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Real-Time Clock and Calendar (RTCC)

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液晶ディスプレイ

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セクション 52. 液晶ディスプレイ (LCD)

ハイライト

本セクションには下記の主要項目を記載しています。 52.1 はじめに ... 52-2 52.2 LCD 関連のレジスタ ... 52-3 52.3 LCD セグメントピンの設定 ... 52-6 52.4 LCD クロック源の選択 ... 52-8 52.5 LCD のバイアスタイプ ... 52-9 52.6 LCD マルチプレックスのタイプ ... 52-21 52.7 セグメントの有効化 ... 52-22 52.8 画素の制御 ... 52-22 52.9 LCD フレーム周波数 ... 52-22 52.10 LCD 波形の生成 ... 52-22 52.11 LCD 割り込み ... 52-36 52.12 LCD モジュールの設定 ... 52-38 52.13 スリープ中の動作 ... 52-39 52.14 レジスタ ... 52-40 52.15 改訂履歴 ... 52-41

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52.1

はじめに

液晶ディスプレイ(LCD) ドライバ モジュールは、スタティックまたはマルチプレックス LCD パ ネルを駆動するためのタイミング制御信号を生成します。100 ピンデバイス (PIC24FJXXXGA3XX) では、このモジュールは最大8 コモンのパネルを駆動でき、5 ~ 8 コモン使用時は最大 60 セ グメント、1 ~ 4 コモン使用時は最大 64 セグメントを駆動できます。このモジュールは LCD 画素データも制御します。 LCD ドライバ モジュールは下記をサポートします。 • LCD パネルの直接駆動 • 3 種類の LCD クロック源 ( ブリスケーラを選択可能 ) • 最大 8 コモンまで対応 - スタティック ( コモンピン 1 本 ) - 1/2 マルチプレックス ( コモンピン 2 本 ) - 1/3 マルチプレックス ( コモンピン 3 本 ) - 1/8 マルチプレックス ( コモンピン 8 本 ) • 100 ピンデバイスでは、1/5 ~ 1/8 マルチプレックスを選択した場合に 60 セグメントまで、 スタティック~1/4 マルチプレックスを選択した場合に 64 セグメントまで駆動可能です。 80 ピンデバイスでは、1/5 ~ 1/8 マルチプレックスを選択した場合に 46 セグメントまで、 ス タティック~1/4 マルチプレックスを選択した場合に 50 セグメントまで駆動可能です。 64 ピンデバイスでは、1/5 ~ 1/8 マルチプレックスを選択した場合に 30 セグメントまで、 ス タティック~1/4 マルチプレックスを選択した場合に 34 セグメントまで駆動可能です。 • スタティック、1/2、1/3 の LCD バイアス • 専用のチャージポンプを備えたバイアス ジェネレータを内蔵し、幅広い固定および可変バイ アス オプションをサポート • バイアス電圧生成用の抵抗を内蔵 • 内部バイアス回路を使って LCD コントラストのソフトウェア制御が可能 図52-1 に LCD ドライバモジュールの概略ブロック図を示します。 図 52-1: LCD ドライバ モジュールのブロック図 Timing Control Data Bus 512 to 64 MUX SEG<63:0> To I/O Pins 32 x 16 (= 8x 64)LCD DATA LCDCON LCDPS LCDDATA0 LCDDATA1 LCDDATA30 LCDDATA31 . . . 64 8 Bias Voltage 16

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52.2

LCD 関連のレジスタ

LCD ドライバ モジュールは下記の 40 個のレジスタを備えます。 • LCD 制御レジスタ (LCDCON) • LCD 位相レジスタ (LCDPS) • LCD 電圧レギュレータ制御レジスタ (LCDREG) • LCD 参照ラダー制御レジスタ (LCDREF) • 4 つの LCD セグメント イネーブル レジスタ (LCDSE3 ~ LCDSE0) • 32 個の LCD データレジスタ (LCDDATA31 ~ LCDDATA0) LCDCON レジスタ ( レジスタ 52-1 参照 ) はモジュールの全体的な動作を制御します。LCD モ ジュールを設定した後に、LCDEN (LCDCON<15>) ビットを使ってモジュールを有効または無 効にします。SLPEN (LCDCON<6>) ビットをクリアすると、スリープ中でも LCD パネルを動作 させる事ができます。 LCDPS レジスタ ( レジスタ 52-2 参照 ) では、LCD クロック源のプリスケーラと波形のタイプ (A または B) を設定します。これらの機能の詳細は 52.4「LCD クロック源の選択」、表 52-6: 「LCD ドライバ モジュール関連の特殊機能レジスタ」、52.10「LCD 波形の生成」に記載してい ます。 レジスタ 52-1: LCDCON: LCD 制御レジスタ

R/W-0 U-0 R/W-0 U-0 U-0 U-0 U-0 U-0 LCDEN — LCDSIDL — — — — —

bit 15 bit 8

U-0 R/W-0 R/C-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 — SLPEN WERR CS1 CS0 LMUX2 LMUX1 LMUX0

bit 7 bit 0 凡例 : C = クリア可能ビット R = 読み出し可能ビット W = 書き込み可能ビット U = 未実装ビット、「0」として読み出し -n = POR 時の値 1 = ビットはセット 0 = ビットはクリア x = ビットは未知 bit 15 LCDEN: LCD ドライバ イネーブルビット 1 = LCD ドライバ モジュールを有効にする 0 = LCD ドライバ モジュールを無効にする bit 14 未実装 :「0」として読み出し

bit 13 LCDSIDL: CPU アイドル中 LCD ドライバ停止制御ビット 1 = CPU アイドル中に LCD ドライバは動作を停止する 0 = CPU アイドル中も LCD ドライバは動作を継続する bit 12-7 未実装 :「0」として読み出し bit 6 SLPEN: スリープ中 LCD ドライバ イネーブルビット 1 = スリープ中に LCD ドライバ モジュールを無効にする 0 = スリープ中も LCD ドライバ モジュールを有効にする bit 5 WERR: LCD 書き込みエラービット 1 = WA (LCDPS<4>) = 0 の時に LCDDATAx レジスタへの書き込みが発生した ( このビットはソフト ウェアでクリアする必要があります) 0 = LCD 書き込みエラーは発生していない bit 4-3 CS<1:0>: クロック源選択ビット 00 = FRC 01 = LPRC 1x = SOSC

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bit 2-0 LMUX<2:0>: コモン数選択ビット レジスタ 52-1: LCDCON: LCD 制御レジスタ ( 続き ) LMUX<2:0>: マルチプレックス バイアス 111 1/8 MUX (COM<7:0>) 1/3 110 1/7 MUX (COM<6:0>) 1/3 101 1/6 MUX (COM<5:0>) 1/3 100 1/5 MUX (COM<4:0>) 1/3 011 1/4 MUX (COM<3:0>) 1/3 010 1/3 MUX (COM<2:0>) 1/2 または 1/3 001 1/2 MUX (COM<1:0>) 1/2 または 1/3 000 スタティック(COM0) スタティック

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1111 = 1:16 1110 = 1:15 1101 = 1:14 1100 = 1:13 1011 = 1:12 1010 = 1:11 1001 = 1:10 1000 = 1:9 0111 = 1:8 0110 = 1:7 0101 = 1:6 0100 = 1:5 0011 = 1:4 0010 = 1:3 0001 = 1:2 0000 = 1:1 レジスタ 52-2: LCDPS: LCD 位相レジスタ

U-0 U-0 U-0 U-0 U-0 U-0 U-0 U-0

— — — — — — — — bit 15 bit 8 R/W-0 R/W-0 R-0 R-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 WFT BIASMD LCDA WA LP3 LP2 LP1 LP0 bit 7 bit 0 凡例 : r = 予約済みビット R = 読み出し可能ビット W = 書き込み可能ビット U = 未実装ビット、「0」として読み出し -n = POR 時の値 1 = ビットはセット 0 = ビットはクリア x = ビットは未知 bit 15-8 未実装 :「0」として読み出し bit 7 WFT: 波形タイプ選択ビット 1 = タイプ B 波形 ( 各フレーム境界で相が変化する ) 0 = タイプ A 波形 ( 各コモンタイプ内で相が変化する ) bit 6 BIASMD: バイアスモード選択ビット LMUX<2:0> = 000 または 011 ~ 111 の場合 : 0 = スタティック バイアスモードまたは 1/3 バイアスモード ( このビットは「1」にセットしないでく ださい) LMUX<2:0> = 001 または 010 の場合 : 1 = 1/2 バイアスモード 0 = 1/3 バイアスモード bit 5 LCDA: LCD アクティブ ステータスビット 1 = LCD ドライバ モジュールはアクティブ 0 = LCD ドライバ モジュールは非アクティブ bit 4 WA: LCD 書き込み許可ステータスビット 1 = LCDDATAx レジスタへの書き込みが可能 0 = LCDDATAx レジスタへの書き込みは禁止されている bit 3-0 LP<3:0>: LCD プリスケーラ選択ビット

