• 検索結果がありません。

1 (2005) (2004) (2005) (2006) 1: (2007) 2 2 2: Auerbach, Gokhale and Kotlikoff(1991) Gokhale (2005)

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "1 (2005) (2004) (2005) (2006) 1: (2007) 2 2 2: Auerbach, Gokhale and Kotlikoff(1991) Gokhale (2005)"

Copied!
14
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

公的年金制度と国の財政負担

−世代会計による一般会計を含めた計量分析−

横山 寛和

概 要 本稿は,国の一般会計が国庫負担による財政負担に耐えられるかどうかの観点か らわが国の公的年金制度の持続可能性を検証するものである。 本稿の特徴は 3 点ある。第 1 に,世代会計の手法を利用して国の一般会計をモデ ル化している。第 2 に,年金財政の将来推計を,横山 (2007) で開発したわが国の年 金財政の将来推計モデルによって行っている。第 3 に,国の決算書を利用して,国の 一般会計の歳出の便益および歳入を世代間に帰着させている。 本稿の分析結果は 3 点にまとめられる。第 1 に,国の一般会計の持続可能性を検 証しないまま公的年金制度は持続可能である主張することはできない。第 2 に,歳出 削減のみで国の一般会計を持続可能にすることは困難であり、長期的には租税負担率 の引き上げが必要である。第 3 に,国庫負担を活用すれば,年金制度と国の一般会計 の持続可能性を同時に高めることは不可能ではない。 本稿の分析結果から、2 点の政策的含意が得られる。第 1 に,国庫負担が持つ機能 を考慮し,保険料と税の役割分担を見直すような制度改革が必要となる。第 2 に,保 険料を含めた,租税公課体系全体を見据えた税制改革が求められる。 横山 寛和 JEL:H55 キーワード:公的年金,国庫負担,一般会計,持続可能性,世代会計 Key words:public pension,social security,subsidy,general accounts,

     sustainability,generational accounts

1

年金制度の持続可能性と国庫負担率の引き上げ

本稿は,わが国の年金制度において基礎年金拠出金国庫負担金(単に国庫負担と呼ばれ ることが多い)に着目し,国庫負担が国の一般会計に対してもたらす歳出圧力の大きさを 計測することで,国の一般会計が国庫負担による財政負担に耐えられるかどうかの観点か らわが国の公的年金制度の持続可能性を検証するものである。 厚生労働省は2004年の年金制度改革で,2000年改革で法律上明記した規定に従って, 国庫負担率を2009年までに3分の1から2分の1に引き上げることを決定した。この改 本稿は日本財政学会第65回大会(於:京都大学)における報告論文を加筆,修正したものである。討論 者の高橋洋一教授(東洋大学)より貴重なコメントを頂戴した。記して感謝の意を表したい。なお,本稿に おける誤りは,すべて筆者の責任に帰する。 関西学院大学大学院経済学研究科大学院研究員ecms1019@kwansei.ac.jp

(2)

正は,基礎年金給付の財源をより広く集めることによって,制度の頑健性を高めようとす るものである1 。 しかし,国庫負担率の引き上げには批判的な意見もある。川瀬・北浦・木村・前川(2005) および高橋(2004)は,国庫負担率の引き上げは単に政府内移転を増加させたに過ぎず,本 質的に年金制度の持続可能性を高めたことにはならないと指摘している。 図1は1995∼2005年度の国庫負担額の大きさと,国の一般会計の歳出に占める国庫負 担の割合の推移を示したものである。図1から,国庫負担が国の一般会計にとって大きな 歳出圧力のひとつとなっていることを読み取ることができる。巨額の累積赤字を抱え,社 会保障関係費の自然増の抑制を図っているわが国の財政にとって,国庫負担の増大に耐え ることは容易ではなく,国の一般会計が持続可能かどうかを検証しないまま年金制度は持 続可能であると主張することは早急であろう。 わが国の年金制度の持続可能性を検証した研究は多数存在するが,国の一般会計の財政 負担を明示的に考慮しているものは川瀬・北浦・木村・前川(2005),川瀬・木村(2006)の みであり,いずれもライフサイクルモデルによる分析を行っている。これらの研究に対し て,本稿は世代会計の手法を利用して国の一般会計をモデル化する。この手法の利点は, 国の一般会計の歳出および歳入構造をより明示的に扱うことができる点である。 図1: 国の一般会計の財政負担 本稿の構成は以下の通りである。第2節では本稿の分析手法を述べる。第3節では推計 結果を提示し,4節ではシミュレーション分析を行う。第5節では本稿の結論をまとめる。

2

年金財政と国の一般会計の将来推計の方法

2.1

年金財政のシミュレーションモデル

年金財政の将来推計は,横山(2007)で開発したわが国の年金財政の将来推計モデルに よって行う。推計モデルの全体像は図2に示した2。 図 2: 年金推計モデルの概要

