問 題 点 の 整 理 I 剛 情 報 伝 達 の 問 題
1. 予 警 報 収 集 に 係 わ る 問 題 。
2 . 発 災 危 険 ・ 被 害 情 報 の 収 集 に 係 わ る 問 題 。
3. 広 報 活 動 に 係 わ る 問 題 。 4. 通 信 機 器 の 運 川 に 係 わ る 問 題。
1。 はじめ に
過去の災害 事例の 調査は, さまざ まな応急 対 策上の問題点 を明ら かにし ている。 そうし た数 多 くの問 題点の中 から,地 域や 災害種の 違い を超え て, 今後の 応急対策 活動に も生か せ る教訓を引 き出してお くとす れば, 少 なく と も次の三点 を挙げるこ とがで きよう。 第一 に情報 伝達 の問 題, 第二 に活動体制 の問題,
そして 第三に 災害文 化 とお とり現 象の問題で ある。
2.情 報伝達 の問題
情報伝達 は輸送 路の確保 とともに,他の 全 て の応急活動 に関 係し てい るという意味で 応 急対 応時の 基本的活動 である。こ こでは, 情 報伝達 の問題 を,剛 予 警報の収集, (2)発 災危 険情報 ・被害情 報の収集凵3)広報, (4)通イ言機 器の運 用という 四領域に わけて検討し ておこ
つ。
災 害 応 急 対 策 防 災 研 究 最 前 線
帝京大学文学部助教授 山 本 康 正
(1) 予 警報の収 集于 警報の収集 に関し ては, (1)警報伝達 時間 の問題 と(2)警 報への対 応の問題 の二つ が主た る問 題点 であ る。
多くの事 例で, 警報が 気象台 から市町村 に 届くの に1時問半 から 2時間近 くかかっ てい る。現実 には, テレ ビや ラジ オの情 報に よっ て対応し ているか ら応急対 応には それはどの 支障は ない ものの, 警報に対 する そうし た対 応に馴 れてし ま うと, 例えば 津波警 報のよ う な重要な警 報が公式 ルートで は伝 わら ない と い った事態につ ながっ てし まう。
大阪 府の調査 結果を参 考にし て考え れば,
県 が気象台 から120文 字 の警 報 を受 け 取るの に約15分, さら に県が市町 村に伝達 するのに また15分 かかるこ とにな り, どん なに早くや って も最 低30分くらい はか かる。
近 年の地震の 例では, 地震 発生 直後 から津 波警 報をはじめ とす る各種情 報が大体10分間 隔 で発表 され てお り,大 阪府の調 査結果 から 判断 すれば, 円滑 な情報 伝達 はは じめ から 物 理的に不 可能であ った とも言える。
こ うし た問 題の 解決には, 現状 では フ ァッ クス網の整備 が最 も効 果的であ るよ うに思 わ れる。 大阪府の 調査で も同じ文 をファ ッ クス で伝達 すれば約 1分で 全てが完了 する と報告 してい る。 そのほ かに も, 緊急警 報放送の 迦
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用拡 大、都道 府県防 災行政無線 の気象台との 結合、 通信衛 星による同 報通 信などの方法 が 考えら れな くてはなる まい 。
問 題 点 の 整 理 II
(1) 予 警 報 の 収 集 に 係 わ る 問 題 。 1. 警 報 の 伝達 所 要 時 間 の 問 題 。 2. 警 報 へ の 対 応 の 問 題。
夜 間 ・ 休 日 の 場 合O 人事 移動 の 問 題。
3. 警 報 の 処 理 の 問 題 。 狭 域 情 報 の 必 要 性 。 お お か み現 象 の 問 題 。
第二の 問 題 で あ る 警報 へ の対 応に 関し て は,(1)退庁 間際 ・夜間 ・休 日などの警報への 対 応の 問題 と(2)警報の 処理の問 題の二つにつ い て検討し てお きたい。
退庁 間際・ 夜間・ 休日の警 報に対し ては,
