。

この 拡 大 す る 中 国市 場 と は,S社 の場 合,中 国

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の私 企 業 ・国有 企 業 に対 す る販 売 増 加 を さ して い る 。10年 前 と03年 の 販 売 先 を比 較 して み る と, 10年 前 で は 中国 私 企 業 ・国有 企 業 は20%で,外 資(日 本 ・欧 米 ・台 湾 ・香 港 企 業)が80%を 占 め て い た が,現 在 で は,そ の 比 率 は前 者 が80%, 後 者 が20%と,逆 転 して い る。 と くに 中 国 私 企 業 の 伸 び は 著 し く,全 体 の50%を 占 め て い るの で あ る 。 これ は 中 国 で の 金 型 産 業 が 成 長 して い る こ と と関 連 して い る。S社 の 販 売 地 域 先 で こ れ を み る と,漸 江 省 の 柳 市 や虹 橋 市 は そ の典 型 だ ろ う。

虹橋 市 で は金 型 工 場 が5千 社 あ る とい わ れ て い る の で あ る(こ の 中 に は,一 人 親 方 の 工 場 も多 い)。

これ らの 地 域 で は,ソ ケ ッ トやICの 部 品 生 産 の た め の 金 型 が 生 産 され て お り,精 度 の 高 い 製 品 が 要 求 され規 格 が きび し くな る に した が って,金 型 生 産 の た め の 放 電 加 工 機 も精 度 の 高 い もの が 必 要 と され て きて い る。 こ う した な か で,S社 の 中型 加 工 機iは平 均 で100万 元(1,500万 円)と 価 格 が 高 い もの の,韓 国 ・台 湾 メ ー カ ー の50万 元 台, さ ら に 中 国 ロ ー カ ル メ ー カ ー の10万 元 台 と比 べ て,性 能 が 優 れ て い る た め 生 産 が 需 要 に 追 い つ か な い状 況 とな っ て い る の で あ る。 実 際,注 文 して か ら6ケ 月 待 た され る状 況 とな って い て,こ の た め シ ョー ル ー ム にあ る加 工 機 を現 金 で買 う業 者 も 現 れ て い る。S社 は 中 国 市 場 で は ス イ ス メ ー カ ー と二 分 す る勢 い と な っ て い る の で あ る。 後 述 す る よ うに,S社 は 蘇 州 の現 地 法 人 に よ る生 産 拡 大 を はか っ て い るが,タ イで 生 産 され た製 品 も中 国 市 場 へ 投 入 して い るの で あ る 。

こ う した 拡 大 す る 中国 市 場 へ の 販 売 体 制 を,従 業 員 構 成 の 面 か らみ て お こ う。 現 地 法 人 の 従 業 員 数 は60名 で あ るが,こ の うち にはS社 か らの駐 在 日本 人6名 が 含 まれ て い る(総 経 理1名,日 系 企 業 担 当営 業2名,サ ー ビス そ の 他3名)。 中 国 人 従 業 員 は,中 国企 業 ・日系 企 業担 当 の 営 業9名

(上海3名,北 京3名,そ の他),サ ー ビス マ ン30 名,事 務8名(財 務2名,総 務1名,通 関 ・部 品 管 理5名),そ の他,で あ る。 中 国 人 従 業 員 の う ち,部 長 職1名(日 本 の 大 学 に留 学 経 験 が あ り, 本 社 採 用),課 長 職(現 地 採 用)5〜6人 と な っ て い る。

給 与 は,営 業(大 卒 ・専 門学 校 卒)で 月5,000

元,サ ー ビス マ ン(機 械 ・電 気 系 の 大 卒,オ プ シ ョン,機 械 す え つ け,部 品供 給 な ど)で3,000元 (た だ し,残 業 が 多 く,1〜2,000元 が 加 わ る), 事 務(大 学 ・短 大 ・専 門学 校 卒)で2,000元,で

あ る。課 長 職 で は7〜8,000元 とな っ て い る。 し か し,給 与 は,こ れ に失 業 ・医 療 ・年 金(養 老) の 各保 険 料 と住 宅 税(将 来,住 宅 を取 得 す る た め の準 備 金)を 加 え て(い わ ゆ る 「四 金 」)5),実 質 的 に は各 々 月収 の1.7倍 とな っ て い る。 さ ら に, ボ ー ナ ス が3〜4ヶ 月分 を年2回 に分 け て 支給 さ れ て い る。 したが っ て,運 転 手 等 をの ぞ け ば,大 半 の 従 業 員 の年 収 は上 海 市 の1人 当 た り平 均 賃 金

を こ え,課 長 職 で は5倍 強 とな る。 雇 用 契 約 年 数 は1・2・3年 と な っ て い るが,従 業 員 ご と に適 用 年 数 が異 な る。 こ れ は 従 業 員 本 人 の勤 務状 況 と 本 人 の希 望 に よ って 異 な るが,す で に勤 続10年 以 上 の 者 が 営 業 を 中心 に10名 以 上 い る 。 これ に 対 して,サ ー ビス マ ンは 新 卒 入 社 後,一 定 の 技 術 を習 得 後,よ り高 い賃 金 を求 め て他 企 業 へ 移 動 す る者 が 多 い。 従 業 員 募 集 は現 在,人 材 紹 介 会 社 を 通 して 行 っ て い るが,サ ー ビ スマ ンを の ぞ い て ほ ぼ安 定 した 従業 員 体 制 を整 え て い る。