2.2

国の財政収支予測

2.2.1 歳出と歳入の世代間帰着の方法 世代会計は 受益と負担の世代間格差, 潜在的な政府債務の大きさおよび 将来世代 の追加負担に着目するものであり,本稿は特に に注目している。世代会計を利用した財

政分析は数多く存在する。海外では,Auerbach, Gokhale and Kotlikoff(1991),Gokhale

1

2004年改革に対して,その改革を評価する研究が多数発表され,多くの研究は2004年改革に一定の評価 を与えている。具体的には,川瀬・北浦・木村・前川(2005),川瀬・木村(2006),鈴木・小口・小塩(2005), 高橋(2004),深尾・蓮見・中田(2007),横山(2007)などが挙げられる。

(3)

and Smetters(2003)などがある。わが国では,麻生・吉田(1996),Takayama, Kitamura and Yoshida(1999),吉田(2005)などがある。 わが国では,世代会計による財政分析は,基本的にSNA体系に基づくモデルを利用し てきた。SNAでは,政府は中央政府,地方政府および社会保障基金から構成されている。 わが国の中央政府の歳出の大半は政府内移転で占められており,年金給付の国庫負担もこ の中に含まれる。 そこで問題になるのは,SNAからは政府内移転の内訳が十分詳細なレベルでは得られ ないことである。政府内移転の内訳が得られなければ,国の一般会計の歳出を世代間に帰 着させることは困難である。この問題に対応するため,本稿はSNAの代わりに国の決算 書を利用して,国の一般会計の歳出の便益および歳入を世代間に帰着させる3。 国の一般会計の歳出と歳入は平成18年度決算を利用し,それらを吉田(2005)の手法を 基に処理する。前述の通り,吉田(2005)はSNAに基づいているが,その手法を決算に応 用することが可能である。世代間帰着の方法の概略は表1に示した4。 表1: 国の一般会計の受益と負担の世代間帰着の方法の概略 2.2.2 世代会計における財政の持続可能性の定義 世代会計では,政府が持続可能かどうかを将来の歳出に対して十分な歳入が得られるか どうかによって判断する。具体的には,次の(1)式によって表すことができる。 tk=t−D Nt, k + ∞ ∑ k=t+1 Nt, k≥ s=t Gs− Wtg (1) ここで,Nt,kk年生まれの世代の生涯の純負担の割引現在価値,D:寿命,Gs:政府消 費の割引現在価値,Wtgt年時点の政府の純資産である。左辺第一項は既存の世代の総負 担の現在価値の合計、左辺第二項は将来世代の総負担の現在価値の合計である。 Nt,kは各世代の一人あたり税負担に各世代の総人口を乗じてから現在価値に換算し、世 代ごとに合算して算出する。具体的には、次の(2)式から求める。 Nt,k = k+D s=max(t,k) τs,kPs,k ( 1 1 + rs )s−(t+1) (2) ここで,Ps,ks年におけるk年生まれ世代人口,τs,ks年におけるk年生まれ世代一人あ たり租税,社会保険料等負担,rs:割引率(名目長期利子率)である。 政府の潜在的債務は将来の歳出の現在価値から歳入の現在価値を引くことで求められる。 具体的には次の(3)式から求める。 X = s=t (GEs− GRs)− Wtg (3) 3世代会計よる将来推計の方法については

Auerbach, Gokhale and Kotlikoff(1991)および吉田(2005)を 参照されたい。

(4)

ここで,X:潜在的政府債務の現在価値,GEss年の政府歳出の現在価値,GRss年の 政府歳入の現在価値である。 GEsは,現在の政策が将来にかけて変化しないと仮定して,t年のk年生まれ世代の第 i歳出項目一人あたり歳出額gt,k,iに経済成長率ρを乗じてs年のk年生まれ世代の第i歳 出項目一人あたり歳出額gs,k,iを算出し,Ps,kを乗じて算出する。具体的には次の(4)式 から求める 。 GEs = ∑ ki gs,k,iPs,k ( 1 1 + r )s−t (4) gs,k,i = (1 + ρ)s−tgt,k,i gt,k,i = GEt,k,i Pt,a

