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平成18年度 貿易手続への XML/EDI 導入調査研究 特別委員会報告書

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JASTPRO06-15

平成18年度

貿易手続への XML/EDI 導入調査研究 特別委員会報告書

「次世代シングルウィンドウシステム」

が目指すもの

平成19年(2007)3月

財団法人 日本貿易関係手続簡易化協会

(2)
(3)

貿易手続への XML/EDI 導入調査研究特別委員会 報告書

はじめに

当協会は、1974年12月、当時の「貿易書式標準化委員会」を発展的に改組し て、かつ、国連欧州経済委員会 / 貿易手続簡易化作業部会( UN/ECE/WP.4 )の勧告第 4号に基づいて、当時の大蔵省、通商産業省、運輸省3省の共管の下、貿易に関係す る民間団体・企業の協力により設立されたもので、2004年12月に満30歳の誕 生日を迎えた。

当協会は設立以来、 UN/ECE/WP.4 (1997年3月に UN/CEFACT に改組)の動き をフォローし、欧米諸国における貿易手続簡易化の動き並びに貿易手続を電子化する ためのデータ項目やシンタックス規則標準化の動きを、わが国の官民関係先に対して 啓発、普及してきた。同時に、貿易手続簡易化関連の委員会を設け、業界の識者、経 験者のご協力を得て、わが国の貿易手続簡易化活動の中心となって活動し、かつ、官 民関係先に対して各種の提言を行ってきた。

わが国における「輸出入・港湾諸手続のシングルウインドウシステム」は、200 3年7月23日に稼動開始したことは事実である。しかし、そのシステム構築に当た っては、短期間で十分な準備期間が無いまま開発されたものであり、従来の手続プロ セスの見直しとデータ項目の手続間での整合化作業が不十分であったため、シングル ウインドウ化は行われたが、輸出入・港湾諸手続システム間での「データの共有化、

手続自体の標準化や簡素化」といった問題が積み残されており、かつ、手続全般の見 直し(いわゆる BPR )が行われていないため、韓国等に比べて手続そのものの数の 減少にまでは手がつけられていないのはまことに残念である。

しかし、政府でも2001年1月に首相をリーダとする IT 戦略本部が「 e-Japan 戦 略」を策定以来、同年3月の「 e-Japan 重点計画」 、同年6月の「 e-Japan 2002 プログ ラム」 、2002年6月の「 e-Japan 重点計画- 2002 」 、2003年7月の「 e-Japan 戦 略 II 」 、同年8月「 e-Japan 重点計画- 2003 」 、2004年6月「 e-Japan 重点計画- 2004 」 、 同年9月「 IT 国際政策の基本的考え方」 、そして2005年2月には「 IT 政策パッケ ージ- 2005 」と矢継ぎ早に施策が発表され、2005年度末を目途にわが国を世界最 先端の IT 先進国、電子政府とするための施策が打たれてきた。

さらに、電子政府構築計画(2003年7月17日各府省情報化統括責任者 (CIO) 連絡会議決定。2004年6月14日一部改定)において「輸出入及び港湾・空港関 係業務に係る業務・システムについて」は、2005年度末までのできる限り早期に、

財務省を中心に国土交通省、法務省、厚生労働省、農林水産省及び経済産業省が最適

(4)

化計画を策定することとされており、その案が取りまとめられ2005年12月7日 にパブリックコメントに掛けられた。これらに基づいて「輸出入及び港湾・空港関係 業務に係る業務・システム最適化計画(以下、最適化計画と称す) 」が決定され、2 008年末を目途に関連システムの大幅見直しが行われることとなり、現在鋭意推進 中であることは誠に喜ばしいことであり、これを契機にわが国のシングルウィンドウ システムがより先進的な「ワンストップサービス・シングルウインドウ化」に向けて 前進することを期待するものである。

特に「最適化計画」では、以下の5つのコンセプトを掲げその取り組みの方向性を 示している。すなわち、 (i) 国際標準への準拠、 (ii) 申請者の視点での検討、 (iii) 業 務・システム双方の見直し、 (iv) 主な行政手続きの原則電子化、そして (v) セキュリ ティとセーフティとの両立の5点である。

上記の (i) – (iv) については、 JASTPRO が設立以来、そしてこの委員会でも継続し てあらゆる機会を捉えてしてきた提言とも合致するものであり、 「当協会の活動の方 向が正しかった」ものと意を強くした次第である。

アジア太平洋を取り巻く動きとしては、昨2006年11月7日には、ベトナムが WTO (世界貿易機関)の150番目の加盟国・地域として加盟を承認され、同国の 国会での批准手続を終え次第加盟することとなった。WTO加盟で投資環境の整備が 一層進むと見られ、コスト面での「対中優位」も背景に海外からの投資に拍車がかか りそうである。また、ベトナムのハノイで2006年11月18-19日に開催の APEC (アジア太平洋経済協力会議)閣僚会議では、東アジア地域の貿易の枠組をめ ぐる論議に米国が久し振りに乗り出してきて、 APEC として自由貿易協定( FTA )の 交渉開始を提案したが、合意は「研究を始める」だけに止まった。

東アジア地域の貿易の枠組みについては、東南アジア諸国に日中韓を加えた13カ 国で進めるプランと、13カ国にオーストラリア、ニュージーランド、インドを加え るプランが示されている。前者は中国、後者は日本が主導している。しかし、日本が 主導するからには、いいとこ取りだけではなく、原産地証明書( C/O )や食肉、野菜、

果物等の輸入のための検疫証明書発行の電子化などについてもイニシアチブをとっ て貿易手続の円滑化、迅速化に備える必要があり、セキュリティやセーフティの面か らも、生鮮食品や食肉の輸入に関しては国民の健康を害するものの輸入を阻止するた めにも確実で迅速な検査を行うのは当然であるが、安全性確保と貿易の円滑化の均衡 の取れた施策をお願いしたい。

最後に、1974年設立以来 JASTPRO の地道な活動に協力と支援をしていただい た官民関係各位に対して、この場を借りて厚くお礼申し上げると共に引き続きのご支 援をお願いするものである。

2007年3月31日

(財)日本貿易関係手続簡易化協会

(5)

貿易手続への XML/EDI 導入調査研究特別委員会名簿

業 界 名 前 企業・団体名

01

委員長 菅又久直 EDI事務局長 推進協議会(JEDIC

02

商社 林 健一 三菱商事()ICT事業本部、貿易基盤開発室 シニアマネージャー(海外担当)

03

直貿・メーカ 中垣俊平 日本電気(株) IT戦略推 進 部 エ キ ス パ ー ト

04

海貨・通関 岡本直樹 (総合システム部システム企画課課長 ) 日新

05

検数・検量 水藤晴男 (技術部検定サービスセンター副参事 )日本海事検定協会

06

銀行 水谷伸 (株 ) 三 菱 東 京 UFJ銀 行 、 国 際 業 務 部 、 外 為 推 進 グ ル ー プ 、 国 際 ECチ ー ム 次 長

07

損害保険 吉田理人 (企業商品業務部、海上事務グループリーダ )損害保険ジャパン

08

JETRAS 高橋嗣男 ()安全保障貿易情報センター(CISTEC)広報

研修部次長

09

TEDI - JETS 鍛冶俊彦 富士通(株)、流通ビジネス本部、本部長付

10

専門家 鬼頭吉雄 NECネクサソリューションズ(株)

