電磁気学 C
Electromagnetics C
山田 博仁
遅延ポテンシャルと先進ポテンシャル
6/26
講義分今後のスケジュー ル
・
6/26(
第12
回目)
遅延ポテンシャルと先進ポテンシャル(
第3
回レポート出題)
・
7/3(
第13
回目)
電気双極子による電磁波の放射・
7/10(
第14
回目)
電気双極子による電磁波の放射(
第3
回レポート締め切り)
・
7/17(
第15
回目)
点電荷による電磁波の放射・ 定期試験
7/24(
木)
以降(
候補日、7/24(
木), 8/7(
木)
など)
定期試験の日程についてアンケートをとりたいと思いますので、出席 確認のノートに都合の悪い日、絶対に避けて欲しい日、希望日などを 記入願います。できるだけ、多くの皆さんのご希望に沿えるよう努力 します。
成績評価は以下の点の合計です
1.
出席状況+
出席レポート30
点2.
全員対象のレポート10
点×
3
回
3.
定期試験40
点ローレンツ・ゲージにおける Maxwell 方程式
) 5 ( ) 0
, ( ) 1
, ( div
) 4 ( )
, ( )
, 1 (
) 3 ( )
, 1 (
) , 1 (
) 2 ( )
, ( rot )
, (
) 1 ( )
, ( ) grad
, ) (
, (
2 2 0 2 2
0 2
2 2
t t t c
t t t
c
t t t
c
t t
t t t t
e e
x x A
x i x
A
x x
x A x
B
x x x A
E
まず、ローレンツ・ゲージにおける自由空間での
Maxwell
方程式は、今回からは、自由空間への電磁波の放射の問題を取り扱う。
2 0
0
c
真空中を仮定して、
電荷分布 e
(x, t)
と電流分布i
e(x, t)
とが与えられているとき、それらの時 間的変化に伴って発生する電磁波を求める。そのためには、非斉次項をもつ波動方程式
(3)
式および(4)
式を解いて、そ の特解を求めなければならない。としている。
時間に依存した静電ポテンシ ャル
) 7 ) (
( 4
) 1
(
30
Ve
' x' x'
d x x
x
(3)
式において、左辺第2
項が無いときは、静電場におけるポアソンの方程式で与えられていた。
) 6 ( )
1 ( )
(
0
x
x
e
になり、その特解は、
) 8 ( )
, ( 4
) 1 ,
(
30
Ve
' c t '
x' x'
d
t x x
x x x
しかし、電荷分布が時間的に変化する時でも、
|x|→∞
の遠方におけるポテン シャルの様子は、大体(7)
式と同じであろうと考えられる。ただし、(3)
の波 動方程式で伝わる電磁波は、有限の速度c
で空間内を伝搬していくので、x’
点の電荷分布の変動の影響は、時間|x - x’|/c
だけ遅れてx
点に到達す るはずである。従って、x
点でのポテンシャル(x, t)
は次式のように表され る。
(7)
式では、電荷分布
e(x’)
は時間的に変化し ていないから、それによって作られる場所x
における静電ポテンシャル(x)
も時間に依存しない。教科書の式
(2.34)
参照遅延ポテンシャ
このような物理的考察から、
(3)
式の特解はル (8)
式のように表される。ここ で積分領域V
は、観測点x
および電荷分布の存在する全領域を含む空間領 域を表している。) 9 ( )
, ( ) 4
,
(
0d
3x'
' c t '
x'
t
V
e
x x
x i x
x
A
(8)
式が(3)
式の解であることの証明 → 出席レポート(
参考:
砂川先生の教科書など) (4)
式に対しても同様に考えることができるので、(4)
式の解として次式が得られる。(8)
式或いは(9)
式で表される電磁ポテンシャルは、影響が光速で伝わるこ とによる時間的な遅れを考慮して導かれるというので、遅延ポテンシャル それに対して、という。) 11 ( )
, ( ) 4
,
(
0d
3x'
' c t '
x'
t
V
e
x x
x i x
x
A
) 10 ( )
, ( 4
) 1 ,
(
30
Ve
' c t '
x' x'
d
t x x
x x x
先進ポテンシャ ル