ここで,gs,k,is年の第i歳出項目の歳出額GEs,iを配分基準αi,k として世代間に配分

し、Pkで除して算出する。具体的には次の(5)式から求める。 gs,k,i = GEi αk,iPkkαk,iPk 1 Pk (5) αi,kは『全国消費実態調査』等の年齢別の所得や消費額などが用いられる 。 最後にGRsは次の(6)式から求める。 GRs=∑ kl (1 + ρ)s−tτs,a,lPs,a ( 1 1 + r )s−t (6) ここで,l:税目である。 労働所得等に対する所得税支払額などの配分は基本的に『全国消費実態調査』における 勤労世帯の集計表を利用する。しかし、労働所得への所得税支払額などは勤労世帯の集計 表の結果を利用すると全世帯のデータと比べて過大になってしまう。したがって、配分基 準として勤労世帯データを利用するときには、以下のようにデータを修正する。はじめに、 第j歳世代全体の負担額Tjを次の(7)式から算出する。 Tk= γPkτl+ (1− γ) Pk・0 (7) ここで,τk:一世帯あたりの租税負担額,γ:勤労世帯割合である。 次に、全世帯を加味した一世帯あたりの修正租税負担額τj を次の(8)式から算出する。 τj = Tk Pk (8) = γPkτk+ (1− γ) Pk・0 Pk = γPkτk Pk = γτk 年金財政および国の一般会計の将来推計は、2007∼2105年度について行った5。その結 果を,2007年度を基準とする現在価値に換算し,年金財政の年金純債務(資産)および国 の一般会計の潜在的債務(資産)を算出した。 5将来推計を2105年までとしたのはデータの制約による。

(5)

推計の前提条件は,厚生労働省年金局『厚生年金・国民年金 年金財政再計算』および 内閣府『経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006』を踏襲した。 国の一般会計が潜在的債務を持つときは,2011∼2015年度にかけて消費税を増税する ことによって潜在的債務を解消するシミュレーションを行った。

3

国庫負担率の引き上げの影響

表2は,国庫負担率の引き上げによって公的年金制度の持続可能性は大きく向上したこ とを示している。国庫負担率の引き上げ前は厚生年金,国民年金ともに巨額の年金純債務 を抱えていたが,国庫負担率の引き上げによって厚生年金の資産は131.6兆円,国民年金 の資産は37.6兆円増加し,資産の増加によって積立金運用益が増大している6。その結果, 厚生年金は年金純資産を持つまでに改善し,国民年金の年金純債務は大きく減少する結果 となった。 表2: 公的年金制度の年金純債務 一方で,図3および表3は,国の一般会計は,国庫負担率を引き上げる前からすでに負 担能力を失っていたことを示している。国の一般会計のプライマリーバランスは,国庫負 担率を引き上げなかったとしても将来にかけて赤字が続き,国庫負担率の引き上げによっ て,赤字がさらに毎年3∼4.5兆円程度増大している。 図3: 国の一般会計のプライマリーバランスと国庫負担 表3によれば,公債費を除く潜在的債務は,国庫負担率を3分の1から2分の1へ引き 上げる前からすでに極めて大きな規模に達しており,国庫負担率の引き上げによってさら に169.2兆円増大している。公債費を含む潜在的債務は,将来の公債費の増大を通じて約 525.8兆円増大している。 表3: 国の一般会計の潜在的債務 国庫負担率を2分の1へ引き上げたケースについて,2011∼2015年度にかけて消費税 を増税して公債費を含む国の一般会計の潜在的債務を解消するためには,対前年比で23 %の増収が必要になるという結果を得た。 以上の結果から,国の一般会計が国庫負担率の引き上げに耐えられるかどうかが,わが 国の公的年金制度の生命線であると結論づけられる。この結論は,川瀬・北浦・木村・前 川(2005)および高橋(2004)が,国庫負担率の引き上げは年金制度の持続可能性を本質的 に高めたとは言えないと指摘したことに通じるものといえる。 6本稿における年金純債務はopen group基準のものである。

(6)

4

シミュレーション分析

4.1

歳出削減プログラムとの比較

3節で述べたように,一般会計が国庫負担に耐えられるかどうかがわが国の公的年金制 度の生命線である一方で,国庫負担率の引き上げは,1節で述べたように,2000年改革に おいて規定したものである。 国民負担率を引き上げずに国庫負担の財源を確保するためには歳出削減が必要となる。 わが国では,現在,『経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006』(以下,『基本方針 2006』)の歳出削減のプログラムが進行中である。ここでは,このプログラムによって将 来の歳出がどれだけ変化するかを推計し,国庫負担の財政圧力に耐えるために必要な財源 の規模を検証する。 基本方針2006』における歳出削減目標は,必ずしも明記されていない部分もあるが,お おむね表4にまとめた通りである7。 表4: 『基本方針2006』における歳出削減目標 推計は,2007∼2011年度にかけて『基本方針2006』の歳出削減プログラムに沿った削 減が実行され,2012年度以降は2011年度の歳出構造が維持されると仮定して行った。 図4は,『基本方針2006』の歳出削減プログラムには相当の歳出削減効果があることを 示している。プライマリーバランスの赤字は,歳出構造を維持したケース(図2の国庫負 担率2分の1のケース)と比較して3∼9兆円程度減少している。これは,国庫負担率の 引き上げによって発生した歳出を十分に相殺できるほどの規模である。しかし,プライマ リーバランスの赤字は将来にわたって解消されることはなく,最大で9兆円弱となった。 図4: 『基本方針2006』の歳出削減効果:プライマリーバランス 表5によれば,潜在的債務は,公債費を除いたものについては486.9兆円から230.3兆 円へ約264.0兆円減少し,公債費を含めたものについては3421.3兆円から2645.3兆円へ 約776.0兆円減少している。 表5: 『基本方針2006』の歳出削減効果:潜在的債務 『基本方針2006』の目標が達成されたケースについて,2011∼2015年度にかけて消費 税を増税して公債費を含む国の一般会計の潜在的債務を解消するためには,対前年比で19 %の増収が必要になるという結果を得た。 これらの結果から,国庫負担率の引き上げによって発生した追加的負担は国の一般会計 にとって非常に重く,現在の国の一般会計の歳入構造を維持したままその負担に耐え続け ることは困難であると結論付けられる。相応の財源を確保するための対策が必要であると 言えるだろう。 7『基本方針 2006』では,歳出削減プログラム終了時点でプライマリーバランスの赤字が2∼3兆円程度 になり,その後に歳出と歳入の一体的な見直しを行うとしている。このことは,増税を含めた手段を講じる ことを意味していると考えられる。

