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再生コンクリート梁の付着性状に及ぼす横補強筋の効果

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Academic year: 2021

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(1)

再生コンクリート梁の付着性状に及ぼす横補強筋の効果

―乾燥収縮ひび割れの影響― 

日大生産工(院)  ○河井  久直  日大生産工         師橋  憲貴  日大生産工         桜田  智之  1.はじめに 

筆者らは昨年度の学術講演会で乾燥収縮 ひび割れのまだ発生していない再生コンクリ ート梁の付着性状に及ぼす横補強筋の効果に ついて検討を行った

1)

。その結果、再生コン クリート梁の付着割裂強度は、普通コンクリ ートの場合と比べ横補強筋の効果がほぼ同程 度であった。そこで本研究は材齢が 1 年経過 し、乾燥収縮ひび割れが発生した再生コンク リート梁においても横補強筋の効果が同様に 得られるのか検討を行ったものである。 

2.実験概要   

表-1 に調合表および骨材の吸水率を示す。

本研究で使用した再生コンクリート(R シリ ーズ)は細骨材に天然砂を使用し、粗骨材に 吸水率が 5%程度の再生粗骨材を用いた。 図-1 に試験体形状を、 図-2 に試験体断面図を例示 する。試験体は幅とせいともに 300 ㎜とし、

下端の純曲げ区間に重ね継手を 570mm(30db  db:主筋の公称直径)で設けた単純梁形式であ る。主筋は上端と下端ともに高強度鉄筋を 4-D19 で配筋し、主筋から側面および底面ま でのかぶり厚さは 30mm (1.6db)とした。表-2 に試験体詳細を示す。付着割裂強度と横補強 筋比

pw

との関係を検討することを目的とす るため、重ね継手部分の横補強筋比

pw

は 0.0%、0.6%、1.2%の 3 種類に変化させた。載 荷時期は試験体に乾燥収縮ひび割れがまだ発 生していない 5 週時と、実験棟にて保存し再 

表-1 調合表および骨材の吸水率

セメント 水 細骨材 粗骨材 細骨材 粗骨材

R 867

(再生) 940 (砕石)

58.0 798

316 183(天然)

0.76 2.76 5.05 1.61 182

W/C (%) 63.5 287

単位質量(kg/m3 870 (天然)

図-1 試験体形状( 

pw

=1.2% )

図-2 試験体断面図( pw=0.6%,1.2% )    表-2 試験体詳細

主筋 SD685  

σy=732 (N/mm2)  Es=1.91×10(N/mm2) 横補強筋 SD295A 

σy=332 (N/mm2)  Es=1.86×10(N/mm2)

30 30240300 30

240

300 30単位:㎜

1) 2)

00N1) 0.0 -

06N1) 0.6 160

12N1) 1.2 80

00NK 0.0 -

06NK 0.6 160

12NK 1.2 80

00R1) 0.0 -

8)06R1) 0.6 160

12R1) 1.2 80

)00RK 0.0 -

)06RK 0.6 160

)12RK 1.2 80

)A-06R1) 0.6 160 5週時

)A-06RK 0.6 160 1年時

手長さs:570㎜(30db) 学術講演会で発表済み 乾燥収縮低減剤を10kg/m3で添加

Rシリーズ 再生粗骨材 100%

天然砂 100%

載荷時期 (材齢)

5週時

1年時

5週時

1年時 試験体名

シリーズ 置換率 Nシリーズ 砕石 100%

天然砂 100%

横補強筋 pw (%)

間隔 (㎜)

3) 4) 5) 6) 7) 9) 10 11 12 13 14 A:

重ね継 1) 昨年度の シリーズ

N

吸水率(%)

   s= 30dbpw=1 .2%

単位:㎜

重ね 継 手

300 700 1000 700

3000

300

The Effects of Transverse Reinforcement on Bond Properties    of Beams with Recycled Aggregate Concrete   

―The effect of drying shrinkage cracks― 

 

Hisanao KAWAI, Noritaka MOROHASHI and Tomoyuki SAKURADA 

 

(2)

生コンクリート梁に乾燥収縮ひび割れが発生 した 1 年時とした。なお、再生コンクリート に発生する乾燥収縮ひび割れを抑制するため、

乾燥収縮低減剤を添加した試験体も作成し、

付着割裂強度への影響を検討した。加力は 2 点集中加力で正負繰返し載荷とし、荷重の制 御は主筋の応力度がσ

t

=100N/mm

2

ずつ増加す るように行った。 

3.実験結果   

3.1 材齢 1 年時のコンクリートの性状    表-3 に実験結果一覧を、また図-3 にヤン グ係数の推移を示す。普通コンクリート(Nシ リーズ)と再生コンクリート(Rシリーズ)のヤ ング係数はともに、日本建築学会 鉄筋コンク リート構造計算規準

2)

(以下、RC規準という) で示されるRC規準式に単位容積重量γを考慮 することで実測値とほぼ適合した。 Rシリーズ の実測値の推移は、Nシリーズに比べ圧縮強度 は高いにもかかわらず低い値となった。これ はRシリーズのγが 21.5kN/m

