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Academic year: 2021

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Vol.10 No.1-2      原子力バックエンド研究       

巻頭言

バックエンド部会の活用を

バックエンド部会 部会長  村岡 進

現在,世界の原子力界の最大の関心事は原子力発電所で発生した使用済燃料及び放射性廃棄物の管理すなわちバックエ ンド対策と核の不拡散問題である.   

前者に関しては,我が国において発生する低レベル廃棄物について原子力利用の初期の段階から安全に処理処分が行わ れてきている.今後は,高レベル廃棄物やTRU廃棄物といった長寿命核種を含む廃棄物を長期間にわたって放射能が生 活環境に悪影響を及ぼすことのないように適切に処分することが重要である.

一方,核不拡散の問題に関しては,我が国は原子力基本法に基づき,原子力の平和利用を推進してきており,IAEA と核不拡散条約(NPT)を批准し,原子力の平和利用を国際的に約束しこれを遵守している.しかし,国際的には,イ ラク,北朝鮮,イラン問題に見られるような極めて政治的な難しい問題を抱えているが,原子力発電のためのプルトニウ ム利用,放射性廃棄物の貯蔵・処理・処分等において研究開発されてきた成果がかなりの部分で核不拡散,核軍縮といっ た人類の悲願の達成に有効に利用できるし,そのようにしなければならないと考える.

 周知のように,日本原子力学会バックエンド部会は前身の放射性廃棄物連絡会を引き継ぐ形で,平成9年に「原子力 利用に伴う放射性廃棄物の発生・分離・管理・処理・無害化・処分等のバックエンド領域に関連して行われる様々な専門 分野の研究活動を支援し,その発展に寄与することを目的」に設立された.以来,原子力施設のデコミッショニング,使 用済燃料の再処理,輸送,放射性廃棄物の処理処分を対象に活動を実施してきた.

本年度の具体的な活動としては,①原子力学会部会セッションの開催(春,秋の大会),②日本原子力学会誌連載講座 掲載,③夏期セミナーの開催(静岡),④部会誌「原子力バックエンド研究」の発刊(3 月),⑤海外発表・研究会支援,

⑥週末基礎講座等を実施した.

バックエンドの研究開発は極めて多岐にわたる学際分野である.例えば,高レベル廃棄物地層処分の成立性を議論する には,原子力工学,材料科学,地球科学,土木工学等の広い分野の知見を統合して総合的な判断が求められることになる.

自然環境に配慮しつつ,処分の安全性を如何に確保し,長期の不確実性の課題を克服してゆくかについて具体的な成果を 着実に開示していく一方で,そのよって来たる基礎基盤となる重要データを取得する研究を地道に続けなければならない と考える.当分野の究極の目標を達成するためには,これらの活動に加えて,社会科学等の異分野との広範な融合が欠か すことができないのである.

科学技術を支える知識を後の世代に着実に継承するためにも,専門分野,世代,組織の違いを超えた意見の交換の場と して,バックエンド部会をこれまで以上に活用して頂きたいと考えている.

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       原子力バックエンド研究      March 2004

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