(7)

4.2

国庫負担の資金調達シミュレーション

4.2.1 国庫負担の役割 1節で述べたように,国庫負担の目的は,基礎年金の給付財源を広く集めることによっ て基礎年金制度の頑健性を高めることである。 年金給付の財源を広く集めることにより,2つの効果が得られる。第1に,保険料の逆 進性を緩和することができる。わが国の年金制度は社会保険であり,給付を受けるために は保険料を負担しなければならない。しかし,現行のわが国の年金保険料は逆進的であり, 財源を全て保険料と積立金運用益に求めることは困難である8。国庫負担は,保険料をあ る程度低い水準に抑えることを可能にしている。 第2に,受益と負担の世代間格差を緩和することができる。わが国では,少子高齢化が さらに進むことが予想されている。わが国の公的年金制度は実質的に賦課方式で運営され ているため,財源を保険料のみに頼れば現役世代の負担が増大し,世代間格差が大きくな ることが予想される。国庫負担は,特に負担能力の大きい高齢者からも財源を調達できる ことを通じて,世代間格差の拡大を緩和することができる。 予算総則によれば,消費税の多くは国庫負担の財源として利用されている。それは,受 益と負担の世代間格差を緩和する性格が強いことを意味している。 4.2.2 シミュレーションの方法 以上のことを念頭に置いて,『基本方針2006』の歳出削減プログラム終了後の対策とし て,初期時点の国民負担率を上昇させないことを条件として,2011年以降に国庫負担率を 引き上げ,国庫負担の増大分を消費税増税によって調達し,消費税の増税分の保険料を引 き下げるシミュレーションを行った。 具体的には,2011年度の基礎年金給付額から国庫負担率を引き上げた時に必要となる 財源の大きさを推計する。それらを基礎年金拠出金算定対象者数に応じて各年金制度に配 分する。割り振られた国庫負担の増額分を,厚生年金については,2011年度の標準報酬 額の合計で除算したものを2012年度以降の保険料率から差し引く。国民年金については, 2011年度の総保険料収入で除算したものに2011年度の保険料単価に乗じたものを,2012 年度以降の保険料単価から差し引く。 シミュレーションは,国庫負担率を2分の1から3分の2に引き上げたケースと4分の 3に引き上げたケースについて行った。 4.2.3 シミュレーションの結果 表6は,国庫負担率を引き上げ,その分保険料を引き下げたとき,国庫負担率を引き上 げるにつれて厚生年金の持続可能性が低下し,反対に,国民年金の持続可能性は,国庫負 担率を引き上げるにつれて向上していることを示している。 8 国民年金の保険料は負担能力に関わらず定額である。申請することで一部免除が受けられるものの,免除 を受けたときは,期限内に追納しない限り免除分の受給権を失う。厚生年金の保険料は,標準報酬額に下限 および上限があるため逆進的な側面がある。ただし,標準報酬額が将来の年金給付に反映されることに留意 しなければならない。

(8)