何より もまず警報の受 け取 り体制の問 題があ る。警備職 貝や警 備会社職員 との間で 警報受 け取り後 の対 応を明確に取 り決め てお き, 当 事者同士 でいず れかの 側に人事 異動 があった 場合 には, その 都度確 認をしてお く必要があ る。こ れは夜 間・休 日だけの問 題ではない。
人事 異動に 伴い防災 部局に配 属された新 人に も, 可及 速や かに, その平常業 務や主 要機 器 の取り扱い 方 法を熟知させ る必要があ る。
警報の 処理に関し ては, 第一に気象 台警報 が広域で あるの に, 市町 村が本当 に必 要 とす るのは 狭域的 情報である とい う問 題,第二に,
俗に「 おお かみ現象」 と言 われる警報馴 れの 問題の 二点に 触れてお きたい。
市町 村に とって, 気象台の警 報のみで的 確 な対 応を とるこ とは難し い。特 に水害の場 合
には, 気象警報は洪 水警報, 水防 警報, そし て当該 市町 村域 にかか わる もっ と狭域的 な情 報 など と組み合 わされて はじめて 有意義 な情 報 となる。 さら に, 市町村 によっ ては気 象警 報 が解 除されて から 一定 時間後 に洪水の 危険 に曝さ れる場合 もある。 従って, 市町村 は独 自の観 測体 制の 整備 と 各種 情報の分 析能力 の 向上 に努めてお く必要 があ る。現 在, 各地で 整備さ れつ つあ る「 水防 情報テレ メー ター・
システ ム」 の導 入などは, 単に 観測体制 を整 備 するだけ では なく,職 員の情 報分析能 力の 向 上にもつ なが るので, 少しで も早い普 及が 望 まれる。
ある地域 が, 気 象台の 管轄地 域の 周縁 部 に 位 置する場合, 当該地 域を管 轄する 気象台の 出 す予 報よ りも隣接地域 に出 る天気予 報のほ うがよく当 たる とい った雰囲 気があ るよ うな 例が少 なくない。こ うした雰囲 気は 気象警 報 に接す る態 度に も影響 する が, そ れだけ にな おさら, そうし た市町村は 自前の 観測機 器と デー タの分 析能 力を持つ というこ とが不 可欠 であろ う。
発災前に数回 にわた って警報 が出さ れ, そ のいず れもがはず れで あっ たために, 発災 直 前の気 象警 報がそ れは どの緊 張を もって受け 取られ ない という 例も多い。
こうし た「 おお かみ現 象」 を防 ぐこ とは 大 変困難 なのか もし れない。し かし, 気 象台の ほ うで も警報文 に多少の配 慮 をし たりし てい るので あるから, 少な くと も防 災担当 職員で あ れば,「 いつ もの 警報 文 とは 文章 が 少し 違 う」といっ たこ とに気づ き, 気象台 に問い 合 わせるくらい の判断能 力を 養って 欲し い。
(2) 発災 危険 情報・ 被害情 報の収 集
大規模 な災害にお いては, 発 災危険情報 や
被害情報の収集は大変困難な作業である。
ある例では,住民からの発災危険情報や被 害情報が,逆に市の対応を混乱させたともい
う。
こうした例からも明らかなように,発災危 険情報・被害情報の収集においては, (1)住民 情報の活用, (2)孤立地域や遠隔地での被害状 況の把握, (3)他組織との協力などが重要な問 題となる。
住民情報の活用では,町内会・自治会や自 主防災組織などとの協力体制の確立というこ とがすぐに頭に浮かぶが,実際問題としては,
これはなかなか大変なことなのである。第一 に,素人である住民がどこ まで正確な情報を 提供できるのかという問題がある。情報の標 準化と能力の育成訓練によって,この問題が ある程度解決されたとして も, それでは市町 村とそうした住民とを結ぶ通信手段はどうな のかという問題もある。さらに,住民たちの 地域エゴは出て来ないだろうかという不安も ある。