3

前後と小さかっ たためと考えられる。 

図-4 に普通コンクリートを用いた 12NK と 再生コンクリートを用いた 12RK を例に材齢 1 年時の乾燥収縮ひび割れを示す。12NK は 1 年 時においても乾燥収縮ひび割れの発生が認め られなかった。一方、12RK は材齢 4 週過ぎに 乾燥収縮ひび割れが 発生し始めた。1 年時では 00RK と 06RK も側面全体に微細な乾燥収縮ひ び割れが顕著に発生し、横補強筋比

pw

によ る大きな違いは見られなかった。また、乾燥 収縮低減剤を添加した試験体(A-06RK)は添加 してない試験体(06RK)に比べ、乾燥収縮ひび 割れの発生が僅かに抑制された。 

3.2 最終破壊形状  図-5 に 1 年時に載荷し た 12NK と 12RK の最終破壊形状を例示する。

材齢 1 年時においても乾燥収縮ひび割れが発 生しなかった 12NK は載荷とともに曲げひび  割れが新規に発生した。載荷前に乾燥収縮ひ 

表-3 実験結果一覧   

   

圧縮 強度

最大曲げ ひび割れ幅

最大 荷重

付着割裂 強度

1)00N1)

               

図-3 ヤング係数の推移 

a) 12NK 側面 (1 年時) 

b) 12RK 側面 (1 年時) 

図-4 乾燥収縮ひび割れの例示   

   

a) 12NK 側面 (Pmax=458.0kN)

b) 12RK 側面 (Pmax=486.2kN)  図-5 最終破壊形状の例示 

0.08 268.0 3.01

2)06N1) 0.08 415.1 4.66

3)12N1) 455.8 5.12

4)00NK 0.10 323.8 3.63

5)06NK 423.0 4.75

6)12NK 458.0 5.14

7)00R1) 274.1 3.08

8)06R1) 373.5 4.19

9)12R1) 449.0 5.04

10)00RK 275.0 3.09

11)06RK 0.18 407.4 4.57

12)12RK 486.2 5.46

13)A-06R1) 34.3(5週時) 0.20 397.7 4.46 14)A-06RK 40.7(1年時) 387.8 4.35

試験体名

(㎜) Pmax (kN) σB

(N/mm2)

τu exp.

(N/mm2) 28.8(5週時)

37.6(1年時)

32.4(5週時)

破壊形状:付着割裂破壊 

最大曲げひび割れ幅はσ=200N/㎜2(P=150kN)時 38.7(1年時)

0.10 0.14 0.10 0.12 0.16 0.18 0.16 0.20 0.18 Wmax

0 8 16 24 32 40 48 56

材齢(週) 1

2 3

5週時

(FC=圧縮強度σB)  :実測値

:Nシリーズ :Rシリーズ

 :RC規準式(γに各供試体測定平均値を使用) RC規準式 E=33500×(γ/24)2×(FC/60)1/ 3

5週時 1年時

E(×104N/mm2)

(3)

び割れの発生が顕著に見られた 12 RK は、乾 燥収縮ひび割れが繋がり曲げひび割れが進展 していく様子が確認された。最終破壊形状は 横補強筋比

pw

の違いによらず、重ね継手区 間に付着割裂ひび割れが急激に進展するサイ ドスプリット型の付着割裂破壊となった。

3.3 曲げひび割れ性状   図-6 に再生コンク リートを用いた試験体(R シリーズ)の横補強 筋比

pw

=1.2%を例に曲げひび割れの発生本数  と主筋応力度の関係を示す。12RK(1 年時)の  主筋応力の増加に伴う曲げひび割れの発生本 数の増加の割合は 12R(5 週時)と同程度であっ たが、12RK の発生本数は 12R に比べ載荷前に 発生していた乾燥収縮ひび割れの本数の分多 かった。 図-7 に主筋長期許容応力度時の最大 曲げひび割れ幅 Wmax を示す。N シリーズの 1 年時の Wmax は、5 週時とさほど変わらなかっ た。一方、R シリーズの 1 年時の Wmax は若干 のばらつきは見られたが平均すると 0.18 ㎜ 程であり、5 週時を平均した0.15㎜に比べ載 荷前の乾燥収縮ひび割れにより僅かに大きく なった。なお、全試験体の Wmax は横補強筋 比による影響は見られず、RC 規準に定められ る制限目標値の 0.25mm 以内となった。 

3.4 変位性状  図-8 に横補強筋比

pw

=1.2%

の試験体の荷重と変位の関係を例示する。変 位は梁の中央変位δを示したものである。図 a)の N シリーズの 12NK(1 年時)の初期剛性は 5 週時に比べ同等であったが、図 b)の R シリ ーズの 12RK は乾燥収縮ひび割れの影響によ り 5 週時に比べ初期剛性が低下した。また、

これらの性状は横補強筋比

pw

が 0.0%と 0.6%

の試験体においても同様の傾向を示した。な お、N シリーズの 1 年時において横補強筋比 の変化による初期剛性の差異は見られず、こ の性状は R シリーズでも同様であった。 