表6: 厚生年金および国民年金の年金純債務のシミュレーション結果 表2によれば,厚生年金の年金純資産は,国庫負担率が2分の1のときには163.2兆円 であったものの,国庫負担率を3分の2に引き上げたときは59.4兆円となり103.8兆円減 少している。国庫負担率を4分の3まで引き上げたときは28.7兆円となり,さらに30.7 兆円減少している。 すなわち,厚生年金については,長期的には国庫負担の増大よりも保険料収入の減少が 大きい。その理由として,基礎年金給付額は給付額の改定率が物価上昇率であるため,国 庫負担も物価上昇率に従って大きくなる一方で,保険料収入は名目賃金成長率に従って大 きくなることが考えられる。 国民年金は,国庫負担率が2分の1のときは4.8兆円の年金純債務を抱えていたものの, 国庫負担率を3分の2に引き上げたときは約3.9兆円の年金純資産を保有し,4分の3に 引き上げたときは,それは10.1兆円まで増大する。 すわなち,厚生年金と反対に,国庫負担の増大が保険料収入の減少より大きい。その理 由として,国民年金保険料が定額である一方で,国庫負担は物価上昇率に従って大きくな ることが考えられる。 図5によれば,国庫負担率を2分の1から3分の2に引き上げたとき,国庫負担は3∼ 4兆円大きくなるが,プライマリーバランスの赤字は国庫負担率を引き上げたときの方が むしろ小さい。 図5: 国の一般会計のプライマリーバランスおよび国庫負担のシミュレーション結果 国庫負担率を2分の1から4分の3に引き上げたとき,国庫負担は将来にかけておおよ そ5∼7兆円増大しているが,プライマリーバランスの赤字は,国庫負担率を3分の2へ 引き上げたときよりもさらに小さい。 表7によれば,国庫負担率を3分の2へ引き上げたとき,歳出は,公債費を含めなけ れば現在価値で162.9兆円増大し,公債費を含めれば157.0兆円増大するものの,歳入は 172.7兆円増大する。その結果,潜在的債務は,公債費を含まないものは9.8兆円,公債 費を含むものは15.7兆円減少している。 表7: 国の一般会計の潜在的債務のシミュレーション結果 国庫負担率を4分の3へ引き上げたとき,歳出は,公債費を含めないものは現在価値で 230.0兆円増大し,公債費を含めたものは242.3兆円増大するものの,歳入は259.0兆円増 大している。その結果,潜在的債務は,公債費を含めないものは16.7兆円,公債費を含む ものは29.0兆円減少している。 これらのケースについて,2011∼2015年度にかけて消費税を増税して公債費を含む国 の一般会計の潜在的債務を解消するためには,国庫負担率を3分の2へ引き上げたケース は対前年比で17%,4分の3へ引き上げたケースは16%の増収が必要になるという結果 を得た。 以上の結果は,国庫負担を活用すれば,国民負担率を引き上げなくとも国の一般会計お よび国民年金制度の持続可能性を同時に高められることを示している。ただし,制度設計

(9)

上の理由で厚生年金制度の持続可能性が低下するため,現在の厚生年金制度の持続可能性 を維持するためには,長期的には保険料率を,現行の水準ほどではないにしろ引き上げる 必要がある。

4.3

感度分析

2節で述べたように,これまでの推計は,基本的に『年金財政再計算』および『基本方 針2006』のものを踏襲してきた。以下では,今後経済成長が鈍化したケースを想定した推 計を行う。 前提条件は,名目GDP成長率が2011年度まで0%で推移し,2012年度以降は1.5%で 推移すると仮定した。名目賃金上昇率は名目GDP成長率と同じと仮定した。年金の積立 金運用利回りは,2011年度までは0%で推移し、2011年度以降は1.9%で推移すると仮 定した9。 推計は,『基本方針2006』の歳出削減プログラムの目標が達成され,その後に国庫負担 率を引き上げなかったケース,国庫負担率を引き上げ,その分保険料を引き下げたケース について行った。年金純債務の推計結果は表8に,国の一般会計のプライマリーバランス の推計結果は図6に,国の一般会計の潜在的債務の推計結果は表9に示した。 表8によれば,厚生年金は,もっとも財政状況がよい国庫負担率が2分の1のケースに おいても大きな年金純債務を抱える結果となった。国民年金は,国庫負担率が4分の3の ケースのみ年金純資産を持つ結果となったが,その規模は,表6と比較して7分の1弱ま で縮小している。 表8: 年金純債務:経済成長鈍化ケース 国の一般会計のプライマリーバランスによれば,図6によれば,たとえ『基本方針2006』 の歳出削減目標が達成されても,将来にかけてプライマリーバランスの赤字が拡大し続け る。2011∼2015年度にかけて消費税を増税したケースでも,プライマリーバランスの黒 字の規模は将来にかけて小さくなっている。 図6: 国の一般会計のプライマリーバランス:経済成長鈍化ケース 表9によれば,国の一般会計の潜在的債務を解消するために必要な消費税の増収の規模 は,表7と比べて,国庫負担率2分の1のケースは10%,3分の2のケースは13%,4分 の3のケースは12%増大している。 表9: 国の一般会計の潜在的債務:経済成長鈍化ケース これらの結果は,年金制度および国の一般会計の持続可能性は,ともに将来の経済成長 に大きく依存していることを示している。将来の経済成長が鈍化すれば,財政再建のため に必要な増税の規模も大きくなる。そのため,持続可能性を高めるためには経済成長は必 要であるが,一方で,経済成長に依存しない財政構造を構築していくことも必要である。 9すなわち,2012年以降の積立金運用利回りが名目長期金利と同じになると仮定している。