問 題 点 の 整 理 Ⅲ
(2) 発 災 危 険 情 報 ・ 被 害 情 報 の 収 集 に 係 わ る 問 題 。
1. 住 民 情 報 の 活 用。
2. 孤 立 ・ 遠 隔 地 域 の 被 害 状 況 の 確 認 。 3. 他 組 織 と の 協 力 体 制 。
自主 防災組織 に関し ては,過去 の事例 調査 や東京 消防庁の 調査結果 などから, いくつ か の問題点 を指摘 するこ とがで きる。
① 自 主防を中 心とす る集団避難は, 条 件 次第で流 言の 温床 になる。
② 自主防 が町内 会・自 治会の一部であ
つたり, 役員 が重複し ていた りする と,緊急時 に二つ の組織が混 同さ れ,
活動 に混乱を きたす。
③ 自主防 内の情 報伝達 活動は電話や 口 頭 による もの が主 で, その ため, か な りの 時間を要 する。
④ 自主防 の役員参 集の平均 所用時間 の 調査結果 では,10分以内 で集 まれる 役貝は半数 に満 たない。
この ように問 題点 を列 挙して みると, 応急 活動時 に市町村 が自主防や その他の 住民 組織 に対し てあ まり に大 きな期待 を抱 くことは,
現状の ままでは 危険 である と言え よう。
そうは 言って も, 被害情 報の収集 には住民 の 協力は不可 欠であ ろう。上 に述べ たよ うな 問 題や 不安 をあ る程 度克服し て住民の 協力 を 確 保するには, 江別 市をは 匕め いくつ かの 市 町 村で行なっ ている方 法が参 考となろ う。 す な わち, 住民組 織・ 市町 村職貝 ・土木業 者な どから 構成され る現地情 報収集 グループ を結 成してお き,い ざという時 にはこの グループ がより正確 で客観的 な発災 危険・被害 情報を 市町 村本部 へ伝達す るとい う方法であ る。
孤立地域や 遠隔地域 の情報の 収集 に関 して は, 結論 だけ を言っ てお けば,昭 和57年 の台 風10号の時に静 岡市が行 なっ たような自 衛隊 等の航 空機の利 用を考え てお く必 要があ ると いうこ とである。
他機関 の利 用 とい う点 から もう一点 述べて おこ う。 応急時の被 害情報の 収集 に要 する労 力 と時間とは 相当な もの であ る。 都道 府県の 側から すれば, 警察ルー トの情 報と市町 村か らの 情 報 との 食い 違い に 苦 慮 す るこ とも 多 い。こ うし た点で も, 市町 村とし ては被害 情 報の収集 に関 して も, 他機関 との 多角的な 情
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報収集体制を事前に計画しておくことが重要 であると言えよう。
(3) 広報
発令の タ イミン グが遅 れる と,自主避 難 をし た住民の 間に流言 が発生しや すい とい うこ と である。 第二点は,避 難勧告 を市町 村職員 が 戸別に伝 えて まわる場 合には ,一 目でどこ の 人間であ るかが判 るようにし てお くべ きだ と いうこ とであ る。長崎 水害の 調査 にお いて,
住民の間で,「 どこの誰 か判ら ない 人がやっ て きて,逃げろ と言 われて も, おい それと家 を 空ける わけ にはいか ない」とい う声があっ た。
警察官の ように制 服があれば良 いが, そう で なければ,ヘ ルメットや 作業 服に その 所属 が 判 るような工 夫をして おくこ とが必 要であろ っ。
(4) 通信機器の 運用 広 報活動に関 しては, 何よ りも既 存の広報
用伝達 手段の限 界を熟知し てお く必要があろ う。 広報車は広 報活動で もっ とも頻繁に使用 さ れる媒体であ るが, その効率は 最低である といっ て差し支 えないで あろ う。サ イレ ンも,