ロジスティクスソリューション事業部 物流コンサルティング部

シニアコンサルタント

11

港湾物流情報ネットワーク

システム:POLINET 田代浩一 () 港湾物流情報システム協会 業務部部長代理

オブザーバー

12

財務省 酒井隆尋 関税局・業務課、課長補佐

13

経済産業省 小林革二 貿易経済協力局・貿易管理部貿易管理課、課長 補佐

14

国土交通省 長谷川清次 総合政策局・情報管理部情報企画課、情報セキ ュリティ対策企画官

15

NACCS 伊藤太郎 (企画部長 )通関情報処理センター

16

(化協会)日本貿易関係手続簡易 伊東健治 JASTPRO理事、前UN/CEFACT副議長

(6)

事務局

20

(財)日本貿易関係手続簡易

化協会 治田 彰 専務理事

21

(財)日本貿易関係手続簡易

化協会 長瀬 透 常務理事

22

(化協会 )日本貿易関係手続簡易 浜辺東一郎 業務第二部長

23

(財)日本貿易関係手続簡易

化協会 平井一海 業務第三部長

(7)

貿易手続への XML/EDI 導入調査研究特別委員会 平成18年度報告書

目 次

はじめに...I 貿易手続へのXML/EDI導入調査研究特別委員会名簿... III 目 次...V

1. 委員会の設立趣旨・目的・概要... 1

1.1 委員会の目的... 2

1.2 事業の内容... 2

1.3 補助事業のイメージ... 3

2. シングルウィンドウに関する国連勧告33号の概要... 4

2.1. はじめに... 4

2.2. 範囲... 5

2.3. 利点... 5

2.4. 環境... 5

2.5. 国際標準の使用... 6

2.6. 勧告... 6

3. 動き出したわが国の「シングルウィンドウシステム」... 7

3.1. これまでの経緯... 7

3.2. サービスの内容... 8

3.3. システムの利用方法... 9

3.4. 利用料金... 10

3.5. システム連携... 10

3.6. 本格的利用に際しての課題... 10

3.7. 全面的EDI移行へ一歩前進...11

3.8. 港湾物流情報化とシングルウィンドウシステム... 12

4.輸出入及び港湾・空港手続関係業務・システムの最適化計画... 13

4.1. はじめに... 14

4.2. 輸出入及び港湾・空港手続関係業務に係る業務・システムの見直し... 16

4.2.1. 輸出入及び港湾・空港手続関係業務に係る業務・システムの見直し方針... 16

4.2.2. 港湾手続関係業務に係る業務・システムの見直し方針(国交省)... 25

4.3. 業務・システム最適化計画に対する意見募集... 34

(8)

4.3.1. 最適化計画概要... 35

4.3.2. 輸出入及び港湾・空港手続関係業務・システム最適化計画... 36

4.3.3. 参考: シングルウィンドウモデル... 42

4.4. 業務・システムの最適化計画(案)に対するコメント... 43

4.4.1. 「業務・システム最適化計画(案)」への意見... 44

4.4.2. 参考:輸出入・港湾手続のワンストップ化についての意見(JASTPRO)... 45

4.4.3. 提言に至るまでの背景-わが国貿易関係手続システムの基本的な問題点... 48

4.4.4 その後の動きー経団連による貿易諸制度の抜本的改革の要求... 50

4.5. 業務・システム最適化計画への意見募集結果... 52

4.6. 業務・システム最適化計画... 57

4.6.1. 業務・システム最適化計画 (05年12月28日付、財務省発表) ... 58

5. 「次世代シングルウィンドウシステム」の目指すもの... 68

5.1. 今までの施策の経緯... 69

5.2. 「次世代シングルウィンドウ」が目指すもの... 76

5.2.1. はじめに... 76

5.2.2. 最適化計画の基本理念... 76

5.3. 次世代シングルウィンドウが目指すもの(府省共通ポータル)... 77

5.3.1. 府省共通ポータルの概要... 77

5.3.2. 府省共通ポータルの概念図... 78

5.3.3. 次世代シングルウィンドウの概要... 78

5.3.4. 現在の入港前手続のタイミング... 79

5.3.5. 次世代シングルウィンドウにおける入港前手続のタイミング... 80

5.3.6. 業務処理フロー... 80

5.3.7. 船舶情報の利活用のイメージ... 81

5.3.8. 入港前統一申請業務の業務処理イメージ... 82

5.3.9. 入港前統一申請(B)業務等の検討... 83

5.4. 次期シングルウィンドウ業務におけるその他の検討項目... 84

5.5. 次期NACCSについて... 85

5.5.1. 国際物流の情報化推進... 85

5.5.2. 次期NACCSサービスレベル等要... 101

5.5.3. 国際標準への準拠... 101

6.XML/EDI – EBXMLイニシアチブから現在まで... 102

6.1. EBXMLの目指す電子ビジネスコラボレーション... 102

6.2. EBXMLによる電子ビジネスコラボレーション・イメージ... 104

6.3. EBXML関係技術仕様書標準化の現状... 106

6.3.1 ebXML要件仕様(V1.0)... 106

(9)

6.3.2 技術構造(Technical Architectures)V1.0.4 ... 106

6.3.3 TRP仕様を”SOAP”(Single Object Access Protocol)に統一... 106

6.3.4 ebXML閉会総会で承認された仕様、報告など... 106

6.3.5 ISOの技術仕様となった規格... 107

6.4. EBXMLの現状報告... 108

6.5. UN/CEFACTフォーラムにおける作業手続について... 113

6.5.1 はじめに... 113

6.5.2 定 義... 114

6.5.3 プロジェクト・マネジャー... 114

6.5.4 ワークフロープロセスの手順... 115

6.5.5 膨大なコアコンポーネントおよびUMLアーティファクトの提案... 119

6.6. UN/CEFACT側のEBXML開発動向... 119

6.7. UN/CEFACTTBG作業グループにおけるBRSの開発状況... 122

6.8. コアコンポーネントのハーモナイゼーション作業状況... 122

6.8.1. コアコンポーネントライブラリー第2版... 123

6.8.2. MSDSコアコンポーネントの調和化... 123

6.8.3. GDS登録用コアコンポーネント... 124

6.8.4. 調和化作業手法の改善... 124

6.9. OASIS側のEBXML開発動向... 124

6.9.1. OASIS ebXMLメッセージングサービスTC... 124

6.9.2. OASIS ebXMLレジストリーTC... 124

6.9.3. OASIS ebXML 連繋プロトコルプロファイルと協定書 (CPPA) TC... 125

6.9.4. OASIS ebXML実装、相互互換性及び適合性 (IIC) TC ... 125

6.9.5. OASIS ebXMLビジネスプロセスTC ... 125

6.9.6. OASIS 汎用ビジネス言語 (UBL) TC ... 125

6.9.7. OASIS電子ビジネス・サービス指向アーキテクチャー (ebSOA) TC... 125

7. EBXMLいよいよ実用段階に突入か... 126

7.1. TBG6(AE&C)によるEBXMLベースでのスキーマの開発状況... 126

7.1.1. 電子入札関係開発済みスキーマ... 127

7.1.2. 電子入札プロセス... 129

7.2. PAAによる動き... 130

7.2.1. PAAメンバー... 130

7.2.2. Cross Border Transaction Service(国際取引サービス)... 130

7.2.3. 相互接続性... 131

7.2.4. 2国間申告書交換プロジェクト... 132

7.2.5. 電子原産地証明プロジェクト... 133

(10)