(10)

5

結論

本稿は,特にわが国の年金制度における国庫負担に着目し,国の一般会計がその負担に 耐えられるかを考慮して年金制度の持続可能性を,世代会計の枠組みを利用して検証した。 本稿の分析結果から次のことが言える。第1に,国の一般会計の持続可能性に依存して いる以上,国の一般会計の持続可能性を考慮せずに年金制度改革を行うことはすでに現実 的とは言えない。 第2に,国庫負担の財政圧力は非常に強く,長期的には国民負担率の引き上げが不可欠 である。『基本方針2006』の歳出削減プログラムの目標値が達成されたとしても,現在の 歳入構造を維持したまま長期的にプライマリーバランスの赤字を解消することは困難で ある。 第3に,国庫負担には現行の保険料体系の逆進性および受益と負担の世代間格差を緩和 する機能がある。国庫負担を活用すれば,年金制度と国の一般会計の持続可能性を同時に 高めることは不可能ではない。 第4に,年金制度,国の一般会計の持続可能性は,共に経済成長に大きく依存している。 そのため,経済成長を考慮しない制度改正や財政構造改革には限界があるが、同時に,特 に国の一般会計について,経済成長に依存しない構造を構築していくことも必要であろう。 わが国の高齢化はさらに進むことが確実視されている。その中では,現役世代の保険料 負担に依存することには限界があり,財源をより広く集められる国庫負担の役割がさらに 重要になる。国庫負担が持つ機能を考慮し,保険料と税の役割分担を見直すような制度改 革が必要となる。加えて,保険料を含めた,租税公課体系全体を見据えた税制改革が求め られる。

A

国の一般会計の歳出と歳入の世代間帰着の方法

A.1

社会保障関係費

社会保障関係費は生活保護費,社会福祉費,社会保険費,保健衛生対策費および失業対 策費から構成されている。 生活保護費は,生活保護の動向編集委員会編集『生活保護の動向』から得られる年齢階 層別被保護者数により帰着させる。 社会福祉費は児童福祉,母子及び寡婦福祉,高齢者福祉,障害者福祉およびその他に分 けることができる。児童福祉は15歳未満人口に基づいて帰着させる。母子及び寡婦福祉の うち母子福祉費,児童扶養手当給付諸費は厚生労働省『全国母子世帯等調査結果報告』か ら得られる母親の年齢階層別分布を基準に帰着させる。婦人保護費は,内閣府男女共同参 画局『配偶者からの暴力の被害者の自立支援等に関する調査結果』を基準に帰着させる。 高齢者福祉は,65歳以上の年齢階層別人口を基準に帰着させる。障害者福祉費は,厚生労 働省『身体障害児・者実態調査』,『知的障害児・者実態調査』および『患者調査』(精神 障害児・者に対応)に基づいて配分する。その他は年齢階層別人口を基準に帰着させる。 社会保険費は年金,医療,介護および児童手当から構成されている。年金は,基本的に 国庫負担額の推計結果を対応する歳出項目に代入する。国庫負担は,厚生年金分は厚生年 金保険国庫負担金,国民年金分は国民年金国庫負担金,国家公務員共済組合(国共済)年

(11)

金分は基礎年金国家公務員共済組合負担金,私立学校教職員共済(私共済)年金分は基礎 年金日本私立学校振興・共済事業団補助金として計上されている。国民年金基金等助成金 および企業年金連合会助成金は65歳以上の年齢階層別人口を基準に帰着させる )。 医療・介護は厚生労働省『国民医療費』に収録されている年齢階層別医療費と『介護給付 実態調査』に収録されている年齢階層別介護給付費(累計)の和を年齢階層別人口によっ て除して算出したものを年齢階層別一人あたり医療・介護給付費とみなす。これらを基準 として介護保険推進費,老人医療・介護保険給付諸費,健康保険組合助成費,国民健康保 険組合助成費および社会保険国庫負担金の合算を帰着させる。 児童手当は,児童手当国庫負担金と各省が負担する児童手当拠出金(事業主負担に相当 する)が国の一般会計に計上されており,これらの合計を厚生労働省『児童手当事業年報』 に収録されている児童手当,特例給付および小学校修了前特例給付受給者数を基準に分け る。児童手当および特例給付の給付総額を0∼2歳に,小学校修了前特例給付は3∼4歳, 5∼9歳,10∼12歳の人口を基準に分け,3∼4歳分は0∼4歳に配分し,10∼12歳分は10 ∼14歳に帰着させる。 保健衛生対策費は全国民に広く便益が及ぶと考え,総務省『人口推計年報』(平成18年) より年齢階層別人口を基準に帰着させる。 失業対策費は,職業転換対策事業費,雇用保険国庫負担金および特定地域開発就労事業 費から構成されている。職業転換対策事業費,特定地域開発就労事業費は,総務省統計局 『労働力調査』に収録されている年齢階層別完全失業者数を基準に配分する。雇用保険国 庫負担金は,厚生労働省『賃金構造基本調査』に収録されている年齢階層別きまって支給 する現金給与額(産業・企業規模・男女計)および年齢階層別完全失業率を基準に帰着さ せる。