警戒 宣言の誤報事 件の 調査から も明らかな通 り, 信号内容の 識別 が困難であ るという問題 を抱 えてい るし, さら に予想さ れているほど には サ イレン 音が届 かないとい うこと も承知 し ておかな くてはな るまい。
同 報無線( 屋外拡声 方式) にも多くの問題 があ る。調査結 果に よれば, 拡声機 から300メ ート ル離れ ると半数 の人は 音声を聞 きとれな いし ,か とい って拡 声機 を高 密度に配 置する と今 度は「こ だ ま現 象」 が 発生し て余 計に聞 き取りに くい。 こだ ま現 象に かんし ては 時差 放送シ ステムの導 入で対処 でき ようが, はた して それだけ高密 度に拡声機 を配 置で きるの か とい う問題 もあろ う。
山陰豪 雨災害 の時の三隅町 におけ る戸別受 信機の圧 倒的 な有効性は まだ記憶 に新し い。
今後, 広報用の 伝達 媒体 の整備 を推 進してい く場合 には,極 力この戸 別受 信機 を整備す る 方向で 努力す ること が望 ましい と言え よう。
避難 勧告の広 報につい ては,端 的に二点の み を指 摘し てお きたい。 第一点 は, 避難 勧告
応急時の通信機 器の迦 用効 率は, 全 ての応 急活動に甚大 な影響を与 える。過 去の事 例か ら は,一方で ハード面の, 他方 でソフ ト面の 問題点が それぞれ浮かび あがっ てく る。 前者 に属するのは, 非常用 バッテ リーの不 作動,
通信機器の 水没,部品 調達の失 敗等で ある。
ソフト面 での問題 には,例 えば,通 信機 器 の操 作方 法に未熟で ある とか, 孤 立防 止用 無 線や 優先電 話の所在 を知 ら なかっ た, あ るい
問 題 点 の 整 理 V
(4) 通 信 機 器 の 運 用 に 係 わ る 問 題。
1. ハ ー ド 面 の 問 題 。
非 常 用 バ ッ テ リー の 不 作 動 。 部 品 調 達 の 失 敗 。
通 信 機 器 の 水 没 。 2. ソ フ ト 面 の 問 題 O
機 器 操 作 方 法の 未 熟 さ 。 伝 達 手 段 の 所 在 不 明 。 ヒ キ通 話 の 活 用。
問 題 点 の 整 理 IV
(3) 広 報 活 動 に 係 わ る 問 題。
1 . 広 報 伝 達 手段 の 問 題。
2 . 避 難 勧 告 に 係 わる 問 題 。
は 問い合 わせ電 話 が優 先電話 に集中し て応急 時 の通信 用には使 用で きな かった といっ た問 題があ る。
通信機 器の使用 訓練は, 通常の防 災訓練と は別に, もっと頻繁 に実施 する必要 があ るだ ろうし, 重要加 入電 話 など は,誰に でも判る よ うに電話 機 その もの にそれと表示し ておく こ とや平常 業務 での外部 との交信 用からはは ずし てお くとい った工夫 が必要であ る。
また, 既存の 通信手段の 周知徹 底をはかっ てお くこと も重要 であろ う。例 えば, DSA 通 話での 非常緊 急通 話( ヒ キ通話) の 存在と そ の 使用方法など は, もっ と関連職貝 に周知徹 底し ておく必要 があろ う。
3.活 動体制の問 題
活動体 制の問題 には, 警戒 本部や 災害対策 本部の 設置タ イミン グ, 夜間・休 日の 活動体 制, 意思決定者不 在時の措 置, 水防 本部と災 害対策 本部との機 構上の連 続性,他機 関との 連絡調整 等々 多くの 問題 があるが,ここでは,
(1)職員の参 集の問題 と(2)組 織上の問題 を二,
三 述べ てお こう。
多い。こ の点を 踏まえて 防災計 画が練ら れて い る必 要があ る。 さら に,警戒段階 , 発災直 後, 被害発生期, 避難 期と時 期に依って, 各 セ クションの 課業 量は かわっ てくるの である から, 配分 人数 を固定し てし まうので なく,