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52.3

LCD セグメントピンの設定

LCDSEx レジスタはポートピンの機能を設定します。特定セグメントに対応するセグメント イ ネーブルビットをセットすると、そのピンはLCD ドライバとして設定されます。LCD セグメ ント レジスタは 4 つあります ( 表 52-1 参照 )。これらに共通のビット定義をレジスタ 52-3 に 示します。 モジュールをLCD パネル向けに初期化すると、LCDDATAx レジスタの各ビットのセット / ク リアに対応して各画素の明/ 暗が設定されます。 LCDDATA レジスタの特定のセットは、特定のセグメントとコモン信号で使われます。各ビッ トは、特定のコモンに接続された特定のセグメントの一意の組み合わせを表します。

各LCDDATA ビットは「SxxCy」で表され、「xx」はセグメント番号、「y」はコモン番号を示し ます。この対応を表52-2 に示します。LCDDATAx レジスタのビット定義をレジスタ 52-4 に示 します。

レジスタ 52-3: LCDSEx: LCD SEGMENTx イネーブル レジスタ

表 52-1: LCDSE レジスタに対するセグメントの割り当て

レジスタ セグメント

LCDSE0 Seg 15:Seg 0 LCDSE1 Seg 31:Seg 16 LCDSE2 Seg 47:Seg 32 LCDSE3 Seg 63:Seg 48

Note: デバイスによってLCDSEx および LCDDATAx レジスタの数は異なります。詳細は 各デバイスのデータシートを参照してください。

R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 SE(n+15) SE(n+14) SE(n+13) SE(n+12) SE(n+11) SE(n+10) SE(n+9) SE(n+8)

bit 15 bit 8

R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 SE(n+7) SE(n+6) SE(n+5) SE(n+4) SE(n+3) SE(n+2) SE(n+1) SE(n)

bit 7 bit 0

凡例 :

R = 読み出し可能ビット W = 書き込み可能ビット U = 未実装ビット、「0」として読み出し -n = POR 時の値 1 = ビットはセット 0 = ビットはクリア x = ビットは未知

bit 7-0 SE(n + 15):SE(n): セグメント イネーブルビット LCDSE0 レジスタの場合 : n = 0

LCDSE1 レジスタの場合 : n = 16 LCDSE2 レジスタの場合 : n = 32

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レジスタ 52-4: LCDDATAx: LCD DATAx レジスタ 表 52-2: LCDDATA レジスタおよびビットとセグメント /COM の関係 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 S(n+15)Cy S(n+14)Cy S(n+13)Cy S(n+12)Cy S(n+11)Cy S(n+10)Cy S(n+9)Cy S(n+8)Cy

bit 15 bit 8

R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 S(n+7)Cy S(n+6)Cy S(n+5)Cy S(n+4)Cy S(n+3)Cy S(n+2)Cy S(n+1)Cy S(n)Cy

bit 7 bit 0

凡例 :

R = 読み出し可能ビット W = 書き込み可能ビット U = 未実装ビット、「0」として読み出し -n = POR 時の値 1 = ビットはセット 0 = ビットはクリア x = ビットは未知

bit 15-0 S(n + 15)Cy:S(n)Cy: 画素ON ビット

LCDDATA0 ~ LCDDATA3 レジスタの場合 : n = (16x)、y = 0 LCDDATA4 ~ LCDDATA7 レジスタの場合 : n = (16(x - 4))、y = 1 LCDDATA8 ~ LCDDATA11 レジスタの場合 : n = (16(x - 8))、y = 2 LCDDATA12 ~ LCDDATA15 レジスタの場合 : n = (16(x - 12))、y = 3 LCDDATA16 ~ LCDDATA19 レジスタの場合 : n = (16(x-16))、y = 4 LCDDATA20 ~ LCDDATA23 レジスタの場合 : n = (16(x - 20))、y = 5 LCDDATA24 ~ LCDDATA27 レジスタの場合 : n = (16(x - 24))、y = 6 LCDDATA28 ~ LCDDATA31 レジスタの場合 : n = (16(x - 28))、y = 7 1 = 画素を ON にする

0 = 画素を OFF にする

COM ライン

セグメント

0 ~ 15 16 ~ 31 32 ~ 47 48 ~ 64

0 S00C0:S15C0LCDDATA0 S16C0:S31C0LCDDATA1 S32C0:S47C0LCDDATA2 S48C0:S63C0LCDDATA3 1 S00C1:S15C1LCDDATA4 S16C1:S31C1LCDDATA5 S32C1:S47C1LCDDATA6 S48C1:S63C1LCDDATA7 2 S00C2:S15C2LCDDATA8 S16C2:S31C2LCDDATA9 S32C2:S47C2LCDDATA10 S48C2:S63C2LCDDATA11 3 S00C3:S15C3LCDDATA12 S16C3:S31C3LCDDATA13 S32C3:S47C3LCDDATA14 S48C3:S63C3LCDDATA15 4 S00C4:S15C4LCDDATA16 S16C4:S31C4LCDDATA17 S32C4:S47C4LCDDATA18 S48C4:S59C4LCDDATA19 5 S00C5:S15C5LCDDATA20 S16C5:S31C5LCDDATA21 S32C5:S47C5LCDDATA22 S48C5:S69C5LCDDATA23 6 S00C6:S15C6LCDDATA24 S16C6:S31C6LCDDATA25 S32C6:S47C6LCDDATA26 S48C6:S59C6LCDDATA27 7 S00C7:S15C7LCDDATA28 S16C7:S31C7LCDDATA29 S32C7:S47C7LCDDATA30 S48C7:S59C7LCDDATA31

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52.4

LCD クロック源の選択

LCD ドライバ モジュールのクロック源は下記の 3 つから選択できます。 • FRC/8192 • SOSC クロック /32 • LPRC/32 最初のFRC/8192 は、8 MHz の高速内部 RC (FRC) オシレータを 8,192 分周したクロックです。 この分周比は、約1 kHz の出力周波数が得られるよう固定されています。この分周比は変更で きません。かわりに、LCD プリスケーラ ビット LCDPS<3:0> を使って LCD フレーム クロッ クレートを設定します。 2 番目の SOSC クロック /32 は、SOSC オシレータを 32 分周したクロックです。このクロッ クの出力周波数も約1 kHz です (SOSC オシレータに 32.768 kHz の水晶振動子を使った場合 )。 SOSC オシレータをクロック源として使うには、SOSCEN OSCCON<1> ビットをセットする 必要があります。 3 番目の LPRC/32 は、31.25 kHz の内部 LPRC オシレータを 32 分周したクロックです。この クロックの出力周波数も約1 kHz です。 2 番目と 3 番目のクロック源は、プロセッサのスリープ中もモジュールの動作を継続させる場合 に使えます。 これらのクロック源はCS<1:0> ビット (LCDCON<4:3>) で選択します。

52.4.1

LCD プリスケーラ

LCD クロック用のプリスケーラとして 16 ビットカウンタが用意されています。プリスケーラ は直接読み書きできません。プリスケーラの値は LP<3:0> ビット (LCDPS<3:0>) で設定しま す。これにより、適用するプリスケーラ ( プリスケール比 ) が決まります。 プリスケール値は1:1 ~ 1:16 の範囲で、分母を 1 刻みに設定できます。 図 52-2: LCD クロックの生成 CS<1:0> SOSC Oscillator (32kHz) LPRC Oscillator (31.25kHz) STAT 1/2 MUX 1/3 to 1/8 MUX ÷4 LMUX<2:0>

4-Bit Prog Prescaler Ring Counter÷1, 2, 3....8

LMUX<2:0> CO M 0 CO M 1 CO M 2 CO M 7 ÷8192 (8 MHZ) ÷2 ÷32 ÷32 LP<3:0> (LCDCON<4:3>) (LCDCON<2:0>) (LCDCON< 2:0>) (LCDPS<3:0>) FRC Oscillator

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52.5

LCD のバイアスタイプ

LCD モジュールは、以下の 3 種類のバイアスタイプに設定できます。 • スタティック バイアス (2 電圧レベル : VSS、VDD) • 1/2 バイアス (3 電圧レベル : VSS、1/2 VDD、VDD) • 1/3 バイアス (4 電圧レベル : VSS、1/3 VDD、2/3 VDD、VDD) LCD バイアス電圧は内部抵抗ラダー、内部バイアス ジェネレータ、外付け抵抗ラダーのいず れかを使って生成できます。

