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(1)

スポーツ文化の産業化と果たすべき責任について : 法政クラブと地域とのかかわり、特に教室事業に着 目して

著者 清原 孟, 苅部 俊二, 成田 道彦, 井上 尊寛, 坪田 智夫, 高橋 誠

出版者 法政大学スポーツ健康学部

雑誌名 法政大学スポーツ健康学研究

巻 6

ページ 31‑36

発行年 2015‑03‑30

URL http://doi.org/10.15002/00011930

(2)

スポーツ文化の産業化と果たすべき責任について 法政クラブと地域とのかかわり、特に教室事業に着目して

What is Sports Culture?

-Sports Business with Hosei Club on Program Services-  

清原 孟1)、苅部 俊二1)、成田 道彦1)、井上 尊寛1)、坪田 智夫2)、高橋 誠3)

Hajime Kiyohara, Shunji Karube, Michihiko Narita, Takahiro Inoue, Tomoo Tsubota, Makoto Takahashi

緒言

  近 年 企 業 の 社 会 的 責 任 (

Corporate Social Responsibility: 以下 CSR) について注目が集まって

いる。これは、企業の不祥事や諸問題に対する対 応に対して、消費者が不安や不信感を抱くように なったことに起因している。企業においては、顧 客を消費者のみならず、社会全体として捉え、こ れらに対して誠実に向き合うことが求められるよ うになっている。海野 (2004) は

CSR

について、「法 令や社会的な義務の遵守や、よき企業市民として 企業利益を社会のために還元するという考えだけ でなく、社会に広がる問題に対して、企業の立場 からどのように取り組み解決していくか」と定義 している。マーケティング領域においても社会を 視野に入れたソーシャルマーケティングや、企業 と消費者や社会が共に価値を創出するというマー ケティング

3.0

というキーワードに関心が高まっ ている。

 社会的責任に対して対応を迫られているのは企 業ばかりではない。大学も同様である。大学の 社会的責任 (University Social Responsibility: 以下

USR

) に関しても近年注目が高まりつつある。近 年の大学を取り巻く環境は劇的な変化を遂げてき ている。受験者数の確保は経営上の命題であり、

そのため、他の大学との差別化を図ることは重要

である。また、学校教育法の改正により、大学の 使命として、教育、研究に加え「社会貢献」が位 置づけられたこともあり、大学は持続可能性を高 めるため、より

USR

を意識した運営が求められて いる。そして、地域社会をステークホルダーとし て位置づけ、地域社会から支持され支援される存 在になることが、他との差別化を図るための重要 な要素となっている。具体的には、大学が持つソ フトやハードといった資源と、学外のニーズを有 機的に結び付けていくことが役割であり、学内に 総合型スポーツクラブを有する大学が増加してい るのもその一端である。

 前述のように、USRの中でスポーツに対する取 り組みとして、地域社会との連携として学内に総 合型地域スポーツクラブを抱える大学が増加して きている。大学を拠点としている、もしくは運営 を支援している大学内の総合型スポーツクラブが 増えている背景には、大学における

USR

に対す る関心の高まりを反映していると考えられる。大 学で総合型を展開するメリットやデメリットにつ いて、財源、教員や学生の負担、大学としての 関わり方などを挙げられている ( 冨山 ,2003; 池 田 ,

2010

)。

 これらのことから、大学を拠点としている、も しくは運営をしている総合型スポーツクラブにつ [ 資料 ]

1)法政大学 スポーツ健康学部

2)法政大学 スポーツ健康学部 兼任講師 3)特定非営利活動法人 法政クラブ

(3)

いて、これまで指摘されてきたように、大学はそ の存在意義や地域社会との価値の共創という課題 解決に寄与するために総合型スポーツクラブを通 して活動を展開しているが、様々な問題も顕在化 していることも明らかである。

 本学においても

2010

年に特定非営利活動法人法 政クラブが発足し、様々な活動を行っている。そ の主な活動はプログラムサービスである教室事業 である。これらの多くは専門性の高い知識を有し ている教員や

OB

などがメインとなり、学生がサ ポートをする形で運営されている。これらの核と なる事業を展開しつつも、池田 (2003) が報告して いるように、限られた経営資源の中で、ソフトや ハードを最大限に活用し、事業を展開しているが、

やはり全学的な取り組みとなっていないこと、他 団体との施設の割り振りの問題、教員の負担が大 きい事などの問題は共通していると考えられる。

 本学において、今後の地域社会との関係や価値 の共創に関して大学の価値を高めつつ、持続可能 なクラブ運営を行っていくために、核となるプロ グラムサービス参加者の満足や経年での推移など 経営上の基礎的な情報の収集および、質的・量的 な研究をおこなっていくことは不可欠である。