こ う した 中 国 市 場 の 拡 大 に と もな っ て,生 産 面 で の 拡 充 が 必 要 と な っ て い るが,蘇 州 工 場 で は 2002年 の 段 階 で 月産30台 体 制 で あ っ た もの が, 04年 に は50台 体 制 に,さ ら に04年 秋 には100台 体 制 へ と拡 充 を は か っ て い る 。 蘇 州 の 現 地 法 人

(合弁)の 生 産 ラ イ ンは,設 立 後,新 た に 工 場 を 増 建 設,さ らに04年 春 に工 場 増 築 を行 って い る。

こ の 間,す で に99年 の 時 点 で 日本 で しか 生 産 で きな か った 製 品 を蘇 州 工 場 に移 管 して お り,部 品 や板 金 な どの 加 工 か ら組 立 ま で 同 工 場 とそ の 他 の 現 地 法 人 で 行 っ て い る 。

生 産 拡 大 に と もな っ て,従 業 員 数 も140名 か ら 200名 へ と増 加 して お り,今 後 は さ らに300名 ま で 増 加 させ る予 定 で あ る。 ワー カ ー の給 与 は 月1

〜1 ,500元 で あ り,事 務 職 ・管 理 職 の そ れ は こ れ を上 回 る。 同工 場 で は,創 業 時 か らの管 理 職 が 多 い が,学 歴 で は 短 大 ・工 業専 門 学 校 卒 の割 合 が 多 い 。 こ れ は,大 学 卒 が よ り高 い 賃 金 を 求 め て 転 職 す る傾 向が 高 い の に対 して,こ の 学 歴 層 出 身 者 で はそ れ が 低 い た め で あ る 。 ワー カ ー ・事 務 職 と も

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に地 元 蘇 州 の住 民 が 多 く,社 員 寮 施 設 は ない 。 蘇 州 の1人 当 た り平 均 賃 金 は年15,924元 で あ る が, ワー カ ーの 多 くが こ れ を上 回 る賃 金水 準 と な っ て い る。 こ う した こ とを反 映 して,従 業 員 の 通 勤 手 段 も,自 転 車 ・バ ス か ら電 気 自転 車 ・バ イ クへ,

さ ら に 自動 車 へ と変 化 して い る の で あ る 。 とこ ろ で,放 電 加 工 機 の 生 産 に と って 数 値 制 御 等 を 自 動 的 に行 う コ ン ピ ュ ー タ ー ・ソ フ トの 開 発,プ ロ グ ラ ミ ング は重 要 な位 置 を占 め て い るが, S社 で は この 部 門 を専 門 に行 う現 地 法 人 を上 海市 で 設 立 して い る 。 こ の 現 地 法 人 は1991年 に,上 海 交 通 大学 と合 弁 で 設 立 した もの で あ る(出 資 比 率S社80%,大 学20%)。 ソ フ ト開発 ・プ ロ グ

ラ ミ ン グ は,か つ てS社 内 部 で行 わ れ て い た が, 増 産 に と も な っ て社 内 で は ま か な い きれ ず,ま た 日本 国 内 で の 外 注 も コ ス トが 高 い ため,上 海 へ と 移 管 した こ と に よ る 。 実 際,日 本 国 内 に比 べ て, 上 海 で の労 賃 は1/20に な る とい わ れ て い る。 こ の た め,上 海 交 通 大 学 でCAD/CAM関 係 の 仕 事 を して い た こ とか ら,同 大 学 と合 弁 で 現 地 法 人 を 設 立 した の で あ る 。現 在,ソ フ ト開 発 で のS社 本 社 と上 海 現 地 法 人 との 役 割 分 担 は,新 た な加 工 機 等 を生 産 す る場 合,本 社 研 究 開発 部 で ソ フ ト概 念 を つ く り,現 地 法 人 は こ れ に した が っ て プ ロ グ ラ ム作 成 を行 う,さ ら に発 注 企 業 の オ プ シ ョン等 に した が っ て プ ロ グ ラ ム を作 成 す る,と い う分 担 に な っ て い る 。

現 地 法 人 の 従 業 員 数 は,04年 現 在,64名 で あ り,こ の うち ソ フ ト開発 ・プ ロ グ ラ ム作 成部 門が 55名,管 理 部 門(財 務 ・総務 等,部 品 加 工 の 発 注 を含 む)9名,と な っ て い る。 総経 理 はS社 本 社 の 社 員 で あ り,決 定 は 総経 理 が行 っ て い る。 ソ フ ト開 発 ・プ ロ グ ラ ム作 成部 門 の 大 半 が 大 学 卒 ・大 学 院 卒 で あ り,上 海 交 通 大 学 出 身者 が 多 い 。 給 与 は,管 理 職(35〜40才)で7〜8,000元,一 人 前 の プ ロ グ ラマ ーで3〜4,000元,初 任給 は2,000 元,と な っ て い る。 給 与面 で は一 定 の 成 果 主 義 も も りこ まれ て お り,ノ ル マ を こ え た分 につ い て は 成 果 主 義 に も とつ い た 支給 が な され て い る。 ボ ー ナ ス は年2回,そ れ ぞ れ1.5ヶ 月分 ず つ 支 給 され て い る。 この他 に,各 種 保 険 等 の負 担 をあ わせ る と,月 給 与 の1.7〜1.8倍 が 給 与 と して 支給 され