7.2.6. 国際協力... 134

7.2.7. まとめ... 134

7.3. 北欧における SHORT SEA XMLの動き... 136

7.3.1. 組織... 136

7.3.2. Shortsea XMLの内容... 137

7.3.3. Shortsea XMLが提供するサービス... 138

7.3.4. Shortsea XMLの利点... 139

7.4. 韓国における XMLベースでのUNEDOCS実装の試み... 140

7.4.1. 背景... 140

7.4.2. シングルウィンドウのためのUNeDocs支援システム ……….140

7.4.3. 予想効果... 143

7.4.4. 将来計画... 143

7.5. 台湾/韓国間の電子原産地証明プロジェクト... 144

7.5.1. プロジェクトの背景... 144

7.5.2. プロジェクトアップデート... 144

7.5.3. システム開発... 144

7.5.4. eCO交換のシナリオ(最終版)... 145

7.5.5. データエレメント... 145

7.5.6. eCOの利点... 146

7.5.7. 今後の予定とアクションプラン... 147

8. 国際海上交通の簡易化に関する条約からの考察... 149

8.1. メッセージ間データ項目の調整作業(HARMONISATION)... 149

8.2. IMO/FALが推奨する書類と国連標準メッセージ... 150

8.3. メッセージ間データ項目の調和化作業一覧表... 158

9. 貿易手続きに係わる施策及びEDIシステムの動向...165

9.1. 改正SOLAS条約の発効に伴う手続...166

9.1.1 はじめに………...166

9.1.2 国際船舶・港湾保安法の概要………166

9.2. 日本版24時間ルールがスタート...168

9.2.1 はじめに ………...168

9.2.2 輸入貨物マニフェスト提出の事前報告義務付け………168

9.2.3 船社の対応………...168

9.2.4 積荷、旅客及び乗組員に関する事項の事前報告制度………168

9.3. アジア・ゲートウェイ戦略会議が物流検討会...184

9.3. 財務省の電子申請システムについて...185

9.4. JCLネット(日本コンテナ物流情報ネットワーク)について………187

(11)

9.4.1 はじめに ………...187

9.4.2 JCLネットについて………...187

9.4.3 JCLネットとは………188

9.4.4 サービス供用開始 ………..188

9.4.5 利用申し込みについて ………..188

9.5. 輸入手続き簡素に-簡易申告制度の緩和と事前申告制度の導入...188

9.6. 国際海上コンテナ用電子タグの標準化の現状...189

9.6.1. 国際海上コンテナ用電子タグ標準化の現状 ………189

9.6.2. 海上コンテナの位置追跡-横浜港/米西海岸間で保安対策実験……….192

9.6.3. 国際海上コンテナ用に433 MHz帯を開放へ……….193

10.港湾政策新ステージへ...197

10.1. 新政策2007年度策定...197

10.1.1 4年ぶり諮問……….197

10.1.2 バルク対応も焦点に ……….198

10.1.3 多様化踏まえ最適化議論 ……….198

10.1.4 07年5月ごろ中間まとめ ……….199

10.2. シームレス物流を目指す...199

10.3. 運営改革進む京浜2港...199

10.3.1 東京湾新CT着工要求 ……….200

10.3.2 他方、横浜港では ………..200

10.4. 港湾物流情報システムプラットフォーム化進む...201

10.4.1 民間の4システムと連携 ……….201

10.4.2 府省共通ポータル稼働へ ……….201

10.4.3 民間業務の効率化に貢献 ……….201

10.4.4 法令順守の動きが後押し ……….201

添付資料:

資料1:シングルウインドウの設置のためのガイドライン 資料2:簡易化および電子ビジネスに関する IMO 便覧 資料3:総合物流施策大綱(2005-2009)

資料4:WCOデータモデル(VER.2.0)

(12)

参考資料:

1.IMO/FAL条約、付属書は2005年会議で承認された改訂版

2.平成 17 年度貿易手続への XML/EDI 導入調査研究特別委員会報告書(JASTPRO 刊 05-15)

3.日本海事新聞2006年11月24日付港湾物流特集 4.荷主と輸送 2007.2 (No.388)

5.Material Flow 2007-1

6.官邸、財務省、国土交通省ホームページ 7.OASISホームページ www.oasis.org

(13)

貿易手続への XML/EDI 導入調査研究特別委員会 報告書

1. 委員会の設立趣旨・目的・概要

貿 易 立 国 た る わ が 国 の 貿 易 額 は 、 年 々 増 加 を か さ ね て お り ま す が 、 こ れ に 伴 い 、 直 接 、 間 接 貿 易 関 係 業 務 に た ず さ わ る 貿 易 専 業 者 、 直 貿 メ - カ 、 銀 行 、 保 険 会 社 、 海 運 業 者 、 税 関 を 含 む 関 係 諸 官 庁 な ど 各 部 門 に お け る 貿 易 関 係 手 続 処 理 の た め の 書 類 等 は 著 増 し 、 か つ 複 雑 化 し て き て お り ま す 。 今 後 益 々 増 加 す る 貿 易 量 に 対 応 し 、効 率 的 な 事 務 処 理 を 図 る た め に は 、そ の 必 要 と す る 書 類 を 積 極 的 に 簡 易 化 ・ 標 準 化 し 、更 に は 電 算 化 並 び に ネ ッ ト ワ ー ク 化 の 進 展 に 対 応 し て EDI( 電 子 デ - タ 交 換 ) の 国 際 標 準 化 を 通 じ て 貿 易 手 続 の 一 層 の 簡 易 化 、ペ ー パ ー レ ス 化 を 図 る こ と が 必 要 ・ 不 可 欠 で あ り ま す 。

し か し な が ら 、 従 来 の 貿 易 関 係 制 度 、 諸 手 続 き 、 デ ー タ 処 理 は 、 関 係 業 界 、企 業 間 或 い は 関 係 官 庁 間 の 緊 密 な 連 携 の 不 足 、協 力 体 制 の 不 備 等 に よ り 統 一 化 さ れ て お ら ず 、そ の た め 事 務 処 理 上 大 き な 障 害 と な っ て お り ま す 。こ の 問 題 に 対 応 す る た め 、国 際 的 に は 、国 連 欧 州 経 済 委 員 会( UN/ECE

1

) の 下 に 欧 米 を 中 心 と し た 各 国 に よ り 貿 易 関 係 手 続 の 簡 易 化 運 動 が 着 実 に か つ 急 速 に 推 進 さ れ て お り ま す 。

加 え て 、 近 年 の イ ン タ ー ネ ッ ト の 急 激 な 普 及 に 伴 い 、 あ ら ゆ る 分 野 で 従 来 の VAN 型 の EDI と 並 行 し て 、 イ ン タ ー ネ ッ ト に よ る EDI の 利 用 が 普 及 し 始 め て い ま す 。イ ン タ ー ネ ッ ト に よ る EDI は 、一 般 的 に は XML/EDI

2

と 言 っ て お り ま す が 、簡 単 に 、安 く 、早 く 実 装 で き る と こ ろ か ら SMEs ( Small and Medium sized Enterprises : 中 小 企 業 ) に と っ て 導 入 し 易 い と い わ れ て い ま す 。

こ の よ う な 状 況 の 下 、 当 協 会 は 、 1 9 7 4 年 設 立 以 来 、 経 済 産 業 省 ・ 国 土 交 通 省 ・ 財 務 省 三 省 の 支 援 と 関 係 業 界 の 協 力 を 得 て 、こ れ ら 貿 易 関 係 手 続 の 簡 易 化 を 総 合 的 に 推 進 す る 貿 易 関 係 手 続 簡 易 化 運 動 の わ が 国 に お け る 中 心 的 役 割 を 果 た し て き て お り ま す 。