遊 軍部隊を設け てお くとか,状 況に 応じ て配 分 人数 を変 更するとい った臨機 応変の措 置が 必 要である。 そうす るこ とで, 職貝の 参集状 況 に応じた 人員 配分 も可能 となるO
職員の参集時 間につい ての 調査から は,深 夜には平 日の昼 間の約 2倍,休 日に は約2.5倍 の 時間が かかるこ とが明ら かとなっ ている。
発災前後に は, た とえ平 日の昼 間であ って も 種 々の悪条 件が重な ること も考えてお かねば なるまい。この こ とは, 職員全 貝が 市町 村庁 舎 に集 まる方式 を 考え直すこ と も必 要であ る こ とを示し てい る。職 員の居 住地に よって 参 集場所 を決め, 一部職員 は現地 配備 された情 報 収集貝とし て位 置づけ るこ と も必要 となろ
う。
組織 上の問題 とし ては ,二点 を指 摘し てお きたい。 第一に, 市町村 の部局長以 上全員 に よって 構成 さ れるよう な災害対策 本部貝 会議 が最高 意思 決定 機関 に なってい る場合 が 多い が,こ の方式は 必ずし も効率的 とは 言えない。
第二点は, 災害 救助 法関 係の被害 情報収集 が 防災担当部 課とは別 のセ クション によっ て担 当されてい る場 合に は, 組織 内外に 混乱が生 じや すい というこ とであ る。
第一の問 題は , 各構成貝は それ ぞれの部局 の責 任者であ り, 自分の 部局 の業 務に 忙殺さ れるO また,船 頭多 くし て船 山にのぽ るの弊 も生じや すい。 もちろ ん, 決定事 項の権 威づ けや 部局間の調 整などの 必要 があ るから,こ うし た本部貝会 議制を全 面否定す るこ とは で 問 題 点 の 整 理 VI
(2) 活 動 体 制 の 問 題 。
1.職 員 の参 集 状 況 と 活 動 体 制 上 の 工 夫 。 2. 組織 構 成 上 の 問 題 点 。
(イ) 意 思 決 定 機 構 につ い て 。
(口) 災 害 救 助 法 関 係 業 務 の 位 置づ け の 問 題 。
職貝の 参集は予定 してい るほ どに うまくゆ く ものでは ない。 応急時に参 集で きた職 員数 は 二割,三 割し かい なかっ たといっ た事 例は
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きない 。要は, 市町村長 または助 役と防災専 門職員 を中心 とし て小人数 の意思 決定機関 を 構成し, 実質的 な方針の 決定はここ で行な う よ うな工 夫をし ておくほ うが, 応急時にはよ り機能しや すい と言え よう。
災害 救助 法適 用申請の ための 被害 情報等の 収集整理 が, 例えば 社 会厚生関係の 部課に よ って担当 され てい る場合 には, そうし た情報 の収集 をめぐっ て, 二重の ルート を通る二種 類の情 報が行 き交 うこ とになり,時 には災害 対策 本部がどこ であるの か判ら ない よ うな状 況が 発生するこ ともあ り得る。 応急時には災 害救助 法関係の 情報収集 は後回し にされが ち であ る。しかし, 担当 部課 とし ては少しで も 早 くから適用申 請の ため の情報 の収集整理 に 取 り掛かりたい。 し たがって, 応急時から,
災害対策本部 内に, そうした 救助 法適用申 請 のための情 報収集 作業 班の明 確な位置づけ を 行なってお くこと が重要であ る。
4。 災害文 化とお とり現象
災害文 化とは,主 として 過去の経験 から防 災に関して わ れわれが身 につ けてい る知恵や 技術 を意味 してい る。 こ の災害文 化は, 従 来 プ ラ スの意味ば かり が強調さ れて きたが,最 近で は, 災害 の態様の変 化に 伴っ て, 過去の 経験に もとづ く災害文 化がむしろマ イナ スの 働 きをす るという 例が増加し ている。