て い る こ とに な る。 こ う した状 況 を 反 映 して,い ま や 管 理 職 で は マ ン シ ョン,自 動 車 を所 有 しは じ め て い る の で あ る。

雇 用 契 約 年 数 は3年 で あ るが,実 力 が な い な ど の理 由 で 再 雇 用 しない 場 合 は ご く まれ で あ る 。 む しろ 雇 用 関係 で 問 題 な の は,技 術 が 向 上 しグ ル ー プ の リー ダー 的 存 在 に 成 長 した 中 間層 に離 職 が 多 い 点 で あ ろ う。 これ に は,仕 事 に応 じて 中途 採 用 を行 っ て対 応 して い る が,目 に見 え ない 損 失 も大 きい だ ろ う。本 社研 究 開発 本 部 と現 地 法 人 との 役 割 分 担 上,管 理 職 に は 日本 語 能 力 が 必 要 不 可 欠 と な って い る 。 しか し一 般 の プ ロ グ ラマ ー で は,こ の管 理 職 の 下 で 仕 事 をす る た め,週 に1回 日本語 の勉 強 会 を行 う程 度 で す ん で い る 。 む しろ,一 般 の プ ロ グ ラ マ ー で 要 求 され て い る の は,品 質 管 理 の 能 力 ・意 識 で あ る。 この 点 で は,設 立 後3〜4 年 が と くに 苦労 した とい う。 そ れ は 個 々 の プ ロ グ

ラ ム作 成 能 力 とい う よ り,「 仕 事 を勝 手 に わ りふ っ て や る 。 しか も自分 は ま ちが っ て い な い,と い い は る」 とい う,仕 事 の 全 体 像 を把 握 した上 で の 分 担,あ る い は分 業 に もとつ く協 業 にか か わ る 意 識 と行 動 様 式 の 面 で の 問 題 点 だ とい っ て よ い だ ろ う。 そ の こ とが,最 終 的 に は 品 質 管 理 の 問題 を 引 きお こ す こ と に な る の で あ る。 現 在,ル ー ル づ く りが な され て,大 き な混 乱 は な い が,「 打 ち 合 せ で も中 国 人 同 志 で や りは じめ る 。 自分 勝 手 に行 動 す る」 とい う面 が 少 なか らず あ る,と い う。 した が っ て,こ う した こ と と先 に述 べ た グ ル ー プの リ ー ダー 的 存 在 に成 長 す る と離 職 が 多 くな る こ と と が,品 質 管 理 の 問 題 を生 じ させ る 潜 在 的 要 因 と し て あ る,と い っ て よい だ ろ う。

以 上,中 国 私 企 業 を中 心 とす る 中 国 市 場 の 拡 大 に対 応 した 販 売 ・生 産 ・ソ フ ト開発 に つ い て み て き た が,S社 で は さ らに台 湾 ・香 港 を含 む 中 国 を 統 括 す る 会社 を,2004年 に設 立 し,香 港 証 券 市 場 に上 場 した 。 この 地 域 統括 会 社 設 立 の 狙 い は,中 国 で の 生 産 拡 充 に必 要 な資 金 を必 要 な と き に現 地 調 達 す る とこ ろ に あ る。 と同 時 に,こ れ に はS社 本 体 で は投 資 負 担 を減 らす こ とが で き,有 利 子 負 債 の 削 減 に専 念 で きる,と い う狙 い もあ る。 い ず れ にせ よ,設 備 投 資 負 担 が 大 き い 機 械 工 業 で,S 社 が 地 域 統 括 会 社 を 設 立 した こ とは,S社 に と っ

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て 中 国 で の 生 産 ・販 売 が主 軸 を なす とい う位 置 付 け を意 味 す る だ ろ う。

もち ろ ん,S社 が 中 国 に進 出 した当 初 か ら こ う した位 置付 け が な され て い た わ け で は な い。実 際, 蘇州 工 場 で は 当 初,製 品 の すべ て が 欧 米 向 き輸 出 と 日本 向 き輸 出(逆 輸 入)で あ っ た。 しか し,こ の 間,先 にの べ た よ う に中 国経 済 の 急 成 長 に よ り, そ の比 率 は逆 転 した 。 そ して,こ の 中国 経 済 の 急 成 長 が,97年 の ア ジ ア金 融危 機 に よる タ イで の 黒 字 の は き出 し,ま た2000〜01年 にか け て の 半 導 体 市 場 の低 迷 に よ る輸 出減 少 とい う危 機 的状 況 を 救 っ た,と い っ て よい だ ろ う(02年3月 期 の 売 上 高 は前 年 比 一25%,経 常 利 益 は20億 円 の赤 字 と な っ て い る)。 した が っ て,S社 の 中 国 進 出 目 的 は,当 初 の 労 賃 削 減 を 中心 と した 円 高 対 策 か ら, 中 国 経 済 ・市 場 の 急 成 長 に対 す る 体 制 づ く りへ と,大 き く転 換 した,と い え る だ ろ う。