本 事 業 で は 、 製 造 、 貿 易 、 流 通 、 運 輸 、 金 融 等 の 貿 易 関 係 企 業 間 な ら び に 企 業・政 府 関 係 機 関 間 の 情 報 交 換 に お け る コ ン ピ ュ ー タ 利 用 を 一 層 促 進 す る た め 国 連 欧 州 経 済 委 員 会「 貿 易 簡 易 化 と 電 子 ビ ジ ネ ス の た め の 国 連

1 UN/ECE:United Nations Economic Commission for Europe(国連・欧州経済委員会)

2 XML/EDI:Extensible Markup Language(拡張可能記号付け言語)を用いた、インターネットによるEDI(電子データ交

換)

(14)

セ ン タ ー ( UN/CEFACT

3

) 」 と OASIS

4

が 共 同 で 推 進 し て い る 電 子 ビ ジ ネ ス の た め の XMLの 標 準 化 作 業 に つ い て 調 査 研 究 を 行 う と 共 に 、 XML/EDIの 貿 易 関 係 業 界 及 び 政 府 関 係 機 関 へ の 効 果 的 な 導 入 と 活 用 の 推 進 に よ り 、貿 易 関 係 手 続 の 簡 素 化 を 図 り 、国 際 貿 易 に お け る サ プ ラ イ チ ェ ー ン マ ネ ー ジ メ ン ト の 円 滑 な 導 入 と 国 際 物 流 コ ス ト の 低 減 化 を 図 り 、貿 易 関 係 業 界 の 情 報 処 理 の 発 展 と グ ロ ー バ ル 化 に 寄 与 す る こ と を 目 的 と し て お り ま す 。

こ の 事 業 の 推 進 は 、 貿 易 商 社 、 海 運 会 社 等 貿 易 関 連 企 業 、 関 係 官 庁 を は じ め 、従 来 コ ン ピ ュ ー タ 化 が 遅 れ て い た 中 小 貿 易 業 者 の 情 報 処 理 の 発 展 に 大 き な 効 果 が あ る の み な ら ず 、わ が 国 の 貿 易 の 健 全 な 発 展 と 国 際 貿 易 の 円 滑 な 拡 大 に 寄 与 す る と こ ろ が 大 で あ り ま す 。

1.1 委員会の目的

製 造 、 貿 易 、 流 通 、 運 輸 、 金 融 等 の 関 係 企 業 、 関 係 諸 官 庁 間 の 貿 易 関 係 手 続 上 の 情 報 交 換 に お け る コ ン ピ ュ - タ 利 用 を 一 層 促 進 す る た め 、国 連 欧 州 経 済 委 員 会 「 貿 易 簡 易 化 と 電 子 ビ ジ ネ ス の た め の 国 連 セ ン タ -

( UN/CEFACT ) 」 が 推 進 し て い る 行 政 ・ 商 業 及 び 運 輸 の た め の 電 子 デ - タ 交 換 に 関 す る 国 連 標 準( UN/EDIFACT)及 び UN/CEFACTと OASIS が 共 同 し て 推 進 し て い る ebXML 関 連 の 標 準 化 活 動 に つ い て 調 査 研 究 を 行 い 、そ の 効 果 的 な 導 入 と 活 用 の 推 進 に よ り 、貿 易 関 係 業 界 、特 に い ま ま で 情 報 化 が 遅 れ て い た 中 小 企 業 に お け る 情 報 処 理 の 発 展 と グ ロ ー バ ル 化 に 寄 与 す る こ と を 目 的 と す る 。

1.2 事業の内容

当協会に「貿易手続への XML/EDI 導入調査研究特別委員会」を設置し、次の調査、

研究を行う。昨今インターネットの急激な展開と合いまってインターネットによる E

DI(XML/EDI) が速く簡単に、そして安価に導入できるツールとして脚光を浴びている。

しかしい、放置しておくと XML/EDI の世界でも EDI の初期に発生したと同様の問題、

即ち、相互運用性、互換性について業界間、システム間で齟齬を来たすといった問題 が生じることとなる。この問題を未然に防ぐため UN/CEFACT と OSIS が共同で進めて

いる、 XML/EDI のための標準化関係活動に積極的に参加すると共に、貿易手続面への

XML/EDI の導入について、特に EDI 化が遅れている中小貿易業者が導入し易いシステ

ムについて調査、研究を行うと共にその開発・普及活動に積極的に参加し、わが国の 意見を反映させるために次の事業を行う。

(a) 国際活動

① 国連 /CEFACT 総会会議への参加

② 国連 /CEFACT フォーラム会議( UN/CEFACT の常設グループである TBG, ICG, A

TG,LG, TMG が年に2回1週間の会期で開催される専門家会議)への参加

3 UN/CEFACT:United Nations Center for Trade Facilitation and Electronic Business(貿易簡易化と電子ビジネスのため の国連センター)UN/ECEの下部組織で19973月に従来のUN/ECE/WP.4を改組したもの。

4 OASIS:Organisation for the Advancement of Structured Information Standards、製品に依存しない、ドキュメントとコ ンテントの交換の標準化を目指す国際的な非営利のコンソーシアム。

(15)

③ AFACT ( 貿易簡易化と電子ビジネスのためのアジア太平洋協議会 ) 会議への参 加

④ ebXML/Asia 会議への参加

(b) 国内活動

貿易手続への XML/EDI 導入調査研究委員会を設けて、上記の国際会議で得た情報を 基に調査・分析を行うと共に、わが国産業界の意見集約を行い国際会議へフィードバ ックする。また、 XML/EDI のための標準化の進展状況につき、これを取り纏め官民関 係先へ提供すると共に、実務への導入のための啓蒙普及を行う。

① 我国貿易手続の全般的な現状をレビューし、モデル化し、どのような局面で XML /EDI の利用が可能かについて調査、研究する。また、国連標準メッセージから X ML メッセージ・スキーマへのマッピング作業を行う。

② 現在使用されている VAN 型 EDI と XML/EDI が並行して行われるとの観点より、相 互互換性が図れることを前提とする。

1.3 補助事業のイメージ

船社・船社代理店 海貨業者 通関業者等

(ワンストップサービス・シングルウインドウ化の推進)

(16)

2. シングルウィンドウに関する国連勧告 33 号の概要

本勧告は、「貿易業界と政府間での効率的な情報交換のために」という副題をつけて、様々な業 界、政府、国際機関による広汎なレビュープロセスの後、2004年9月UN/CEFACT代表団長 により正式に承認されたものである。

勧告案(TRADE/CEFACT/2004/MISC.7)は、2004年5月の第 10 回UN/CEFACT 総会に 事前に提出されたものである。

本勧告は、UN/CEFACT貿易とビジネスプロセスグループ(TBG)の国際貿易手続作業グルー プ(ITPWG)により関係諸国、経済地域がシングルウィンドウシステムを導入するための指針と して開発されたものである。

UN/CEFACT の国際貿易手続作業グループ(ITPWG)が開発した「シングルウィンドウ概念…

貿易関係業者と政府間の情報の効率的な交換を強める」は、2004年5月ジュネーブの国連欧州本 部において開催されたUN/CEFACT総会に新勧告第33号(案)「シングルウィンドウの設置に関 する勧告とガイドライン」として提出され、会期間の承認手続きを経て、2004年10月新勧告(正 式文書番号ECE/TRADE/352)が誕生した。