52.5.1

内部抵抗ラダーによるバイアス電圧の生成

このモードでは、外付け抵抗を使わずに、内部抵抗ラダーを使ってバイアス電圧を生成します。 内部参照ラダーは3 つのラダーで構成されます。内部参照ラダーを無効にすると、3 つのラダー の全てが切り離され、外部電圧を供給する事が可能となります。 3 つの内部ラダーの総抵抗は異なり、これらを使い分ける事でバイアスを低、中、高電力にで きます。 表52-3 に、各内部抵抗ラダーの総抵抗を示します。図 52-3 に、内部抵抗ラダーの接続図を示 します。内部ラダー抵抗を選択した場合,バイアス電圧は内部で生成します。LCDCST<2:0> ビットを使ってソフトウェアでコントラストを制御する事もできます。 表 52-3: 内部抵抗ラダーの電力モード 電力モード ラダーの公称総抵抗 IDD 低 3 MΩ 1 µA 中 300 kΩ 10 µA 高 30 kΩ 100 µA

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図 52-3: LCD バイアス生成用内部抵抗ラダーの接続図 電力モードには「モードA」と「モード B」があります。モード A は LRLAP<1:0> ビットで設 定し、モードB は LRLBP<1:0> ビットで設定します。LRLAP<1:0> ビットと LRLBP<1:0> ビッ トでは、それぞれモードA とモード B に使用する抵抗ラダーを選択します。 各ラダーは、マッチング用コントラスト制御ラダーを備え、参照ラダーの公称抵抗値に調整さ れています。このコントラスト制御抵抗はLCDCST<2:0> (LCDREF<13:11>) で制御できます。 内部参照ラダーを無効にすると、全てのラダーは切り離され、外部電圧を供給できるようにな LCDBIAS3 LCDBIAS2 LCDBIAS1 VLCD3PE VLCD2PE VLCD1PE LCDCST<2:0> LCDIRE LCDIRS VDD 3x Band Gap LRLAT<2:0> A Power Mode B Power Mode LRLAP<1:0> LRLBP<1:0> Low Resistor Ladder Medium Resistor Ladder High Resistor Ladder VDD VDD

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52.5.1.1 電力モードの自動切り換え 各LCD セグメントは、電気的には単なるコンデンサとして機能するため、電圧が変化した時に のみ電流が流れます。デバイスの総電流を最小限に抑えるため、電圧の遷移期間中にLCD 参照 ラダーを異なる電力モードで動作させる事ができます。これはLCDREFレジスタで制御します。 LCD セグメント波形が遷移した時点から一定の期間モード A 電力モードがアクティブになりま す。モードA のアクティブ時間は選択可能です。この時間は LRLAT<2:0> (LCDREF<2:0>) ビッ トで選択します。これをゼロに設定するとモードA はアクティブになりません。モード A 電力 モードが終了した後、セグメントまたはコモンが次に変化するまで、モードB 電力モードがア クティブになります。 図52-4 に示すように、1 セグメントの時間は 32 クロックです。モード A は波形が遷移中であ る期間向けに選択でき、モードB はクロックが安定している ( 遷移中ではない ) 期間向けに使 用できます。 モードA/ モード B 電力モードの自動切り換え機能を使う事で、コントラストを維持しながら消 費電力を最適化できます。 図 52-4: LCD 参照ラダー電力モード切り換えタイミング図

Single Segment Time

‘H00 'H01 ‘H02 ‘H03 ‘H04 ‘H05 'H06 'H07 'H1E 'H1F 'H00 'H01

'H3

Power Mode A Power Mode B Mode A LRLAT<2:0> lcd_32x_clk cnt<4:0> lcd_clk LRLAT<2:0> Segment Data Power Mode

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52.5.1.2 コントラスト制御 LCD コントラスト制御回路は 7 タップの抵抗ラダーによって構成され、制御には LCDCST ビッ トを使用します( 図 52-5 参照 )。 図 52-5: 内部参照とコントラスト制御のブロック図 52.5.1.3 内部参照 LCD バイアス電圧用の内部参照は、ファームウェアで有効にできます。内部参照を有効にした 場合、電圧源にはVDDを使用できます。 どの内部参照も選択していない場合、LCD コントラスト制御回路は無効になります。この場合、 外部からLCD バイアスを提供する必要があります。LCD モジュールが非アクティブ (LCDA = 0) の場合、内部参照は OFF になります。 52.5.1.4 VLCDx ピン 内部ラダーのかわりにVLCD3、VLCD2、VLCD1 ピンを介して外部の LCD バイアス回路を接 続できます。VLCDx ピンを使いながら内部ラダーを使う事もできます。 各VLCD ピンは、LCDREF レジスタ内の各制御ビットを使って別々に制御でき、全てまたは任 意のLCD バイアス信号にアクセスできます。 このような構造により、さまざまなアプリケーションで最大限の柔軟性が得られます。VLCDx ピンを使って内部参照ラダーにコンデンサを追加する事で、駆動静電容量を増やす事もできま す。内部のコントラスト制御ではアプリケーション要件を満たせない場合、ファームウェアで VLCD3 ピンだけを有効にし、外部のコントラスト制御回路から内部参照用分圧器を使う事がで きます。 LCDCST<2:0> Analog R R R R 7 Stages MUX To Top of Reference Ladder 7 0 3 VDD

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レジスタ 52-5: LCDREF: LCD 参照ラダー制御レジスタ R/W-0 U-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 LCDIRE — LCDCST2 LCDCST1 LCDCST0 VLCD3PE VLCD2PE VLCD1PE

bit 15 bit 8

R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 U-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 LRLAP1 LRLAP0 LRLBP1 LRLBP0 — LRLAT2 LRLAT1 LRLAT0

bit 7 bit 0 凡例 : R = 読み出し可能ビット W = 書き込み可能ビット U = 未実装ビット、「0」として読み出し -n = POR 時の値 1 = ビットはセット 0 = ビットはクリア x = ビットは未知 bit 15 LCDIRE: LCD 内部参照イネーブルビット 1 = LCD 内部参照を有効にし、内部コントラスト制御回路に接続する 0 = LCD 内部参照を無効にする bit 14 未実装 :「0」として読み出し bit 13-11 LCDCST<2:0>: LCD コントラスト制御ビット このビットではLCD コントラスト制御抵抗ラダーの抵抗を選択します。 111 = 抵抗ラダーを最大抵抗 ( 最小コントラスト ) にする 110 = 抵抗ラダーを最大抵抗の 6/7 にする 101 = 抵抗ラダーを最大抵抗の 5/7 にする 100 = 抵抗ラダーを最大抵抗の 4/7 にする 011 = 抵抗ラダーを最大抵抗の 3/7 にする 010 = 抵抗ラダーを最大抵抗の 2/7 にする 001 = 抵抗ラダーを最大抵抗の 1/7 にする 000 = 抵抗ラダーを短絡して最小抵抗 ( 最大コントラスト ) にする bit 10 VLCD3PE: バイアス 3 ピン イネーブルビット 1 = バイアス 3 レベルを外部ピン LCDBIAS3 に接続する 0 = バイアス 3 レベルを内部抵抗ラダーに接続する bit 9 VLCD2PE: バイアス 2 ピン イネーブルビット 1 = バイアス 2 レベルを外部ピン LCDBIAS2 に接続する 0 = バイアス 2 レベルを内部抵抗ラダーに接続する bit 8 VLCD1PE: バイアス 1 ピン イネーブルビット 1 = バイアス 1 レベルを外部ピン LCDBIAS1 に接続する 0 = バイアス 1 レベルを内部抵抗ラダーに接続する bit 7-6 LRLAP<1:0>: モード A 期間中の LCD 参照ラダー電力モード制御ビット モードA 期間中の LCD 参照ラダーの電力モード : 11 = 内部 LCD 参照ラダーを高電力モードにする 10 = 内部 LCD 参照ラダーを中電力モードにする 01 = 内部 LCD 参照ラダーを低電力モードにする 00 = 内部 LCD 参照ラダーを切り離す ( 電力を供給しない ) bit 5-4 LRLBP<1:0>: モード B 期間中の LCD 参照ラダー電力モード制御ビット モードB 期間中の LCD 参照ラダーの電力モード : 11 = 内部 LCD 参照ラダーを高電力モードにする 10 = 内部 LCD 参照ラダーを中電力モードにする 01 = 内部 LCD 参照ラダーを低電力モードにする 00 = 内部 LCD 参照ラダーを切り離す ( 電力を供給しない ) bit 3 未実装:「0」として読み出し