そ し て,こ う した 中 国 で の 生 産 拠 点 づ く りは, S社 の 国 内 生 産 を も大 き く変 化 させ る こ と に な

る。 実 際,国 内 の 生 産拠 点 で あ っ た福 井 工 場 で は 放 電 加 工 機 の 生 産 は行 って お らず,タ イや 中 国 で 生 産 した大 型 機 械 を グ レー ドア ッ プ して,国 内 で 販 売 す る こ と と な っ た の で あ る。 しか も,同 工 場 の 従 業 員 は01年 か ら削 減 し,そ の 後 子 会 社 を設 立 して 転 籍 させ て い る 。 そ の 一 方 で,国 内 で は次 世 代 技 術 を 担 う 「ナ ノ加 工 機 」 の 開発 ・生 産 を, また2000年 に 米 国 シ リ コ ンバ レー に現 地 法 人 を 設 立 して ソ フ トウ ェ ア 開 発 を行 っ て い る。 こ れ に タ イ ・中 国 を含 め て,S社 で は 生 産 ・研 究 の 国際 分 業 体 制 をつ く りつ つ あ る。 こ う して,S社 は 1990年 代 以 降,生 産 ・販 売 と もに グ ロ ーバ ル な展 開 を行 う多 国籍 企 業 へ と脱 皮 し,そ の 中 で も中 国 は 重 要 な位 置 を 占 めつ つ あ る,と い っ て よい だ ろ

う。

2.A社 一 塗装 機 ・コ ンプ レ ッサー メー カ ー の事 例 (1}バ ブル 崩 壊 後 の 回復 と中 国市 場

A社 は建 築 ・家 電 用 な どの 各 種 の 塗装 機 お よ び エ ア コ ンプ レ ッサ ー を軸 に した圧 縮 機 の製 造 メ ー カ ー で あ り,資 本 金33億 円 の東 証1部 上 場 企 業 で あ る 。 売 上 高 は連 結 で03年 度219億 円(単 体 189億 円)と な っ てお り,バ ブ ル期300億 円 と比

べ て2/3強 で あ る。 しか し,一 時160億 円台 に落 ち込 ん だ状 況 か らや や 回復 しつ つ あ る とい っ て よ い だ ろ う。 従 業 員 数 は グ ル ー プ全 体 で1 ,100人 程 度 で あ る。

売 上 高 の製 品 別 内 訳 は,塗 装 機 関連 と圧縮 機 関 連 で そ れ ぞ れ50%づ っ とな っ て い る 。 また 国 内

と海外 の比 率 は,97年 の 国 内82%,海 外18%

か ら,03年 には そ れ ぞ れ70%,30%と な って お り,海 外 比 率 が増 加 して きて い る。 海 外 比 率 の う ち,ア ジ ア が70%近 く を占 め て い るが,と くに 中 国 で の 販 売 高 が30億 円 に ま で 増 加 して お り, 海外 売 上 高 全 体 の ユ/4,ま た全 売 上 高 の ユ割 強 を 占 め て い る。 バ ブ ル 崩壊 後 のA社 の 業 績 回復 に と っ て,中 国 で の 売 上 増 加 は大 きな 支 え に な っ た と い っ て よか ろ う。

A社 で は,す で に1980年 代 の 終 りに台 湾 で, ま た92年 に は 中 国 ・漸 江 省 で 塗 装 機 の 生 産 を 開 始 して お り,さ ら に90年 代 の 後 半 に は イ ン ドで 圧 縮 機 の 生 産 を行 っ て い る。 ア ジ アで の 売 上 高 の 増 加 と と も に,こ れ らの 地 域 ・国 で の 生 産 も拡 大 させ て い る と い って よ い だ ろ う。 こ う した 中 で, と くに 中 国 市 場 の 急 成 長 に 対 応 して,A社 で は, 07年 の 売 上 高70億 円 を 目標 に して,近 年,総 合 的 な販 売 ・生 産 体 制 を準 備 しつ つ あ る。

(2)中 国 に お け る総 合 的 な販 売 ・生 産 体 制 の 準 備 へ

A社 の 中 国 に お け る現 地 法 人 は3社 あ るが,こ れ らす べ て が上 海 市 お よび 上 海 経 済 圏 に立 地 して い る。 この う ち,販 売 関 係 の 新 会 社 は2003年 に 設 立 され た が(独 資),そ の 登 録 地 は外 高 橋 保 税 区 で あ る。 こ こで の 新 会 社 設 立 の 狙 い は,大 き く い って2つ あ る とい って よい だ ろ う。

第1は,そ れ まで の 法 人 で は,中 国 現 地 生 産 の 製 品 の み を扱 い,A社(日 本 等)か らの輸 入 製 品 は代 理 店 の み で 販 売 して い た とい う制 限 を と りは ら って,A社 グル ー プ の全 製 品 を拡 大 す る 中 国 市 場 へ 供 給 ・販 売 す る体 制 を 整 備 す る狙 い で あ る (も ち ろ ん,中 国生 産 品 の輸 出 も含 む)。A社 に と って の 中国 市 場 と は,主 に 日系 企 業,と くに特 化

した 規 模 の 小 さい 工 場 で あ り,こ れ に 中小 規模 用 の 製 品 を販 売 す る こ とが 中心 と な っ て い る 。 この 他 に,外 資 で は シ ンガ ポ ー ル ・マ レー シ アの 企 業