この勧告の特徴は、勧告部分とガイドラインとを明確に区分している点である。そして、ガイ ドラインでは、シングルウィンドウシステム先進国の導入事例(モーリシャス、スウェーデン、

オランダ、米国-推進中)を提供すると同時に、シングルウィンドウシステム導入に当たっての 計画段階から実装段階に至るまでの詳細な実施概要を紹介していることである。これからシング ルウィンドウシステムを導入しようとする国にとっては、貴重な指針となるものである。

次に勧告33号の勧告部分を紹介し、わが国が現在進めている輸出入及び港湾・空港手続関係 業務・システムの最適化計画(次世代シングルウィンドウシステム)の実施に当たり、参考とす るものである。また、この勧告とわが国の最適化計画を対比することにより、わが国の最適化計 画推進上、どのような点に留意すべきかが明らかになるものと考える。

2.1. はじめに

多くの国で、国際貿易に従事している企業5は、輸入、輸出、通過関連の規制要件に従うために、

大量の情報や文書を政府当局に定期的に提出しなければならない。この情報や文書は、それぞれ が特別の(手動または自動)システムや用紙の形式を持っている複数の機関を通して提出しなけ ればならないことが多い。この広汎な要求は、関連の準拠コストと共に、政府ならびにビジネス コミュニティの双方に大きな負担になりうるし、国際貿易の発展にとっても大きな障害になりう る。

5 企業には輸出業者、輸入業者、輸送業者、海運業者、通関代理店、運送業者、運輸会社、直接貨物の移動に関わっているそ の他のものが含まれる。

(17)

この問題に取り組むひとつのアプローチが、貿易関連の情報及び/又は文書を1回だけ1つの エントリポイントにだけ提出するシングルウィンドウの確立である。これは、情報の利用可能性 とハンドリングを高め、貿易業界と政府の間の情報フローを促進簡易化し、政府システムを横断 する当該データの調和と共用を高め、国境を越える貿易に従事しているすべての当事者に有意義 な利得をもたらすであろう。こうしたファシリティの使用が、公的規制の効率と効果を改善し、

リソースのより良い使用によって政府と貿易業者両方にコストの削減をもたらすだろう。

したがって、シングルウィンドウは、非関税貿易障害を減らす貿易簡易化概念の実際的な応用で あり、貿易業界のすべてのメンバーに直ちに利益をもたらすだろう。

2.2. 範囲

この勧告のコンテキスト内では、シングルウィンドウは、貿易や輸送に従事する当事者がすべ ての輸入、輸出、通過関連の規制要件を充足するために標準化された情報や文書をシングルエン トリポイントに持ち込むことを可能にするファシリティと定義される。電子的な情報の場合、個 別データエレメントは1度だけ提出すべきである。

実際に、シングルウィンドウは貿易業界と政府の間の情報フローを促進簡易化し、国境を越え る貿易に従事しているすべての当事者に有意義な利得をもたらすことを目指している。一般に、

シングルウィンドウは中心となる機関によって集中管理され、適切な政府機関や政府当局が当該 情報を受け取る、またはその当該情報にアクセスすることを可能にする。さらに、参加機関なら びに当局は、それぞれの持つ管理権限を調整しなければならない。また、時には、シングルウィ ンドウは当該関税、税、料金の支払いのための便宜を提供することもある。

政府がシングルウィンドウのための適切なICT技術を識別し採用する場合に簡易化は大きく促 進されるとは言え、シングルウィンドウはハイテク情報通信技術(ICT)の実装と使用を必ずし も意味するものではない。

2.3. 利点

シングルウィンドウの実装は、政府と貿易業界の両方にとって極めて有益なものになりうる。

政府にとっては、リスク管理が改善され、セキュリティレベルが向上し、貿易業者の規制準拠に より収益が増大しうる。これに対し、貿易業界は、規則の明確で予測可能な解釈や適用、人的資 源や財政的資源の有効活用により恩恵を享受し、生産性と競争力が相当向上しうる。

政府や貿易業者にとってのこうしたファシリティの価値は、高度な情報リスク分析が強調され る新しいセキュリティ環境においてその意義がますます増大している。

2.4. 環境

シングルウィンドウの採用は、最初に潜在的範囲、需要のレベルや性質、データやその他の情 報要件、法的問題、(可能な実施段階を含む)実施のためのオプション、パイロット実装の可能性 と性質、様々なシナリオの下での実装コスト、その他必要な資源(人的、技術的など)、潜在的メ リットとリスク、タイムフレーム、実装管理戦略を決めるための実施可能性調査を要求し、分析

(18)

を必要とする。

シングルウィンドウファシリティを首尾よく実施するための最も重要な前提条件は、政府や当 該政府機関の政治的意思であり、ビジネスコミュニティの全面的支援と参加である。情報の交換 においてプライバシーやセキュリティを提供するプライバシー法やプライバシールールの導入を 含む基本的な法的枠組みも開発されなければならない。

2.5. 国際標準の使用

シングルウィンドウを実装する際に、政府と貿易業界は過去何年もの間 UNECE、 UNCTAD、

WCO、IMO、ICAO、ICC のような政府横断的組織や国際組織によって開発されてきた既存の勧

告、標準、ツールの使用を検討することを強く推奨する。標準や利用可能なツールの使用は、シ ングルウィンドウを実装するために開発されるシステムが他の国の同種の開発と高い互換性を持 つことを保証し、将来的にそうしたファシリティの間での情報の交換において助けとなりうる。

2.6. 勧告

貿易簡素化と電子ビジネスのための国連センター(UN/CEFACT)は、本書や添付文書において 記述されているシングルウィンドウファシリティの実施が政府と貿易業界の間の情報交換を調整 し簡易化しうるということを承知しており、またこれが政府と貿易業界双方に実際の利点をもた らすことを考慮に入れ、政府ならびに国際貿易や貨物の移動に従事している者が次のことを行な うことを推奨する。

2.6.1. 各国は次の利点をもたらすシングルウィンドウファシリティの実装の可能性を積極的に

検討する。

• 貿易や輸送の関係者は、すべての輸入、輸出、通過関連の規制要件を満すために、シングル エントリポイントに標準化された情報や文書を持ち込む。情報が電子的である場合、個別デー タエレメントは1回の提出ですむ。

• 情報の交換においてプライバシーやセキュリティを提供する法的枠組みによって支援された、

国際貿易取引に関するすべての情報の共用が可能となる。

• シングルエントリポイントが参加政府機関や当局に当該情報を配布し、またはアクセスを認 め、適切な場合、様々な政府機関のコントロールを調整出来る。

• 貿易関係の政府情報を提供し、関税やその他の料金の支払いを受け取るファシリティが追加 可能。

2.6.2. すべての関係政府機関やビジネスコミュニティとの共同の努力を通して全国レベルでシ

ングルウィンドウファシリティの設立を推し進める。

2.6.3. シングルウィンドウファシリティの設立において現在の勧告に添付されているガイドラ

イン(資料として巻末に添付)を全面的に検討する。

(19)

UN/CEFACT は、政府が各国でのシングルウィンドウファシリティの実装に導く適切な経験や

活動をUNECE事務局と共用し、報告することを求める。

参考: 本委員会におけるシングルウィンドウについての定義

本委員会では、「シングルウィンドウ、ワンストップサービス」の用語の定義について、メン バー間の共通の理解を得るための議論が2回に亘って行われ、本委員会における共通の定義を下 記の通りとすることとした。