A.2

文教及び科学振興費

文教及び科学振興費は義務教育費国庫負担金,教育振興費,文教施設費,育英事業費お よび科学技術振興費から構成されている。 義務教育費国庫負担金は,文部科学省『文部統計要覧』に掲載されている「学校数・在 学者数・教職員数」(公立分)のうち,小学校と中学校の教職員数の比率によって小学校 分と中学校分に分ける。それらを,「学校数・在学者数・教職員数」(公立分)のうち,小学 校および中学校の在学者数で除して一人あたりの金額を求め,小学校分は1∼3年生(7∼ 9歳)を5∼9歳階級に,4∼6年生(10∼12歳)を10∼14歳階級に配分し,中学校分は1 ∼2年生(13∼14歳)を10∼14歳階級に,3年生(15歳)を15∼19歳階級に配分する。 これらに基づいて帰着させる。 教育振興費,文教施設費および育英事業費は,文部科学省『文部統計要覧』に掲載され ている「教育分野別教育費総額」のうち,国の負担による「幼稚園」(0∼4歳),「義務教 育」,「高等学校」(15∼19歳),「高等教育」(大学,大学院)(20∼24歳)に対する『学校 教育費』を「学校数・在学者数・教職員数」(国・公・私立合計)のうちそれぞれの機関 に在学する在学者数で除して一人あたりの学校教育費を求める。それらを基準にして帰着 させる。

(12)

科学技術振興費は,すべての世代に等しく便益が及ぶと考え,年齢階層別人口によって 帰着させる。

A.3

恩給関係費

恩給関係費は総務省人事・恩給局恩給業務課『統計から見た恩給受給者の現況』に収録 されている年齢階層別恩給受給者を基準に帰着させる。なお,恩給は共済制度設立(国共 済は1957年,地共済は1962年)前の退職文官等,旧軍人およびその遺族が対象となって いるため,将来にかけて徐々に減少し,ゼロに近づいていくことが予想される。したがっ て,本稿では2006年度時点で65∼69歳以上の者だけが受給していると見なし,それ以下 の年齢の者は受給しないと仮定した。

A.4

地方交付税交付金,防衛関係費,公共事業関係費,中小企業対策費,エネ

ルギー対策費,食料安定供給関係費,産業投資特別会計への繰入,その他

事項経費

『人口推計年報』より年齢階級別人口に基づいて各世代に均等に帰着させる。

A.5

公債費

 公債費は,既発債の元本償還は平成20年度『普通国債償還年次表』に基づき,新発 債の償還は60年償還ルールに基づいて償還するとする。利払分は累積債務残高に利率を 乗じて算出する。

A.6

所得税,法人税,地価税

はじめに,Auerbach, Gokhale and Ktlikoff(1991)の手法に従い,マクロ的な労働分配

率(=雇用者所得?国民所得)を利用して所得税総額を労働所得分と資本所得分に分割する。 次に,労働所得分は『全国消費実態調査』の「勤労者世帯の年齢階級別1世帯あたりの 勤め先収入」を基準として帰着させる。 資本所得分,法人税は株式保有等を通じて金融資産保有者に転嫁されると仮定し,『全国 消費実態調査』の『全世帯の年齢階級別1世帯あたりの貯蓄残高』を基準として帰着させ る。地価税は現在では負担のほとんどが法人負担となっていることに鑑み,法人の株式保 有を通じて金融資産保有者に転嫁されると仮定する。

A.7

間接税(消費税,酒税,たばこ税,揮発油税,石油ガス税,航空機燃料税,

石油石炭税,自動車重量税,関税,とん税)

間接税はすべて消費者に転嫁されると仮定し,『全国消費実態調査』の全世帯の年齢階級 別1世帯あたり消費支出額を基準として帰着させる。

(13)

A.8

相続税

相続税の転嫁は相続人(受贈者)が負担を負うと仮定し,『全国消費実態調査』の勤労者 世帯の年齢階級別1世帯あたりの受贈金収入を基準として利用する。

A.9

官業益金及官業収入

官業益金及官業収入は,その内訳が全て国立病院であることに鑑み,厚生労働省『国民 医療費』に基づいて帰着させる。

A.10

印紙収入

印紙収入は『全国消費実態調査』の『世帯主の年齢階層別1世帯あたりの年間収入』(全 世帯)を基準として帰着させる。

A.11

国有財産整理収入(国有財産処分収入,回収金収入)