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(華 人),そ して 中 国 の 民 間 ロ ー カ ル メ ー カ ー,と な っ て い る 。 こ れ らの 企 業 に,A社 グ ル ー プ の 全 製 品 を販 売 す る点 にあ る。 そ して第2は,中 国 で の 現 地 調 達 に よ る 塗 装 シ ス テ ム 事 業 の 拡 大 で あ る。 中 国 で のA社 の 製 品(事 業)別 売 り上 げ は, ス プ レー ガ ン等 が40%,塗 装 シス テム が60%で あ り,今 後 は 自動 車,電 子 機 器(携 帯 電 話 等)関 連 の 日系 企 業 の進 出 増 加 に と もな っ て,さ ら に塗 装 シ ス テ ム の売 り上 げ の 伸 び が 見 込 ま れ て い る。

こ の 塗 装 シ ス テ ム は,ス プ レー ガ ン等 の単 品 販 売 とは 異 な っ て,こ れ らの 単 品 を組 み 込 ん だ 塗 装 工 程 全 体 を製 品 化 した もの だ とい っ て よか ろ う。

こ う した狙 い を も っ て 新 会 社 が 設 立 され た が, A社 か ら出 向 い て い る総 経 理 をの ぞ い て,現 地 従 業 員 は7名 と まだ小 さい 。 財 務 ・輸 出入 等 の 事 務 系 が5名 で,全 員 が女 性 で あ り,学 歴 は大 学 卒 か 専 門 学 校 卒 で あ る。 給 与 は,福 利 厚 生 費等 こみ で 月2,800元 か ら3,400元 とな っ て い る。 サ ー ビス 系 で は男 性2名 で,機 械 主 学 系 の 大 学 を卒 業 した ば か りで あ る た め,給 与 は 月2,000元 と な っ て い る。 この 他 に賞 与 が1ヶ 月 支 給 され るが,全 体 と して 賃 金 コス ト節 約 の た め 上 海 人 以外 の 地 方 人 が 多 く採 用 され て い る(と くに福 利 厚 生 費 は上 海 人 の 場 合,月 収 の45%で あ る の に対 して,地 方 人 で は12%と な っ て い る,と い う)。

現 地 従業 員 数 も少 な く,ま た設 立 間 も ない こ と もあ っ て,A社 か らの 社 員 が 派 遣 され て い る。 事 務 ・営 業 系 で は2名 が 支 援 要 員 と して派 遣 され て お り,今 後 需 要 が 見 込 まれ て い る 塗 装 シ ス テ ム 関 係 で は常 時2〜3名 が,ま た仕 事 量 に応 じて5〜

6名 が追 加 派 遣 され て い る 。 した が って,塗 装 シ ス テ ム 関係 で は現 在 の と こ ろ,全 員 が 日本 人 で あ る 。 新 会 社 で の 塗 装 シ ス テ ム 関 係 の 主 な仕 事 は, 中 国 で の現 地 調 達 にあ るが,社 外 調 達 は ほ ぼ板 金 関 係 に 限定 され て い る。この板 金 関 係 の仕 事 で は,

日系 企 業3社(30%),中 国 ロ ー カ ル 企 業6社 (70%)で 生 産 させ て い るが,蘇 州,無 錫 に あ る 中 国 ロ ー カ ル企 業 を選 ん だ理 由 は低 価 格 の製 品 納 入 で あ る。 た だ し,規 格 に あ った 製 品 の納 入 まで に2年 の 教 育 が 必 要 で あ っ た,と い う。 こ う した 社 外 現 地 調 達 が ほ ぼ板 金 関 係 に限 定 され て い る理 由 は,A社 内 部 の 政 策 的 な配 慮 に よ る もの で あ る 。

つ ま り,板 金 関 係 以 外 で も現 地 調 達 が 可 能 で あ る が,そ の場 合 担 当 セ ク シ ョ ンの 実 績 が 下 が る こ と に な り,そ れ をふ せ ぐ配 慮 が な され て い る た め で あ る。 この ため,中 国 で の 利 益 は そ れ ほ ど上 っ て い な い。

以 上 の 塗 装 シ ス テ ム を含 む販 売 を主 とす る新 会 社 の他 に,A社 で は2つ の現 地 法 人 を設 立 して, 生 産 を行 っ て い る 。1つ は1992年 に漸 江 省 嘉 興 市 に設 立 した生 産 工 場 で あ り,こ こで は主 に ス プ レ ー ガ ン を生 産 ・販 売 して い る(た だ し,本 社 は上 海 市 。 この 工場 で の 中 国 人 従 業 員 は約300人 で男 女 半 々 の 比 率 で あ る 。 賃 金 は 月1,000元 で あ り, こ れ に福 利 厚 生 費 を含 め る と1.5倍 近 くに な る)。