・ワンストップサービス:現在 NACCSで行われている、1つの端末で複数の申請を可能にする サービスでワンストップマルチウィンドウサービスとも呼ぶ。

・シングルウィンドウ化:ワンストップサービスの1つで、1回の処理で複数の申請を可能にす るサービス。高度化されたワンストップサービスを提供できるシステ ムがシングルウィンドウシステムといえる。

3. 動き出したわが国の「シングルウィンドウシステム」

わが国においても2003年7月23日より港湾EDIシステム、海上貨物通関情報処理システ ム(Sea-NACCS)、乗員上陸許可支援システムを相互接続した「輸出入・港湾手続に関する行政 手続関連システムのシングルウィンドウシステム」が稼動を開始した。これまでそれぞれ独立し ていた手続関連システムを相互接続し、コード統一や送信のタイミングを合わせたりすることで、

利用者は1回の入力・送信で複数の行政手続きが可能になるというものである。現在検討が進ん でいる民間業務も含めた貿易関連情報システムのネットワーク化への第一歩とも言うべきもので、

わが国港湾における国際物流の更なる効率化、強化を行い、わが国港湾の国際競争力の向上に繋 がるものとして期待されている。

3.1. これまでの経緯

「輸出入・港湾諸手続のシングルウィンドウ化」は、政府の輸出入・港湾手続関連府省連絡会 議(内閣官房、内閣府、法務省、外務省、財務省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土 交通省)が2001年9月から検討を進めてきた。対象システムは、港湾EDIシステム(国土交 通省)、NACCS(財務省)、乗員上陸許可支援システム(法務省)の3システム。このうち乗員上 陸 許 可 支 援 シ ス テ ム は 、 今 回 の シ ン グ ル ウ ィ ン ド ウ の 開 始 に 合 わ せ て 稼 動 開 始 し た が 、

Sea-NACCS(1991年10月稼動開始、UN/EDIFACTに準拠した更改 Sea-NACCSが1999

年10月稼動)、 港湾EDIシステム(1999年10月稼動)は、別個に開発され、運用されて きたものである。

しかし、97年4月に閣議決定された「総合物流施策大綱」では、99年までを目途に貿易、

港湾・空港の入出港、検疫をEDI化すると共に既存のNACCSとの連携によるペーパーレス化、

ワンストップ化を目指すこととされるなど、各システム間の連携を求める声は強く、「e-Japan 重 点計画」(01年3月)では、01年度中に関係府省間で効率的な情報の共有・活用のための検討

(20)

体制の整備を図ることとされた。

シングルウィンドウに向けて大きく動き出したのは、01年8月に塩川正十郎財務相が閣議提 案した「国際物流トータル改革プラン(塩川イニシアチブ)」がそのきっかけとなった。同年6月 の第5回IT戦略本部で経団連から寄せられた要望に応えたもので、03年度を目標に輸出入・港 湾関連手続のシングルウィンドウ化並びにシステム化の促進、民間における貿易関連事務のシス テム化・標準化の促進を内容としたものである。

その後の調整を経て、02年1月の第9回IT戦略本部で、貨物はSea-NACCS、船舶は港湾EDI をそれぞれ中核的なシステムと位置付けて、03年度の早期にシングルウィンドウ化を供用開始 することが報告された。

4 インターネット

NACCS

専用回線

輸入動植物 検査申請

(動物検所)

(植物防疫)

輸出入承認・

許可(確認)

(経済産業省)

食品輸入届

(検疫所)

入港通報 入港届(明告書)

乗員名簿 乗客名簿 等

(検疫所)

乗員上陸許可 支援システム

輸出入関連手続(省庁) 港湾関連手続(省庁)

シングルウィンドウ化

入出港届等

(港湾管理者)

港湾EDI

入出港届 輸出入申告 乗員簿

乗客簿

(税 関)

入港通報 入出港届 乗員名簿 乗客名簿

(入国管局)

入出港届等

(港 長)

システム間接続

(港湾関連手続)

輸出入・港湾関連手続のシングルウィンドウ化 (骨 格)

3.2. サービスの内容

各システムの相互接続・連携で効率化されるのは、①シングルウィンドウ対象手続、②ワンス トップサービス対象手続き、の2種類である。このうちシングルウィンドウ対象手続は、船舶の 港への入港届や乗組員名簿など複数の行政機関に共通する手続を一括して1回の入力・送信で行 うことが可能になるというものである。

従来、港湾EDIシステムでは、港湾管理者、港長向けにしか入港届を行えなかったが、シング ルウィンドウシステムでは港湾EDIシステムの画面に税関、検疫所、入国管理局への送信チェッ クランを設けて、それらにチェックを入れれば、それらに対しても同時に送信される。NACCS の画面にも各申請先のチェック欄が設けられ、同様の手続が可能になる。

ワンストップサービスは、単一の行政機関への手続を、港湾EDI、NACCSのいずれの端末から でも入力送信できるもの。(JASTPROや国連が提唱するワンストップサービスの定義と若干異な る。)港湾管理者・港長への係留施設使用届、とん税納付申告などが対象で、利用者は画面を変更

(21)

しなくても(1回のログインで)当該手続を行うことが出来る。

ただし、とん税納付申告など6手続は、04年3月29日より港湾 EDI システムを通じて

NACCSに伝送可能となった。また、航路通報など2手続を NACCSから港湾 EDIシステムに伝

送可能となるのは04年度中を目標とする(JASTPRO注:04年3月26日現在未定)。いずれ も港湾EDIのプログラム開発のスケジュールの都合による。なお、港湾EDIシステムの開発を担 当している港湾空間高度化環境研究センター(WAVE)における航路通報のEDI化については0 5年1月供用開始、並びに改訂 SOLAS条約に従う海上保安庁への入港通報のEDI化については 04年7月に供用開始された。

ワンストップサービス(シングルウインドウ化)により 行うことが可能な港湾関連手続

税関 港長等 港湾管理者 検疫所 入国管理局 提出先

システム名 Sea-NACCS 港湾EDIシステム 乗員上陸許可支援システム

手続名

◎入港届(転錨届)*

◎出港届(転錨届)

◎乗組員氏名表

◎旅客氏名表

○とん税及び特別 とん税納付申告▲

○積荷目録▲

○積卸コンテナ リスト

○積荷目録提出前 貨物積卸承認 申請▲

○貨物の積卸につい ての書類の呈示▲

○執務時間外貨物 の積卸届▲

○係留施設使用届

○停泊場所指定願

○夜間入港許可 申請

○移動許可申請

○移動届

○危険物荷役許可 申請

○航路通報★

○巨大船等航行 予定通報★

○係留施設等 使用許可申請

○検疫通報

◎入港届

◎入出港届

◎出港届

◎入港届

◎入出港届

◎出港届

◎入港通報

◎入港届(明告書)

◎乗組員名簿

◎乗客名簿

◎入港通報

◎入港届

◎出港届(別添報告書)

◎乗員名簿

◎乗客名簿

注:◎印は、シングルウインドウ化対象手続(複数の行政機関に共通しており、1回の入力・送信で一括して行うことが可能となる手続)。

○印は、ワンストップ対象手続(単一の行政機関のみに対する手続であるが、Sea-NACCS又は港湾EDIの何れの端末からでも 入力を行うことが可能となる手続)。

▲印の港湾EDIから行うSea-NACCSの業務については、現在開発中であり、平成15年度中には供用開始予定。

★印の航路通報、巨大船等航行予定通報については、平成16年度以降に供用開始予定。

港湾EDI経由でのNACCSデータベースからの呼び出しは出来ない。(港湾EDI経由でNACCSへ登録したデータについては、

港湾EDIのデータベースから呼び出すことが可能。)