 よって、本研究の目的は、本学が保有する法政 クラブに焦点を当て、①プログラムサービスに関 する視点から参加者の動向や満足と経年での参加 者の推移などを捉えること、②クラブの現状を先

行研究によって指摘されている問題点などを踏ま え、分析を行うこと、これらのことから、今後の クラブ運営についての示唆を得ることである。

方法

 本研究では、法政クラブが展開している教室事 業に関する情報を用い分析を行った。対象とした 事業はテニス、陸上、バドミントン、サッカー、

バスケットボールである。参加者及び保護者から 情報を収集した。

考察

 本研究では、法政クラブが展開する教室事業に ついて、持続可能なクラブ運営に資する情報の収 集及び分析をおこなった。得られた情報から、経 年での参加状況や、加入状況、参加者のプロファ イリングに関する情報など、今後のクラブ運営の 示唆を得た。

 具体的には、バスケットボール、サッカー以外 の教室は子供から大人まで参加できる教室であり、

これら種目の展開規模を考えると多種目多世代と いう総合型の基本的な基準を満たしているモノと 考えられる。また、プログラムサービスとしての クオリティという点からは、参加者の概ね増加傾 向であることと、継続して参加している者の構成 比がある程度高いということからも質的にも高い サービスを提供できていると考えられる。

表 1. 参加人数表 ※ 2014 年 11 月 7 日現在

参加人数         (名)

小学生 6 5 11 中学生 0 2 2

一般 16 10 26

22 17 39

新規・継続会員内訳    (名)

新規 継続 小学生(男) 4 2 6 小学生(女) 5 0 5 中学生(男) 0 0 0 中学生(女) 2 0 2 一般(男) 12 4 16 一般(女) 10 0 10

33 6 39

参加者属性          (名)

初心者 経験者 小学生(男) 4 2 6 小学生(女) 5 0 5 中学生(男) 0 0 0 中学生(女) 0 2 2 一般(男) 7 9 16 一般(女) 7 3 10

23 16 39

<テニス塾>

■会員数について

(4)

図 1. テニス塾参加推移

図 4. バドミントン塾参加推移

図 3. テニス塾会員詳細

図 6. バドミントン塾会員詳細 図 2. テニス塾新規・継続会員

図 5. バドミントン塾新規継続会員 

テニス 会員推移グラフ 2014 テニス会員 テニス会員新規・継続内訳

80 70 60 50 40 30 20 10 0

会員数

2010 2011 春 2011 秋 2012 2013 2014 31

37

10 15

13

9 26

13

68 5 11 一般 ジュニア

85%

15%

新規会員 継続会員

10%

10%

13%

5%

31%

26%

5% 小学(男)新規

小学(女)新規 中学生(女)新規 一般(男)新規 一般(女)新規 小学(男)継続 一般(男)継続

バドミントン 会員推移グラフ 2014 バドミントン会員 バドミントン会員新規・継続内訳

70 60 50 40 30 20 10 0

会員数

2010 2011春2011秋2012春2012秋 2013 2014 30

18

20 7

30 5

26 9

32 8

38 21

36 25 ジュニア 一般

新規会員 継続会員

未就学(男)新規 小学(男)新規 小学(女)新規 中学(男)新規 中学(女)新規 一般(男)新規 一般(女)新規 小学(男)継続 小学(女)継続 中学(男)継続 中学(女)継続 一般(男)継続 一般(女)継続 42% 58%

10%

12%

13% 10%

7%

10%

5%

10%7%

2%

3%

3%

8%

表 2. テニス塾平均参加人数(2014) 表 3. テニス塾平均参加人数(2013)

2014

区 分 延べ(名) 開催数 平均(名)

ジュニア 78 8 9.8

一般 170 8 21.3

2013

区 分 延べ(名) 開催数 平均(名)

ジュニア 50 8 6.3

一般 89 8 11.1

■平均参加人数

表 4.参加人数表      ※ 2014 年 11 月 7 日現在

参加人数         (名)

未就学 1 0 1 小学生 10 13 23 中学生 7 5 12

一般 12 12 24

計 30 30 60

新規・継続会員内訳    (名)

新規 継続 未就学(男) 1 0 1 小学生(男) 6 4 10 小学生(女) 7 6 13 中学生(男) 5 2 7 中学生(女) 2 3 5 一般(男) 6 6 12 一般(女) 8 4 12

計 35 25 60

参加者コース         (名)