こ こ で 生 産 され た 製 品 は,ほ ぼ 中 国 国 内 で 販 売 さ れ て い る 。 そ の 主 要 製 品 で あ る ス プ レー ガ ン は, 日本 市 場 で は まだ 通 用 す る ほ どの 精 度 を得 て い な い た め で あ る。 同 じA社 で も,日 本 市 場 で通 用 す る の は 台 湾 の工 場 製 品 で あ り,現 地 調 達 ・加 工 の ち が い に よ っ て,こ う した差 違 が 生 じて い る の で あ る 。 こ の た め,漸 江 省 で の ス プ レー ガ ンの生 産 に 当 って は,ガ ンの 洗 浄 な どの 工 程 で で きる だ け 自動 化 を進 め,だ れ に で もで き る単 純 作 業 を 中 国 人従 業 員 に行 わ せ る な ど,技 術 指 導 ・品 質 管 理 を 行 っ て い る 。 同様 の こ とは,取 引 き先 の 塗 装 シ ス テ ム を作 る場 合 に もい え る。 日本 で は 人 手 で で き る工 程 を で きる だ け 自動 化 して い る が,携 帯 電 話 の 塗 装 シ ス テ ム で は ス プ レー ガ ンの 管 理 ・固 定 の ロ ボ ッ ト化,ま た 塗 料 とシ ンナ ー の混 合 の 自動 化, な どで あ る。

い ま1つ の現 地 法 人 は同 じ く漸 江 省 嘉 興 市 に設 立 した もの で あ るが,こ こで は コ ン プ レ ッサ ー, 塗装 ブ ー スが 生 産 され て い る(中 国 人 従 業 員 は30 人程 度 で,こ の う ち女 性 が1/3を 占 め る。 賃 金 は ス プ レ ー ガ ン工 場 と同 じで あ る)。 設 立 間 もな い た め,03年10月 に塗 装 ブ ー ス の,ま た04年2月

に コ ンプ レ ッサ ー の生 産 が 開 始 され た ば か りで あ る 。 今 後 は コ ン プ レ ッサ ー の 生 産 体 制 を確 立 し, 2〜3年 後 に フル 生 産 稼 働 が 行 え る こ と を 目指 し て い る。

しか し,そ の た め の 大 きな 障 害 の1つ と して, 電 力 不 足 に よ る休 業 の 問 題 が 指 摘 され て い る 。 こ れ は何 も この工 場 に 限 っ た こ とで は な く,一 般 的

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な こ とで あ るが,電 気 料 金 が 高 い 上 に,週 に2日 休 業 せ ざ る を え な い か らで あ る。

い ま1つ の 障 害 は,中 国 人 従 業 員 の 意 識,行 動 様 式 にか か わ る問 題 が 指 摘 され て い る。た とえ ば, 在庫 管 理 が で きず 廃 棄 処 理 を して し ま う こ と,ま た 中 国 人 従 業 員 はい わ れ な い と仕 事 を し ない,い わ れ て も見 て な い とや らな い 点,さ らに技 術 をお ぼ え た り,商 品研 修 が な され る と離 職 し,教 育 を 最 初 か らや り直 さ ざ る を え な い こ と,な どが あ げ られ て い る。 これ ら は,中 国 人 従 業 員 の管 理 上 の 経 験 不 足 や,高 賃 金 志 向,さ ら に従 来 の 国営 企 業 下 で の 労働 意 識 の 継 続,な ど種 々の 要 因 に よ って 生 じて い る,と い って よい だ ろ う。 しか しい ず れ にせ よ,こ う した こ とが 生 産 や サ ー ビス体 制 を支 え る 中 間 層 あ る い は 中 間的 リー ダ ー層 の 成 長 を さ ま た げ,A社 に と っ て障 害 の1つ とな っ て い る, とい え る だ ろ う。

以 上 の 中 国 で の 総 合 的 な販 売 ・生 産 体 制 の準 備 が,現 在 の と ころA社 グ ル ー プ全 体 の生 産体 制 に 大 き な 影 響 を 与 え て い る わ け で は な い 。A社 は ユ970年代 の 前 半 に,秋 田 と福 島 に子 会社 を設 立 し, 前 者 で は ス プ レー ガ ン,後 者 で は小 型 圧 縮 機 の生 産 を行 っ て い る。 両 工 場 と も 自動 化 が 進 ん で い る が,自 動 化 が 困 難 で あ った り,ま た 高 度 な技 術 が 必 要 と され る作 業 に は熟 練 工 が 配 置 さ れ て お り, そ の 組 み 合 せ に よっ て 精 度 の高 い 製 品 が 生 産 され て い る 。 中 国 現 地 生 産 の 製 品 は,先 にの べ た よ う に ま だ こ う した精 度 を もつ に い た って い な い。 そ して 横 浜 の本 社 工 場 で は,塗 装 機 事 業 で は 自動 車 用 な どの 塗 装 ロ ボ ッ ト,さ ら に真 空 事 業 で は半 導 体 生 産 用 の 真 空 機 器,な ど を生 産 して お り,子 会 社 と も異 な る製 品 を生 産 して い る の で あ る。 した が っ て,中 国 市 場 向 け と 日本 市 場(さ ら に欧 米 市 場)向 け とは,製 品別,さ ら に 同 じ製 品 で あ っ て も精 度 の違 い に よっ て生 産 拠 点 を 異 に して い る と い って よい だ ろ う。

した が っ て,中 国市 場 に 向 け た 総 合 的 な販 売 ・ 生 産 体 制 の準 備 とい っ て も,こ う した 製 品別 精 度 別 の 国 内 を 含 む生 産 体 制 の 枠 の 中 で 進 め られ て い る とみ られ る 。 しか しに もか か わ らず,先 に のべ た よ う に,塗 装 シ ス テ ム の 中 国 現 地 調 達 が 日本 国 内 で の 各 セ ク シ ョ ンの 実 績 に配 慮 す る た め に,中