出典:輸出入・港湾手続関連府省連絡会議

3.3. システムの利用方法

これらのシングルウィンドウ・ワンストップサービスを利用するためには、事前に①各個別シ ステム(港湾EDIシステム、NACCS、乗員上陸許可支援システム)の利用者登録(利用申し込み)

とともに、②シングルウィンドウシステムの登録を行う各システム間の「関連付け」が必要にな る。この「関連付け」は、NACCS1件に対して、港湾EDIシステムと乗員上陸許可支援システム は5件まで可能。

また、利用者は、その利用に当り ID、パスワードを取得する必要があるが、この ID、パスワ ードの発行に当り、NACCSは、原則1事業所当り1件とするのに対して、港湾EDIシステムは、

複数件を認めている。

(22)

3.4. 利用料金

港湾 EDIシステム、乗員上陸許可支援システムは、利用料を必要としないが、NACCSは、シ ングルウィンドウシステムを利用して他のシステム経由で接続する場合でも、直接接続する場合 と同様の料金が掛かる。

但し、03年3月から稼動を開始したインターネット経由の「netNACCS」を利用すれば基本 料金(月額5,000円)、パッケージソフト使用料金(月額3,000円)は必要なく、業務別の従量料 金だけで利用できる。そのため、船舶代理店業者など出入港業務を中心とする業者は、netNACCS の利用が増えるものと思われる。

3.5. システム連携

港湾 EDIシステム、NACCS ともに個別システムとして開発、発展してきたため、シングルウ ィンドウを行うためには、連携・接続するための省庁間の調整が不可欠である。02年来、双方 の要求項目に応じて、各業務並びにデータ項目の突合せを行い、業務の名称の違いや、データ項 目及びその桁数の調整を行ってきた。

港コードは、国連で定めているUN/LOCODEを使用することとなった。99年9月の更改NACCS、

港湾EDIシステムの稼動に向けた事前調整で、双方とも従来からUN/LOCODEに準拠していたが、

地方港湾・空港の一部では同一のコードを採用していたため、若干の調整が行われた。

港湾EDI システムで約1万、NACCSで約5千あるバースコードについては、99年9月の更改

Sea-NACCS と港湾 EDI システムの稼動時に大筋で調整済みであった。その後の名称変更や新規

に供用開始した施設などについては100程度の調整が行われた。

船舶基本情報については、NACCS ではロイズコードやBTB(船首から船橋までの長さ)など船 舶のサイズに関する情報は要求していなかったが、港湾EDI に合わせて、NACCS画面上に欄を 設けた。船の大きさを表す「純トン」は、NACCS では「とん税」徴収において必要事項として いるため、港湾EDIでも「任意」としていたのを「必須事項」とした。また、入力に際しては日 本語ではなく、ローマ字を使用することになった。

3.6. 本格的利用に際しての課題

日本経済団体連合会(経団連)は、01年6月に政府のIT戦略本部でワンストップサービスの 実現を要請したが、政府は02年1月に、03年度中の早期に輸出入・港湾関連手続のシングル ウィンドウ化実施を発表することで、その提案を一部実現した。

しかし、経団連は03年3月の新IT戦略に対する提言などで、「業務改革なき電子化」に警鐘 を鳴らし、行政手続きそのものに対する必要性の検証や簡素化・統合化、既存の行政系電算シス テムのオープンシステムへの迅速な移行や中央省庁・地方公共団体のシステムの標準化、共同利 用を求めている。

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03年7月の電子政府構築計画案への意見では、輸出入・港湾手続のワンストップ化に対し、

「業務改革のベストプラクティスモデル」とするべく業務改革の推進と共に、FAL条約(国際海 上交通の簡素化に関する条約)の早期締結を求めている。

03年7月23日のシングルウィンドウシステム開始を受け、定航各社は、システムを統括し ている本社と書類作成、本船立会いを担っている臨港支店間での意見調整が進められた。これま で港湾管理者・港長への手続は関係先に書類を持参していたが、シングルウィンドウシステム開 始により、NACCSを通じて行うことが可能になったためである。

当面は、港湾 EDIシステム、NACCSの各画面に直接入力する手法を取るが、将来的には社内 のシステムと接続してゲートウエイ方式により情報を直接やり取りする考え。

この方法は、書類の作成やデータ入力などを東京本社で一元的に管理し、各港では本船に出向 き実作業だけを担当するなど、効率化が可能になる。ただし、ゲートウエイ方式を実現させるた めには、必要な行政手続きが全て電子化されることや、各港ごとのシステムの標準化など、解決 すべき課題は多い。

3.7. 全面的EDI移行へ一歩前進

03年7月23日より供用開始された輸出入・港湾諸手続のシングルウィンドウシステムの稼 動は、行政系のシステムだけを対象としているが、港湾物流の効率化のためには、民間事業車間 のEDIの促進が不可欠である。そのためには、既存ネットワークで情報共有が可能となるプラッ トフォームの構築が有効とされている。

02年度から国土交通省は、港湾物流情報化懇談会(座長唐津一東海大学名誉教授)をスター トさせ、2年目の03年度も35団体・機関が参加して論議を進めている。

03年度はFCL(フルコンテナロード、コンテナ当たりのまとまった大口貨物)貨物について 物流業務の現状業務プロセスの分析作業を行い、港湾物流関係情報のサプライチェーンマネージ メント化を目指して、関連業界が協力して、現状問題点の把握と解決策について調査研究を行っ た。04年度には、現在ある港湾物流関連のネットワークを連携して、03年度明らかになった 問題点解決するための具体的な方策(例えば、港湾物流情報の共有化のためのMIG:メッセージ 実施ガイドラインの開発など)が引き続き検討された。そして、06年度には「理想的な港湾物 流の姿の実現」と、わが国港湾の国際競争力回復に向けての本格始動を目指す考えである。

政府レベルでも、03年8月に「e-Japan 重点計画 – 2003」を策定、①行政システムと民間シ ステムとの連携推進、②05年度待つまでに既存行政システムの最適化計画策定、③FAL条約(国 際海上交通の簡素化に関する条約)批准に関して03年12月末までに必要措置を講じる、④貿 易金融EDI(TEDI)のアジア諸国政府システムとの連携支援、⑤輸出入物流EDIの標準メッセー ジ開発、を進めることを決めている。

(24)

3.8. 港湾物流情報化とシングルウィンドウシステム

これまで省庁ごとに独自に開発され、発展してきた行政系システムが、省庁の壁を乗り越えて 申請のタイミングやコードの統一を実現させたことは画期的なことである。

しかしながら、現在の手続を見直しすることなく、個々に異なる思想の下で開発されたシステ ムを無理やりに相互接続した嫌いがあるため、必ずしもユーザにとって使い易いものとなってい ないのは残念である。また、政府側が言うように、必ずしもシステム間でのデータの整合性が十 分に図られていないために、その共有化やデータの二重入力の削減が達成されていない。今後、

まず現在法律で定められている手続が本当に必要かどうかといった、法制度の見直しから、手続 全体のBPR(Business Process Re-engineering)を行った上で、ワンストップサービス・シングルウ ィンドウの概念に十分立脚したシステムトすべく、尚一層の改良をしてほしいものである。

更に、民間側においては、社内組織が通関部門、船舶代理店部門等に分かれているために、こ のシングルウィンドウシステムを効率的、効果的に使いこなすためには、社内組織を抜本的に見 直して、部門ごとの縦割り組織から、部門横断的な水平組織に変えていくなどの改革を実施しな い限り、民間側の効率化は図れないものと思われる。