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52.5.2

LCD バイアスの生成

LCD ドライバ モジュールに最小限の外付け部品を追加するだけで、LCD の動作に必要なバイ アス電圧を生成できます。また、LCD が要求するバイアスのタイプに応じて電圧レベルを変更 できます。さらにLCD ドライバ モジュールは、内蔵 LCD 電圧レギュレータを使う事で、マイ クロコントローラのVDDよりも高いバイアス電圧でも低いバイアス電圧でも生成できます。 52.5.2.1 LCD のバイアスタイプ セグメントとコモンの制御用に、生成波形に基づく下記の3 種類のバイアスをサポートします。 • スタティック (2 電圧レベル ) • 1/2 バイアス (3 電圧レベル ) • 1/3 バイアス (4 電圧レベル ) LCD 駆動波形の詳細は 52.10「LCD 波形の生成」に記載しています。 52.5.2.2 LCD 電圧レギュレータ LCD レギュレータを使う事で、VDDレベルに影響される事なく、適正なバイアス電圧と良好な コントラストをLCD に提供できます。このモジュールはチャージポンプと内部参照電圧で構成 されます。外付け部品を使ってレギュレータを構成する事で、バイアス電圧をVDDよりも高く 昇圧できます。VDD よりも低い一定電圧でディスプレイを動作させる事もできます。レギュ レータを選択的に無効にする事で、外付け抵抗回路を使ってバイアス電圧を生成する事も可能 です。 LCD レギュレータは LCDREG レジスタ ( レジスタ 52-6 参照 ) を使って制御します。LCD レギュ レータはCKSEL<1:0> ビットで有効または無効にでき、チャージポンプは CPEN ビットを使っ て選択的に有効にできます。レギュレータを有効にする場合、MODE13 ビットを使ってバイアス タイプを選択します。LCD バイアスのピーク電圧 (LCDBIAS3 と LCDBIAS0 間の電位差 ) は BIAS ビットで設定します。 bit 2-0 LRLAT<2:0>: モード A 期間中の LCD 参照ラダーの電力モード制御ビット 電力モードA の期間 ( モード A をアクティブにするクロック数 ) を設定します。 タイプA 波形 (WFT = 0) の場合 : 111 = 内部LCD 参照ラダーを 7 クロック間モード A にする ( モード B は 9 クロック ) 110 = 内部LCD 参照ラダーを 6 クロック間モード A にする ( モード B は 10 クロック ) 101 = 内部LCD 参照ラダーを 5 クロック間モード A にする ( モード B は 11 クロック ) 100 = 内部LCD 参照ラダーを 4 クロック間モード A にする ( モード B は 12 クロック ) 011 = 内部LCD 参照ラダーを 3 クロック間モード A にする ( モード B は 13 クロック ) 010 = 内部LCD 参照ラダーを 2 クロック間モード A にする ( モード B は 14 クロック ) 001 = 内部LCD 参照ラダーを 1 クロック間モード A にする ( モード B は 15 クロック ) 000 = 内部LCD 参照ラダーを常にモード B にする タイプB 波形 (WFT = 1) の場合 : 111 = 内部LCD 参照ラダーを 7 クロック間モード A にする ( モード B は 25 クロック ) 110 = 内部LCD 参照ラダーを 6 クロック間モード A にする ( モード B は 26 クロック ) 101 = 内部LCD 参照ラダーを 5 クロック間モード A にする ( モード B は 27 クロック ) 100 = 内部LCD 参照ラダーを 4 クロック間モード A にする ( モード B は 28 クロック ) 011 = 内部LCD 参照ラダーを 3 クロック間モード A にする ( モード B は 29 クロック ) 010 = 内部LCD 参照ラダーを 2 クロック間モード A にする ( モード B は 30 クロック ) 001 = 内部LCD 参照ラダーを 1 クロック間モード A にする ( モード B は 31 クロック ) 000 = 内部LCD 参照ラダーを常にモード B にする

(15)

液晶ディスプレイ

(LC

D

)

52

レジスタ 52-6: LCDREG: LCD 電圧レギュレータ制御レジスタ

52.5.3

バイアスの設定

PIC24FJXXXGA3XX ファミリのデバイスは、LCD バイアスの生成用に下記の 4 種類の回路構 成を備えます。 • M0: レギュレータ ( 昇圧あり ) • M1: レギュレータ ( 昇圧なし ) • M2: 抵抗ラダー ( ソフトウェア コントラスト ) • M3: 抵抗ラダー ( ハードウェア コントラスト )

R/W-0 U-0 U-0 U-0 U-0 U-0 U-0 U-0

CPEN — — — — — — —

bit 15 bit 8

U-0 U-0 R/W-1 R/W-1 R/W-1 R/W-1 R/W-0 R/W-0 — — BIAS2 BIAS1 BIAS0 MODE13 CKSEL1 CKSEL 0

bit 7 bit 0 凡例 : R = 読み出し可能ビット W = 書き込み可能ビット U = 未実装ビット、「0」として読み出し -n = POR 時の値 1 = ビットはセット 0 = ビットはクリア x = ビットは未知 bit 15 CPEN: LCD チャージポンプ イネーブルビット 1 = チャージポンプを有効にする ( 最大 LCD バイアス電圧は 3.6 V) 0 = チャージポンプを無効にする ( 最大 LCD バイアス電圧は AVDD) bit 14-6 未実装 :「0」として読み出し bit 5-3 BIAS<2:0>: レギュレータ電圧出力制御ビット 111 = 3.60 V ピーク (LCDBIAS0 のオフセットは 0 V) 110 = 3.47 V ピーク (LCDBIAS0 のオフセットは 0.13 V) 101 = 3.34 V ピーク (LCDBIAS0 のオフセットは 0.26 V) 100 = 3.21 V ピーク (LCDBIAS0 のオフセットは 0.39 V) 011 = 3.08 V ピーク (LCDBIAS0 のオフセットは 0.52 V) 010 = 2.95 V ピーク (LCDBIAS0 のオフセットは 0.65 V) 001 = 2.82 V ピーク (LCDBIAS0 のオフセットは 0.78 V) 000 = 2.69 V ピーク (LCDBIAS0 のオフセットは 0.91 V) bit 2 MODE13: 1/3 LCD バイアス イネーブルビット 1 = レギュレータ出力で 1/3 LCD バイアスモードをサポートする 0 = レギュレータ出力でスタティック LCD バイアスモードをサポートする bit 1-0 CKSEL<1:0>: レギュレータ クロック源選択ビット 11 = 31 kHz LPRC 10 = 8 MHz FRC 01 = SOSC 00 = LCD レギュレータを無効にする

(16)

52.5.3.1 M0: レギュレータ ( 昇圧あり )

M0 動作では、LCD チャージポンプ機能が有効になります。これにより、レギュレータは LCD に向けてLCDBIAS3 で最大 +3.6 V の電圧を生成できます。

M0 は、VLCAP1 と VLCAP2 間に接続されたフライバック コンデンサと、LCDBIAS0 ~ LCDBIAS3 に接続されたフィルタ コンデンサを使って必要な電圧まで昇圧します ( 図 52-6 参照 )。出力電 圧(VBIAS) は、LCDBIAS3 と LCDBIAS0 間の電位差です。この電位差は、BIAS<2:0> ビットで VSSに対するLCDBIAS0 のオフセット電圧を調整する事によって設定します。フライバック コ ンデンサ(CFLY) は、大きな LCD 負荷に対する電荷貯蔵エレメントとして機能します。M0 モー ドは、LCD がマイクロコントローラの VDDよりも高い電圧を要求する場合に使えます。また、 M0 モードでは、ソフトウェアで BIAS ビットの値を変更してバイアス電圧を調整する事で、 ディスプレイのコントラストを調整できます。 M0 はスタティックおよび 1/3 バイアスタイプをサポートします。1/3 バイアス向けの電圧レベ ルの生成は自動的に処理されますが、ソフトウェアによる設定が必要です。 M0 を有効にするには、有効なレギュレータ クロック源を選択 (CKSEL<1:0> を「00」以外に 設定) し、CPEN ビットをセットする必要があります。スタティック バイアスタイプが必要な 場合、MODE13 ビットをクリアする必要があります。 52.5.3.2 M1: レギュレータ ( 昇圧なし ) M1 の動作は、LCD チャージポンプを使わない点を除けば M0 と同様です。M1 では、LCDBIAS3 に直接供給される電圧レベル以下のVBIASを生成できます。M1 は、VDDがLCD で適正コント ラストを維持するのに必要な電圧レベルよりも低下しないと予測されるアプリケーション向け に使えます。外付け部品の接続方法は、LCDBIAS3 を直接 VDDに接続する点を除けば、M0 と 同じです( 図 52-6 参照 )。 M1 でも、BIAS<2:0> ビットを使って VBIASを変更する事で、ソフトウェアによるコントラス ト調整が可能です。M0 と同様に、これらのビットを変更すると VSSに対するLCDBIAS0 のオ フセットが変化します。M1 の場合、これは LCDBIAS3 と LCDBIAS0 間の電位差に影響しま す。従って、VDDが変化するとVBIASも変化します。これに対し、M0 では VBIASのレベルは 変化しません。 M0 と同様に、M1 もスタティックと 1/3 バイアスタイプをサポートします。1/3 バイアス向け の電圧レベルの生成は自動的に処理されますが、ソフトウェアによる設定が必要です。M1 を 有効にするには、有効なレギュレータ クロック源を選択 (CKSEL<1:0> を「00」以外の値に設 定) し、CPEN ビットをクリアする必要があります。1/3 バイアスタイプが必要な場合、MODE13 ビットをセットする必要があります。 Note: M0 または M1 モードで動作中にデバイスをスリープに移行させる場合、スリープ 電流を最小限に抑えるにはバイアス コンデンサを完全に充電する必要があります。