初級 中上級 未就学(男) 1 0 1 小学生(男) 6 4 10 小学生(女) 11 2 13 中学生(男) 3 4 7 中学生(女) 3 2 5 一般(男) 6 6 12 一般(女) 5 7 12

計 35 25 60

<バドミントン塾>

■会員数について

(5)

表 5. バドミントン塾平均参加人数(2014) 表 6. バドミントン塾平均参加人数(2013)

2014 初級・上期(5 月~ 8 月)

区 分 延べ(名) 開催数 平均(名)

ジュニア 236 13 18.2

一般 118 13 9.1

2014 中上級・上期(5 月~ 8 月)

区 分 延べ(名) 開催数 平均(名)

ジュニア 87 13 6.7

一般 105 13 8.1

開催日の平均参加人数

初級 延べ(名) 開催数 平均(名)

参加者 354 13 27.2

開催日の平均参加人数

中上級 延べ(名) 開催数 平均(名)

参加者 192 13 14.8

2013 初級・上期(5 月~ 8 月)

区 分 延べ(名) 開催数 平均(名)

ジュニア 156 12 13.0

一般 82 12 6.8

2013 中上級・上期(5 月~ 8 月)

区 分 延べ(名) 開催数 平均(名)

ジュニア 45 12 3.8

一般 57 12 4.8

開催日の平均参加人数

初級 延べ(名) 開催数 平均(名)

参加者 238 12 19.8

開催日の平均参加人数

中上級 延べ(名) 開催数 平均(名)

参加者 102 12 8.5

■平均参加人数

表 7. 参加人数表 ※ 2014 年 11 月 7 日現在

参加人数         (名)

小学生 55 30 85 中学生 10 9 19

一般 20 9 29

85 48 133

新規・継続会員内訳    (名)

新規 継続 小学生(男) 39 16 55 小学生(女) 19 11 30 中学生(男) 6 4 10 中学生(女) 4 5 9 一般(男) 7 13 20 一般(女) 4 5 9

79 54 133

<陸上競技>

■会員数について

図 7. 陸上競技参加推移 図 8. 陸上競技新規継続数 図 9. 陸上競技会員詳細

陸上 会員推移グラフ 2014 アスリート・J&R 会員 アスリート・J&R 会員新規・継続内訳

140 120 100 80 60 40 20 0

会員数

2010 2011 2012 2013 2014

100 11

80 12

75 15

83 23

104 29 ジュニア 一般

新規会員 継続会員

小学(男)新規 小学(女)新規 中学(男)新規 中学(女)新規 一般(男)新規 一般(女)新規 小学(男)継続 小学(女)継続 中学(男)継続 中学(女)継続 一般(男)継続 一般(女)継続 41% 59%

29%

12% 14%

8%

3% 4%10%

4%

5%

3%

5%

3%

(6)

表 8. 陸上平均参加人数(2014)

表 11. バスケ塾平均参加人数(2014)

表 9. 陸上平均参加人数(2013)

表 12. バスケ塾平均参加人数(2013)

2014 上期(5 月~ 9 月)

区 分 延べ(名) 開催数 平均(名)

アスリート 874 12 72.8

J&R 208 12 17.3

2014 上期(5 月~ 9 月)

区 分 延べ(名) 開催数 平均(名)

小学生 241 12 20.1

中学生 68 12 5.7

開催日の平均参加人数

区 分 延べ(名) 開催数 平均(名)

参加者 1082 12 90.2

開催日の平均参加人数

区 分 延べ(名) 開催数 平均(名)

参加者 309 12 25.8

2013 上期(5 月~ 9 月)

区 分 延べ(名) 開催数 平均(名)

アスリート 604 12 50.3

J&R 181 12 15.1

2013 上期(5 月~ 9 月)

区 分 延べ(名) 開催数 平均(名)

小学生 184 12 15.3

中学生 147 12 12.3

開催日の平均参加人数

区 分 延べ(名) 開催数 平均(名)

参加者 785 12 65.4

開催日の平均参加人数

区 分 延べ(名) 開催数 平均(名)

参加者 331 12 27.6

■平均参加人数

■平均参加人数

表 10. 参加人数表 ※ 2014 年 11 月 7 日現在

参加人数         (名)

小学生 24 6 30 中学生 2 4 6

26 10 36

新規・継続会員内訳    (名)