国有財産整理収入は企業が政府資産を購入し,その費用が株式保有等を通して金融資産 保有者に転嫁されると仮定して,『全国消費実態調査』に収録されている「全世帯の年齢階 級別1世帯あたりの貯蓄残高」を基準として帰着させる。 回収金収入は貸付金回収金や出資金回収金があたる。これらは適切な指標を見つけるこ とが困難であったため,『全国消費実態調査』に収録されている「全世帯の世帯主の年齢階 級別世帯数」を基準に帰着させる。

A.12

国有財産利用収入(国有財産貸付収入,国有財産使用収入,配当金収入,

利子収入)

国有財産貸付収入は,企業が政府資産を借り,その費用が株式保有等を通して金融資産 保有者に転嫁されると仮定して,『全国消費実態調査』に収録されている「全世帯の年齢階 級別1世帯あたりの貯蓄残高」を基準として帰着させる。 国有財産使用収入は消費者が負担すると仮定し,『全国消費実態調査』に収録されている 「全世帯の年齢階級別1世帯あたりの消費支出」を基準に帰着させる。 配当金収入,及び利子収入は価格等に転嫁され消費者に帰着すると仮定し,『全国消費実 態調査』に収録されている「全世帯の年齢階級別1世帯あたりの消費支出」を基準に帰着 させる。

A.13

納付金,諸収入

納付金及び諸収入は,世代間配分に関する適切な指標を見つけることが困難であったた め,『全国消費実態調査』に収録されている「全世帯の世帯主の年齢階級別世帯数」を基準 に帰着させる。

(14)

A.14

国債収入

歳出と歳入の差を国債収入とする。

参考文献

[1] Auerbach, Alan, J.,Jagadeesh Gokhale, and Laurence J. Kotlikoff (1991), ”Gener-ational Accounts: A Meaningful Alternative to Deficit Accounting,” in Bradford, David eds, Tax Policy and Economy, Vol.5, MIT Press.

[2] Gokhale, Jagadeesh and Kent Smetters(2003),Fiscal and Generational Imbalances, AEI Press.

[3] Takayama Noriyuki, Yukinobu Kitamura, and Hiroshi Yoshida (1999), ”tional Accounting in Japan.” in Auerbach, Kotlikoff and Leibfritzin eds.,

Genera-tional Accounting around the World, NBER.

[4] 麻生良文・吉田 浩(1996)「世代会計からみた世代間の受益と負担」『フィナンシャ

ル・レビュー』No.39.

[5] 川瀬晃弘・北浦義朗・木村 真・前川聡子(2005)「2004年年金改革のシミュレーショ

ン分析」HIA Discussion Paper No.10.

[6] 川瀬晃弘・木村 真(2006)「バランスシートアプローチによる年金財政の分析」HIS

Discussion Paper No.16.

[7] 厚生労働省年金局(2005)『国民年金厚生年金 平成16年年金財政再計算』法研.

[8] 鈴木 亘・小口登良・小塩隆士(2005)「年金財政モデルによる2004年年金改正の評

価」日本経済研究センター『社会保障財政の全体像と改革の方向』社会保障改革の政

策評価研究報告書.

[9] 高橋洋一(2004)「財政問題のストック分析:将来世代の負担の観点から」RIETI Dis-cussion Paper Series 04-J-019.

[10] 内閣府(2006)『経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006』.

[11] 深尾光洋・蓮見 亮・中田大悟(2007)「少子高齢化,ライフサイクルと公的年金財政」

RIETI Discussion Paper Series 07-J-019.

[12] 横山寛和(2007)「厚生年金制度のストック分析−バランスシート・アプローチによる

持続可能性の検証−」『関西学院 経済学研究』No.38.

[13] 横山寛和(2008)「公的年金財政のバランスシート・アプローチにおける将来推計モデ ルの構造と概念」KG-SANKEN Discussion Paper No.3.

[14] 吉田 浩(2005)「世代会計による高齢化と世代間不均衡に関する研究−2000年基準に

参照

関連したドキュメント

2 号機の RCIC の直流電源喪失時の挙動に関する課題、 2 号機-1 及び 2 号機-2 について検討を実施した。 (添付資料 2-4 参照). その結果、

23-1•2-lll

41 の 2―1 法第 4l 条の 2 第 1 項に規定する「貨物管理者」とは、外国貨物又 は輸出しようとする貨物に関する入庫、保管、出庫その他の貨物の管理を自

1-2.タービン建屋 2-2.3号炉原子炉建屋内緊急時対策所 1-3.コントロール建屋 2-3.格納容器圧力逃がし装置

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006

画像 ノッチ ノッチ間隔 推定値 1 1〜2 約15cm. 1〜2 約15cm 2〜3 約15cm

 IRID(三菱重⼯担当)とVNS(通称OTL ※1 )が現在英国でロボットアームを開発中 ※2 。.

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 地点数.