災害文化 のマ イナス機能で もっ とも顕著 な のは, 災害文 化 が「 おとり現 象」 とよば れる 事 態の発 生因 となる場合で ある。お とり現象 とは,目 先のあ るいは容 易に気づ くような 危 険要因 に気を とら れてし まって, 本当に危険 な要因 を 見逃し てし まう現 象であ る。 大雨 イ コー ル河川の氾 濫といっ た過去の図 式は今で
は 通用しない。 河 川の氾 濫に気 を とら れてい るうちに土砂 災害が 多発する とい うこ とに な るO 地震が起 きて, 火災の心 配をす る人は 多 くても,付近の 河 川が氾 濫す るこ とを考え る 人は少ないであ ろう。 過去の事 例では, 地震 によっ て一般 河 川の氾 濫が起 きた例 もあ る。
問題点の整理 Ⅶ 災害文化
卜
集団,考
おとり現象 1
対応の意外性増大
あるいは, 大河 川を心配す るあ まり, 周辺 の 中小河 川への配 慮を怠る とい っ た例 もあ る。
お とり現 象に陥 るこ とは, 応 急時緊急 性 ま たは 意外性 を増大 するこ と とな り, 応急活動 の有効 性に大 きく影響す る。組 織的 な活動の 場合 には, 災害文 化が 集団 思考 と結 びつ くこ とで, 個人の場合 より も一層お とり 現象が 生 じや す くな る。
集団思 考とは, 複数 の人間 が知 識や 情報 を 交換し ながら集団全体 とし ての活動 の方向 を 決めるこ とを意味し てい る。 そ うした集団 思 考では, 例えば,楽 観主義 的な議論 に終 始し や すい とか,集団 内の圧力 や 自己規制 によっ て 異議 を唱えに くい とい った障 害のあ るこ と が指 摘されてい る。そうし た陬害の なかで も,
集団思考におい ては環 境条件の 認知 がステレ オタ イプ 化さ れる とい う点 が, ここ では特 に 重要である。集団 で活動方向 を決 する場合 に,
その決定の 前提 となる環境 条件の分 析が過 去
の 経験や 前例に よっ て行 なわれが ちなのであ のこ とを十分 意識して 活動の 決定をす る必要 る。した がって,集 団思 考の 場合 には, 災害 があ る。集団思 考やお とり現 象の弊害 を避け 文 化は より一層お とり現 象に結びつ きや すい るためには,常 に最近 の災害 事例や防 災関 連 のであ る。 機器の開発状 況への 鋭いアン テナ を張りめ ぐ
応急時 の活動 に組織的 に係 わる 人々は,こ らし てお く必 要があろ う。
アンケート調査のお すすめ
アンヶ− 卜 調査は, 市町 村や 消防本部の 査 資料 を全国的 に収集 する とともに,数 多 防 災対 策を検討 するの に極めて有 効な方法 くの アンヶ−卜 調査 を手 がけ てきた実績 か です。 例えば, 災害時の防 災機関や 住民の あ ります。私共 にご委託 願え れば, 次の よ 対応に関 する調査 により, その行動の特 徴 うな形 で皆 様のご 要望にお 答えす るこ とが や 対応上の 問題点 が明 らか となり,情 報収 で きます。
集 ・伝達や避 難等の防 災計画の 立案に生 か ① 調査票 の設 計 すこ とがで きます。 また, 建物 の防火管理 ② 集 計表 の作成 の実態 調査 により,防火 管理指導の留 意点 ③ 集計結 果の分析 を明確 に知 るこ とがで きます。こ のよ うに, ④ 結果の 活用方 法の提案
アンヶ−卜 調査 は, 利用の 仕方に よっ て防 なお, その 他消防防 災に関 する各種 調査 災対策 を改善 す る際 のポ イントを知 るこ と 研 究の 委託等 につい てもご相 談させ てい た ができ ます。 だい ており ます。
当セン ターでは,防 災に関す る各種の 調
卵 消防 科学総合 セン ター