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液晶ディスプレイ

(LC

D

)

52

図 52-6: M0 および M1 コンフィグレーション向けの LCD レギュレータの接続 LCDBIAS3 LCDBIAS2 LCDBIAS1 LCDBIAS0 AVDD VDD VLCAP1 VLCAP2 CFLY C0 C1 C2 C3 C0 C1 C2 VDD VDD

Mode 0 (VBIAS up to 3.6V) Mode 1 (VBIAS VDD)

CFLY Note 1: 図中の値は設計上の目安に過ぎません。実際のLCD の仕様に基づいて、アプリケーションに最適な値を選定す る必要があります。 0.47F(1) 0.47F(1) 0.47F(1) 0.47F(1) 0.47F(1) 0.47F(1) 0.47F(1) 0.47F(1) 0.47F(1) PIC24FJXXXGA3XX

(18)

52.5.3.3 M2: 外付け抵抗ラダー ( ソフトウェア コントラスト ) M2 でも LCD レギュレータを使いますが、チャージポンプは無効になります。コントラストの 調整用に、レギュレータの内部参照電圧も動作します。M2 は、LCD の要求電流がレギュレー タのチャージポンプの能力を超える場合に使います。 このコンフィグレーションでは、LCDBIAS0 ~ LCDBIAS3 に接続した外付け抵抗分圧器 ( 上端 をVDDに接続) を使って LCD バイアス電圧レベルを生成します ( 図 52-7)。ラダーの下端の電 位は、内部でLCDBIAS0 に接続された LCD レギュレータの参照電圧によって決まります。バ イアスタイプは、抵抗ラダーの構成に基づく各LCDBIAS ピンの電圧によって決まります。M2 を使うアプリケーションでは、ほとんどの場合 1/3 または 1/2 バイアスタイプを使用します。 スタティック バイアスも使えますが、コントラストのレンジが極端に狭くなり、消費電流は他 のバイアス生成モードよりも増加します。 M1 と同様に、LCDBIAS ビットによるコントラストの制御は、デバイスに供給される VDDに よって制限されます。また、VLCAP1 と VLCAP2 間のコンデンサは不要であるため、これらのピ ンはデジタルI/O ポート (RG2、RG3) として使えます。M2 を選択するには、CKSEL<1:0> ビッ トをクリアし、CPEN ビットをセットする必要があります。 図 52-7: M2 コンフィグレーション向けの抵抗ラダーの接続 LCDBIAS3

Bias Level at Pin

Bias Type

1/2 Bias 1/3 Bias

LCDBIAS0 (Internal Low Reference Voltage) (Internal Low Reference Voltage)

LCDBIAS1 1/2 VBIAS 1/3 VBIAS

10k(1) 10k(1) 1/2 Bias 1/3 Bias LCDBIAS2 LCDBIAS1 LCDBIAS0 AVDD 10k(1) 10k(1) 10k(1) VDD PIC24FJXXXGA3XX

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液晶ディスプレイ

(LC

D

)

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52.5.3.4 M3: 外付け抵抗ラダー ( ハードウェア コントラスト ) M3 では、LCD レギュレータを完全に無効にします。M2 と同様に、LCD バイアスレベルは外 付け分圧器を使って生成し、ラダーの上端はAVDDに接続します。M2 とは異なり、M3 では内 部参照電圧を無効にし、ラダーの下端をグランド(VSS) に接続します ( 図 52-8 参照 )。コント ラストのレンジは、抵抗の値とVSS ~VDD間の電位差によって決まり、ソフトウェアによる 調整はできません。このコンフィグレーションは、LCD モジュールの要求電流がチャージポン プの能力を超えており、かつソフトウェアによるコントラスト制御が不要な場合に使えます。 バイアスタイプに応じて、抵抗を全てのピン間または一部のピン間に接続します。LCDBIAS3 とVDD間にポテンショメータを接続すると、ハードウェアでコントラストを調整できます。 M3 を選択するには、CKSEL<1:0> ビットと CPEN ビットをクリアする必要があります。 図 52-8: M3 コンフィグレーション向けの抵抗ラダーの接続 LCDBIAS3 Note 1: 図中の値は設計上の目安に過ぎません。実際のLCD の仕様に基づいて、アプリケーションに最適な値を選定 する必要があります。 2: 手動コントラスト調整用のポテンショメータは、必要な場合にのみ追加します( 省略可能 )。

Bias Level at Pin

Bias Type

Static 1/2 Bias 1/3 Bias

LCDBIAS0 AVSS AVSS AVSS LCDBIAS1 AVSS 1/2 AVDD 1/3 AVDD LCDBIAS2 AVDD 1/2 AVDD 2/3 AVDD LCDBIAS3 AVDD AVDD AVDD 10k(1) 10k(1)

Static Bias 1/2 Bias 1/3 Bias

LCDBIAS2 LCDBIAS1 LCDBIAS0 AVDD 10k(1) 10k(1) 10k(1) VDD (2) PIC24FJXXXGA3XX

(20)

52.5.4

LCD チャージポンプの設計で考慮すべき事

チャージポンプを有効にしたLCD レギュレータを使うアプリケーションを設計する場合、ディ スプレイの動的電流およびRMS ( 静的 ) 電流要件とチャージポンプの電流供給能力を常に考慮 する必要があります。動的および静的電流は式52-1 により求まります。 式 52-1: 動的電流の場合、C は LCDBIAS3 と LCDBIAS2 に接続したコンデンサの容量を表します。dV は LCD ディスプレイの電圧スイッチング中に C2 および C3 で許容される電圧降下、dT はクロック パルス発生後の過渡電流の期間です。 実用的な回路ではC = 0.047 μF、dV = 0.1 V、dT = 1 μs と想定できます。これらの値から、動 的電流は4.7 mA (1 μs 間 ) と求まります。

RMS 電流の場合、C には CFLYの値、dV には VLCAP1 と VLCAP2 間の電圧、dT にはレギュレー

タ クロック周期 (TPER) を使って計算します。CFLY値を0.047 μF、CFLYの両端電圧を1.02 V、 TPER を 30 μs と想定した場合の最大理論スタティック電流は 1.8 mA です。チャージポンプ は5 個のコンデンサを充電する必要があるため、最大電流は 360 μA になります。 現実的な条件として効率を50% と想定すると、最大電流は 180 μA となります。このように計 算した電流供給能力とLCD の要求電流を比較する必要があります。dV と dT の値はデバイス の仕様によってほぼ決まるため比較的狭い範囲に絞られますが、CFLYとLCDBIAS ピンのコン デンサは電流を増減するために比較的幅広く変更できます。これらの値の変更がアプリケー ションに及ぼす影響は、常に実際の回路で評価する必要があります。 I = C x dV dT

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液晶ディスプレイ

(LC

D

)

52

52.6

LCD マルチプレックスのタイプ

LCD ドライバ モジュールは、下記の 8 種類のマルチプレックス タイプに設定できます。 • スタティック (COM0 のみ使用 ) • 1/2 マルチプレックス (COM0 と COM1 を使用 ) • 1/3 マルチプレックス (COM0、COM1、COM2 を使用 ) • 1/4 マルチプレックス (COM0、COM1、COM2、COM3 を使用 ) • 1/5 マルチプレックス (COM0、COM1、COM2、COM3、COM4 を使用 ) • 1/6 マルチプレックス (COM0、COM1、COM2、COM3、COM4、COM5 を使用 ) • 1/7 マルチプレックス (COM0、COM1、COM2、COM3、COM4、COM5、COM6 を使用 ) • 1/8 マルチプレックス (COM0、COM1、COM2、COM3、COM4、COM5、COM6、COM7 を使用 ) COM ピンの機能は LMUX<2:0> ビット (LCDCON<2:0>) の設定によって決まります ( 詳細は表 52-4 参照 )。 デジタルI/O として機能するピンのデータの方向は、対応する TRIS ビットの状態によって決 まります。ピンがCOM ドライブとして機能する場合、対応する TRIS ビットの設定は上書き されます。 Note: パワーオン リセットが発生すると、LMUX<2:0> ビットは「000」に設定されます。 表 52-4: COM7 ~ 0 ピンの機能

