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特集:米中経済摩擦

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Academic year: 2021

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1 ERINA REPORT PLUS 特集:米中経済摩擦

経済、軍事の両面で台頭する中国と米 国の関係は、近年、次第に緊張したもの となってきていたが、特に2017年に発足し たトランプ政権の下で米中間の経済摩擦 は激化した。トランプ大統領個人がやり玉 に挙げているのは、米国の中国に対する 貿易赤字の存在であるが、一方で、民主 党を含む議会は、知的財産権、国有企 業の優遇などの制度的な問題を重視して おり、それら全体が米中経済摩擦の争点 となっている。

本特集では3つの視点から米中摩擦の 実態を解明し、世界経済及び北東アジア を含む近隣諸国に与える影響を展望す

る。

木村論文は、米中摩擦に代表されるト ランプ政権の通商政策が、WTO に代表 される第二次大戦後の国際貿易システム を損なう点を指摘し、ルールに基づく国際 貿易秩序の維持の必要性を主張してい る。具体的な方向としては、機能不全に 陥りつつあるWTOを補完するものとして、

TPP、RECEP などのメガ FTA の果た す役割に期待を示している。

真家論文は、米中間の摩擦の詳細を 分析し、米国と中国の利害が中国の産業 技術の高度化を目指す政策において深刻 な対立を生じている点を指摘している。こ

こから摩擦の短期的な収束は困難であ り、両国の覇権争いは中長期的に継続す

るとしている。

中島論文は、米中間の摩擦のうちで知 的財産権、国有企業政策などの制度的 な部分はオバマ政権で提起され、TPP に おいても視野に入っていた点を指摘し、現 状の二国間の関税競争による対立を回避 し、TPP に示されたような多国間のルー ル作りによって問題を解決する可能性を示 唆する内容となっている。

これらの考察が、米中経済摩擦に関す る読者の理解を深めるものであることを期 待する。

特集:米中経済摩擦

ERINA 調査研究部主任研究員 中島朋義

参照

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