経済統計:期末試験
村澤 康友 2018 年 8 月 6 日
注意:
3
問とも解答すること.結果より思考過程を重視するので,途中計算等も必ず書くこと(部分点は大 いに与えるが,結果のみの解答は0
点とする).1.
(20
点)以下の用語の定˙
義を式または言葉で書きなさい(各˙ 20
字程度).(
a
)片側検定問題(
b
)χ
2検定(
c
)重回帰モデル(
d
)F
値2.
(30
点)回帰分析について,以下の問いに簡潔かつ正確に答えなさい.(
a
)回帰の誤差と残差の違いは何か?(
b
)ガウス=マルコフ定理は何を主張するか?(
c
)ある回帰係数のOLS
推定値は3
,標準誤差は1
であった.t
値と両側p
値を求めなさい(標準正 規分布による近似でよい).3.
(50
点)ある大学で祝日の授業実施を検討している.そこで無作為に抽出した10
人の学生に意見を求 めたところ8
人が反対であった.祝日の授業実施に反対の学生の割合をp
として,次の検定問題を考 える.H
0: p = 0.5 vs H
1: p > 0.5
(
a
)(漸近検定)i.
無作為標本を(X
1, . . . , X
n)
とする.標本比率X ¯
の漸近分布を導出しなさい.ii. H
0の下でPr [ X ¯ ≥ 0.8 ]
を求めなさい.
iii.
有意水準5
%の検定の結果はどうなるか?(
b
)(厳密な検定)i.
標本和S := X
1+ · · · + X
nの(厳密な)分布を導出しなさい.ii. H
0の下でPr[S ≥ 8]
を求めなさい.iii.
有意水準5
%の検定の結果はどうなるか?解答例
1.
統計学の基本用語(
a
)H
0: θ ≤ θ
0vs H
1: θ > θ
0 またはH
0: θ ≥ θ
0vs H
1: θ < θ
0.•
検定問題として書かなければ0
点.(
b
)χ
2統計量を用いる検定.• χ
2統計量の定義は2
点.•
「χ
2分布(表)に基づく検定」は何がχ
2分布か不明確なので0
点.•
「母分散の検定」は定義でないので0
点.(
c
)定数項以外に説明変数が複数ある線形回帰モデル.•
回帰の説明のみは1
点.線形回帰の説明のみは2
点.(
d
)H
0: β = 0
を検定するF
統計量の値.•
「H
0: β = 0
を検定する」がなければ1
点.2.
回帰分析の基礎(
a
)例えば単回帰モデルの場合,誤差はu
i:= y
i− E(y
i| x
i)
= y
i− α − βx
iただし
(α, β)
は真の係数.残差はe
i:= y
i− a − bx
iただし
(a, b)
は仮の係数.•
各5
点.(
b
)古典的線形回帰モデルの回帰係数のOLS
推定量はBLUE
.• BLUE
で5
点.(
c
)t
値は3
.標準正規分布表よりZ ∼ N(0, 1)
ならPr[ | Z | ≥ 3] = 2 Pr[Z ≥ 3]
= 2 · .0013499
= .0026998
したがって両側p
値は.0026998
.•
各5
点.3.
母比率の検定(
a
)(漸近検定)i.
中心極限定理よりX ¯ ∼
aN (
p, p(1 − p) n
)
• p = .5
としたH
0の下での分布は5
点.• N (
µ, σ
2/n )
は
5
点.2
ii. Z ∼ N(0, 1)
とするとPr [ X ¯ ≥ .8 ]
= Pr
[ X ¯ − .5
√ .5(1 − .5)/10 ≥ .8 − .5
√ .5(1 − .5)/10 ]
≈ Pr [
Z ≥ .3 √ 40
]
= Pr [
Z ≥ √ 3.6
]
≈ Pr[Z ≥ 1.90]
≈ .028717
•
検定統計量(z
値)のみは5
点.iii. p
値≦有意水準よりH
0は棄却.•
前問のp
値と整合的ならOK
.•
検定統計量と棄却域を用いてもOK.
•
棄却域のみは2
点.(