LMUX<2:0> COM7 ピン COM6 ピン COM5 ピン COM4 ピン COM3 ピン COM2 ピン COM1 ピン COM0 ピン

111 COM7 COM6 COM5 COM4 COM3 COM2 COM1 COM0 110 I/O ピン COM6 COM5 COM4 COM3 COM2 COM1 COM0 101 I/O ピン I/O ピン COM5 COM4 COM3 COM2 COM1 COM0 100 I/O ピン I/O ピン I/O ピン COM4 COM3 COM2 COM1 COM0 011 I/O ピン I/O ピン I/O ピン I/O ピン COM3 COM2 COM1 COM0 010 I/O ピン I/O ピン I/O ピン I/O ピン I/O ピン COM2 COM1 COM0 001 I/O ピン I/O ピン I/O ピン I/O ピン I/O ピン I/O ピン COM1 COM0 000 I/O ピン I/O ピン I/O ピン I/O ピン I/O ピン I/O ピン I/O ピン COM0

Note: 1/4 ~スタティック マルチプレックスの場合、COM7 ~ 4 ピンを SEG ピンとして使う事もできます。こ

れらのピンは、LCDSEx レジスタ内の対応するビットが「0」に設定されている場合にのみ、I/O ピンと して使えます。

(22)

52.7

セグメントの有効化

各セグメントピンの機能は、LCDSEx レジスタを使って選択します。このレジスタでは、各ピ ンをLCD セグメント ドライバまたはデジタル専用ピンのどちらかに設定できます。ピンをセ グメントピンとして設定するには、LCDSEx レジスタ内の対応するビットを「1」にセットす る必要があります。 デジタルI/O として機能するピンのデータの方向は、対応する TRIS ビットの状態によって決 まります。LCDSEx レジスタ内でセットされたビットは、対応する TRIS レジスタ内のビット 設定を上書きします。

52.8

画素の制御

LCDDATAx レジスタ内の各ビットは、各画素の状態を定義します。各ビットは固有の 1 つの画 素の状態を定義します。LCDDATAx レジスタ内の各ビットと各コモンおよびセグメント信号の 対応については表52-2 を参照してください。 ディスプレイで未使用のLCD 画素のアドレスは、汎用 RAM として使えます。

52.9

LCD フレーム周波数

COM および SEG 出力が変化するレートを LCD フレーム周波数と呼びます。

52.10

LCD 波形の生成

LCD 波形の生成は、暗い画素に印加する正味 AC 電圧を最大化し、明るい画素に印加する正味 AC 電圧を最小化する事を基本とします。各画素に印加される正味 DC 電圧はゼロである事が 必要です。 COM 信号は各コモンのタイムスライスを表し、SEG 信号は画素データを表します。 画素信号(COM-SEG) は DC 成分を含まず、RMS 値は高 / 低 2 つのレベルのどちらかになりま す。RMS 値が高いと画素は暗くなり、低いと画素は明るくなります。 コモンの数が増加するにつれて、2 つの RMS 値の差は小さくなります。この差によって、ディ スプレイの最大コントラストが決まります。 Note: パワーオン リセットが発生すると、これらのピンはデジタル I/O として設定され ます。 表 52-5: フレーム周波数の計算式 マルチプレックス フレーム周波数の計算式 スタティック(000) クロック源周波数/(4 x 1 x (LP<3:0> + 1)) 1/2 (001) クロック源周波数/(2 x 2 x (LP<3:0> + 1)) 1/3 (010) クロック源周波数/(1 x 3 x (LP<3:0> + 1)) 1/4 (011) クロック源周波数/(1 x 4 x (LP<3:0> + 1)) 1/5 (100) クロック源周波数/(1 x 5 x (LP<3:0> + 1)) 1/6 (101) クロック源周波数/(1 x 6 x (LP<3:0> + 1)) 1/7 (110) クロック源周波数/(1 x 7 x (LP<3:0> + 1)) 1/8 (111) クロック源周波数/(1 x 8 x (LP<3:0> + 1)) Note: クロック源にはFRC/8192、SOSC/32、LPRC/32 のいずれかを選択できます。

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液晶ディスプレイ

(LC

D

)

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図 52-9: スタティック駆動におけるタイプ A/ タイプ B 波形 V1 V0 COM0 SEG0 COM0-SEG0 COM0-SEG1 SEG1 V1 V0 V1 V0 V0 V1 -V1 V0 1 Frame COM0 SEG 0 SEG 1 SEG 2 SEG 3 SEG 4 SEG 5 SEG 6 SEG 7

(24)

図 52-10: 1/2 マルチプレックス、1/2 バイアス駆動におけるタイプ A 波形 V2 V1 V0 V2 V1 V0 V2 V1 V0 V2 V1 V0 V2 V1 V0 -V2 -V1 V2 V1 V0 -V1 COM0 COM1 SEG0 SEG1 COM0-SEG0 COM0-SEG1 COM1 COM0 SE G0 SE G1 SE G2 SE G3

(25)

液晶ディスプレイ

(LC

D

)

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図 52-11: 1/2 マルチプレックス、1/2 バイアス駆動におけるタイプ B 波形 V2 V1 V0 V2 V1 V0 V2 V1 V0 V2 V1 V0 V2 V1 V0 -V2 -V1 V2 V1 V0 -V2 -V1 COM0 COM1 SEG0 SEG1 COM0-SEG0 COM0-SEG1 COM1 COM0 SEG0 SEG1 SEG2 SEG3 2 Frames

(26)

図 52-12: 1/2 マルチプレックス、1/3 バイアス駆動におけるタイプ A 波形 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 -V3 -V2 -V1 V3 V2 V1 V0 COM0 COM1 SEG0 SEG1 COM0-SEG0 COM0-SEG1 COM1 COM0 SEG0 SEG1 SEG2 SEG3

(27)

液晶ディスプレイ

(LC

D

)

52

図 52-13: 1/2 マルチプレックス、1/3 バイアス駆動におけるタイプ B 波形 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 -V3 -V2 -V1 V3 V2 V1 V0 -V3 -V2 -V1 COM0 COM1 SEG0 SEG1 COM0-SEG0 COM0-SEG1 COM1 COM0 SE G 0 SE G 1 SE G 2 SE G 3 2 Frames

(28)

図 52-14: 1/3 マルチプレックス、1/2 バイアス駆動におけるタイプ A 波形 V2 V1 V0 V2 V1 V0 V2 V1 V0 V2 V1 V0 V2 V1 V0 V2 V1 V0 -V2 -V1 V2 V1 V0 -V1 COM0 COM1 COM2 SEG0 SEG1 COM0-SEG0 COM0-SEG1 COM2 COM1 COM0 SE G0 SE G1 SE G2 SEG2

(29)

液晶ディスプレイ

(LC

D

)

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図 52-15: 1/3 マルチプレックス、1/2 バイアス駆動におけるタイプ B 波形 V2 V1 V0 V2 V1 V0 V2 V1 V0 V2 V1 V0 V2 V1 V0 V2 V1 V0 -V2 -V1 V2 V1 V0 -V2 -V1 COM0 COM1 COM2 SEG0 SEG1 COM0-SEG0 COM0-SEG1 2 Frames COM2 COM1 COM0 SE G 0 SE G 1 SE G 2

(30)

図 52-16: 1/3 マルチプレックス、1/3 バイアス駆動におけるタイプ A 波形 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 -V3 -V2 -V1 V3 V2 V1 V0 -V COM0 COM1 COM2 SEG0 SEG1 COM0-SEG0 COM0-SEG1 COM2 COM1 COM0 SE G 0 SE G 1 SE G 2 SEG2

(31)

液晶ディスプレイ

(LC

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52

図 52-17: 1/3 マルチプレックス、1/3 バイアス駆動におけるタイプ B 波形 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 -V3 -V2 -V1 V3 V2 V1 V0 -V3 -V2 -V1 COM0 COM1 COM2 SEG0 SEG1 COM0-SEG0 COM0-SEG1 2 Frames COM2 COM1 COM0 SE G 0 SE G 1 SE G 2

(32)

図 52-18: 1/4 マルチプレックス、1/3 バイアス駆動におけるタイプ A 波形 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 -V3 -V2 -V1 V3 V2 V1 V0 -V3 -V2 -V1 COM0 COM1 COM2 COM3 SEG0 SEG1 COM0-SEG0 COM0-SEG1 COM3 COM2 COM1 COM0 1 Frame SEG 0 SEG 1

(33)

液晶ディスプレイ

(LC

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図 52-19: 1/4 マルチプレックス、1/3 バイアス駆動におけるタイプ B 波形 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 -V3 -V2 -V1 V3 V2 V1 V0 -V3 -V2 -V1 COM0 COM1 COM2 COM3 SEG0 SEG1 COM0-SEG0 COM0-SEG1 COM3 COM2 COM1 COM0 2 Frames SEG 0 SEG 1

(34)