(25)

4.輸出入及び港湾・空港手続関係業務・システムの最適化計画

業務・システムの最適化とは、行政システムの構築又は再構築に関し、行政手続等の業務につ いて重複申請、データの2重、3重入力の排除、データの標準化等の見直しを行った上で、シス テムのあり方等を見直し、最適な業務・システムとするものである。

最適化計画の策定については、「電子政府構築計画(2003年7月17日各府省情報化統括責任者

(CIO:Chief Information Officer)連絡会議決定)」に基づき、全府省を対象に、2005年度末まで のできる限り早期に策定することとされた。

この最適化計画を策定すべき業務・システムのうち、関係府省で連携して最適化の検討を行う ものとして、21の業務・システムが定められている。この中の一つに財務省及び国土交通省等 が関係する「輸出入及び港湾・空港手続関係業務に係る業務・システム」があり、この業務・シ ステムについては、財務省が担当府省(取り纏めを行う府省)として最適化計画を策定すること とされ、具体的な検討は関係府省の課長クラスで構成される「輸出入及び港湾・空港手続関連府 省連絡会議」で行われている。

・輸出入及び港湾・空港手続関連府省連絡会議

輸出入及び港湾・空港手続関係業務・システムに係る最適化計画(以下見出し等においては「業 務・システムの最適化計画」と略す)については、輸出入及び港湾・空港手続の迅速化・適正化の ための施策を講じていく上での関係府省間の連絡・調整を行う場として設置されたもので、関係 府省の大臣政務官による「輸出入及び港湾・空港関連手続の電子化・簡素化に関する政務官会合」

や関係府省の課長クラスで構成される「輸出入及び港湾・空港手続関連府省連絡会議」等で具体 的な検討が行われた。

また、輸出入及び港湾・空港手続に関しては、関係業界からもいろいろと要望が出されており、

2004年2月20日の当会議において「輸出入及び港湾・空港手続関係業務・システムに係る最適 化計画」の策定が本会議の検討対象事項とされ、その検討が進められた。特に、2004 年 6月 22 日に経団連等の9関係業界で取りまとめた「輸出入・港湾諸手続の効率化に関する提言」では、

輸出入・港湾諸手続の簡素化、FAL条約(Convention on Facilitation of International Maritime Traffic, 1965:1965年の国際海上交通の簡易化に関する条約)の締結、国際標準への準拠、全ての申 請書類の電子化、情報の共有等の要望が提出された。

また、各府省で独自に最適化を行う、各府省個別の業務・システムについても、それぞれの最 適化計画の方向性について共通の認識を保有するため、情報交換、調整が行われた。

メンバー:財務省(議長)、国土交通省(副議長)、内閣官房、内閣府、法務省、外務省、厚 生労働省、農林水産省、経済産業省

・最適化計画策定部会

(26)

本部会は、輸出入及び港湾・空港手続関連府省連絡会議の下部組織として設置され、各府省担 当課長補佐等で構成されている。「輸出入及び港湾・空港手続関係業務・システムに係る最適化計 画」策定のため、シングルウィンドウ化可能な業務の洗出しや各手続きの申請項目見直し等の具 体的な検討が行われた。

メンバー:財務省、国土交通省、法務省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省等

・申請現場キャラバン

「輸出入及び港湾・空港手続関係業務・システムに係る最適化計画」の検討に際しては、申請者 サイドから見た検討を重視する観点から、上記会議において関係業界も交えて検討を行っている ほか、行政機関及び関係業界で申請現場キャラバンも行われている。

4.1. はじめに

「貿易手続簡易化」について、国連においては次のように定義している。

すなわち、「貿易手続簡易化とは、貿易のための手続と書類作成処理の組織的合理化を言う。こ こに言う貿易手続とは、貿易における貨物の移動のために必要とされるデータの収集、提示、伝 達及び処理に係わる諸活動、慣習並びに公的手続を言う。」

JASTPROは、これを更に具体的に、「手続そのものの簡易化」及び「手続遂行事務の合理化、

簡素化、すなわち、書類の合理化(統一化、標準化又は廃止)、ペーパーレス化を目指した電子デ ータ交換(EDI)の標準化と事務の機械化(ADP)」と考え、国連欧州経済委員会・貿易手続簡易 化作業部会(UN/ECE/WP.4:1997 年 3 月に貿易簡易化と電子ビジネスのための国連センター

(UN/CEFACT)に発展的に改組されている)の動きをフォローしつつ、設立以来30有余年に亘 って簡易化作業を進めてきた。

JASTPROでは、平成14年度(2002年度)「貿易手続へのXML/EDI導入調査研究特別委員会」

を設け、前記1.2項の活動概要を目標に委員会活動を開始した。しかし、「わが国においては、す でに通関、検疫、港湾等貿易関係手続の分野で電子計算機処理システムが導入されており、かつ、

港湾関係諸手続に関してシングルウィンドウ化が推進中である」ところから、主としてB2G手続 き上から次の点に焦点を当て、作業に取り組んだ。

(1) わが国における貿易関係諸手続に関するEDIシステムの現状調査(開発中のシステムを含む)

(2) シングルウィンドウ化に当たっての問題点の把握

(3) インターネット EDI(XML/EDI)を介してシングルウィンドウ化を実現するための方策-デ ータ項目のシステム間連携、調和化作業

更に、通関手続き分野においては、G7 を舞台として通関処理システムの先進7カ国レベルで の簡素化、統一化作業がほぼ完了し、その作業はWCO(世界税関機構)により引き継がれ、WCO データモデルとして開発されその第2版(Version 2)が2005年のWCO総会において採択されて いる。

加えて、船舶の入出港時の手続の簡素化については、IMO(国際海事機構)で早くから取り組

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みがなされ「IMO/FAL条約」として1965年に採択され、1967年に発効している。わが国も遅ま きながら、2005年6月の国会においてこの条約を批准し、2005年9月2日ロンドンのIMO本部 において締結し、同11月1日から発効している。われわれ貿易関係手続の簡易化に携わるもの にとって、またわが国の港湾、海運業界にとっても今まで本条約未締結国ということで肩身の狭 い思いをしていたのであるが、これからは条約締結国の仲間入りを果たし、この条約の定める「船 舶がどこの港湾に入出港するときでも7つの書類以外は求めない」という具体的な目標に向けて、

実施面で努力を継続していくことになる。

本委員会は、現状のわが国における貿易関係手続の諸システムを研究すると共に、UN/CEFACT の作業をベースとしつつ、これら2つの国際的レベルでの簡易化作業とも協調する形で作業を進 めてきた。

2005年度では、引き続き「貿易手続へのXML/EDI導入調査研究特別委員会」を設け、2003年 7月23日より稼動している「輸出入・港湾手続のシングルウィンドウシステム」に対する政府の

「業務・システム最適化計画」をフォローすると共に、それが本来の「ワンストップサービス・

シングルウィンドウ化」となっているかどうかについての観点より、これに対するコメントを行 った。また、貿易関係情報のSCM(サプライチェーンマネージメント)化においてはB2GとB2B 部分との連携が避けて通れないとの観点より、貿易関係手続として現在稼動中のB2Bシステムで

ある POLINET、SC/SF-Net、Bolero及び TEDI等についても引き続き検討を行い、それらネット

ワークシステムのSea-NACCSとの相互接続サービスの状況についても調査を行った。

参照

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