OFFICE NEWS
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●オフィスニュース私は丸善雄松堂(株)という会社の古書部で、主に欧米の古くて価値の高い、貴重な古書を取り扱 う仕事をしています。昨2017年11月1日、京都外国語大学付属図書館の第19回学園祭協賛行事 のフォーラム企画で「『ちりめん本』にまつわる話」というテーマでお話ししました。ここに改め て記す機会をいただき、大変光栄に思っております。(7ページの関連記事もご覧ください。)
学園祭協賛行事
フォーラム 「ちりめん本」にまつわる話
黒田 茂
■ちりめん本収集の仕事
2006年から2014年までの9年間、私は京都外 国語大学の営業担当として、図書館に足繁く 通っていました。その最初の仕事が、2007年に 開催される大学創立60周年記念貴重書展示会
『文明開化期のちりめん本と浮世絵』のための、
ちりめん本収集のお手伝いでした。
このとき、ちりめん本について非常に造詣の 深い奥正敬副館長(当時は事務長)から、幸 運にも親しく教えを受ける機会を得ました。そ のお蔭で、国内外の古書市場や古書業者、コレ クターなど、あらゆるルートを駆使して、様々 な種類のちりめん本を収集することができまし た。
外国人コレクターのお宅にお邪魔し、ご自慢 のコレクションの中に、希少なデンマーク語版
『舌切雀』や『瘤取』などを発見。交渉の末、
これらを無事お納めすることができたことも、
思い出深く、得難い貴重な経験となっています。
■外国人を魅了した欧文絵本
「ちりめん本」は、明治の中頃に長谷川武次 郎によって考案され、外国人向けのお土産品と して出版された和綴じの欧文絵本です。欧米の ジャポニスムブームの波にのって、大成功をお さめました。
英・仏・独語など西欧の言語で本文を印刷し、
当代一流の絵師・小林永濯や鈴木華邨らが美し い木版挿絵を描き、使われている和紙は、ちり めん状に縮めるという特別な加工が施されてい ます。
大きさはおよそ縦15センチ・横10センチと新 書判に近いサイズ。手に取れば、しっとりと柔 らかく、一頁一頁、指に寄り添うように重みが 感じられ、まるでちりめん織の布をめくって いるよう。そして頁を繰るたびに、色彩豊か な挿絵が現れ、見る者の目を楽しませてくれ ます。
そこには、日本の昔話や神話、妖精譚などを 題材に、凧揚げや羽根つきに興じる日本の子供、
ちょんまげを結い刀を差したサムライ、色鮮や かな錦織の着物を着た若くて美しい女性の姿、
『桃太郎』表紙(「日本昔話集」第1号 1885年刊)