図 52-20: 1/8 マルチプレックス、1/3 バイアス駆動におけるタイプ A 波形 COM4 COM3 COM2 COM1 SEG 0 COM5 COM7 COM6 COM0 COM0 COM1 COM2 COM7 SEG0 COM0-SEG0 COM1-SEG0 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 -V3 -V2 -V1 V3 V2 V1 V0 -V3 -V2 -V1 V3 V2 V1 V0

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液晶ディスプレイ

(LC

D

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52

図 52-21: 1/8 マルチプレックス、1/3 バイアス駆動におけるタイプ B 波形 COM4 COM3 COM2 COM1 SEG 0 COM5 COM7 COM6 COM0 V3 V2 COM0 V1 V0 V3 V2 V1 COM1 V0 V3 V2 V1 COM2 V0 V3 V2 V1 COM7 V0 V3 V2 SEG0 V1 V0 V3 V2 V1 V0 COM0 - SEG0 -V1 -V2 -V3 V3 V2 V1 V0 COM1 - SEG0 -V1 -V2 -V3

(36)

52.11

LCD 割り込み

LCD のタイミング生成は、LCD フレームのタイミングを定義する割り込みを提供します。この 割り込みを使って新しいフレームの開始タイミングに画素データの書き込みを同期させる事 で、表示を歯切れ良く変化させる事ができます。 この割り込みを使って、LCD を外部イベントに同期させる事もできます。例えば、外部のセグ メント ドライバへのインターフェイスを LCD フレームに同期させてセグメントデータを更新 できます。 新しいフレームは COM0 コモン信号の前縁エッジで始まります。割り込みフラグは、LCD コ ントローラが1 フレームに必要な全ての画素データへのアクセスを完了すると即座にセットさ れます。これは、次のフレーム境界から一定時間(TFINT) 先行して発生します ( 図 52-22 参照 )。 LCD コントローラは、 割り込み発生から TFWR後に、次のフレームのデータへのアクセスを開 始します。新しいデータは、TFWR以内に書き込む必要があります。これを過ぎると、LCD コ ントローラは次のフレームのデータへのアクセスを開始します。 LCD ドライバが B タイプ波形を使って動作し、かつ LMUX<2:0> ビットが「000」ではない場 合、以下に配慮する必要があります。 画素のDC 電圧は 2 フレームで 0 V となるため、画素データはフレームとフレームの間で続け て変化してはなりません。そのような画素データの変更を許容した場合、奇数番目と偶数番目 のフレームで生成される波形が互いに逆相になるとは限らず、DC 成分がパネルに印加されて しまう可能性があります。このため、タイプB 波形を使う場合、LCD 画素の更新がフレーム割 り込み後のサブフレーム内で発生するよう同期させる必要があります。 タイプB 波形で書き込みを正しくシーケンシングするには、完全な相インターバルでのみ割り 込みが発生する必要があります。書き込みが無効にされている時にユーザが書き込みを試みる と、WERR ビット (LCDCON<5>) がセットされます。 Note: タイプA 波形を選択した場合、およびマルチプレックスなし ( スタティック ) で タイプB 波形を選択した場合、割り込みは生成されません。

(37)

液晶ディスプレイ

(LC

D

)

52

図 52-22: 1/4 デューティサイクル駆動における波形と割り込みタイミングの例 Frame Boundary Frame Boundary LCD Interrupt Occurs Controller Accesses Next Frame Data

TFINT TFWR TFWR= TFRAME/2 * (LMUX<2:0> + 1) + TCY/2 TFINT = (TFWR/2 – (2 TCY + 40 ns)) 最小値 = 1.5(TFRAME/4) – (2 TCY + 40 ns) (TFWR/2 – (1 TCY + 40 ns)) 最大値 = 1.5(TFRAME/4) – (1 TCY + 40 ns) Frame Boundary V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 COM0 COM1 COM2 COM3 2 Frames

(38)

52.12

LCD モジュールの設定

LCD モジュールの設定手順は以下の通りです。 1. LP<3:0> ビット (LCDPS<3:0>) で、フレームクロック プリスケーラを選択する 2. LCDSEx レジスタで、セグメント ドライバとして機能するピンを適切に設定する 3. バイアス用に内部参照抵抗を使う場合、内部参照ラダーを有効にし、下記を行う • LRLAT<2:0> ビット (LCDREF<2:0>) で、モード A とモード B の期間を定義する • LRLAP<1:0> ビット (LCDREF<7:6>) と LRLBP<1:0> ビット (LCDREF<5:4>) で、そ

れぞれモードA およびモード B のラダー ( 低、中、高 ) を定義する

• 各 VLCDxPE ビットを設定し、LCDIRE ビット (LCDREF<15>) をセットする 4. LCDCON レジスタで、下記の LCD モジュール機能を設定する • LMUX<2:0> ビットで、マルチプレックスおよびバイアスモードを設定する • CS<1:0> ビットで、クロック源を選択する • SLPEN ビットで、スリープ中のモジュールの動作を設定する 5. 画素データレジスタ (LCDDATA0 ~ LCDDATA31) に初期値を書き込む 6. LCD 割り込みフラグ LCDIF をクリアし、必要に応じて LCDIE ビットをセットして割り込 みを有効にする 7. LCDEN ビット (LCDCON<15>) をセットして LCD モジュールを有効にする

(39)

液晶ディスプレイ

(LC

D

)

52

52.13

スリープ中の動作

LCD モジュールはスリープ中に動作できます。モジュールがスリープ中に動作するかどうかは SLPEN ビット (LCDCON<6>) によって決まります。SLPEN ビットをセットすると、LCD モ ジュールはスリープ中に動作を停止します。SLPEN ビットをクリアすると、LCD モジュール はスリープ中も動作を継続します。 SLPEN = 1 の場合に SLEEP 命令を実行すると、LCD モジュールは全ての機能を停止し、非常 に低消費電流のモードに移行します。モジュールは即座に動作を停止し、セグメントラインと コモンラインを最小LCD 電圧で駆動します。図 52-23 にこの動作を示します。 このモードでは、LCD モジュール自体の消費電流は減少しませんが、コアと他の周辺機能が シャットダウンするため、デバイス全体の消費電流は減少します。 DC 成分がパネルに印加される事を防ぐため、SLEEP 命令は LCD フレーム境界の直後に実行す る必要があります。フレーム境界はLCD 割り込みを使って検出できます。遅延の計算方法につ いては 52.11「LCD 割り込み」を参照してください。

SLPEN = 0 の場合に SLEEP 命令を実行した場合、モジュールは LCDDATA レジスタ内の現在 の内容を表示し続けます。LCD データを変更する事はできません。

図 52-23: SLPEN = 1 または CS<1:0> = 00 の場合のスリープの開始 / 終了

SLEEP Instruction Execution Wake-up

2 Frames V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 V3 V2 V1 V0 COM0 COM1 COM2 SEG0

(40)

ファミリ

リファレンス

マニュアル

52-40 © 2013 Microchip T 表 52-6: LCD ドライバ モジュール関連の特殊機能レジスタ

レジスタ名 Bit 15 Bit 14 Bit 13 Bit 12 Bit 11 Bit 10 Bit 9 Bit 8 Bit 7 Bit 6 Bit 5 Bit 4 Bit 3 Bit 2 Bit 1 Bit 0

LCDCON LCDEN — LCDSIDL — — — — — — SLPEN WERR CS1 CS0 LMUX2 LMUX1 LMUX0

LCDPS — — — — — — — — WFT BIASMD LCDA WA LP3 LP2 LP1 LP0

LCDREF LCDIRE — LCDCST2 LCDCST1 LCDCST0 VLCD3PE VLCD2PE VLCD1PE LRLAP1 LRLAP0 LRLBP1 LRLBP0 — LRLAT2 LRLAT1 LRLAT0

LCDREG CPEN — — — — — — — — — BIAS2 BIAS1 BIAS0 MODE13 CKSEL1 CKSEL0

LCDSEx LCD セグメントピン イネーブル レジスタ

LCDDATAx LCD データレジスタ

IFS6 — — — — — — — — — — — LCDIF — — — —

IEC6 — — — — — — — — — — — LCDIE — — — —

IPC25 — — — — — — — — — — — — — LCDIP2 LCDIP1 LCDIP0

(41)

液晶ディスプレイ

(LC

D

)

52

52.15

改訂履歴

リビジョン A (2010 年 12 月 )

本書の初版

(42)
(43)

本書に記載されているデバイス アプリケーション等に関する 情報は、ユーザの便宜のためにのみ提供されているものであ り、更新によって無効とされる事があります。お客様のアプ リケーションが仕様を満たす事を保証する責任は、お客様に あります。Microchip 社は、明示的、暗黙的、書面、口頭、法 定のいずれであるかを問わず、本書に記載されている情報に 関して、状態、品質、性能、商品性、特定目的への適合性を は じ め と す る、い か な る 類 の 表 明 も 保 証 も 行 い ま せ ん。 Microchip 社は、本書の情報およびその使用に起因する一切の 責任を否認します。Microchip 社の明示的な書面による承認な しに、生命維持装置あるいは生命安全用途に Microchip 社の製 品を使用する事は全て購入者のリスクとし、また購入者はこ れによって発生したあらゆる損害、クレーム、訴訟、費用に 関して、Microchip 社は擁護され、免責され、損害をうけない 事に同意するものとします。暗黙的あるいは明示的を問わず、 Microchip社が知的財産権を保有しているライセンスは一切譲 渡されません。 商標