これらは電荷や電流が動くよりも前に何故かその動きを知っていたかのよ うに存在していて、それが周囲から電荷に向かって集まってくる電磁波で あり、言わば映画を逆回ししたようなイメージである。そのため、先進ポ テンシャルと呼ばれている。
) 11 ( )
, ( ) 4
,
(
0d
3x'
' c t '
x'
t
V
e
x x
x i x
x
A
) 10 ( )
, ( 4
) 1 ,
(
30
Ve
' c t '
x' x'
d
t x x
x x x
先進ポテンシャルの物理的意味については色々と議論があるが、これは
Maxwell
方程式やそれらから導かれる波動方程式が時間反転に対して共変的
(
即ち、Maxwell
方程式において、t’= -t
とおいて変換してやっても、全く同じ方程式系が得られる
)
であることに由来するものである。ところで、
(8)
~(11)
式は、(5)
式のローレンツ条件を満足しているか、各 自で確かめてみて下さい。(10)
式或いは(11)
式で表される電磁ポテンシャルも(3)
式および(4)
式の解である。波動の時間反転性と位相共役 波
E e
j t k z A e
j t
t
E ( r , ) Re ( r )
( z ) Re ( r )
j t' k z
j t'
cc
t' E e A e
E ( r , ) Re
*( r )
( z ) Re
*( r )
今、ほぼ
+z
方向に伝搬している周波数 、波数成分k
z の波を、空間座 標r
と時間t
の関数として表すと、と書かれる。
この式の複素共役
(complex conjugate)
をとり、t’ = -t
とした波は、となる。
このように、波の複素振幅が元の波の複素共役で表される波を位相共役波
(phase conjugate wave)
と言い、これもまた電磁波の波動方程式の解となっている。
波源 障害物
これは、波面の形が同じであり、伝搬方向がちょうど反対の波であり、あた かも時間を逆向するかのように振舞う波である。
A(r) A
*(r) A(r)e A
*(r) e
jtjt’Maxwell
方程式の時間反転性に由来四光波混合と位相共役
非線形光学
(nonlinear optics)
の技術を用いれば、位相共役波を作り出すことが可能波
・ 四光波混合
位相共役波は、様々な魅力的な応用が考えられる。
非線形光学媒質
3
次非線形感受率
(3)
pk
pumpポンプ波 ポンプ波
プローブ波
シグナル波 -kpump
sk
pk
s
pump
pumppump s
p
2
0
s pump pumpp
k k k
k
pump s
p
の時、このとき、プローブ波と信号波は位相共役の関係にある。
エネルギー保存則 波数
(
運動量)
保存則s
p
k
k
縮退四光波混合位相共役鏡
普通の鏡と位相共役鏡との比較
Q.
位相共役鏡に自分の顔を映せば、どのように見えるか?
普通の鏡 位相共役鏡
つまり、
k
(r)= -k
(i)k
(i)k
(r)k
(i)k
(r)k
(i)x= k
(r)x1.
普通の鏡と同じ2.
左右反対に映る3.
上下反対に映る4.
何も映らない 入射光反射光
入射光
反射光
z
z = 0
鏡面
z z = 0
鏡面
k
(i)y= k
(r)yk
(i)z=
-k
(r)zk
(i)x=
-k
(r)xk
(i)y=
-k
(r)yk
(i)z=
-k
(r)z鏡に顔が映るしく み
普通の鏡の場合
普通の鏡
位相共役鏡の場合
位相共役鏡 ということで、位相共役鏡には、
自分の顔は映らない
位相共役波と防御シール ド ?
防御シールド、防御スクリーン、エネルギーシールド、バリヤー、航宙デフレクター
USS
エンタープライズ(
スタートレック)
クリンゴンの戦艦
非線形光学媒質のガス
ポンプ光
位相共役光
ポンプ光の強度を高めれば、位相共役光の発生 に光学利得を持たせることも可能で、攻撃を受 けた光よりもはるかに強い位相共役光を返すこ とも可能
縮退四光波混合により位相共役波が発生
擬似的な位相共役波の作り 方
凹面鏡 平面鏡 平面波
球面波
電磁気学においては時間反転が可 能
映画を逆回しにしたように伝搬する波
(
電磁波)
は、解として存在する 言いたかったこと実際に発生させるには、縮退四光波混合の技術などを使用する 以下のような様々な応用が考えられる