国 で の利 益 が 少 な い こ とが,今 後 の 国 際 的 な分 業 体 制 に変 動 を も た らす こ と も考 え られ る。 と くに 中 国 のWTO加 盟 に よ っ て,外 高橋 保 税 区 な どに 立 地 す る外 資 の 特 典 が な くな り,中 国 企 業 さ らに 日系 企 業 との競 争 が は げ し くな る な らば,そ の 変 動 は現 実 味 を増 す だ ろ う。 そ の 場 合,A社 の 国 内 を含 む生 産 一 分 業 体 制 の枠 組 そ の もの が 問 わ れ る こ と に もな り,し たが っ て,現 在 進 め て い る 中 国 で の 総 合 的 な販 売 ・生 産体 制 の 準 備 も,全 杜 的 な 位 置 づ け そ の もの が 変 わ る可 能 性 が生 じて くる だ ろ う。 こ こ 数 年 の 状 況 が 分 岐 点 に な る と思 わ れ る 。

3.M社 一 抵 抗 器 メ ー カ ー の 事 例 (1)低 価 格 競 争 と 中 国 進 出

M社 は1957年 に 設 立 され た 各 種 抵 抗 器 を 中 心 と し た 電 気 部 品 メ ー カ ー で あ る 。 資 本 金 は9千 万 円,従 業 員 は250名 の 中 小 企 業 で あ る 。

M社 の 最 近 の 売 上 高 は45億 円 で あ り,バ ブ ル 期 に は7〜80億 円 で あ っ た も の が,一 時40億 円 に ま で 落 ち こ み,や や 回 復 し て き て い る と い っ て よ い だ ろ う 。 売 上 高 の 展 開 分 野 別 比 率 は,カ ー エ レ ク トロ ニ ク ス 分 野35%,メ カ トロ ニ ク ス ・OA 分 野36%,ホ ー ム エ レ ク トロ ニ ク ス 分 野(給 湯 器 ・デ ィ ス プ レ イ モ ニ タ ー ・電 気 毛 布 等)29%,

と な っ て い る 。

M社 の 売 上 高 の 落 ち こ み は,い う ま で も な くバ ブ ル 崩 壊 に 起 因 す る が,同 時 に 注 目 して よ い の は 抵 抗 器 分 野 に お け る 台 湾 等 企 業 の 追 い 上 げ,さ ら に 中 国 に 進 出 し た 日本 の 同 業 他 社 の と く に 低 価 格 に よ る 競 争 激 化 と い う 点 で あ る 。 こ の た め,取 引 先 か ら 単 価 切 り 下 げ を 要 求 さ れ た こ と が 大 き い, と い っ て よ い 。M社 で は こ れ に 対 応 す る た め に, カ ー エ レ ク ト ロ ニ ク ス 分 野,メ カ ト ロ ニ ク ス 分 野 へ の 展 開 を は か る と 同 時 に,生 産 拠 点 ・生 産 体 制 の 整 理 を 図 る こ と と な っ た 。 す な わ ち,一 方 で は 国 内 各 工 場 ・下 請 の 整 理 を行 っ た 。M社 は,本 社 (02年 現 在,従 業 員65名,営 業 ・技 術 開 発 ・本 社 機 能)の ほ か に,足 利 工 場(52名),静 岡 工 場 (90名)を も ち,ま た 青 森 に 子 会 社 を 設 立 し て 生 産 を 行 っ て い る が,こ の う ち,青 森 で は 下 請 を10 社 か ら7社 へ 整 理 し,ま た 各 工 場 等 で は 定 年 退 職

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後 の 補 充 は行 っ て い な い 。

こ れ と 同時 に,他 方 で は2001年 に 上 海 市 郊 外 区 に 現 地 法 人 を 設 立 して(合 弁),中 国 で の 生 産 を 開始 す る こ と とな っ た 。 ホ ー ム エ レ ク トロ ニ ク ス分 野 を 中 心 と したM社 の 中 国 進 出 は,部 品 メ ー カ ー とい う性 格 もあ っ て 中 国市 場 へ の 積 極 的 な 対 応 とい う こ とで は な く,安 い労 働 力 に よ る コス ト競 争 へ の 対 応 や 取 引 先 の 進 出 に と も な う とい う,い わ ば余 儀 な く され た進 出 とい っ て よい だ ろ う。 実 際,M社 の場 合,中 国 進 出 に よっ て,コ ス ト限 界 を工 数 レー トで比 較 す る と,静 岡工 場 を1 とす る と,足 利 工 場o.s,東 北 工 場0.9で あ っ た も の が,上 海 工 場 で は0.2に まで低 減 す る こ と に な る(た だ し,こ れ に は企 業 規 模 の 大 小 も大 き く左 右 して お り,M社 よ り規 模 の 大 きい 企 業 で は,M 社 よ り安 い価 格 で 国 内 生 産 を行 っ て い る の も事 実

で あ る)。M社 は,中 国 レベ ル の 価 格 で,し か も 品 質 は 日本 製 レベ ル とい う製 品 を生 産 す る こ と に な る の で あ る。

こ う した事 情 に よ り,M社 は 中 国 ・上 海 へ 進 出 す る こ とに な る が,そ の進 出 も時 間 も資 金 も十 分 に か け られ な い状 況 か ら,工 場 は取 り引 き先 日系 企 業 の 工 場 が操 業 して い る建 物 の ワ ン フ ロ ア ー を 借 り,ま た設 備 も 日本 か らの 中 古 品 を投 入 す る こ