Microchip 社の名称と Microchip ロゴ、dsPIC、FlashFlex、 KEELOQ、KEELOQロゴ、MPLAB、PIC、PICmicro、PICSTART、

PIC32ロゴ、rfPIC、SST、SST ロゴ、SuperFlash、UNI/O は、 米 国お よ びそ の 他の 国 にお け る Microchip Technology Incorporated の登録商標です。

FilterLab、Hampshire、HI-TECH C、Linear Active Thermistor、 MTP、SEEVAL、Embedded Control Solutions Company は、 米国における Microchip Technology Incorporated の登録商標 です。

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GestICとULPPは、その他の国におけるMicrochip Technology Germany II GmbH & Co. & KG (Microchip Technology Incorporated の子会社 ) の登録商標です。

その他、本書に記載されている商標は各社に帰属します。 ©2013, Microchip Technology Incorporated, Printed in the U.S.A., All Rights Reserved.

ISBN: 978-1-62077-109-9 • Microchip 社では、通常の条件ならびに仕様に従って使用した場合、Microchip 社製品のセキュリティ レベルは、現在市場に流 通している同種製品の中でも最も高度であると考えています。 • しかし、コード保護機能を解除するための不正かつ違法な方法が存在する事もまた事実です。弊社の理解ではこうした手法は、 Microchip 社データシートにある動作仕様書以外の方法で Microchip 社製品を使用する事になります。このような行為は知的所 有権の侵害に該当する可能性が非常に高いと言えます。 • Microchip 社は、コードの保全性に懸念を抱くお客様と連携し、対応策に取り組んでいきます。 • Microchip 社を含む全ての半導体メーカーで、自社のコードのセキュリティを完全に保証できる企業はありません。コード保護 機能とは、Microchip 社が製品を「解読不能」として保証するものではありません。 コード保護機能は常に進歩しています。Microchip 社では、常に製品のコード保護機能の改善に取り組んでいます。Microchip 社 のコード保護機能の侵害は、デジタル ミレニアム著作権法に違反します。そのような行為によってソフトウェアまたはその他の著

Microchip 社では、Chandler および Tempe ( アリゾナ州 )、Gresham ( オレゴン州 ) の本部、設計部およびウェハー製造工場そしてカリフォ ルニア州とインドのデザインセンターが ISO/TS-16949:2009 認証を 取得しています。Microchip 社の品質システム プロセスおよび手順は、 PIC® MCU および dsPIC® DSC、KEELOQ® コード ホッピング デバイ ス、シリアル EEPROM、マイクロペリフェラル、不揮発性メモリ、ア

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北米 本社 2355 West Chandler Blvd. Chandler, AZ 85224-6199 Tel:480-792-7200 Fax:480-792-7277 技術サポート : http://www.microchip.com/ support URL: www.microchip.com アトランタ Duluth, GA Tel:678-957-9614 Fax:678-957-1455 ボストン Westborough, MA Tel:774-760-0087 Fax:774-760-0088 シカゴ Itasca, IL Tel:630-285-0071 Fax:630-285-0075 クリーブランド Independence, OH Tel:216-447-0464 Fax:216-447-0643 ダラス Addison, TX Tel:972-818-7423 Fax:972-818-2924 デトロイト Farmington Hills, MI Tel:248-538-2250 Fax:248-538-2260 インディアナポリス Noblesville, IN Tel:317-773-8323 Fax:317-773-5453 ロサンゼルス Mission Viejo, CA Tel:949-462-9523 Fax:949-462-9608 アジア / 太平洋 アジア太平洋支社 Suites 3707-14, 37th Floor Tower 6, The Gateway Harbour City, Kowloon Hong Kong Tel:852-2401-1200 Fax:852-2401-3431 オーストラリア - シドニー Tel:61-2-9868-6733 Fax:61-2-9868-6755 中国 - 北京 Tel:86-10-8569-7000 Fax:86-10-8528-2104 中国 - 成都 Tel:86-28-8665-5511 Fax:86-28-8665-7889 中国 - 重慶 Tel:86-23-8980-9588 Fax:86-23-8980-9500 中国 - 杭州 Tel:86-571-2819-3187 Fax:86-571-2819-3189 中国 - 香港 SAR Tel:852-2943-5100 Fax:852-2401-3431 中国 - 南京 Tel:86-25-8473-2460 Fax:86-25-8473-2470 中国 - 青島 Tel:86-532-8502-7355 Fax:86-532-8502-7205 中国 - 上海 Tel:86-21-5407-5533 Fax:86-21-5407-5066 中国 - 瀋陽 Tel:86-24-2334-2829 Fax:86-24-2334-2393 中国 - 深圳 Tel:86-755-8864-2200 Fax:86-755-8203-1760 中国 - 武漢 Tel:86-27-5980-5300 アジア / 太平洋 インド - バンガロール Tel:91-80-3090-4444 Fax:91-80-3090-4123 インド - ニューデリー Tel:91-11-4160-8631 Fax:91-11-4160-8632 インド - プネ Tel:91-20-3019-1500 日本 - 大阪 Tel:81-6-6152-7160 Fax:81-6-6152-9310 日本 - 東京 Tel:81-3-6880- 3770 Fax:81-3-6880-3771 韓国 - 大邱 Tel:82-53-744-4301 Fax:82-53-744-4302 韓国 - ソウル Tel:82-2-554-7200 Fax:82-2-558-5932 または 82-2-558-5934 マレーシア - クアラルンプール Tel:60-3-6201-9857 Fax:60-3-6201-9859 マレーシア - ペナン Tel:60-4-227-8870 Fax:60-4-227-4068 フィリピン - マニラ Tel:63-2-634-9065 Fax:63-2-634-9069 シンガポール Tel:65-6334-8870 Fax:65-6334-8850 台湾 - 新竹 Tel:886-3-5778-366 Fax:886-3-5770-955 台湾 - 高雄 Tel:886-7-213-7828 Fax:886-7-330-9305 台湾 - 台北 Tel:886-2-2508-8600 ヨーロッパ オーストリア - ヴェルス Tel:43-7242-2244-39 Fax:43-7242-2244-393 デンマーク - コペンハーゲン Tel:45-4450-2828 Fax:45-4485-2829 フランス - パリ Tel:33-1-69-53-63-20 Fax:33-1-69-30-90-79 ドイツ - ミュンヘン Tel:49-89-627-144-0 Fax:49-89-627-144-44 イタリア - ミラノ Tel:39-0331-742611 Fax:39-0331-466781 オランダ - ドリューネン Tel:31-416-690399 Fax:31-416-690340 スペイン - マドリッド Tel:34-91-708-08-90 Fax:34-91-708-08-91 イギリス - ウォーキンガム Tel:44-118-921-5869 Fax:44-118-921-5820

表 52-1: LCDSE レジスタに対するセグメントの割り当て
図 52-3: LCD バイアス生成用内部抵抗ラダーの接続図 電力モードには「モード A」と「モード B」があります。モード A は LRLAP&lt;1:0&gt; ビットで設 定し、モード B は LRLBP&lt;1:0&gt; ビットで設定します。LRLAP&lt;1:0&gt; ビットと LRLBP&lt;1:0&gt; ビッ トでは、それぞれモード A とモード B に使用する抵抗ラダーを選択します。 各ラダーは、マッチング用コントラスト制御ラダーを備え、参照ラダーの公称抵抗値に調整さ れていま
図 52-10:   1/2 マルチプレックス、1/2 バイアス駆動におけるタイプ A 波形 V 2 V 1 V 0 V 2 V 1 V 0 V 2 V 1 V 0 V 2 V 1 V 0 V 2 V 1 V 0 -V 2-V1 V 2 V 1 V 0 -V 1COM0COM1SEG0SEG1COM0-SEG0COM0-SEG1COM1COM0SEG0SEG1SEG2SEG3
図 52-12:  1/2 マルチプレックス、1/3 バイアス駆動におけるタイプ A 波形 V 3 V 2 V 1 V 0 V 3 V 2 V 1 V 0 V 3 V 2 V 1 V 0 V 3 V 2 V 1 V 0 V 3 V 2 V 1 V 0 -V 3-V2-V1 V 3 V 2 V 1 V 0COM0COM1SEG0SEG1COM0-SEG0 COM0-SEG1COM1COM0SEG0SEG1SEG2SEG3
+6

参照

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