4.付着割裂強度の評価   

図-9 に各試験体の付着割裂強度を示す。付

 

0 100 200 300 400 500

:1年時(12RK) 再生コンクリート

:5週時(12R1 ))

n(本)

5 10 15 20 25

σt(N/mm2

s=30db,  =1.2%pw

図-6 曲げひび割れ発生本数と  主筋応力度の関係 

:1年時 :5週時1) 00 06 12 00 06 12

0.40 Nシリーズ Rシリーズ

σt=200N/mm2

Wmax (mm)

0.30

0.20

0.10

0

制限目標値(0.25mm)

:1年時 :5週時1)

図-7 主筋長期許容応力度時の 最大曲げひび割れ幅 

               

δ

10 20 30 40

δ(mm) 0

200 100 400 300 600 500

P(kN)

 

12N1) (5週時) a)Nシリーズ

普通コンクリート

12NK (1年時)

s=30db, =1.2%pw

δ  

12R1) (5週時) b)Rシリーズ

再生コンクリート

(1年時)12RK

200 100 400 300 600 500

P(kN)

10 20 30 40

δ(mm) 0

s=30db, =1.2%pw

図-8 荷重と変位の関係( 

pw

=1.2% ) 

(4)

着割裂強度は式(1)により算出した。

    ここで 

     

図 a)の普通コンクリート(N シリーズ)と図 b)の再生コンクリート(R シリーズ)はともに、

1 年時の付着割裂強度は 5 週時より若干上昇 した。これは圧縮強度が 5 週時に比べ N シリ ーズでは 30%程度、R シリーズでは 20%程度増 加したためと考える。また、N シリーズの 1 年時の付着割裂強度は横補強筋比

pw

の増加 に伴い上昇し、この傾向は載荷前に乾燥収縮 ひび割れが発生していた R シリーズの 1 年時 においても同様であった。これは付着割裂強 度の横補強筋負担分が増加したためと考えら れ、その増加の割合は 5 週時とほぼ同程度で あった。なお、R シリーズ(1 年時)の

pw

=0.6%

について、乾燥収縮低減剤を添加した A-06RK の付着割裂強度は添加していない 06RK とほ ぼ同程度であった。 

5.まとめ 

乾燥収縮ひび割れが発生した再生コンクリ ート梁の付着割裂強度に横補強筋の効果が得 られるのか検討した結果、本実験の範囲内で 以下に示す知見が得られた。 

1) 再生コンクリートのヤング係数は単位容 積重量が小さかったため、普通コンクリ ートより低い値となった。 

2) 1 年時の再生コンクリート梁の主筋長期 許容応力度時の最大曲げひび割れ幅は、5 週時に比較して載荷前の乾燥収縮ひび割 れにより僅かに大きい結果となったが、

制限目標値の 0.25 ㎜以内となっていた。 

3) 乾燥収縮ひび割れが発生した 1 年時の再 生コンクリート梁の付着割裂強度は横補 

   

                 

 :5週時1 )  B=28.8N/mm2)  :1年時(σB=37.5N/mm2) a)Nシリーズ

普通コンクリート

1 2

0.6

0 1.2pw

(%) 3

4 5 6

τ     (N/mm2)u exp.

00N、06N、12N 00NK、06NK、12NK

s ψ・

・ j    M

図-9 各試験体の付着割裂強度   

強筋比の増加に伴い補強筋負担分が増加  し、その増加の割合は 5 週時とほぼ同程  度であった。 

 

以上、再生コンクリート梁の付着性状に及 ぼす横補強筋の効果について検討した結果、

乾燥収縮ひび割れの影響はさほど見られず再 生コンクリート梁の付着割裂強度においても 横補強筋の効果を確認できた。 

 

謝辞  本研究に際し、東京建設廃材処理協同組 合 葛西再生コンクリート工場より再生コンク リートを供与していただきました。また株式会 社フローリックの坂本健氏と鈴木良明氏に技 術指導をしていただきました。ここに深謝いた します。 

 

参考文献 

1) 河井久直、師橋憲貴、桜田智之:再生コン クリート梁の付着性状に及ぼす横補強筋の 効果、日本大学生産工学部第 37 回学術講演 会、2004 年 12 月、pp.17-20 

2) 日本建築学会:鉄筋コンクリート構造計算 規準・同解説 -許容応力度設計法-、1999 

τu exp.   u

(N/㎜

2

)    (1)   Mu:最大曲げモーメント(N・mm) 

j:(7/8)d  (d:梁有効せい 260.5mm) ψ:鉄筋の周長 (4-D19 240mm)  ℓs:重ね継手長さ (30db 570mm)

 :5週時1 )  B=32.4N/mm2) 00R、06R、12R

 :A-06RK (σB=40.7N/mm2)  :A-06R1 )  B=34.3N/mm2)  :1年時(σB=38.7N/mm2)

00RK、06RK、12RK b)Rシリーズ

再生コンクリート

1 2

0.6

0 1.2pw

(%) 3

4 5 6

τ     (N/mm2)u exp.

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