と と な った の で あ る。

② 単 月 で黒 字 体 制 へ

M社 の 上 海 現 地 法 人 で生 産 して い る製 品 は,特 殊 ヒー タ ー(給 湯 機 用 凍 結 防 止 の もの),特 殊 温 度 セ ンサ ー(温 度 ヒュ ー ズ 内 蔵 の もの),突 入 電 流 制 限 抵 抗 器,電 流 検 出精 密 抵 抗 器 で あ る。 こ う

した製 品 の 上 海 工 場 で の採 用(生 産)基 準 は,① 大 量 生 産 品(月5万 個 以 上 の ロ ッ ト品),② 納 期 の 確 保 で きる製 品(受 注 か ら出 荷 まで3ヶ 月程 度 の 製 品。 これ に は材 料 を 日本 か ら輸 入 す る事 情 と 安 定 操 作 が 可 能 に な る と い う事 情 が あ わ さっ て い る),③ 比 較 的 簡 単 に生 産 可 能 な 製 品(品 質 確 保 の た め),で あ る。 そ の 生 産 能 力 は,月 産 で そ れ ぞ れ40万 個,30万 個,20万 個,10万 個,と な っ て い る 。 主 な生 産 設備 は,全 自動 巻 線 ・乾 燥 ・切 断 機4台,セ メ ン ト混 練 機4台,シ リ コ ン ゴム注 入 装 置3台,特 殊 ヒ ー タ ー生 産 設 備 一 式1台,ス ポ ッ ト溶 接 機8台,油 圧 エ レメ ン ト加 締 め 機12

台,抵 抗 値 測 定 器4台,抵 抗 値 測 定 チ ェ ッカ ー3 台,な どで あ る。

現 地 法 人 の従 業 員 数 は,04年3月 現 在,本 社 か ら 出 向 して い る 日本 人2名(総 経 理,生 産 技 術) をの ぞ い て,98名 で あ る。 こ の うち,間 接 部 門 で は 財 務 ・総 務 ・人 事 ・品 質 管 理 ・生 産 技 術 ・管 理 (税 関 ・倉 庫)・ 通 訳,が 各1名 つ つ で,男 女 の 比 率 は半 々 と な っ て い る。 品 質 管 理 と通 訳 が 大 卒 で あ り,そ の 他 は高 卒 で あ る。 給 与 は,月 基 本 給 で1,800元(総 務 ・人 事)か ら4,000元(財 務 ・ 生 産 技 術)で あ る 。 あ と の残 りが 直 接 生 産 部 門 で あ るが,男 性4名 をの ぞ いて 大 多 数 が 中卒 の 地 方 出 身 者 で20歳 台 の 女 性 で あ る 。 給 与 は,月 基 本 給 で700元(同 業 種 で 下 の クラ ス)で これ に諸 手 当,通 勤 費(ワ ー カー 月50元,事 務 職 月100元) が 加 わ る 。 ワ ー カ ー の 場 合,基 本 給 とい っ て も, 月20日 計 算 の 日給 月給 制 で あ り,04年4月 ま で 有 給 休 暇 は つ い て い ない(現 在 は 年 間6〜10日

ま で とな って い る)。 間接 ・直 接 部 門 と もに,基 本 給 の20〜25%の 保 険 金 等 が加 算 され るが,こ れ の適 用 は従 業 員 の 約 半 数 に と ど ま っ て い る。 給 与 面 で は,こ の他 に直接 ・間 接 部 門 と も,年2回 の 賞 与(1ヶ 月 つ つ)が 支 給 され て い る 。 ま た, 直 接 部 門 で は,3〜8月 にか け て,季 節 もの で あ る毛 布 ・カ ーペ ッ ト用 の 特 殊 温 度 セ ンサ ー の 増 産 の た め に,期 間 を 限定 して 増 員 してい る。

以 上 の 従 業 員 体 制 で 生 産 を行 っ て い る が,03 年 の8月 か ら単 月 で 黒 字 を 出 す ま で に な っ て い

る。01年8月 の 現 地 法 人設 立 か ら2年 か か っ て い るが,本 格 的 な生 産 が は じま っ た02年 と03年 を 比 較 す る と,こ の1年 間 に売 上 高 が8,700万 円 か ら1億7,000万 円 へ2倍 近 く増 加 して い る(な お 04年 は2億6,000万 円 を計 画)。 これ は この 間 の 営 業 ・生 産 体 制 の 整備 が 進 ん だ こ との現 わ れ で あ る が,こ の 点 につ い て,後 者 の と くに従 業 員 の 労 働 意 識 や 品 質 管 理 意識 につ い て,や や 立 ち 入 っ て み る こ と に しよ う。

直接 部 門 で働 く従 業 員 の うち,男 性4名 は抵 抗 線 巻 きの 作 業 工 程 に従 事 して お り,2交 代 制 勤 務 と な って い る。 こ の工 程 に従 事 して い る 男性 従 業 員 は概 して 勤 労 意 欲 が あ ま り高 くな く,当 初 は 機 械 の スペ アパ ー ツ の 買 置 き もな く,そ の都 度 買 い

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