新規 継続 小学生(男) 14 10 24 小学生(女) 5 1 6 中学生(男) 1 1 2 中学生(女) 0 4 4

20 16 36

<バスケットボール>

■会員数について

図 10. バスケ塾参加推移 図 11. バスケ塾新規継続会員 図 12. バスケ塾会員詳細

バスケットボール 会員推移グラフ 2014 バスケットボール会員 バスケットボール会員新規・継続内訳

50 45 40 35 30 25 20 15 10 5 0

会員数

2012 2013 2014

2011 10

6

12

7 20

19

30 6 小学生 中学生

新規会員 継続会員

小学(男)新規 小学(女)新規 中学(男)新規 小学(男)継続 小学(女)継続 中学(男)継続 中学(女)継続 44% 56%

14%

11%

2%

3%

3%

39%

28%

(7)

引用参考文献

海野みづえ (2004).グローバル化するサプライ・

チェーンでの

CSR

マネジメント,高巖+日系

CSR

プロジェクト編,CSR企業価値をどう高め るか,日本経済新聞社,第

8

章,p.248.

冨山浩三(

2003

)スポーツを通じた大学の地域貢

献プログラムの開発;「教員」「学生」「地域住民」

のネットワークシステムの構築.体育・スポー ツ教育研究 ,

4

5

11

.

池田孝博 (

2010

) 大学を拠点とした総合型地域ス ポーツクラブの運営に関する諸問題.福岡県立 大学人間社会学部紀要,

19

(

1

):

1

8

.

表 13. 参加人数表 ※ 2014 年 11 月 7 日現在 参加人数         (名)

U-6 18 1 19

U-9 30 0 30

48 1 49

新規・継続会員内訳    (名)

新規 継続 U-6(男) 14 4 18 U-6(女) 1 0 1 U-9(男) 20 10 30 U-9(女) 0 0 0

35 14 49

<サッカー>

■会員数について

図 13. サッカー塾参加推移 図 14. サッカー塾新規継続会員 図 15. サッカー塾会員詳細

サッカー 会員推移グラフ 2014 サッカー会員 サッカー会員新規・継続内訳

60 50 40 30 20 10 0

会員数

2012 2013 2014

26 20

20 36

19 30

U6 U9

新規会員 継続会員

U-6(男)新規 U-6(女)新規 U-9(男)新規 U-6(男)継続 U-9(男)継続 29%

71%

29%

8%

20%

41%

2%

表 14. サッカー塾平均参加人数(2014) 表 15. サッカー塾平均参加人数 2014 上期(5 月~ 9 月)

区 分 延べ(名) 開催数 平均(名)

U-6 125 13 9.6

U-9 224 13 17.2

開催日の平均参加人数

区 分 延べ(名) 開催数 平均(名)

参加者 349 13 26.8

2013 上期(5 月~ 9 月)

区 分 延べ(名) 開催数 平均(名)

U-6 138 14 9.9

U-9 143 14 10.2

開催日の平均参加人数

区 分 延べ(名) 開催数 平均(名)

参加者 281 14 20.1

■平均参加人数

図 1. テニス塾参加推移 図 4. バドミントン塾参加推移 図 3. テニス塾会員詳細 図 6. バドミントン塾会員詳細図 2. テニス塾新規・継続会員図 5. バドミントン塾新規継続会員 テニス 会員推移グラフ2014 テニス会員テニス会員新規・継続内訳80706050403020100会員数20102011 春 2011 秋20122013201431371015139261368511一般ジュニア85%15%新規会員継続会員10%10%13%5%31%26%5%小学(男) 新規小学(女)新規中学生(
表 5. バドミントン塾平均参加人数(2014) 表 6. バドミントン塾平均参加人数(2013) 2014 初級・上期(5 月~ 8 月) 区 分 延べ(名) 開催数 平均(名) ジュニア 236 13 18.2 一般 118 13  9.1 2014 中上級・上期(5 月~ 8 月) 区 分 延べ(名) 開催数 平均(名) ジュニア  87 13 6.7 一般 105 13 8.1開催日の平均参加人数初級延べ(名)開催数 平均(名)参加者3541327.2 開催日の平均参加人数 中上級 延べ(名) 開催
表 8. 陸上平均参加人数(2014) 表 11. バスケ塾平均参加人数(2014) 表 9. 陸上平均参加人数(2013) 表 12. バスケ塾平均参加人数(2013)2014 上期(5 月~ 9 月)区 分延べ(名)開催数平均(名)アスリート8741272.8J&R2081217.3 2014 上期(5 月~ 9 月) 区 分 延べ(名) 開催数 平均(名) 小学生 241 12 20.1 中学生  68 12  5.7開催日の平均参加人数区 分延べ(名)開催数 平均(名)参加者10821290.2 開

参照

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